(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018193090
(22)【出願日】2018-10-12
【審査請求日】2019-11-29
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】特許業務法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢入 哲也
【合議体】
【審判長】小林 俊久
【審判官】古屋野 浩志
【審判官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-245152(JP,A)
【文献】特開2015-202270(JP,A)
【文献】実公昭57-24993(JP,Y2)
【文献】実公平1-43560(JP,Y2)
【文献】実公昭53-18890(JP,Y2)
【文献】特開平11-276275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、
前記支持部材に変位可能に設けられた可動体と、
前記可動体を変位方向に付勢する引張バネと、を備え、
前記引張バネの両端側の被係止部が、前記支持部材側の係止部と前記可動体側の係止部とに夫々係止された遊技機において、
少なくとも前記可動体側の前記係止部を支持する基台部を備え、
前記基台部は、前記被係止部における前記引張バネの伸縮方向と略直角方向の両側に配 置され且つ前記被係止部に対して前記引張バネの軸心廻りに回転不能に前記略直角方向の両側
で当接する当接壁部と、該当接壁部の近傍に設けられた補強壁部と、を一体的に備え
、
前記可動体側の前記係止部は、前記当接壁部と反対側から前記被係止部に当接して該被係止部の外れを防止する外れ止め部を備えた
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機等の遊技機では、遊技機本体の前面に演出画像、その他の画像を表示する画像表示手段を配置すると共に、この画像表示手段の近傍に可動演出装置を配置したものがある。可動演出装置は、画像表示手段の前面下部側の初期位置と画像表示手段の前面側の演出位置との間で上下に変位可能に配置された可動体と、可動体を初期位置から演出位置へと駆動するモータ等の駆動手段と、可動体を初期位置へと付勢する引張バネとを備え、特別利益状態が発生する可能性の高い熱い遊技状態になった場合等の所定の演出時に、駆動手段の駆動により可動体が引張バネに抗して初期位置から演出位置へと上昇して所定の演出を行い、その後、可動体を引張バネにより初期位置へと戻すようにしたものがある(特許文献1)。
通常、引張バネは長手方向の両端側に被係止部を備え、その一方の被係止部を固定側のバネ係止部に、他方の被係止部を可動体側のバネ係止部に夫々係止して、一対のバネ係止部間で伸縮するように引張状態に掛装している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような引張バネを使用する可動演出装置等では、一般にピン状、その他の係止部を設け、その係止部に引張バネの両端の被係止部を引っ掛けている。そのため引張バネの伸縮時に被係止部がバネ係止部に対して伸縮方向と直角方向に動いたり、引張バネがその軸心廻りに廻ったりすることがあって、被係止部がバネ係止部に対して一定位置に安定しないと云う問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑み、バネをバネ係止部に安定的に係止することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、支持部材と、前記支持部材に変位可能に設けられた可動体と、前記可動体を変位方向に付勢する引張バネと、を備え、前記引張バネの両端側の被係止部が、前記支持部材側の係止部と前記可動体側の係止部とに夫々係止された遊技機において、少なくとも前記可動体側の前記係止部を支持する基台部を備え、前記基台部は、前記被係止部における前記引張バネの伸縮方向と略直角方向の両側に配置され且つ前記被係止部に対して前記引張バネの軸心廻りに回転不能に前記略直角方向の両側で当接する当接壁部と、該当接壁部の近傍に設けられた補強壁部と、を一体的に備え、前記可動体側の前記係止部は、前記当接壁部と反対側から前記被係止部に当接して該被係止部の外れを防止する外れ止め部を備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、バネをバネ係止部に安定的に係止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機用の遊技島の正面図である。
【
図6】同支持台側の前部ケース体を外した状態の正面図である。
【
図7】同支持台側の中間ベース体を外した状態の正面図である。
【
図8】同支持台側の後部ケース体を外した状態の背面図である。
【
図13】同第1可動体、第2可動体の横断面図である。
【
図14】同第1可動体、第2可動体の縦断面図である。
【
図21】同第1可動体と第2可動体との分解斜視図である。
【
図23】本発明の第2の実施形態を示す支持台側の正面図である。
【
図25】本発明の第3の実施形態を示す遊技盤側の正面図である。
【
図28】本発明の第4の実施形態を示す遊技盤側の正面図である。
【
図32】本発明の第5の実施形態を示すパチンコ機の正面図である。
【
図34】同可動演出手段の収縮状態の正面図である。
【
図35】同可動演出手段の収縮状態の背面図である。
【
図46】同可動演出手段の上昇展開状態の正面図である。
【
図47】同可動演出手段の上昇展開状態の背面図である。
【
図48】本発明の第6の実施形態を示す要図の説明図である。
【
図50】本発明の第7の実施形態を示す要図の説明図である。
【
図51】本発明の第8の実施形態を示す要図の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1~
図22は本発明をパチンコ機1に採用した第1の実施形態を例示している。パチンコ機1は、
図1~
図3に示すように、遊技島に固定される矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に配置される前枠3とを備え、その前枠3の前側に前扉4が開閉自在に配置されている。なお、外枠2、前枠3により遊技機本体が構成されている。
【0009】
前枠3は第1ヒンジ5を介して外枠2に開閉及び着脱自在に枢着され、前扉4は第2ヒンジ6を介して前枠3に開閉及び着脱自在に枢着されており、これら前枠3及び前扉4はヒンジ5,6と反対側の施錠手段7によって外枠2、前枠3に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0010】
外枠2は、左右一対の縦枠材8,9と、この縦枠材8,9の上端間を左右に連結する上横枠材10と、縦枠材8,9の下端間を左右に連結する下横枠材11と、下横枠材11の前側に前向きに配置され且つ左右の縦枠材8,9を連結する飾り部材12とにより矩形状に形成されている。
【0011】
前枠3には、上部側に遊技盤装着部13が設けられ、下部側に下部装着部14が設けられており、その遊技盤装着部13に遊技盤15が着脱自在に装着され、また下部装着部14に発射手段16、下スピーカ17等が装着されている。
【0012】
遊技盤15の前面には、
図3、
図4に示すように、遊技領域18の外周側に配置された前飾り部材19と、発射手段16によって発射された遊技球を遊技領域18の上部側へと案内するガイドレール20と、遊技領域18の略中央部に配置されたセンターケース21とが装着されている。
【0013】
また遊技盤15の裏側には、
図1、
図4に示すように、遊技領域18の略中央部に位置する画像表示手段25と、第1可動体26、第2可動体27を含む可動演出手段(可動演出装置)28とが裏側に配置されている。更に遊技盤15の前面の遊技領域18には、
図1に示すように、センターケース21の周辺に普通図柄始動手段29、特別図柄始動手段30、可変入賞手段31、普通入賞手段32等の各種遊技部品が配置されている。
【0014】
センターケース21は、
図4に示すように、画像表示手段25の表示領域22の前側に対応する表示窓23と、遊技盤15に形成された開口部24内に嵌め込まれ且つ表示窓23を取り囲む窓周壁部34と、窓周壁部34の外周で遊技盤15の前側に突出して配置された前面部35とを有する。センターケース21の前面部35には、
図1に示すように普通図柄表示手段36、特別図柄表示手段37等が設けられている。
【0015】
遊技盤15の裏側には、普通図柄始動手段29、特別図柄始動手段30、可変入賞手段31、普通入賞手段32等の各種遊技部品を裏側から覆う裏カバー38が装着されている。この裏カバー38は、
図4に示すように、遊技盤15の裏面から後方に突出する裏周壁部39と、裏周壁部39の後端側を塞ぐように一体に形成された後壁部40とを有し、その後壁部40に画像表示手段25用の開口部41が形成されている。
【0016】
画像表示手段25は演出図柄表示手段42、操作誘導画像表示手段43等を構成するものであって、液晶式その他の表示パネル44と、この表示パネル44を収容するパネルカバー45とを有し、表示パネル44が開口部41に対応するように、裏カバー38の後壁部40に裏側から着脱自在に装着されている。
【0017】
可動演出手段28は、
図1、
図4に示すように、画像表示手段25の前側で前後に配置された第1可動体26と第2可動体27とを備えている。第1可動体26は、センターケース21の表示窓23よりも上側又は画像表示手段25の表示領域22の上部側の第1初期位置26Aと、この第1初期位置26Aよりも下側で第1枢軸47廻りに画像表示手段25の前側に下降し突出する第1演出位置26Bとの間で変位可能である。
【0018】
また第2可動体27は、第1可動体26の裏側に隠れる第2初期位置27Aと、第2可動体27から下側に突出する第2演出位置27Bとの間で第2枢軸48廻りに変位可能である。
【0019】
通常の遊技状態では、可動演出手段28の第1可動体26は、
図1に示すように、表示窓23よりも上側に隠れた第1初期位置26Aにあり、また第2可動体27は第1可動体26の裏側に隠れた第2初期位置27Aにあって、表示窓23の上側で待機する待機状態にある。
【0020】
そのため画像表示手段25の前側に可動演出手段28を配置しているにも拘らず、通常の遊技状態では、その第1可動体26、第2可動体27が画像表示手段25の表示領域22に表示される図柄画像、その他の演出画像の視認性を損なうようなことはない。
【0021】
この可動演出手段28では、遊技中の演出図柄表示手段42の演出図柄42a~42cの変動表示中に、出現率が低く変動後に特別利益状態が発生する可能性の高い変動パターンが出現する等、特別利益状態の発生を期待させる熱い遊技状態になる演出条件が充足した場合に、遊技者が後述の演出操作ボタン52を操作することにより、第1可動体26、第2可動体27が変位する可動演出を実行する。
【0022】
即ち、遊技中に遊技者が演出操作ボタン52を操作すると、可動演出制御手段(図示省略)からの可動演出指令により、第1可動体26が第1枢軸47廻りに第1初期位置26Aから第1演出位置26Bへと回動し、また第2可動体27が第2枢軸48廻りに第2初期位置27Aから第2演出位置27Bへと回動して、画像表示手段25に表示される演出画像等と同期しながら所定の演出動作を行う。各可動体26,27は、その後、各枢軸47,48廻りに演出位置26B,27Bから初期位置26A,27Aへと回動して待機状態に戻る。
【0023】
普通図柄表示手段36は普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個のLED等の発光体により構成されており、普通図柄始動手段29が遊技球を検出することを条件にそれら2個の発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段29による遊技球の検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合に当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合に外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で夫々点滅が終了するようになっている。
【0024】
なお、普通図柄表示手段36の変動後の停止図柄が当たり態様となれば、特別図柄始動手段30が作動する特定利益状態に移行し、また外れ態様で停止すれば、特別図柄始動手段30が作動しない通常の遊技状態(非特定利益状態)を継続する。
【0025】
特別図柄始動手段30は、特別図柄表示手段37による図柄変動を開始させるためのもので、上始動入賞手段49と下始動入賞手段50とを上下に備えている。上始動入賞手段49は非開閉式である。下始動入賞手段50は、遊技球が入球不可能(又は入球困難)な閉状態と入球可能(又は入球容易)な開状態とに切り換え可能な開閉式であり、普通図柄表示手段36の変動後の停止図柄が当たり態様となって特定利益状態が発生したときに、閉状態から開状態へと所定時間開放するようになっている。
【0026】
