(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】吸引ツール
(51)【国際特許分類】
A47L 9/06 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
A47L9/06 Z
(21)【出願番号】P 2021044219
(22)【出願日】2021-03-18
(62)【分割の表示】P 2016197798の分割
【原出願日】2016-10-06
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】391008537
【氏名又は名称】ASTI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】飯田 健弥
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 隆文
(72)【発明者】
【氏名】鷹野 光
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-057622(JP,A)
【文献】実開昭57-152252(JP,U)
【文献】特開昭58-049130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0236012(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00-9/06
A47L 7/00
A47L 11/20-11/206
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引口を備えた吸引パイプと、
上記吸引パイプ
に上記吸引口
を介して上記吸引パイプ内に連通された状態で設置された吸引ノズルと、
その先端部が上記吸引ノズル内に配置された超音波ホーンと、
上記超音波ホーンを振動させる超音波振動子と、
上記超音波ホーンの先端に設けられた溝と、
を具備し、
上記超音波ホーンは上記吸引ノズル内を上記吸引口
に直接連通する側と
上記溝を介して上記吸引口に連通する側とに区画するように配置されていて、
上記吸引ノズル内の空気を上記吸引口に向かって直接流通させ又は上記超音波ホーンの溝を通して上記吸引口に向かって流通させるようにしたことを特徴とする吸引ツール。
【請求項2】
請求項1記載の吸引ツールにおいて、
上記超音波ホーンは上記吸引口に対して進行方向の後側に配置されていることを特徴とする吸引ツール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の吸引ツールにおいて、
上記超音波ホーンは板状であって幅広に設けられていて、
上記超音波ホーンは進行方向に沿って後傾した状態で配置されていることを特徴とする吸引ツール。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れかに記載の吸引ツールにおいて、
上記溝の基端部は
円弧状に形成されていることを特徴とする吸引ツール。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れかに記載の吸引ツールにおいて、
上記超音波ホーンの先端部は
円弧状に形成されていることを特徴とする吸引ツール。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れかに記載の吸引ツールにおいて、
上記溝は上記超音波ホーンの超音波振動が空気を媒体とした場合の半波長であって振動の腹となる深さに設定されていることを特徴とする吸引ツール。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れかに記載の吸引ツールにおいて、
上記
超音波ホーンの超音波振動の周波数及び振幅は被清掃面と上記超音波ホーンが所定時間接触していても、上記被清掃面が溶融し難い範囲で設定されていることを特徴とする吸引ツール。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れかに記載の吸引ツールにおいて、
上記吸引口は所定幅延長されていて、上記超音波ホーンも上記所定幅と略同じ幅延長されていることを特徴とする吸引ツール。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れかに記載の吸引ツールにおいて、
上記超音波ホーンは対象物に弾性付勢された状態で当接されることを特徴とする吸引ツール。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れかに記載の吸引ツールにおいて、
上記吸引ツールは電気掃除機用のものであることを特徴とする吸引ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、掃除機、黒板消しクリーナ、等に組み込まれる吸引ツールに係り、特に、超音波振動によって、被清掃面から汚れや塵埃を分離・遊動させ効果的に吸引できるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸引ツールの構成を開示するものとして、例えば、特許文献1~特許文献5がある。
