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特許7130118ボールの回転を測定するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】ボールの回転を測定するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G01P 3/36 20060101AFI20220826BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
G01P3/36 C
A63B69/36 541Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021513915
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 KR2021000420
(87)【国際公開番号】W WO2021145653
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0006247
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0143813
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519384770
【氏名又は名称】クリーツ インク
【氏名又は名称原語表記】CREATZ., INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ホ スク
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ ホ スク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン ソク チョイ
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-054951(JP,A)
【文献】特表2018-525043(JP,A)
【文献】特表2013-535715(JP,A)
【文献】特開2016-218014(JP,A)
【文献】特開2018-004638(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0353828(US,A1)
【文献】特表2016-503893(JP,A)
【文献】特表2013-538067(JP,A)
【文献】特開2002-148269(JP,A)
【文献】特開平09-061363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 3/36,
A63B 69/00-69/40,
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールの回転を測定するための方法であって、
物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージそれぞれから、開口面を有する複数のディンプル(dimple)を検出する段階、および
前記複数のイメージのうち第1イメージから検出される複数のディンプルの属性および第2イメージから検出される複数のディンプルの属性間の関連性を参照して前記ボールの回転に関する物理量を測定する段階を含
前記検出する段階では、複数の前記イメージのそれぞれにおける明るい領域の中心の位置に基づいて複数の前記ディンプルのそれぞれの位置を検出し、複数の前記イメージのそれぞれで前記ボールに対して光が加えられる方向を参照して複数の前記ディンプルのそれぞれの位置を補正する、方法。
【請求項2】
前記検出段階で、前記ボールのディンプルの大きさと同一または類似する大きさのウインドウ(window)を有する少なくとも一つのフィルタを前記複数のイメージそれぞれに対して適用することによって、前記複数のディンプルに対する識別力を向上させるための前処理を遂行する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出段階で、ガウシアンフィルタに基づいて中心部の大きさを所定水準増加させて分布の平均が所定水準に維持され得るようにオフセットさせたフィルタを適用することによって、前記複数のイメージの対比(contrast)を増加させる前処理を遂行する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定段階は、
前記第1イメージから検出される複数のディンプルのうち少なくとも一つのディンプル対の属性と前記第2イメージから検出される複数のディンプルのうち少なくとも一つのディンプル対の属性とを互いに比較して、マッチングの程度を基準として少なくとも一つの連係ディンプル対を決定する段階、および
前記少なくとも一つの連係ディンプル対の回転情報を参照して前記ボールの回転に関する物理量を測定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記測定段階は、
前記第1イメージから検出される複数のディンプルのうち少なくとも一つのディンプル対の属性と前記第2イメージから検出される複数のディンプルのうち少なくとも一つのディンプル対の属性とを互いに比較して、マッチングの程度を基準として少なくとも一つの第1連携ディンプル対を決定する段階、および
前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の回転情報に基づいて算出される前記第1イメージおよび前記第2イメージの複数のディンプル間のマッチングの程度を基準として、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の中から少なくとも一つの第2連携ディンプル対を決定する段階、および
前記少なくとも一つの第2連携ディンプル対の回転情報を参照して前記ボールの回転に関する物理量を測定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載された方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する、非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体。
【請求項7】
ボールの回転を測定するためのシステムであって、
物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージそれぞれから、開口面を有する複数のディンプル(dimple)を検出するディンプル検出管理部、および
前記複数のイメージのうち第1イメージから検出される複数のディンプルの属性および第2イメージから検出される複数のディンプルの属性間の関連性を参照して前記ボールの回転に関する物理量を測定する物理量測定部を含
