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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】クラッチ構造及び衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 25/00 20060101AFI20220829BHJP
   D06F 29/00 20060101ALI20220829BHJP
   D06F 58/08 20060101ALI20220829BHJP
   F16D 11/16 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
D06F25/00 A
D06F29/00 Z
D06F58/08
F16D11/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020513851
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2018103154
(87)【国際公開番号】W WO2019047761
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】201710806186.3
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521309570
【氏名又は名称】重慶海爾洗衣机有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼本▲フ▼
(72)【発明者】
【氏名】潘継輝
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-051086(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101328677(CN,A)
【文献】米国特許第07404303(US,B1)
【文献】特開2017-012323(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0119072(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0006683(KR,A)
【文献】特開2002-153700(JP,A)
【文献】特開平07-194892(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00626563(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F25/00
D06F29/00
D06F58/00-58/52
F16D11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モータ(1)を含み、前記駆動モータ(1)は、第1出力端(11)がベルトプーリ(8)を介して乾燥用送風機に伝動接続されるとともに、第2出力端(12)が従動プーリ(5)を回転させ、前記従動プーリ(5)が、第2ベルト(10)を介して衣類処理槽(100)に接続されて前記衣類処理槽(100)を回転させるクラッチ構造であって、
前記従動プーリ(5)は揺動アーム(2)を介して相対的に揺動可能に前記駆動モータ(1)に装着され、制御モータ(7)がバネ(6)を介して制御可能に前記揺動アーム(2)を動作させ、前記従動プーリ(5)の位置を変化させることで、前記第2ベルト(10)の伸張又は弛緩を調節し、
前記従動プーリ(5)は、同軸に設置及び接続される第1サイドプーリ(51)と第2サイドプーリ(52)を含み、前記第1サイドプーリ(51)は第1ベルト(9)を介して前記駆動モータ(1)の前記第2出力端(12)に接続され、前記第2サイドプーリ(52)は前記第2ベルト(10)を介して前記衣類処理槽(100)に接続され、
前記揺動アーム(2)は前記制御モータ(7)の任意の径方向面に沿って延伸しており、前記揺動アーム(2)の第1端は、相対的に揺動可能に前記駆動モータ(1)の前記第2出力端(12)のハウジングにヒンジ接続され、前記揺動アーム(2)の第2端は前記駆動モータ(1)のハウジングの外周から突出するとともに、前記従動プーリ(5)を装着するための中心軸(21)が設けられており、前記従動プーリ(5)は前記中心軸(21)周りに回転可能であり、前記中心軸(21)は前記駆動モータ(1)の前記第2出力端(12)の軸線と平行に設けられ、前記揺動アーム(2)の前記第1端と前記第2端の間には屈曲構造が設けられており、
