(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】状態間デバイスの遷移をトリガすること
(51)【国際特許分類】
G06F 1/3206 20190101AFI20220826BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20220826BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
G06F1/3206
B65G61/00 524
G08B25/00 510Z
(21)【出願番号】P 2019506477
(86)(22)【出願日】2017-07-31
(86)【国際出願番号】 US2017044674
(87)【国際公開番号】W WO2018031279
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-07-21
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500043574
【氏名又は名称】ブラックベリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BlackBerry Limited
【住所又は居所原語表記】2200 University Avenue East, Waterloo ON N2K 0A7, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】チェンナケシュ, サンディープ
(72)【発明者】
【氏名】ベネット, ジェシー ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ディル, スコット レオナルド
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0154427(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0002274(US,A1)
【文献】特開2011-201460(JP,A)
【文献】特開2004-262622(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0177476(US,A1)
【文献】特開2017-227986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/32-1/3296
G08B25/00-25/10
B65G60/00-61/00
G06K7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリープ状態と動作状態とを有するデバイスであって、前記デバイスは、プラットフォーム上に搭載するためのものであり、前記デバイスは、
加速データを出力するための加速度計と、
回転データを出力するための回転センサであって、前記回転センサは、前記加速度計に付加されている、回転センサと、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記加速度計によって出力された前記加速データと前記回転センサによって出力された前記回転データとに基づいて、前記デバイスが搭載されている前記プラットフォームが遷移運動を開始したかどうかを判定することと、
前記デバイスが搭載されている前記プラットフォームが遷移運動を開始したと判定することに応答して、前記デバイスを前記スリープ状態から前記動作状態に遷移するようにトリガすることと
を行い、
前記コントローラは、前記プラットフォームの移動を前記加速データが示すことと、前記デバイスが回転移動を被っていないことを前記回転データが示すこととに基づいて、前記プラットフォームが遷移運動を開始したと判定する、デバイス。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記デバイスが取り付けられている入口障壁が開放位置と閉鎖位置との間で移動されたかどうかを判定することと
前記デバイスが取り付けられている前記入口障壁が前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動されたと判定することに応答して、前記デバイスを前記スリープ状態から前記動作状態に遷移するようにトリガすることと
をさらに行う、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記コントローラは、前記デバイスが搭載されている前記プラットフォームが遷移運動を開始していないと判定することに応答して、前記デバイスを前記スリープ状態に維持することをさらに行う、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、前記プラットフォーム上のコンテナの入口障壁上への取り付けるためのものであり、前記入口障壁は、開放位置と閉鎖位置との間で回転可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記デバイスが前記動作状態にあるとき、
前記加速度計および前記
回転センサによって出力されるさらなる測定データに基づいて、遷移運動中であった後、前記プラットフォームが停止したかどうかを判定することと、
遷移運動中であった後、前記プラットフォームが停止したと判定することに応答して、前記デバイスを前記動作状態から前記スリープ状態に遷移するようにトリガすることと
をさらに行う、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、より低い電力状態とより高い電力状態とを有するプロセッサをさらに備え、前記デバイスは、前記プロセッサが前記より低い電力状態にあることに応答して、前記スリープ状態にあり、前記デバイスは、前記プロセッサが前記より高い電力状態にあることに応答して、前記動作状態にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスを前記スリープ状態から前記動作状態に遷移するようにトリガすることは、前記プロセッサを前記より低い電力状態から前記より高い電力状態に遷移するようにトリガすることを含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスを前記スリープ状態から前記動作状態に遷移するようにトリガすることは、前記デバイスの少なくとも1つのデバイス構成要素を前記より低い電力状態からより高い電力状態に遷移するようにトリガすることを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのデバイス構成要素は、プロセッサおよび別のセンサおよび通信構成要素から選択される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
