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特許7129893乗換案内装置、乗換案内方法、および乗換案内プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】乗換案内装置、乗換案内方法、および乗換案内プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220826BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20220826BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220826BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220826BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220826BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220826BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G01C21/34
G08G1/005
G08G1/00 D
G09B29/10 A
G06Q50/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018230841
(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公開番号】P2020094818
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2019-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】岩村 英隆
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-037540(JP,A)
【文献】特開2007-303918(JP,A)
【文献】特開2013-170901(JP,A)
【文献】国際公開第2015/118701(WO,A1)
【文献】特開2016-094044(JP,A)
【文献】特開2009-288022(JP,A)
【文献】国際公開第2016/063730(WO,A1)
【文献】特開2011-203849(JP,A)
【文献】特開2011-148415(JP,A)
【文献】特開2010-108162(JP,A)
【文献】特開2018-009904(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0021133(KR,A)
【文献】特開2004-046284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26 ~ 21/36
G08G 1/00 ~ 1/16
G09B 29/00
G09B 29/10
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動パターンを示すパターン情報を記憶する記憶部と、
ユーザの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報を取得したときの時間情報を更に取得する取得部と、
前記位置情報と、前記パターン情報とに基づいて、前記ユーザが利用する移動手段についての乗換案内情報を作成する作成部と、
前記乗換案内情報を提示する提示部と、を備え、
前記記憶部は、前記ユーザの行動パターンを示すパターン情報を複数記憶し、
前記作成部は、前記取得部が取得した前記位置情報が示す位置と前記時間情報が示す時間とに基づいて、前記複数のパターン情報から前記ユーザの行動に対応するパターン情報を推定し、推定したパターン情報に基づいて前記乗換案内情報を作成するものであって、前記ユーザの行動に対応するパターン情報が複数推定できる場合であって、当該パターン情報が示す経路が異なる行先を示す場合に推定した複数のパターン情報それぞれについてそれぞれの行先毎に前記乗換案内情報を作成し、
前記提示部は、複数の前記乗換案内情報を提示する
ことを特徴とする乗換案内装置。
【請求項2】
前記提示部は、前記取得部が取得した前記ユーザの位置情報が示す位置が前記乗換案内情報で示される出発点から所定距離内に含まれた際に前記乗換案内情報の提示を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の乗換案内装置。
【請求項3】
前記パターン情報は、前記ユーザの行動が行われた時間を示す行動時間情報を含み、
前記作成部は、更に、前記時間情報及び前記行動時間情報に基づいて前記乗換案内情報を作成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の乗換案内装置。
【請求項4】
前記行動パターンは、前記ユーザの移動経路に関する移動経路情報を含み、
前記作成部は、前記移動経路において利用する交通機関の運行状況情報を取得し、前記運行状況情報に基づいて前記交通機関に遅延が発生している場合に、前記移動経路とは別の迂回経路を示す乗換案内情報を作成し、
前記提示部は、前記乗換案内情報を提示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の乗換案内装置。
【請求項5】
前記記憶部は、少なくとも異なる曜日についての前記ユーザの行動パターンを示すパターン情報を複数記憶し、
前記取得部は、更に、曜日の情報を取得し、