前記揺動アーム(2)の前記第1端には、復元駆動力を前記揺動アーム(2)に付与することで、前記揺動アーム(2)を前記制御モータ(7)から離間する側に回転及び復元移動させるよう駆動する弾性復元構造が設けられており、
前記弾性復元構造は、前記揺動アーム(2)の前記第1端と前記駆動モータ(1)とのヒンジ接続箇所に設置されるねじりバネであり、前記ねじりバネは、前記駆動モータ(1)に近接する側への前記揺動アーム(2)の揺動を規制することを特徴とするクラッチ構造。
【請求項2】
前記駆動モータ(1)と前記制御モータ(7)は衣類処理装置のハウジング内に設置されることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ構造。
【請求項3】
前記第2サイドプーリ(52)の直径は前記第1サイドプーリ(51)の直径よりも小さことを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチ構造。
【請求項4】
前記揺動アーム(2)の前記第1端にはブッシュが設けられており、前記揺動アーム(2)の前記第1端は前記ブッシュを介して前記駆動モータ(1)前記の第2出力端(12)と嵌合し、前記従動プーリ(5)の前記第1サイドプーリ(51)の中心には前記ブッシュが設けられており、前記従動プーリ(5)は前記ブッシュを介して前記揺動アーム(2)の前記第2端の前記中心軸(21)と嵌合することを特徴とする請求項に記載のクラッチ構造。
【請求項5】
前記従動プーリ(5)の第1サイドプーリ(51)は、第1ベルト(9)を介して前記駆動モータ(1)の前記第2出力端(12)に伝動接続され、前記バネ(6)の下端が前
記制御モータ(7)の動作出力端に固定接続され、前記バネ(6)の上端が前記揺動アーム(2)に固定接続されることで、前記制御モータ(7)の動作出力端に動作が発生した場合、前記バネ(6)は前記揺動アーム(2)を引っ張って揺動させ、前記従動プーリ(5)の位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ構造。
【請求項6】
前記揺動アーム(2)には、前記バネ(6)の一端に接続される第1固定ピン(3)が設けられており、前記制御モータ(7)の動作出力端には偏心輪構造が設けられており、前記偏心輪構造は、前記制御モータ(7)の前記動作出力端周りに回転する第2固定ピン(4)を含み、前記第2固定ピン(4)は前記バネ(6)の他端に接続され、前記第2固定ピン(4)の軸線は前記制御モータ(7)の前記動作出力端の軸線から偏移していることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のクラッチ構造。
【請求項7】
前記第2固定ピン(4)の軸線は、前記制御モータ(7)の前記動作出力端の軸線と平行であり、且つ一定の距離を隔てており、前記第2固定ピン(4)の一端は前記制御モータ(7)の前記動作出力端に固定接続されており、前記第2固定ピン(4)は前記制御モータ(7)の前記動作出力端周りに回転可能であり、前記バネ(6)の端部を上下に移動させることで前記揺動アーム(2)を揺動させることを特徴とする請求項6に記載のクラッチ構造。
【請求項8】
前記バネ(6)は吊りバネであり、前記吊りバネの両端には、開口が同一側又は異なる側を向く掛接部が設けられており、前記掛接部は、前記第1固定ピン(3)及び前記第2固定ピン(4)にそれぞれ掛接されることを特徴とする請求項に記載のクラッチ構造。
【請求項9】
乾燥機能を有する第1衣類処理構造及び第2衣類処理構造を含み、前記第1衣類処理構造及び前記第2衣類処理構造は1つの乾燥・凝縮システムを共用するとともに、前記第1衣類処理構造と前記第2衣類処理構造の乾燥機能を切り替えられるよう、請求項1~のいずれか1項に記載のクラッチ構造を有することを特徴とする衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置の技術分野に属し、具体的には、クラッチ構造及び衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生活の質が向上するにつれて、良質で丁寧な生活が求められるようになっている。そうした中、衣類乾燥機が一般家庭に取り入れられることが増えており、良質な生活に不可欠な家電の一つとなっている。通常、一般家庭では、衣類乾燥機をドラム洗濯機の上に設置することから、全体がシンプルな積層構造を形成することになる。しかし、この場合には衣類乾燥機の制御パネルの位置が高くなるため、ユーザにとっては操作しにくい。また、ドラム洗濯機で洗濯が終わったあと、ユーザは手作業で衣類を衣類乾燥機に投入して乾燥を実行せねばならない。そのため、少量の洗濯物であったとしても、ユーザは一体機に近付いて衣類の出し入れを行う必要があり、使用にあたり不便である。