方法であって、
コントローラが、移動可能プラットフォーム上に搭載されたデバイスの一部であ
り、かつ、加速度計を備えるセンサから、測定データを受信すること
と、
前記コントローラが、回転センサから回転データを受信することと、
前記コントローラが、前記測定データに基づいて、前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することであって、前記移動可能プラットフォームの前記遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記加速度計から
の加速データと前記回転センサからの前記回転データとに基づく、ことと、
前記コントローラが、前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することに応答して、第1の電力状態から
前記第1の電力状態とは異なる第2の電力状態に前記デバイスの遷移をトリガすることと
を含み、
前記移動可能プラットフォームの前記遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記
移動可能プラットフォームの移動を前記加速データが示すことと、前記デバイスが回転移動を被っていないことを前記回転データが示すこととに基づく、方法。
【請求項11】
前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記移動可能プラットフォームが定常であることから遷移運動中であることに変化したことを検出することを含み、
前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に前記デバイスの遷移をトリガすることは、スリープ状態から動作状態に前記デバイスの遷移をトリガすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記移動可能プラットフォームが遷移運動中であることから定常であることに変化したことを検出することを含み、
前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に前記デバイスの遷移をトリガすることは、動作状態からスリープ状態に前記デバイスの遷移をトリガすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記移動可能プラットフォームが遷移運動中であることから定常であることに変化したことを検出することは、前記移動可能プラットフォームが規定された持続時間にわたって遷移運動中であることから定常であることに変化したことを検出することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記デバイスは、コンテナの入口障壁に取り付けられ、前記入口障壁は、開放位置と閉鎖位置との間で回転可能である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記デバイスの回転移動を前記回転データが示すことに基づいて、前記入口障壁が前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動されたことを検出することと、
前記コントローラが、前記入口障壁が前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動されたことを検出することに応答して、スリープ状態から動作状態に前記デバイスの遷移をトリガすることと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
コントローラによって実行される命令を記憶する非一過性の機械読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令は、実行に応じて、
移動可能プラットフォーム上に搭載されたデバイスの一部であ
り、かつ、加速度計を備えるセンサから、測定データを受信すること
と、
回転センサから回転データを受信することと、
前記測定データに基づいて、前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することであって、前記移動可能プラットフォームの前記遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記加速度計からの加速データと前記回転センサからの前記回転データとに基づく、ことと、
前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することに応答して、第1の電力状態から
前記第1の電力状態とは異なる第2の電力状態に前記デバイスの遷移をトリガ
することと
を
前記コントローラに行わせ、
前記移動可能プラットフォームの前記遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記
移動可能プラットフォームの移動を前記加速データが示すことと、前記デバイスが回転移動を被っていないことを前記回転データが示すこととに基づく、非一過性の機械読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
前記デバイスは、より低い電力状態とより高い電力状態とを有するデバイス構成要素をさらに備え、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に前記デバイスの遷移をトリガすることは、前記より低い電力状態と前記より高い電力状態との間で前記デバイス構成要素の遷移をトリガすることを含む、請求項16に記載の非一過性の機械読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
コンテナを搬送するシャーシに接続される、トラック、トラクタ-トレーラ、およびトラクタは、商品を含む荷物を輸送するために使用されることができる。トラック、トレーラ、およびコンテナは、典型的には、輸送されている荷物へのアクセスを可能にするように開放され、アイテムを収納するように閉鎖されることができる、ドアを有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