前記作成部は、前記取得部が取得した曜日に対応する前記パターン情報に基づいて、前記乗換案内情報を作成する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の乗換案内装置。
【請求項6】
前記取得部が取得する位置情報は、ユーザが存在する範囲を示す範囲情報であり、
前記作成部は、前記範囲情報に基づいて、前記乗換案内情報を作成する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の乗換案内装置。
【請求項7】
前記取得部は、更に、前記ユーザの行動予定を示すスケジュール情報と現在日時を示す日時情報とを取得し、
前記作成部は、前記パターン情報に代えて、前記日時情報で示される日時に前記スケジュール情報で示される行動予定が存在する場合に、当該行動予定で示される地名までの乗換案内情報を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の乗換案内装置。
【請求項8】
前記作成部は、前記位置情報が示す位置に基づいて、前記ユーザの行動が前記パターン情報に該当しないと判定した場合に、前記乗換案内情報を作成しない
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の乗換案内装置。
【請求項9】
前記ユーザの過去の行動履歴を示す行動履歴情報を取得する履歴情報取得部を更に備え、
前記作成部は、前記行動履歴情報を参照して、前記パターン情報を作成し、前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の乗換案内装置。
【請求項10】
前記作成部は、前記行動履歴情報において、一定期間内の同一の曜日において、同一の目的地に向かって移動した回数が所定回数以上である場合に、当該同一の曜日と、当該同一の目的地とを対応付けたパターン情報を作成する
ことを特徴とする請求項9に記載の乗換案内装置。
【請求項11】
前記作成部は、前記行動履歴情報において、一定期間内の同一の曜日において、同一の目的地に向かって移動した割合が所定割合以上である場合に、当該同一の曜日と、当該同一の目的地とを対応付けたパターン情報を作成する
ことを特徴とする請求項9に記載の乗換案内装置。
【請求項12】
ユーザの行動パターンを示すパターン情報を記憶する記憶部にアクセス可能な乗換案内装置による乗換案内方法であって、
ユーザの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報を取得したときの時間情報を更に取得する取得ステップと、
前記位置情報と、前記パターン情報とに基づいて、前記ユーザが利用する移動手段についての乗換案内情報を作成する作成ステップと、
前記乗換案内情報を提示する提示ステップと、
を含み、
前記記憶部は、前記ユーザの行動パターンを示すパターン情報を複数記憶し、
前記作成ステップは、前記取得ステップが取得した前記位置情報が示す位置と前記時間情報が示す時間とに基づいて、前記複数のパターン情報から前記ユーザの行動に対応するパターン情報を推定し、推定したパターン情報に基づいて前記乗換案内情報を作成するものであって、前記ユーザの行動に対応するパターン情報が複数推定できる場合であって、当該パターン情報が示す経路が異なる行先を示す場合に推定した複数のパターン情報それぞれについてそれぞれの行先毎に前記乗換案内情報を作成し、
前記提示ステップは、複数の前記乗換案内情報を提示する乗換案内方法。
【請求項13】
ユーザの行動パターンを示すパターン情報を記憶する記憶部にアクセス可能なコンピュータに、
ユーザの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報を取得したときの時間情報を更に取得する取得機能と、
前記位置情報と、前記パターン情報とに基づいて、前記ユーザが利用する移動手段についての乗換案内情報を作成する作成機能と、
前記乗換案内情報を提示する提示機能と、実現させ、
前記記憶部は、前記ユーザの行動パターンを示すパターン情報を複数記憶し、
前記作成機能は、前記取得機能が取得した前記位置情報が示す位置と前記時間情報が示す時間とに基づいて、前記複数のパターン情報から前記ユーザの行動に対応するパターン情報を推定し、推定したパターン情報に基づいて前記乗換案内情報を作成するものであって、前記ユーザの行動に対応するパターン情報が複数推定できる場合であって、当該パターン情報が示す経路が異なる行先を示す場合に推定した複数のパターン情報それぞれについてそれぞれの行先毎に前記乗換案内情報を作成し、
前記提示機能は、複数の前記乗換案内情報を提示する乗換案内プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの移動に伴って自動で乗り換え案内を実行する乗換案内装置、乗換案内方法、および、乗換案内プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人間は電車やバスなどの予め定められた経路を移動する乗り物を利用してきた。これらの乗り物においては、どこをいつ出発するのかを定めた時刻表が設定されており、その時刻表を確認しておくことで、人間は所望の場所に間に合うように各種の乗り物を利用することができる。また、ユーザが出発地と、目的地を入力するだけで乗り物の乗換案内を行うプログラムの開発も成されている。特許文献1には、ユーザが出発地と目的地を入力することで、乗換案内を行うアプリケーションプログラムが開示されている。また、特許文献2には、駅の自動改札機に乗換案内を表示させるためのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-137278号公報
