(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】ポリオレフィンメンブレンをガラス繊維に結合するための接着剤
(51)【国際特許分類】
C08G 18/62 20060101AFI20220826BHJP
C08G 18/72 20060101ALI20220826BHJP
C08L 23/26 20060101ALI20220826BHJP
C08L 25/08 20060101ALI20220826BHJP
C08K 5/544 20060101ALI20220826BHJP
C08K 5/5435 20060101ALI20220826BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20220826BHJP
C09J 123/26 20060101ALI20220826BHJP
C09J 151/06 20060101ALI20220826BHJP
C09J 153/02 20060101ALI20220826BHJP
C09J 175/04 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
C08G18/62
C08G18/72
C08L23/26
C08L25/08
C08K5/544
C08K5/5435
B32B27/00 D
C09J123/26
C09J151/06
C09J153/02
C09J175/04
(21)【出願番号】P 2019509542
(86)(22)【出願日】2016-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2016096359
(87)【国際公開番号】W WO2018035712
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2019-08-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100158481
【氏名又は名称】石原 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】ヨンチュン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ハン・ウー
(72)【発明者】
【氏名】タオ・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ハイヤン・ユ
【審査官】今井 督
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/188763(WO,A1)
【文献】特開2007-291173(JP,A)
【文献】特開2006-225551(JP,A)
【文献】特開平08-253725(JP,A)
【文献】特開2014-040498(JP,A)
【文献】特開2006-307104(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105367985(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103351833(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0137899(US,A1)
【文献】特開2006-335861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/00- 23/36
C08K 3/00- 13/08
C08G 18/00- 18/87
B32B 27/00- 27/42
C09J 151/00-153/02
C09J 175/00-175/16
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、前記組成物の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、
(A)2~19重量%の無水マレイン酸でグラフト化されたエチレン系ポリマーおよび無水マレイン酸でグラフト化されたスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマーのうちの少なくとも1つ、
(B)0.1~5重量%のエポキシまたはアミン官能化シラン、
(C)80~96重量%の
、少なくともメチルシクロヘキサンを含む有機溶媒、ならびに
(D)ゼロ超~10重量%のポリイソシアネート架橋剤、を含む、組成物
であって、
前記無水マレイン酸でグラフト化されたエチレン系ポリマーが、100重量部の前記無水マレイン酸でグラフト化されたエチレン系ポリマー当たり、0.5~5重量部の無水マレイン酸グラフト化極性基を含有し、
前記無水マレイン酸でグラフト化されたSEBSブロックコポリマーが、100重量部の前記無水マレイン酸でグラフト化されたSEBSブロックコポリマー当たり、1.7~5重量部の無水マレイン酸グラフト化極性基を含有する、組成物。
【請求項2】
極性ヤーンを含む布層と、非極性オレフィンポリマーを含むメンブレン層とを結合するための組成物であって、前記組成物の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、