特別図柄表示手段37は1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段30の上始動入賞手段49又は下始動入賞手段50に遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、始動入賞手段49,50への入賞時に取得した大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には特別図柄が所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止する。
【0027】
演出図柄表示手段42は、特別図柄表示手段37による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄42a~42cを変動表示するもので、1個又は複数個(例えば左右方向に3個)の演出図柄42a~42cを各種の演出画像と共に画像表示手段25の表示画面に変動表示可能に構成されている。
【0028】
この演出図柄表示手段42は、特別図柄始動手段30の始動入賞手段の何れかに遊技球が入賞した場合に、特別図柄の変動開始と同時に複数種類の変動パターンの何れかに従って演出図柄42a~42cが変動を開始して、特別図柄の停止と同時に演出図柄42a~42cが最終停止する。なお、演出図柄42a~42cは特別図柄が外れ態様で停止する場合には外れ演出態様で停止し、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり演出態様で停止する。
【0029】
可変入賞手段31は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉部材31aを備えた開閉式であって、特別図柄表示手段37の変動後の特別図柄が大当たり態様となって特別利益状態が発生したときに、開閉部材31aが所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0030】
操作誘導画像表示手段43は、遊技中に所定の条件を満たしたときに操作誘導画像43aを所定時間表示して、その操作誘導画像43aの表示中は演出操作ボタン52の操作が有効である旨の操作有効期間を報知するものである。
【0031】
前扉4には、遊技領域18を視認可能な視認窓53と、視認窓53の上側で左右中央に配置された上部送風演出手段54と、上部送風演出手段54の左右両側に配置された左右一対の上部スピーカ55と、視認窓53の下側で左右両側に配置された左右一対の下部スピーカ56と、視認窓53の下側で前側に張り出して配置された前張り出しユニット(皿ユニット)57とが設けられている。
【0032】
視認窓53は遊技領域18に対応して設けられており、前扉4の裏側に着脱自在に装着されたガラスユニット(図示省略)により塞がれている。上部送風演出手段54はその左右両側の上部スピーカ55から前側に突出して設けられており、特別利益状態が発生したときに遊技者側に送風して特別利益状態の発生を演出するようになっている。なお、上部送風演出手段54には、発光手段が組み込まれている。
【0033】
前張り出しユニット57は中央部が前方に突出する平面視略三角形状であって、この前張り出しユニット57には、操作演出用の演出操作ボタン52と、発射用の遊技球を貯留する上皿(発射球貯留部)58と、余剰球を貯留する下皿(余剰球貯留部)59とが設けられ、また演出操作ボタン52に対して上皿58、下皿59と反対側に発射操作用の発射ハンドル60が設けられている。なお、発射ハンドル60は遊技者の回動操作により、その回動操作量に応じた打撃力で発射手段16が作動して、ガイドレール20を経て遊技球を遊技領域18側へと発射させるようになっている。
【0034】
演出操作ボタン52は、操作誘導画像表示手段43の操作誘導画像の表示中に操作して所定の操作演出を実行させるためのものである。この演出操作ボタン52を操作したときには、可動演出手段28の第1可動体26、第2可動体27を変化させる可動演出と、画像表示手段25に特定の操作演出画像を表示する画像演出とを組み合わせた操作演出を行うようになっている。
【0035】
操作演出は、特別図柄表示手段37の特別図柄の変動中に特別図柄始動手段30に遊技球が入賞した場合に画像表示手段25に表示される始動保留画像を変化させる始動保留演出等でもよい。
【0036】
なお、前扉4は、視認窓53、ガラスユニット等を備えた上部側のガラス扉と、上皿58、下皿59、演出操作ボタン52、発射ハンドル60等を備えた下部側の開閉扉とに二分割して、ガラス扉と開閉扉とが別々に開閉するように構成することも可能である。
【0037】
可動演出手段28は、
図4、
図5に示すように、画像表示手段25の左右一側で裏カバー38に装着された支持台63と、画像表示手段25の前側に左右方向に配置され且つ基部側が第1枢軸47により支持台63に回動自在に枢着された第1可動体26と、第1可動体26の裏側の左右略中央に配置され且つ基部側が第2枢軸48により第1可動体26に回動自在に枢着された第2可動体27と、支持台63内に組み込まれ且つ第1可動体26を第1枢軸47廻りに第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間で変位させる第1作動機構64と、第1可動体26の裏側に設けられ且つ第2可動体27を第2枢軸48廻りに第2初期位置27Aと第2演出位置27Bとの間で変位させる第2作動機構65とを備えている。
【0038】
この可動演出手段28による可動演出に際しては、第1作動機構64により、第1可動体26が第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間で第1枢軸47廻りに上下方向に回動し、第2作動機構65により、第2可動体27が第2演出位置27Bと第2初期位置27Aとの間で第2枢軸48廻りに上下方向に回動する。
【0039】
支持台63は、
図4~
図12に示すように、画像表示手段25の左右一側で裏カバー38の後壁部40に沿って上下方向に配置されている。また支持台63は、中間ベース体67と、中間ベース体67の前側に着脱自在に固定された前部ケース体68と、中間ベース体67の後側に着脱自在に固定された後部ケース体69とを備え、その後部ケース体69が取り付けボス70を介して裏カバー38の後壁部40に取り付けられている。中間ベース体67と前部ケース体68との間に前部収容室71が形成され、中間ベース体67と後部ケース体69との間に後部収容室72が形成されている。
【0040】
第1可動体26は、
図4~
図14に示すように、左右一端の基部側が前部収容室71内で前後方向の第1枢軸47により支持台63に回動自在に枢支された第1支持部材73と、この第1支持部材73の前面に装着された第1発光演出手段74とを備え、第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間で第1枢軸47廻りに回動可能である。
【0041】
第1支持部材73は前後に偏平状で左右に長く構成されており、この第1支持部材73の基部側には、後方に突出する第1枢軸47と、下方に突出する突出アーム75とが一体に設けられている。第1枢軸47は円筒状であり、摺動筒体76、中間ベース体67を前後方向に貫通して後部収容室72内に突出している。
【0042】
第1可動体26による可動演出時には、第1支持部材73及び第1発光演出手段74を含む全体が第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間で第1枢軸47廻りに回動すると共に、この第1可動体26の回動演出は、画像表示手段25に表示される演出画像による画像演出とに同期して、第1発光演出手段74が発光する第1発光演出を行う。
【0043】
第1発光演出手段74は、
図13、
図14に示すように、前面に主表示部85及び副表示部86が設けられたケース状の第1表示部材77と、この第1表示部材77の裏側を塞ぎ且つ第1支持部材73の前面に取り付けられた裏部材78とを備え、第1表示部材77と裏部材78との間に、第1表示部材77の主表示部85、副表示部86を裏側から発光させる第1発光手段79と、第1表示部材77と第1発光手段79との間に設けられた区画部材80とが組み込まれている。
【0044】
第1表示部材77は前面側に配置された前表示壁83と、この前表示壁83の外周縁から後方に屈曲する外周壁部84とを一体に備え、その前表示壁83に、主要事項を表示する主表示部85と、主表示部85の周辺部分を飾る副表示部86とが設けられている。
【0045】
主表示部85に表示される主要事項としては、パチンコ機1の機種名「東京ABC」等があり、副表示部86には主表示部85の周辺部分を飾る装飾模様等がある。なお、この主表示部85及び副表示部86は表示事項に応じて適宜構成すればよい。例えば、表示事項が主要事項のみの場合には、その表示事項を要素別に表示するように主表示部85を複数個設けてもよいし、表示事項の全体を単一の主表示部85で表示するようにしてもよい。
【0046】
第1表示部材77は光透過性を有し、主表示部85に対応する裏面側には、第1発光手段79からの光により主表示部85を発光させるための乱反射部85aが凹凸状に設けられている。副表示部86に対応する裏面側には乱反射部はないが、乱反射部を設けてもよい。
【0047】
また主表示部85、副表示部86以外の面には、第1発光手段79からの光を遮光する遮光部87が設けられている。遮光部87は遮光膜、遮光塗料、遮光シート等により構成されている。裏部材78は第1表示部材77から裏側に突出する取り付け部89にネジで固定され、外周縁が第1表示部材77の外周壁部84に裏側から当接して第1表示部材77の裏側を塞いでいる。
【0048】
第1発光手段79は、第1表示部材77の外周壁部84内に配置されたLED基板91と、このLED基板91の前面に装着された複数個のLED92,93とを有し、そのLED92,93からの光を表示部85,86に対して裏側から照射するようになっている。LED基板91は区画部材80と裏部材78との間に配置されている。LED92,93は、主表示部85に対応する主LED92と、副表示部86に対応する副LED93とがあり、区画部材80に形成された透過口94,95を経て主表示部85、副表示部86を裏側から発光させるようになっている。
【0049】
区画部材80は遮光性を有し、透過口94,95が形成され且つLED基板91の前面に当接又は近接して配置されている。区画部材80には第1表示部材77の前表示壁83に突出して主表示部85の裏側を副表示部86から区画する区画壁96を有し、主LED92からの光を主表示部85の裏側に集中させて、副表示部86側への光の漏れ、拡散を防止するようになっている。区画壁96の前端は主表示部85の外側で前表示壁83の裏面に当接している。
【0050】
この第1発光演出手段74による第1発光演出に際して、第1発光手段79のLED92,93が発光すると、その光によって第1表示部材77の各表示部85,86を発光させることができる。
【0051】
第1表示部材77には機種名等の主要事項を表示する主表示部85と、主要事項以外の事項を表示する副表示部86とがあり、また第1発光手段79には主表示部85に対応する主LED92と、副表示部86に対応する副LED93とがあり、主表示部85には副表示部86とは異なってそれに対応する乱反射部85aがあるため、主表示部85は高輝度で発光し、副表示部86は低輝度で発光する等、主表示部85及び副表示部86の発光状態をその重要性に応じて適宜変化させることが可能である。
【0052】
即ち、主表示部85の裏側に乱反射部85aがあり、この乱反射部85aで主LED92からの光を乱反射するため、第1表示部材77の前側の主表示部85が高輝度状態で発光して機種名等の表示事項を発光表示することができる。一方、第1表示部材77の副表示部86の裏側に副LED93からの光を直接照射するため、副表示部86を主表示部85とは異なる低輝度状態で発光表示することができる。更に第1表示部材77と第1発光手段79との間には、主表示部85と副表示部86とを区画する区画壁96を備えた区画部材80があるため、主LED92からの光の副表示部86側への漏れ、拡散等も防止することができる。
【0053】
第1作動機構64は、
図6~
図12に示すように、支持台63に上下方向に昇降自在に設けられ且つ第1可動体26を第1枢軸47廻りに回動可能に支持する昇降体100と、昇降体100を第1初期位置26Aに対応する上昇位置100A(
図6参照)と第1演出位置26Bに対応する下降位置100B(
図6参照)との間で上下方向に昇降させる昇降駆動手段101と、昇降体100による第1可動体26の第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間での昇降時に第1可動体26の姿勢を制御するカム式姿勢制御手段103と、第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間での第1可動体26の昇降に連動して伸縮するように昇降体100に連結され且つ昇降体100を上昇方向(第1可動体26を第1初期位置26A側)に付勢する第1引張バネ104と、第2移動範囲102Bでの第1可動体26の回動に連動して伸縮し且つ第1可動体26を姿勢変更位置26C側に付勢する第2引張バネ105とを備えている。
【0054】
カム式姿勢制御手段103は、
図7に示すように、第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間で第1可動体26が昇降する際に、第1初期位置26Aと中間の姿勢変更位置26Cとの間の第1移動範囲102Aでは第1可動体26を略平行姿勢に保ち、姿勢変更位置26Cと第1演出位置26Bとの間の第2移動範囲102Bでは第1可動体26を第1枢軸47廻りに回動させるように構成されている。
