(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】危険なスラッジおよびイオン交換媒体の処理のための組成物
(51)【国際特許分類】
G21F 9/30 20060101AFI20220826BHJP
G21F 9/32 20060101ALI20220826BHJP
G21F 9/08 20060101ALI20220826BHJP
G21F 9/12 20060101ALI20220826BHJP
G21F 9/36 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
G21F9/30 511A
G21F9/32 Z
G21F9/08 511F
G21F9/08 511A
G21F9/30 519A
G21F9/30 519K
G21F9/12 501F
G21F9/36 511B
G21F9/36 511G
G21F9/36 511L
G21F9/36 521Z
(21)【出願番号】P 2019543945
(86)(22)【出願日】2018-02-15
(86)【国際出願番号】 US2018018307
(87)【国際公開番号】W WO2018152290
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-02-10
(32)【優先日】2017-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519244212
【氏名又は名称】ジオロック インターナショナル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヒース, ポール ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート, マーティン ウィリアム アレクサンダー
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0348661(US,A1)
【文献】特開昭55-085299(JP,A)
【文献】特開昭56-082499(JP,A)
【文献】特開平10-319191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/30
G21F 9/32
G21F 9/08
G21F 9/12
G21F 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウラン、グラファイト、マグネシウム、およびアルミニウムのうちの少なくとも1種の放射性成分または合金を含有する核含有廃棄物を固定化する組成物であって、前記組成物が、
前記少なくとも1種の放射性成分または合金と反応する少なくとも1種の鉱物相形成元素または化合物、および
前記少なくとも1種の鉱物相形成元素または化合物と反応しない廃棄物放射性同位体および不純物を組み込むガラス相を形成する少なくとも1種のガラス形成元素または化合物を含み、
ここで、前記組成物が、前記核含有廃棄物を固体の廃棄物形態に固定化
し、
ここで、前記核含有廃棄物が、マグネシウム金属、炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを含み、そして前記少なくとも1種の鉱物相形成元素または化合物が、前記マグネシウム金属、炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムをMgOに変換するのに十分であり、ならびに/または前記核含有廃棄物が、ウラン金属ならびに/または水和されたおよび炭酸化されたウランを含み、そして前記少なくとも1種の鉱物相形成元素または化合物が、ウラン金属ならびに/または水和されたおよび炭酸化されたウランをウラン酸化物に変換するのに十分である、
組成物。
【請求項2】
核含有廃棄物が、マグノックススラッジ、クリノプチロライト廃棄物、およびそれらの組合せを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記
固体の廃棄物形態が、理論密度の90%より高い密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記マグネシウムが、250μm未満の粒径を有するマグネシウム由来成分を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記
固体の廃棄物形態の熱処置および圧密化を支援する少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種の添加剤が、Ti、Si、PまたはAlの供給源を含み、前記マグネシウ
ムと反応して、安定な相を形成する、請求項
5に記載の組成物。
【請求項7】
Ti、Si、PまたはAlの前記供給源が、チタニア、チタネート鉱物、アルミナ、ホスフェート シリカ、シリケート鉱物、シリカゾルおよびガラスフリットを含む、請求項
6に記載の組成物。
【請求項8】