(A)ゼロ超~39重量%の極性基でグラフト化された極性オレフィンポリマーおよび極性基でグラフト化されたスチレンブロックコポリマーのうちの少なくとも1つ、
(B)ゼロ超~20重量%のエポキシまたはアミン官能化シラン、
(C)60~99重量%の有機溶媒、ならびに
(D)ゼロ超~10重量%のポリイソシアネート架橋剤、を含む、組成物。
【請求項3】
前記極性オレフィンポリマーが、ポリオレフィンコポリマーである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリオレフィンコポリマーが、無水マレイン酸グラフトを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記スチレンブロックコポリマーが、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)のコポリマーである、請求項2~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記SEBSのコポリマーが、無水マレイン酸グラフトを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記有機溶媒が、メチルシクロヘキサンとシクロヘキサノンとの混合物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリイソシアネート架橋剤が、(i)酢酸エチル中のトリス(p-イソシアナトフェニル)チオホスフェートの溶液、(ii)ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系イソシアネート、(iii)イソホロンジイソシアネート(IPDI)、および(iv)メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)またはトルエンジイソシアネート(TDI)系イソシアネートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、成分(A)の総重量に基づいて1~20重量%の塩素含有量を有する、塩素化オレフィンポリマーを含む組成物を除く、請求項1~
8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物であって、前記組成物の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、
(A)2~19重量%の無水マレイン酸でグラフト化されたエチレン系ポリマーおよび無水マレイン酸でグラフト化されたスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマーのうちの少なくとも1つ
(ただし、成分(A)は、フルフリルアミンとアミン官能化シランとを無水マレイン酸グラフト化環状オレフィンポリマーに反応させて得られるシラノール基及びフリル基含有環状オレフィンコポリマーを除く)、
(B)0.1~5重量%のエポキシまたはアミン官能化シラン、
(C)80~96重量%の
、少なくともメチルシクロヘキサンを含む有機溶媒、ならびに
(D)0~10重量%のポリイソシアネート架橋剤、を含
み、
前記無水マレイン酸でグラフト化されたエチレン系ポリマーが、100重量部の前記無水マレイン酸でグラフト化されたエチレン系ポリマー当たり、0.5~5重量部の無水マレイン酸グラフト化極性基を含有し、
前記無水マレイン酸でグラフト化されたSEBSブロックコポリマーが、100重量部の前記無水マレイン酸でグラフト化されたSEBSブロックコポリマー当たり、1.7~5重量部の無水マレイン酸グラフト化極性基を含有する、組成物(ただし、前記組成物は、成分(A)の総重量に基づいて1~20重量%の塩素含有量を有する、塩素化オレフィンポリマーを含む組成物を除く)。
【請求項11】
極性ヤーンを含む布層と、非極性オレフィンポリマーを含むメンブレン層とを結合するための組成物であって、前記組成物の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、
(A)ゼロ超~39重量%の極性基でグラフト化された極性オレフィンポリマー、および任意の極性基でグラフト化されたスチレンブロックコポリマーの、
(B)ゼロ超~20重量%のエポキシまたはアミン官能化シラン、
(C)60~99重量%の有機溶媒、ならびに
(D)0~10重量%のポリイソシアネート架橋剤、を含む、組成物(ただし、前記組成物は、成分(A)の総重量に基づいて1~20重量%の塩素含有量を有する、塩素化オレフィンポリマーを含む組成物を除く)。
【請求項12】
(a)極性ヤーンを含む布層、
(b)非極性オレフィンポリマーを含むメンブレン層、および
(c)前記布層と前記メンブレン層との間にあって、それらの両方と接触しており、請求項1~
11のいずれか一項に記載の組成物から作製される、接着剤層、を含む、多層構造体。
【請求項13】
前記極性ヤーンが、ガラス繊維を含む、請求項
12に記載の多層構造体。
【請求項14】
前記メンブレン層が、非極性プロピレン系エラストマーおよび非極性エチレン系エラストマーを含む、請求項
12又は13に記載の多層構造体。
【請求項15】
防水屋根用メンブレンまたはテキスタイル建築用メンブレンの形態の請求項
