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特許7130141ショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】ショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60M 1/30 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
B60M1/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021538035
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2019093244
(87)【国際公開番号】W WO2020143188
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】201910019177.9
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516379320
【氏名又は名称】西南交通大学
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 群湛
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205651990(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107776439(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60M 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行レール(R)と、走行レール(R)と並行して敷設された導電レール(1)と、前記走行レール(R)と前記導電レール(1)との間に設けられた誘導板(8)と、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)及び整流装置(4)と、列車(5)に設けられた車載集電装置(2)、三相駆動巻線(6)及び補助電気設備(7)とを含むショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システムであって、
前記導電レール(1)は、第1の導電レール(1a)、第2の導電レール(1b)、及び第3の導電レール(1c)を含み、前記第1の導電レール(1a)、前記第2の導電レール(1b)、及び前記走行レール(R)は三相交流給電回路を構成し、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)によって給電され、前記走行レール(R)は接地し、前記第3の導電レール(1c)と前記走行レール(R)は直流給電回路を構成し、地面に設けられた整流装置(4)によって給電され、前記車載集電装置(2)は、第1の集電装置(2a)、第2の集電装置(2b)、第3の集電装置(2c)、及び第4の集電装置(2d)を含み、前記第1の集電装置(2a)、前記第2の集電装置(2b)、及び前記第4の集電装置(2d)の末端は、ケーブルを介して前記列車(5)の三相駆動巻線(6)の三相端子に接続され、前記第1の集電装置(2a)、前記第2の集電装置(2b)、及び第4の集電装置(2d)の先端は、それぞれ、前記第1の導電レール(1a)、前記第2の導電レール(1b)、及び前記走行レール(R)と接触して受電し、前記第3の集電装置(2c)の末端は、ケーブルを介して前記列車(5)の補助電気設備(7)の正極に接続され、前記第3の集電装置(2c)の先端は、前記第3の導電レール(1c)と接触して受電し、前記第4の集電装置(2d)の末端は、ケーブルを介して前記列車(5)の補助電気設備(7)の負極に接続され、前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)は、第1の導電レール(1a)と前記第1の集電装置(2a)、前記第2の導電レール(1b)と前記第2の集電装置(2b)、前記走行レール(R)と前記第4の集電装置(2d)によって、前記列車(5)の三相駆動巻線(6)に給電され、前記列車(5)の起動停止及び運行が前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)の周波数変化、電圧変化を制御することにより制御され、前記整流装置(4)は前記第3の導電レール(1c)と前記第3の集電装置(2c)、前記走行レール(R)と前記第4の集電装置(2d)によって前記列車(5)の補助電気設備(7)に給電される、ことを特徴とするショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システム。
【請求項2】
前記走行レール(R)は、第1の走行レール(R1)と、第1の走行レール(R1)と並列接続する第2の走行レール(R2)とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システム。
【請求項3】