前記安定な相が、MgTiO
3、Mg
2TiO
4
、MgTi
2O
5、MgSiO
3、Mg
2SiO
4、MgAl
2O
4、
およびそれらの組合せを含む、請求項
6に記載の組成物。
【請求項9】
前記
核含有廃棄物の他の元素からの三元多成分相をさらに含む、請求項
6に記載の組成物。
【請求項10】
前記三元多成分相が、透輝石(CaMgSi
2O
6)およびペロブスカイト(CaTiO
3)を含む、請求項
9に記載の組成物。
【請求項11】
前記廃棄物形態が、保護ガラスとセラミック相のマトリックスにカプセル化された、MgOと他のセラミック相との混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記廃棄物形態が、ウラン酸化物、またはマトリックスにカプセル化された、チタネート鉱物:ブラネライト、パイロクロア、ジルコノライトから選択される化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記核含有廃棄物が、微粒子の
、200μmよりも大きいとして定義される粗部分と
200μm未満として定義される微細部分の両方を10:90~90:10の範囲の比で含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記粗部分
が、200μm~6mmの範囲の微粒子サイズを有し、前記微細部分
が、0.1~200μm未満の範囲の微粒子サイズを有する、請求項1
3に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明
本出願は、2017年2月16日に出願された米国仮出願第62/460,044号に対する優先権の利益を主張し、この出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
マグノックススラッジとクリノプチロライト廃棄物の両方を固定化する廃棄物形態の組成物が開示される。マグノックススラッジとクリノプチロライト型廃棄物の両方を、これらの廃棄物形態が作製されることを可能にする添加剤と組み合わせてコンディショニングする方法も開示される。
【背景技術】
【0003】
背景
マグノックスは、減速材であるグラファイトおよび熱交換冷却材である二酸化炭素ガスを用いて天然ウランで作動するように設計された原子力/生産炉の1つのタイプである。「マグノックス」という名称は、炉の内部で燃料棒を被覆するのに使用されるマグネシウム-アルミニウム合金に由来する。「酸化しないマグネシウム(magnesium non-oxidizing)」の省略形であるマグノックスは、水と反応し、使用済燃料の水中での長期保存を妨げるという点で重大な欠点がある。
【0004】
マグノックススラッジおよび他の放射性スラッジを処置する現行の基本的方法は、スラッジをセメントグラウトと混合し、それをステンレス鋼または鉄などの鋼から作製されたコンテナの内部でキャストすることである。セメント固化の経路により、廃棄物の総量が増加し、したがって理想的でない。さらに、このセメント固化したマグノックススラッジは、水素生成をもたらす反応性金属を含有するので不安定であり、金属が反応して、セメント生成物中に膨張相を形成することもあり、その結果、廃棄物コンテナが膨潤する。さらに、セメント固化した生成物の耐久性は、ホウケイ酸ガラスまたはセラミックなどの代替物と比較して低い。
【0005】
共処理および最小のプロセスパラメータを含む、マグノックススラッジおよびクリノプチロライトゼオライトを固定化するための方法として、HIP技術が提案されている。Vanceら、Advantages hot isostatically pressed ceramic and glass-ceramic waste forms bring to the immobilization of challenging intermediate- and high level nuclear wastes、Advances in Science and Technology 73巻(2010年)、130~135頁)。
【0006】
熱間静水圧プレス(HIP)技術の使用が、マグノックススラッジおよび/またはクリノプチロライト型廃棄物の処置のために以前に提案されたが、これらの先の開示には少なくとも2つの本質的な態様が欠けていた。第1の態様は、廃棄物形態の化学的性質の同定、したがってHIP処理(HIPing)後に、これら廃棄物の広範囲を安全に固定化することができる添加剤の同定である。さらに、これらのスラッジに関連した、固有の危険要素の処置に関連した処理上の技術的難題は、以前の熱間静水圧プレス処理(HIP処理)の開示では取り組まれていなかった。すなわち、引火性金属、または水素、カーボネート、有機物、粗成分、もしくは微細成分を含めた、望ましくない成分の生成および潜在的放出に対処する方法を教示する開示はない。これらの先の開示に欠けていた第2の態様は、これらの型の大量の廃棄物を安全かつ効果的に処置することができる、完成した工業規模プロセスの同定の欠如である。