【0003】
そこで、ユーザの利便性を考慮して、洗濯・ケア一体機が出現している。この一体機では、衣類乾燥機の加熱・凝縮装置を洗濯機と衣類乾燥機が共用することで、洗濯・ケア一体機の洗濯機部分でも衣類乾燥を可能としている。
【0004】
しかし、現在の洗濯・ケア一体機では衣類乾燥機を洗濯機の上に積み重ねている。そして、洗濯機と衣類乾燥機の双方が乾燥機能を実現可能なことを前提に、同一の乾燥システムを共用している場合には、洗濯機と衣類乾燥機に乾燥動作を個別に実行させることはできない。そのため、ユーザの洗濯物が少なく、洗濯機の乾燥機能だけで必要を満たせる場合であったとしても、衣類乾燥機が同時に回転動作してしまい、無駄なエネルギーを消費することになる。
【0005】
そこで、洗濯機と衣類乾燥機の乾燥機能を分離して個別に制御可能な洗濯乾燥一体機を実現可能とする技術手段が早急に求められている。
【0006】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術の瑕疵を解消し、クラッチ構造を提供することを解決しようとする技術的課題とする。前記クラッチ構造によれば、乾燥機能を有する2つの衣類処理構造を含む衣類処理装置において各衣類処理構造の乾燥機能を個別に実行可能となり、且つ、乾燥・凝縮装置を別々に設ける必要もない。そのため、衣類処理装置の構造が大幅に簡略化されるだけでなく、設置部材も減少し、且つ煩雑な制御プログラムを設定する必要もない。本設計は精巧であり、簡単且つ効果的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題を解決すべく、本発明で採用する技術手段の基本思想について以下に述べる。
【0009】
クラッチ構造であって、駆動モータを含む。駆動モータは、第1出力端がベルトプーリを介して乾燥用送風機に伝動接続されるとともに、第2出力端が従動プーリを回転させる。従動プーリは、第2ベルトを介して衣類処理槽に接続されて衣類処理槽を回転させる。従動プーリは揺動アームを介して相対的に揺動可能に駆動モータに装着されている。また、制御モータがバネを介して制御可能に揺動アームを動作させ、従動プーリの位置を変化させることで、第2ベルトの伸張又は弛緩を調節する。
【0010】
好ましくは、前記駆動モータと制御モータは衣類処理装置のハウジング内に設置される。
【0011】
好ましくは、前記従動プーリは、同軸に設置及び接続される第1サイドプーリと第2サイドプーリを含む。第2サイドプーリの直径は第1サイドプーリの直径よりも小さい第1サイドプーリは第1ベルトを介して駆動モータの第2出力端に接続され、第2サイドプーリは第2ベルトを介して衣類処理槽に接続される。
【0012】
好ましくは、前記揺動アームは駆動モータの任意の径方向面に沿って延伸している。揺動アームの第1端は、相対的に揺動可能に駆動モータの第2出力端のハウジングにヒンジ接続される。また、揺動アームの第2端は駆動モータのハウジングの外周から突出するとともに、従動プーリを装着するための中心軸が設けられている。従動プーリは中心軸周りに回転可能である。好ましくは、前記中心軸は駆動モータの第2出力端の軸線と平行に設けられる。更に、前記揺動アームの第1端と第2端の間には屈曲構造が設けられている。
【0013】
好ましくは、前記揺動アームの第1端にはブッシュが設けられており、揺動アームの第1端はブッシュを介して駆動モータの第2出力端と嵌合する。従動プーリの第1サイドプーリの中心にはブッシュが設けられており、従動プーリはブッシュを介して揺動アームの第2端の中心軸と嵌合する。
【0014】
好ましくは、前記揺動アームの第1端又は/及び第2端には、復元駆動力を揺動アームに付与することで、揺動アームを制御モータから離間する側に回転及び復元移動させるよう駆動する弾性復元構造が設けられている。好ましくは、前記弾性復元構造は、揺動アームの第1端と駆動モータとのヒンジ接続箇所に設置されるねじりバネである。ねじりバネは、駆動モータに近接する側への揺動アームの揺動を規制する。
【0015】
好ましくは、従動プーリの第1サイドプーリは、第1ベルトを介して駆動モータの第2出力端に伝動接続されている。また、バネの下端が制御モータの動作出力端に固定接続されており、バネの上端が揺動アームに固定接続されている。これにより、制御モータの動作出力端に動作が発生した場合、バネは揺動アームを引っ張って揺動させ、従動プーリの位置を変化させる。
【0016】