移動可能プラットフォームは、異なる地理的場所間で物理的アイテムを搬送するために使用されることができる。例えば、移動可能プラットフォームは、物理的アイテムが発送の間に保管され得る、コンテナ(トラクタに取り付けられる)、トラック、またはトレーラであることができる。他の実施例では、移動可能プラットフォームは、物理的アイテムを搬送可能な別のタイプの担体構造を含むことができる。より一般的には、移動可能プラットフォームは、トラック、トラクタ、車、電車、船舶、航空機等の車両の一部である、その上に搭載される、またはそこに取り付けられることができる。本議論は、コンテナとしての移動可能プラットフォームを参照するが、本開示のいくつかの実装による技法または機構は、他の荷物を搬送するプラットフォームにも適用可能であることに留意されたい。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
スリープ状態および動作状態を有するデバイスであって、
測定データを出力するためのセンサと、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記センサによって出力された前記測定データに基づいて、前記デバイスが搭載されているプラットフォームが遷移運動を開始したかどうかを判定することと、
前記デバイスが搭載されている前記プラットフォームが遷移運動を開始したと判定することに応答して、前記デバイスを前記スリープ状態から前記動作状態に遷移するようにトリガすることと
を行うためのものである、デバイス。
(項目2)
前記コントローラはさらに、
前記デバイスが取り付けられている入口障壁が開放位置と閉鎖位置との間で移動されたかどうかを判定することと
前記デバイスが取り付けられている前記入口障壁が前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動されたと判定することに応答して、前記デバイスを前記スリープ状態から前記動作状態に遷移するようにトリガすることと
を行うためのものである、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記コントローラはさらに、前記デバイスが搭載されている前記プラットフォームが遷移運動を開始していないと判定することに応答して、前記デバイスを前記スリープ状態に維持するためのものである、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
前記センサは、加速データを出力するための加速度計を備え、前記コントローラは、前記加速データに基づいて、前記プラットフォームが遷移運動を開始したかどうかを判定するためのものである、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
回転データを出力するための回転センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記加速データおよび前記回転データに基づいて、前記プラットフォームが遷移運動を開始したと判定するためのものである、項目4に記載のデバイス。
(項目6)
前記デバイスは、前記プラットフォーム上のコンテナの入口障壁上への取付のためのものであり、前記入口障壁は、開放位置と閉鎖位置との間で回転可能であり、
前記コントローラは、前記プラットフォームの移動を示す前記加速データおよび前記デバイスが回転移動を被っていないことを示す前記回転データに基づいて、前記プラットフォームが遷移運動を開始したと判定するためのものである、項目5に記載のデバイス。
(項目7)
前記コントローラはさらに、
前記デバイスが前記動作状態にあるとき、前記センサによって出力されるさらなる測定データに基づいて、遷移運動中であった後、前記プラットフォームが停止したかどうかを判定することと、
遷移運動中であった後、前記プラットフォームが停止したと判定することに応答して、前記デバイスを前記動作状態から前記スリープ状態に遷移するようにトリガすることと
を行うためのものである、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
より低い電力状態およびより高い電力状態を有するプロセッサをさらに備え、前記デバイスは、前記プロセッサが前記より低い電力状態にあることに応答して、前記スリープ状態にあり、前記デバイスは、前記プロセッサが前記より高い電力状態にあることに応答して、前記動作状態にある、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記デバイスを前記スリープ状態から前記動作状態に遷移するようにトリガすることは、前記プロセッサを前記より低い電力状態から前記より高い電力状態に遷移するようにトリガすることを含む、項目8に記載のデバイス。
(項目10)
前記デバイスを前記スリープ状態から前記動作状態に遷移するようにトリガすることは、前記デバイスの少なくとも1つのデバイス構成要素を前記より低い電力状態からより高い電力状態に遷移するようにトリガすることを含む、項目1に記載のデバイス。
(項目11)
前記少なくとも1つのデバイス構成要素は、プロセッサ、別のセンサ、および通信構成要素から選択される、項目10に記載のデバイス。
(項目12)
方法であって、
移動可能プラットフォーム上に搭載されたデバイスの一部であるセンサから、測定データを受信することと、
コントローラによって、前記測定データに基づいて、前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することと、
前記コントローラによって、前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することに応答して、第1の電力状態から第2の異なる電力状態に前記デバイスの遷移をトリガすることと
を含む、方法。
(項目13)
前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記移動可能プラットフォームが定常であることから遷移運動中であることに変化したことを検出することを含み、
前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に前記デバイスの遷移をトリガすることは、スリープ状態から動作状態に前記デバイスの遷移をトリガすることを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記移動可能プラットフォームが遷移運動中であることから定常であることに変化したことを検出することを含み、
