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特許7130070レールクレーンの直流給電システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】レールクレーンの直流給電システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/12 20060101AFI20220826BHJP
   B65G 63/00 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
B66C13/12 D
B66C13/12 G
B65G63/00 H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020572911
(86)(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2019083406
(87)【国際公開番号】W WO2020077969
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】201811210101.6
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518370596
【氏名又は名称】青▲島▼港国▲際▼股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO PORT INTERNATIONAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.12 Jingba Road,Huangdao District,Qingdao Shandong 266000 China
(73)【特許権者】
【識別番号】518370600
【氏名又は名称】青▲島▼新前湾集装箱▲碼▼▲頭▼有限▲責▼任公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO NEW QIANWAN CONTAINER TERMINAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Qi Changcheng Road,Economic And Technological Development Zone Qingdao,Shandong 266000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲連▼▲鋼▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼向▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】殷健
(72)【発明者】
【氏名】王心成
(72)【発明者】
【氏名】秦洪建
(72)【発明者】
【氏名】修方▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼秀良
(72)【発明者】
【氏名】王国勇
(72)【発明者】
【氏名】▲レン▼新▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼臻
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼▲為▼▲寧▼
(72)【発明者】
【氏名】高▲榮▼生
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204569189(CN,U)
【文献】特開2000-038285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
B66C 19/00
B65G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールを走行するレールクレーンを含むレールクレーンの直流給電システムであって、
地上直流給電装置と、スライド接触装置と、集電装置と、を備え、
前記地上直流給電装置は、変圧器と、整流器と、を備え、前記地上直流給電装置の出力は前記スライド接触装置に接続し、前記集電装置は前記レールクレーンに取り付けられ、
前記集電装置は電刷子を介して前記スライド接触装置に接触し、前記レールクレーンへの直流給電を実現するように、前記地上直流給電装置によって出力された直流給電は、前記スライド接触装置と、前記電刷子と、前記集電装置と、によって、前記レールクレーンに供給され、
前記地上直流給電装置が給電管理モジュールをさらに備え、
前記給電管理モジュールは、現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドに優先順位を付けるために使用され、優先順位に従い、現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドが実行され、前記レールクレーンの作業負荷が定格負荷を超えると、優先度の低いレールクレーン作業コマンドの実行を遅延するように制御し、
前記優先順位は、船積み及び船卸しのコマンドを最高の優先順位とし、コンテナの搬入及び搬送のコマンドを2番目の優先順位とし、ヤードでのコンテナの移動を最低の優先順位としていることを特徴とする、レールクレーンの直流給電システム。