【文献】特開2010-218179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような乗換案内においては、ユーザが都度、出発地と目的地とを入力する必要があり、ユーザにとっては、煩雑であるという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題に鑑みて成されたものであり、ユーザが出発地と目的地を入力せずとも、ユーザの希望に沿った乗換案内を行い得る乗換案内装置、乗換案内方法、および、乗換案内プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る乗換案内装置は、ユーザの行動パターンを示すパターン情報を記憶する記憶部と、ユーザの位置を示す位置情報を取得する取得部と、位置情報と、パターン情報とに基づいて、ユーザが利用する移動手段についての乗換案内情報を作成する作成部と、乗換案内情報を提示する提示部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る乗換案内方法は、ユーザの行動パターンを示すパターン情報を記憶する記憶部にアクセス可能な乗換案内装置による乗換案内方法であって、 ユーザの位置を示す位置情報を取得する取得ステップと、位置情報と、パターン情報とに基づいて、ユーザが利用する移動手段についての乗換案内情報を作成する作成ステップと、乗換案内情報を提示する提示ステップと、を含む。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る乗換案内プログラムは、ユーザの行動パターンを示すパターン情報を記憶する記憶部にアクセス可能なコンピュータに、ユーザの位置を示す位置情報を取得する取得機能と、位置情報と、パターン情報とに基づいて、ユーザが利用する移動手段についての乗換案内情報を作成する作成機能と、乗換案内情報を提示する提示機能と、を実現させる。
【0009】
上記乗換案内装置において、提示部は、取得部が取得したユーザの位置情報が示す位置が乗換案内情報で示される出発点から所定距離内に含まれた際に乗換案内情報の提示を実行することとしてもよい。
【0010】
上記乗換案内装置において、パターン情報は、ユーザの行動が行われた時間を示す行動時間情報を含み、取得部は、更に、位置情報を取得したときの時間情報を取得し、作成部は、更に、時間情報及び行動時間情報に基づいて乗換案内情報を作成することとしてもよい。
【0011】
上記乗換案内装置において、記憶部は、ユーザの行動パターンを示すパターン情報を複数記憶し、作成部は、取得部が取得した位置情報が示す位置と時間情報が示す時間とに基づいて、複数のパターン情報からユーザの行動に対応するパターン情報を推定し、推定したパターン情報に基づいて乗換案内情報を作成することとしてもよい。
【0012】
上記乗換案内装置において、記憶部は、少なくとも異なる曜日についてのユーザの行動パターンを示すパターン情報を複数記憶し、取得部は、更に、曜日の情報を取得し、作成部は、取得部が取得した曜日に対応するパターン情報に基づいて、乗換案内情報を作成するとしてもよい。
【0013】
上記乗換案内装置において、取得部が取得する位置情報は、ユーザが存在する範囲を示す範囲情報であり、作成部は、範囲情報に基づいて、乗換案内情報を作成することとしてもよい。
【0014】
上記乗換案内装置において、取得部は、更に、ユーザの行動予定を示すスケジュール情報と現在日時を示す日時情報とを取得し、作成部は、パターン情報に代えて、日時情報で示される日時にスケジュール情報で示される行動予定が存在する場合に、当該行動予定で示される地名までの乗換案内情報を作成することとしてもよい。
【0015】
上記乗換案内装置において、作成部は、位置情報が示す位置に基づいて、ユーザの行動がパターン情報に該当しないと判定した場合に、乗換案内情報を作成しないこととしてもよい。
【0016】
上記乗換案内装置において、ユーザの過去の行動履歴を示す行動履歴情報を取得する履歴情報取得部を更に備え、作成部は、行動履歴情報を参照して、パターン情報を作成し、記憶部に記憶することとしてもよい。
【0017】
上記乗換案内装置において、作成部は、行動履歴情報において、一定期間内の同一の曜日において、同一の目的地に向かって移動した回数が所定回数以上である場合に、当該同一の曜日と、当該同一の目的地とを対応付けたパターン情報を作成することとしてもよい。
【0018】
上記乗換案内装置において、作成部は、行動履歴情報において、一定期間内の同一の曜日において、同一の目的地に向かって移動した割合が所定割合以上である場合に、当該同一の曜日と、当該同一の目的地とを対応付けたパターン情報を作成することとしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様に係る乗換案内装置は、ユーザの行動パターンを示すパターン情報に基づいて、作成部が乗換案内情報を作成することができるので、ユーザは、出発地や目的地を入力せずとも、乗換案内をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】乗換案内の概要を示す概要図である。
図2】乗換案内装置の構成例を示すブロック図である。
図3】(a)は、ユーザの行動結果を示す行動情報の一例を示すデータ概念図である。(b)は、ユーザの行動結果に基づいて生成されるユーザの行動パターンを示すパターン情報の一例を示すデータ概念図である。
図4】ユーザのスケジュール情報の一例を示すデータ概念図である。
図5】乗換案内装置による乗換案内処理を示すフローチャートである。
図6】乗換案内装置によるパターン情報の作成処理を示すフローチャートである。
図7】スケジュール情報を用いた乗換案内処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態>