12~14のいずれか一項に記載の多層構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤に関する。一態様では、本発明は、非極性コーティングを極性基材に結合するための接着剤に関し、別の態様では、本発明は、防水屋根用メンブレン、テキスタイル建築用メンブレン、およびそれらの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
被覆布は、防水屋根用メンブレンおよびテキスタイル建築用メンブレンにおいて広く使用されてきた。被覆布は、2つの主な直交方向、すなわち縦糸と横糸に配置されたヤーンの対称構造を呈する。ヤーンは、平行な糸または撚り合わされた糸からなり、いくつかの材料から作製され得る。構造的機能は、主にヤーンによって提供されるが、化学的および生物学的影響からの保護、難燃性挙動、溶接性、防水性、および耐紫外線性は、コーティング層に依存する。
【0003】
ガラス繊維は、その高い弾性率および引張強度のため、および火気および紫外線劣化に対して本質的に高い耐性を有するため、一般的に、永久的なヘビーデューティー用途に使用される。ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチルテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリウレタン(PU)、シリコン、およびポリオレフィンは、被覆布のコーティング材料として使用される主要なポリマーである。屋外用被覆布では、主な布は、ポリエステル(PES)、ポリエチレン(PE)、および繊維ガラスである。屋内および一時的用途では、エラスタン(例えば、SPANDEX(商標)、LYCRA(商標))およびナイロンのような繊維が使用される。
【0004】
INFUSE(商標)オレフィンブロックコポリマー、VERSIFY(商標)プロピレン系エラストマー、およびENGAGE(商標)エチレン系ポリマー等のポリオレフィンエラストマー(POE)は、優れた耐候性および耐水性、軽量、加工容易性、リサイクル性、およびコストパフォーマンスバランスを含むがこれらに限定されない多くの望ましい特性を呈し、これらの特性によって、防水屋根用メンブレンおよびテキスタイル建築用メンブレンのコーティング層にとって優れた選択となる。しかしながら、それらの非極性の性質のために、POEは、極性基材、例えばガラス繊維に結合するのが困難であり、この問題に関する進歩は依然として産業界にとって関心の対象である。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、本発明は、組成物の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、
(A)ゼロ超~39重量%の極性オレフィン系ポリマーおよびスチレンブロックコポリマーのうちの少なくとも1つ、
(B)ゼロ超~20重量%のエポキシまたはアミン官能化シラン、
(C)(1)極性オレフィンポリマーおよび/またはスチレンブロックコポリマーと、(2)エポキシまたはアミン官能化シランとの混合物に対して60~99重量%の有機溶媒、ならびに
(D)ゼロ~10重量%のポリイソシアネート架橋剤、を含む、組成物である。
【0006】
一実施形態において、本発明は、
(1)極性ヤーンを含む布層、
(2)非極性オレフィンポリマーを含むメンブレン層、および
(3)布層とメンブレン層との間の、およびそれらの両方と接触している接着剤層であって、組成物の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、
(A)ゼロ超~39重量%の極性オレフィン系ポリマーおよびスチレンブロックコポリマーのうちの少なくとも1つ、
(B)ゼロ超~20重量%のエポキシまたはアミン官能化シラン、
(C)(1)極性オレフィンポリマーおよび/またはスチレンブロックコポリマーと、(2)エポキシまたはアミン官能化シランとの混合物に対して60~99重量%の有機溶媒、ならびに
(D)ゼロ~10重量%のポリイソシアネート架橋剤、を含む、組成物から作製された接着層、を含む、多層構造体。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
反対に記述されない限り、文脈から黙示的でない限り、または当該技術分野で慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づき、全ての試験方法は本開示の出願日現在のものである。米国特許実務の目的のため、任意の参照される特許、特許出願、または刊行物の内容は、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるあらゆる定義と矛盾しない程度に)および当該技術分野における一般的知識に関して、それらの全体が参照により組み込まれる(またはその同等の米国版が参照によりそのように組み込まれる)。
【0008】
本明細書に開示されている数値範囲は、下限値および上限値を含む下限値から上限値のすべての値を含む。明示的な値(例えば、1もしくは2、または3~5、または6、または7)を含む範囲については、任意の2つの明示的な値の間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6等)。
【0009】
「オレフィン」は、1個以上の二重結合を有する、不飽和、脂肪族または脂環式、置換または非置換の炭化水素である。
【0010】