【請求項2】
前記スライド接触装置は、スライド接触ブラケットと、前記スライド接触ブラケット上に設置されたスライド接触ガイドレールと、を備え、前記地上直流給電装置の出力は、前記スライド接触ガイドレールに接続され、前記集電装置が前記電刷子を介して前記スライド接触ガイドレールに接触することを特徴とする、請求項1に記載のレールクレーンの直流給電システム。
【請求項3】
前記スライド接触ブラケットがT字型ブラケットであり、前記T字型スライド接触ブラケットの両端には、それぞれ前記スライド接触ガイドレールが設置されていることを特徴とする請求項2に記載のレールクレーンの直流給電システム。
【請求項4】
前記レールクレーンの直流給電システムが通信装置をさらに備え、前記通信装置は、前記スライド接触ブラケット上に設置された通信スライド接触ガイドレールであることを特徴とする請求項2に記載のレールクレーンの直流給電システム。
【請求項5】
前記レールクレーンの直流給電システムが無線通信装置をさらに備え、前記無線通信装置は、前記地上直流給電装置に設置された第1の通信装置と、前記レールクレーンに設置された第2の通信装置と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のレールクレーンの直流給電システム。
【請求項6】
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置が導波路給電を使用することを特徴とする請求項5に記載のレールクレーンの直流給電システム。
【請求項7】
前記レールクレーンの直流給電システムがエネルギーフィードバックモジュールをさらに備え、前記地上直流給電システムがインバータをさらに備え、
前記エネルギーフィードバックモジュールは、前記レールクレーンからのフィードバックの直流電流を前記集電装置と、前記スライド接触装置と、前記インバータと、を介して送電網にフィードバックされ、
前記給電管理モジュールは、エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成できないレールクレーン作業コマンドを組み合わせて実行するために使用されることを特徴とする請求項に記載のレールクレーンの直流給電システム。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のレールクレーンの直流給電システムに適用されるレールクレーンの直流給電方法であって、
以下のステップを含む、即ち、
コンテナターミナル作業システムによって送信されたレールクレーン作業コマンドを受信するステップと、
現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドに優先順位を付け、優先順位に従って現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドを実行するステップと、
レールクレーンの作業負荷が定格負荷を超えているかどうかを判断し、超えている場合は、優先度の低いレールクレーン作業コマンドの実行を遅延するように制御するステップと、
を含むことを特徴とするレールクレーンの直流給電方法。
【請求項9】
前記コンテナターミナル作業システムによって送信されたレールクレーン作業コマンドが受信された後、前記レールクレーン直流給電方法は、エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成できないレールクレーン作業コマンドを組み合わせて実行するように制御することをさらに含むことを特徴とする請求項に記載のレールクレーン直流給電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動コンテナターミナル設計の技術分野に属し、特にレールクレーンの直流給電システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の自動化レールクレーンは、主に高電圧ケーブルリールの従来のリール給電方法を使用している。
【0003】
リール給電方式は交流独立給電システムである。各レールクレーンは交流電源によって給電され、独立の変圧、整流、インバーターシステムを備える。変圧、整流、インバーターシステムの各セットは小型で低価格であるが、ケーブルリールはレールクレーンとの高速同期稼働を維持する必要があり、リール稼働の制御システムに比較的高い性能が要求され、リール機構が始動・加速・減速する際の慣性モーメントが大きく、高電圧ケーブルやリール機構、減速機に対する衝撃が大きく、摩耗が激しく、耐用年数が短い。リール機構の減速機、スリップリングボックスなどは定期的なメンテナンスと付属品の交換が必要である。リール機構全体は大量のメンテナンスが必要である。一般に、ケーブルリール(高電圧ケーブルを含む)の耐用年数は約5年である。高電圧ケーブルリールの後期稼働およびメンテナンスに巨大なコストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、レールクレーンの直流給電システム及び方法を提供する。地上の直流給電装置、スライド接触装置、電刷子、および集電装置を介してレールクレーンに直流給電する。これには、初期投資と後期メンテナンスのコストが低く、耐用年数が長いという利点がある。そして、給電効率を向上させるためインテリジェントに最適化して給電させ、従来のレールクレーン直流給電システムの高いメンテナンスコストと短い耐用年数という上記の技術的問題を解決できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術的解決策を採用して達成できる。