まず、特許文献1に記載された発明による電気掃除機の床用ノズルの場合には、ノズル本体の後側に、超音波振動子と、この超音波振動子によって振動される固体ホーンと、が設置されている。この固体ホーンから発せられる超音波が空気中を伝播していき、被清掃面を振動させて上記被清掃面上の細塵を浮き上がらせ、吸込口から吸引する。
【0003】
次に、特許文献2に記載された発明による電気掃除機の床用ノズルの場合には、ノズル本体の後側に、超音波振動子と、この超音波振動子によって振動される固体ホーンと、この固体ホーンによって振動されるブラシと、が設置されている。このブラシによって、絨毯や床を振動させ、塵埃を浮き上がらせ、吸込口から吸引する。
【0004】
次に、特許文献3に記載された発明による電気掃除機の場合には、吸込み口の中に、超音波振動子と、この超音波振動子によって振動され被清掃面に接触される固体振動体と、が設置されている。この固体振動体によって上記被清掃面を直接振動させ、ごみを上記被清掃面から遊離させて、上記吸込み口から吸引する。
【0005】
次に、特許文献4に記載された発明による電気掃除機の場合には、超音波除去器が着脱可能に取り付けられている。この超音波除去器は、吸引用の孔が先端に設けられた筒状のケース内にランジュバン型振動子が設置されていて、このランジュバン型振動子にホーンが取り付けられている。このホーンの先端は上記ケースの先端から外部に突出されている。
上記超音波除去器を上記電気掃除機のノズルの先端に取り付け、例えば、ホーンの先端を絨毯や風呂場のタイルに接触させることで汚れを落とし、その際に発生した塵埃を上記吸引用の孔から吸引する。このようにして、上記電気掃除機は、絨毯のシミ抜きや風呂場のタイルの目地の汚れを落とす目的で使用される。
【0006】
さらに、特許文献5に記載された発明による吸入口組立体およびそれを含む真空掃除機の場合には、吸入口の中に回転ドラムが設置されており、この回転ドラムの外周面に第1ブラシが突出・配置されていて、上記吸入口の前方に第2ブラシが設置されている。上記第1ブラシと上記第2ブラシは、超音波振動子によって振動され、これにより、被清掃面のゴミを分離および遊動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開昭58-49129号公報
【文献】特開昭58-49130号公報
【文献】特開平4-347120号公報
【文献】特開2005-80822号公報
【文献】特開2006-297050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の構成によると、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1~特許文献5に記載された発明では、超音波振動によって汚れや塵埃を分離・遊動させ効果的に吸引することができないという問題があった。以下、具体的に説明する。
まず、特許文献2に記載された発明、特許文献3に記載された一部の発明、特許文献5に記載された発明のように、ブラシ、突起を備えた固体振動体、ブラシ部材を振動させながら汚れや塵埃を分離・遊動させるものについては、紙屑や髪の毛がブラシ、突起を備えた固体振動体、ブラシ部材に巻き付いてしまい、その結果、汚れや塵埃の分離・遊動機能が損なわれてしまうという問題があった。
これに対して、特許文献1に記載された発明、特許文献3に記載された残りの発明、特許文献4に記載された発明の場合には、そのような懸念はないが、吸引の為の空気流、及び、超音波振動により被清掃面から分離した塵埃が浮遊される空間が十分ではないという問題があった。
すなわち、特許文献1に記載された発明の場合には、そもそも、固体ホーンが配置される部位と吸込口が区画されているため、吸引の為の効果的な空気流が生じ難く、また、特許文献3に記載された残りの発明の場合には、吸込み口の中に固体振動体が配置されていて、吸込み口の面積が狭められてしまうという事情があり、さらに、特許文献4に記載された発明の場合にも、吸込用の孔がホーンの外周側にのみ設けられているので、吸引の為の領域が限られてしまうという事情があるからである。
【0009】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、超音波振動によって、被清掃面から汚れや塵埃を分離・遊動させ効果的に吸引できる吸引ツールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するべく本願発明の請求項1による吸引ツールは、吸引口を備えた吸引パイプと、上記吸引パイプに上記吸引口を介して上記吸引パイプ内に連通された状態で設置された吸引ノズルと、その先端部が上記吸引ノズル内に配置された超音波ホーンと、上記超音波ホーンを振動させる超音波振動子と、上記超音波ホーンの先端に設けられた溝と、を具備し、上記超音波ホーンは上記吸引ノズル内を上記吸引口に直接連通する側と上記溝を介して上記吸引口に連通する側とに区画するように配置されていて、上記吸引ノズル内の空気を上記吸引口に向かって直接流通させ又は上記超音波ホーンの溝を通して上記吸引口に向かって流通させるようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項2による吸引ツールは、請求項1記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンは上記吸引口に対して進行方向の後側に配置されていることを特徴とするものである。