「オレフィン系ポリマー」、「オレフィンポリマー」、および類似の用語は、ポリマーの総重量に基づいて、過半の重量パーセントのオレフィン、例えばエチレンまたはプロピレンを、重合形態で含有するポリマーを意味する。オレフィン系ポリマーの非限定的な例として、エチレン系ポリマーおよびプロピレン系ポリマーが挙げられる。
【0011】
「エチレン系ポリマー」、「エチレンポリマー」、および類似の用語は、ポリマーの重量に基づいて、過半の量の重合エチレンを含み、任意選択で少なくとも1つのコモノマーを含み得る、ポリマーを意味する。
【0012】
「プロピレン系ポリマー」、「プロピレンポリマー」、および類似の用語は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50モルパーセントを超える重合プロピレンモノマーを含有し、任意選択で少なくとも1つのコモノマーを含有し得るポリマーを意味する。
【0013】
「極性」、「極性ポリマー」、および類似の用語は、永久双極子を有するポリマー分子を指し、すなわち、ポリマー分子は、正の末端および負の末端を有する。言い換えれば、極性分子中の電子は、分子の原子間で等しく共有されていない。対照的に、「非極性」、「非極性ポリマー」、および類似の用語は、永久双極子を有しないポリマー分子を指し、すなわち、ポリマーは、正の末端および負の末端を有しない。非極性分子中の電子は、分子の原子間で本質的に等しく共有されている。大部分の炭化水素液体およびポリマーは、非極性である。
【0014】
「極性基」は、他の本質的に非極性のオレフィン分子に結合双極子モーメントを付与する任意の基である。例示的極性基として、カルボニル、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、スルホニル基、ニトリル基、アミド基、シラン基等が挙げられ、これらの基は、グラフト化または共重合化のいずれかによって、オレフィン系ポリマーに導入され得る。
【0015】
組成物の成分(A)
極性オレフィンポリマー
本発明の実施において使用される極性オレフィンポリマーは、1つ以上の極性基を含むオレフィンポリマーである。例示的極性基として、カルボニル、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、ビニルエステル基、エポキシ基、スルホニル基、ニトリル基、アミド基、シラン基等が含まれ、これらの基は、グラフト化または共重合化のいずれかによって、オレフィンに導入され得る。例示的極性オレフィンポリマーとして、エチレン/アクリル酸(EAA)、エチレン/メタクリル酸(EMA)、エチレン/アクリレートまたはメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル(EVA)、ポリ(エチレン-コ-ビニルトリメトキシシラン)コポリマー、および無水マレイン酸-(MAH)、またはシラングラフト化オレフィンポリマーが挙げられる。好適な極性オレフィンポリマーには、DuPont ELVAX(商標)エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、The Dow Chemical CompanyからのAMPLIFY(商標)EAエチレンエチルアクリレート(EEA)コポリマー、The Dow Chemical CompanyからのPRIMACOR(商標)エチレン/アクリル酸コポリマー、およびThe Dow Chemical Company からのSI-LINK(商標)ポリ(エチレン-コ-ビニルトリメトキシシラン)コポリマーが含まれる。一実施形態では、極性オレフィンポリマーは、EEAである。極性オレフィンポリマーは、150℃~350℃の範囲の反応温度および100~300MPaの反応圧力下で、有機過酸化物等のフリーラジカル開始剤を使用して、エチレンを極性コモノマー、例えば酢酸ビニル、アクリル酸エチル等と共重合化させることによって、従来の高圧法で生産することができる。
【0016】
本発明の一実施形態では、極性オレフィンポリマーは、極性基でグラフト化されている。極性基グラフト化ポリマーは、100重量部のポリマー当たり0.05~5または10重量部のグラフト化極性基を含有し得、好ましくは、100重量部のポリマー当たり0.1~2重量部のグラフト化極性基を含有する。無水マレイン酸でグラフト化したPOEは、好適な極性基グラフト化極性オレフィンポリマー、例えば、The Dow Chemical Companyから入手可能なAMPLIFY(商標)GR 216である。
【0017】
一実施形態では、極性オレフィンポリマーは、中和されていない。一実施形態では、極性オレフィンポリマーは、窒素含有基、例えばアミンを含有しない。一実施形態では、極性オレフィンポリマーは、その極性基を中和し得る化合物、例えばエチレンジアミンまたはモルホリン等のアミン含有化合物とブレンドまたは混合されていない。
【0018】
一実施形態では、極性オレフィンポリマー、具体的にはEEAポリマーは、10分当たり0.5~50グラム(g/10分)の範囲のメルトフローレートを有する。極性コモノマー含有量は、典型的には、ポリマーの重量に基づいて、5~40重量%、より典型的には10~35重量%である。
【0019】
スチレンブロックコポリマー