【0006】
レールを走行するレールクレーンを含むレールクレーンの直流給電システムを提供し、そのレールクレーンの直流給電システムは、地上直流給電装置と、スライド接触装置と、集電装置と、を備える。前記地上直流給電装置は、変圧器と、整流器と、を備え、その出力は前記スライド接触装置に接続する。前記集電装置は前記レールクレーンに取り付けられる。前記集電装置は電刷子を介して前記スライド接触装置に接触する。前記レールクレーンへの直流給電を実現するように、前記地上直流給電装置によって出力された直流給電は、前記スライド接触装置と、前記電刷子と、前記集電装置によって、前記レールクレーンに供給される。
【0007】
さらに、前記スライド接触装置は、スライド接触ブラケットと、前記スライド接触ブラケット上に設置されたスライド接触ガイドレールと、を備え、前記地上直流給電装置の出力は、前記スライド接触ガイドレールに接続され、前記集電装置が前記電刷子を介して前記スライド接触ガイドレールに接触する。
【0008】
さらに、前記スライド接触ブラケットがT字型ブラケットであり、前記T字型スライド接触ブラケットの両端には、それぞれ前記スライド接触ガイドレールが設置されている。
【0009】
さらに、前記レールクレーンの直流給電システムが通信装置をさらに備え、前記通信装置は、前記スライド接触ブラケット上に設置された通信スライド接触ガイドレールである。
【0010】
さらに、前記レールクレーンの直流給電システムが無線通信装置をさらに備え、前記無線通信装置は、前記地上直流給電装置に設置された第1の通信装置と、前記レールクレーンに設置された第2の通信装置と、を備える。
【0011】
さらに、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置が導波路給電を使用する。
【0012】
さらに、前記地上直流給電装置が給電管理モジュールを備える。前記給電管理モジュールは、現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドに優先順位を付けるために使用され、優先順位に従い、現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドが実行される。また、前記レールクレーンの作業負荷が定格負荷を超えると、優先度の低いレールクレーン作業コマンドの実行を遅延するように制御する。
【0013】
さらに、前記レールクレーンの直流給電システムがエネルギーフィードバックモジュールをさらに備える。前記地上直流給電システムがインバータをさらに備える。前記エネルギーフィードバックモジュールは、前記レールクレーンからのフィードバックの直流電力流を前記集電装置と、スライド接触装置と、インバーターと、を介して送電網にフィードバックされる。前記給電管理モジュールは、エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成できないレールクレーン作業コマンドを組み合わせて実行するために使用される。
【0014】
上記レールクレーンの直流給電システムに適用されるレールクレーンの直流給電方法を提供し、そのレールクレーンの直流給電方法は以下のステップを含み、即ち、コンテナターミナル作業システムによって送信されたレールクレーン作業コマンドを受信するステップと、現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドに優先順位を付け、優先順位に従って現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドを実行するステップと、レールクレーンの作業負荷が定格負荷を超えているかどうかを判断し、超えている場合は、優先度の低いレールクレーン作業コマンドの実行を遅延するように制御するステップと、を含む。
【0015】
さらに、コンテナターミナル作業システムによって送信されたレールクレーン作業コマンドが受信された後、前記レールクレーンの直流給電方法は、エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成できないレールクレーン作業コマンドを組み合わせて実行するように制御することをさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によって提案されたレールクレーン直流給電システムと方法では、地上直流給電装置と、スライド接触装置と、集電装置と、を備える。地上直流給電装置は、変圧器と整流器を介して送電網の交流電をレールクレーン作業に必要な直流電に変換し、スライド接触装置と、電刷子と、集電装置と、を介してレールクレーンに直流電力を供給することによって、レールクレーンの移動給電を実現し、従来のケーブルリールの給電方式に比べ、レールクレーン全体の重量を低減し、構造の簡素化を実現し、また、地上に移行した直流給電モードは、直流給電の信頼性を向上させ、後続システムのメンテナンスコストを削減し、耐用年数を増加することができる。