(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】裁断機の搬出案内装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/18 20060101AFI20220826BHJP
B26D 5/00 20060101ALN20220826BHJP
【FI】
B26D7/18 C
B26D5/00 F
(21)【出願番号】P 2019021628
(22)【出願日】2019-02-08
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000151221
【氏名又は名称】株式会社島精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(72)【発明者】
【氏名】名出 隆二
(72)【発明者】
【氏名】柳谷 信幸
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-072886(JP,A)
【文献】特開2009-072887(JP,A)
【文献】特開昭58-192797(JP,A)
【文献】実開平4-122551(JP,U)
【文献】特開平5-245797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18
B26D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ面上で裁断されて吸引状態のままスプロケット間で搬送される裁断シート材を、搬送方向下流側にて前記ブラシ面よりも高所に位置する受渡面に対し複数の爪を備えたコームにより掬い上げて受け渡すとともに、前記各爪の根元を前記両スプロケットのうちの前記裁断シート材の搬送方向下流側のスプロケットの中心よりも搬送方向上流側に位置させた裁断機の搬出案内装置であって、
前記コームの各爪の根元を前記ブラシ面との間で浮かせるように当該ブラシ面に対し接触した状態で介在するスペーサーが前記受渡面及び前記コームのうちの少なくともいずれか一方の下面に設けられていることを特徴とする裁断機の搬出案内装置。
【請求項2】
前記スペーサーは、前記裁断シート材の搬送方向上流側のブラシ面側において当該ブラシ面に対する接触を回避するように前記裁断シート材の搬送方向上流端より搬送方向下流側へ向かって切り欠いた切欠部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の裁断機の搬出案内装置。
【請求項3】
前記スペーサーは、前記裁断シート材の搬送方向と直交する幅方向へ連続的に延びる短冊状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の裁断機の搬出案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裁断機においてブラシ面上で裁断した裁断シート材を搬出する際に咬み込みを防止するように案内する搬出案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の裁断機の搬出案内装置としては、ブラシ面上で裁断された裁断シート材をスプロケット間で搬送するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、ブラシ面上で裁断シート材を裁断しながら搬送するようにしたものもある(特許文献2参照)。このものでは、裁断シート材はブラシ面上で吸引状態のまま搬送され、ブラシ面上の裁断エリアを越えるような長尺な裁断シート材の裁断も可能とし、裁断効率の向上を図る上で有利なものとなる。
【0004】
そして、前記特許文献1のものにあっては、裁断機の搬送方向下流側に複数の爪を備えたコームが設けられ、このコームによりブラシ面から裁断シート材を掬い上げて受渡面に受け渡すようにしている。
【0005】
このようなコームの各爪の根元は、搬送方向下流側のスプロケットの中心よりも搬送方向下流側に位置している。そのため、受渡面がコームよりも更に搬送方向下流側に位置することになり、裁断機の搬送方向の長さが長くなって大型化してしまう。