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
<概要>
本発明に係る乗換案内装置100は、図1に示すように、ユーザ10が、自身の自宅11から出発すると、ユーザ10の点線矢印13aで示される移動方向や、その日の曜日などの情報と、過去のユーザの行動パターン、即ち、行動履歴を用いて、これからユーザ10がどこに向かおうとしているのかを推測する。そして、その推測の元にユーザ10が利用するであろう交通機関の乗換案内情報を作成する。ユーザ10が点線矢印13bで示される経路で移動し、A駅12から点線14で示される所定範囲内に入ったとする。すると、乗換案内装置100は、その時点でユーザ10が利用可能な乗換案内情報を提示する。乗換案内情報とは、ユーザが出発地から目的地に到達するまでに利用する交通機関の出発時刻、到着時刻、利用すべき交通機関の情報を示す情報である。図1では、A駅を8時10分に出発するXXX線に乗車し、B駅で8時15分に出発するYYY線に乗り換えて、C駅に8時38分に到着する乗換案内情報を提示した例を示している。これにより、ユーザ10は目的地も出発地も自身で入力することなく、自身が乗車する電車等の交通機関の乗換案内情報を確認することができ、目的地まで、適切な経路で向かうことができる。
【0023】
以下、このような乗換案内装置100について説明する。
【0024】
(乗換案内装置100の構成例)
図2は、乗換案内装置100の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、乗換案内装置100は、通信部110と、記憶部120と、位置情報取得部130と、制御部140と、出力部150とを備える。乗換案内装置100は、例えば、一般的な、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末などの移動体端末により実現することができるが、これらに限定されるものではない。乗換案内装置100は、スマートフォンや携帯電話機、タブレット端末が通常有する情報処理装置としての機能を保持していてよい。
【0025】
通信部110は、ネットワークを介して、外部の機器と通信を実行する機能を有する通信インターフェースである。
【0026】
ここでいうネットワークは、乗換案内装置100と各種の機器との間を相互に接続させるためのネットワークであり、例えば、無線ネットワークや有線ネットワークである。具体的には、ネットワークは、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、LTE-Advanced、第4世代(4G)、第5世代(5G)、CDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)、イーサネット(登録商標)などである。また、ネットワークは、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy)、光回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線、衛星通信網などであってもよく、どのようなネットワークであってもよい。ネットワークは、ユーザ10の住居に備えられる場合には、ホームネットワークと呼称されることもある。また、ネットワークは、例えば、NB-IoT(Narrow Band IoT)や、eMTC(enhanced Machine Type Communication)であってもよい。なお、NB-IoTやeMTCは、IoT向けの無線通信方式であり、低コスト、低消費電力で長距離通信が可能なネットワークである。また、ネットワークは、これらの組み合わせであってもよい。また、ネットワークは、これらの例を組み合わせた複数の異なるネットワークを含むものであってもよい。例えば、ネットワークは、LTEによる無線ネットワークと、閉域網であるイントラネットなどの有線ネットワークとを含むものであってもよい。
【0027】
通信部110は、例えば、制御部140からの指示にしたがって、外部の装置と通信を実行し、制御部140の指示に従って指定されたデータを指定されたアドレスに送信したり、制御部140からの指示に従って指定されたデータを外部の装置から受信したりする。通信部110は、例えば、乗換案内を行う外部のサーバ装置に出発地と目的地とを示す情報を送信し、それに応じて乗換案内情報を受信し、受信した情報を制御部140に伝達する。
【0028】
記憶部120は、乗換案内装置100が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部120は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。なお、乗換案内装置100は、プログラムを記憶部120に記憶し、当該プログラムを実行して、制御部140が、制御部140に含まれる各機能部としての処理を実行してもよい。このプログラムは、乗換案内装置100に、制御部140が実行する各機能を実現させる。
【0029】
記憶部120は、ユーザの行動パターンを示すパターン情報121や、ユーザの行動予定を示すスケジュール情報122を記憶している。パターン情報121及びスケジュール情報122の詳細に関しては後述する。
【0030】
位置情報取得部130は、乗換案内装置100の現在位置に関する情報を取得する機能を有する。位置情報取得部130は、適宜乗換案内装置100の現在位置を示す位置情報を取得し、制御部140に伝達する。位置情報取得部130は、例えば、GNSS、GPSなどの、位置情報を測位するための測位システムにより実現することができる。また、位置情報取得部130は、乗換案内装置100が特定の場所に存在するか否かを検出するものであってもよい。これは、例えば、通信部110が、ユーザの自宅に設置された通信機器(例えば、Wi-Fi(登録商標)モジュール)にアクセスしているか否かによって、乗換案内装置100を保持するユーザが自宅に存在するか否かを判定することができる。