【0055】
この第1作動機構64では、通常、昇降体100は第1引張バネ104の付勢により
図7に実線で示す上昇位置100Aに保持されており、第1可動体26は
図5に実線で示すように第1枢軸47から横方向に延びる第1初期位置(原点位置)26Aに保持されている。
【0056】
そこで、可動演出制御手段(図示省略)からの可動演出指令があると、昇降駆動手段101が昇降体100を下降方向に駆動し、昇降体100が第1引張バネ104に抗しながら、
図7の上昇位置100Aから
図17の下降位置100Bへと下降する。
【0057】
この昇降体100の下降時に、カム式姿勢制御手段103の姿勢制御により、第1移動範囲102Aでは第1可動体26が略平行姿勢を保ちながら下降し、第2移動範囲102Bでは第1可動体26が第1枢軸47廻りに回動しながら下降する。逆に昇降駆動手段101により昇降体100を
図17の下降位置100Bから
図7の上昇位置100Aへと上昇させる場合には、第1可動体26は第1移動範囲102Aでは第1枢軸47廻りに上向きに回動し、第2移動範囲102Bでは上向きに略平行に移動する。
【0058】
従って、第1可動体26による可動演出時には、第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの全範囲の内、姿勢変更位置26Cから上側の第1移動範囲102Aでは第1可動体26を略一定の定姿勢で略平行に昇降させることができ、また姿勢変更位置26Cから下側の第2移動範囲102Bでは第1可動体26を第1枢軸47廻りに回動させることができるので、第1移動範囲102Aと第2移動範囲102Bとで第1可動体26の動きに変化を持たせることができる。
【0059】
即ち、昇降体100が100a矢示方向に下降すれば、この昇降体100に第1枢軸47を介して枢支された第1可動体26が、第1初期位置26Aから第1演出位置26B側へと下降を開始する。この昇降体100による第1可動体26の下降時には、昇降体100の下降に連動して第1引張バネ104を上昇位置100Aから下降位置100B(第1初期位置26Aから第1演出位置26Bに対応)までの全範囲で伸長させて行く。
【0060】
第1可動体26が第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの中間の姿勢変更位置26Cに達するまでの第1移動範囲102Aでは、カム式姿勢制御手段103の姿勢制御により、第1可動体26は
図7の第1初期位置26Aから
図16に示す姿勢変更位置26Cへと略一定の定姿勢を保ちながら略平行に下降する。
【0061】
そして、第1可動体26が略一定の定姿勢で姿勢変更位置26Cまで達して、その姿勢変更位置26Cを第1演出位置26B側に超えた後の第2移動範囲102Bでは、カム式姿勢制御手段103の姿勢制御により、第1可動体26は第2引張バネ105に抗して伸長させながら、
図16に示す状態から
図17に示す状態へと第1枢軸47廻りに第1演出位置26Bへと回動する。
【0062】
従って、姿勢変更位置26Cを境界に第1移動範囲102A側と第2移動範囲102B側とで第1可動体26の動きに変化を持たせることができる。
【0063】
昇降体100の上昇時には、昇降駆動手段101により昇降体100を上昇方向に駆動すると共に、第1引張バネ104により昇降体100を上昇方向に付勢し、また第2引張バネ105により第1可動体26を第1枢軸47廻りに姿勢変更位置26Cへと上昇方向に付勢する。
【0064】
そのため第2移動範囲102Bでは第1可動体26を第1枢軸47廻りに回動させているにも拘らず、第1演出位置26Bから第1初期位置26Aへと復帰する際の復帰動作開始直後における昇降駆動手段101の負荷を軽減することができ、第1可動体26をスムーズに第1初期位置26Aへと復帰させることができる。
【0065】
昇降体100は、
図8~
図10に示すように、上下、左右方向の板状部108と、この板状部108の一側外周に一体に形成された周壁部109とを有し、支持台63の後部収容室72内で中間ベース体67と後部ケース体69とにより前後両側から上下摺動自在に挟まれており、第1昇降案内手段110、第2昇降案内手段111を介して支持台63により昇降自在に支持されている。
【0066】
第1昇降案内手段110は昇降体100の上部側を昇降自在に案内し、第2昇降案内手段111は昇降体100の下部側を昇降自在に案内するためのもので、中間ベース体67に上下方向に形成された長孔等の昇降案内部110a,111aと、昇降体100の上部及び下部に設けられ且つ昇降案内部110a,111aにより上下方向に摺動自在に案内される被案内部110b,111bとを有する。
【0067】
第1支持部材73は中間ベース体67の昇降案内部110aを経て前部収容室71内に貫通する筒状の第1枢軸47を有し、この第1枢軸47の外周に、筒体により構成された被案内部110bが同心状に套嵌されている。被案内部110bは、昇降体100の上部側の第1枢軸47に回動自在に套嵌されている。
【0068】
第1枢軸47は中間ベース体67の昇降案内部110aに摺動自在に嵌め込まれており、被案内部110bを介して昇降案内部110aに対して昇降及び相対回動可能である。第1枢軸47には連動部材112がネジ等の固定具112bにより着脱自在に固定され、また連動部材112の筒部112aに昇降体100が第1枢軸47廻りに相対回動可能に套嵌されている。
【0069】
このように第1昇降案内手段110の被案内部110bを第1枢軸47に同心状に設けることにより、第1枢軸47、第1昇降案内手段110を含む機構全体を簡素化することができる。また昇降体100の昇降と、その昇降体100の任意の昇降位置に対する第1枢軸47廻りの第1可動体26の回動との相対的動作を円滑にすることができる。
【0070】
第2昇降案内手段111の被案内部111bは昇降体100の下部側に固定され、中間ベース体67の昇降案内部111aに上下摺動自在に嵌め込まれている。なお、第1昇降案内手段110、第2昇降案内手段111は上下に配置されているが、前後に配置してもよい。また中間ベース体67及び/又は後部ケース体69を昇降体100の昇降案内手段の一部に利用してもよい。
【0071】
カム式姿勢制御手段103は、昇降体100の昇降と協働して第1可動体26の第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間での昇降時の姿勢を制御するものであって、
図6、
図8、
図18に示すように、中間ベース体67の板状部134に形成された長孔等のカム部113と、第1枢軸47の下側で第1支持部材73の下方に突出する突出アーム75の下端部に設けられ且つカム部113により案内されるカム従動部114とを備えたカム式になっている。
【0072】
カム部113は、
図18に示すように、昇降案内手段110,111と略平行に上下方向に形成された略平行保持用の第1カム部113aと、この第1カム部113aの下端から下側に連続して左右方向の外側へと湾曲する円弧状に形成された回動姿勢用の第2カム部113bとを有する。
【0073】
第1カム部113aは第1移動範囲102Aに、第2カム部113bは第2移動範囲102Bに夫々対応しており、カム部113の第1カム部113aと第2カム部113bとの境界が、第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの中間の姿勢変更位置26Cに対応している。
【0074】
第1カム部113aは、第1移動範囲102Aと対応して昇降案内手段110,111と略平行に上下方向に直線状に形成されており、昇降体100の昇降時に第1可動体26か略平行に昇降するようにカム従動部114を案内する。
【0075】
従って、カム従動部114が姿勢変更位置26Cから上側の第1カム部113a内を上下動する第1移動範囲102Aでは、カム従動部114が第1枢軸47と略平行な移動軌跡を保ちながら上下動するため、第1可動体26は第1初期位置26Aと姿勢変更位置26Cとの間の第1移動範囲102Aでは、
図6、
図16に示すように略一定の定姿勢で略平行に昇降することができる。
【0076】
第2カム部113bは第1カム部113aの下端から外側へと円弧状に形成されており、昇降体100の昇降時に第1可動体26が第1枢軸47廻りに回動するようにカム従動部114を案内する。
【0077】
従って、カム従動部114が姿勢変更位置26Cから下側の第2カム部113b内を上下移動する第2移動範囲102Bでは、下方になるほどカム従動部114が外側に離れるため、第1可動体26は第2カム部113bに対するカム従動部114の相対位置の変化に応じて、
図16に示す状態と
図17に示す状態との間で第1枢軸47廻りに回動しながら昇降することができる。
【0078】
このようにカム式姿勢制御手段103は、昇降案内手段110,111による昇降体100の昇降動作と連動して第1可動体26が第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間で昇降するに際して、姿勢変更位置26Cの上下両側の第1移動範囲102Aと第2移動範囲102Bとで第1可動体26の姿勢を円滑に変化させることができる。
【0079】
なお、昇降体100の昇降時に第1可動体26が第1枢軸47廻りに回動するときの回動姿勢は、第2カム部113bの形状によって変化するため、第2カム部113bの形状は第1可動体26の姿勢の変化に応じて適宜決定すればよく、必ずしも円弧状である必要はなく、直線状、屈曲線状、波線状でもよい。
【0080】
昇降駆動手段101は、後部ケース体69の裏側に装着されたステッピングモータ等の駆動源115と、この駆動源115の駆動軸115aに固定された駆動ギヤー116と、駆動ギヤー116の上側で後部ケース体69に支軸121により回転自在に支持されたセクタギヤー117と、昇降体100の下端部に左右方向に設けられた長孔等の連接部119と、セクタギヤー117に固定され且つ連接部119に左右方向に摺動自在に係合するクランクピン120とを備えている。
【0081】
連接部119、クランクピン120は、セクタギヤー117の支軸121廻りの正逆転により昇降体100を昇降させるクランク機構を構成している。連接部119は昇降体100の下部側にその昇降方向と略直角の左右方向に形成され、またクランクピン120は昇降体100が上昇位置100Aのときに支軸121の略鉛直線上又はその近傍に位置するように配置されている。
【0082】
セクタギヤー117にはクランクピン120と反対側に被検出体122が設けられ、また後部ケース体69には昇降体100が上昇位置100Aである原点位置に復帰したときに、被検出体122を介して昇降体100の原点位置への復帰を検出する検出手段123が設けられている。
【0083】
通常、昇降体100は上昇位置100Aにある。この上昇位置100Aでは、昇降体100は第1引張バネ104により上昇方向に付勢されているが、その連接部119に係合するクランクピン120により上昇位置100Aに保持されている。昇降体100が上昇位置100Aにある場合には、可動演出指令等による駆動源115の正転により、昇降体100を下降させる。そして、昇降体100が下降すると、この昇降体100の下降動作に連動して第1可動体26を第1初期位置26Aから第1演出位置26Bへと姿勢を変えながら下降させることができる。
【0084】
第1引張バネ104は、昇降体100の上部に固定された可動バネ係止部126と、中間ベース体67の側面に固定された固定バネ係止部127との間に掛装されており、第2可動体27、昇降体100を含む第1可動体26側の全荷重に抗して、昇降体100を介して第1可動体26を第1初期位置26Aから第1演出位置26Bに跨がる大きい可動範囲の全域で第1初期位置26A側へと付勢するようになっている。
【0085】
そのため第1引張バネ104には、第1可動体26側の全荷重に抗して第1可動体26を第1初期位置26Aに安定的に支持できるように、次の条件を満たす長いものが使用され、しかも可動バネ係止部126、固定バネ係止部127間の上方に配置されたバネ案内手段128を介して逆U字状に屈曲させて効率的にコンパクトに掛装されている。
【0086】
即ち、第1引張バネ104は、最大比例限度長(弾性限界長)と自由長(無負荷状態の引張バネの長さ)との差が自由長未満(最大比例限度長が自由長の二倍未満)であって、第1可動体26側の全荷重に抗するようにバネ定数が大きく、しかも第1可動体26が第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとに変位するときの比例限度内の伸縮代が自由長以下又は未満の引張バネが使用されている。
【0087】
一方、第1可動体26は第1初期位置26Aと第1演出位置26Bとの間で大きく昇降するため、第1引張バネ104の最大比例限度内で第1可動体26の大きな可動域に追従して伸縮できるように、第1引張バネ104の自由長を決定する必要がある。そこで、第1引張バネ104には自由長が長く、最大比例限度長がその自由長の二倍未満の条件を満たすものであって、比例限度内での伸縮代の長いものが使用されている。
【0088】
また第1引張バネ104は、昇降体100の上方で支持台63の上端部側にバネ案内手段128を配置して、そのバネ案内手段128を経由して可動バネ係止部126、固定バネ係止部127間に逆U字の屈曲状に巻き掛けられている。