本発明の実施において使用されるスチレンブロックコポリマーは、極性基でグラフト化する前に、少なくとも2つのモノアルケニルアレーンブロック、好ましくは、飽和共役ジエンのブロックにより分離された2つのポリスチレンブロック、好ましくは飽和ポリブタジエンブロックを含む。好適なスチレンブロックコポリマーは、直鎖構造を有するが、いくつかの実施形態では、分岐もしくは放射状ポリマーを有し、または官能化ブロックコポリマーは、有用な化合物を作製する。コポリマーが直鎖構造を有する場合、スチレンブロックコポリマーの総平均分子量は、好ましくは30,000~250,000である。このようなブロックコポリマーは、典型的には、6~65重量%、より典型的には10~40重量%のコポリマーの平均ポリスチレン含有量を有する。本発明での使用に適切なスチレンブロックコポリマーの例は、EP0 712 892、WO2004/041538、USP6,582,829、4,789,699、5,093,422、および5,332,613、ならびにUS2004/0087235、2004/0122408、2004/0122409、および2006/0211819に記載されている。適切なスチレンブロックコポリマーの非限定的な例として、スチレン/ブタジエン(SB)コポリマー、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ターポリマー、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ターポリマー、水素化SBSまたは部分的に水素化SBS、スチレン/イソプレン(SI)、およびスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)ターポリマーが挙げられる。スチレンブロックコポリマーの商業的供給源として、Kraton Polymers(SEBS G1643M、G1651ES)、Asahi Kasei Chemicals Corporation、およびKuraray Americaが挙げられる。
【0020】
本発明の一実施形態では、スチレンブロックコポリマーは、極性基でグラフト化されている。極性基グラフト化スチレンブロックコポリマーは、100重量部のポリマー当たり0.05~5または10重量部のグラフト化極性基を含有し得、好ましくは100重量部のポリマー当たり0.1~2重量部のグラフト化極性基を含有する。無水マレイン酸でグラフト化されたSEBSは、好適な極性基グラフト化スチレンブロックコポリマー、例えばKraton Polymersから入手可能なKRATON(商標)FG1901である。
【0021】
極性基グラフト
極性オレフィンポリマーまたはスチレンブロックポリマーを変性するために添加される極性基含有化合物、例えば無水マレイン酸の量は、典型的には、ポリマーの重量に基づいて0.05~10重量%の範囲である。グラフト化は、例えば、溶液法、懸濁法、または溶融法によって達成され得る。溶液法は、極性基含有化合物、グラフト化されるポリマー、非極性有機溶媒、および有機過酸化物等のフリーラジカル開始剤を混合し、次いでその混合物を100~160℃に加熱して変性反応を実行することによって誘起される。ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、およびテトラクロロエタンは、非極性溶媒の例である。2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、および過酸化ベンゾイルは、有機過酸化物の例である。懸濁法では、グラフト化されるポリマーおよび極性基含有化合物を水等の極性溶媒と混合し、次いでフリーラジカル開始剤を添加する。次いで、その混合物を、100℃を超える温度まで加熱してグラフト化ポリマーを得る。溶融法では、グラフト化されるポリマー、極性基含有化合物、およびフリーラジカル開始剤を、押出機またはBANBURY(商標)ミキサー等の溶融混練機に導入して、グラフト化ポリマーを得る。
【0022】
典型的な無水物変性は、以下のように説明することができる:グラフト化は、無水物の溶液、有機過酸化物触媒、および有機溶媒を粒状形態でグラフト化されるポリマーに添加することによって達成される。有機過酸化物開始剤は、有機溶媒中で可溶性である。反応に不活性な種々の有機溶媒を使用することができる。有用な有機溶媒の例として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、3-ペンタノン、および他のケトンが挙げられる。過酸化物および無水物の可溶化を可能にし、かつ適度な液化条件下で十分にストリップする他の担体溶媒を使用してもよい。アセトンは、グラフト化されていない無水物または無水物副生成物等の残留物のためのストリッピング剤としての役割を果たすため、好適な溶媒である。無水物溶液は、溶液の総重量に基づいて、10~50重量%の無水物、0.05~5重量%の有機過酸化物、および50~90重量%の有機溶媒を含有し得る。好適な溶液は、20~40パーセントの無水物、0.1~2%の過酸化物、および60~80%の溶媒を含有する。
【0023】
組成物中の成分(A)の量
成分(A)、すなわち極性オレフィンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーの一方または両方は、典型的には、組成物の重量に基づいて、(>)ゼロ超える、または(≧)1以上、または≧2の重量%を含む。成分(A)は、典型的には、組成物の重量に基づいて、(≦)39以下、または≦29、または≦19の重量%を含む。
【0024】
成分(B)、シラン