【0031】
制御部140は、乗換案内装置100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部140は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、作成部141および提示部142として機能する。
【0032】
作成部141は、位置情報取得部130から伝達された位置情報に基づいて、ユーザが、所定の場所(例えば、自宅)から出かけたか否かを判定する。そして、ユーザが出かけたと判定した場合に、作成部141は、そのときにおける現在の日時情報を取得する。日時情報の取得は、乗換案内装置が保持する計時機能(図示せず)により実現することとしてもよいし、外部の装置(例えば、GPS衛星)から取得することで実現してもよい。作成部141は、取得した日時情報に合致するパターン情報があるかを、パターン情報121を参照して特定する。そして、特定できた場合には、そのパターン情報121で示される移動経路1214で示される出発地と目的地とを用いた乗換案内情報を作成する。これは、制御部140が乗換案内を行うための既存の乗換案内プログラムを実行することにより実現してもよいし、通信部110を介して、出発地と目的地を出力して外部のサーバが検索した乗換案内情報を受信することで作成することとしてもよい。作成部141は、日時と曜日を照らし合わせることで、ユーザの行動が行動パターンのいずれに該当するかを適切に認識し、よりユーザの行動に合致する可能性の高い乗換案内情報を作成することができる。
【0033】
このとき作成部141は、特定した移動経路を移動する場合に利用する交通機関において遅延等のトラブルが発生していないか否かを判定してもよい。当該判定は、例えば、利用する交通機関のウェブサイト等にアクセスすることで運行状況を示す情報を取得することにより実現することができる。そして、作成部141は、利用する交通機関において遅延などのトラブルが発生していると判定した場合には、特定している移動経路で示される目的地に到達可能な別のルートを作成、提案することとしてもよい。
【0034】
作成部141は、作成した乗換案内情報を、提示部142に伝達する。
【0035】
また、作成部141は、ユーザ10の過去の行動履歴に基づいて、パターン情報121を作成する機能を有していてもよい。パターン情報121の作成方法の詳細については後述する。また、作成部141は、ユーザ10の行動がパターン情報121で示される行動パターンのいずれにも該当しない場合には、ユーザ10のスケジュール情報122を利用した乗換案内を実行することとしてもよい。当該処理の詳細についても後述する。
【0036】
提示部142は、位置情報取得部130が取得した乗換案内装置100の現在位置が出発地点となる駅から所定範囲内に入ったか否かを判定する。出発地点となる駅の位置情報は、通信部110を介して、ネットワーク上から取得することとしてもよいし、予め記憶部120に記憶されていることとしてもよい。提示部142は、乗換案内装置100が出発地点の駅から所定範囲内に入ったと判定した場合に、作成部141が作成した乗換案内情報を提示する。具体的には、乗換案内情報がテキスト情報や画像情報である場合に、モニターとしての出力部150にその情報を表示させる。また、乗換案内情報が音声情報である場合に、スピーカーとしての出力部150にその音声を出力させる。これにより、乗換案内装置100は、乗換案内装置100に対する出発地や目的地の情報の入力をユーザ10に要求することなく、また、ユーザ10が駅に近づいたユーザ10にとって最も乗換案内方法を知りたいとも推測されるタイミングで、乗換案内情報を提示することができる。
【0037】
出力部150は、制御部140からの指示にしたがって指定された情報を外部出力する機能を有する。出力部150は、例えば、モニターやスピーカー等により実現することができる。出力部150は、モニターである場合に、制御部140から指定された乗換案内情報を画像やテキスト情報として表示することにより乗換案内情報を出力する。また、出力部150は、スピーカーである場合に、制御部140から指定された乗換案内情報で示される音声情報に基づく音声を出力する。
【0038】
以上が、乗換案内装置100の構成例である。
【0039】
(パターン情報121の構成例)
図3(b)は、パターン情報121の構成例を示すデータ概念図である。図3(b)に示すように、パターン情報121は、パターン識別子1211と、時間帯1212と、曜日1213と、移動経路1214とが対応付けられた情報である。
【0040】
パターン識別子1211は、乗換案内装置100が各パターン情報を一意に認識するための識別情報である。
【0041】
時間帯1212は、対応するパターン識別子1211で示されるパターン情報の行動をユーザがとると推定される時間帯を示す情報である。
【0042】
曜日1213は、対応するパターン識別子1211で示されるパターン情報の行動をユーザがとると推定される曜日を示す情報である。
【0043】
移動経路1214は、対応するパターン識別子1211で示されるパターン情報の行動をユーザがとると推定される際の移動経路(出発地と目的地)を示す情報である。
【0044】
パターン情報121があることで、ユーザがどのような行動をしようとしているかを推定することができる。即ち、ユーザが自宅等から出て移動しようとしているときに、そのときの時間帯や曜日を特定することで、ユーザの移動経路を特定することができる。
【0045】