又、請求項3による吸引ツールは、請求項1又は請求項2記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンは板状であって幅広に設けられていて、上記超音波ホーンは進行方向に沿って後傾した状態で配置されていることを特徴とするものである。
又、請求項4による吸引ツールは、請求項1~請求項3の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記溝の基端部は円弧状に形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項5による吸引ツールは、請求項1~請求項4の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンの先端部は円弧状に形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6による吸引ツールは、請求項1~請求項5の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記溝は上記超音波ホーンの超音波振動が空気を媒体とした場合の半波長であって振動の腹となる深さに設定されていることを特徴とするものである。
又、請求項7による吸引ツールは、請求項1~請求項6の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンの超音波振動の周波数及び振幅は被清掃面と上記超音波ホーンが所定時間接触していても、上記被清掃面が溶融し難い範囲で設定されていることを特徴とするものである。
又、請求項8による吸引ツールは、請求項1~請求項7の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記吸引口は所定幅延長されていて、上記超音波ホーンも上記所定幅と略同じ幅延長されていることを特徴とするものである。
又、請求項9による吸引ツールは、請求項1~請求項8の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンは対象物に弾性付勢された状態で当接されることを特徴とするものである。
又、請求項10による吸引ツールは、請求項1~請求項9の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記吸引ツールは電気掃除機用のものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように本願発明の請求項1による吸引ツールによると、吸引口を備えた吸引パイプと、上記吸引パイプの上記吸引口側に連結された吸引ノズルと、その先端部が上記吸引ノズル内に配置された超音波ホーンと、上記超音波ホーンを振動させる超音波振動子と、上記超音波ホーンの先端に設けられた溝と、を具備し、上記超音波ホーンは上記吸引ノズル内を上記吸引口が開口している側と開口していない側とに区画するように配置されていて、上記吸引ノズル内の空気を上記吸引口に向かって直接流通させ又は上記超音波ホーンの溝を通して上記吸引口に向かって流通させるようにしたので、超音波振動によって汚れや塵埃を分離・遊動させ、上記溝によって空気を流通させることで効果的に吸引できる。
又、請求項2による吸引ツールによると、請求項1記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンは上記吸引口に対して進行方向の後側に配置されているので、上記効果をより高めることができる。
又、請求項3による吸引ツールによると、請求項1又は請求項2記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンは板状であって幅広に設けられていて、上記超音波ホーンは進行方向に沿って後傾した状態で配置されているので、上記効果をより固めることができる。
又、請求項4による吸引ツールによると、請求項1~請求項3の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記溝の基端部はR状に形成されているので、超音波が先端側に集中し易く、効果的に汚れや塵埃を分離・遊動させることができる。
又、請求項5による吸引ツールによると、請求項1~請求項4の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンの先端部はR状に形成されているので、対象物を傷つけることを防止できる。
又、請求項6による吸引ツールによると、請求項1~請求項5の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記溝は上記超音波ホーンの超音波振動が空気を媒体とした場合の半波長であって振動の腹となる深さに設定されているので、上記超音波ホーンの先端の上記溝が形成された部分においても、上記超音波ホーンの表面から発せられる超音波振動の減衰を抑制でき、効果的に対象物から汚れや塵埃が分離・遊動させることができる。