組成物の接着特性を促進する任意のシランを、本発明の実施において使用することができる。典型的かつ好ましくは、シランは、エポキシ官能化シランまたはアミン官能化シランである。エポキシ官能化シランには、SILQUEST(商標)A-187(ガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、SILQUEST(商標)A-1871(ガンマ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)、SILQUEST(商標)A-186(ベータ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン)、およびCOATOSIL(商標)2287(ジエトキシ(3-グリシジルオキシプロピル)メチルシラン)が含まれるが、これらに限定されない。アミン官能化シランには、SILQUEST(商標)A-1100(ガンマ-アミノプロピルトリエトキシシラン)、SILQUEST(商標)A-1120(N(ベータ-アミノエチル)ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン)、SILQUEST(商標)A-2120(N(ベータ-アミノエチル)ガンマ-アミノプロピルメチル-ジメトキシシラン)が含まれるが、これらに限定されない。SILQUEST(商標)A-1170、SILQUEST(商標)Y-9627、およびSILQUEST(商標)Y-11699は、現在の接着剤にも使用され得る第二級アミノ官能性ビス-シランである。
【0025】
シランは、典型的には、組成物の重量に基づいて、(>)ゼロ超える、または(≧)0.1以上、または≧0.5の重量%を含む。シランは、典型的には、組成物の重量に基づいて、(≦)20以下、または≦10、または≦5の重量%を含む。
【0026】
成分(C)、溶媒
(A)極性オレフィンポリマーおよび/またはスチレンブロックコポリマー、(B)シラン、および(D)架橋剤の混合物を可溶化する任意の溶媒を、本発明の実施において使用することができる。典型的かつ好ましくは、溶媒は、少なくとも1つの炭化水素および少なくとも1つの極性官能化炭化水素のブレンドである。溶媒は、周囲条件下、例えば23℃および大気圧下で液体である。代表的な炭化水素には、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、ナフサ、デカリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の脂肪族および芳香族の両方が含まれ、代表的な極性官能化炭化水素には、四塩化炭素、ペルクロロエチレン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、およびテトラクロロエタンが含まれる。メチルシクロヘキサン(MCH)およびシクロヘキサノン(CYC)を含む混合物が好適であり、これらの混合物は、5:95~95:5のMCH:CYC、または1:99~99:1のMCH:CYC、または4:96~96:4のMCH:CYCの重量比で変動し得る。
【0027】
溶媒は、典型的には、組成物の重量に基づいて、(≧)60以上、または≧70、または≧80の重量%を含む。溶媒は、典型的には、組成物の重量に基づいて、(≦)99以下、または≦98、または≦96の重量%を含む。
【0028】
成分(D)、架橋剤
本発明の一実施形態では、組成物は、架橋剤を含む。組成物の他の成分と相溶性があり、かつ組成物の1つ以上のポリマー化合物の架橋を誘起および/または促進する任意の架橋剤を使用することができる。1つの好適な架橋剤は、DESMODUR(商標)RFE、酢酸エチル中のトリス(p-イソシアナトフェニル)チオホスフェートの溶液であり、Covestroから入手可能なである。他の架橋剤には、DESMODUR(商標)N-3300、DESMODUR(商標)N-3900、およびDESMODUR(商標)N-3600等のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系イソシアネート架橋剤、DESMODUR(商標)Z-4470およびDESMODUR(商標)XP-2565等のイソホロンジイソシアネート(IPDI)系架橋剤、ならびにSPECFLEX(商標)NS-540、SPECFLEX(商標)NE-112、SPECFLEX(商標)NF-248、ISONATE(商標)M150、VORNANTE(商標)T80-20等のメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)またはトルエンジイソシアネート(TDI)系イソシアネートが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
組成物中に存在する場合、架橋剤は、典型的には、組成物の重量に基づいて、(>)ゼロを超えるまたは(≧)0.1以上の重量%を含む。架橋剤は、典型的には、組成物の重量に基づいて、(≦)10以下、または≦5の重量%を含む。
【0030】
組成物の調合