【0006】
そこで、コームの各爪の根元を搬送方向下流側のスプロケットの中心よりも搬送方向上流側に位置させることで、受渡面をブラシ面に近付けて裁断機の搬送方向の長さを短くし、裁断機の小型化を図るようにしたものが提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第2735805号公報
【文献】特許第5100369号公報
【文献】特開2009-72886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記提案のもののように、コームの各爪の根元が搬送方向下流側のスプロケットの中心よりも搬送方向上流側に位置していると、受渡面をブラシ面よりも高所に位置させる必要がある。これは、ブラシ面を構成する、裁断機の搬送方向に複数並べた剛毛ブラシの各ブロックが、スプロケットの周りを回転する際に搬送方向両端部がスプロケットに対し浮き上がった状態で回転して受渡面と接触するからである。かかる点から、各ブロックの搬送方向端部との接触を回避する上で受渡面をブラシ面よりも高所に位置付ける必要があった。
【0009】
しかも、コームの各爪の根元が搬送方向下流側のスプロケットの中心よりも搬送方向上流側に位置していれば、裁断シート材がブラシ面上で吸引状態のまま搬送される際に、コーム及び受渡面にも吸引による影響が出やすいものとなる。このとき、コームの各爪の根元がブラシ面付近まで吸引されると、各爪の根元とブラシ面との高低差が詰まってしまい、その間に裁断シート材が咬み込んでしまうことがある。これは、裁断された裁断シート材の形状にも起因し、搬送方向下流側に向かって先端が尖るように裁断された鋭利な形状の裁断シート材であれば、より顕著に現れる傾向となる。
【0010】
なお、裁断シート材としては、生地シートから裁断された裁断生地(裁断パーツ)及び裁断残生地のほか、生地シートを載置する際にブラシ面上に敷く下敷紙シートから生地シートと共に裁断された裁断紙及び裁断残紙、並びに複数枚を積層して用いた生地シートを上から覆って密閉する密閉ビニルシートから生地シートと共に裁断された裁断ビニル及び裁断残ビニルなどが含まれる。
【0011】
鋭利な形状の裁断シート材では、各爪のピッチに引き込まれ易いため、各爪の根元とブラシ面との高低差の詰まりによって各爪のピッチに引き込まれた際の逃がし空間が存在していないと、ピッチに引き込まれた途端に咬み込んでしまい、残りの部分も巻き込んでしまうことになる。これに対し、各爪の根元とブラシ面との高低差が確保されていれば、鋭利な形状の裁断シート材であっても、各爪のピッチに引き込まれた際の逃がし空間となり、ピッチに引き込まれずに残った部分によって搬送に伴い引き戻される。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各爪の根元とブラシ面との高低差が確実に確保されるようにして、鋭利な形状の裁断シート材の咬み込みを効果的に防止することができる裁断機の搬出案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本発明では、ブラシ面上で裁断されて吸引状態のままスプロケット間で搬送される裁断シート材を、搬送方向下流側にて前記ブラシ面よりも高所に位置する受渡面に対し複数の爪を備えたコームにより掬い上げて受け渡すとともに、前記各爪の根元を前記両スプロケットのうちの前記裁断シート材の搬送方向下流側のスプロケットの中心よりも搬送方向上流側に位置させた裁断機の搬出案内装置を前提とする。そして、前記コームの各爪の根元を前記ブラシ面との間で浮かせるように当該ブラシ面に対し接触した状態で介在するスペーサーを前記受渡面及び前記コームのうちの少なくともいずれか一方の下面に設けることを特徴としている。
【0014】
また、前記スペーサーに、前記裁断シート材の搬送方向上流側のブラシ面側において当該ブラシ面に対する接触を回避するように前記裁断シート材の搬送方向上流端より搬送方向下流側へ向かって切り欠いた切欠部を設けていてもよい。
【0015】