好ましくは、前記揺動アームには、バネの一端に接続される第1固定ピンが設けられている。また、制御モータの動作出力端には偏心輪構造が設けられている。前記偏心輪構造は、制御モータの動作出力端周りに回転する第2固定ピンを含み、第2固定ピンがバネの他端に接続される。第2固定ピンの軸線は制御モータの動作出力端の軸線から偏移している。好ましくは、第2固定ピンの軸線は、制御モータの動作出力端の軸線と平行であり、且つ一定の距離を隔てている。また、第2固定ピンの一端は制御モータの動作出力端に固定接続されている。よって、第2固定ピンは制御モータの動作出力端周りに回転可能であり、バネの端部を上下に移動させることで揺動アームを揺動させる。
【0017】
好ましくは、バネは吊りバネである。吊りバネの両端には、開口が同一側又は異なる側を向く掛接部が設けられている。前記掛接部は、第1固定ピン及び第2固定ピンにそれぞれ掛接される。好ましくは、前記第1固定ピンには、掛接部が第1固定ピンの軸方向に沿って抜け落ちないよう防止する位置規制構造が設けられている。
【0018】
本発明の他の目的は、衣類処理装置を提供することである。当該衣類処理装置は、乾燥機能を有する第1衣類処理構造及び第2衣類処理構造を含む。前記第1衣類処理構造及び第2衣類処理構造は1つの乾燥・凝縮システムを共用するとともに、第1衣類処理構造と第2衣類処理構造の乾燥機能を切り替えられるよう、上記いずれかのクラッチ構造を有している。
【発明の効果】
【0019】
上記の技術手段を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0020】
本発明で述べたクラッチ構造によれば、1つの乾燥・凝縮装置を共用する衣類処理装置の第1衣類処理構造と第2衣類処理構造の乾燥機能の分離が簡単且つ効果的に実現されるため、ユーザはいっそう多くの選択肢を有することになる。加えて、第2衣類処理構造を単体で使用するだけで乾燥を実現可能な場合に、第1衣類処理構造の衣類処理槽も付随して回転することで生じる無駄なエネルギー消費や装置の不要な摩耗が回避されるため、衣類処理装置の使用寿命が延長される。
【0021】
前記クラッチ構造は設置が容易であり、複雑な部材を必要することなく、従来の衣類処理装置の構造を十分に活用している。よって、研究開発コストや生産コストが抑えられるとともに、故障率を低下させられる。
【0022】
前記クラッチ制御方法と前記クラッチ構造を組み合わせることで、プログラム設定を簡略化可能である。当該制御方法はモータの運転を制御するだけで効果的に実現可能なため、制御ロジックがシンプルであり、且つ操作しやすく確実である。
【0023】
以下に、図面を組み合わせて本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0024】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明で記載するクラッチ構造を示す図である。
図2】本発明で記載する衣類処理装置の構造の一部を示す図である。
図3図2の構造の一部の拡大図である。
図4】本発明で記載する衣類処理装置の構造の一部を示す図である。
図5図4の構造の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
なお、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0027】
本発明における実施例の目的、技術手段及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて実施例の技術手段につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0028】
本発明の記載において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0029】
本発明の記載において、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0030】
図1図5は、本発明で記載するクラッチ構造及び当該クラッチ構造を有する衣類処理装置を示す。
【0031】
クラッチ構造は駆動モータ1を含む。駆動モータ1は、第1出力端11がベルトプーリ8を介して乾燥用送風機に伝動接続されるとともに、第2出力端12が従動プーリ5を回転させる。従動プーリ5は、第2ベルト10を介して衣類処理槽100に接続されて、衣類処理槽100を回転させる。従動プーリ5は、揺動アーム2を介して相対的に揺動可能に駆動モータ1に装着されている。また、制御モータ7がバネ6を介して制御可能に揺動アーム2を動作させ、従動プーリ5の位置を変化させることで、第2ベルト10の伸張又は弛緩を調節し、ベルトプーリとベルトの噛合及び分離を実現する。
【0032】
前記衣類処理槽100は、洗濯機の洗浄槽又は衣類乾燥機の衣類乾燥槽とすればよい。
【0033】
駆動モータ1と制御モータ7は衣類処理装置のハウジング内に設置されている。具体的に設置する際には、制御モータ7の位置を駆動モータ1の位置よりも低くすればよい。