前記第1の導電レール(1a)、第2の導電レール(1b)、第3の導電レール(1c)は、すべて、第1の走行レール(R1)と第2の走行レール(R2)との間の枕木又は道床に敷設され、前記第1の導電レール(1a)、第2の導電レール(1b)は列車の運行区間に応じて複数のセクションとして設けられ、各セクションは独立したAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)によって給電される、ことを特徴とする請求項に記載のショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システム。
【請求項4】
前記誘導板(8)は、第1の誘導板(8a)と第2の誘導板(8b)に分けられ、前記第1の誘導板(8a)は前記第1の走行レール(R1)と前記導電レール(1)との間に敷設され、前記第2の誘導板(8b)は、前記第2の走行レール(R2)と導電レール(1)との間に敷設され、前記第1の誘導板(8a)と前記第2の誘導板(8b)は前記列車(5)の三相駆動巻線(6)に対応して設けられる、ことを特徴とする請求項に記載のショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システム。
【請求項5】
前記列車(5)の補助電気設備(7)は、列車の空調設備、照明設備を含み、前記補助電気設備(7)は、整流装置(4)と同じ電圧レベルを用いる、ことを特徴とする請求項1に記載のショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システム。
【請求項6】
前記車載集電装置(2)は、すべて列車(5)のボギーの端部に設けられ、列車(5)のボギーと絶縁しており、前記車載集電装置(2)の第1の集電装置(2a)、第2の集電装置(2b)、第3の集電装置(2c)、及び第4の集電装置(2d)は互いに絶縁している、ことを特徴とする請求項1に記載のショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は列車の給電及び運行制御の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のショートステータタイプ列車(リニアモータ列車とも呼ばれる)は直流給電システムによって給電される。列車において、車載電気設備は重要なものであり、その中でも、伝動システムが最も重要なものである。従来のショートステータタイプ列車では、伝動システムは車載インバータと駆動巻線(ショートステータ)とを直列接続したものであり、駆動巻線の周波数、電圧を調整することで、列車を駆動したり速度を調整しながら運行させるという目的を達成する。この過程は列車の運転と呼ばれる。また、車載電気設備には、補助電気設備に給電するための補助電源がさらに含まれる。通常、実際には、列車の運転は手動操作で行われ、少ない場合は自律運転が使用される。ここで、以下の問題が存在する。第一には、列車の電気設備の中でも、伝動システム及び補助電源はほとんどの部分を占めており、重量や体積が大きく、重量が大きいと、軸荷重を増大し、軸荷重が大きいほど、線路のコストが高まり、体積が大きいと、列車の貴重なスペースを多く占有し、パワー密度及び効率の低下を引き起こす。第二には、スマート制御及び自律運転(ATC)が手動運転に取り替わることが将来の傾向であるが、従来の列車及び給電方式では、運転に必要な実行設備がすべて列車に取り付けられ、列車が移動、さらに高速で移動しており、自律運転(ATC)のための命令やスケジューリングが地面での制御センターからのものであるため、両方は無線システムを介せずに直接通信することができず、ただし、無線システムの故障又は誤動作により安全上のリスクが生じる。
【0003】
現在解決すべき技術的課題の1つは、車載インバータと補助電源を省略し、車載電気設備の重量を減らし、軸荷重を低下させ、列車の軽量化を実現し、列車の負荷効率を高め、パワー密度を向上させ、より高速の運行に適用できるようにすることであり、もう1つは、地面給電を通じて列車の運行に対する自動制御及び自律運転を直接行うことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来のシステムの給電方式を変え、システムの構造を最適化させることにより、車載インバータ及び補助電源を省略し、軸荷重を効果的に減らし、列車の軽量化を実現し、列車の負荷効率を高め、パワー密度を向上させ、より高速の運行に適用できるようにし、また、地面給電を通じて列車の運行に対する自動制御及び自律運転を可能とするショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は以下の技術案によって実現される。走行レールと、走行レールと並行して敷設された導電レールと、前記走行レールと前記導電レールとの間に設けられた誘導板と、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置及び整流装置と、列車に設けられた車載集電装置、三相駆動巻線及び補助電気設備とを含むショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システムであって、