【0089】
従って、第1引張バネ104には自由長の長い引張バネを使用しているにも拘らず、第1引張バネ104を狭い占有スペース内に効率的にコンパクトに組み込むことができ、可動演出手段28の全体を小型軽量化することができる。しかも第1引張バネ104の中間をバネ案内手段128により支持するため、第1引張バネ104の伸縮時の揺れ等も防止することができる。
【0090】
第1引張バネ104は、長手方向に伸縮可能なコイル部130と、このコイル部130の両端に一体に形成されたリング状、フック状その他の被係止部131,132とを備え、その一方の被係止部131が可動バネ係止部126に、他方の被係止部132が固定バネ係止部127に夫々係止され、コイル部130が中間ベース体67と後部ケース体69との壁面に近接して側面視略平行に配置されている。被係止部131,132はコイルにより二巻き状に構成されているが、一巻き、三巻き状等でもよい。
【0091】
可動バネ係止部126は、
図8、
図9、
図20に示すように、前側に突出して第1引張バネ104の被係止部131を係止する係止突部126aと、この係止突部126aの前端側から下向きに屈曲して第1引張バネ104の被係止部131の外れを防止する外れ止め部126bとを備えた鉤状に構成され、昇降体100の周壁部109上の基台部133に一体に設けられている。
【0092】
固定バネ係止部127は、
図8、
図18、
図19に示すように、前側に突出して第1引張バネ104の被係止部132を係止する係止突部127aと、この係止突部127aの前端側から下向きに屈曲して第1引張バネ104の被係止部132の外れを防止する外れ止め部127bとを備えた鉤状に構成され、中間ベース体67の板状部134上の基台部135に一体に設けられている。
【0093】
昇降体100及び中間ベース体67の基台部133,135は、係止突部126a,127aを支持する左右方向に直線状又は円弧状の支持壁部133a,135aと、この支持壁部133a,135aの左右両端から下側に屈曲する補強壁部133b,135bとを有し、全体として少なくとも正面視逆U字状に形成されている。そのため基台部133,135は第1引張バネ104の弾性力にも十分に耐えることができる。
【0094】
昇降体100の基台部133は、昇降体100の周壁部109上に前後方向に設けられており、外れ止め部126bを容易に金型成型できるように、基台部133と周壁部109との間は前後方向の貫通状になっている。
【0095】
中間ベース体67の基台部135は、カム部113の近傍に配置され、板状部134から前側に突出して形成されている。この中間ベース体67の板状部134には、基台部135の下側に前後方向に貫通する貫通部136と、貫通部136の下周縁で左右の補強壁部135bの下端間を連結する下側補強壁135cとが設けられている。従って、基台部135がカム部113の近傍にあるにも拘わらず、中間ベース体67の強度を確保できると共に、外れ止め部127bを容易に金型成型できる利点がある。
【0096】
なお、中間ベース体67の基台部135には、支持壁部135aに対して補強壁部135bと反対側に固定バネ係止部127に対応する補強リブ135dが設けられている。補強リブ135dは板状部134と支持壁部135aに一体に側面視三角形状に形成されている。
【0097】
第1引張バネ104を可動バネ係止部126と固定バネ係止部127との間に掛装する場合には、第1引張バネ104の各被係止部131,132を各バネ係止部126,127の係止突部126a,127aに引っ掛けて係止する。すると各被係止部131,132の一側面が基台部133,135の支持壁部133a,135aに、他側面が外れ止め部126b,127bに夫々当接するため、支持壁部133a,135aと外れ止め部126b,127bとによって第1引張バネ104の各被係止部131,132を前後方向に位置決めすることができる。
【0098】
従って、昇降体100の昇降時に第1引張バネ104が伸縮する際にも、可動バネ係止部126とバネ案内手段128との間、固定バネ係止部127とバネ案内手段128との間での第1引張バネ104の軸心廻りの回動を防止することができる。
【0099】
また第1引張バネ104の可動バネ係止部126とバネ案内手段128との間のコイル部130、固定バネ係止部127とバネ案内手段128との間のコイル部130を中間ベース体67、前部ケース体68と略平行に保持できるため、第1引張バネ104が伸縮する際にも、そのコイル部130と中間ベース体67、前部ケース体68との間隔が小さい場合でも、コイル部130の中間ベース体67、前部ケース体68に対する接触を防止することできる。そのため第1引張バネ104の収容部分の支持台63の前後方向の厚さを抑えることができる。
【0100】
バネ案内手段128は、
図9、
図11に示すように、中間ベース体67の壁面から突出する筒状の固定軸138と、この固定軸138の外周に回転自在に套嵌され且つ第1引張バネ104のコイル部130が巻き掛けられた滑車139とを備え、可動バネ係止部126と固定バネ係止部127との上方に配置されている。
【0101】
滑車139は第1引張バネ104のコイル部130が略均一に伸縮するように十分な半径を有し、固定軸138の外周に摺動自在に套嵌された前後一対の回転体140により構成されている。前後一対の回転体140は胴部140aと鍔部140bとを一体に備え、その胴部140a同士が前後に隣接するように固定軸138上に套嵌され、前後二つの胴部140aに跨がって第1引張バネ104のコイル部130が巻き掛けられている。回転体140は固定軸138上を前後方向及び回転方向に摺動自在であり、固定軸138に固定のワッシャ付きネジ等の抜け止め具137により抜け止めされている。
【0102】
このようにバネ案内手段128の滑車139に第1引張バネ104を巻き掛けることにより、第1引張バネ104の伸縮時に滑車139が伸縮方向に回転しながら転がり接触により第1引張バネ104を案内するため、第1引張バネ104がバネ案内手段128に対して摺動する場合に比較して抵抗が少なく、昇降体100の昇降時にバネ案内手段128の両側に跨がって第1引張バネ104の略全体を軽快に無理なく伸縮させることができる。そのため昇降体100は、軽快且つ円滑に昇降することができる。
【0103】
第1可動体26側の第1枢軸47には、
図8、
図9、
図12に示すように、円板状の連動部材112が固定されており、昇降体100の昇降により、カム従動部114が姿勢変更位置26Cから下側の第2カム部113bに沿って移動するときに、連動部材112が第1可動体26に連動して第1枢軸47廻りに一体に回動するようになっている。
【0104】
即ち、連動部材112は、カム従動部114が第1カム部113a内で上下動するときには第1可動体26に固定状態である。そして、
図16から
図17に示すように、カム従動部114が第2移動範囲102Bの第2カム部113b内を下側へと下降するときには、連動部材112が第1可動体26に対して第1枢軸47廻りに
図16の112c矢示方向へと回動し、またカム従動部114が第2カム部113b内を上側へと上昇するときには、第1可動体26に対して第1枢軸47廻りに反112a矢示方向へと回動する。
【0105】
第2引張バネ105は連動部材112を介して第1可動体26を第1枢軸47廻りに姿勢変更位置26C側へと反112a矢示方向に付勢するものであり、
図8示すように、長手方向に伸縮可能なコイル部141と、このコイル部141の長手方向の両端に設けられた被係止部142,143とを有し、その一方の被係止部142が連動部材112側の可動バネ係止部144に、他方の被係止部143が昇降体100側の固定バネ係止部145に夫々係止され、可動バネ係止部144と固定バネ係止部145とに跨がって板状部108と略平行に掛装されている。
【0106】
このように第1枢軸47側に連動部材112を固定して、この連動部材112側の可動バネ係止部144と昇降体100側の固定バネ係止部145とに跨がって第2引張バネ105を掛装することにより、第1可動体26が姿勢変更位置26Cから第1演出位置26Bへと下降するときに第2引張バネ105が伸長して付勢力を蓄積し、第1可動体26が第1演出位置26Bから第1初期位置26A側へと上昇を開始するときに、その第2引張バネ105に蓄積された付勢力により第1可動体26の上昇方向への動きを補助することができる。そのため昇降体100の上昇により、第1可動体26を第1演出位置26Bから第1初期位置26Aへと円滑且つ軽快に上昇させることができる。
【0107】
可動バネ係止部144は、
図20に示すように、係止部144aと、係止部144aの先端から屈曲する外れ止め部144bとを一体に有し、その係止部144aが連動部材112から突出する基台部144cに固定されている。
【0108】
固定バネ係止部145は、
図20に示すように、係止部145aと、係止部145aの先端から屈曲する外れ止め部145bとを一体に有し、その係止部145aが板状部108から突出する基台部145cに固定されている。
【0109】
従って、可動バネ係止部144、固定バネ係止部145は、基本的には第1引張バネ104用の可動バネ係止部126、固定バネ係止部127と略同様の構造であり、第2引張バネ105がその軸心廻りに回動しないように掛装されている。
【0110】
第2可動体27は第2発光演出手段を構成するものであって、
図13~
図15、
図21に示すように、第1可動体26の裏側に前後方向の第2枢軸48により回動自在に枢支され、第1可動体26の裏側に収まる第2初期位置27Aと、第1可動体26から下側に突出する第2演出位置27Bとの間で回動可能である。
【0111】
この第2可動体27は、前面側に表示部が設けられた第2表示部材146と、第2表示部材146の裏側に配置され且つ第2表示部材146の表示部を裏側から発光させる第2発光手段147とを備えている。
【0112】
第2表示部材146は光透過性を有し、その前面の表示部にはキャラクタ等の装飾が付されている。この第2表示部材146には第2枢軸48が一体に設けられ、その第2枢軸48が第1支持部材73に軸受部148を介して回転自在に挿通されている。第2発光手段147は、第2表示部材146の裏側に固定されたLED基板149と、このLED基板149の前面に装着された複数個のLED150とを有する。
【0113】
第2可動体27は第1可動体26が第1演出位置26Bに位置する場合に、第2作動機構65の作動により、第2枢軸48廻りに回動して第1可動体26の裏側の第2初期位置27Aから第2演出位置27Bへと出退して演出動作を行う。そして、少なくとも第2可動体27が第1可動体26の裏側から第2演出位置27B側に露出状態にある場合には、第2発光手段147のLED150が連続点灯又は点滅点灯して第2表示部材146を裏側から発光させる。勿論、第2可動体27の出退演出、第2発光手段147の発光演出は、画像表示手段25に表示される演出画像とも同期して行うことが望ましい。
【0114】
第2作動機構65は、
図6、
図13~
図15、
図21に示すように、第2枢軸48に固定され且つ往復回動により第2枢軸48を第2初期位置27Aと第2演出位置27Bとに回動させる回転ギヤー153と、第1可動体26の第1支持部材73に沿って左右方向に移動自在に配置され且つ左右方向の往復移動により回転ギヤー153を正逆転させるラック154と、ラック154を介して第2可動体27を第2初期位置27A側へと付勢する第3引張バネ155と、ラック154を介して第2可動体27を第2演出位置27B側へと回転駆動する回転駆動手段156とを備えている。
【0115】
ラック154は、ラック154に形成された長孔等の被案内部157と、第1支持部材73に設けられ且つ被案内部157に摺動自在に係合する摺動案内部158とを介して第1支持部材73に左右方向に往復移動自在に支持されている。ラック154は第1枢軸47側の近傍に被操作部159を有し、第1可動体26が
図22(b)の第2演出位置26Bまで下降した後に、回転駆動手段156により、被操作部159を操作してラック154を
図15、
図22(b)の154a矢示方向に移動させて、第2可動体27を第2演出位置27B側へと回転させるようになっている。
【0116】
回転ギヤー153とラック154との間には、
図15、
図21に示すように、ラック154の左右方向の往復移動により回転ギヤー153を正逆転させる噛合手段160と、第2可動体27の第2初期位置27Aで回転ギヤー153を回転不能に規制する規制手段161とが設けられている。
【0117】
噛合手段160は、ラック154側に形成された第1噛合部162a及び第2噛合部163aと、回転ギヤー153側に周方向に形成された第1被噛合部162b及び第2被噛合部163bとを有し、ラック154の往復移動に連動して回転ギヤー153を第2枢軸48廻り往復回転させるようになっている。
【0118】
第1噛合部162aと第1被噛合部162b、第2噛合部163aと第2被噛合部163bは凹凸関係にあって、互いに噛合し合うようになっている。第1噛合部162a、第1被噛合部162bは左右方向、周方向に短く、第2噛合部163a、第2被噛合部163bは左右方向、周方向に長くなっている。
【0119】
そして、回転駆動手段156が被操作部159を操作し第3引張バネ155に抗してラック154を154a矢示方向に駆動すると、先ず第1噛合部162aと第1被噛合部162bとが噛合し、続いて第2噛合部163aと第2被噛合部163bとが噛合して、回転ギヤー153が第2枢軸48廻りに