【0034】
上下に設置される衣類乾燥機と洗濯機を有する衣類処理装置の場合には、前記クラッチ構造を衣類乾燥機と洗濯機との隙間位置に設置し、駆動モータ1と制御モータ7を衣類乾燥機と洗濯機の回転槽との間の位置に設置する。このようにすることで、構造全体がよりコンパクトになるとともに、衣類乾燥機と洗濯機の乾燥機能の運転状態を迅速に選択して切り替えやすくなる。
【0035】
従動プーリ5は、同軸に設置及び接続される第1サイドプーリ51と第2サイドプーリ52を含む。第2サイドプーリ52の直径は第1サイドプーリ51の直径よりも小さい。第1サイドプーリ51は、第1ベルト9を介して駆動モータ1の第2出力端12に接続され、第2サイドプーリ52は、第2ベルト10を介して衣類処理槽100に接続される。
【0036】
前記従動プーリ5を設置することで、ベルトを迅速に動作及び反応させてベルトの伸張又は弛緩を調整しやすくなるため、衣類処理槽の回転状態が速やかに調節される。
【0037】
前記揺動アーム2は、駆動モータ1の任意の径方向面に沿って延伸している。揺動アーム2の第1端は、相対的に揺動可能に駆動モータ1の第2出力端12のハウジングにヒンジ接続される。また、揺動アーム2の第2端は駆動モータ1のハウジングの外周から突出するとともに、従動プーリ5を装着するための中心軸21が設けられている。従動プーリ5は、中心軸21周りに回転可能である。
【0038】
中心軸21は、駆動モータ1の第2出力端12の軸線と平行に設けられる。
【0039】
揺動アーム2の第1端と第2端の間には屈曲構造が設けられている。
【0040】
揺動アーム2の第1端にはブッシュが設けられている。揺動アーム2の第1端は、ブッシュを介して駆動モータ1の第2出力端12と嵌合する。また、従動プーリ5の第1サイドプーリ51の中心にはブッシュが設けられている。従動プーリ5はブッシュを介して揺動アーム2の第2端の中心軸21と嵌合する。
【0041】
揺動アーム2の第1端又は/及び第2端には、復元駆動力を揺動アーム2に付与することで、揺動アーム2を制御モータ7から離間する側に回転及び復元移動させるよう駆動する弾性復元構造が設けられている。
【0042】
好ましくは、前記弾性復元構造は、揺動アーム2の第1端と駆動モータ1とのヒンジ接続箇所に設置されるねじりバネとする。ねじりバネは、駆動モータ1に近接する側への揺動アーム2の揺動を規制する。従動プーリ5の第1サイドプーリ51は、第1ベルト9を介して駆動モータ1の第2出力端12に伝動接続されている。また、バネ6の下端が制御モータ7の動作出力端に固定接続されており、バネ6の上端が揺動アーム2に固定接続されている。これにより、制御モータ7の動作出力端に動作が発生した場合、バネ6は揺動アーム2を引っ張って揺動させ、従動プーリ5の位置を変化させる。
【0043】
前記揺動アーム2には、バネ6の一端に接続される第1固定ピン3が設けられている。また、制御モータ7の動作出力端には偏心輪構造が設けられている。前記偏心輪構造は、制御モータ7の動作出力端周りに回転する第2固定ピン4を含み、第2固定ピン4がバネ6の他端に接続される。第2固定ピン4の軸線は制御モータ7の動作出力端の軸線から偏移している。
【0044】
第2固定ピン4の軸線は、制御モータ7の動作出力端の軸線と平行であり、且つ一定の距離を隔てている。また、第2固定ピン4の一端は制御モータ7の動作出力端に固定接続されている。よって、第2固定ピン4は制御モータ7の動作出力端周りに回転可能であり、バネ6の端部を上下に移動させることで揺動アーム2を揺動させる。
【0045】
前記揺動アーム2の上記構造によって、ベルトの伸張及び弛緩の調節がいっそう迅速且つ速やかとなる。且つ、制御機能を喪失しにくく、より安定的且つ確実である。
【0046】
バネ6は吊りバネである。吊りバネの両端には、開口が同一側又は異なる側を向く掛接部が設けられている。前記掛接部は、第1固定ピン3及び第2固定ピン4にそれぞれ掛接される。
【0047】
前記第1固定ピン3には、掛接部が第1固定ピン3の軸方向に沿って抜け落ちないよう防止する位置規制構造が設けられている。
【0048】
前記揺動アーム2の構造特性及びバネ6の具体的な接続方式によれば、前記クラッチ構造を簡略化可能なだけでなく、安定的且つ効果的なクラッチ制御を保証できる。且つ、当該クラッチ構造を使用する衣類処理装置に複雑な制御プログラムを設定する必要もない。本設計は精巧であり、研究開発コストや生産コストを簡略化できる。
【0049】
本発明は、衣類処理装置を提供する。当該衣類処理装置は、乾燥機能を有する第1衣類処理構造と第2衣類処理構造を含む。前記第1衣類処理構造と第2衣類処理構造は1つの乾燥・凝縮システムを共用するとともに、第1衣類処理構造と第2衣類処理構造の乾燥機能を切り替えられるよう上述のクラッチ構造を有している。
