(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】歯科用安全注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
A61M5/32 510K
A61M5/32 500
(21)【出願番号】P 2019548550
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(86)【国際出願番号】 US2018021809
(87)【国際公開番号】W WO2018165586
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-04
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513066638
【氏名又は名称】リトラクタブル テクノロジーズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Retractable Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】511 Lobo Lane Little Elm, TX 75068, U.S.A.
(73)【特許権者】
【識別番号】508328486
【氏名又は名称】ショー,トーマス ジェイ.
【氏名又は名称原語表記】SHAW,Thomas J.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショー,トーマス,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スモール,マーク
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-290577(JP,A)
【文献】米国特許第05232457(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バレルアセンブリと、前記バレルアセンブリに摺動可能に係合でき、協働的に構成されたプランジャアセンブリとを備える歯科用安全注射器において、
前記バレルアセンブリは、長手方向に延びる窓と複数の突出ラグとを有する再利用可能なバレルと、
前記窓を通って前記
再利用可能なバレル
に挿入できる取り外し可能な針カートリッジとを備え
ており、
前記協働的に構成されたプランジャアセンブリは、開いている近位端及び遠位端と、外面と、前記外面に配置された複数のスロットとを有するプランジャ本体と、近位端及び遠位端を有するプランジャロッドとを備えており、前記プランジャロッドは、前記プランジャ本体に摺動可能に挿入され、前記プランジャロッドの近位端に取り付けられたサムリングと、前記プランジャロッドの遠位端に取り付けられた銛部とを有しており、
前記
取り外し可能な針カートリッジは、
薬剤を含むアンプルの前方に配置され、針と、前記
取り外し可能な針カートリッジ内に配置された圧縮可能バネによって後向きに付勢された針ホルダと、遠位端とを更に備えており、
その遠位端を通って、前記針は前方に突出して
前記アンプルから前記薬剤を投与し、その後、注射後又は注射の間の汚染を避けるために前記
取り外し可能な針カートリッジに引き込ま
れ、
前記バレルアセンブリの前記再利用可能なバレルの前記複数の突出ラグは、前記プランジャ本体の前記外面に配置された前記複数のスロットと協働して係合して揃えられ、前記プランジャ本体が前記再利用可能なバレルに対して後方に移動する毎に、前記再利用可能なバレルに対する前記プランジャ本体の軸方向及び回転の両方の動きを可能にして前記針を移動させて、前記取り外し可能な針カートリッジ及び前記再利用可能なバレルへの前記針の引き込みを開始させるように構成されている、歯科用安全注射器。
【請求項2】
前記針ホルダは、凹部を更に備えており、前記プランジャアセンブリを前記バレルアセンブリに取り付ける際に、前記薬剤を含む
前記アンプルの遠位端が前記凹部に配置されて、前記アンプルと前記針の間の流体連通が確立される、請求項1に記載の歯科用安全注射器。
【請求項3】
前記
取り外し可能な針カートリッジは、使用後に使い捨て可能である、請求項1に記載の歯科用安全注射器。
【請求項4】
前記バレルアセンブリ及び前記プランジャアセンブリは、前記プランジャ本体が前記
再利用可能なバレルに対して前方に移動すると、前記
再利用可能なバレルの遠位端から前方に前記針を突出させるように協働的に構成されている、請求項1に記載の歯科用安全注射器。
【請求項5】
前記バレルアセンブリ及び前記プランジャアセンブリは、前記プランジャ本体が前記
再利用可能なバレルに対して後方に移動すると、前記針
の全体が前記
取り外し可能な針カートリッジ内に引き込まれるように協働的に構成されている、請求項1に記載の歯科用安全注射器。
【請求項6】
前記プランジャロッドが前記プランジャ本体及び前記