前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に前記デバイスの遷移をトリガすることは、動作状態からスリープ状態に前記デバイスの遷移をトリガすることを含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記移動可能プラットフォームが遷移運動中であることから定常であることに変化したことを検出することは、前記移動可能プラットフォームが規定された持続時間にわたって遷移運動中であるから定常であることに変化したことを検出することを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記センサは、加速度計を備え、
前記方法はさらに、回転センサから、回転データを受信することを含み、
前記移動可能プラットフォームの前記遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記加速度計からの加速データおよび前記回転センサからの回転データに基づく、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記デバイスは、コンテナの入口障壁に取り付けられ、前記入口障壁は、開放位置と閉鎖位置との間で回転可能であり、
前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することは、前記移動可能プラットフォームの移動を示す加速データおよび前記デバイスが回転移動を被っていないことを示す回転データに基づく、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記デバイスの回転移動を示す前記回転データに基づいて、前記入口障壁が前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動されたことを検出することと、
前記コントローラによって、前記入口障壁が前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動されたことを検出することに応答して、スリープ状態から動作状態に前記デバイスの遷移をトリガすることと
をさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
命令を記憶する非一過性機械可読記憶媒体であって、前記命令は、実行に応じて、コントローラに、
移動可能プラットフォーム上に搭載されたデバイスの一部であるセンサから、測定データを受信することと、
前記測定データに基づいて、前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することと、
前記移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出することに応答して、第1の電力状態から第2の異なる電力状態に前記デバイスの遷移をトリガさせることと
を行わせる、非一過性機械可読記憶媒体。
(項目20)
前記デバイスはさらに、より低い電力状態およびより高い電力状態を有するデバイス構成要素を備え、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に前記デバイスの遷移をトリガすることは、前記より低い電力状態と前記より高い電力状態との間で前記デバイス構成要素の遷移をトリガすることを含む、項目19に記載の非一過性機械可読記憶媒体。
【0003】
本開示のいくつかの実装は、以下の図に関して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、いくつかの実施例による、センサデバイスのブロック図である。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、車両によって牽引されるコンテナの概略図であり、コンテナは、ドアと、ドアに搭載される、いくつかの実施例による、センサデバイスとを含む。
【
図3】
図3は、いくつかの実施例による、コントローラの動作の状態図である。
【
図4】
図4は、さらなる実施例による、センサデバイスのブロック図である。
【
図5】
図5は、いくつかの実装による、コントローラの例示的プロセスのフロー図である。
【
図6】
図6は、いくつかの実施例による、コントローラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
(詳細な説明)
商品の発送会社、製造業者、販売業者、または任意の他のエンティティ等のエンティティは、移動可能プラットフォームを使用して輸送されている資産(荷物等)を追跡することを所望し得る。そのために、センサデバイスが、移動可能プラットフォーム上に搭載されることができる。種々の移動可能プラットフォーム上のセンサデバイスは、センサ情報をネットワークを経由して遠隔サービス(サーバまたはサーバの集合と、関連付けられたネットワーク機器とを含むことができる)に通信し、遠隔サービスが種々の移動可能プラットフォームによって移動されている資産を追跡することを可能にすることができる。サーバおよび関連付けられたネットワーク機器は、1つの固定場所もしくはモバイルユニット内に位置することができる、またはデータセンタもしくはクラウドの一部であることができる。追跡は、資産の現在の場所、移動可能プラットフォームの荷物装填ステータス、資産の周囲の環境の条件(そのような条件は、測定された温度、測定された湿度等を含むことができる)、および/または他の情報の追跡を含むことができる。
【0006】
センサデバイスは、通信構成要素を含み、ネットワークを経由して通信することができる。いくつかの実施例では、移動可能プラットフォーム上に搭載されるセンサデバイスは、デバイスのより大きいネットワークの一部であることができる。デバイスの本より大きいネットワークは、「モノのインターネット」(IoT)技術実例の一部であり、異なるタイプのデバイスが異なるタイプのデータ(センサデータ、音声データ、ビデオデータ、電子メールデータ、テキストメッセージングデータ、ウェブブラウジングデータ等を含む)を通信することを可能にすることができる。
【0007】