前記ディンプル検出管理部は、複数の前記イメージのそれぞれにおける明るい領域の中心の位置に基づいて複数の前記ディンプルのそれぞれの位置を検出し、複数の前記イメージのそれぞれで前記ボールに対して光が加えられる方向を参照して複数の前記ディンプルのそれぞれの位置を補正する、システム。
【請求項8】
前記ディンプル検出管理部は、前記ボールのディンプルの大きさと同一または類似する大きさのウインドウ(window)を有する少なくとも一つのフィルタを前記複数のイメージそれぞれに対して適用することによって、前記複数のディンプルに対する識別力を向上させるための前処理を遂行する、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ディンプル検出管理部は、ガウシアンフィルタに基づいて中心部の大きさを所定水準増加させて分布の平均が所定水準に維持され得るようにオフセットさせたフィルタを適用することによって、前記複数のイメージの対比(contrast)を増加させる前処理を遂行する、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記物理量測定部は、前記第1イメージから検出される複数のディンプルのうち少なくとも一つのディンプル対の属性と前記第2イメージから検出される複数のディンプルのうち少なくとも一つのディンプル対の属性とを互いに比較して、マッチングの程度を基準として少なくとも一つの連係ディンプル対を決定し、前記少なくとも一つの連係ディンプル対の回転情報を参照して前記ボールの回転に関する物理量を測定する、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記物理量測定部は、前記第1イメージから検出される複数のディンプルのうち少なくとも一つのディンプル対の属性と前記第2イメージから検出される複数のディンプルのうち少なくとも一つのディンプル対の属性とを互いに比較して、マッチングの程度を基準として少なくとも一つの第1連携ディンプル対を決定し、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の回転情報に基づいて算出される前記第1イメージおよび前記第2イメージの複数のディンプル間のマッチングの程度を基準として、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の中から少なくとも一つの第2連携ディンプル対を決定し、前記少なくとも一つの第2連携ディンプル対の回転情報を参照して前記ボールの回転に関する物理量を測定する、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボールの回転を測定するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーが都心などにおいても少ない費用でバーチャルでゴルフを楽しめるようにするバーチャルゴルフシステムが広く普及されている。このようなバーチャルゴルフシステムは、ゴルファーがゴルフボールを打つとそのゴルフボールを撮影したイメージを多数獲得し、その軌跡、間隔、大きさなどに基づいてゴルフボールに関する物理量を測定し、これに基づいてシミュレーションを行ってゴルフショットのシミュレーション結果をスクリーン上に表示することをその基本コンセプトとすることができる。このようなバーチャルゴルフシステムでは、ゴルフボールの撮影されたイメージをできるだけ良好な状態で獲得することが重要である。
【0003】
これと関連して、韓国公開特許第10-2009-0112538号公報は、照明の位置や色相を調節しながらゴルフの練習場面を撮影することによってゴルフボールのイメージをより多様に獲得する技術に関して開示している(前記公報の明細書はその全体として本明細書に編入されたものと見なされるべきである)。しかし、この技術を含む多くの従来技術は、ゴルフボールの物理量を正確に測定するのに必要なゴルフボ-ルのイメージを良好な状態で獲得するのには必要な技術であるが、複数のゴルフボ-ルのイメージから得ることができるディンプル(dimple)を利用してゴルフボールの回転に関する物理量を測定する技術に関しては関心を示していないのが事実である。
【0004】
本発明者(ら)は、カメラから獲得されるゴルフボールに関する複数のイメージから検出されるディンプルを分析してゴルフボールの回転に関する物理量を正確に測定できる、新規かつ進歩した技術に関して提案するところである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した従来技術の問題点をすべて解決することをその目的とする。
【0006】
また、本発明は、複数のボールイメージに亘って示されるディンプルを分析し、ボールの回転に関する物理量を簡便かつ正確に測定することをその目的とする。
【0007】
また、本発明は、物理量測定の対象となるボールにマークや標識がなくても該当ボールの回転に関する物理量を正確に測定することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0009】
本発明の一態様によると、ボールの回転を測定するための方法であって、物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージそれぞれから、開口面を有する複数のディンプル(dimple)を検出する段階、および前記複数のイメージのうち第1イメージから検出される複数のディンプルの属性および第2イメージから検出される複数のディンプルの属性間の関連性を参照して前記ボールの回転に関する物理量を測定する段階を含み、前記検出する段階では、複数の前記イメージのそれぞれにおける明るい領域の中心の位置に基づいて複数の前記ディンプルのそれぞれの位置を検出し、複数の前記イメージのそれぞれで前記ボールに対して光が加えられる方向を参照して複数の前記ディンプルのそれぞれの位置を補正する、方法が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によると、ボールの回転を測定するためのシステムであって、物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージそれぞれから、開口面を有する複数のディンプル(dimple)を検出するディンプル検出管理部、および前記複数のイメージのうち第1イメージから検出される複数のディンプルの属性および第2イメージから検出される複数のディンプルの属性間の関連性を参照して前記ボールの回転に関する物理量を測定する物理量測定部を含み、前記ディンプル検出管理部は、複数の前記イメージのそれぞれにおける明るい領域の中心の位置に基づいて複数の前記ディンプルのそれぞれの位置を検出し、複数の前記イメージのそれぞれで前記ボールに対して光が加えられる方向を参照して複数の前記ディンプルのそれぞれの位置を補正する、システムが提供される。
【0011】
この他にも、本発明を具現するための他の方法、他のシステムおよび前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、複数のボールイメージに亘って示されるディンプルを分析し、ボールの回転に関する物理量を簡便かつ正確に測定することができる。