【0050】
前記第1衣類処理構造及び第2衣類処理構造には、それぞれ第1衣類処理槽101及び第2衣類処理槽102が設けられている。
【0051】
前記第1衣類処理構造又は第2衣類処理構造は、乾燥機能を有する洗濯機又は衣類乾燥機から選択可能である。
【0052】
本実施例では、具体的に、前記第1衣類処理構造を衣類乾燥機とし、第2衣類処理構造を洗濯機とする。即ち、実際には、当該衣類処理装置は1つの乾燥・凝縮システムを共用する洗濯機及び衣類乾燥機を含む洗濯乾燥一体機であって、第1衣類処理槽101が衣類乾燥槽、第2衣類処理槽102が洗濯槽である。
【0053】
理解すべき点として、当業者であれば、前記衣類処理装置が第1衣類処理構造と第2衣類処理構造を実現するとともに、乾燥機能を有し、且つ1つの乾燥・凝縮システムを共用する際の熱風経路の設計案を想到可能である。しかし、これらは本発明の要点ではないためここでは詳述しない。
【0054】
上記の技術手段を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0055】
本発明で述べたクラッチ構造によれば、1つの乾燥・凝縮装置を共用する衣類処理装置の第1衣類処理構造と第2衣類処理構造の乾燥機能の分離が簡単且つ効果的に実現されるため、ユーザはいっそう多くの選択肢を有することになる。加えて、第2衣類処理構造を単体で使用するだけで乾燥を実現可能な場合に、衣類乾燥槽も付随して回転することで生じる無駄なエネルギー消費や装置の不要な摩耗が回避されるため、衣類処理装置の使用寿命が延長される。
【0056】
前記クラッチ構造は設置が容易であり、複雑な部材を必要することなく、従来の衣類処理装置の構造を十分に活用している。よって、研究開発コストや生産コストが抑えられるとともに、故障率を低下させられる。
【0057】
前記クラッチ構造は制御方法が容易であり、プログラム設定を簡略化できる。当該制御方法はモータの運転を制御するだけで効果的に実現可能なため、制御ロジックがシンプルであり、且つ操作しやすく確実である。
【実施例2】
【0058】
本実施例は、上下に設置される2つの回転槽を含むダブルドラム洗濯機に前記クラッチ構造を使用する点で実施例1とは異なる。2つの回転槽はいずれも乾燥機能を有しており、且つ同一の乾燥・凝縮システムを共用する。
【0059】
本実施例の目的は、ダブルドラム洗濯機の2つの回転槽がそれぞれ乾燥機能を実現する際に、不要であるにもかかわらず、一方の回転槽が乾燥運転するときに他方の回転槽も一緒に回転するとの状況を回避することである。これにより、省エネが可能になるだけでなく、2つの回転槽による衣類処理ステップを別々に制御可能となる。
【0060】
クラッチ構造は駆動モータ1を含む。駆動モータ1は、第1出力端11がベルトプーリ8を介して乾燥用送風機に伝動接続されるとともに、第2出力端12が従動プーリ5を回転させる。従動プーリ5は、第2ベルト10を介して衣類処理槽100に接続されて衣類処理槽100を回転させる。従動プーリ5は、揺動アーム2を介して相対的に揺動可能に駆動モータ1に装着されている。また、制御モータ7がバネ6を介して制御可能に揺動アーム2を動作させ、従動プーリ5の位置を変化させることで、第2ベルト10の伸張又は弛緩を調節する。
【0061】
前記駆動モータ1と制御モータ7は衣類処理装置のハウジング内に設置されている。また、制御モータ7の位置は駆動モータ1の位置よりも低くなっている。
【0062】
上下に設置される2つの回転槽を有する洗濯機の場合には、前記クラッチ構造を2つの回転槽の間の隙間位置に設置し、駆動モータ1と制御モータ7を2つの回転槽の間の位置に設置する。このようにすることで、構造全体がよりコンパクトになるとともに、上下2つの洗濯機の乾燥機能の運転状態を迅速に選択して切り替えやすくなる。
【0063】
前記従動プーリ5は、同軸に設置及び接続される第1サイドプーリ51と第2サイドプーリ52を含む。且つ、第2サイドプーリ52の直径は第1サイドプーリ51の直径よりも小さい。第1サイドプーリ51は、第1ベルト9を介して駆動モータ1の第2出力端12に接続される。
【0064】
前記従動プーリを設置することで、ベルトを迅速に動作及び反応させてベルトの伸張又は弛緩を調整しやすくなるため、衣類処理槽の回転状態が速やかに調節される。
【0065】
前記揺動アーム2の第1端は、駆動モータ1の第2出力端12又は駆動モータ1のハウジングに接続され、第2端は第1サイドプーリ51の中心軸部に接続される。
【0066】
揺動アーム2の第1端と第2端の間には屈曲構造が設けられている。
【0067】