本発明の接着剤組成物は、既知の技術および既知の装置を使用して調製される。組成物を形成するために組成物の種々の成分を互いに混合し得る順序は、本発明にとって重要ではないため、便宜上変動し得る。一実施形態では、極性オレフィンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーを各々溶媒と別々に混合し、次いで2つの混合物を互いに混合し、次いでシランを極性オレフィンポリマー、スチレンブロックコポリマー、および溶媒の混合物と混合する。一実施形態では、シランを最初に溶媒と混合し、次いで極性オレフィンコポリマーおよびスチレンブロックコポリマーの一方または両方と別々にブレンドする。極性オレフィンポリマー、スチレンブロックコポリマー、シラン、および溶媒の混合物を、均質な混合物が得られるまで撹拌するか、またはかき混ぜる。架橋剤を、存在するのであれば、典型的には、混合物が使用できる状態になった時に均質な混合物に添加する。
【0031】
屋根用メンブレンおよび建築用メンブレン
本発明の組成物は、屋根用メンブレン、建築用メンブレン、および他のこのようなメンブレンの製造のための既知の接着剤と同じ方式で使用される。極性布、例えば繊維ガラスマット、および非極性メンブレン、例えばポリオレフィンメンブレンのいずれかまたは両方を、本発明の組成物で任意の技術、例えば吹付け、はけ塗り、ロールコーティング等により被覆し、次いで典型的には熱および圧力下でもう一方に接合する。
【0032】
以下の実施例は本発明のある特定の実施形態を例示する。
【0033】
特定の実施形態
材料
ガラス繊維基材は、未処理(FTIR分析により確認)のガラス繊維を含んでいた。
【0034】
ポリオレフィンエラストマー(POE)防水屋根用メンブレンは、以下を含む。
(A)樹脂100部当たり70部(phr)のVERSIFY(商標)2300(The Dow Chemicalから入手可能な0.866g/ccの密度および2g/10分(230℃/2.16Kg)のMFRを有するプロピレン-エチレンコポリマー)、
(B)8phrのENGAGE(商標)7387HM(The Dow Chemical Companyから入手可能な0.872g/ccの密度および0.5g/10分(190℃/2.16kg)のMI(I2)を有するエチレン-ブテンコポリマー)、
(C)22phrのS-T B1530(Samsung-Total Petrochemicals Co.,Ltd.から入手可能な0.91g/ccの密度および10g/10分(230℃/2.16Kg)のMFRを有するブロックコポリマーポリプロピレン樹脂)、
(D)Atimagから入手可能な55phrのATIMAG(商標)16ZA炭酸カルシウム、
(E)DuPontから入手可能な6phrのTI-PURE(商標)105(塩化物法により製造されたルチル二酸化チタン顔料)、
(F)BASFから入手可能な0.35phrのIRGANOX(商標)B225(50%のトリス(2,4-ジtert-ブチルフェニル)ホスファイトおよび50%のペンタエリスリトールテトラキス[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートのブレンド)、ならびに
(G)BASFから入手可能な0.75phrのCHIMASSORB(商標)2020(高分子量ヒンダードアミン光安定剤(HALS))。
【0035】
AMPLIFY(商標)GR216は、MAH-g-POE(0.5~1重量%のMAHを含有するMAH-g-ポリオレフィンエラストマー(POE)コポリマー)であり、The Dow Chemical Companyから入手可能である。
【0036】
KRATON(商標)FG1901は、MAH-g-SEBS(1.7重量%MAH、30重量%スチレン)であり、Kraton Polymersから入手可能である。
【0037】
SILQUEST(商標)A-187シランは、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランであり、Momentiveから入手可能である。
【0038】
溶媒は、95:5の重量比でのメチルシクロヘキサン(MCH)およびシクロヘキサノン(CYC)のブレンドである。
【0039】
DESMODUR(商標)RFEは、酢酸エチル中のトリス(p-イソシアナトフェニル)チオホスフェートの溶液を含む架橋剤であり、Covestroから入手可能である。
【0040】
接着剤調製
10重量パーセント(wt%)のAMPLIFY(商標)GR216MAH-g-POEを、メチルシクロヘキサンおよびシクロヘキサノンの85.5/4.5重量比の溶媒混合物に溶解する。10重量%のKRATON(商標)FG1901MAH-g-SEBSをメチルシクロヘキサンに溶解する。0.99重量%のSILQUEST(商標)A-187シランを、AMPLIFY(商標)GR216MAH-g-POEの溶液またはKRATON(商標)FG1901MAH-g-SEBSの溶液のいずれかに導入し、もう一度、完全に混合し、もう一方の溶液、すなわちSILQUEST(商標)A-187シランを含まない溶液を添加し、次いで得られた混合物を室温(23℃)で500~2000回転/分(rpm)で均質なブレンドが得られるまで(通常撹拌の15分後)撹拌する。次いで接着剤をガラス瓶に移し、密封し、必要になるまで周囲条件下(例えば23℃および大気圧)で保管する。
【0041】
積層
ガラス布を接着剤で被覆し、次いで120℃のオーブンに3分間入れて有機溶媒を除去する。4キロニュートン(kN)の圧縮力で、170℃で6秒間圧縮成形機を使用して、被覆布をPOE化合物シートと一緒に積層する。
【0042】
剥離強度