上記の多くの必要性を解決し、言及した欠陥を克服するために、本発明者らは、処分に備えて危険なスラッジおよびスラリーを安全にコンディショニングする組成物および方法を開発した。本開示には、英国のマグノックス炉施設で見られるようなマグノックススラッジおよび/またはクリノプチロライト型廃棄物のための組成物および方法が記載されているが、本開示は、核産業で使用される他のゼオライトイオン交換材料にも関する。廃棄物のコンディショニングは、廃棄物を不動態化して、その後の貯蔵および処分に備えて安定な廃棄物形態を提供するプロセスに加え、目的に合うように設計された添加剤の添加により達成される。したがって、上記の多くの必要性に取り組むために、本開示は、最終圧密化ステップである熱間静水圧プレス処理を含めた、特定のプロセスステップと組み合わせた、特殊な化学添加剤の使用に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】Vanceら、Advantages hot isostatically pressed ceramic and glass-ceramic waste forms bring to the immobilization of challenging intermediate- and high level nuclear wastes、Advances in Science and Technology 73巻(2010年)、130~135頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
ウラン、グラファイト、マグネシウム、およびアルミニウムのうちの少なくとも1種の放射性成分または合金を含有する核含有廃棄物を固定化する組成物が開示される。組成物は、少なくとも1種の放射性成分または合金と反応するための少なくとも1種の鉱物相形成元素または化合物を含む。組成物は、鉱物相形成元素または化合物と反応しない廃棄物放射性同位体および不純物を組み込むガラス相を形成する少なくとも1種のガラス形成元素または化合物をさらに含む。
【0009】
本開示の組成物を使用して、核含有廃棄物を固体の廃棄物形態に固定化する方法も開示される。ある実施形態では、方法は、核含有廃棄物を含むスラリーを形成するステップ、スラリーを乾燥して、乾燥生成物を形成するステップ、乾燥生成物をか焼するステップ、か焼生成物を金属キャニスターに装填するステップ、金属キャニスターを排気し、シールするステップ、および金属キャニスター中の材料を熱処置して、緻密な廃棄物形態の生成物を生成するステップを含む。
【0010】
前述の総括的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示および説明的なものにすぎず、特許請求された本発明を限定するものでないことを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本記載の組成物および方法を使用して、マグノックススラッジを含めた、沈殿池スラッジなどの危険で放射性のスラッジを処置することができる。「マグノックススラッジ(複数可)」は、典型的には、湿った泥または液体成分と固体成分との同様な粘性混合物を有する、マグノックス炉の廃棄物副産物と定義される。そのようなスラッジの廃棄物密度は、典型的には、貯蔵されたスラッジの場合1.0~1.4t/m3、たとえば1.2t/m3であり、乾燥した沈殿スラッジの場合0.6から0.8t/m3、たとえば0.7t/m3である。
【0012】
本開示の組成物および方法は、最も基本的な意味でマグノックススラッジを処置するのに特に有益であると記載されているが、本方法を使用して、特に望ましくない、放射性のもしくは危険な材料を含有する、粘稠な、柔らかい、湿った泥または液体成分と固体成分との同様な粘性混合物のいずれでも処置することができる。
【0013】
本開示の一実施形態は、マグノックススラッジおよびクリノプチロライト廃棄物などのマグノックス炉からの廃棄物を固定化する廃棄物形態の組成物を対象にする。そのような炉からの廃棄物形態は、安価で容易に入手可能な出発物質を使用するが、耐水性試験において高レベル廃棄物(HLW)ガラス廃棄物形態に匹敵する挙動を示す。マグノックススラッジのための廃棄物形態の組成物は、ガラス結合ケイ酸マグネシウム/チタン酸マグネシウムマトリックスに関する。この場合、本発明は、か焼マグノックススラッジ40重量%~100重量%(または水性スラリーの等量)と、クリノプチロライト(または他のゼオライト鉱物)、シリケート鉱物、SiO2、TiO2、ホスフェート、アルミナ-ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、シリコチタネートガラス、鉄-ホスフェートガラス、ホスフェートガラスまたはこれらの添加剤の組合せとの添加を包含する。
【0014】