図15の153a矢示方向に回転するため、第2可動体27が第2初期位置27Aから第2演出位置27Bへと第2枢軸48廻りに27a矢示方向に回動する。
【0120】
また回転駆動手段156が被操作部159の操作を解除すると、ラック154が第3引張バネ155の付勢により154b矢示方向に移動して、先ず第2噛合部163aと第2被噛合部163bとが噛合し、続いて第1噛合部162aと第1被噛合部162bとが噛合して、回転ギヤー153が第2枢軸48廻りに153b矢示方向に回転するため、第2可動体27が第2枢軸48廻りに第2演出位置27Bから第2初期位置27Aへと27a矢示方向に回動する。
【0121】
従って、回転駆動手段156が被操作部159を介してラック154を駆動するか否かにより、ラック154が左右方向に往復移動して、噛合手段160、回転ギヤー153を介して第2枢軸48廻りに第2初期位置27Aと第2演出位置27Bとの間で往復回動させることができる。
【0122】
規制手段161は、ラック154の移動方向から回転ギヤー153を規制する第1規制部164と、ラック154の移動方向に対して直角方向から回転ギヤー153を規制する第2規制部165とを有する。第1規制部164はラック154側に形成された第1当接部164aと、回転ギヤー153側に形成された第1被当接部164bとを有し、第2規制部165はラック154側に形成された第2当接部165aと、回転ギヤー153側に形成された第2被当接部165bとを有する。
【0123】
この規制手段161は、
図22(a)に示すように、第2可動体27が第2初期位置27Aにあるときには、第1規制部164及び第2規制部165が直交する方向の二方向から回転ギヤー153の回転を規制する。そのため第2可動体27を第2初期位置27Aに確実に保持することができる。
【0124】
ラック154が
図22(a)に示す状態から154a矢示方向に移動するときには、先ず第1規制部164が回転ギヤー153の規制を解除し、次いで第2規制部165が回転ギヤー153の規制を解除する。そして、第2規制部165の規制の解除に続いて噛合手段160が噛合して、ラック154と回転ギヤー153とを連動させるため、
図22(b)に示すように、規制手段161による回転ギヤー153の規制解除と、その解除後の回転ギヤー153の回転とを無理なく連続的に行うことができる。
【0125】
逆にラック154が
図22(b)に示す状態から154b矢示方向に移動するときには、噛合手段160を介してラック154と回転ギヤー153とが連動して、第2可動体27の第2初期位置27Aへと回転ギヤー153が153b矢示方向に回転し、第2可動体27が第2初期位置27Aに達すると略同時に第1規制部164の第1当接部164aと第1被当接部164bとがラック154の移動方向に沿って当接を開始して回転ギヤー153の回転を規制し始め、その後に第2規制部165によって回転ギヤー153の回転を最終的に規制する。そのため第2可動体27の第2初期位置27Aにおいて、
図15に示すように回転ギヤー153を確実に固定することができる。
【0126】
第3引張バネ155は、ラック154側の可動バネ係止部167と第1支持部材73側の固定バネ係止部168との間に掛装され、ラック154の上側に略平行に配置されており、回転駆動手段156によるラック154の駆動が解除されたときに、その付勢力によりラック154を介して第2可動体27を第2初期位置27Aに戻すようになっている。この第3引張バネ155は第2引張バネ105と略同様に構成され、また可動バネ係止部167、固定バネ係止部168は第2引張バネ105に対する可動バネ係止部144、固定バネ係止部145と略同様に構成されている。
【0127】
回転駆動手段156は、支持台63の後部ケース体69等に固定されたステッピングモータ等の駆動源170と、駆動源170の回転軸171に固定された回転円板172と、中間ベース体67側に支軸173により回動自在に枢支され且つ第1可動体26が第1演出位置26Bまで下降したときにラック154の被操作部159を操作可能な操作リンク174と、操作リンク174にピン175aを介して連結された連接リンク175と、回転円板172に設けられ且つ連接リンク175に連接されたクランクピン176とを有する。
【0128】
この回転円板172に対応して原点位置(待機位置)を検出する原点検出手段177が中間ベース体67に設けられている。回転円板172は、通常は原点位置にあり、第1可動体26が第1演出位置26Bまで下降したときに操作リンク174がラック154の被操作部159を操作可能な態勢になっている。
【0129】
従って、第1可動体26が
図17に示す第1演出位置26Bまで下降した後に、駆動源170の駆動により、回転円板172、クランクピン176が176a矢示方向に回動すると、操作リンク174が支軸173廻りに174a矢示方向に回転して、ラック154の被操作部159を第3引張バネ155に抗して操作することができる。
【0130】
そのためラック154が第3引張バネ155に抗して154a矢示方向に移動し、噛合手段160を介して回転ギヤー153が第2枢軸48廻りに153a矢示方向に回転し、第2可動体27が第2初期位置27Aから第2演出位置27Bへと27a矢示方向に回動し、
図22(b)に示すように、第2可動体27を第1可動体26の下側に突出させることができる。
【0131】
操作リンク174が被操作部159に係合状態にある間は、
図22(b)に示すように、第2可動体27は第2演出位置27Bに突出した状態にある。操作リンク174が被操作部159に係合した状態のままで第1可動体26が上昇を開始するか、又は駆動源170の駆動により操作リンク174を逆転させると、操作リンク174が被操作部159から外れて第2可動体27を第2初期位置27Aに戻すことができる。
【0132】
支持台63の前部ケース体68の前に中継基板178が設けられ、この中継基板178に入力用コネクタ179と出力用コネクタ180とが接続されている。なお、中継基板178の前面には、必要に応じてLED181が設けられている。
【0133】
出力用コネクタ180にはフラットケーブル182が接続されている。フラットケーブル182は、ケーブル押え具183,184等により前部ケース体68の前面に沿って左右方向に配置され、ケーブル押え具184を経由して第1支持部材73の基部と対向するように中間ベース体67と前部ケース体68との間の前部収容室71内に導入されている。
【0134】
フラットケーブル182は前部収容室71内で上向きに逆U字状に屈曲して配置され、その逆U字状部182aの一端側の下端部がケーブル押え具185により中間ベース体67に固定され、また他端側の下端部がケーブル押え具186により第1支持部材73側に固定されている。
【0135】
フラットケーブル182の逆U字状部182aは、適度な余裕を持って第1可動体26に追従する長さとなっており、第1支持部材73の基部側には、フラットケーブル182の第1支持部材73側への接近を阻止するための接近阻止部187がフラットケーブル182側に突出して設けられている。
【0136】
フラットケーブル182はケーブル押え具186を経て、第1可動体26の裏面に沿うように左右方向に配置され、その先端側が第1発光手段79のLED基板91に接続されている。第1発光手段79のLED基板91と第2発光手段147のLED基板149は、中空状の第2枢軸48に挿通されるハーネス(図示省略)を介して接続されている。
【0137】
この可動演出手段28では、通常、第1可動体26を表示窓23よりも上側に隠れた第1初期位置26Aに、また第2可動体27を第1可動体26の裏側に隠れた第2初期位置27Aに夫々保持しておく。
【0138】
そして、演出図柄表示手段42の演出図柄の変動中に、その出現率が低くしかも特別図柄の変動後に特別利益状態が発生する可能性の高い特定の変動パターンで変動する等、特別利益状態の発生を期待させる熱い遊技状態になった場合に、可動演出制御手段からの演出信号により、可動演出手段28が作動して可動演出を実行する。
【0139】
この可動演出時には、第1可動体26を第1初期位置26Aから第1演出位置26Bへと変位させ、第2可動体27を第2初期位置27Aから第2演出位置27Bへと変位させる。その際の第1可動体26、第2可動体27の変位動作においても、第1引張バネ104、第2引張バネ105を伸縮させて、その第1引張バネ104、第2引張バネ105を利用して動作の円滑性を確保する。
【0140】
この可動演出手段28のように、その一部に引張バネを組み込む場合には、最大比例限度長(弾性限界長)を越えて引張バネを伸ばしてしまうと下に戻らなくなってしまうので、引張バネの自由長と比例限度内の最大伸び長とを考慮して、両者の差が自由長未満(最大比例限度長が自由長の二倍未満)のものを、第1引張バネ104、第2引張バネ105として使用することにより、第1引張バネ104の伸縮動作の円滑性を確保する必要がある。
【0141】
また第1引張バネ104のように最大伸び長が長くなる場合には、その第1引張バネ104の自由長も長くなるので、第1引張バネ104を組み込む際の占有スペースも大になる。しかし、この実施形態に例示するように、滑車139を有するバネ案内手段128を設け、第1引張バネ104をU字状に曲げて滑車139に巻き掛けることにより、狭いスペースで効率的に第1引張バネ104を組み込むことができる。
【0142】
また滑車139はその両側で第1引張バネ104が均等に伸縮する可能な位置に配置し、また滑車139の半径は、滑車139の両側で第1引張バネ104が均一に伸縮すべく第1引張バネ104の曲がり半径が極力大きくなるものを選択する必要がある。
【0143】
図23、
図24は本発明の第2の実施形態を例示する。この可動演出手段28では、第1の実施形態の第1引張バネ104、第2引張バネ105に代えて、
図23に示すように第1圧縮バネ200、第2圧縮バネ201が採用されている。
【0144】
第1圧縮バネ200はU字状に屈曲して固定された第1案内部材202に套嵌され、昇降体100側の可動バネ受け部203と、支持台63側の固定バネ受け部204との間に圧縮状に介在されており、昇降体100を上昇位置100Aに付勢している。
【0145】
第2圧縮バネ201は第2案内部材205に套嵌され、連動部材112側と支持台63側のバネ受け部206,207との間に介在されている。第2案内部材205は連動部材112側の取り付け部208に連結され、支持台63のバネ受け部207に摺動自在に挿通されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0146】
この可動演出手段28では、第1可動体26が第1初期位置26Aにある場合には、昇降体100は
図23に示すように第1圧縮バネ200により上昇状態にある。また第1可動体26が第1演出位置26Bまで下降する場合には、
図24に示すように、第1圧縮バネ200、第2圧縮バネ201に抗して圧縮しながら昇降体100が下降する。
【0147】
このように構成すれば、第1の実施形態の第1引張バネ104、第2引張バネ105に代替して第1圧縮バネ200、第2圧縮バネ201を使用することもできる。従って、可動演出手段28に採用する第1バネ、第2バネは引張バネ、圧縮バネの何れを用いてもよい。
【0148】
図25~
図27は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態の遊技盤15は、
図25に示すように、遊技領域18の中央前面に配置されたセンターケース21と、このセンターケース21に対応して遊技盤15の裏側に配置された画像表示手段25と、画像表示手段25の一側で遊技盤15と画像表示手段25との間に配置された可動演出手段214とを備えている。
【0149】
可動演出手段214は、
図26、
図27に示すように、上下動自在な第1可動体215と第2可動体216とを前後に備え、画像表示手段25の左右一側の下部側に対応して配置されている。第1可動体215、第2可動体216は前面側に演出情報を表示可能なLED式、液晶式等の表示手段を備え、通常はセンターケース21の表示窓23の裏側に隠れるか、一部が表示窓23内に露出する下降位置(待機位置)214Aにあり、可動演出時には第1可動体215が第1上昇位置215Bに、第2可動体216が第1上昇位置215Bよりも上の第2上昇位置216Bに夫々上昇するようになっている。
【0150】
各可動体215,216は、画像表示手段25の外側に上下方向に配置された昇降案内手段217,218により、取り付け部材219,220を介して昇降自在に支持されている。昇降案内手段217,218は支持枠221に上下方向に固定された案内棒222,223と、この案内棒222,223に沿って上下摺動自在で且つ案内棒222,223廻りに回転不能に設けられた昇降台224,225とを備え、その昇降台224,225に取り付け部材219,220が取り付けられている。
【0151】
第2可動体216は昇降駆動手段226により昇降方向に駆動可能である。昇降駆動手段226は、上下の案内輪227,228間に巻き掛けられ且つ案内棒223に沿って略平行に配置されたタイミングベルト等の駆動索229と、案内輪227,228を介して駆動索229を昇降方向に駆動するモータ等の駆動源231とを備え、その駆動索229が昇降台225に連結されている。
【0152】