前記揺動アーム2の第1端と第2端にはそれぞれブッシュが設けられている。揺動アーム2の第1端、第2端は、ブッシュを介してそれぞれ駆動モータ1の第2出力端12、第1サイドプーリ51の中心軸部と嵌合する。
【0068】
前記揺動アーム2の第1端又は/及び第2端には、揺動アーム2を回転駆動して位置回復させるよう弾性復元構造が設けられている。
【0069】
前記弾性復元構造はねじりバネとすればよい。
【0070】
前記揺動アーム2の第2端には、バネ6の一端に接続される第1固定ピン3が設けられている。また、制御モータ7の動作出力端には偏心構造が設けられている。偏心構造は、制御モータ7の動作出力端周りに回転する第2固定ピン4を含み、第2固定ピン4がバネ6の他端に接続される。第2固定ピン4の軸線と制御モータ7の動作出力端の軸線は重なり合わない。
【0071】
前記揺動アーム2の上記構造によって、ベルトの伸張及び弛緩の調節がいっそう迅速且つ速やかとなる。且つ、制御機能を喪失しにくく、より安定的且つ確実である。
【0072】
バネ6は、揺動アーム2と制御モータ7の動作出力端との間に接続される。或いは、バネ6は第1ベルト9と制御モータ7の動作出力端との間に接続される。
【0073】
バネ6は吊りバネである。吊りバネの両端には、開口が同一側又は異なる側を向く掛接部が設けられている。前記掛接部は、第1固定ピン3及び第2固定ピン4にそれぞれ掛接される。
【0074】
前記第1固定ピン3には、掛接部が第1固定ピン3の軸方向に沿って抜け落ちないよう防止する位置規制構造が設けられている。
【0075】
前記揺動アーム2の構造特性及びバネ6の具体的な接続方式によれば、前記クラッチ構造を簡略化可能なだけでなく、安定的且つ効果的なクラッチ制御を保証できる。且つ、当該クラッチ構造を使用する衣類処理装置に複雑な制御プログラムを設定する必要もない。本設計は精巧であり、研究開発コストや生産コストを簡略化できる。
【0076】
上記の技術手段を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0077】
本発明で述べたクラッチ構造によれば、1つの乾燥・凝縮装置を共用する衣類処理装置の2つの洗濯機における乾燥機能の分離が簡単且つ効果的に実現されるため、ユーザはいっそう多くの選択肢を有することになる。加えて、第1洗濯機を単体で使用するだけで乾燥を実現可能な場合に、第2洗濯機も付随して回転することで生じる無駄なエネルギー消費や装置の不要な摩耗が回避されるため、衣類処理装置の使用寿命が延長される。
【0078】
前記クラッチ構造は設置が容易であり、複雑な部材を必要することなく、従来の衣類処理装置の構造を十分に活用している。よって、研究開発コストや生産コストが抑えられるとともに、故障率を低下させられる。
【実施例3】
【0079】
クラッチ構造は駆動モータ1を含む。駆動モータ1は、一方の出力端がベルトプーリ8を介して乾燥用送風機に伝動接続されるとともに、他方の出力端が従動プーリ5に回転接続される。前記従動プーリ5は、第2ベルト10を介して衣類処理槽100に接続される。駆動モータ1と従動プーリの間には揺動アーム2が設けられており、揺動アーム2がバネ6の一端に接続される。また、バネ6の他端は制御モータ7に接続されており、従動プーリ5と第2ベルト10との噛合状態を制御するよう伸縮が調節される。
【0080】
本実施例において、前記衣類処理槽は衣類乾燥機の衣類乾燥槽である。
【0081】
前記揺動アーム2のうち従動プーリ5に伝動接続される一端には、バネ6の一端に接続される第1固定ピン3が設けられている。また、前記制御モータ7のホイール71には、バネ6の他端に接続される第2固定ピン4が設けられている。制御モータ7はホイール71の角度を調節するよう運転することで第2固定ピン4の位置を調節し、バネ6を伸縮させる。
【0082】
前記バネ6は吊りバネである。吊りバネの両端には、開口が同一側又は異なる側を向く掛接部が設けられている。前記掛接部は、第1固定ピン3及び第2固定ピン4にそれぞれ掛接される。
【0083】
前記第1固定ピン3には、掛接部が第1固定ピン3の軸方向に沿って抜け落ちないよう防止する位置規制構造が設けられている。
【0084】
前記第2固定ピン4は、ホイール71の表面に一体的に成型される平滑な円柱体である。
【0085】
本発明は、衣類処理装置を提供する。当該衣類処理装置は、乾燥機能を有する第1衣類処理構造と第2衣類処理構造を含む。第1衣類処理構造と第2衣類処理構造は1つの乾燥・凝縮システムを共用するとともに、第1衣類処理構造と第2衣類処理構造の乾燥機能を切り替えられるよう上述のクラッチ構造を有している。
【0086】
本実施例では、具体的に、前記第1衣類処理構造を衣類乾燥機とし、第2衣類処理構造を洗濯機とする。即ち、実際には、当該衣類処理装置は1つの乾燥・凝縮システムを共用する洗濯機及び衣類乾燥機を含む洗濯乾燥一体機である。