【0013】
また、本発明によると、物理量測定の対象となるボールにマークや標識がなくても該当ボールの回転に関する物理量を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例に係る測定システムの内部構成を詳細に図示する図面である。
図2】本発明の一実施例によりボールのディンプルを検出するために、複数のイメージそれぞれに対して遂行され得る前処理過程を例示的に示す図面である。
図3】本発明の一実施例によりボールのディンプルを検出するために、複数のイメージそれぞれに対して遂行され得る前処理過程を例示的に示す図面である。
図4】本発明の一実施例によりボールのディンプルを検出するために、複数のイメージそれぞれに対して遂行され得る前処理過程を例示的に示す図面である。
図5】本発明の一実施例に係るバーチャルゴルフシミュレーションシステムで本発明の一実施例に係る測定システムが活用される状況を例示的に図示する図面である。
図6】本発明の一実施例によりボールの回転に関する物理量が測定される状況を例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として図示する添付図面を参照する。このような実施例は当業者が本発明を実施できるほど充分かつ詳細に説明される。本発明の多様な実施例は互いに異なるが互いに排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造および特性は、本発明の精神と範囲を逸脱することなく一実施例から他の実施例に変更されて具現され得る。また、それぞれの実施例内の個別構成要素の位置または配置も本発明の精神と範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと理解されるべきである。図面で類似する参照符号は多様な側面に亘って同一または類似する構成要素を示す。
【0016】
以下では、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の多様な好ましい実施例に関して添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
〔測定システムの構成〕
【0018】
図1は、本発明の一実施例に係る測定システム100の内部構成を詳細に図示する図面である。
【0019】
図1に図示された通り、測定システム100はディンプル検出管理部110、物理量測定部120、通信部130および制御部140を含んで構成され得る。本発明の一実施例によると、ディンプル検出管理部110、物理量測定部120、通信部130および制御部140は、そのうち少なくとも一部が外部システム(図示されずと)と通信するプログラムモジュールであり得る。このようなプログラムモジュールは運営システム、アプリケーションモジュールまたはその他プログラムモジュールの形態で測定システム100に含まれ得、物理的には多様な公知の記憶装置に保存され得る。また、このようなプログラムモジュールは測定システム100と通信可能な遠隔記憶装置に保存されてもよい。一方、このようなプログラムモジュールは、本発明により後述する特定の業務を遂行したり、特定の抽象データ類型を実行するルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを包括するが、これに制限されはしない。
【0020】
一方、測定システム100について前記のように説明されたが、このような説明は例示的なものであり、測定システム100の構成要素または機能のうち少なくとも一部が必要に応じて公知のバーチャルゴルフシミュレーションシステムで実現されたり、公知のバーチャルゴルフシミュレーションシステム内に含まれてもよいことは当業者に自明である。また、場合によっては、測定システム100のすべての機能とすべての構成要素が公知のバーチャルゴルフシミュレーションシステム内ですべて実行されたり、公知のバーチャルゴルフシミュレーションシステム内にすべて含まれてもよい。
【0021】
まず、本発明の一実施例に係るディンプル検出管理部110は、物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージそれぞれから複数のディンプルを検出する機能を遂行することができる。
【0022】
例えば、ディンプル検出管理部110は前記撮影される複数のイメージそれぞれに対して複数のディンプルに関する識別力を向上させるための前処理を遂行することができ、その前処理された複数のイメージを基準として複数のディンプルを検出することができる。
【0023】
より具体的には、ディンプル検出管理部110は複数のイメージ201それぞれに対してブラー(blur)、ヒストグラム均一化(histogram equalization)、コントラスト(contrast)、適応型閾値2値化処理(adaptive thresholding binarization)およびモルフォロジー(morphology)のうち少なくとも一つの前処理を遂行することによって、前記複数のイメージの安定化(stabilization)、ノイズ除去、品質向上などがなされるようにすることができる。一方、前記のような前処理過程はボールのディンプルの大きさと同一または類似する大きさのウインドウ(window)に基づいて遂行され得、例えば、ボールのディンプルの大きさと同一または類似する大きさのウインドウを有する少なくとも一つのフィルタ(例えば、ブラー、コントラスト、適応型閾値2値化処理およびモルフォロジーのうち少なくとも一つの処理のためのフィルタ)に基づいて、複数のイメージそれぞれに対して(または各イメージ内でディンプルと推定される領域を中心に)処理(例えば、フィルタとイメージ間の合成積(convolution)演算)が遂行され得る。
【0024】
例えば、本発明の一実施例により複数のイメージ201それぞれに対して遂行される前処理過程を図2を参照して詳察すると、(1)まず、ディンプル検出管理部110は前記複数のイメージ201それぞれに対してノイズを減少させるためのブラー処理を遂行することができる。(2)その後、ディンプル検出管理部110は複数のイメージそれぞれに対して原本イメージと明るさは同一に維持されながら対比は増加するようにするコントラスト処理を遂行することができる202。前記コントラスト処理を図3を参照して詳察すると、コントラスト処理のためのガウシアンフィルタ(Gaussian filter)(具体的には、ノーマルガウシアンフィルタ)310に基づいてそのフィルタの中心部(具体的には、中心およびその周辺)の大きさを所定水準増加させ320、該当フィルタの全体的な分布の平均が所定水準(例えば、0または1や、前記のように大きさを増加させる前と同一水準)に維持され得るようにオフセットさせた(例えば、該当フィルタを負の方向に平行移動させた)フィルタ330を適用することによって、複数のイメージそれぞれにおいて平均明るさは維持されながらも対比は増加するように処理することができる。