融解を助けるために5重量%までの、酸化リチウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウムまたは他の融剤(flux)のさらなる添加を使用してもよい。さらに、10重量%までの、チタン、ニッケル、ニッケル合金、鉄鋼またはステンレス鋼金属粉末も添加して、HIP処理の間におけるスラッジの酸化還元条件を制御する。これらは、廃棄物形態におけるウラン酸化物状態の制御にとって特に重要である。クリノプチロライトまたは他のゼオライトを100重量%装填で処理して、ガラス質の廃棄物形態を生成してもよい。
【0015】
廃棄物成分は物理的に多様であり、微粒子の粗部分および微細部分を含有することができる。これらのサイズ成分のそれぞれの相対量は、スラッジの供給源に応じて10~90%で変動しうる。本明細書で使用される場合、「微細」部分は、サブミクロン、たとえば200μm未満であるように意図されている。一実施形態では、微細部分は、0.1~200μm未満の範囲、たとえば0.5から150μm、またはさらには1.0から100μmである。一実施形態では、廃棄物成分は、均衡が保たれているコロイド状沈澱物を含有する微細部分を含む。
【0016】
本明細書で使用される場合、「粗」部分は、200μmまたはそれよりも大きいように意図される。一実施形態では、粗部分は、200μm~6mmの範囲、たとえば500μmから4mm、またはさらには750μmから2mmである。一実施形態では、粗部分の大部分は、200μm~6mmの範囲の微粒子サイズを有し、微細部分の大部分は、0.1~200μm未満の範囲の微粒子サイズを有する。
【0017】
本開示には、耐久性を高く維持したまま、高い廃棄物装填が達成できるように、標的とする相を変更するプロセスが記載される。たとえば、プロセスでは、スラッジは、主成分のマグネシウム金属、炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムが酸化物形態にまたは酸化物-鉱物の成分として変換されるようにか焼される。そのような酸化物の非限定的な例として、
Mg(OH)2 ⇒ MgO + H2O、
MgCO3 ⇒ MgO + CO2、および
2Mg + O2 ⇒ 2MgO
が挙げられる。
【0018】
他の実施形態では、ウラン金属ならびに/または水和されたおよび炭酸化されたウラン酸化物、ならびに他の重要なウラン成分は、ウラン酸化物形態または酸化物鉱物相の成分に変換される。
【0019】
様々な実施形態では、乾燥およびか焼段階により、水素および自由水、化学的に結合している水が廃棄物形態から除去され、貯蔵および最終廃棄にとってセメント系の経路よりはるかに安定な生成物が作製される。セメント系の経路では、水素および水素発生反応性金属は、廃棄物形態に残存する。さらなる熱処理により、生成物が閉気孔率(理論密度の92%超)に緻密化され、長期貯蔵に適した化学的相および形状が形成される。
【0020】
一実施形態では、本明細書に記載される熱処置は、熱間静水圧プレス処理を含む。HIPプロセスは、概して米国特許第8,754,282号にさらに詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに詳細には、この特許に記載されているように、HIPは、絶縁抵抗加熱炉を取り巻く圧力容器からなる。放射性か焼体のHIPによる処置は、コンテナを廃棄物材料、この場合汚染されたイオン交換媒体で満たすことを含む。コンテナを排気し、HIP炉に入れ、容器を閉め、加熱し、加圧する。圧力は、典型的には、圧力下で効率的な熱導体にもなるアルゴンガスにより与える。熱と圧力の組合せにより、廃棄物が緻密な単一体に圧密化および固定化される。
【0021】
ある実施形態では、HIPは、一度に1缶を、300MPaまでの範囲で、たとえば5から150MPaの処理圧力で、ある温度、たとえば約800℃~1400℃の範囲の温度、たとえば900℃から1300℃に処理する。HIP缶を処理するサイクル時間は、16時間までの範囲で、たとえば約10~16時間でありうる。缶をHIPから取り出すと、缶を処分用キャニスターに装填する前に周囲温度まで放冷させる。HIP温度は、廃棄物に応じて改変することもできる。温度、圧力、および雰囲気などの、HIP条件の圧密化される材料に応じた様々な変更が、米国特許第5,997,273号および同第5,139,720号に論じられており、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
一実施形態では、か焼および最終圧密化の熱処置段階の間に、小さい、250um未満のサブ粒子サイズのマグネシウム由来成分を添加剤と反応させる方法が記載される。これは、廃棄物の微細成分と、Ti、Si、PまたはAlの供給源、たとえばチタニア、アルミナ、ホスフェート、シリカおよびガラスフリットを提供する微細添加剤とを一緒に混合して、安定な相を形成することによって達成される。
【0023】
チタネートのためのそのような安定な相の非限定的な例として、
・MgO + TiO2 = MgTiO3
・2MgO + TiO2 = Mg2TiO4
・MgO + 2TiO2 = MgTi2O5
が挙げられる。
【0024】
シリケートのためのそのような安定な相の非限定的な例として、