又、請求項7による吸引ツールによると、請求項1~請求項6の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記超音波振動の周波数及び振幅は被清掃面と上記超音波ホーンが所定時間接触していても、上記被清掃面が溶融し難い範囲で設定されているので、上記被清掃面が溶融し難い範囲で設定されているので、対象物を損傷してしまうことを防止できる。
又、請求項8による吸引ツールによると、請求項1~請求項7の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記吸引口は所定幅延長されていて、上記超音波ホーンも上記所定幅と略同じ幅延長されているので、広い範囲にわたって汚れや塵埃が分離・遊動させることができる。
又、請求項9による吸引ツールによると、請求項1~請求項8の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記超音波ホーンは対象物に弾性付勢された状態で当接されるので、上記超音波ホーンの先端を適切な圧力で対象物に接触させることができる。
又、請求項10による吸引ツールによると、請求項1~請求項9の何れかに記載の吸引ツールにおいて、上記吸引ツールは電気掃除機用のものであるので、電気掃除機において、超音波振動によって汚れや塵埃を分離・遊動させ、上記効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、電気掃除機を示す側面図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、吸引ツールを示す側断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、超音波ホーンを示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、超音波ホーンを示す正面図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図4のV部の拡大図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図2のVI部の拡大図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態を示す図で、超音波ホーンの先端が絨毯と接触した状態を示す正面図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図8(a)は超音波ホーンの溝内で超音波が集中される様子を示す拡大図、
図8(b)は超音波ホーンの先端から外側に向かって超音波が拡散される様子を示す拡大図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態を示す図で、対象物が容易に溶けないような超音波ホーンの周波数と振幅の組み合わせの例を示す表である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態を示す図で、超音波ホーンの超音波振動によるビニール袋の溶融の有無に関する実験結果を示す図で、
図10(a)は周波数が28kHzの場合における振幅と溶融開始時間の関係を示す図、
図10(b)は周波数が40kHzの場合における振幅と溶融開始時間の関係を示す図、
図10(c)は周波数が60kHzの場合における振幅と溶融開始時間の関係を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態を示す図で、超音波ホーンの超音波振動の振幅を6μm
0-Pに設定した場合のビニール袋の溶融の有無に関する実験結果を示す図で、周波数と溶融開始時間の関係を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態を示す図で、超音波ホーンの表面からの距離と超音波振動の音圧との関係を示した図である。
【
図13】本発明の第1の実施の形態を示す図で、気温と音速、周波数、波長、及び、半波長の関係を示す表である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態を示す図で、超音波ホーンの超音波振動により該超音波ホーンの振動面から離れた場所にある紙片を動かす実験の結果を示す図で、
図14(a)は周波数が28kHzで振幅が30μm
0-Pのときの振動面からの距離と紙片が動いた距離との関係を示す図、
図14(b)は周波数が60kHzで振幅が6μm
0-Pのときの振動面からの距離と紙片が動いた距離との関係を示す図である。
【
図15】本発明の第1の実施の形態を示す図で、超音波ホーンの超音波振動により該超音波ホーンの振動面から離れた場所にある紙片を動かす実験の結果を示す図で、周波数を28kHzで振動面からの距離を10mmとした場合の振幅と紙片が動いた距離との関係を示す図である。
【
図16】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図16(a)は振動面距離が3mmのときの周波数と減衰率の関係を示す図、
図16(b)は振動面距離が5mmのときの周波数と減衰率の関係を示す図である。
【
図17】本発明の第2の実施の形態を示す図で、ハンディタイプの電気掃除機の外観を示す斜視図である。
【
図18】本発明の第3の実施の形態を示す図で、黒板消しクリーナを示す正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1乃至