このようなパターン情報121は、予め、外部の装置により作成されたものを記憶部120に記憶しておいてもよいし、乗換案内装置100の制御部140(作成部141)が作成することとしてもよい。
【0046】
図3(a)に示す一具体例を用いて、パターン情報121の作成方法について説明する。図3(a)は、ユーザ10の行動結果の一例を示す情報であり、1日から17日までのユーザが時間帯毎にとった行動(移動した経路)を特定した情報である。各曜日の行動については、例えば、位置情報取得部130が適宜位置情報を取得することで特定することができる。その結果、図3(a)に示すような行動履歴情報が作成できたとする。なお、図3(a)において、A~Gはそれぞれ異なる地名(もしくは交通機関の駅名)を示すものとする。
【0047】
すると、作成部141は、各曜日の行動と、その行動の時間帯を特定し、行動の内容が共通する頻度が高い行動を特定する。ここでいう頻度が高いとは、所定期間内(例えば、1ヶ月、2ヶ月、半年など)において、その曜日において、同じ行動をとった回数が所定回数以上であるか否かや、割合が所定割合以上であるか否かによって頻度が高い行動を特定する。ここで一つの行動パターンのみを作成したい場合には、それらの行動の中で最も頻度が高い行動内容(行動の時間帯、曜日、移動経路)を対応付けたパターン情報を作成することとしてもよい。また、複数の行動パターンを作成してもよい。頻度の高い行動をパターン情報121として作成することで、乗換案内装置100は、ユーザの行動を見越した確度の高い乗換案内を実行することができるようになる。
【0048】
図3(a)の例の場合、ユーザ10は、月曜から金曜にかけては、7:00~9:00の範囲内で、AからCに移動していることが理解できる。仮に、Aがユーザ10にとって自宅からの最寄り駅である場合に、Cは学校あるいは勤務地などであると特定することができる。そして、図3(a)に示されるようにAからCに移動する頻度が高いと言えるので、図3(b)のパターン識別子「PT01」に示されるようなパターン情報を作成することができる。
【0049】
同様に、図3(a)に示されるように、1日、8日、15日の日曜日においてもユーザ10は、Dという場所に向かって移動していることが理解でき、毎日曜日に同じ行動をとっていることからその頻度が高いといえる。その結果、図3(c)のパターン識別子「PT03」で示される行動パターンを作成することができる。
【0050】
一方で、図3(a)に示される行動履歴情報によれば、ユーザ10は、14日土曜日に、Fという場所と、Gという場所に赴いていることが理解できる。しかし、他の土曜日では、同様の行動をとっていないので、このような行動はユーザがよくとる行動パターンではないので、そのような行動については、パターン情報121として登録しない。
【0051】
ユーザがよくとる行動をパターン情報121として記憶しておくことで、乗換案内装置100は、ユーザがよくとる経路を推定し、そのための乗換案内を実現することができる。
【0052】
(スケジュール情報122の構成例)
図4は、スケジュール情報122の構成例を示すデータ概念図である。図4に示すように、スケジュール情報122は、日付(曜日)1221と、予定1222とが対応付けられた情報である。
【0053】
日付(曜日)1221は、スケジュール情報122においていつのスケジュールであるかを示す日付けとその曜日を示す情報である。
【0054】
予定1222は、対応する日付(曜日)1221が示す日時に、ユーザが起こす行動予定の内容を示す情報である。
【0055】
図4に示す例では、予定400に示されるように、14日の土曜に、友人とFとGまで出かけることが示されている。
【0056】
記憶部120がスケジュール情報122を記憶しておくことにより、仮に、ユーザの行動が、パターン情報121で示されるいずれのパターンにも該当しない行動であったときでも、乗換案内を実行できる可能性を残すことができるので、乗換案内装置100は、ユーザに対する利便性の高い乗換案内を提供することができる。なお、スケジュール情報122は、ユーザ10が自身で設定する情報である。
【0057】
(乗換案内装置100の動作例)
図5は、乗換案内装置100の動作であって、機器の制御を行う際の動作を示すフローチャートである。
【0058】
図5に示すように、乗換案内装置100の位置情報取得部130は、適宜、乗換案内装置100の位置情報を取得する(ステップS501)。位置情報取得部130は、位置情報を取得するごとに、制御部140に伝達する。
【0059】
制御部140の作成部141は、伝達された位置情報に基づいて、ユーザが自宅エリアから外出したか否かを検出する。当該検出は、伝達された位置情報で示される位置が、自宅として設定されている位置から所定距離以上離れているか否かによって検出することができる。また、あるいは、ユーザ10が自宅で乗換案内装置100を用いて外部アクセスをする際に、例えば、通信モジュール(例えば、Wi-Fi規格による通信を行うアクセスポイント)を介して実行する際に、その通信モジュールのID(SSID(Service Set IDentifier))を記憶しておき、そのSSIDを有するモジュールと通信をしていない場合には、自宅にはいない、即ち、ユーザ10は外出したと判定するようにしてもよいし、その両方を利用してもよい。ユーザ10の外出を検出できない場合には(ステップS502のNO)、乗換案内装置100は、ステップS501の処理に戻る。
【0060】
ユーザ10の外出を検出できた場合には(ステップS502のYES)、作成部141は、ユーザ10の行動がパターン情報121で示される行動パターンのいずれか該当するか否かを判定する(ステップS503)。具体的には、作成部141は、ユーザ10が外出した時間帯、曜日の情報を取得し、パターン情報121の行動パターンのいずれかに当てはまるか否かを判定する。
【0061】