更に、前記スペーサーを、前記裁断シート材の搬送方向と直交する幅方向へ連続的に延びる短冊状に形成していてもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上、コームの各爪の根元をブラシ面との間で浮かせるように当該ブラシ面に対し接触した状態で介在するスペーサーを、受渡面及びコームのうちの少なくともいずれか一方の下面に設けることで、各爪の根元とブラシ面との高低差が確実に確保される。このため、鋭利な形状の裁断シート材が各爪のピッチに引き込まれた際に各爪の根元とブラシ面との高低差が逃がし空間となり、引き込まれた裁断シート材が、ピッチに引き込まれずに残った部分によって搬送に伴い引き戻される。これにより、鋭利な形状の裁断シート材の咬み込みを効果的に防止することができる。
【0017】
また、スペーサーに、搬送方向上流側のブラシ面側にブラシ面に対する接触を回避するように裁断シート材の搬送方向上流端より搬送方向下流側へ向かって切り欠いた切欠部を設けることで、スペーサーの切欠部によってブラシ面との接触面を搬送方向下流側にずらせて、鋭利な形状の裁断シート材の逃がし空間を拡張でき、鋭利な形状の裁断シート材の咬み込みをより効果的に防止することができる。
【0018】
更に、スペーサーを、裁断シート材の搬送方向と直交する幅方向へ連続的に延びる短冊状に形成することで、スペーサーをブラシ面に対して幅方向に均等に接触させ、ブラシ面の摩耗やスプロケットの回転負荷を幅方向で均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態に係る搬出案内装置を備えた裁断機の縦断側面図である。
【
図3】
図1の搬出案内装置の搬出側のコーム付近を拡大した拡大図である。
【
図4】
図2の搬出案内装置の搬出側のコーム付近に裁断シート材が送られてきた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の形態に係る搬出案内装置を備えた裁断機の縦断側面図、
図2は
図1の搬出案内装置付近の平面図をそれぞれ示している。
【0022】
図1及び
図2において、裁断機1は、略矩形枠状の枠体10に囲まれた裁断テーブル11を備えている。裁断テーブル11は、その長手方向に剛毛ブラシのブロック12,12,…を並べたコンベア13で構成され、各ブロック12の剛毛の先端で表面が形成されている。なお、生地シート14は、裁断テーブル11のブラシ面131に敷かれた通気性を有する下敷紙シート15上に載置される。
【0023】
剛毛で形成される裁断テーブル11は通気性を有し、コンベア13の上側部位に設けられた吸引室16によりコンベア13上の生地シート14を吸引して保持した状態で枠体10の長手方向へ搬送する。このとき、生地シート14は通気性があるので、複数枚を積層して用いられ、合成樹脂フィルムなどの密閉ビニルシート17によって上から覆うことで、全体を吸引して保持することを可能としている。
【0024】
また、裁断機1は、裁断テーブル11の表面に沿って移動する裁断ヘッド21を備えている。この裁断ヘッド21は、裁断テーブル11側(下方)へ向かって突出する裁断刃22を備えている。各ブロック12の剛毛は、合成樹脂などを素材とし、裁断刃22が裁断テーブル11の表面から侵入すると、弾性的に変形して刃先から逃れる。なお、裁断ヘッド21を裁断テーブル11の表面に沿って移動させる機構は、記載を省略している。
【0025】
コンベア13の一部となる裁断テーブル11の搬入側には搬入側テーブル23が設けられ、生地シート14の準備や裁断テーブル11上への導入作業などを行う。裁断テーブル11の搬出側には受渡面としての搬出側テーブル24が設けられ、下流側に設けたピックアップテーブル等へ裁断シート材Sを受け渡す際に使用する。この場合、コンベア4を稼働させての搬入や搬出の作業時には、搬入側テーブル23や搬出側テーブル24の表面から空気流が噴出し、裁断シート材Sを浮上させて移動し易くしている。
【0026】
搬入側テーブル23及び搬出側テーブル24の裁断テーブル11と向き合う内方側端部は、それぞれ裁断シート材Sの搬送方向(
図1に白抜き矢印で示す)の両側のスプロケット25,26の中心よりも内方側寄りにそれぞれ位置している。
【0027】