(3)その後、ディンプル検出管理部110は前記複数のイメージそれぞれで(具体的には、各イメージ領域で各ディンプル領域を中心に)適応型閾値2値化処理を遂行することができる203。例えば、各ディンプルの隣接領域を中心にピクセルの明るさを分析(例えば、前記複数のイメージそれぞれで特定される各ディンプルの適応閾値(adaptive threshold)で各ピクセルごとにその周辺に対する明るさの平均を算出し、その明るさの平均に基づいて各ディンプルの臨界値を算出)して2値化処理を遂行することによって、各ディンプル領域をより明確に特定することができる。一方、ピクセルの明るさを分析する過程で前記明るさの平均の算出のための合計を再度算出する代わりに、全体領域に対して累積して管理され得る累積マップ(accumulation map)に関する情報に基づいて該当処理が遂行されるようにすることによって演算負荷を減少させてもよい。(4)その後、ディンプル検出管理部110は、前記複数のイメージそれぞれに対してモルフォロジー演算を遂行することによって、複数のイメージそれぞれで各ディンプル領域がより明確に示されるように処理することができる。(5)その後、ボールが撮影される過程でボールに対して加えられる光(例えば、カメラ撮影のために加えられる赤外線LED照明または日光)によって、複数のイメージそれぞれではボールのディンプルに該当する領域が他の領域に比べて明るく示されることになるため、ディンプル検出管理部110は複数のイメージそれぞれで明るい領域を基準として複数のディンプル(具体的には、ボールイメージ内での各ディンプルの位置)を検出することができる204。(6)一方、ディンプル検出管理部110は、複数のイメージそれぞれから検出されるボールに対して光が加えられる方向に基づいて複数のイメージそれぞれでのディンプルの位置を補正することができる。例えば、図4を参照すると、前記のように複数のイメージそれぞれで明るい領域を基準として複数のディンプル401を検出すると、その複数のイメージそれぞれから検出されるディンプルの位置410はボールに対して光が加えられる方向によって、ボール(またはディンプル401)の形状に起因して実際のディンプルの位置420に比べて誤差が発生し得る。例えば、ボールおよびディンプル401の曲率などのため、各ディンプル401の法線と光が加えられる方向がなす角度の差が大きくなるほど暗い領域(すなわち、光が到達しない領域)402が増加し明るい領域403が減少することになり、その明るい領域403の中心の位置410は実際のディンプルの中心の位置420に対してより大きな誤差を有するようになる。したがって、ディンプル検出管理部110は光が加えられる方向に基づいて、前記のように検出されるディンプル401の位置(具体的には明るい領域403の中心の位置)に対して所定のオフセットを付与することによって、複数のイメージそれぞれで各ディンプル401の位置をより正確に特定することができる。より具体的には、ディンプル401の直径d(または半径)およびディンプル401の開口面が所定地点(例えば、地面)となす角度θを中心に、複数のイメージそれぞれで明るい領域の中心の位置410が実際のディンプルの中心の位置420と一致するようにオフセットを付与することによって、複数のイメージそれぞれで各ディンプル401の位置をより正確に検出することができる。一方、このようなオフセットの大きさはsin関数またはcos関数に基づいて特定され得、例えばk・d・sin(2θ)/4(ここで、kは所定の加重値)で特定され得る。一方、追加的な光源(例えば、日光)が存在する場合には、その追加光源の位置をさらに参照してディンプルの位置を補正することができる。例えば、室外のように室内の照明の他に日光がさらに加えられる場合には、その日光が加えられる位置(例えば、太陽の高度に関する情報を参照して特定される)を参照して前述した過程と類似する過程を遂行することによって、複数のイメージから検出されるディンプルの位置をさらに補正することができる。一方、室内の照明が利用されず日光のみが加えられる場合には、その日光が加えられる位置のみを考慮してディンプルの位置を補正してもよい。
【0025】
一方、ディンプル検出管理部110は、物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージそれぞれでそのボールに該当する領域内に示される少なくとも一つの標識(例えば、ロゴ、マークなど)が検出される場合に、その少なくとも一つの標識を少なくとも一つのディンプルとして特定することができる。
【0026】
例えば、ディンプル検出管理部110は検出される標識の縁をディンプル間の平均距離と類似する程度に破片化し、各破片が一つのディンプルを示すように処理することによって、該当標識を前述したディンプルと同様の方式で特定することができる。この場合に、前記のような標識をディンプルに分ける開始基準点がどこであるかによってディンプルの位置が異なって特定され得るため、その縁を破片化する開始点はボールが回転してもそれによる影響が最小化され得る地点(例えば、このような地点は最大曲率地点および最小曲率地点を参照して決定され得る)を参照して特定され得る。
【0027】
前記複数のイメージそれぞれから検出される少なくとも一つの標識は大体暗い色に該当し、ディンプルとは異なって明るさの差がほとんど示されないため該当領域からディンプルとして特定するのが多少困難であるが、その少なくとも一つの標識をディンプルと同様に活用できるようになるため、ボールから検出されるディンプルの数が少ない状況に備えることができる。
【0028】
次いで、本発明の一実施例に係る物理量測定部120は、複数のイメージのうち第1イメージから検出される複数のディンプルの属性および第2イメージから検出される複数のディンプルの属性間の関連性を参照してボールの回転に関する物理量を測定する機能を遂行することができる。本発明の一実施例に係るディンプルの属性は、ディンプル間の距離関係、位置関係、方向関係などを含む概念であり得る。また、本発明の一実施例によると、前記ボールの回転に関する物理量は、ボールの回転方向、回転速度、回転加速度、回転角速度、回転量などに関する情報を含むことができる。ただし、本発明に係るボールの回転に関する物理量は前記列挙された情報に必ずしも限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内で多様に変更され得ることを明らかにしておく。また、本発明の一実施例に係る複数のディンプルの属性間の関連性は、複数のディンプルの属性が物理的、空間的、数値的、または論理的に互いにどれほど一致または類似するかを示す概念であり得る。
【0029】