ユーザ10の行動がパターン情報121で示される行動パターンのいずれにも該当しない場合には(ステップS503のNO)、処理を終了する。即ち、作成部141は、乗換案内情報を作成しない。これにより、ユーザに誤った乗換案内をする可能性を抑制することができる。
【0062】
ユーザ10の行動がパターン情報121で示される行動パターンのいずれかに該当した場合には(ステップS503のYES)、作成部141は、該当する行動パターンの移動経路1214で示される経路を利用する際の交通機関の運行状況情報を取得する(ステップS504)。
【0063】
作成部141は、取得した運行状況情報から、利用する交通機関に遅延が発生しているか否かを判定する(ステップS505)。遅延が発生していた場合には(ステップS505のYES)、ユーザの現在地から、特定している行動パターンの目的地までの移動経路1214で示される経路とは別の経路、即ち、迂回ルートを検索する。そして、作成部141は、作成した別の経路案内情報を提示部142に伝達する。提示部142は、作成された使いルートを示す経路案内情報を出力部150に出力させて(ステップS506)、処理を終了する。
【0064】
一方、遅延が発生していなかった場合には(ステップS505のNO)、作成部141は、現在時間を利用して乗換案内情報を作成する。そして、位置情報取得部130が取得した位置情報に基づいて、提示部142は、ユーザ10が出発地の駅、即ち、乗車駅から所定範囲内に入ったか否かを判定する(ステップS507)。所定範囲内に入っていない場合には(ステップS507のNO)、ユーザ10が出発駅から所定範囲内に入るまで待機する。
【0065】
ユーザ10が乗車駅から所定範囲内に入った(存在する)場合には(ステップS507のYES)、提示部142は、出力部150から作成部141が作成した乗換案内情報を出力させて、ユーザ10に乗換案内を提示し(ステップS508)、処理を終了する。
【0066】
以上が、乗換案内装置100によるユーザ10に対する乗換案内の提示処理である。
【0067】
(パターン情報121の生成処理)
図6は、パターン情報121の生成処理を行う際の乗換案内装置100の動作例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、ユーザ10の行動履歴を取得するための処理(ステップS601~S605)と、取得した行動履歴からパターン情報121を作成する処理(ステップS606~S607)とから成る。
【0068】
図6に示すように制御部140の作成部141は、深夜帯における乗換案内装置100の位置情報を位置情報取得部130から取得する(ステップS601)。
【0069】
また、作成部141は、利用しているWi-FiのSSIDを取得する(ステップS602)。作成部141は、取得したSSIDは、ユーザが自宅で利用するアクセスポイントのSSIDであるとして記憶部120に記憶する。
【0070】
作成部141は、位置情報取得部130から伝達される位置情報やアクセスしている通信モジュールのSSIDが、記憶部120に記憶されているSSIDと異なることなどに基づいて、ユーザ10の外出を検出する(ステップS603)。
【0071】
作成部141は、その外出時の時間情報、および、曜日情報を取得する(ステップS604)。
【0072】
また、作成部141は、位置情報取得部130が逐次取得する位置情報と、その速度変化から、ユーザが利用している移動体、即ち、交通手段を特定するとともに、移動先の目的地を特定し、記憶部120に記憶する(ステップS605)。これにより、例えば、図3(a)に示すような、ユーザ10の行動履歴情報を作成することができる。
【0073】
次に、作成部141は、ユーザ10の行動履歴情報から、外出先として滞在時間が長く、かつ、外出先として選択されている頻度の高い位置を特定する(ステップS606)。
【0074】
そして、作成部141は、頻度の高い位置を行先(目的地)とし、その目的地に移動している曜日とを対応付けたパターン情報121を生成して、記憶部120に記憶し(ステップS607)、処理を終了する。
【0075】
これにより、乗換案内装置100は、ユーザがよくとる行動に基づいて、パターン情報121を作成することができる。
【0076】
(スケジュール情報が有る場合の乗換案内情報の作成処理)
図7は、乗換案内装置100がユーザ10の行動予定を示すスケジュール情報122を保持している場合の処理を示すフローチャートである。
【0077】
当該処理は、図5に示すフローチャートのステップS503のNOの場合に実行可能な処理であるので、図7においては、図5におけるステップS503のNOのルートに入った場合の処理として説明する。
【0078】
作成部141は、ユーザ10の行動が、パターン情報121の行動パターンのいずれにも該当しないと判定した場合には(ステップS503のNO)、その日の日時情報を取得する。そして、作成部141は、スケジュール情報122を参照して、取得した日情報に対応する日時に、スケジュールが登録されているか否かを判定する。(ステップS701)。スケジュールが登録されていない場合には(ステップS701のNO)、処理を終了する。
【0079】
スケジュールが登録されていた場合には(ステップS701のYES)、作成部141は、そこから目的地を特定する。目的地の特定には、例えば、スケジュールで示されるテキストを形態素解析することにより、特定することができる。この解析により目的地を特定できなかった場合には(ステップS702のNO)、処理を終了する。この解析に寄り目的地を特定できた場合には(ステップS702のYES)、作成部141は、特定した行先までの乗換案内を検索し、乗換案内情報を作成する(ステップS703)。
【0080】