図16を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態は、本願発明による吸引ツールを移動式の電気掃除機1に適用したものである。
上記電気掃除機1は、
図1に示すように、電気掃除機本体3と、吸引ホース5と、この吸引ホース5の先端に着脱可能に取り付けられた吸引ツール7と、から構成される。
【0014】
上記電気掃除機本体3には、
図1に示すように、まず、外筐8がある。この外筐8の後端側(
図1中右側)の幅方向両側には、後輪9、9(
図1中片側のみ示す。)が回転可能に設けられている。また、上記外筐8の前端側(
図1中左側)には、自在キャスタ11が設置されており、これにより上記電気掃除機1の向きを円滑に変更できるようになっている。また、上記電気掃除機本体3内には、図示しないモータ、吸引ファン、フィルタ、等が内装されている。
【0015】
また、上記外筐8内には、超音波発振器17が設置されている。この超音波発振器17は、所定の周波数及び振幅で電圧パルスを発生させるもので、この電圧パルスにより、後述する超音波振動子を振動させて超音波を発生させる。
なお、上記吸引ホース5は上記外筐8に着脱可能に連結されており、また、上記吸引ホース5の先端部には把持部19が取り付けられている。
【0016】
上記吸引ツール7には、
図2に示すように、吸引パイプ21がある。この吸引パイプ21の基端側(
図2中上側)は、上記吸引ホース5の先端側に着脱可能に挿入・連結される。また、上記吸引パイプ21の先端側には吸引ノズル23が、矢印aで示す方向に回動可能に設置されている。この吸引ノズル23には、底面側(
図2中下側)に開口された凹部25が形成されており、この凹部25の上側には上記凹部25内と上記吸引パイプ21内を連通させる吸引口27が設けられている。
【0017】
また、上記吸引パイプ21の後方(
図2中右側)には、超音波振動ユニット収容部材29が設置されており、この超音波振動ユニット収容部材29内には、超音波振動ユニット31が弾性部材としてのコイルスプリング33を介して上記吸引パイプ21の軸方向(
図2中上下方向)に移動可能に設置されている。
【0018】
上記超音波振動ユニット31には、
図2に示すように、まず、ブラケット35がある。このブラケット35は上記コイルスプリング33を介して上記超音波振動ユニット収容部材29の内側上端(
図2中上端)に連結されている。また、上記ブラケット35には超音波振動子37が設置されている。この超音波振動子37には、基端側振動部材39と先端側振動部材41があり、これら基端側振動部材39と先端側振動部材41の間に、第1ピエゾ素子43と第2ピエゾ素子45が介挿されている。上記先端側振動部材41の先端側(
図2中下側)には超音波ホーン47が固着されている。また、上記先端側振動部材41は固定板49を介して上記ブラケット35に固着されている。
【0019】
上記第1ピエゾ素子43と上記第2ピエゾ素子45は、電圧入力ケーブル50を介して、既に説明した超音波発振器17に接続されている。上記超音波発振器17によって発生された電圧パルスによって、上記第1ピエゾ素子43と第2ピエゾ素子45の厚み(
図2中上下方向の大きさ)が変動し、これにより、超音波振動が発生する。これにより、上記超音波ホーン47が超音波振動される。
なお、上記電圧入力ケーブル50は、上記吸引ホース5の外側に沿うように設置されている。
【0020】
上記超音波ホーン47は、
図3、
図4に示すように、幅広で、先端側47a(
図4中左下側)の厚みが基端側47bの厚みに対して薄くなっている。上記幅広であるが、既に説明した吸引ノズル23の内側の幅と略同じ幅に設定されている。また、上記先端側47aと基端側47bの長さは略同じに設定されていて、その境界部にはテーパ部47cが設けられている。また、
図3乃至
図5に示すように、上記超音波ホーン47の先端(
図3中左下側端)には、複数個(この第1の実施の形態の場合は8個)の溝51が形成されている。上記溝51を設けることにより、
図6に示すように、上記超音波ホーン47の反吸引口27側(
図6中右側)から吸引口27側(
図6中左側)への空気の流通を促すようになっている。
【0021】
また、
図7に示すように、上記超音波ホーン47の先端側は、対象物である絨毯53に接触するものであり、それによって、絨緞53に対して近距離で超音波振動の音圧を伝える。上記超音波振動の音圧により、上記絨毯53が振動されて、その表面の汚れや、内部に入り込んでいる塵埃が分離・遊動されるようになっている。上記絨毯53から分離・遊動された汚れや塵埃は溝51内で浮遊し吸引口27から吸引・除去される。
【0022】
また、
図2に示すように、上記超音波ホーン47は、吸引口27に対して、吸引ツール7の進行方向(
図2中右から左に向かう方向)の後側に配置されている。これにより、上記絨毯53から分離・遊動された汚れや塵埃が上記吸引口27に効果的に吸い込まれることになる。
【0023】
また、上記溝51を正面から視ると、
図8(a)に示すような形状になっていて、その基端側が円弧状に形成されている。これによって、超音波振動が上記超音波ホーン47の先端に集中することになる。また、上記超音波ホーン47の先端を側面から視ると、