移動可能プラットフォーム上に搭載されるセンサデバイスは、バッテリを使用して給電されることができる。センサデバイスのためのバッテリの寿命時間を延長するために、センサデバイスは、センサデバイスがデータを測定する、またはデータを処理する必要がない時間の間、スリープ状態に置かれることができる。しかしながら、センサデバイスがスリープ状態から動作状態にアクティブ化され、センサデバイスが個別の測定および/または処理タスクを実施することを可能にするときを判定することは、困難であり得る。スリープ状態は、センサデバイスが動作状態等のセンサデバイスの別の状態より低い電力量を消費するように、センサデバイスがオフにされている、またはセンサデバイス102の一部がオフにされている、センサデバイスの状態を指す。センサデバイスの動作状態は、センサデバイスが、データの測定および/またはデータの処理を含む、規定されたタスクを実施可能である、センサデバイスの状態である。動作状態では、センサデバイスは、スリープ状態にあるセンサデバイスによって消費される電力より多くの電力を消費する。
【0008】
センサデバイスが、あるイベントが生じるとき、ウェイクアップしていない場合、そのようなイベントに対応する種々の測定情報は、欠測され得、したがって、その結果、移動可能プラットフォームによって輸送されている資産の追跡は、不完全または不正確となり得る。
【0009】
本開示のいくつかの実装によると、
図1に示されるように、移動可能プラットフォーム上に搭載され得る、センサデバイス102は、パラメータを測定し、パラメータの対応する測定データを出力するためのセンサ104を含む。
図1は、1つのみのセンサ104を示すが、センサデバイス102は、他の実施例では、複数のセンサを含むことができ、複数のセンサは、異なるパラメータを測定することができることに留意されたい。
【0010】
センサデバイス102はさらに、コントローラ106を含む。コントローラ106は、マイクロプロセッサ、マルチコアマイクロプロセッサのコア、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ、プログラマブル集積回路デバイス、または任意の他のタイプのハードウェア処理回路等のハードウェア処理回路とともに実装されることができる。代替として、コントローラ106は、ハードウェア処理回路とハードウェア処理回路上で実行可能な機械可読命令の組み合わせとして実装されることができる。
【0011】
コントローラ106は、センサ104によって出力された測定データに基づいて、センサデバイス102が搭載される移動可能プラットフォームが遷移運動中であるかどうかを判定する。移動可能プラットフォームの遷移運動は、移動可能プラットフォームを異なる物理的場所間で移動させる、移動可能プラットフォームの運動を指す。ある場合には、センサデバイス102は、移動可能プラットフォーム上のドアまたは他の入口障壁に取り付けられてもよく、入口障壁は、開放位置と閉鎖位置との間で移動されることができることに留意されたい。そのような入口障壁の移動に対応するセンサデバイス102によって検出された移動は、入口障壁が開放位置と閉鎖位置との間で移動されていても、移動可能プラットフォームが定常のままであり得るため、センサデバイス102が搭載される移動可能プラットフォームの遷移運動に対応しない場合がある。概して、入口障壁(またはより単純に障壁)は、開口部を通した進入を可能にするために開放される、または開口部を通した進入を遮断するように閉鎖され得る、ドア、窓、または任意の他の構造等の任意の構造を指すことができる。
【0012】
センサデバイス102が搭載される移動可能プラットフォームが遷移運動中であることの判定に応答して、コントローラ106は、ウェイクアップインジケーション108をアクティブ化し、センサデバイス102をスリープ状態から動作状態に遷移させることができる。ウェイクアップインジケーション108は、アクティブ状態(例えば、論理高または論理低)および非アクティブ状態(例えば、論理低または論理高)を有する、信号を含むことができる。信号のアクティブ化は、信号をアクティブ状態にアサートすることを指す。他の実施例では、ウェイクアップインジケーション108は、メッセージ、情報要素、または任意の他のタイプのインジケーションを含むことができる。
【0013】
ウェイクアップインジケーション108のアクティブ化は、センサデバイス102のあるデバイス構成要素110をより低い電力状態からより高い電力状態にアクティブ化させる。さらに以下に議論されるように、そのようなデバイス構成要素110は、プロセッサ、別のセンサ、通信構成要素(例えば、無線ネットワークを経由して無線で通信するための無線送受信機および関連付けられた回路、または有線ネットワークを経由して通信するため有線送受信機および関連付けられた回路の)等のうちの1つ以上を含むことができる。デバイス構成要素のより低い電力状態は、デバイス構成要素がデバイス構成要素のより高い電力状態より少ない電力を消費する状態を指す。例えば、デバイス構成要素をより低い電力状態に設定するために、デバイス構成要素(またはデバイス構成要素の一部)は、オフにされることができる、またはより低いクロック周波数で起動されることができる、またはより低い電力供給源電圧レベルで起動されることができる。
【0014】
図2Aは、トラクタユニット202と、トラクタユニット202によって牽引されるコンテナ204(シャーシ上に提供される)とを含む、例示的トラック200を図示する。
図2Bは、コンテナ204の斜視図である。コンテナ204は、物理的アイテムを搬送するために使用され得る、移動可能プラットフォームの実施例である。コンテナ204は、開放位置と閉鎖位置との間で枢動可能である、ドア206を含む。
図2A-2Bでは、ドア206は、開放位置にある。
【0015】
続く議論では、移動可能プラットフォームがコンテナ204であり、入口障壁がドア206である、実施例を参照する。本開示のいくつかの実装による、技法または機構は、他のタイプの移動可能プラットフォームおよび入口障壁と併用されるセンサデバイスとともに適用されることもできることに留意されたい。
【0016】
ドア206は、ヒンジ208上に枢動可能に搭載され、これは、コンテナ204のフレーム210(「ドアフレーム」と称される)に取り付けられる。ドア206は、開放位置と閉鎖位置との間でヒンジ208を中心として回転可能である。
図2Aでは、2つのヒンジ208が、示される。他の実施例では、ドア206は、1つのみのヒンジまたは2つを上回るヒンジ上に搭載されることができる。
【0017】
いくつかの実施例では、センサデバイス102は、ドア206に取り付けられる。センサデバイス102は、コンテナ204の外側の環境に面するドア206の外側表面に搭載されることができる、または代替として、センサデバイス102は、コンテナ204の内側チャンバ210の中に面するドア206の内側表面に搭載されることができる。なおもさらなる実施例では、センサデバイス102は、ドア208の壁内の陥凹の中に提供されることができる。他の実施例では、センサデバイス102は、コンテナ204上のいずれかの場所に搭載されることができる。