前記導電レールは、第1の導電レール、第2の導電レール、及び第3の導電レールを含み、前記第1の導電レール、前記第2の導電レール、及び前記走行レールは三相交流給電回路を構成し、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置によって給電され、前記走行レールは接地し、前記第3の導電レールと前記走行レールは直流給電回路を構成し、地面に設けられた整流装置によって給電され、前記車載集電装置は、第1の集電装置、第2の集電装置、第3の集電装置、及び第4の集電装置を含み、前記第1の集電装置、前記第2の集電装置、及び前記第4の集電装置の末端は、ケーブルを介して前記列車の三相駆動巻線の三相端子に接続され、前記第1の集電装置、前記第2の集電装置、及び第4の集電装置の先端は、それぞれ、前記第1の導電レール、前記第2の導電レール、及び前記走行レールと接触して受電し、前記第3の集電装置の末端は、ケーブルを介して前記列車の補助電気設備の正極に接続され、前記第3の集電装置の先端は、前記第3の導電レールと接触して受電し、前記第4の集電装置の末端は、ケーブルを介して前記列車の補助電気設備の負極に接続され、前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置は、第1の導電レールと前記第1の集電装置、前記第2の導電レールと前記第2の集電装置、前記走行レールと前記第4の集電装置によって、前記列車の三相駆動巻線に給電され、前記列車の起動停止及び運行が前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置の周波数変化、電圧変化を制御することにより制御され、前記整流装置は前記第3の導電レールと前記第3の集電装置、前記走行レールと前記第4の集電装置によって前記列車の補助電気設備に給電される。
【0006】
好ましくは、前記走行レールは、第1の走行レールと、第1の走行レールと並列接続する第2の走行レールとを含む。
【0007】
さらに好ましくは、前記第1の導電レール、第2の導電レール、第3の導電レールは、第1の走行レールと第2の走行レールとの間の枕木又は道床に敷設され、前記第1の導電レール、第2の導電レールはいくつかのセクションに分けられ、各セクションは独立したAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置によって給電され、それにより、列車の運行をセクションごとに制御する。
【0008】
好ましくは、前記誘導板は、第1の誘導板と第2の誘導板に分けられ、前記第1の誘導板は前記第1の走行レールと前記導電レールとの間に敷設され、前記第2の誘導板は、前記第2の走行レールと導電レールとの間に敷設され、前記第1の誘導板と前記第2の誘導板は前記列車の三相駆動巻線に対応して設けられ、作動を誘導する。
【0009】
好ましくは、前記列車の補助電気設備は、列車の空調設備、照明設備を含み、前記補助電気設備は、整流装置と同じ電圧レベルを用いる。
【0010】
さらに好ましくは、前記車載集電装置は、すべて列車のボギーの端部に設けられ、列車のボギーと絶縁しており、前記車載集電装置の第1の集電装置、第2の集電装置、第3の集電装置、及び第4の集電装置は互いに絶縁している。
【発明の効果】
【0011】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
一、2つの導電レールと走行レール(接地)は三相交流給電回路を構成し、別の導電レールと走行レールは直流給電回路を構成し、地面でのAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置は、三相交流給電回路を介して列車の三相駆動巻線に給電し、地面での整流装置は直流給電回路を介して列車の補助的な用電を提供し、このように、システムの給電構造及び給電方式を最適化させ、車載インバータ及び補助電源を省略し、列車の軸荷重を効果的に減らし、列車の軽量化を実現し、パワー密度を高め、列車の負荷効率を向上させる。
二、地面でのAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置が三相交流給電回路を介して列車の三相駆動巻線に給電することによって、列車の駆動及び運行に対する自動制御を直接行い、このようにして、自律運転及びスマート制御や運行を可能とする。
三、コストが低く、経済性が良好である。
四、補助電気設備には同じ電圧レベルが使用されているので、車載設備を介して電圧変換をする必要がなくなり、簡便でシンプルである。
五、地面でのAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置及び整流装置のいずれも送電網にて負シーケンス電流を発生させることはなく、このため、電力品質が確保される。
六、技術が先進的であり、性能に優れ、実施されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1の構造模式図である。
図2】本発明の実施例2の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の構想をよりよく理解できるように、以下、本発明の作動原理を簡単に説明する。従来のショートステータタイプ列車に比べて、車載インバータ、補助電源などの車載電気設備を省略し、列車の軸荷重を効果的に減らし、パワー密度及び負荷効率を向上させ、また、大容量の駆動(牽引)用電力と小容量の補助用電力とを個別にし、それぞれ三相交流と直流により給電し、このように、長短を補い合い、調和的に給電し、システムの給電構造及び給電方式を最適化させ、地面での三相交流給電回路によって列車の三相駆動巻線の周波数、電圧を調整しながら給電することにより列車の運行を直接駆動して制御し、自律運転を実現する。以下、図面及び特定実施形態にて本発明をさらに説明する。