レールクレーンの作業コマンドの最適化とし、レールクレーンの作業負荷が定格負荷を超えた場合、優先度の低いレールクレーン作業コマンドの実行を遅らせるよう制御することで、システムの同時作業係数を最大限に低下し、システム全体の設置容量を削減し、設置コストを節約する。エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成することができないレールクレーン作業コマンドを組み合わせて実行する制御方法によって、エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドを単独に実行することを回避し、レールクレーンがシステムによってフィードバックされた電気エネルギーを最大限に活用し、送電網エネルギーを節約できることを保証する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明によって提案されたレールクレーン直流給電システムのシステムアーキテクチャ図である。
図2図2は、本発明によって提案されたレールクレーンの直流給電システムにおけるスライド接触ブラケットの構造の概略図である。
図3図3は、本発明によって提案されたレールクレーン直流給電方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の最適な実施形態
ここに、本発明の最適な実施形態を説明する段落を入力する。
【0019】
本発明の実施形態
本発明によって提案されたレールクレーン直流給電システムは、レールを走行するレールクレーン12と、地上直流給電装置13と、スライド接触装置14と、集電装置15と、を備える。地上直流給電装置13は、変圧器131と、整流器132と、を備え、地上直流給電装置の出力がスライド接触装置14に接続される。集電装置15はレールクレーン12に取り付けられる。集電装置15はスライド接触装置14に接続され、電刷子(図示せず)によってガイドレール11と摺動に接触する。地上直流給電装置13は、送電網の交流電を変圧、整流して配置した後、直流給電を出力し、出力された直流給電は、スライド接触装置14と、電刷子と、集電装置15によってレールクレーン12に供給し、レールクレーン12への直流給電を実現した。
【0020】
地上直流給電装置13は地上に取り付けられ、地上直流給電装置のセットは、複数のレールクレーンに給電することができる。コンテナヤード全体の直流給電システムは、本発明によって提案された複数のレールクレーン直流給電システムに分けることができる。例えば、直流給電の範囲と地上電源の電力を考慮して、各レールクレーンの直流給電システムは、4つのスタックと8台のレールクレーン、または5つのスタックと10台のレールクレーンに給電することが好ましい。
【0021】
集電装置15は、固定構造(例えば槽鋼で作られた鋼構造)によって外へ伸びてレールクレーン12上に吊り下げられ、レールクレーン12と共に移動し、電刷子とスライド接触装置14との接触によって地上直流給電装置から直接レールクレーンに電気エネルギーを供給することによって、レールクレーンの移動給電を実現する。
【0022】
上記のレールクレーン直流給電システムは、従来のケーブルリール給電方式と比較して、レールクレーン全体の重量を軽減し、構造を簡素化し、直流給電モードを地上に移動することによって、直流給電の信頼性を効果的に向上させ、後期のシステムのメンテナンスコストを削減し、耐用年数を増加した。
【0023】
本発明の実施形態では、図2に示すように、スライド接触装置14は、スライド接触ブラケット141と、スライド接触ブラケット上に設置または開設されたスライド接触ガイドレール142と、を備える。地上直流給電装置13の出力は、スライド接触ガイドレール142に接続される。集電装置15が電刷子を介して前記スライド接触ガイドレール142に接触する。適用において、スライド接触ガイドレールの給電電圧降下を低減するために、スライド接触ガイドレール全体の中間位置で直流アクセスポイントを選択し、つまり、地上直流給電装置から導いた直流低電圧ケーブルをスライド接触ガイドレールの中間位置に接続する。
【0024】
好ましい実施形態として、本発明によって提案されたスライド接触ブラケット141はT字型ブラケットである。T字型スライド接触ブラケットの両端には、それぞれスライド接触ガイドレールが設置されている。例えば、コンテナヤードでは、隣接する4つのスタックの直流給電は、本発明によって提案された地上直流給電装置によって提供され、各スタックには2つのレールクレーンが配置され、地上直流給電装置は隣接する4つのスタックの 中間位置に配置され、2つのスタック間のチャネルにT字型スライド接触ブラケットが取り付けられ、各T字型スライド接触ブラケットの両側にあるスライド接触ガイドレールは、それぞれスタックの両側のレールクレーンに給電する。
【0025】
本発明によって提案されたレールクレーン直流給電アーキテクチャに基づき、従来のケーブルリール給電方式と比較して、従来のレールクレーンの光ケーブル通信方式も変更したため、本発明によって提案されたレールクレーン直流給電システムに含まれる通信装置は、図2に示すように、スライド接触ブラケットに設置された通信スライド接触ガイドレール143であるか、または、レールクレーン直流給電システムは、地上直流給電装置に取り付けられた第1の通信装置とレールクレーンに取り付けられた第2の通信装置を含む無線通信装置を使用し、無線通信方法によってデータと信号の送信を実現する。
【0026】