【0018】
図2Bでは、3つの軸X、Y、およびZが、画定される。
図2Bの図では、X軸は、概して、上向きに向いており、これは、
図2Bの図では、各ヒンジ208の回転軸と略平行である。ドア206は、ヒンジ208の回転軸を中心として回転可能である。Y軸は、X軸と垂直な半径方向軸である。
図2Bに示される図では、Y軸は、ドア206の主表面と平行であり、ヒンジ208に向かって向いている。Z軸は、ドア206の主表面に対して法線の方向にある。すなわち、ドア206が閉鎖位置にあるとき、Z軸は、コンテナ204の内側チャンバ212の中に向いている。
【0019】
図2Bに示される図では、上向きに向いているようにX軸を参照するが、他の実施例では、X軸は、異なる方向に向き得ることに留意されたい。より一般的には、X軸は、それを中心としてドア206が回転可能に搭載されるヒンジの回転軸と平行である。したがって、異なる実施例では、ドア206のヒンジは、その回転軸が水平軸にまたは対角軸に沿って延在するように搭載されることができる。他の実施例では、上下に移動する回転ドアは、ヒンジを有していないが、上下に移動するためのローラまたは他の機構を有する。
【0020】
いくつかの実装では、センサデバイス102のセンサ104は、センサデバイス102の加速を表す加速データを測定することができる、加速度計を含む。続く議論では、「加速度計104」を参照する。しかしながら、他の実施例では、センサ104は、変位または速度を測定し得る、異なるタイプのセンサとともに実装されることができることに留意されたい。コンテナ204が遷移運動中であるかどうかの判定は、加速度計104からの加速データ(および可能性として、さらに以下に議論されるような他のセンサデータ)に基づくことができる。
【0021】
1つのみの加速度計104が
図1および2Bに示されるが、他の実施例では、複数の加速度計104が、センサデバイス102が搭載される移動可能プラットフォームが遷移運動中であるかどうかを判定するために処理され得る、加速データを出力するために使用されることができることに留意されたい。
【0022】
センサデバイス102の速度および位置(ならびにセンサデバイス102が搭載されるコンテナ204の対応する速度および位置)は、加速度計104からの加速データに基づいて、推定されることができる。いくつかの実施例では、加速度計104からの加速データは、積分され、速度および位置を取得することができる。経時的単一積分が、加速データに適用され、速度を取得することができ、経時的二重積分は、加速データに適用され、位置を取得することができる。加速データに基づいて導出される速度および位置情報から、コントローラ106は、センサデバイス102が搭載される移動可能プラットフォームが遷移運動中であるかどうかを決定することができる。例えば、検出された速度が、規定された持続時間より長く続く場合、かつ加速データと異なる時間に計算された位置が、移動可能プラットフォームが異なる場所間で実際に移動したことを示す場合、コントローラ106は、コンテナ204が遷移運動中であることを示すことができる。
【0023】
いくつかの実施例では、加速度計104は、X、Y、およびZ軸のそれぞれに沿って加速を測定し得る、多軸加速度計であることができる。他の実施例では、加速度計104は、X、Y、およびZ軸のサブセットにおいて加速を測定することができる。
【0024】
図3は、いくつかの実施例による、コントローラ106の動作を図示する、状態図である。コンテナ204が定常である間(加速度計104からの加速データに基づいて判定されることができる)、コントローラ106は、定常状態302のままである。定常状態302では、センサデバイス102は、スリープ状態に維持される。
【0025】
コントローラ106は、いくつかの異なるイベントのうちの1つに応答して、定常状態302から遷移することができる。コントローラ106を定常状態302から終了させ得る、第1のイベントは、遷移イベントである。遷移イベントは、コントローラ106が、加速度計104からの加速データに基づいて、センサデバイス102が搭載されるコンテナ204が遷移運動を開始した(すなわち、定常であることからの移動を開始した)ことを検出することに応答してトリガされる。
【0026】
遷移イベントに応答して、コントローラ106は、定常状態302から更新状態304に遷移し、コントローラ106は、センサデバイス102における電力状態遷移をトリガする。より具体的には、コントローラ106は、スリープ状態から動作状態に遷移するようにセンサデバイス102をトリガする。動作状態へのセンサデバイス102の遷移に応答して、センサデバイス102は、センサデバイス102内のセンサを使用して(加速度計104に加え)、測定を行うことができ、センサデバイス102内のプロセッサを使用して、データ処理を実施することができる。さらに、更新状態304では、通信構成要素は、アクティブ化され、センサデバイス102がネットワークを経由して情報を遠隔エンティティに伝送する(かつそこから情報を受信する)ことを可能にしてもよい。遠隔エンティティは、移動可能プラットフォームによって輸送されている資産を追跡するために使用される、遠隔サービスであることができる。他の実施例では、遠隔エンティティは、異なる宛先デバイスであることができる。
【0027】
コントローラ106は、次いで、更新状態304から遷移状態306に遷移し、これは、センサデバイス102が搭載されるコンテナ204が遷移運動中であるときのコントローラ106の状態に対応する。遷移状態306では、コントローラ106は、動作状態からスリープ状態に戻るようにセンサデバイス102をトリガする。コンテナ204が、遷移運動中のままである間、センサデバイス102は、コンテナ204が継続的に運動中の間、データ測定および/またはデータ処理が実施される必要がないため、概して、スリープ状態に維持されることができる。しかしながら、いくつかの実装では、センサデバイス102は、コンテナ204が運動中の間、断続的にアクティブ化される(例えば、周期的にアクティブ化される、または不規則的間隔でアクティブ化される)ことができる。
【0028】
図3に示されるように、時間イベントに応答して、コントローラ106は、遷移状態から更新状態308に遷移する。更新状態308では、コントローラ106は、センサデバイス102における電力状態遷移をトリガし、センサデバイス102をスリープ状態から動作状態に遷移させる。更新状態308では、センサデバイス102内の以下のデバイス構成要素のうちの1つ以上、すなわち、プロセッサ、センサ(加速度計104に加え)、通信構成要素等が、より低い電力状態からより高い電力状態にアクティブ化されることができる。