第1可動体215は、取り付け部材219等の適当部位に下降用の当接部材230を有し、第2可動体216が第1上昇位置215Bから下側に下降するときに、第2可動体216側の適当部位を介して当接部材230を下降位置214Aまで押し下げるようになっている。また第1可動体215は、ゼンマイバネ式(渦巻きバネ式)の巻き上げ手段332により常時上昇方向に付勢されている。
【0153】
巻き上げ手段332は、第1上昇位置215Bよりも上方に回転自在に配置された回転リール333と、この回転リール333に巻き取り方向に巻装されたゼンマイバネ334とを備え、そのゼンマイバネ334の下端が昇降台224に連結されている。ゼンマイバネ334はその弾性力により回転リール333に巻き取られるように巻き取り方向に付勢されている。
【0154】
この可動演出手段214では、通常、第1可動体215、第2可動体216は下降位置214Aで待機している。可動演出指令があると、昇降駆動手段226が第2可動体216を上昇方向に駆動し、第2可動体216が昇降案内手段218に沿って下降位置214Aから第2上昇位置216Bまで上昇する。
【0155】
一方、第1可動体215は、巻き上げ手段332のゼンマイバネ334により上昇方向に付勢されているので、第2可動体216が上昇すると、当接部材230が第2可動体216側に当接したままの状態で第2可動体216の上昇に追従して第1上昇位置215Bまで上昇する。第1可動体215は第1上昇位置215Bでストッパ等により規制されて停止し、第2可動体216は第2上昇位置216Bまで上昇する。
【0156】
下降時には、昇降駆動手段226の駆動により第2可動体216が下降し、第1上昇位置215Bから下側では当接部材230を介して第1可動体215と第2可動体216とが巻き上げ手段332に抗して一体に下降位置214Aまで下降する。
【0157】
このように第1可動体215と第2可動体216との内、昇降量の大きい第2可動体216側に昇降駆動手段226を設けて、その昇降駆動手段226により第2可動体216を昇降させる構造とし、昇降量の少ない第1可動体215側は、当接部材230、巻き上げ手段332を利用して、第2可動体216の昇降に追従して昇降させることにより、第1可動体215側にそれ専用の昇降駆動手段を設ける必要がなく、可動演出手段214全体の構造を簡素化することができる。
【0158】
また第1可動体215に対応してゼンマイバネ式の巻き上げ手段332を備えて、この巻き上げ手段332により、第1可動体215を常時上昇方向に付勢することにより、狭い占有スペースにコンパクトに組み込むことができる。
【0159】
図28~
図31は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態の遊技盤15は、
図28に示すように、遊技領域18の中央前面に配置されたセンターケース21と、このセンターケース21に対応して遊技盤15の裏側に配置された画像表示手段25と、画像表示手段25の上側で遊技盤15と画像表示手段25との間に配置された発光演出手段235とを備えている。
【0160】
発光演出手段235は、
図29~
図31に示すように、横長矩形状等の所定形状に構成された第1発光演出体236、第2発光演出体237及び第3発光演出体238を備えている。各発光演出体236~238は、発光基板239と、この発光基板239に装着されたLED240とを備え、演出時にLED240が発光して文字、絵柄等の所定の演出情報を発光表示するようになっている。
【0161】
第1発光演出体236は最上位に固定状に配置され、第2発光演出体237は第1発光演出体236の下側後部に固定状に配置されている。第3発光演出体238は第2発光演出体237の後側に配置され、第2発光演出体237の後側に隠れた退避位置238Aと、第2発光演出体237の下側に突出する突出位置238Bとの間で昇降自在である。
【0162】
第1発光演出体236、第2発光演出体237の裏側には支持部材241が配置され、この支持部材241の前面に第1発光演出体236と第2発光演出体237とが前後、上下に位置を変えて装着されている。支持部材241は左右両側の取り付け部241aが遊技盤15の裏側を覆う裏カバー38に取り付け台等を介して固定状に取り付けられている。
【0163】
第3発光演出体238は可動部材244の前面に装着されている。可動部材244は支持部材241の下部裏側に配置された左右一対の昇降案内手段245,246により昇降自在に支持され、支持部材241との間に掛装された引張バネ247により退避位置238A側に付勢されている。
【0164】
左右の昇降案内手段245,246は、支持部材241に形成された上下方向の案内部245a,246aと、可動部材244から上側に突出する突出部245b,246bに設けられ且つ案内部245a,246aにより上下摺動自在に案内される被案内部245c,246cとを有する。引張バネ247は一方の昇降案内手段246の近傍で上下方向に配置され、支持部材241側に設けられた固定バネ掛け部248と、可動部材244側に設けられた可動バネ掛け部249との間に掛装されている。なお、引張バネ247、固定バネ掛け部248、可動バネ掛け部249は各実施形態と略同様である。
【0165】
左右の昇降案内手段245,246の内、その一方の昇降案内手段246の近傍には引張バネ247があるため、この一方の昇降案内手段246は、他方の昇降案内手段245とは異なり上下方向に複数の被案内部246cを設ける等、上下方向に長く構成されている。このようにすれば、一方の昇降案内手段246の近傍に引張バネ247があるにも拘らず、各昇降案内手段245,246側の拗れ等を防止して、可動部材244を円滑に案内することができる。
【0166】
可動部材244には、左右の昇降案内手段245,246の中央よりも引張バネ247側に偏位して上方に突出する突出部244aがあり、この突出部244aの裏側に、昇降駆動体250が当接可能な当接部材251が設けられている。昇降駆動体250は当接部材251に当接して可動部材244を昇降させるものであり、この昇降駆動体250に連動して可動部材244が昇降するようになっている。
【0167】
第3発光演出体238の発光基板239は、可撓性を有するフラットケーブル252を介して第1発光演出体236の発光基板239に接続されている。支持部材241の裏側には、フラットケーブル252用の保護カバー253が設けられている。第2発光演出体237の発光基板239は、図示省略のハーネス等の適宜手段を介して第1発光演出体236の発光基板239に接続されている。
【0168】
第3発光演出体238は常時引張バネ247により退避位置238A側に付勢されており、昇降駆動体250が下降すれば、当接部材251、可動部材244を介して第3発光演出体238が引張バネ247に抗しながら突出位置238Bまで下降する。また昇降駆動体250が上昇すれば、昇降駆動体250の上昇に伴って第3発光演出体238が引張バネ247の付勢により退避位置238Aまで上昇し、第2発光演出体237の裏側に隠れる。
【0169】
この発光演出手段235では、第3発光演出体238の昇降演出と、第1発光演出体236から第3発光演出体238までの発光演出との組み合わせにより所定の演出を行うが、その昇降駆動体250として、他の可動演出手段(図示省略)の部材を利用すれば、その可動演出手段に追従して第3発光演出体238を昇降させることができる。
【0170】
また昇降駆動体250は当接部材251を下方に押圧するのみであり、第3発光演出体238の昇降駆動体250に追従しての上昇は、引張バネ247の付勢により行うことによって、発光演出手段235側を構造的に簡素化することができる。
【0171】
図32~
図47は本発明の第5の実施形態を例示する。この遊技盤15には、
図32、
図33に示すように、遊技領域18の略中央で遊技盤15の前面にセンターケース21が装着され、そのセンターケース21に対応して遊技盤15の裏側に画像表示手段25が設けられている。また遊技盤15と画像表示手段25との間には、展開式の可動演出手段360が設けられている。
【0172】
可動演出手段360は、表示窓23の下部側に下降する初期位置(待機位置)360Aと、画像表示手段25の前側に上昇する演出位置(上昇位置)360Bとの間で昇降可能であり、初期位置360Aでは上部側が表示窓23内に露出している。なお、初期位置360Aの可動演出手段360は、表示窓23よりも下側に隠れるようにしてもよい。また可動演出手段360は、初期位置360Aと演出位置360Bとの間で横方向に出退するようにしてもよい。
【0173】
可動演出手段360は、
図34~
図38に示すように、裏カバー38等の固定側に設けられた支持台361と、支持台361に斜め方向に昇降自在に支持された昇降台362と、昇降台362を昇降方向に駆動する昇降駆動手段363と、昇降台362の上部側の前面に展開可能に設けられた展開演出手段364とを備えている。
【0174】
支持台361は板状であり、この支持台361にはその左側に昇降台362が、右下部に昇降駆動手段363が夫々配置されている。昇降台362は支持台361の前面側に昇降案内手段365及び振れ阻止手段366を介して配置されており、斜め下方の初期位置360Aと、斜め上方の演出位置360Bとの間で斜め方向に昇降自在に支持されている。
【0175】
昇降台362の上端側には、フック状の係合手段367があり、昇降台362が初期位置360Aまで下降したときには、その係合手段367が支持台361の上端側の被係合部368に係合するようになっている。従って、昇降台362側の荷重が大きい場合でも、係合手段367が支持台361の上端側の被係合部368に係合することによって、昇降台362の前側への倒れ等を防止することができる。
【0176】
昇降案内手段365は昇降台362を支持台361に沿って昇降自在に案内するもので、
図35、
図37、
図38に示すように、支持台361に左右に所定の間隔を置いて配置された2条の案内孔等の案内部369と、支持台361に対して昇降台362は反対側に配置され且つ支持台361の裏側に摺動自在に当接する当接板370と、当接板370に一体に形成され且つ案内部369に摺動自在に案内される被案内部371とを有し、当接板370の左右一端側に昇降駆動手段363が連結されている。
【0177】
被案内部371は
図38に示すように上下方向に長く構成されており、案内部369に上下方向にのみ摺動自在に嵌め込まれている。昇降台362と当接板370は、被案内部371の中心部に当接板370から挿通され且つ昇降台362のボス部372に螺合するネジ等の固定手段373により前後方向に結合されている。
【0178】
振れ阻止手段366は、昇降案内手段365に対して昇降駆動手段363と反対側で昇降台362の昇降時の振れを規制するためのもので、昇降案内手段365の案内部369から離れて略平行に配置された案内部374と、昇降台362から案内部374側に突出するアーム部375と、このアーム部375の先端の突部376に回転自在に套嵌され且つ案内部374に摺動自在に案内される規制部377とを備えている。なお、振れ阻止手段366は、昇降案内手段365に対して昇降駆動手段363と同じ側でもよい。
【0179】
昇降駆動手段363は、支持台361に支点軸378廻りに揺動して昇降台362を昇降させる昇降アーム379と、この昇降アーム379を昇降台362の上昇方向に付勢する引張バネ380と、支持台361に固定された駆動モータ等の駆動源381と、この駆動源381の回転運動を支点軸378廻りの昇降アーム379の揺動運動に変換するクランク機構382とを備えている。
【0180】
昇降アーム379は先端に長孔385を有し、その長孔385に当接板370側の連結ピン386が摺動自在に挿通されている。連結ピン386は当接板370の左右一端側に設けられている。
【0181】
クランク機構382は、支持台361に支軸387を介して支持された回転体388と、この回転体388に固定され且つ昇降アーム379の長孔389に挿通されたクランクピン390とを有する。回転体388はギヤー391を有し、そのギヤー391は駆動源381の駆動軸392に固定された駆動ギヤー393に噛合されている。
【0182】
引張バネ380は、
図35、
図39に示すように、昇降アーム379の長孔389側の上側近傍に配置された可動バネ受け部394と、支点軸378の上側近傍で支持台361側に固定された固定バネ受け部395とに跨がって掛装されている。可動バネ受け部394はバネ保護部396の周壁部397に、固定バネ受け部395は支持台361の基台部398に夫々一体に設けられている。
【0183】
昇降アーム379には、長孔385,389の周縁に配置された周縁補強部385a,389aと、昇降アーム379自体の外周に配置された外周補強部379aと、引張バネ380に沿って引張バネ380と略平行に配置されたバネ保護部396とが一体に設けられている。引張バネ380側の外周補強部379aとバネ保護部396は略直角に配置され、その外周補強部379aとバネ保護部396との近傍に引張バネ380が配置されている。バネ保護部396の周壁部397は、外周補強部379aよりも低く構成されている。
【0184】
引張バネ380、可動バネ受け部394、固定バネ受け部395は、各実施形態と略同様に構成されている。従って、この実施形態の場合にも、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0185】
この可動演出手段360では、通常、展開演出手段364は、
図34、