剥離強度試験を、ASTM D1876(接着剤に対する剥離抵抗、T剥離試験)に従って実行する。積層布およびPOEシート試料を3cm×15cmの長方形試験片に切断し、剥離強度をクロスヘッド速度300mm/分で180度剥離試験を使用してINSTRON(商標)機で測定する。平均荷重(キログラム重、またはkgfで測定)を記録し、平均剥離強度(kgf/3cm)を少なくとも3つの試料から計算する。
【0043】
結果および考察
4つの比較例および6つ発明例を調製し、それらの組成および平均剥離強度データを下記の表1に報告する。比較例1(CE-1)は空試料である(すなわち、ガラス布に接着剤は被覆されず、ガラス布はポリオレフィンフィルムと直接積層されている)。全ての剥離強度データの標準偏差は、0.15kgf/3cm未満である。
【0044】
【0045】
空試料CE-1は、低い剥離強度(0.3kgf/3cm)を有し、これは、剥離強度が被覆ガラス繊維スクリム基材における機械的連結効果によってのみ寄与されるためである。それは、単に機械的な連結力それ自体がガラス繊維基材とPOE化合物フィルムとの間に十分な接着性を提供することができなかったことを示している。
【0046】
MAH-g-POEまたはMAH-g-SEBS接着剤のいずれかを有する積層ガラス繊維布は、空試料よりも改善された接着性を示す。MAH-g-SEBS系接着剤の剥離強度は、2kgf/3cmに達することができ、MAH-g-POE系接着剤は、さらに4kgf/3cmに達することができた。
【0047】
シランSILQUEST(商標)A187を配合物に導入すると、IE-1の剥離強度(7kgf/3cm)は、シランを含まないその対応する比較例CE-2の剥離強度(4.2kgf/3cm)よりも高くなる。IE-2の剥離強度(4kgf/3cm)は、その対応する比較例CE-3の剥離強度(2.6kgf/3cm)よりも高く、これはシランの導入によってMAH-g-SEBSまたはMAH-g-POE系接着剤の剥離強度をさらに改善することができること、また、2つの接着剤ブレンドの剥離強度も、シランの導入後に明らかに改善され、4.1から5.8kgf/3cmに改善されることを意味する。
【0048】
シランSILQUEST(商標)A1100を配合物に導入すると、IE-7の剥離強度(7.5kgf/3cm)は、シランを含まないその対応する比較例CE-2の剥離強度(4.2kgf/3cm)よりも高くなる。
【0049】
より強力な結合力が必要とされる場合、架橋剤を上記の試料に導入して2kの接着剤を作製することができる。これらのシラン含有接着剤への架橋剤の導入によって、剥離強度をさらに改善することができ、全ての接着剤の剥離強度は、約9から11kgf/3cmまで増加することができる。
また、本明細書には以下の態様の発明も開示する。
[1]
組成物であって、前記組成物の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、
(A)ゼロ超~39重量%の極性オレフィン系ポリマーおよびスチレンブロックコポリマーのうちの少なくとも1つ、
(B)ゼロ超~20重量%のエポキシまたはアミン官能化シラン、
(C)(1)前記極性オレフィンポリマーおよび/またはスチレンブロックコポリマーと、(2)前記エポキシまたはアミン官能化シランとの混合物に対して60~99重量%の有機溶媒、ならびに
(D)ゼロ超~10重量%のポリイソシアネート架橋剤、を含む、組成物。
[2]
前記極性オレフィンポリマーが、ポリオレフィンコポリマーである、上記[1]に記載の組成物。
[3]
前記ポリオレフィンコポリマーが、無水マレイン酸グラフトを含む、上記[2]に記載の組成物。
[4]
前記スチレンブロックコポリマーが、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)のコポリマーである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記SEBSコポリマーが、無水マレイン酸グラフトを含む、上記[4]に記載の組成物。
[6]
前記有機溶媒が、メチルシクロヘキサンとシクロヘキサノンとの混合物である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記ポリイソシアネート架橋剤が、(i)酢酸エチル中のトリス(p-イソシアナトフェニル)チオホスフェートの溶液、(ii)ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系イソシアネート、(iii)イソホロンジイソシアネート(IPDI)、および(iv)メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)またはトルエンジイソシアネート(TDI)系イソシアネートのうちの少なくとも1つを含む、上記[1]~[6]のうちのいずれかに記載の組成物。
[8]
(a)極性ヤーンを含む布層、
(b)非極性オレフィンポリマーを含むメンブレン層、および
(c)前記布層と前記メンブレン層との間の、およびそれらの両方と接触している接着剤層であって、前記連携層は、請求項1に記載の組成物から作製される、接着剤層、を含む、多層構造体。
[9]
前記ヤーンが、ガラス繊維を含む、上記[8]に記載の多層構造体。
[10]
前記メンブレン層が、非極性プロピレン系エラストマーおよび非極性エチレン系エラストマーを含む、上記[9]に記載の多層構造体。
[11]
防水屋根用メンブレンまたはテキスタイル建築用メンブレンの形態の上記[8]~[10]のいずれかに記載の多層構造体。