再利用可能なバレルに対して前方に押されると、
前記薬剤が前記針を通って患者に流れるように、前記
歯科用安全注射器を通る流体流路が確立される、請求項1に記載の歯科用安全注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択的且つ解除可能に相互接続できるバレルアセンブリ及びプランジャアセンブリを有する歯科用安全注射器に関する。バレルアセンブリは、針カートリッジを収容し、支持するように構成されており、針カートリッジは、針ホルダと、針と、遠位端とを含んでおり、遠位端を通じて、針が薬剤を投与するために前方に突出し、その後注射又は治療後の汚染を避けるために針カートリッジに引き込まれる。プランジャアセンブリは、局所麻酔又は別の薬剤を含む予め充填されたアンプルを収容し、支持するように構成されている。本明細書に開示されるように、バレルアセンブリ及びプランジャアセンブリが摺動可能に係合されて、相互接続されると、アンプルの内部と針の遠位端との間に流体流路が確立され、アンプル、針カートリッジ、及びバレルに対してプランジャハンドルを前方に動かすことにより、針を通じて液体が排出される。本発明の一態様は、針ホルダを有する歯科用安全注射器に関しており、当該針ホルダは、針がバレルから前方に突出すると、針カートリッジ内で後向きに付勢される。本発明の別の態様は、針ホルダに関しており、当該針ホルダは、アンプルの遠位端を収容し、針の近位端と流体連通させるように構成された近位端を有する。本発明の別の態様は、主題の歯科用安全注射器の使用中にバレルアセンブリとプランジャアセンブリとの間の摺動係合に作用し、制限するツイストロック機構に関する。本開示を通じて使用されるように、「遠位」とは、前に向いており患者に対してより近くにある端部を指し、「近位」とは、後に向いておりユーザーに対してより近い端部を指す。治療後、注射器から針カートリッジが取り外されて、臨床的に許容される方法で廃棄されてよく、バレル及びプランジャはオートクレーブされるか、又は再利用のために滅菌されてよい。
【背景技術】
【0002】
バレルアセンブリ及びプランジャアセンブリを備えた歯科用注射器はよく知られている。注射器バレル及びプランジャは多くの場合、患者の口又は歯茎に注入可能な薬剤を含むアンプルと共に使用するように構成されている。歯科医は多くの場合、局所麻酔薬などの最初の量の薬剤を注射し、その後、同じ患者を治療している間、さらなる注射が必要になるまで、注射器をトレイに置く。つい最近、さらなる注射が必要になるまで針を一時的に注射器に引き戻すことができる機構を備えた歯科用注射器が開発された。しかしながら、このような歯科用注射器にはさまざまな設計要素があるために、針が引き込まれると、血液や唾液などの体液が患者から引き出され、歯科医又は衛生士が病原性汚染に曝されることがある。これは、使用中又は治療後の取り外し及び廃棄中に針がエンクロージャ内に収容されていないからである。従来技術の歯科用注射器は、例えば、以下の米国特許及びそれらに引用されている他の特許:米国特許第5,997,512号明細書及び米国特許第6,221,055号明細書に開示されている。これらの特許はまた、本出願の先行技術であり得るその他の特許又は公開中の出願にも引用され得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、歯科治療を受けている患者に局所麻酔又は他の薬剤を投与する際に使用することを意図した歯科用安全注射器に関しており、当該歯科用安全注射器は、協働するように構成されており、摺動可能に係合可能なバレル及びプランジャアセンブリを含んでいる。本発明の1つの好ましい実施形態によれば、バレルアセンブリは、逆向きの斜めの針先を有する針を含んでいる取り外し可能な針カートリッジと、針ホルダと、針が前方突出位置に移動すると針ホルダを後向きに付勢する付勢要素とを更に含む。
【0004】
本発明の別の実施形態によれば、付勢要素は、針及び針ホルダの一部を囲む圧縮可能なコイルバネであり、バレルの遠位端に装着されている。バネは、バレルに対する針ホルダの後方への動きによって圧縮され、圧縮されると、針ホルダの近位端近くの環状肩部に対して後向きに力を及ぼす。
【0005】