【0029】
時間イベントは、センサデバイス102内のタイマの時間切れに応答して発生されることができる。例えば、タイマは、規定された持続時間をカウントすることができ、持続時間の時間切れに応じて、タイマは、タイムアウトインジケーションをアクティブ化し、時間イベントを生産させる。
【0030】
更新状態308から、コントローラ106は、コンテナ204が、遷移運動中であった後、停止になったかどうかを判定する(310において)。コンテナ204が停止になったかどうかの判定は、加速データ(および可能性として、さらに以下に議論されるような他のセンサデータ)に基づくことができる。コンテナ204は、コンテナ204が規定された持続時間(例えば、数秒)にわたって定常であることが検出された場合、停止になったと見なされる。
【0031】
コンテナ204が、遷移運動中であることから停止になっていない場合、コントローラ106は、遷移状態306に戻り、センサデバイス102を動作状態からスリープ状態に遷移させる。
【0032】
しかしながら、コントローラ106が、コンテナ204が、遷移運動中であった後、停止になったことを判定する場合(310において)、コントローラ106は、定常状態302に遷移し、センサデバイス102を動作状態からスリープ状態に遷移させる。
【0033】
コントローラ106を定常状態302から終了させ得る、別のイベントは、ドア開放イベントである。ドア開放イベントに応答して(ドア206が閉鎖位置から開放されると検出される)、コントローラ106は、定常状態302から更新状態312に遷移し、コントローラは、スリープ状態から動作状態に遷移するようにセンサデバイス102をトリガする。更新状態312では、センサデバイス102内の以下のデバイス構成要素のうちの1つ以上、すなわち、プロセッサ、センサ(加速度計104に加え)、通信構成要素等が、より低い電力状態からより高い電力状態にアクティブ化されることができる。
【0034】
いくつかの実施例では、ドアが開放したままである間、センサデバイス102は、動作状態のままであることができる。ドア閉鎖イベントに応答して(ドアが開放位置から閉鎖されることに対応する)、コントローラ106は、定常状態302に戻り、動作状態からスリープ状態に遷移するようにセンサデバイス102をトリガする。
【0035】
ドア開放イベントは、ドアが閉鎖位置から開放位置に移動したことの検出に応答して生産される。ドアが開放されていることの検出は、任意の種々の異なる技法の使用に基づくことができる。例えば、スイッチが、ドアに取り付けられることができ、スイッチは、ドアが開放されることに応答して、状態を変化させる。別の実施例として、磁気センサが、使用されることができ、磁気センサは、ドアが閉鎖されると、磁石に近接し得るが、ドアが開放されると、磁気センサは、磁石から離れるように移動する。磁気センサは、したがって、ドアが開放または閉鎖されるかどうかに応じて、異なる値を出力することができる。他の実施例では、加速度計104からの加速データおよび回転センサからの回転データ(以下でさらに議論される)が、ドアが開放および閉鎖されているかを検出するために使用されることができる。
【0036】
他の実施例では、コントローラ106を定常状態302から終了させ得る、さらなるイベントは、ドア閉鎖イベントである。ドア閉鎖イベントに応答して(ドア206が開放位置から閉鎖されると検出される)、コントローラ106は、定常状態302から更新状態に遷移し、コントローラは、スリープ状態から動作状態に遷移するようにセンサデバイス102をトリガする。続いて、ドア開放イベントに応答して(ドアが閉鎖位置から開放されることに対応する)、コントローラ106は、定常状態302に戻り、動作状態からスリープ状態に遷移するようにセンサデバイス102をトリガする。
【0037】
したがって、より一般的には、ドア変化イベント(ドアが開放位置と閉鎖位置との間で移動されることを表す)は、コントローラ106を定常状態302から更新状態(例えば、312)に遷移させることができる。ドアが開放位置と閉鎖位置との間で移動されることは、ドアが開放またはドアが閉鎖されることを指し得る。後続ドア変化イベントは、コントローラ106を更新状態から定常状態302に戻させる。
【0038】
なおもさらなる実施例では、他のイベントは、異なる状態間で遷移を生じさせることができる。
【0039】
コントローラ106が定常状態302にある間のセンサデバイス302のスリープ状態およびコントローラが遷移状態306にある間のセンサデバイス302のスリープ状態は、同一ではない場合があることに留意されたい。例えば、センサデバイス102のデバイス構成要素(またはプロセッサ、他のセンサ、および通信構成要素等の複数のデバイス構成要素)は、遷移状態306に対応するスリープ状態では、アクティブ化され得るが、定常状態302に対応するスリープ状態では、非アクティブ化され得る、またはその逆であり得る。
【0040】
同様に、更新状態304、308、および312に対応するセンサデバイス302の動作状態は、異なり得る。例えば、センサデバイス102のいくつかのデバイス構成要素は、更新状態304、308、および312のうちの1つでは、非アクティブ化され得るが、更新状態304、308、および312の別のものでは、アクティブ化され得る。
【0041】
図4は、さらなる実装による、センサデバイス402のブロック図である。センサデバイス402は、加速度計104と、ジャイロスコープ406とを含む。ジャイロスコープ406は、1つ以上の軸(
図2BのX、Y、およびZ軸等)のそれぞれを中心とする回転を測定するために使用される、回転センサの実施例である。より具体的には、回転センサは、各個別の軸を中心とする回転速度または回転率を測定することができる。他の実施例では、ジャイロスコープの代わりに、回転センサは、回転ベクトルセンサを使用して実装されることができ、回転ベクトルセンサによって生産された回転ベクトルは、デバイスが具体的軸の周囲の角度を通して回転された角度と軸の組み合わせとして、回転ベクトルセンサの配向を表す。
【0042】
加速度計104は、加速データを生産し、ジャイロスコープ406は、回転データを生産する。加速データおよび回転データは、コントローラ106への入力として提供される。
【0043】
センサデバイス402はさらに、プロセッサ408と、他のセンサ412と、通信構成要素416とを含み、これは、
図1に示されるデバイス構成要素110の実施例である。センサデバイス402はさらに、電力をセンサデバイス402の構成要素に提供する、バッテリ410を含む。