・MgO + SiO2 = MgSiO3
・2MgO + SiO2 = Mg2SiO4
が挙げられる。
【0025】
アルミネートのためのそのような安定な相の非限定的な例として、
MgO + Al2O3 = MgAl2O4
が挙げられる。
【0026】
一実施形態では、Mgのより高い相が、具体的に記載されている相である。
【0027】
他の実施形態では、カルシウムが存在する場合に形成される透輝石-CaMgSi2O6およびペロブスカイトCaTiO3を含めた、廃棄物の他の元素由来などの三元多成分相(ternary multicomponent phase)も存在しうる。
【0028】
より大きなサイズの廃棄物成分は、MgO粒を形成し、それは、クリノプチロライト、他のゼオライト、シリカ、高シリケート鉱物またはガラスフリットの添加により形成されるシリケートガラスを含む他の相にカプセル化されることによって保護される。
【0029】
スラッジ中のウランは、UO2またはUO2+xを含めた、ウラン酸化物を形成するプロセスにおいて酸化され、または添加剤と反応して、チタネート鉱物 ブラネライト、パイロクロア、ジルコノライトを形成する。ある実施形態では、これらはマトリックスにカプセル化されることがある。
【0030】
したがって、最終の廃棄物形態は、保護ガラスとセラミック相のマトリックスにカプセル化された、MgOと他のセラミック相との混合物である。MgOをカプセル化する能力により、高い廃棄物装填(40重量%超)が可能になり、長期貯蔵中および地層処分に置かれたときにMgOが水和から保護される。
【0031】
一実施形態では、廃棄物中に存在する不純物および核分裂生成物は、以上で論じた相、またはガラスに組み込まれる。
【0032】
本開示の別の実施形態は、マグノックススラッジとクリノプチロライト型廃棄物の両方を、これらの廃棄物形態が作製されることを可能にする添加剤と組み合わせてコンディショニングするためのプロセスを対象にする。ある実施形態では、適切な廃棄物形態の化学的性質および形状は、以下に記載されるように廃棄物を処理することによって達成される:
・スラリー混合:ある実施形態では、混合は、パドル型混合、再循環混合、インライン混合、乱流スラリー混合または上記の組合せを利用することができる。
・乾燥:ある実施形態では、乾燥は、顆粒化がワイプドまたは薄膜蒸発、回転乾燥またはコニカルミキサー/ワイパー法などの水分除去と同時に行われる方法を使用して行われる。しかし、噴霧乾燥、流動床乾燥またはフラッシュ乾燥を含めた、代替方法も利用することができる。廃棄物中に存在するすべての水素が、乾燥によっても除去される。
・顆粒化:必要に応じて、ロール圧縮を使用する顆粒化を乾燥後に利用して、顆粒状生成物を生成する。
・か焼:ある実施形態では、廃棄物中に存在する結合水、カーボネートおよび有機物は、回転式か焼、振動式か焼、流動床か焼またはバッチ式か焼法などのか焼方法を使用して除去することができる。か焼ステップは、廃棄物の反応性金属成分を不動態化し、それが添加剤と反応して、安定な廃棄物形態の一部になることを可能にする働きもする。
・乾燥雰囲気または真空下などにおいて充填を改善するために振動または突き固めを用いるまたは用いない、ホットプレスキャニスター/缶の金属熱間静水圧プレスの装填および充填。
・金属キャニスターの排気およびシール。
・金属缶に封入されたガラス-セラミックを含むことができる緻密な廃棄物の形の生成物を生成する熱処置。これは、熱間静水圧プレス処理、ホットプレス処理(ベローズまたはダイで)のいずれかを使用して行うことができる。これは、ペレット/パック/ブロックの焼結により行うこともできる。HIP処理条件のキャニスターの例は、900℃~1300℃の間の温度および5MPaから150MPaの圧力で行われる。ある実施形態では、条件は、900℃~1050℃の範囲であり、これを超えると、過剰の低耐久性相が形成し、これらの低耐久性相を形成するのにガラス形成成分(ケイ酸マグネシウム)が消費される。
【0033】
一実施形態では、表1に示されているように、1種または複数の添加剤が用意される。
【表1】
組成物
【0034】
一実施形態では、廃棄物形態組成物は、プロセス中に形成され、形成された廃棄物形態の耐久性を廃棄物自体または現行の基本的セメント固化プロセスの耐久性より高めることを目標にする。添加剤は、フロントエンドまたは下流のいずれかで廃棄物と混合される。これらの化学添加剤は、廃棄物イオンと反応して、標的の鉱物相を廃棄物形態構造中に形成する。組成物のすべてがガラス相を含有する。このガラス相は廃棄物形態を結合し、相をカプセル化する。そこで、ガラス相は、鉱物相によって取り込まれない廃棄物放射性同位体および不純物を組み込むことになる。一実施形態では、本開示の方法を使用して、放射性セシウム同位体を組み込み、それらはストロンチウム-90と共に、出力操作において使用される核燃料に由来する廃棄物で発生する放射能および熱の大部分を占める。
【0035】