好ましくは、第1の通信装置および第2の通信装置は、導波路によって給電される。導波路は、高い遮蔽性能の利点を有するので、通信信号は、送信過程において高い信号対雑音比を維持することができ、同じ周波数干渉およびレーダー信号などの外部干渉を効果的に回避することができ、同時にリアルタイム(RT)通信メカニズムを採用しながら、システム応答は10ms未満であり、最大100Mb/sの通信帯域幅は、自動化レールクレーンシステムの制御信号帯域幅要件およびビデオ送信帯域幅要件を満たすことができる。
【0027】
本発明によって提案されたレールクレーン直流給電システムでは、直流出力電圧、電流、送電網入力電圧、温度などのパラメータをリアルタイムで検出でき、システムには過電圧、過電流、低電圧、絶縁、フィルタリングなどの保護機能を有する。本発明の実施形態では、地上直流給電装置13は、現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドに優先順位を付け、優先順位に従って現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドを実行するために使用される給電管理モジュール133をさらに備える。レールクレーンの作業負荷が定格負荷を超えた場合は、優先度の低いレールクレーン作業コマンドの実行を遅延するように制御する。つまり、現在の稼働している作業電力の合計がレールクレーン直流給電システムの定格負荷を超えないようにし、システムの同時作動係数を最大限に低下させることができ、システム全体の設置容量を削減し、より小さな直流設置容量を使用して複数のレールクレーンに電力を供給することを実現し、設置コストを節約する。
【0028】
本発明によって提案されたレールクレーン直流給電システムは、エネルギーフィードバックモジュール16をさらに備える。当該エネルギーフィードバックモジュール16は、レールクレーン作業中に生成されるエネルギーを収集するために使用される。即ち、レールクレーンによって生成されたフィードバックの直流電流は、集電装置、スライド接触装置及び地上直流給電に含まれるインバーターを介して送電網にフィードバックすることができる。給電管理モジュール133は、エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成できないレールクレーン作業コマンドを組み合わせて実行するように制御し、給電されたレールクレーン作業を単独に実行することを回避し、レールクレーンがレールクレーン自体または同じシステムにおける他のレールクレーンによってフィードバックされる電気エネルギーを最大限に活用できるように保証するため、送電網のエネルギーが節約され、本システムの直流給電能力が向上する。
【0029】
上記のレールクレーン直流給電システムに基づいて、本発明は、図3に示すように、次のステップを含むレールクレーン直流給電方法を提案する。
【0030】
ステップS21:コンテナターミナル操作システムから送信されたレールクレーンの作業コマンドを受信する。
【0031】
コンテナターミナル操作システムは、レールクレーン作業コマンドを各レールクレーンに送信する。
【0032】
ステップS22:現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドに優先順位を付ける。
【0033】
自動化コンテナターミナルの複数のヤードは、複数セットのレールクレーン直流給電システムを備え、各レールクレーン直流給電システムは、設定された数のレールクレーンに直流給電を提供し、各セットのレールクレーン直流給電システムの給電管理モジュールは、コンテナターミナル操作システムから本システム内の複数のレールクレーンのレールクレーン作業コマンドを取得し、設定されたルールに従ってこれらのレーンクレーン作業コマンドに優先順位を付ける。
【0034】
ステップS23:優先順位に従って、現在の作業状況のレールクレーン作業コマンドを実行する。
【0035】
レールクレーン直流給電システムにおける給電管理モジュールは、すべてのレールクレーンの作業コマンドに優先順位を付け、優先順位に従って現在の作業状況のレールクレーンの作業コマンドを実行するように制御する。
【0036】
ステップS24:レールクレーンの作業負荷が定格負荷を超えているかどうかを確認する。
【0037】
現在の作業状況で、システム内のレールクレーンの総作業負荷を計算し、現在の作業条件の作業負荷が設定定格負荷を超えているかどうか、つまり、システムの最大作業負荷を超えているかどうかを判断する。
【0038】
ステップS25:優先順位の低いレールクレーン作業コマンドの実行を遅延するように制御する。
【0039】
現在の作業状況の作業負荷が最大の場合は、優先順位の低いレールクレーンの作業コマンの実行を遅延するように制御し、現在の稼働している作業電力の合計がレールクレーン直流給電システムの定格負荷を超えないようにし、システムの同時作動係数を最大限に低下させることができ、システム全体の設置容量を削減し、より小さな直流設置容量を使用して複数のレールクレーンに電力を供給することを実現し、設置コストを節約する。
【0040】