【0014】
実施例1
図1に示すように、本発明の実施例はショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システムを提供し、このシステムは、走行レールRと、走行レールRと並行して敷設された導電レール1と、前記走行レールRと前記導電レール1との間に設けられた誘導板8と、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び整流装置4と、列車5に設けられた車載集電装置2、三相駆動巻線6及び補助電気設備7とを含み、AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び整流装置4は、導電レール1、走行レールR、及び車載集電装置2を介して、それぞれ、列車の三相駆動巻線6及び補助電気設備7に給電し、
前記導電レール1は、第1の導電レール1a、第2の導電レール1b、及び第3の導電レール1cを含み、前記第1の導電レール1a、前記第2の導電レール1b、及び前記走行レールRは三相交流給電回路を構成し、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3によって給電され、前記走行レールRは接地し、前記第3の導電レール1cと前記走行レールRは直流給電回路を構成し、地面に設けられた整流装置4によって給電され、前記車載集電装置2は、第1の集電装置2a、第2の集電装置2b、第3の集電装置2c、及び第4の集電装置2dを含み、前記第1の集電装置2a、前記第2の集電装置2b、及び前記第4の集電装置2dの末端は、ケーブルを介して前記列車5の三相駆動巻線6の三相端子に接続され、前記第1の集電装置2a、前記第2の集電装置2b、及び第4の集電装置2dの先端は、それぞれ、前記第1の導電レール1a、前記第2の導電レール1b、及び前記走行レールRと接触して受電し、また、前記第3の集電装置2cの末端は、ケーブルを介して前記列車5の補助電気設備7の正極に接続され、前記第3の集電装置2cの先端は、前記第3の導電レール1cと接触して受電し、前記第4の集電装置2dの末端は、ケーブルを介して前記列車5の補助電気設備7の負極に接続され、前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3は、第1の導電レール1aと前記第1の集電装置2a、前記第2の導電レール1bと前記第2の集電装置2b、前記走行レールRと前記第4の集電装置2dによって、前記列車5の三相駆動巻線6に給電され、前記列車5の起動停止及び運行が前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3の周波数変化、電圧変化を制御することにより制御され、前記整流装置4は前記第3の導電レール1cと前記第3の集電装置2c、前記走行レールRと前記第4の集電装置2dによって前記列車5の補助電気設備7に給電される。
【0015】
本発明の実施例において、前記走行レールRは、第1の走行レールR1と第2の走行レールR2を含み、第1の走行レールR1と第2の走行レールR2はリードを介して並列接続される。前記第1の導電レール1a、第2の導電レール1b、第3の導電レール1cは、第1の走行レールR1と第2の走行レールR2との間の枕木又は道床に敷設される。
【0016】
本発明の実施例において、前記誘導板8は、第1の誘導板8aと第2の誘導板8bに分けられ、前記第1の誘導板8aは前記第1の走行レールR1と前記導電レール1との間に敷設され、前記第2の誘導板8bは、前記第2の走行レールR2と導電レール1との間に敷設され、前記第1の誘導板8aと前記第2の誘導板8bは前記列車5の三相駆動巻線6に対応して設けられ、作動を誘導する。
【0017】
前記列車5の補助電気設備7は、列車の空調設備、照明設備を含み、前記補助電気設備7は、整流装置4と同じ電圧レベルを用いる。
【0018】
前記車載集電装置2は、すべて列車5のボギーの端部に設けられ、列車5のボギーと絶縁しており、前記車載集電装置2の第1の集電装置2a、第2の集電装置2b、第3の集電装置2c、及び第4の集電装置2dは互いに絶縁している。
【0019】
前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び前記整流装置4は、すべて、変電所の三相ケーブルを介して給電される。
【0020】
実施例2
図2には、ショートステータタイプ列車の3本レール給電制御システムが示されており、このシステムは、走行レールRと、走行レールRと並行して敷設された導電レール1と、前記走行レールRと前記導電レール1との間に設けられた誘導板8と、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び整流装置4と、列車5に設けられた車載集電装置2、三相駆動巻線6及び補助電気設備7とを含み、AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び整流装置4は、導電レール1、走行レールR、及び車載集電装置2を介して、それぞれ、列車の三相駆動巻線6及び補助電気設備7に給電し、