本発明の別の実施形態によれば、針カートリッジの遠位端は、開口部を有しており、当該開口部を通って、針の遠位端が、薬剤の投与前にバレルの遠位端から前方に突出するように前進し、その後針カートリッジ内に引き戻されて、歯科治療又は手術の終わりに偶発的な針刺しや汚染の可能性が避けられる。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、開いた近位端及び遠位端を有する実質的に円筒形の本体と、本体に摺動可能に挿入可能なプランジャハンドルとを含むプランジャアセンブリが提供される。プランジャハンドルは、中央に配置された長手方向に延びるロッド部と、近位端に取り付けられたサムリングと、遠位端に取り付けられた銛部又は効果が同様な他の要素もしくは構造と、を更に含んでおり、銛部又は効果が同様な他の要素又は構造は、予め充填されたアンプルの近位端に配置された長手方向摺動可能ピストンプラグにプランジャハンドルの遠位端を係合して取り付ける際に使用するのに適している。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の針カートリッジの内側に配置された針ホルダの近位端は、凹部を画定する受け部を備えており、当該凹部は、針の近位端を含んでおり、アンプルの遠位端を受け取り、係合し、支持するように構成されている。アンプルは、その遠位端を横切って配置された弾性膜又は障壁を有しており、注射器が完全に組み立てられると、針の近位端で貫通可能である。アンプルは、望ましくは予め充填されており、局所麻酔又は別の薬剤を含んでおり、プランジャアセンブリをバレルアセンブリに接続する前にプランジャアセンブリに取り付けられることが望ましい。そのようなアンプルは望ましくは、アンプル側壁の近位端に配置されたゴム又はエラストマーピストンプラグも含んでおり、当該ピストンプラグは、プランジャアセンブリが対象の歯科用安全注射器のバレルアセンブリに接続されると、注射器のプランジャハンドルの銛部先端と係合する。アンプル内のピストンプラグは、アンプルの使用前及び使用中に流体シールとして機能し、注入中にプランジャアセンブリのハンドルがバレルアセンブリに対して前進すると、アンプルの側壁内で長手方向に摺動する。上記の針カートリッジと予め充填アンプルの両方が本発明の歯科用安全注射器に挿入されると、注射器を通る流体経路が確立される。これによって、針がバレルから前方に突き出ていると、薬剤を患者に注射可能になり、プランジャハンドルがバレルに対して前方に動かされて、薬剤がアンプルから両端針を通じて患者に押し込まれる。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、摺動可能で係合可能なバレル及びプランジャ本体部分を含む歯科用安全注射器が開示され、バレル及びプランジャ本体部分は、バレルに対して針の遠位端を前進及び後退させる相対的な長手方向及び回転の動きを可能にするように協働的に構成される。本発明の好ましい一実施形態によれば、複数の突出ラグ(lugs)又はフィンガーがバレルに設けられており、プランジャの本体の外面に配置された複数のスロットと協働的に係合可能である。ラグとスロットの配置は、バレルに対するプランジャ本体の長手方向及び回転の両方の動きを生成し、当該動きによって、プランジャ本体がバレルに対して前方に移動すると、針の遠位端が針カートリッジとバレルから前方に突出し、プランジャ本体がバレルに対して前方に移動すると、針カートリッジ及びバレルに針が引き込むことが可能となるように構成されることが好ましい。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、雌ねじ付きナットが、バレルの近位端とプランジャ本体の遠位端の外面とに設けられており、それらの間の相対的な動きを針の再配置中に開始し、継続するために手で握ることを容易にし、そして、注射中にプランジャハンドルがプランジャ本体、バレル及び針に対して前進している場合に、ユーザーの指先との接触と、ユーザーの指先による作用とを容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の装置は、以下の図面に関連して更に記載及び説明される。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に従って構成された組立て後における歯科用安全注射器の正面側斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の組立て後における歯科用注射器の平面図である。
【
図3】
図3は、
図1の組立て後における歯科用注射器の左側面図である。
【
図4】
図4は、
図1の組立て後における歯科用注射器の右側面図である。
【
図5】
図5は、本発明のバレルアセンブリでの使用に適したバレルの一実施形態の拡大正面斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の歯科用安全注射器での使用に適した針カートリッジの一実施形態の断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の歯科用安全注射器での使用に適した針カートリッジの別の実施形態の分解正面斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の歯科用安全注射器での使用に適した針ホルダ及び針の一実施形態の背面側斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の歯科用安全注射器での使用に適したプランジャアセンブリの一実施形態の正面側斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の歯科用安全注射器の一実施形態の組立て前における、アンプルと共に示されたバレルアセンブリ及びプランジャアセンブリの長手方向断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の歯科用安全注射器の組立て後における実施形態の長手方向断面図であって、針が本発明の針カートリッジの内側に配置されており、この時点では、プランジャハンドルは、針を通じて流体を注射するために前方に進んでいない。