図35に示すように初期位置360Aに下降して収縮した収縮状態にある。そして、可動演出指令があれば、昇降駆動手段363の駆動により昇降台362が昇降案内手段365に沿って上昇し、
図46、
図47に示す演出位置360Bに達する。即ち、昇降アーム379は、通常、
図35に示すように水平近くまで倒れた状態にあり、駆動源381、クランク機構382が負荷となって引張バネ380の上昇方向への付勢に抗して昇降アーム379を定位置に保持している。
【0186】
そこで、可動演出指令により昇降駆動手段363の駆動源381が上昇方向に回転すると、この駆動源381の駆動によりクランク機構382の回転体388が388a矢示方向に回転するため、その駆動源381の駆動力と引張バネ380の付勢力とにより昇降アーム379が軽快に379b矢示方向に回転し、長孔385、連結ピン386を介して当接板370を案内部369に沿って押し上げる。これによって当接板370と昇降台362とが案内部369に沿って初期位置360Aから斜め上方へと演出位置360Bまで上昇する。
【0187】
連結ピン386は当接板370の左右一端側にあるが、昇降案内手段365に対して昇降駆動手段363と反対側に振れ阻止手段366があるため、この振れ阻止手段366により昇降台362、当接板370の振れを防止しながら、昇降台362を略平行にスムーズに上昇させることができる。
【0188】
そのため昇降アーム379と当接板370とを連動させる連結ピン386を当接板370の左右方向の中央部分に設ける必要がなく、当接板370又は昇降台362の左右一端側に偏位した位置から駆動力を付与することが可能であり、昇降アーム379の長さを短くする等、昇降台362、昇降駆動手段363及び昇降案内手段365を含む全体の構造の簡素化を図ることができる。
【0189】
展開演出手段364は展開時に星型多角形を呈するように構成されており、
図33、
図34、
図36、
図45に示すように、略中心部に配置された中心部演出体400と、この中心部演出体400の外周に収縮状態と展開状態との間で展開・収縮可能に配置された周辺部演出体401とを備え、展開時に五芒星型を呈するように構成されている。
【0190】
中心部演出体400は五芒星型の中心星型部を構成するもので、正五角形に構成されている。各周辺部演出体401は、
図33、
図40、
図45に示すように、五芒星型の周辺部分を構成する周辺星型部401aと、五芒星型の周辺部分とは異なる補助装飾部401bとを周方向に備え、中心部演出体400の各辺に対応して周方向に5個配置されている。
【0191】
各周辺部演出体401の周辺星型部401aと補助装飾部401bは、周辺星型部401aが後側に位置し、補助装飾部401bが周辺星型部401aよりも前側に位置して、収縮状態のときに補助装飾部401bの裏側に隣接する周辺部演出体401の周辺星型部401aが隠れ得るように構成されている。各周辺部演出体401は、
図41に示すように、展開案内手段417に沿って展開位置401Aと収縮位置401Bとの間で展開・収縮方向(径方向及び周方向)に移動可能である。
【0192】
各周辺部演出体401が展開位置401Aへと移動した場合には、展開演出手段364は
図46、
図47に示すように展開状態となる。この展開状態では、周辺星型部401aは、
図40に二点鎖線で示すように、周方向に隣接する周辺部演出体401の補助装飾部401bの裏側から外れて、
図46に示すように周辺星型部401aが中心部演出体400の各辺に対応した状態になる。
【0193】
また各周辺部演出体401が収縮位置401Bへと移動した場合には、展開演出手段364は
図34、
図35に示すように収縮状態となる。この収縮状態では、周辺星型部401aは、
図35に示すように、補助装飾部401bが中心部演出体400の角部に接近し対応しており、周辺星型部401aが
図40に実線で示すように、周方向に隣接する周辺部演出体401の補助装飾部401bの裏側に収まった状態になる。
【0194】
従って、この展開演出手段364では、各周辺部演出体401を展開位置401Aまで展開させると、周辺星型部401aが中心部演出体400に対応する五芒星型形態となり、また各周辺部演出体401を収縮位置401Bまで収縮させると、補助装飾部401bが中心部演出体400に近接する外周装飾形態となる。そのため各周辺部演出体401を展開案内手段417に沿って展開、収縮させることにより、五芒星型形態と外周装飾形態とに変化させることができる。
【0195】
なお、展開演出手段364は中心部演出体400と周辺部演出体401とを備えたものであればよく、五芒星型に限定されるものではない。五芒星型の他に、六芒星型、又はそれ以上の多角星型でもよいし、星型以外でもよい。
【0196】
中心部演出体400は、中心側から後側に突出する中心軸402を有し、この中心軸402を介して円板状のレンズ等の光拡散板403の中央にネジ等の固定具404により固定されている。周辺部演出体401はその裏側に配置された後支持体405の周壁部405aにネジ等の固定具406により固定されている。周壁部405aは周辺部演出体401の径方向の外周縁に対応して後支持体405に設けられている。
【0197】
光拡散板403は前後の少なくとも一方に乱反射部403aを有する乱反射式であり、裏側の発光手段407からの光を乱反射により拡散して中心部演出体400、周辺部演出体401に光を透過するようになっている。なお、中心部演出体400、周辺部演出体401は光透過式であり、発光手段407からの光を受けて発光するようになっている。発光手段407は円形状のLED基板408と、このLED基板408の前面に装着されたLED409とを有し、展開軸410の前端の鍔部411の前面に固定されている。
【0198】
展開軸410は円筒状であって、中心部に前後方向に配置され、後端側の固定部412で昇降台362に固定されている。展開軸410の外周には、円板状の展開案内体413と展開駆動体414とが同心状に套嵌され前後に配置されている。
【0199】
展開案内体413は各周辺部演出体401を展開案内手段417を介して展開・収縮方向に移動可能に支持するためのものであり、
図36、
図45に示すように、中心側から後方に突出する円筒状のボス部415を有し、そのボス部415が展開軸410の外周に套嵌され、またボス部415の外周に展開駆動体414が相対回転自在に套嵌されている。
【0200】
展開案内体413のボス部415は、前端側の支点部415aが展開軸410の鍔部411の外周の段部411aに套嵌されており、また後端側に円板状の振動体416が固定されている。
【0201】
展開案内体413には、
図36、
図41、
図45に示すように、各周辺部演出体401を中心部演出体400に対して遠近方向に案内するための展開案内手段417が設けられると共に、外周側に光拡散板403が周方向に複数のボス部418を介して固定されている。各展開案内手段417は各周辺部演出体401を展開位置401Aと収縮位置401Bとの間で案内するように、中心部演出体400の放射方向に対して斜め方向に配置されており、展開案内体413に形成された中央案内孔418aとその両側に略平行に形成された側部案内孔418bとを一組として構成されている。
【0202】
一方、各周辺部演出体401の後支持体405側には、中央案内孔418aに対応する中央案内部419aと、両側の側部案内孔418bに対応する側部案内部419bとが後方に突出して設けられ、その中央案内部419aが中央案内孔418aに、両側の側部案内部419bが両側の側部案内孔418bに夫々摺動自在に嵌め込まれている。
【0203】
各周辺部演出体401の後支持体405には、展開案内体413の裏側に配置された展開摺動体420が設けられている。展開摺動体420には周辺部演出体401の後支持体405の中央案内部419aにネジ等の固定具421等により固定され、またその両側の通孔420aに側部案内部419bが挿通されている。
【0204】
従って、周辺部演出体401は後支持体405と展開摺動体420とにより展開案内体413を前後両側から挟んだ状態にあり、後支持体405側の中央案内部419a、側部案内部419bが展開案内体413側の展開案内手段417の中央案内孔418a、側部案内孔418bに沿って内外方向に摺動可能に支持されているので、中心部演出体400に対して放射状に移動して収縮状態から展開状態、又は展開状態から収縮状態へと変化することができる。
【0205】
展開駆動体414の後側には、
図36、
図41、
図45に示すように、従動ギヤー423が同心状に形成され、その従動ギヤー423は中間ギヤー424を介してモータ等の駆動源425の駆動軸426に固定された駆動ギヤー427により噛合している。中間ギヤー424、駆動源425、駆動ギヤー427は昇降台362に設けられている。中間ギヤー424は昇降台362の支軸428により回転自在に支持されている。駆動源425は昇降台362の前側に装着された突出カバー429内に設けられている。
【0206】
周辺部演出体401と展開駆動体414との間には、展開駆動体414が展開軸410廻りに所定角度往復回転したときに、周辺部演出体401を展開位置401Aと収縮位置401Bとの間で展開案内体413の展開案内手段417に沿って展開・収縮方向に移動させるためのカム機構430が設けられている。
【0207】
このカム機構430は、
図36、
図42、
図45に示すように、後支持体405に設けられ展開摺動体420を貫通して展開駆動体414側に突出するピン状のカム従動部431と、展開駆動体414に設けられ且つカム従動部431を内外方向に案内するカム部432とを有する。
【0208】
各カム部432は、周辺部演出体401の収縮位置401Bに対応して展開駆動体414の中心側に配置された内周位置432Bと、周辺部演出体401の展開位置401Aに対応して配置され且つ内周位置432Bから周方向に所定角度離れて展開駆動体414の外周側に配置された外周位置432A側とに跨がって円弧状に形成されている。
【0209】
カム機構430は、展開駆動体414の所定角度往復回転により周辺部演出体401を展開し収縮させるものであり、
図42(b)に示す各周辺部演出体401の収縮状態において展開駆動体414が展開方向(414a矢示方向)に所定角度以上回転したときに各周辺部演出体401を展開させ、また
図42(a)に示す各周辺部演出体401の展開状態において展開駆動体414が収縮方向(414b矢示方向)に所定角度以上回転したときに、各周辺部演出体401を収縮させるようになっている。
【0210】
このような構成の展開演出手段364では、展開駆動体414を展開軸410廻りに所定角度往復回転させることにより、中心部演出体400の外周に配置された各周辺部演出体401を収縮状態から展開状態、展開状態から収縮状態へと自在に変化させることができる。
【0211】
各周辺部演出体401が収縮状態にある場合には、その周辺星型部401aは隣接する周辺部演出体401の補助装飾部401bの裏側に隠れた収縮位置401Bにあり、またカム機構430のカム従動部431はカム部432の内周位置432Bにある。
【0212】
そこで、駆動ギヤー427の駆動により展開駆動体414が展開軸410廻りに展開方向へと414a矢示方向に回転すると、カム従動部431が展開駆動体414の円弧状のカム部432により内周位置432Bから外周位置432Aへと径方向の外方に案内され、カム従動部431に連結された周辺部演出体401の後支持体405が展開案内手段417に沿って外方へと移動する。
【0213】
従って、展開駆動体414の414a矢示方向への回転に伴って、周辺部演出体401の周辺星型部401aが中心部演出体400の各辺に対応するように順次展開位置401Aへと移動するため、周辺部演出体401を収縮状態から展開状態へと展開して、中心部演出体400と周辺部演出体401とにより五芒星型を呈する可動演出を行うことができる。
【0214】
周辺部演出体401が展開状態となった後に展開駆動体414を更に展開方向へと414a矢示方向に回転させると、展開状態の各周辺部演出体401を中心部演出体400と一体に回転させることができる。
【0215】
また周辺部演出体401の展開状態において、展開駆動体414を収縮方向へと所定角度以上回転させると、各周辺部演出体401が中心部演出体400の周辺で収縮状態となる。周辺部演出体401の収縮後に、展開駆動体414を更に収縮方向へと414b矢示方向に回転させると、収縮状態の各周辺部演出体401を中心部演出体400と一体に回転させることができる。
【0216】
振動体416は円板状であって、
図36、
図43、
図45に示すように、外周側に周方向に多数の凹凸部433が形成され、その凹凸部433に当接する一対の緩衝手段434を介して上下方向に振動可能に支持されている。
【0217】
緩衝手段434は、昇降台362側に径方向に摺動自在に配置された押圧体434aと、この押圧体434aを振動体416の凹凸部433側に付勢する緩衝バネ434bと有し、凹凸部433のピッチに対応する周期で展開案内体413を、支点部415aを中心として左右方向の振動中心軸廻りに前後に微振動させるようになっている。
【0218】
押圧体434aは振動体416の凹凸部433に押圧する押圧部434cを有し、その押圧部434cが昇降台362の径方向の案内部362aにより摺動自在に案内されている。緩衝バネ434bは押圧体434aに巻き掛けられており、両端部が昇降台362のバネ掛け部362bに係止されている。
【0219】