前記導電レール1は、第1の導電レール1a、第2の導電レール1b、及び第3の導電レール1cを含み、前記第1の導電レール1a、前記第2の導電レール1b、及び前記走行レールRは三相交流給電回路を構成し、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3によって給電され、前記走行レールRは接地し、前記第3の導電レール1cと前記走行レールRは直流給電回路を構成し、地面に設けられた整流装置4によって給電され、前記車載集電装置2は、第1の集電装置2a、第2の集電装置2b、第3の集電装置2c、及び第4の集電装置2dを含み、前記第1の集電装置2a、前記第2の集電装置2b、及び前記第4の集電装置2dの末端は、ケーブルを介して前記列車5の三相駆動巻線6の三相端子に接続され、前記第1の集電装置2a、前記第2の集電装置2b、及び第4の集電装置2dの先端は、それぞれ、前記第1の導電レール1a、前記第2の導電レール1b、及び前記走行レールRと接触して受電し、また、前記第3の集電装置2cの末端は、ケーブルを介して前記列車5の補助電気設備7の正極に接続され、前記第3の集電装置2cの先端は、前記第3の導電レール1cと接触して受電し、前記第4の集電装置2dの末端は、ケーブルを介して前記列車5の補助電気設備7の負極に接続され、前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3は、第1の導電レール1aと前記第1の集電装置2a、前記第2の導電レール1bと前記第2の集電装置2b、前記走行レールRと前記第4の集電装置2dによって、前記列車5の三相駆動巻線6に給電され、前記列車5の起動停止及び運行が前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3の周波数変化、電圧変化を制御することにより制御され、前記整流装置4は前記第3の導電レール1cと前記第3の集電装置2c、前記走行レールRと前記第4の集電装置2dによって前記列車5の補助電気設備7に給電される。
【0021】
上記実施例1に比べて、本発明の実施例では、主に以下の点が異なる。前記第1の導電レール1a、第2の導電レール1bはいくつかのセクションに分けられ、各セクションは独立したAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3によって給電され、それにより、列車5の運行をセクションごとに制御する。本発明の特定実施例では、隣接する2つのセクションiとセクションi+1(iは1以上)と想定し、セクションごとに、独立したAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3によって給電し、このように、列車5をセクションごとに制御することが容易になる。列車の安全性、制御性を確保するために、一般には、セクションごとに1台の列車が通行することに限定される。
【0022】
本発明の実施例において、前記走行レールRは、第1の走行レールR1と第2の走行レールR2を含み、第1の走行レールR1と第2の走行レールR2は並列接続される。前記第1の導電レール1a、第2の導電レール1b、第3の導電レール1cは、第1の走行レールR1と第2の走行レールR2との間の枕木又は道床に敷設される。
本発明の実施例において、前記誘導板8は、第1の誘導板8aと第2の誘導板8bに分けられ、前記第1の誘導板8aは前記第1の走行レールR1と前記導電レール1との間に敷設され、前記第2の誘導板8bは前記第2の走行レールR2と導電レール1との間に敷設され、前記第1の誘導板8aと前記第2の誘導板8bは、前記列車5の三相駆動巻線6に対応して、作動を誘導する。
【0023】
前記列車5の補助電気設備7は、主に列車の空調設備、照明設備などを含み、前記補助電気設備7は、整流装置6と同じ電圧レベルを用いる。
【0024】
前記車載集電装置2は、すべて列車5のボギーの端部に設けられ、列車5のボギーと絶縁しており、前記車載集電装置2の第1の集電装置2a、第2の集電装置2b、第3の集電装置2c、及び第4の集電装置2dは互いに絶縁している。
【0025】
前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置及び前記整流装置は、すべて、変電所の三相ケーブルを介して給電される。
【0026】
以上のように、本発明では、従来のシステムの給電方式を変え、システムの構造を最適化させることにより、車載設備の重量及び軸荷重を効果的に減らし、列車の軽量化を実現し、列車の負荷効率を高め、パワー密度を高め、より高速度の運行に適しており、また、地面給電を通じて列車の運行に対する自動制御及び自律運転を可能とする。
【符号の説明】
【0027】
1 導電レール
1a 第1の導電レール
1b 第2の導電レール
1c 第3の導電レール
2 車載集電装置
2a 第1の集電装置
2b 第2の集電装置
2c 第3の集電装置
2d 第4の集電装置
3 AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置
4 整流装置
5 列車
6 三相駆動巻線
8 誘導板
8a 第1の誘導板
8b 第2の誘導板
R 走行レール
R1 第1の走行レール
R2 第2の走行レール
図1
図2