【
図13】
図13は、
図12の本発明の歯科用安全注射器の組立て後の実施形態の長手方向断面図であって、バネが圧縮され、針は、本発明の針カートリッジから前方に突出しており、この時点では、プランジャハンドルは、針を通じて流体を注入するために前方に進んでいない。
【
図14】
図14は、
図13の本発明の歯科用安全注射器の組立て後における実施形態の長手方向断面図であって、バネが圧縮され、針が本発明の針カートリッジから前方に突出されており、アンプル内部からのほぼ全ての流体の注射の後であるかのように、プランジャハンドルが前方に前進している。
【
図15】
図15は、
図14の本発明の歯科用安全注射器の組立て後の実施形態の長手方向断面図であるが、プランジャ本体がバレルに対して後方に移動することによりバネが解放され、針が本発明の針カートリッジ内に引き戻されている。
【
図16】
図11に示したような
図15の歯科用安全注射器の平面断面図であって、針が引き戻され、針カートリッジの廃棄のためにバレルアセンブリとプランジャアセンブリが分離され、その後、プランジャハンドルの銛部からアンプルが分離されると、針カートリッジ及びアンプルの両方が安全に廃棄される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至
図5に関連して開示された本発明の実施形態を参照すると、歯科用安全注射器20は、バレルアセンブリ22とプランジャアセンブリ24とを備えている。バレルアセンブリ22は、長手方向に延びる窓44及び窓46を有する実質的に円筒形のバレル34を更に備えており、窓44は窓46よりも短い。
図5では、針カートリッジ30無しでバレル34が示されている。針カートリッジ30は、窓46を通してバレル34に挿入可能であるのが望ましく、針カートリッジのハウジング62の前端28(
図2乃至
図4)は、バレル34の前端の開口48(
図5)を通って前方に延びる。プランジャアセンブリ24がバレルアセンブリ22に対して、
図2乃至
図4に示す位置に前方に移動すると、針26と針ホルダ58の遠位端と(
図6及び
図7)は、
図6乃至
図13に関連して以下で説明するようにバレル34から前方に突出する。針26は、傾斜先端49及び50(
図6を参照)を有する両頭針であるのが好ましく、傾斜先端49及び傾斜先端50は夫々、前方及び後方に向いている。ねじ付きナット36がバレルアセンブリ22に、ねじ付きナット38がプランジャアセンブリ24に設けられて、組立て中に必要に応じて2つのアセンブリをつかんで互いに対して動かす際にフランジとして使用され、また、それらを引き離して針カートリッジ30への針26の引き込みを開始させるための指接触面がもたらされることが望ましい。プランジャハンドル40及びサムリング42が、プランジャアセンブリ24の後部に設けられて、ねじ付きナット36及びねじ付きナット38と協働することで、
図10に関連して以下に説明するように、プランジャの本体64の内側でプランジャハンドル40を前方に動かす際に利用する指接触面がもたらされることが望ましい。
【0012】
図6乃至
図9を参照すると、針カートリッジ30は更に、細長い実質的に円筒形のカートリッジハウジング62と、針ホルダ58を通って延びており、針ホルダ58に長手方向に一定の関係で固定される針26とを申し分なく備えている。針ホルダ58は、
図9に最もよく見られるように、小径貫通孔を更に備えており、当該貫通孔は、針26を受け入れて、針ホルダ58に対して実質的に長手方向に一定の関係で26を保持するように構成されている。針ホルダ58内への針26の取付け方法は接着が好ましいが、針ホルダ58に対して一定の長手方向の関係に針26を保持するのに同じように有効である他の既知の技術も本発明の実施に用いられてよい。針ホルダ58の大径の近位端はまた、円筒状の凹部60を規定しており、凹部60は、歯科用安全注射器20を使用する前に薬剤を含むアンプルの遠位端を受け入れるように構成されている。針カートリッジ30をバレル34に挿入する前に、保護用の遠位キャップ52及び近位キャップ54は、取り外されることが望ましく、それらキャップは取っておかれてよく、歯科用安全注射器20が使用される歯科処置又は治療が終了して、バレル34から針カートリッジ30を取り外した後に再利用可能である。針カートリッジ30は、付勢要素を更に備えることが望ましく、当該付勢要素は、針ホルダ58の大径部分の環状アンダーカット部に対して後向きの圧力を及ぼす。添付の図面に示されているように、圧縮可能なコイルバネ56は、付勢要素として使用するのに十分である。プランジャアセンブリ24に前向きの圧力が加えられて、バレルアセンブリ22に対するプランジャアセンブリ24の前方への連動した動きが生じると、バネ56が圧縮される。特に