【0044】
加速データおよび回転データに基づいて、コントローラ106は、以下の判定のうちの任意の1つ以上、すなわち、(1)センサデバイス402が搭載されるコンテナ204が定常位置から遷移運動を開始したことを検出することと、(2)コンテナ204のドア206が開放または閉鎖されたことを検出することとを行うことができる。
【0045】
コンテナ206が遷移運動を開始したことの検出に応答して、またはドア206が閉鎖位置から開放されたことの検出に応答して、コントローラ106は、以下のデバイス構成要素のうちの1つ以上、すなわち、プロセッサ408、他のセンサ412、および通信構成要素416をアクティブ化し、センサデバイス402を動作状態に置くことができる。
【0046】
より低い電力状態からより高い電力状態にアクティブ化されると、プロセッサ408は、加速度計404、ジャイロスコープ406、および他のセンサ412からの測定データを分析し、ある推定および/または予測を行うこと等によって、種々のデータ処理タスクを実施することができる。他のセンサ412は、より低い電力状態からより高い電力状態にアクティブ化されると、コンテナ204内の温度を測定する、コンテナ204内の湿度を測定する、コンテナ204内側の信号の飛行時間を測定する(光信号等の信号がエミッタから放出され、信号の反射が、検出器によって、飛行時間を測定するために検出される)、および/または別のパラメータを測定する等のために、個別の測定を行うことができる。
【0047】
センサデバイス402はさらに、タイマ414を含み、これは、アクティブ化され、規定された持続時間をカウントすることができる。例えば、タイマ414は、時間イベントをトリガし、
図3に示される遷移状態406から更新状態408への遷移を生じさせるために使用されることができる。
【0048】
いくつかの実施例では、コントローラ106は、プロセッサ408と別個である。代替実施例では、コントローラ106およびプロセッサ408は、集積回路チップまたは回路基板等の1つの電子構成要素の中に統合されることができる。
【0049】
加速度計104からの加速データおよびジャイロスコープ406からの回転データ(または他のタイプの回転データ)に基づいて、コンテナ206が遷移運動を開始したかどうかを判定するために、コントローラ106は、加速データに基づいて、センサデバイス402が運動中であることの検出に応答して、回転データがセンサデバイス402の回転移動を示すかどうかをチェックすることができる。回転データが、センサデバイス402が回転移動を被っていることを示す場合(ドア206の開閉に起因して)、それは、加速度計104によって測定された加速データによって示される運動がドア206移動に起因することのインジケーションである。その結果、加速データおよび回転データの両方がセンサデバイス402の移動を示すシナリオでは、コントローラ106は、ドア206が移動しているが、コンテナ206が遷移運動中ではないことの判定を行うことができる。
【0050】
しかしながら、加速データのみが移動を示し、回転データが移動を示さない場合、コントローラ106は、コンテナ206が遷移運動中であることの判定を行うことができる。
【0051】
図5は、いくつかの実施例による、コントローラ106によって実施され得る、プロセスのフロー図である。コントローラ106は、移動可能プラットフォーム(例えば、
図2A-2Bのコンテナ204)上に搭載されるセンサデバイス(例えば、
図1における102または
図4における402)の一部であるセンサ(例えば、
図1もしくは
図4のセンサ104および/または
図4のジャイロスコープ406)から、測定データを受信する(502において)。コントローラ106は、測定データに基づいて、移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化を検出する(504において)。遷移運動ステータスの変化は、定常である移動可能プラットフォームから遷移運動中である移動可能プラットフォームへの変化またはその逆であることができる。
【0052】
コントローラ106は、移動可能プラットフォームの遷移運動ステータスの変化の検出に応答して、第1の電力状態から第2の異なる電力状態にセンサデバイスの遷移をトリガする(506において)。
【0053】
図6は、いくつかの実施例による、コントローラ106のブロック図である。前述のように、いくつかの実施例では、コントローラ106は、ハードウェアプロセッサ回路を使用して実装されることができる。他の実施例では、
図6に示されるように、コントローラ106は、ハードウェア処理回路602とハードウェア処理回路602上の機械可読命令実行可能の組み合わせを含むことができる。機械可読命令は、非一過性機械可読またはコンピュータ可読記憶媒体606内に記憶される電力制御命令604を含む。電力制御命令604は、ハードウェア処理回路602上にロードされ、実行され、本開示に説明されるコントローラ106のタスク等の個別のタスクを実施することができる。
【0054】
記憶媒体606は、半導体メモリデバイス、例えば、動的または静的ランダムアクセスメモリ(DRAMまたはSRAM)、消去可能およびプログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能およびプログラマブルな読取専用メモリ(EEPROM)ならびにフラッシュメモリ、磁気ディスク、例えば、固定または可撤性ディスク、もしくは他のタイプの記憶デバイスを含む、1つまたは複数の異なる形態のメモリを含むことができる。前述の命令は、1つのコンピュータ可読または機械可読記憶媒体上に提供されることができる、または代替として、可能性として複数のノードを有する大規模システム内に分散された複数のコンピュータ可読または機械可読記憶媒体上に提供されることができることに留意されたい。そのようなコンピュータ可読または機械可読記憶媒体もしくは媒体は、物品(または製造品)の一部と見なされる。物品または製造品は、任意の製造される単一構成要素または複数の構成要素を指すことができる。記憶媒体または複数の媒体は、機械可読命令を起動させる機械内に位置するか、または機械可読命令が実行のためにネットワークを経由してダウンロードされ得る、遠隔施設に位置するかのいずれかであり得る。
【0055】
前述の説明では、多数の詳細が、本明細書に開示される主題の理解を提供するために記載されている。しかしながら、実装は、これらの詳細の一部を伴わずに実践されてもよい。他の実装は、前述の詳細からの修正および変形例を含んでもよい。添付の請求項は、そのような修正および変形例を網羅することが意図される。