図8(b)に示すように、円弧状に突出された形状になっている。これにより、上記超音波ホーン47の先端から超音波が拡散される。
【0024】
次に、上記超音波ホーン47の超音波振動の周波数と振幅の設定について説明する。上記超音波ホーン47の超音波振動の周波数と振幅は、対象物が容易に溶けないように設定される。
図9の表に示すように、周波数が28kHzの場合には振幅が11μm
0-P以下に設定され、周波数が40kHzの場合には振幅が4μm
0-P以下に設定され、周波数が60kHzの場合には振幅が3μm
0-P以下に設定されている。
なお、対象物が容易に溶けないとは「溶けるまでに5秒以上を必要とする」状態を意味する。
因みに、通常の掃除機で通常の掃除をする場合は、同じ場所に5秒以上静止して作業を行うことはない。
【0025】
上記設定値は、次のような実験から導き出された。
まず、周波数が28kHzで、振幅を3.8μm
0-P、4.4μm
0-P、6μm
0-P、6.2μm
0-P、8.2μm
0-P、10.2μm
0-Pのそれぞれに設定した場合、ビニール袋が溶けはじめるまでの時間を測定した。これにより、
図10(a)に示すような結果が得られた。
なお、
図10(a)は横軸に振幅μm
0-Pをとり縦軸に溶融開始時間(sec)をとり、両者の関係を示した図である。「0-P」は片振幅を意味している。
上記結果によると、振幅が10.2μm
0-Pのときは10秒程度で溶けはじめ、8.2μm
0-Pのときは20秒程度で溶けはじめ、6.2μm
0-Pのときは60秒程度で溶けはじめ、3.8μm
0-P、4.4μm
0-P、6μm
0-Pのときは120秒程度で溶けはじめた。
この結果に基づいて、溶けはじめるまでの時間が5秒以上かかる振幅を予測するとともに安全率を考慮して、周波数が28kHzの場合は、振幅を11μm
0-P以下に設定した。
【0026】
また、周波数が40kHzで、振幅を2.3μm
0-P、4.0μm
0-P、6.2μm
0-P、8.3μm
0-Pのそれぞれに設定した場合は、
図10(b)に示すような結果が得られた。
なお、
図10(b)も横軸に振幅μm
0-Pをとり縦軸に溶融開始時間(sec)をとり、両者の関係を示した図である。
上記結果によると、振幅が8.3μm
0-Pのときは0秒で溶け始め、6.2μm
0-Pのときは2秒程度で溶けはじめ、4.0μm
0-Pのときは6秒程度で溶け始め、2.3μm
0-Pのときは20秒程度で溶け始めた。そこで、周波数が40kHzの場合は、振幅を4μm
0-P以下に設定した。
【0027】
また、周波数が60kHzで、振幅を2.2μm
0-P、4.1μm
0-P、6.1μm
0-Pのそれぞれに設定した場合は、
図10(c)に示すような結果が得られた。
なお、
図10(c)も横軸に振幅μm
0-Pをとり縦軸に溶融開始時間(sec)をとり、両者の関係を示した図である。
上記結果によると、振幅が6.1μm
0-Pのときは0秒程度で溶け始め、4.1μm
0-Pのときは1秒程度で溶け始め、2.2μm
0-Pのときは20秒程度で溶け始めた。そこで、周波数が40kHzの場合は、振幅を3μm
0-P以下に設定した。
【0028】
上記試験の結果の妥当性を確認するために、振幅を6μm
0-Pに設定し、周波数を28kHz、40kHz、60kHzとした場合について、溶融の有無を確認する実験を行った。その結果を
図11に示す。それによると、周波数が60kHzのときは0秒で溶け始め、周波数が40kHzのときは1秒で溶け始め、周波数が28kHzのときは60秒で溶け始めた。このことから、
図9の表に示した設定値の妥当性を確認することができる。
【0029】
次に、上記超音波ホーン47の溝51の深さ(d)(
図5に示す。)の設定について説明する。上記溝51の深さ(d)は、上記超音波ホーン47の先端において、上記溝51内の表面から発せられた超音波振動の音圧ができるだけ大きくなるように設定されている。
図12に示すように、超音波振動は、上記超音波ホーン47の表面から離れるほど減衰しながら周期的に変化していく。
なお、
図12は横軸に距離をとり縦軸に音圧をとり両者の関係を示した図である。
図12中円で囲んだ部分は、音圧が大きくなる、超音波振動の腹の部分となっている。
この
図12によると、上記超音波ホーン47の表面上での音圧が最も大きく次に、上記超音波ホーン47の表面から半波長(λ/2)だけ離れた位置で音圧が大きくなっていて、以下、半波長(λ/2)毎に音圧のピークをむかえる。そこで、上記溝51の深さ(d)を半波長(λ/2)以下であって振動の腹となるように設定すれば、上記溝51がある部分においても、上記超音波ホーン47の先端において上記超音波振動の音圧を大きくすることができる。
【0030】
上記半波長(λ/2)は、次のようにして求められる。
まず、音速(m/s)は、次の式(I)によって求められる。
C=f×λ―――(I)
ただし、
C:音速(m/s)
f:周波数(kHz)
λ:波長(mm)
【0031】
上記式(I)を変形すると、波長が求められる。
λ=C/f―――(II)
ただし、
λ:波長(mm)
C:音速(m/s)
f:周波数(kHz)
【0032】
上記式(II)のλを1/2にしたものが半波長である。
λ/2=C/(2×f)―――(III)
ただし、
λ:波長(mm)
C:音速(m/s)
f:周波数(kHz)
【0033】