従って、各周辺部演出体401が展開状態(及び収縮状態)になった後に展開案内体413、展開駆動体414を更に回転させると、各周辺部演出体401は展開状態のままで中心部演出体400と一体に回転するが、振動体416の凹凸部433が押圧体434aの押圧部434cを相対的に乗り越えながら振動体416が回転し、展開案内体413が支点部415aを中心として前後に微振動を繰り返す。
【0220】
そのため展開状態になった後は、その各周辺部演出体401を前後に振動させながら展開方向に回転させることができる。なお、緩衝手段434が上下にあるため、回転中の各周辺部演出体401が上下両側を通過するときに、その上下両側部分を前後に振動させることができ、左右両側部分の振動は上下両側部分に比較して少なくすることができる。
【0221】
突出カバー429の昇降駆動手段363側の側面には、昇降台362側の駆動源425、発光手段407等を制御する制御基板440が設けられている。この制御基板440はフラットケーブル441を介して昇降駆動手段363の前面側の中継基板442に接続されている。
【0222】
フラットケーブル441はケーブル押え具443により制御基板440側に固定され、また昇降駆動手段363側ではケーブル押え具444,445により固定されている。そして、ケーブル押え具443,444間ではフラットケーブル441は略U字状に屈曲する略U字状部441aが設けられており、この略U字状部441aの屈曲により昇降台362の昇降に対して追従し得るようになっている。
【0223】
なお、周辺部演出体401の収縮位置は、展開駆動体414の被検出部414dを介して検出手段446により検出するようになっている。その他の構成は各実施形態と同様である。
【0224】
図48、
図49は本発明の第6の実施形態を例示する。可動演出手段450は、
図48に示すように、画像表示手段25の上部側に配置された可動体453を備え、その可動体453が駆動手段451と引張バネ452とにより、枢軸454廻りに初期位置453A、第1演出位置453B、第2演出位置453Cに変位可能である。可動体453は初期位置453Aでは画像表示手段25の上部側に退避しており、この初期位置453Aから第1演出位置453Bと第2演出位置453Cとの何れかに変位可能である。可動体453の可動バネ掛け部455と固定側の固定バネ掛け部456との間には、可動体453を初期位置453Aに戻すための引張バネ452が設けられている。なお、可動体453は初期位置453Aではストッパ457に当接している。
【0225】
可動演出手段450の可動演出制御は、
図49に示すような制御系により行う。この制御系は、演出条件判定458、画像表示手段25等に設けられた操作有効期間表示手段459、演出操作ボタン52、可動演出制御手段460により構成されている。
【0226】
演出条件判定458は可動演出手段450による演出条件の充足を判定するためのものであり、例えば演出図柄表示手段42の演出図柄の変動パターンに出現率の低い特定の熱い変動パターンを抽選したときに、その特定の熱い変動パターンでの演出図柄の変動中に可動演出手段450による可動演出を実行可能にする場合には、特定の熱い変動パターンの抽選を演出条件の充足として判定し、所定のタイミングになれば画像表示手段25の操作有効期間表示手段459に操作有効期間の表示を指示する。なお、演出条件として、第1の熱い変動パターンの抽選と、それよりも更に熱い第2の檄熱変動パターンのように複数種類設けてもよい。
【0227】
遊技者は、操作有効期間表示手段459による操作有効期間の表示中の場合に限り演出操作ボタン52を有効に操作可能であり、その操作有効期間の表示中に演出操作ボタン52を操作すれば、可動演出制御手段460が可動演出手段450を制御して、可動演出手段450が遊技球を初期位置453Aから第1演出位置453B又は第2演出位置453Cへと変位させる可動演出を実行する。この可動体453による可動演出は、演出図柄表示手段42に表示される演出図柄、画像表示手段25に表示される演出画像等と同期して行う。
【0228】
例えば、演出条件判定458が演出条件として第1の熱い変動パターンの抽選を判定した場合には、可動体453を初期位置453Aから第1演出位置453Bへと移動させる。また演出条件判定458が演出条件として第2の檄熱変動パターンの抽選を判定した場合には、可動体453を初期位置453Aから第2演出位置453Cへと大きく移動させる。
【0229】
そのため遊技中の遊技者は、演出図柄表示手段42に表示される演出図柄の変動パターン、画像表示手段25に表示される演出画像等と同期して実行される可動体453の移動量(変位量)の大小により、その遊技が熱いのか檄熱なのかを推測しながら遊技を継続することができる。
【0230】
可動体453が初期位置453Aにある場合には、引張バネ452は通常の張り状態である。そして、可動体453が初期位置453Aから枢軸454廻りに第1演出位置453B、第2演出位置453Cへと回動すれば、引張バネ452の長さが伸びて行く。即ち、引張バネ452が通常の張り状態にある場合に比較して、可動体453が第1演出位置453B、第2演出位置453Cに回動すれば、引張バネ452の長さが長くなる。
【0231】
従って、遊技状態の熱さと引張バネ452の長さとの関係をみれば、引張バネ452が伸びている場合の方が、伸びていない場合よりも熱い演出を行っていることになる。また引張バネ452の伸び長さが長くなる程、演出の熱さが熱くなっていることになる。
【0232】
また可動体453の可動バネ掛け部455と固定側の固定バネ掛け部456との間隔は、引張バネ452の長短に比例しているため、可動バネ掛け部455と固定バネ掛け部456との間隔が大になる程、演出の熱さが熱くなっていることになる。
【0233】
図50は本発明の第7の実施形態を例示する。この可動演出手段450は、画像表示手段25の下部側に配置され、駆動手段451と引張バネ452とにより、枢軸454廻りに初期位置453Aと演出位置453Dとに変位可能である。初期位置453Aでは可動体453が画像表示手段25の下部側に退避しており、このとき引張バネ452は最大長さに伸びている。また演出位置453Dでは可動体453が画像表示手段25の前側に突出しており、このとき引張バネ452は最小長さに縮小している。
【0234】
このようにすれば、可動体453の可動バネ掛け部455と固定側の固定バネ掛け部456との間隔は引張バネ452の長短に比例するため、引張バネ452の長さが短くなり、可動バネ掛け部455と固定バネ掛け部456との間隔が小になれば、その間隔が大の場合に比較して熱い演出を行うことになる。
【0235】
図51は本発明の第8の実施形態を例示する。この可動演出手段450は、画像表示手段25の下部側に左右方向に走行可能に設けられた可動体461と、この可動体461を左右両側から引っ張る左右一対の引張バネ462,463とを備えている。
【0236】
可動体461は左右方向の走行案内手段(図示省略)と、走行案内手段に沿って左右方向に駆動する走行駆動手段464を有する。走行駆動手段464は左右方向に配置された固定枠(図示省略)側の固定ラック465と、この固定ラック465に噛合する可動体461側の駆動ギヤー466とを備えている。駆動ギヤー466と駆動源(図示省略)との間にはクラッチが設けられており、可動体461が中立位置から左右の何れかに走行するときには駆動ギヤー466が回転し、可動体461が中立位置に戻るときにはクラッチが切れて駆動ギヤー466が空転するようになっている。
【0237】
左右一対の引張バネ462,463は、可動体461を逆方向に付勢するもので、可動体461側の可動バネ掛け部467と、固定枠側の固定バネ掛け部468,469とに張り状態に掛けられている。
【0238】
通常、可動体461は一対の引張バネ462,463により中立位置に保持されている。可動演出指令があれば駆動ギヤー466が正転方向又は逆転方向に回転し、可動体461が左右方向の何れかへと走行する。
【0239】
この可動体461の走行時に、その走行方向に応じて何れか一方の引張バネ462,463が伸長して可動体461の戻り時に必要な付勢力を蓄積する。このとき他方の引張バネ462,463は収縮する。そして、可動体461が中立位置に戻る場合には、クラッチが切れて駆動ギヤー466が空転状態となるため、可動体461は伸長側に蓄積された引張バネ462,463の付勢力によって中立位置へと戻る。
【0240】
このように一つの可動体461に対して二つ以上の複数の引張バネ462,463を組み合わせて使用するに当たっては、各引張バネ462,463が逆方向に作用するように構成することも可能である。
【0241】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨が逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。実施形態では、パチンコ機について例示しているが、パチンコ機等の弾球遊技機は勿論のこと、スロットマシン等を含む各種の遊技機においても同様に実施可能である。
【0242】
第1の実施形態に例示するように、第1可動体26に対応して第1引張バネ104、第2引張バネ105を設ける場合、その第1可動体26の変位時の各引張バネ104,105の伸縮代は、その引張バネ104,105の自由長よりも短くすることが望ましい。
【0243】
また第1引張バネ104には、可動演出手段28側の質量に十分に抗し得る弾性力を有するものを使用するが、その弾性力は可動演出手段28側の質量に比例させることも考えられる。
【0244】
引張バネ104,105に代替して圧縮バネを使用するか、又は第1可動体26の可動域に対応して伸縮可能なゴムを使用することも可能である。従って、論理的には引張バネ、圧縮バネ、ゴム等の弾性材の全般を用いることができる。
【0245】
第1引張バネ104のように自由長の長い引張バネ、圧縮バネを組み込む場合、その占有スペースを少なくするためには、第1の実施形態に例示するようにバネ案内手段128を介して第1引張バネ104を屈曲状に設けることが望ましい。バネ案内手段128に滑車139を設けた場合には、第1引張バネ104を略全長にわたって略均一に伸縮させることができるが、その滑車139の半径を大きくすれば、第1引張バネ104の伸縮を均一化することができる。バネ案内手段128の滑車139は、1個の輪体により構成してもよい。またバネ案内手段128は、第1引張バネ104を摺動自在に案内する摺動式でもよい。
【0246】
第1、第2の実施形態では、第1バネは第1可動体26の全変位領域で第1可動体26を付勢するのに対して、第2バネは第1可動体26の全変位領域の一部領域で第1可動体26を付勢するようにしているが、第1バネと第2バネは第1可動体26の全変位領域で第1可動体26を付勢するようにしてもよい。また第1可動体26の全変位領域の内、その第1領域を第1バネが分担し、他の第2領域を第2バネが分担するように、複数のバネで夫々の領域を分担するように構成することもできる。
【0247】
またバネ係止部を支持する基台部を設ける場合、その基台部はU字状、コ字状等に構成するのが一般的であるが、その他の構造でもよい。
【0248】
引張バネ104の両端側の被係止部131,132が昇降体100の可動バネ係止部126と、中間ベース体67等の支持部材側の固定バネ係止部127とに係止する場合、引張バネ104の両端の被係止部131,132を、各バネ係止部126,127を支持する基台部133,135に当接させることが望ましいが、両端の被係止部131,132の何れか一方を当接させるだけでもよい。
【0249】
また基台部133,135は、バネ係止部126,127を支持する支持壁部133a,135aと、支持壁部133a,135aに対して引張バネ104の伸縮方向の少なくとも一方側に一体に設けられた補強壁部133b,135bとを有し、支持壁部133a,135aに被係止部131,132が当接するものであれば、その構造を問うものではない。
【符号の説明】
【0250】
2 外枠
3 前枠
13 遊技盤装着部
15 遊技盤
18 遊技領域
25 画像表示手段
26,215 第1可動体
26A 第1初期位置
26B 第1演出位置
27,216 第2可動体
27A 第2初期位置
27B 第2演出位置
28,214,360 可動演出手段
47 第1枢軸
48 第2枢軸
63 支持台
64 第1作動機構
73 第1支持部材
74 第1発光演出手段
77 第1表示部材
100 昇降体
100A 上昇位置
100B 下降位置
101 昇降駆動手段
102A 第1移動範囲
102B 第2移動範囲
103 カム式姿勢制御手段
104 第1引張バネ
110 第1昇降案内手段
111 第2昇降案内手段
113 カム部
113a 第1カム部
113b 第2カム部
126 可動バネ係止部
127 固定バネ係止部
128 バネ案内手段
133,135 基台部
139 滑車
214A 下降位置(待機位置)
215B 第1上昇位置
216B 第2上昇位置
360A 初期位置(待機位置)
360B 演出位置(上昇位置)
361 嗣子台
362 昇降台
363 昇降駆動手段
364 展開演出手段
365 昇降案内手段
366 振れ止め手段
379 昇降アーム
380 引張バネ
394 可動バネ受け部
395 固定バネ受け部
400 中心部演出体
401 周辺部演出体
401A 展開位置
401B 収縮位置
407 発光手段
413 展開案内体
414 展開駆動体
417 展開案内手段
430 カム機構
432A 外周位置
432B 内周位置