前述のように、給電管理モジュールによるシステム内のエネルギーの最適化された配置は、設置コストを節約すると同時に、複数のレールクレーン間での供給エネルギーの共有と利用を実現し、レールクレーンのエネルギー利用効率を向上させ、本発明のレールクレーン直流給電システムは、省エネと稼働コストの面でメリットがある。具体的には、ステップS21の後、ステップS26がさらに実行される。ステップS26:エネルギーフィードバックを生成することができるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成することができないレールクレーン作業コマンドとの組み合わせを実行するように制御する。
【0041】
レールクレーンのクレーン、トロリー、および巻き上げ機構は、加速および一定速度で稼働するときに直流給電システムから電力を受け取り、減速および巻き上げ機構が下降するときに直流給電システムに電気エネルギーをフィードバックする。従って、本発明のレールクレーン直流給電システムは、エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成できないレールクレーン作業コマンドとの組み合わせを実行する方法を採用し、エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドを単独に実行することを回避し、フィードバックされたエネルギーの浪費を回避し、フィードバックされたエネルギーは現在の作業状況に適用され、レールクレーンがシステムからフィードバックされたエネルギーを最大限に使用できるようにして、送電網のエネルギーを節約する。
【0042】
次に、具体的な実施形態を使用して、本発明によって提案されたレールクレーン直流給電システムにおける直流給電方法を詳細に説明する。
【0043】
各セットのレールクレーン直流給電システムにおける8台のレールクレーンのクレーン、トロリー、および巻き上げ機構は、特定の期間に異なる稼働状態によって、システム全体の異なる動作状況が形成され、各機構が異なる負荷の下で異なる電力を必要とすると仮定する。例えば、比較的一般的な動作状況:4つのスタックを備えた8台のレールクレーンには、同時に加速で動作する4台のクレーンがあり、2台のクレーンは定常状態で動作し、2台のクレーンは無負荷で吊り上げる。その中で、クレーンのピーク電力は849KW、定常電力は343KW、無負荷で吊り上げたときのピーク電力は464KW、定常電力は376KW、補助機構の電力は20KWであると、8台のレールクレーンの最大電力は次のように計算できる。
【0044】
Pg =(849+20)×4+(343+20)× 2+(464+20)×2=5170KW。8台のレールクレーンの定常状態の出力を次のように計算する。
Pw=(343+20)× 4+(343+20)×2+(376+20)×2=2970KW。
【0045】
TOS(コンテナターミナル操作システム)は、まずレールクレーン直流給電システムの給電管理モジュールにレールクレーン作業コマンドを送信し、レールクレーン作業コマンドは、コマンドシーケンスグループを指す。一つのグループのコマンドが実行されると、給電管理モジュールは、下記のように動作する、即ち1)コマンドの順序に従って、8台のレールクレーンが対応するレールクレーンの作業コマンドを実行する応答時間を順次制御する。2)現在の8台レールクレーンの作業状況で稼働する必要のある機構の作業コマンドの組み合わせを優先順位に従って最適化する。3)まず優先順位が高い(船積み及び船卸しのコマンドを最高順序とし、コンテナの搬入及び搬送のコマンドを2番目の順序とし、ヤードでのコンテナの移動を最低の順序とする原則に従うことができる)レールクレーン作業コマンドを実行するように制御する。4)優先順位に従ってレールクレーン機構の動作時間を制御し、現在の稼働している機構の総電力は、直流給電システムで許容される定格負荷を超えないことを保証し、定格負荷を超えると、優先順位の低い作業コマンドの実行を遅延するように制御する。5)エネルギーフィードバックを生成できるレールクレーン作業コマンドとエネルギーフィードバックを生成できないレールクレーン作業コマンドとの組み合わせを実行するように制御する。1セットのレールクレーン直流給電システム内の4つのスタックと8台のレールクレーンの中で、いくつかのレールクレーン機構が減速状態または巻き上げ機構が降下状態である場合、エネルギーフィードバック状態にあり、生成されたフィードバック電気エネルギーは、公共直流バスを介して他のレールクレーン機構に提供して使用できることによって、地上直流給電装置の総設置電力を削減し、設置容量を削減し、特定のレールクレーンが稼働しているとき、他のレールクレーンからフィードバックされた電気エネルギーを最大限に使用できるようにすることによって、直流給電システムの総設置電力が削減される。
【0046】
以下の表1に示す同時作動係数の計算を参照すると、本発明によって提案された直流給電方法に従って最適化された8台のレールクレーンの同時作動係数は0.65である。
【0047】
【表1】
【0048】
次に、レールクレーン直流給電システムの地上直流給電装置の総設置電力を次のように計算する。
【0049】
P=Pg×0.65=5170×0.65=3360KW。
【0050】
言及すべきは、上記の説明は本発明の限定するものではなく、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。本発明の本質的な範囲内で当業者によって行われた変更、修正、追加または置換も本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3