標的の鉱物相系は、主にチタネート、シリケートおよびアルミネート相とシリケートガラス相の組合せである。高廃棄物装填では、組成物は、シリケート相およびシリケートガラスに包まれている残留酸化マグネシウム(MgO)を含有する。
【0036】
一実施形態では、本記載のスラリーにおけるゼオライトの使用が記載される。廃棄物添加剤組成物におけるクリノプチロライトまたは他のゼオライト材料の使用は、少なくとも2つの目的のために働く。一方は、ガラスまたはシリケート相を作製するために必要とされるシリカを提供することであり、他方は、か焼段階の間に揮発減量が著しく低減されるように、遊離セシウムおよび他の同位体のすべてをフロントエンドで捕獲して、それらを密接に結合させることである。
【0037】
本記載の組成物および方法を使用して、核廃止施設を取り巻く沈殿池スラッジを浄化することができる。これらの環境では、燃料の腐食が主要な供給源であり、関係する核種には、Cs、Eu、Ru、Sr-90および他の混合核分裂生成物、ならびにアクチニドが含まれる。ウランは、マグノックススラッジ中の別の主要な放射性成分であり、下記の方法により固定化することができる。
【0038】
本明細書に記載の廃棄物を本発明の組成物と反応させて、パイロクロア、ジルコノライトおよびブラネライト チタネート;MgUO4、MgUO3.8、MgU3O10などのウラネート相を含めた、結晶相を形成することができる。次いで、これらの結晶相を、本明細書に記載されるようにシリケートガラス構造に組み込むことができる。この実施形態では、ウランは、残留ウラン酸化物、公称UO2またはUO2±xとして残留することがある。
チタネート系
【0039】
一実施形態では、チタネートは、鉛などの潜在的に毒性のある金属を含めた、廃棄物中に存在するウランおよびアクチニド、核分裂生成物ならびに不純物のためのホスト相を提供することができる。スラッジの大部分は、典型的にはMg(OH)2、MgO、MgCO3として存在するMgを含有し、またはMg金属はプロセス中に反応する=MgTiO3、Mg2TiO4、MgTi2O5。
・MgO + TiO2 = MgTiO3
・2MgO + TiO2 = Mg2TiO4
・MgO + 2TiO2 = MgTi2O5
【0040】
いかなるスラッジ中のCa不純物およびSr核分裂生成物放射性同位体についても、ペロブスカイトは、公称CaTiO3-SrTiO3、[(Ca,Sr)TiO3]を形成することができる。この相は、他の核分裂生成物および不純物をその構造に組み込むこともできる。
【0041】
スラッジ中にスラッジ中に存在するウランは、酸化チタンおよび他の成分と反応して、以下を形成することができる:
【0042】
パイロクロア、公称A2B2O7-x[式中、Aは、公称U、Th、アクチニド、Ca、希土類、YTi3+であり、Bは、公称Ti、Al、Zr、Mgおよび遷移金属である]。ClをOの部位に収容することができる。微量の核分裂生成物を構造中に見出すこともある。
【0043】
ブラネライト、公称UTi2O6であるが、Uの代わりにCa、希土類、Zr、Y、Thおよび他の核分裂生成物が含まれ、Tiの代わりにZr、Mg、Al、Ru、および遷移金属、たとえばFe、Ni、Cr、Tc、ならびに他の核分裂生成物が含まれる。
【0044】
ジルコノライト、公称ACB2O7-x[式中、Aは、公称Caであり、可能な置換としてU、Th、アクチニド、希土類、Yを含み、Cは、公称Zrであり、Hf、U、Th、希土類、Ti3+を含み、Bは、公称Ti、Al、Zr、Mg、ならびに遷移金属、たとえばFe、CrおよびNiである]。ClをOの部位に収容することができる。微量の核分裂生成物を構造中に見出すこともある。
【0045】
二酸化チタンは、処理の間、特にか焼の間に、塩、ニトレート、有機物および炭化水素の分解を支援するための触媒としても存在する。
シリケート
【0046】
一実施形態では、シリカを酸化ケイ素(石英、クリストバライト)、シリカゾル、ガラスフリット、もしくはゼオライトまたは他のシリケート鉱物として添加して、ケイ酸マグネシウムおよびシリケートガラスから実質的に構成される廃棄物形態を形成することは、緻密で耐久性のある廃棄物形態を生成することが示されている別の経路である。標的の相は、フォルステライト(Mg2SiO4)であるが、廃棄物形態の系は、MgSiO3(エンスタタイト)およびCaMgSi2O6相も含むことができる。いくらかのMgは、シリケートガラス相に組み込むことができ、鉱物相を結合する。これらの系では、MgOも存在することがあり、鉱物シリケートおよびガラス相によってカプセル化される。高廃棄物装填を得るために、廃棄物は、MgOの粗部分が残存するような方法で添加剤と処理されてきた。粗部分は、廃棄物形態のガラス-鉱物相にカプセル化される。これは、第1に、フロントエンドの混合段階で起こる粒径の低減量を制限し、廃棄物と添加剤をか焼して、MgO粒を形成し、次いで圧密化温度を900~1050℃に限定して、廃棄物形態中に所望の鉱物特性(mineralogy)および形状を保持することによって達成される。
アルミネート
【0047】