また、上記音速C(m/s)は気温によって異なる。
気温による音速Cと、この音速Cから算出される周波数fと、波長λ、半波長λ/2の関係を、
図13の表に示す。
すなわち、周波数が28.0kHzの場合は上記溝51の深さ(d)を6mm以下に設定し、周波数が40.0kHzの場合は上記溝51の深さ(d)を4mm以下に設定し、周波数が60.0kHzの場合は上記溝51の深さ(d)を3mm以下に設定するのがよい。
また、上記溝51の深さ(d)は、超音波振動によって上記絨毯53から分離された汚れや塵埃を上記吸引口27から吸引させるために上記溝51内で浮遊させることができる程度に設定される必要がある。前記したような溝51の深さ(d)の設定値は、何れも、上記絨毯53から分離された汚れや塵埃を上記溝51内で浮遊させるには十分なものである。
【0034】
また、ここで、周波数が28kHz、振幅を30μm
0-P、超音波ホーン47をφ8mmの円筒形として、上記超音波ホーン47から発せられる超音波振動によって紙片を移動させる実験を行ったところ、
図14(a)に示すような結果が得られた。
なお、
図14(a)は、横軸に振動面からの距離(mm)をとり、縦軸に紙片が動いた距離(mm)をとり、両者の関係を示した図である。
上記結果によると、上記超音波ホーン47の表面から距離が離れるほど紙片が動いた距離は小さくなっていく。また、前述した周波数が28.0kHzの場合に設定される上記溝51の深さ(d)と同じ6mmの位置では、上記紙片が動いた距離が7mm程度と大きなものになっている。
【0035】
また、周波数が60kHz、振幅を6μm
0-P、超音波ホーン47をφ7.5mmの円筒形として、上記超音波ホーン47から発せられる超音波振動によって紙片を移動させる実験を行ったところ、
図14(b)に示すような結果が得られた。
なお、
図14(b)は、横軸に振動面からの距離(mm)をとり、縦軸に紙片が動いた距離(mm)をとり、両者の関係を示した図である。
上記結果によると、上記超音波ホーン47の表面から離れるほど、紙片が動いた距離は小さくなっていく。また、前述した周波数が60.0kHzの場合に設定される上記溝51の深さ(d)と同じ3mmの位置では、上記紙片が動いた距離が7mm程度と大きなものになっている。
なお、この
図14(b)のグラフでは、3mmの位置に、紙片が動いた距離の山の頂点(振動の腹)が現われている。
【0036】
また、周波数を28kHzとし、超音波振動の振幅を変化させて、上記超音波ホーン47の表面からの距離が10mmの位置での、紙片が動いた距離を測定したところ、
図15に示すような結果が得られた。
なお、
図15は、横軸に振動振幅(μm
0-P)をとり、縦軸に紙片が動いた距離(mm)を取り、両者の関係を示した図である。
上記結果によると、超音波振動の振幅が大きいほど、紙片が受ける影響が大きくなっている。
【0037】
次に、周波数を変化させ、上記超音波ホーン47の表面からの距離が3mmの位置での、振幅の減衰率を測定すると、
図16(a)に示すような結果が得られた。
なお、
図16(a)は、横軸に周波数(kHz)をとり、縦軸に振幅の減衰率(%)をとり、両者の関係を示した図である。
また、周波数を変化させ、上記超音波ホーン47の表面からの距離が5mmの位置での、振幅の減衰率を測定すると、
図16(b)に示すような結果が得られた。
なお、
図16(b)は、横軸に周波数(kHz)をとり、縦軸に振幅の減衰率(%)をとり、両者の関係を示した図である。
上記結果によると、周波数が低いほど減衰率が低くなっており、周波数を低く設定すればよいことがわかる。
【0038】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、吸引ツール7を吸引ホース5の先端に取り付け、図示しないモータを動作させると共に、超音波発振器17を動作させる。これにより、吸引口27からの吸引が開始されるとともに、超音波ホーン47の超音波振動が開始される。
次に、対象物である絨毯53に、超音波ホーン47の先端を接触させる。これにより、上記絨毯53が振動され、汚れや塵埃が分離・遊動され、溝51内を浮遊しながら進行方向側に飛ばされる。
上記汚れや塵埃は、上記吸引口27から吸引される。
【0039】
また、超音波振動ユニット31はコイルスプリング33を介して上記吸引パイプ21の軸方向(
図2中上下方向)に移動可能に設置されているので、上記コイルスプリング33の弾性力により、上記超音波ホーン47の先端が、適切な圧力で上記絨毯53に接触される。
【0040】
以上、本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、超音波振動によって汚れや塵埃を分離・遊動させ効果的に吸引することができる。これは、吸引口27の近傍に超音波ホーン47が設置されていて、この超音波ホーン47によって対象物である絨毯53から汚れや塵埃が分離・遊動されるからであり、また、上記超音波ホーン47には溝51が形成されているので、上記超音波ホーン47の反吸引口27側(
図6中右側)から上記吸引口27側(
図7中左側)へ空気の流れが促進され、且つ、上記溝51内で上記汚れや塵埃が効果的に浮遊されるからである。
また、上記超音波ホーン47は幅広な形状であるため、広い範囲にわたって、上記絨毯53から汚れや塵埃が分離・遊動させることができる。