例えば、物理量測定部120は第1イメージの複数のディンプルから特定される少なくとも一つのディンプル対(このようなディンプル対は少なくとも二つのディンプルでなり得る)の属性と第2イメージの複数のディンプルから特定される少なくとも一つのディンプル対の属性とを互いに比較して、そのマッチングの程度を基準として少なくとも一つの第1連携ディンプル対を決定し、その決定される少なくとも一つの第1連携ディンプル対の回転情報を参照してボールの回転に関する物理量を測定することができる。本発明の一実施例によると、前記のようなマッチングの程度はディンプル対の属性間の平均c、平均絶対値パーセントの誤差、行列の特異値の分解(singular value decomposition)など、多様な最小誤差算出方式に基づいて特定され得る。ただし、本発明に係るマッチングの程度は前記列挙された方式にのみ限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内でスコア(または加重値スコア)方式などに多様に変更され得ることを明らかにしておく。また、本発明の一実施例に係る第1連携ディンプル対は少なくとも二つのイメージそれぞれのディンプル対を含んで構成され得るが、例えば、前記マッチングの程度を基準として第1イメージの第1ディンプル対および第2イメージの第3ディンプル対と第1イメージの第2ディンプル対および第2イメージの第5ディンプル対が前記第1連携ディンプル対としてそれぞれ決定され得る。また、本発明の一実施例に係る第1連携ディンプル対の回転情報は、どの程度の回転がなされる場合に第1連携ディンプル対のマッチングがなされるかに関する情報を含む概念であり得る。例えば、前記第1ディンプル対が30度回転する場合に前記第3ディンプル対とマッチングされ、前記第2ディンプル対が40度回転する場合に前記第5ディンプル対とマッチングされると、その回転する角度である30度および40度に関する情報を前記回転情報として特定することができる。
【0030】
より具体的には、物理量測定部120は第1イメージの少なくとも一つのディンプル対(または第2イメージの少なくとも一つのディンプル対)に対して所定の回転(具体的には、ボールの回転)が発生するものと仮定して、第2イメージの少なくとも一つのディンプル対(または第1イメージの少なくとも一つのディンプル対)と(1)各ディンプル対の中心点が互いに一致する程度、(2)各ディンプル対を連結する直線(または線分)が互いに一致する程度、(3)所定の(または任意の)地点から第1ディンプルを連結する第1軸、前記所定地点から第2ディンプルを連結する第2軸および前記第1軸と第2軸に基づいて特定される第3軸(例えば、法線軸)に基づいて特定される各ディンプル対の3つの軸が互いに一致する程度などに基づいて前記ディンプル対間の属性を比較して分析(例えば、最小誤差が発生するかを比較して分析)することによって、マッチングの程度を基準として所定個数(例えば、上位10%または5個)の第1イメージのディンプル対および第2イメージのディンプル対を前記第1連携ディンプル対として決定することができる。より具体的には、第1イメージで10個のディンプルが特定される場合に総45個のディンプル対が特定され得、第2イメージで10個のディンプルが特定される場合に第1イメージと同様に総45個のディンプル対が特定され得、それぞれのディンプル対の属性間の比較は総2,025回(すなわち、45×45回)行うことができる。
【0031】
一方、本発明の一実施例に係る物理量測定部120は、複数のイメージそれぞれから特定される少なくとも一つのディンプル対のうち、ディンプル間の距離が所定範囲以内であるディンプル対を有効ディンプル対として決定し、その有効ディンプル対を基準として第1連携ディンプル対を決定することによって演算負荷を減少させてもよい。
【0032】
すなわち、ディンプル間の距離が第1距離以下である場合(すなわち、ディンプル間の距離が所定水準以下に近い場合)には、ディンプル間の距離が非常に近いためディンプル対間の属性を比較する過程で誤差(例えば、各誤差)が大きくなる可能性が高く、ディンプル間の距離が第2距離(このような第2距離は前記第1距離より大きく設定される)以上である場合(すなわち、ディンプル間の距離が所定水準以上に遠く離れた場合)には、ボールが回転するため隣接したイメージ内でマッチングの程度が高いディンプル対が検出されない可能性が高いので、ディンプル間の距離が所定範囲以内であるディンプル対のみを有効ディンプルとして決定し、これを基準として前記第1連携ディンプル対を決定することができる。一方、前記所定範囲はボールイメージ内でディンプル対が検出される確率(例えば、ボールの表面積と関連する)を参照して既設定されるか動的に特定され得る。
【0033】
また、本発明の一実施例により複数のイメージから特定されるディンプル対は必ずしも前述した実施例のようにそれぞれのイメージ全体で特定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内で各イメージ内の所定領域を中心にディンプル対が特定されるようにすることによって演算負荷を減少させ、演算速度を向上させてもよい。前記のようなイメージ内の所定領域は各イメージごとに同一であるか、または時間的に隣接したイメージの間で該当領域が回転できる範囲を考慮して特定され得る。
【0034】
また、物理量測定部120は第1イメージのディンプル対と第2イメージのディンプル対の間で回転可能な所定の回転範囲を特定し、前記決定される少なくとも一つの第1連携ディンプル対のうち、前記所定回転範囲内に存在する連係ディンプル対を前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対として決定することができる。例えば、本発明の一実施例によると、ボールの最大回転数およびボールを撮影するカメラのフレームレート(frame rate)を参照して、隣接したイメージの間でのイメージフレーム当たりボールの最大回転範囲が算出され得、これを基準として前記所定回転範囲が特定され得る。
【0035】
また、物理量測定部120は、ボールの回転に関する物理量をより正確に特定するために、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の回転情報に基づいて算出される第1イメージおよび第2イメージの複数のディンプル間のマッチングの程度を基準として、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の中から少なくとも一つの第2連携ディンプル対を決定し、その決定される第2連携ディンプル対の回転情報を参照してボールの回転に関する物理量を測定してもよい。
【0036】
より具体的には、物理量測定部120は、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対のうち第1イメージのディンプル対が、第1イメージと時間的に隣接した第2イメージの対応するディンプル対に回転する程度だけ第1イメージの複数のディンプルが回転する場合に、第1イメージの複数のディンプルが第2イメージの複数のディンプルと互いにマッチングされる程度を比較して分析し、そのマッチングの程度を基準として、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の中から所定個数(例えば、上位10%)のディンプル対を前記第2連携ディンプル対として決定し、その決定される第2連携ディンプル対の回転情報を参照してボールの回転に関する物理量を測定することができる。