一実施形態では、Mgはスピネル(MgAl2O4)に収容され、Fe、Cr、Niなどの一部の不純物も、スピネル構造中に存在することがある。この系では、シリカまたはシリケートの添加物を加えて、廃棄物スラッジ中の核分裂生成物および他のイオンを組み込むガラス結合相を形成する。
多成分系
【0048】
様々な実施形態では、多成分系を使用することができる。そのような系の非限定的な例として、チタネート+シリケート+アルミネート;チタネート+シリケート;シリケート+アルミネート;チタネート+アルミネート相の組合せが挙げられ、これらはより柔軟であることが示された。一実施形態では、シリケートガラスと結合している緻密で耐久性のあるチタネートとシリケートの系が作製され、これらは、安定で耐久性のある廃棄物形態を形成する。
追加の添加剤
【0049】
いくつかの添加剤の酸化還元制御剤および鉱化剤としての使用を試験した。これらは、チタン、ニッケルおよびインコネル粉末の、HIP処理の間に還元条件を維持し、反応の間に揮発性種のための潜在的シンクとして働くための使用を含む。ウォラストナイトおよび氷晶石も鉱化剤として使用されて、ガラスセラミックの形成を援助した。表2に概要を記す組成物において、これらの添加剤を個別にまた10重量%までで組み合わせて試験した。
【表2】
【0050】
様々な実施形態では、リチウム塩、ケイ酸リチウム、ナトリウム塩、ケイ酸ナトリウム、およびフッ化物(フルオロケイ酸ナトリウム融剤など)などの追加の緻密化助剤、ならびにフリットの個々の成分としてまたは一部分として添加されたフッ化カルシウムは、緻密化を援助することができるので、使用することができる。
【0051】
本発明の他の実施形態は、本明細書および本明細書に開示される本発明の実施を考慮することにより当業者に明らかである。本明細書および実施例は例示にすぎないとみなされるべきであり、本発明の真の範囲は添付の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
本発明の好ましい実施形態によれば、以下が提供される。
(項1)
ウラン、グラファイト、マグネシウム、およびアルミニウムのうちの少なくとも1種の放射性成分または合金を含有する核含有廃棄物を固定化する組成物であって、前記組成物が、
前記少なくとも1種の放射性成分または合金と反応する少なくとも1種の鉱物相形成元素または化合物、および
前記少なくとも1種の鉱物相形成元素または化合物と反応しない廃棄物放射性同位体および不純物を組み込むガラス相を形成する少なくとも1種のガラス形成元素または化合物を含み、前記核含有廃棄物を固体の廃棄物形態に固定化する組成物。
(項2)
前記核含有廃棄物が、マグネシウム金属、炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを含み、前記鉱物相が、前記マグネシウム金属、炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムをMgOに変換するのに十分である、上記項1に記載の組成物。
(項3)
前記核含有廃棄物が、ウラン金属ならびに/または水和されたおよび炭酸化されたウランを含み、前記鉱物相が、ウラン酸化物を変換するのに十分である、上記項1に記載の組成物。
(項4)
核含有廃棄物が、マグノックススラッジ、クリノプチロライト廃棄物、およびそれらの組合せを含む、上記項1に記載の組成物。
(項5)
前記最終の廃棄物形態が、理論密度の90%より高い密度を有する、上記項1に記載の組成物。
(項6)
前記マグネシウムが、250μm未満の粒径を有するマグネシウム由来成分を有する、上記項1に記載の組成物。
(項7)
前記最終の廃棄物形態の熱処置および圧密化を支援する少なくとも1種の添加剤をさらに含む、上記項1に記載の組成物。
(項8)
前記少なくとも1種の添加剤が、Ti、Si、PまたはAlの供給源を含み、前記マグネシウム成分と反応して、安定な相を形成する、上記項7に記載の組成物。
(項9)
Ti、Si、PまたはAlの前記供給源が、チタニア、チタネート鉱物、アルミナ、ホスフェート シリカ、シリケート鉱物、シリカゾルおよびガラスフリットを含む、上記項8に記載の組成物。
(項10)
前記安定な相が、MgTiO
3
、Mg
2
TiO
4
、およびMgTi
2
O
5
、MgSiO
3
、Mg
2
SiO
4
、MgAl
2
O
4
、ならびにそれらの組合せを含む、上記項8に記載の組成物。
(項11)
前記廃棄物の他の元素からの三元多成分相をさらに含む、上記項8に記載の組成物。
(項12)
前記三元多成分相が、透輝石(CaMgSi
2
O
6
)およびペロブスカイト(CaTiO
3
)を含む、上記項11に記載の組成物。
(項13)
前記廃棄物形態が、保護ガラスとセラミック相のマトリックスにカプセル化された、MgOと他のセラミック相との混合物を含む、上記項1に記載の組成物。
(項14)
前記廃棄物形態が、ウラン酸化物、またはマトリックスにカプセル化された、チタネート鉱物:ブラネライト、パイロクロア、ジルコノライトから選択される化合物を含む、上記項1に記載の組成物。
(項15)