また、上記超音波ホーン47が吸引口27の後方に配置されているので、超音波振動により分離・遊動された塵埃を効率良く吸引することができる。
因みに、上記超音波ホーン47が上記吸引口27の前方に設置されていたと仮定すると、吸引により塵埃が上記超音波ホーン47の後方へ遊動されてしまう。このとき、上記吸引により塵埃が誘導された部分は、上記超音波ホーン47が通過したあとなので、この部分については、上記超音波ホーン47の超音波振動の効果が得られなくなってしまうことになる。
【0041】
また、超音波振動ユニット31はコイルスプリング33を介して上記吸引パイプ21の軸方向(
図2中上下方向)に移動可能に設置されているので、上記コイルスプリング33の弾性力により、上記超音波ホーン47の先端を適切な圧力で上記絨毯53に接触させることができる。
【0042】
また、上記溝51を正面から視ると、
図8(a)に示すように、上記溝51の基端側が円弧状になっているので、上記超音波ホーン47の先端に超音波振動を集中させ、上記絨毯53から汚れや塵埃を効果的に分離・遊動させることができる。
また、上記超音波ホーン47の先端を側面側から視ると、
図8(b)に示すように、円弧状に突出された形状になっていて、超音波振動が拡散されるので、広範囲で絨毯53から汚れや塵埃が分離・遊動させることができる。
また、上記溝51の深さ(d)は、上記超音波ホーン47の超音波振動の空気を媒体とした場合の半波長(λ/2)以下であって振動の腹となるように設定されているので、上記超音波ホーン47の先端の上記溝51が形成された部分においても、大きな振幅で超音波振動を発生させることができ、効果的に上記絨毯53から汚れや塵埃が分離・遊動させることができる。
【0043】
次に、
図17を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態の場合には、ハンディタイプの電気掃除機1に本願発明を適用した例を示すものである。
なお、前記第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
このようなハンディタイプの電気掃除機1であっても同様の効果を奏することができる。
【0044】
次に、
図18を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態では、吸引ツール61を黒板消しクリーナ63に適用したものである。
上記黒板消しクリーナ63には中空の外筐65がある。この外筐65の
図18中上側には吸引口67が開口されている。また、上記外筐65内には、真空吸引部69が設置されており、この真空吸引部69は、図示しないモータと、吸引ファンと、フィルタと、等から構成されている。この真空吸引部69により、上記外筐65外部から上記吸引口67を介して吸引が行われる。
【0045】
上記吸引ツール61は、
図18中上側が開口された網状のケース71と、このケース71の内周側に設置されたフィルタ73と、上記ケース71の底面に設置された超音波振動子37とから構成される。この超音波振動子37の超音波ホーン47の先端は、対象物である黒板消し75の表面に接触される。また、図示しない超音波発振器が内装されていて、この超音波発振器と上記超音波振動子37は図示しない電圧入力ケーブルによって接続されている。
なお、超音波振動子37の構成は、前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
【0046】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、真空吸引部69を動作させて吸引を開始するとともに、超音波振動子37の動作を開始させる。
次に、対象物である黒板消し75を、上記吸引口67上で
図18中左右方向に移動させる。このとき、超音波ホーン47の超音波振動により、上記黒板消し75に付着したチョークの粉が分離・遊動され、外筐65内へ吸引される。
【0047】
以上、この第3の実施の形態においても、前記第1、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0048】
尚、本発明は前記第1乃至第3の実施の形態に限定されるものではない。
超音波ホーンの溝の形状、数、溝の深さ、等については、様々な場合が考えられる。
前記第1の実施の形態では、電圧入力ケーブルを吸引ホースの外側に沿うように設置していたが、上記吸引ホースの内部に通してもよい。
又、前記第1乃至第3の実施の形態では、移動式の電気掃除機、ハンディタイプの電気掃除機、黒板消しクリーナ、を例に挙げて説明したが、染み抜き、その他様々な場所で使用される吸引ツールに適用可能である。
その他、図示した構成はあくまで一例でありそれに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、吸引ツールに係り、特に、超音波振動によって汚れや塵埃を分離・遊動させ効果的に吸引できるように工夫したものに関し、例えば、電気掃除機や黒板消しクリーナに好適である。
【符号の説明】
【0050】
7 吸引ツール
21 吸引パイプ(吸引ツール本体の一部)
27 吸引口
29 超音波振動ユニット収容部材(吸引ツール本体の一部)
33 コイルスプリング(弾性部材)
37 超音波振動子
47 超音波ホーン
51 溝