【0087】
駆動モータ1は、一方の出力端がベルトプーリ8を介して乾燥・凝縮システムの乾燥用送風機を動作させ、他方の出力端が従動プーリ5に接続される。また、前記従動プーリ5は、第2ベルト10を介して衣類乾燥槽(第1衣類処理槽101)に接続される。
【0088】
また、制御モータ7のホイール71の回転を調節するプログラムが設定されている。制御モータ7は、選択されたプログラムに基づいてホイール71の回転を制御することで、第2固定ピン4を最高位又は最低位に位置させる。
【0089】
本発明は、衣類処理装置のクラッチ制御方法を提供する。前記衣類処理装置は、1つの乾燥・凝縮システムを共用する第2衣類処理構造と第1衣類処理構造を含むとともに、駆動モータ1を含む。駆動モータ1は、一方の出力端が乾燥用送風機に伝動接続され、他方の出力端が従動プーリ5に回転接続される。前記従動プーリは、第2ベルト10を介して衣類乾燥槽(第1衣類処理槽101)に接続される。駆動モータ1と従動プーリ5の間には揺動アーム2が設けられている。揺動アーム2はバネ6の一端に接続され、バネ6の他端が制御モータ7に接続される。第1衣類処理構造の乾燥が選択されると、制御モータ7はバネ6を引っ張って揺動アーム2を下方に運動させるよう制御する。すると、従動プーリ5が第2ベルト10と噛合し、第1衣類処理構造の衣類乾燥槽(第1衣類処理槽101)を回転させる。また、第2衣類処理構造の乾燥が選択されると、制御モータ7はバネ6を収縮させて揺動アーム2を上方に運動させるよう制御する。すると、従動プーリ5が第2ベルト10から分離し、第1衣類処理構造の衣類乾燥槽(第1衣類処理槽101)が回転を停止する。
【0090】
揺動アーム2のうち従動プーリ5に伝動接続される一端には、バネ6の一端に接続される第1固定ピン3が設けられている。また、制御モータ7のホイール71には、バネ6の他端に接続される第2固定ピン4が設けられている。第1衣類処理構造の乾燥が選択されると、制御モータ7のホイール71が回転して第2固定ピン4を最低位とする。すると、バネ6が引っ張られて揺動アーム2を下方に運動させることで、従動プーリ5が第2ベルト10と噛合し、衣類乾燥機(第1衣類処理構造)の衣類乾燥槽(第1衣類処理槽101)を回転させる。
【0091】
第2衣類処理構造の乾燥が選択されると、制御モータ7のホイール71が回転して第2固定ピン4を最高位とする。すると、バネ6が収縮して揺動アーム2を上方に運動させることで、従動プーリ5が第2ベルト10から分離し、第1衣類処理構造の衣類乾燥槽(第1衣類処理槽101)が回転を停止する。
【0092】
上記の技術手段を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0093】
本発明で述べたクラッチ構造によれば、1つの乾燥・凝縮装置を共用する衣類処理装置の洗濯機及び衣類乾燥機の乾燥機能の分離が簡単且つ効果的に実現されるため、ユーザはいっそう多くの選択肢を有することになる。加えて、洗濯機を単体で使用するだけで乾燥を実現可能な場合に、乾燥槽も付随して回転することで生じる無駄なエネルギー消費や装置の不要な摩耗が回避されるため、衣類処理装置の使用寿命が延長される。
【0094】
前記クラッチ構造は設置が容易であり、複雑な部材を必要することなく、従来の衣類処理装置の構造を十分に活用している。よって、研究開発コストや生産コストが抑えられるとともに、故障率を低下させられる。
【0095】
前記クラッチ制御方法は手順が簡単であり、プログラム設定を簡略化可能である。当該制御方法はモータの運転を制御するだけで効果的に実現可能なため、制御ロジックがシンプルであり、且つ操作しやすく確実である。なお、以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術手段を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて行うわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術手段の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の手段の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0096】
1 駆動モータ
11 第1出力端
12 第2出力端
2 揺動アーム
21 中心軸
3 第1固定ピン
4 第2固定ピン
5 従動プーリ
51 第1サイドプーリ
52 第2サイドプーリ
6 バネ
7 制御モータ
71 ホイール
8 ベルトプーリ
9 第1ベルト
10 第2ベルト
100 衣類処理槽
101 第1衣類処理槽
102 第2衣類処理槽
図1
図2
図3
図4
図5