また、搬入側テーブル23及び搬出側テーブル24は、それぞれの表面が裁断テーブル11のブラシ面131よりも高所に位置している。これは、ブラシ面131を構成する各ブロック12が、スプロケット25,26の周りを回転する際に当該スプロケット25,26の周りから浮き上がった状態で回転する搬送方向両端部との接触を回避する上で、搬入側テーブル23及び搬出側テーブル24をブラシ面131よりも高所に位置付ける必要があるからである。
【0028】
搬入側テーブル23及び搬出側テーブル24の内方側端部には、搬入案内装置31及び搬出案内装置32が設けられている。搬入案内装置31及び搬出案内装置32は、ブラシ面131との間に高低差があっても裁断シート材Sの移動が円滑に行えるように表面に斜面を有するコーム33,34を備えている。各コーム33,34は、その基端が搬入側テーブル23及び搬出側テーブル24の内方側端に連結されている。各コーム33,34には、基部30(搬出側テーブル24側のもののみ示す)よりそれぞれ突出する櫛歯状の複数の爪35,35,…が裁断シート材Sの搬送方向と直交する幅方向に等ピッチで設けられている。
【0029】
図3は
図1の搬出案内装置32の搬出側のコーム34付近を拡大した拡大図、
図4は
図2の搬出案内装置32の搬出側のコーム34付近に裁断シート材Sが送られてきた状態を示す説明図をそれぞれ示している。
【0030】
この
図3及び
図4にも示すように、搬出案内装置32のコーム34の各爪35は、裁断シート材Sの搬送方向上流側に向かって突出し、それぞれ先端部が各ブロック12の剛毛中に侵入するように下向きに傾斜している。なお、搬出案内装置32のコーム34の各爪35の根元は、裁断シート材Sの搬送方向下流側のスプロケット26の中心よりも搬送方向上流側に位置している。
【0031】
各ブロック12の下端には、裁断シート材Sの幅方向に延びる複数の軸41,41,…が回転自在に支持されている。この各軸41には、複数のローラ42が回転一体に連結されているとともに、互いに幅方向で相隣なるローラ42同士の間に当該各ローラ42よりも小径な円筒部材43が回転自在に支持されている。
【0032】
各スプロケット25,26には、各ブロック12の円筒部材43と係脱自在に係合する略半円弧状の係合部27,27,…が凹設されている。そして、コンベア13は、各スプロケット25,26のうちの一方のスプロケット25の駆動によって、両スプロケット25,26間で巻回された各ブロック12の円筒部材43を順に係脱動作して搬送されるようにしている。また、各ブロック12のうち、それぞれの剛毛の先端で裁断テーブル11の表面を形成する上側部位での各ブロック12は、搬送方向へ略水平に延びるレール28上を各ローラ42が転動することで、裁断テーブル11の表面(上側部位の各ブロック12の剛毛先端)を略水平面状としている。
【0033】
コーム34の各爪35の根元をブラシ面131との間で浮かせるように当該ブラシ面131に接触した状態で介在するスペーサー5が、コーム34の各爪35の根元から搬出側テーブル24の内方側端部に亘る対応部位Aの下面に取り付けられている。このとき、スペーサー5は、搬出側テーブル24及び搬出側のコーム34のうちの少なくともいずれか一方の下面に設けられていればよく、搬出側のコーム34の各爪35の根元をブラシ面131との間で浮かせるように当該ブラシ面131に対し接触した状態で介在していればよい。
【0034】
また、スペーサー5は、裁断シート材Sの搬送方向上流側のブラシ面131側においてそのブラシ面131に対する接触を回避するように裁断シート材Sの搬送方向上流端より搬送方向下流側へ向かって直線状に斜め下方向へ延びる斜面51によって切り欠いた切欠部50が設けられている。更に、スペーサー5は、裁断シート材Sの搬送方向と直交する幅方向(
図3では紙面手前奥方向)へ連続的に延びる短冊状に形成されている。このスペーサー5は、コーム34の幅とほぼ同じ幅に設定されている。
【0035】
図4中の符号141は、生地シート14から裁断された裁断シート材Sの裁断生地(裁断パーツ)、符号142は裁断残生地である。また、符号143は、裁断残生地142のうち、搬送方向下流側に向かって先端が尖るように裁断された鋭利な形状の突起片であって、これらの突起片143の延長線X上にそれぞれコーム34の各爪35のピッチが位置している状態を