【0037】
また、物理量測定部120は、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対のうち第1イメージのディンプル対が、第1イメージと時間的に所定水準離れた第3イメージの対応するディンプル対に回転する程度だけ第1イメージから特定される各ディンプルが回転する場合に、第1イメージから特定される各ディンプルが第3イメージから特定される各ディンプルと互いにマッチングされる程度を比較して分析し、そのマッチングの程度を基準として、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の中から所定個数(例えば、上位10%)のディンプル対を前記第2連携ディンプル対として決定し、その決定される第2連携ディンプル対の回転情報をさらに参照して、前述した時間的に隣接したイメージの間で特定される第2連携ディンプル対を決定したり、その決定される第2連携ディンプル対の回転情報を参照してボールの回転に関する物理量を測定してもよい。
【0038】
一方、前記のように、第1イメージの複数のディンプルと第2イメージの複数のディンプル間のマッチングの程度を比較する過程で演算負荷を減少させるために、各イメージ内で少なくとも一つの第1連携ディンプル対が存在する地点を特定し、その地点を中心に隣接領域内に存在するディンプルのみを比較して分析することによって、前記マッチングの程度が迅速かつ簡単に決定され得る。前記のような隣接領域を中心とする比較分析のために、疑似逆行列(pseudoinverse)または行列の特異値の分解(singular value decomposition)等の多様な方式が活用され得る。また、シータファイ(theta-phi)基準、X、Y、Z座標基準、フィボナッチ格子(Fibonacci lattice)基準などに基づいて各イメージ内の領域が複数の領域に区分され得、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対が存在する地点を中心にその隣接領域が特定され得る。
【0039】
次いで、本発明の一実施例に係る通信部130は、ディンプル検出管理部110および物理量測定部120からの/へのデータの送受信を可能にする機能を遂行することができる。
【0040】
最後に、本発明の一実施例に係る制御部140は、ディンプル検出管理部110、物理量測定部120および通信部130間のデータの流れを制御する機能を遂行することができる。すなわち、制御部140は測定システム100の外部からの/へのデータの流れまたは測定システム100の各構成要素間のデータの流れを制御することによって、ディンプル検出管理部110、物理量測定部120および通信部130でそれぞれ固有の機能を遂行するように制御することができる。
【0041】
図5は、本発明の一実施例に係るバーチャルゴルフシミュレーションシステム200で本発明の一実施例に係る測定システム100が活用される状況を例示的に図示する図面である。
【0042】
図5に図示された通り、バーチャルゴルフシミュレーションシステム200は打撃部10、照明装置20、撮影装置210、シミュレータ220および表示装置230を含んで構成され得る。また、本発明の一実施例に係るシミュレータ220には本発明に係る測定システム100が含まれ得る。
【0043】
まず、本発明の一実施例に係る打撃部10は、ゴルファーがバーチャルゴルフシミュレーションシステム200を利用する際に、その上に上がって立ってゴルフボールを置いて打つ部分であり得る。このような打撃部10はその傾斜角が調節され得る公知のスイングプレートを含むことができる。因みに、本発明が他の種類のバーチャルスポーツシミュレータシステムに適用される場合に、当業者は打撃部10の構成を、必要な場合、それとともに連動する他の構成要素の構成と共に、該当スポーツの特性に合うように適切に変更することができる。
【0044】
次いで、本発明の一実施例に係る照明装置20は、ゴルファーが室内や室外でバーチャルゴルフを楽しむ場合に人為的に光を照射できる装置であり得る。このような照明装置20は必要に応じてオンオフになったり、その明るさが調節され得る。好ましくは、照明装置20は光の揺れ現象によるゴルフボ-ルのイメージの自然的な劣化を防ぐための赤外線照明(例えば、LED)であり得る。
【0045】
次いで、本発明の一実施例に係る撮影装置210は、少なくとも一つのカメラ(例えば、高速カメラ)(図示されず)を含んでゴルフボールのイメージ(例えば、運動しているゴルフボールのイメージ)を二つ以上獲得する機能を遂行することができる。このような撮影装置210は図5に図示された通り、運動するゴルフボールを上から下に見下ろす位置に配置されてもよいが、その他の位置に配置されてもよい。
【0046】
一方、本発明の一実施例に係る撮影装置210は、撮影速度が異なる少なくとも二つのカメラ(図示されず)を利用してゴルフボールのイメージを順次獲得することによって、高速カメラと類似する性能を具現してもよい。すなわち、この場合には、前記少なくとも二つのカメラが互いに同期化されなくてもよいため、高価の装備を具備しなくてもよい。
【0047】
一方、本発明の一実施例によると、ゴルフボールのイメージは撮影されたゴルフボールの表面に所定のディンプルが鮮明に形成されているため、そのディンプルの特定によいものであるほどさらに良好なものと言える。例えば、ゴルフボールのイメージでボールに該当する領域に形成されたディンプルがより鮮明であるほど、後述するようなシミュレータ220が多数のゴルフボ-ルのイメージに亘って示されるディンプルをさらに正確に捕捉することができるため、ゴルフボールの物理量(例えば、回転速度および回転方向)をさらに正確に演算することができる。
【0048】
次いで、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージそれぞれから複数のディンプルを検出し、前記複数のイメージのうち第1イメージから検出される複数のディンプルの属性および第2イメージから検出される複数のディンプルの属性間の関連性を参照してボールの回転に関する物理量を測定する機能を遂行することができる。
【0049】
一方、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は撮影装置210および表示装置230と通信でき、バーチャルゴルフシミュレーションシステム200のための専用プロセッサを含むことができる。このような専用プロセッサはメモリ手段を具備し、数値演算能力とグラフィック処理能力を備えたものであり得る。
【0050】
最後に、本発明の一実施例に係る表示装置230はシミュレータ220の物理量の測定、仮想現実の具現などの結果を表示する機能を遂行することができる。このような表示装置230は所定のディスプレイ手段を通じて所定の映像を表示することができるが、例えば、打撃されたゴルフボールの衝撃を吸収する一方、直接発光しはしないスクリーンと、このようなスクリーンに映像を出力するプロジェクタで構成され得る。