前記核含有廃棄物が、微粒子の粗部分と微細部分の両方を10:90~90:10の範囲の比で含有する、上記項1に記載の組成物。
(項16)
前記粗部分の大部分が、200μm~6mmの範囲の微粒子サイズを有し、前記微細部分の大部分が、0.1~200μm未満の範囲の微粒子サイズを有する、上記項15に記載の組成物。
(項17)
核含有廃棄物を処置する方法であって、前記方法が、
核含有廃棄物および少なくとも1種の添加剤を含むスラリーを形成するステップ、
前記スラリーを乾燥して、乾燥生成物を形成するステップ、
前記乾燥生成物をか焼して、か焼生成物を形成するステップ、
前記か焼生成物をキャニスターに装填するステップ、
前記金属キャニスターを排気し、シールするステップ、ならびに
前記キャニスター中の材料を熱処置して、ガラス-セラミックを含む緻密な廃棄物形態の生成物を生成するステップ
を含む方法。
(項18)
少なくとも1つのパドル型混合、再循環混合、インライン混合、乱流スラリー混合またはそれらの組合せを使用して、前記スラリーを混合するステップをさらに含む、上記項17に記載の方法。
(項19)
前記スラリーの乾燥が、得られた生成物を顆粒化するステップと同時に行われ、前記乾燥が、ワイプもしくは薄膜蒸発、回転乾燥またはコニカルミキサー乾燥、噴霧乾燥、流動床乾燥またはフラッシュ乾燥から選択される少なくとも1つのプロセスを含む、上記項17に記載の方法。
(項20)
熱間静水圧プレス処理が、900℃~1300℃の範囲の温度および5MPa~150MPaの範囲の圧力で行われる、上記項17に記載の方法。
(項21)
か焼が、回転式か焼、振動式か焼、流動床か焼またはバッチ式か焼法を使用して行われる、上記項17に記載の方法。
(項22)
か焼後に、1種または複数の廃棄物成分が酸化物形態に変換される、上記項17に記載の方法。
(項23)
マグネシウム金属、炭酸マグネシウムもしくは水酸化マグネシウムが、MgOに変換され、そして/またはウラン金属ならびに/もしくは水和されたおよび炭酸化されたウランが、ウラン酸化物に変換される、上記項17に記載の方法。
(項24)
か焼により、水素および/または反応性水が前記廃棄物形態から除去される、上記項17に記載の方法。
(項25)
前記生成物を理論密度の90%より高くなるまで緻密化する熱処理のステップをさらに含む、上記項17に記載の方法。
(項26)
250μm未満の粒径を有するマグネシウム由来成分を、前記緻密な廃棄物形態の生成物の前記熱処置および圧密化を支援する少なくとも1種の添加剤と反応させるステップをさらに含む、上記項17に記載の方法。
(項27)
前記反応が、前記廃棄物の微細成分と、Ti、Si、PまたはAlの供給源を提供する微細添加剤とを一緒に混合して、少なくとも1つの安定な相を形成するステップを含む、上記項25に記載の方法。
(項28)
Ti、Si、PまたはAlの前記供給源が、チタニア、アルミナ、ホスフェート シリカ、およびガラスフリットを含む、上記項27に記載の方法。
(項29)
前記少なくとも1つの安定な相が、MgTiO
3
、Mg
2
TiO
4
、およびMgTi
2
O
5
、MgSiO
3
、Mg
2
SiO
4
、MgAl
2
O
4
、ならびにそれらの組合せを含む、上記項27に記載の方法。
(項30)
前記廃棄物の他の元素からの三元多成分相をさらに含む、上記項27に記載の方法。
(項31)
前記三元多成分相が、透輝石(CaMgSi
2
O
6
)、ペロブスカイト(CaTiO
3
)、およびそれらの混合物を含む、上記項30に記載の方法。
(項32)
前記緻密な廃棄物形態の生成物が、保護ガラスとセラミック相のマトリックスにカプセル化された、MgOと少なくとも1つの他のセラミック相との混合物を含む、上記項17に記載の方法。
(項33)
前記緻密な廃棄物形態の生成物が、ウラン酸化物、およびマトリックスにカプセル化された、チタネート鉱物 ブラネライト、パイロクロア、ジルコノライトから選択される少なくとも化合物を含む、上記項17に記載の方法。
(項34)
前記少なくとも1種の添加剤が、ゼオライトを含む、上記項17に記載の方法。
(項35)
前記ゼオライトが、揮発性元素およびそれらの同位体を吸着し、廃棄物中に存在する放射性イオンを含有するガラスを処理の間に形成し、または両方を行って、熱処理の間におけるそれらの損失率が低減されるような量で見出される、クリノプチロライトを含む、上記項34に記載の方法。
(項36)
前記揮発性元素およびそれらの同位体が、Csを含む、上記項34に記載の方法。
(項37)
前記ゼオライトが反応して、処理の間に前記廃棄物中に存在する放射性イオンを含有するガラスを形成し、必要に応じて、前記乾燥生成物を顆粒化する、上記項34に記載の方法。
(項38)
前記か焼材料を、熱処置する前に振動充填するステップをさらに含む、上記項17に記載の方法。
(項39)
前記キャニスターが金属で作製され、前記金属材料キャニスターの熱処置が、熱間静水圧プレス処理を含む、上記項38に記載の方法。
(項40)
前記乾燥生成物を顆粒化するステップをさらに含む、上記項17に記載の方法。