作成部141は、検索した乗換案内で示される乗車駅から所定範囲内に乗換案内装置100が存在するか否かを判定する(ステップS704)。乗換案内装置100が、乗車駅から所定範囲内に入っていない場合は(ステップS704のNO)、乗換案内装置100が乗車駅から所定範囲内に入るまで、即ち、ユーザ10が乗車駅に近づくまで待機する。乗換案内装置100が、乗車駅から所定範囲内に入った場合(ステップS704のYES)、即ち、ユーザ10が乗車駅に着きそうな頃合いに、提示部142は、作成部141が作成した乗換案内情報をユーザに提示し(ステップS705)、処理を終了する。
【0081】
このように、乗換案内装置100は、パターン情報121で示される行動パターンに当てはまらない行動をとったとしても、自動で乗換案内を行うことができる可能性を有している。
【0082】
(まとめ)
以上に示したように、乗換案内装置100は、ユーザの過去の行動から作成されたユーザよくとる行動をパターン情報121として、記憶しておくことで、ユーザの外出時に、その外出時の条件がパターン情報121に宛てはまる場合に、ユーザからの入力なしで、乗換案内を検索して、ユーザに提示することができる。したがって、ユーザの乗換案内に係る出発地や目的地の入力の煩雑さを低減することができる。
【0083】
(補足)
上記実施形態に係る装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0084】
(1)上記実施形態においては、ユーザ10の現在位置情報をピンポイントで特定できることを前提に説明しているが、乗換案内装置100は、ユーザ10の現在位置がおおよその範囲でしか認識できないことを前提に乗換案内を実行することとしてもよい。即ち、予め地図を所定範囲(エリア)に区切り、ユーザがどのエリアに所属しているかを用いて、ユーザの自宅や勤務先、その他の移動先を特定するようにしてもよい。これにより、乗換案内装置100は、乗換案内装置100の詳細な位置情報を取得できずとも、乗換案内を実行することができる。
【0085】
(2)上記実施形態においては、パターン情報121やスケジュール情報122は、乗換案内装置100の制御部140がアクセス可能になっていれば、外部の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0086】
(3)上記実施の形態において、パターン情報121にパターンを登録するかを判定するための頻度の閾値は、所定期間の長さによって変更できるように構成されてもよい。また、当該閾値は、乗換案内装置100のユーザ10によって自由に設定できるように構成されていてもよい。また、パターン情報121は、作成部141が作成することとしているが、これは、ユーザ10が自身で作成することとしてもよい。
【0087】
(4)上記実施の形態においては、乗換案内装置100単体で乗換案内を実現する例を示したが、これはその限りではない。乗換案内装置100の機能を実現する外部サーバが、上記実施の形態における乗換案内装置100が有する機能を保持し、乗換案内装置100としては、ユーザの現在位置を当該外部サーバに送信し、当該外部サーバから乗換案内情報を受信するというシステム構成により、上記実施の形態に示した乗換案内装置100と同等の機能を実現することとしてもよい。
【0088】
(5)上記実施の形態においては、ユーザの行動パターンは一意に絞り込めることを前提にしているが、ユーザの行動がパターン情報121の中の複数の行動パターンに該当した場合には、作成部141は、それぞれの場合について、乗換案内情報を作成することとしてもよいし、該当した行動パターンの中から最もユーザの行動パターンとして尤度の高い行動パターンについての乗換案内情報のみを作成することとしてもよい。
【0089】
(6)本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。記憶媒体は、HDDやSSDなどの任意の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。
【0090】
なお、乗換案内装置100は、例えば、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。また、当該プログラムは、任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、乗換案内装置100に提供されてもよい。乗換案内装置100は、例えば、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0091】
なお、当該プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective―C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0092】
乗換案内装置100における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、乗換案内装置100の各機能部は、上記実施形態に示した機能を実現する1または複数の回路によって実現されてもよく、1の回路により複数の機能部の機能が実現されることとしてもよい。
【0093】
(7)本開示の実施形態を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、各実施形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0094】
100 乗換案内装置
110 通信部
120 記憶部
130 位置情報取得部
140 制御部
141 作成部
142 提示部
150 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7