【0051】
以下では、以上で詳察したバーチャルゴルフシミュレーションシステム200を利用して、使用者がゴルフボールを打撃する場合にそのゴルフボールの回転に関する物理量を測定する過程を詳察する。
【0052】
まず、本発明の一実施例に係る打撃部10で使用者によってゴルフボ-ルが打撃されると、撮影装置210によってその打撃されるゴルフボールに対する複数のイメージが獲得され得る。
【0053】
その後、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、ボールのディンプルの大きさと同一または類似する大きさのウインドウを有する少なくとも一つのフィルタに基づいて、前記複数のイメージそれぞれに対してブラー、コントラスト、適応型閾値2値化処理およびモルフォロジーのうち少なくとも一つの前処理を遂行することができる。
【0054】
その後、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージ(例えば、時間的に隣接した5個のイメージ)それぞれで特定される明るい領域(すなわち、前記照明装置20により加えられる光によって明るく示される領域)を基準として複数のディンプルを検出することができる。
【0055】
その後、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、前記複数のイメージのうち第1イメージの複数のディンプルから特定される少なくとも一つのディンプル対の属性と前記複数のイメージのうち第2イメージの複数のディンプルから特定される少なくとも一つのディンプル対の属性とを互いに比較して分析することによって、そのマッチングされる程度を基準として上位10%に該当する複数の第1連携ディンプル対を決定することができる(すなわち、概略探索(coarse search)方式で第1連携ディンプル対を決定する)。
【0056】
その後、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、前記複数の第1連携ディンプル対の回転情報に基づいて算出される前記第1イメージおよび第2イメージの複数のディンプル間のマッチングの程度を基準として、前記複数の第1連携ディンプル対のうち、そのマッチングの程度が最も高い第2連携ディンプル対を決定することができる(すなわち、精密探索(fine search)方式で第2連携ディンプル対を決定する)、前記第1イメージおよび第2イメージは獲得時間を基準として、時間的に隣接したり時間的に所定水準離れたイメージをすべて含むことができる。
【0057】
例えば、前記複数のイメージのうち第1イメージと時間的に隣接した第2イメージの間での第2連携ディンプル対、前記複数のイメージのうち第2イメージと時間的に隣接した第3イメージの間での第2連携ディンプル対および前記複数のイメージのうち第1イメージと時間的に所定水準離れた第3イメージの間での第2連携ディンプル対がすべてそれぞれ決定され得る。
【0058】
その後、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、前記第2連携ディンプル対のうち、そのマッチングの程度が最も高い第2連携ディンプル対の回転情報を参照して、前記ボールの回転量および回転方向を測定することができる。
【0059】
図6は、本発明の一実施例によりボールの回転に関する物理量が測定される状況を例示的に示す図面である。
【0060】
図6を参照すると、物理量測定の対象となるボールを撮影した複数のイメージ(すなわち、第1イメージ、第2イメージおよび第3イメージ)それぞれから複数のディンプルが検出され得る。このような第1イメージ~第3イメージは順次獲得され、それぞれ時間的に隣接したイメージであり得る。
【0061】
その後、第1イメージの複数のディンプル(第1-1ディンプル611、第1-2ディンプル612、第1-3ディンプル613および第1-4ディンプル614)から複数のディンプル対、すなわち(1)第1-1ディンプル611<->第1-2ディンプル612、(2)第1-2ディンプル612<->第1-3ディンプル613、(3)第1-3ディンプル613<->第1-4ディンプル614、(4)第1-1ディンプル611<->第1-3ディンプル613、(5)第1-1ディンプル611<->第1-4ディンプル614および(6)第1-2ディンプル612<->第1-4ディンプル614が特定され、第2イメージの複数のディンプル(第2-1ディンプル621、第2-2ディンプル622、第2-3ディンプル623および第2-4ディンプル624)から複数のディンプル対、すなわち(1)第2-1ディンプル621<->第2-2ディンプル622、(2)第2-2ディンプル622<->第2-3ディンプル623、(3)第2-3ディンプル623<->第2-4ディンプル624、(4)第2-1ディンプル621<->第2-3ディンプル623、(5)第2-1ディンプル621<->第2-4ディンプル624および(6)第2-2ディンプル622<->第2-4ディンプル624が特定され、第3イメージの複数のディンプル(第3-1ディンプル631、第3-2ディンプル632、第3-3ディンプル633および第3-4ディンプル634)から複数のディンプル対、すなわち(1)第3-1ディンプル631<->第3-2ディンプル632、(2)第3-2ディンプル632<->第3-3ディンプル633、(3)第3-3ディンプル633<->第3-4ディンプル634、(4)第3-1ディンプル631<->第3-3ディンプル633、(5)第3-1ディンプル631<->第3-4ディンプル634および(6)第3-2ディンプル632<->第3-4ディンプル634が特定され得る。
【0062】
その後、第1イメージの複数のディンプルから特定される複数のディンプル対の属性(例えば、601)と第2イメージの複数のディンプルから特定される複数のディンプル対の属性(例えば、602)を互いに比較して分析することによって、そのマッチングの程度を基準として少なくとも一つの第1連携ディンプル対が決定され得る。また、第2イメージの複数のディンプルから特定される複数のディンプル対の属性(例えば、602)と第3イメージの複数のディンプルから特定される複数のディンプル対の属性(例えば、603)を互いに比較して分析することによって、そのマッチングの程度を基準として少なくとも一つの第1連携ディンプル対が決定され得る。また、第1イメージの複数のディンプルから特定される複数のディンプル対の属性(例えば、601)と第3イメージの複数のディンプルから特定される複数のディンプル対の属性(例えば、603)を互いに比較して分析することによって、そのマッチングの程度を基準として少なくとも一つの第1連携ディンプル対が決定され得る。本発明の一実施例によると、前記ディンプル対の属性は、所定の(または任意の)地点から該当ディンプル対の第1ディンプルを連結する第1軸、前記所定地点から該当ディンプル対の第2ディンプルを連結する第2軸および前記第1軸と第2軸に基づいて特定される第3軸(例えば、法線軸)に基づいて特定されるものであり得る。