図8及び
図9を参照すると、針26の近位端50は、円筒形の凹部60内で中央に申し分なく配置されており、
図12に示すようにアンプルが凹部60に挿入されると、アンプルの遠位端に配置されており、ゴム又は他のエラストマーである液体不浸透性の障壁を通って挿入されることを待っている。
【0013】
図10を参照すると、本発明のプランジャアセンブリ24における十分な一実施形態は更に、プランジャロッド40を更に備えており、プランジャロッド40は、プランジャ本体64に対して長手方向及び回転方向の両方に移動可能である。図示されているように、プランジャロッド40は、近位端に取り付けられたサムリング42と、近位端に取り付けられた銛部66とを有している。銛部66は、アンプル74の近位端に配置されたピストンプラグ67を貫通して係合するように構成されるのが望ましい。ナット38は、プランジャ本体64の近位端にあって協働する雄ねじの外面部分に取り付けるために雌ねじが切られているのが望ましく、歯科用安全注射器20の組立て中、バレル34に対するプランジャ本体64の移動中、プランジャ本体64に対するプランジャロッド40の移動中、そして、バレルアセンブリ22からのプランジャアセンブリ24の取り外し中におけるバレルアセンブリ22(
図1)に対するプランジャアセンブリ24の手による移動を容易にする。スロット68、スロット70、スロット72が設けられており、バレル34に配置されており、協働するようなサイズで構成されたラグのガイドとして機能することが望ましく、少なくとも以下の用途のために、バレル34に対するプランジャ本体64の長手方向と回転方向の両方の運動が容易にされ、制限され、そして、制御される。上述のように、針カートリッジ30を長手方向に係合させる。アンプル74の遠位端76の膜又は障壁(
図11に示されている)を、針26の近位端に突き刺す。圧縮可能バネ56を圧縮させる。バレル34の遠位端にある開口48を通して針ホルダ58を前方に移動させて、使用位置へと前方に突出させる。注射後、バレル34に対してプランジャ本体64を後方に移動させることで、圧縮バネが伸長し、針カートリッジ30内の針ホルダ58が後方に移動し、針カートリッジ30に針26が引き込まれて、針カートリッジ30及びアンプル74の取外しと安全な廃棄のための処置又は手順の終わりにバレルアセンブリ22からプランジャアセンブリ24を分離可能となる。
【0014】
本プランジャアセンブリ24のバレルアセンブリ22に対する構造及び動作は、
図11乃至
図16に関連して更に記載及び説明される。
図11に示すように、針先端49及び針先端50は、両方とも針カートリッジ30の内側に配置されており、圧縮可能バネ56は伸長している。アンプル74がバレル34の遠位端に挿入されて、アンプル74の近位端のピストンプラグが、上述のようにプランジャロッド40の銛部66と係合するが、プランジャアセンブリ24はまだバレルアセンブリ22に接続されない。プランジャロッド40はまた、プランジャ本体64に対して後方に配置される。
図12を参照すると、近位針先端50がアンプル74の遠位端76で膜を貫通するようにアンプル74の遠位端76を針カートリッジ30に挿入することで、プランジャアセンブリ24がバレルアセンブリ22に接続される。
図13を参照すると、プランジャアセンブリ24のプランジャ本体64は、前方に移動し、90度回転しており(サムリング42の回転再配置から明らかである)、針ホルダ及び針26が前方に動き、針26の遠位端49は使用位置へと前方に突出し、バネ46が圧縮し、それによって針ホルダが針カートリッジ30の内側で後向きに付勢されている。
図14を参照すると、プランジャロッド40がアンプル74に対して前方に進んで、針26から患者に流体が注射される。
図15を参照すると、プランジャ本体64が逆回転されて、バレル34に対するプランジャ本体64の長手方向の移動が可能とされて、バネ56の後方への付勢力が針ホルダ58を後方に移動させ、針カートリッジの遠位端の内側に針先端49が引き戻される。
図16を参照すると、プランジャアセンブリ24は、再びバレルアセンブリ22から分離することで、針カートリッジ30及びアンプル74は、安全な廃棄のために夫々のアセンブリから取り外し可能となる。
【0015】
本発明の他の改造及び変更は、添付の図面を考慮して本明細書を読むことで、当業者には同じように明らかになるであろう。本明細書に開示される本発明の範囲は、発明者及び/又は出願人が法的に権利を与えられる添付の特許請求の範囲の最も広い解釈によってのみ限定されることが意図されている。