図4において示している。このとき、各爪35のピッチを可及的に狭くして突起片143が引き込まれ難くすることも有効である。
【0036】
したがって、本実施の形態では、コーム34の各爪35の根元をブラシ面131との間で浮かせるように当該ブラシ面131に接触した状態で介在するスペーサー5が、コーム34の各爪35の根元から搬出側テーブル24の内方側端部に亘る対応部位Aの下面に取り付けられているので、各爪35の根元が吸引されてもブラシ面131との高低差が確実に確保される。高低差の確保により、各爪35の下面とブラシ面131との間には逃がし空間が形成され、突起片143が各爪35のピッチに引き込まれたとしても、突起片143の先端が逃がし空間内にあれば咬み込みは生じない。さらに、ピッチに引き込まれずに残った裁断残生地142が各爪35の上面が成す傾斜面に沿って高所まで引き上げられることで、突起片143はピッチ内から引き戻される。これにより、鋭利な形状の裁断シート材Sの突起片143の咬み込みを効果的に防止することができる。
【0037】
また、スペーサー5に、裁断シート材Sの搬送方向上流端より搬送方向下流側へ向かって直線状に斜め下方向へ延びる斜面51によって切り欠いた切欠部50が設けられているので、スペーサー5の切欠部50によって裁断テーブル11のブラシ面131との接触面を搬送方向下流側にずらせて、裁断残生地142の鋭利な形状となる突起片143の逃がし空間を拡張でき、突起片143の咬み込みをより効果的に防止することができる。
【0038】
更に、スペーサー5が、コーム34の各爪35の根元から搬出側テーブル24の内方側端部に亘る対応部位Aの下面を搬送方向と直交する幅方向へ連続的に延びる短冊状に形成されているので、スペーサー5を裁断テーブル11のブラシ面131に対して幅方向に均等に接触させ、ブラシ面131の摩耗やスプロケット25,26の回転負荷を幅方向で均一にすることができる。
【0039】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記実施の形態では、スペーサー5を裁断シート材Sの幅方向へ連続的に延びる短冊状に形成したが、スペーサーは裁断シート材の幅方向へ連続的に延びていなくてもよく、複数のスペーサーが僅かな隙間を存して幅方向へ断続的に並べて設けられていてもよい。また、複数のスペーサーの形状は、短冊を分割したようなブロック状のものに限らず、円形状や楕円形状などの皿状のものであってもよい。
【0040】
また、前記実施の形態では、スペーサー5をコーム34の各爪35の根元から搬出側テーブル24の内方側端部に亘る対応部位Aの下面に取り付けたが、スペーサーが、コームの各爪の根元、又は搬出側テーブルの内方側端部に一体的に、若しくは両者に一体的に設けられていてもよい。
【0041】
また、前記実施の形態では、スペーサー5に、直線状に斜め下方向へ延びる斜面51によって切り欠いた切欠部50を設けたが、裁断シート材の搬送方向上流端より搬送方向下流側へ向かって、弧を描いて斜め下方向へ湾曲する曲面によって切り欠いた切欠部や、斜め下方向へ階段状に切り欠いた切欠部であってもよい。また、スペーサー5に切欠部が設けられていなくてもよい。
【0042】
更に、前記実施の形態では、通気性のある生地シート14を複数枚積層して用いたが、生地シートの枚数は1枚でもよく、通気性のない皮革や樹脂などの場合は密閉ビニルシートを用いなくてもよい。
【0043】
また、前記実施の形態では、裁断シート材Sから裁断された裁断残生地142のうちの鋭利な形状の突起片143が咬み込む場合について述べたが、裁断シート材から裁断された裁断生地のうちの搬送方向下流側に向かって先端が尖るような鋭利な形状の突起片の場合にも同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0044】
1 裁断機
131 ブラシ面
24 搬出側テーブル(受渡面)
25,26 スプロケット
32 搬出案内装置
34 コーム
35 爪
5 スペーサー
50 切欠部
A 対応部位
S 裁断シート材