【0063】
例えば、第1イメージの複数のディンプル対に対して所定の回転が発生するものと仮定して、第2イメージの複数のディンプル対に対する各ディンプル対の属性、すなわち前記3つの軸が互いにマッチングされる程度を比較して分析(例えば、最小誤差が発生するかを比較して分析)することによって、そのマッチングの程度を基準として所定個数(例えば、上位2個)の第1イメージのディンプル対および第2イメージのディンプル対が前記第1連携ディンプル対として決定され得る。
【0064】
より具体的には、本発明の一実施例によると、第1-1ディンプル611<->第1-2ディンプル612および第2-2ディンプル622<->第2-3ディンプル623と第1-1ディンプル611<->第1-4ディンプル614および第2-1ディンプル621<->第2-4ディンプル624がそれぞれ前記第1連携ディンプル対として決定され得る。
【0065】
その後、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の回転情報に基づいて算出される第1イメージおよび第2イメージの複数のディンプル間のマッチングの程度を基準として、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の中から少なくとも一つの第2連携ディンプル対が決定され得る。また、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の回転情報に基づいて算出される第1イメージおよび第3イメージの複数のディンプル間のマッチングの程度を基準として、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の中から少なくとも一つの第2連携ディンプル対が決定され得る。また、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の回転情報に基づいて算出される第2イメージおよび第3イメージの複数のディンプル間のマッチングの程度を基準として、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対の中から少なくとも一つの第2連携ディンプル対が決定され得る。
【0066】
例えば、第1-1ディンプル611<->第1-2ディンプル612がどの程度で回転する場合に、第1-1ディンプル611<->第1-2ディンプル612の属性および第2-2ディンプル622<->第2-3ディンプル623の属性が互いにマッチングされるかに関する情報を参照して、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対それぞれに対して第1イメージおよび第2イメージの複数のディンプルがマッチングされる程度を算出することができる。また、第1-1ディンプル611<->第1-4ディンプル614がどの程度で回転する場合に、第1-1ディンプル611<->第1-4ディンプル614の属性および第2-1ディンプル621<->第2-4ディンプル624の属性が互いにマッチングされるかに関する情報を参照して、前記少なくとも一つの第1連携ディンプル対それぞれに対して第1イメージおよび第2イメージの複数のディンプルがマッチングされる程度を算出することができる。このような過程により、第1イメージおよび第2イメージの複数のディンプルがマッチングされる程度が最も高いものとして算出される第1-1ディンプル611<->第1-4ディンプル614および第2-1ディンプル621<->第2-4ディンプル624が第2連携ディンプル対として決定され得る。一方、このように第2連携ディンプル対を決定する過程は、第2イメージおよび第3イメージと第1イメージおよび第3イメージに対してもさらに遂行され得る。
【0067】
その後、前記決定される第2連携ディンプル対の回転情報を参照してボールの回転に関する物理量が測定され得る。
【0068】
具体的には、第1イメージおよび第2イメージの間で決定される少なくとも一つの第2連携ディンプル対、第2イメージおよび第3イメージの間で決定される少なくとも一つの第2連携ディンプル対および第1イメージおよび第3イメージの間で決定される少なくとも一つの第2連携ディンプル対のうち、そのマッチングの程度が最も高い第2連携ディンプル対の回転情報を参照してボールの回転に関する物理量が測定され得る。
【0069】
例えば、前記第2連携ディンプル対のうち、第1-1ディンプル611<->第1-4ディンプル614および第2-1ディンプル621<->第2-4ディンプル624がマッチングの程度が最も高い第2連携ディンプル対として決定されると、第1-1ディンプル611<->第1-4ディンプル614がどの程度で回転する場合に、第1-1ディンプル611<->第1-4ディンプル614の属性および第2-1ディンプル621<->第2-4ディンプル624の属性が互いにマッチングされるかに関する情報を参照してボールの回転速度、回転量、回転加速度などが算出され得、これを基準としてボールの回転に関する物理量が測定され得る。
【0070】
以上で説明された本発明に係る実施例は、多様なコンピュータ構成要素を通じて実行され得るプログラム命令語の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであるかコンピュータソフトウェア分野の当業者に公知になっていて使用可能なものであり得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を保存し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。ハードウェア装置は本発明に係る処理を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールに変更され得、その逆も同じである。
【0071】
以上、本発明が具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明が前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正と変更を図ることができる。
【0072】
したがって、本発明の思想は前記説明された実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なまたはこれから等価的に変更されたすべての範囲は本発明の思想の範疇に属するものと言える。
【符号の説明】
【0073】
100:測定システム
110:ディンプル検出管理部
120:物理量測定部
130:通信部
140:制御部
200:バーチャルゴルフシミュレーションシステム
210:撮影装置
220:シミュレータ
230:表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6