(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】基礎構造体の補強構造並びに補強方法
(51)【国際特許分類】
E02D 27/10 20060101AFI20220829BHJP
E02D 5/28 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
E02D27/10
E02D5/28
(21)【出願番号】P 2018242653
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】515326321
【氏名又は名称】株式会社CORE技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】518460303
【氏名又は名称】ケーエイチ イーアンドティ カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 英規
(72)【発明者】
【氏名】西 弘
(72)【発明者】
【氏名】ソン ギヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョミョンス
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-097843(JP,A)
【文献】特開2007-197975(JP,A)
【文献】特開昭49-023405(JP,A)
【文献】特開2006-022575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/10
E02D 5/28
E04G 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強杭を用いて基礎構造体を補強する基礎構造体の補強方法であって、
前記補強杭の設置箇所に、前記基礎構造体を鉛直方向に貫通するように杭挿入孔を形成する挿入孔形成工程と、
前記補強杭の上端部が前記杭挿入孔内に位置するように前記補強杭を前記杭挿入孔に挿入する杭挿入工程と、
前記杭挿入孔にグラウト材を注入して硬化させ、前記杭挿入孔内に前記補強杭の上部を固定する杭固定部を形成する杭固定工程とを行い、
前記杭挿入孔が下方に向かって広がるテーパー状挿入孔であり、前記杭挿入孔に挿入した前記補強杭と、前記杭挿入孔内に形成した前記杭固定部とで基礎補強部を構成する
基礎構造体の補強方法。
【請求項2】
前記挿入孔形成工程を、
前記基礎構造体における前記補強杭の前記設置箇所を円筒状の貫通孔を削孔する円筒削孔工程と、
前記貫通孔の側面を水平方向に掘削して、下方に向かって広がるテーパー状の拡張部を形成する拡張部形成工程とを行う
請求項1に記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項3】
前記基礎構造体は、
内部における上下に鉄筋が配置されており、
前記拡張部を、上側の前記鉄筋と下側の前記鉄筋との間に形成する
請求項2に記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項4】
前記杭挿入工程において、
前記補強杭を挿入した後、外周面に複数の貫通孔を有する補強管を前記杭挿入孔に挿入する
請求項1乃至3のうちいずれかに記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項5】
前記補強管は、
下部に下プレートが設けられ、
該下プレートは、上記補強杭の上端を連結する連結孔が設けられている
請求項4に記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項6】
前記貫通孔は、
前記補強管の外周面を切開して径方向に曲げて形成される
請求項4または5に記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項7】
前記杭挿入孔における前記拡張部の一部に固定溝部が設けられる
請求項1乃至3のうちいずれかに記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項8】
前記杭挿入工程は、
ボーリング機を用いて、地盤の最上層に位置する埋設層をボーリングすることにより、ボーリング部を形成するボーリング工程と、
ねじ込み式パイルである前記補強杭を前記ボーリング部に挿入し、該補強杭の端部分の吐出口から空気を注入しながら該補強杭を回転させることによって、前記埋設層の下に位置する前記地盤の一部を削孔する地盤削孔工程と、
回転する前記補強杭の吐出口からグラウト材を吐出させて前記地盤にグラウト注入を行い、該地盤の抵抗に基づく該補強杭のトルク値によって判別した支持層に前記補強杭を挿入する第1補強杭挿入工程と、
前記補強杭を支える前記支持層の支持力を増強させる支持力増強工程と、
前記補強杭の回転が所定の回転数まで回復したら、前記地盤にグラウト注入を行いながら、該補強杭を一定の深さまで挿入する第2補強杭挿入工程とを行う
請求項1乃至7のうちいずれかに記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項9】
前記支持力増強工程において、
前記補強杭を挿入した底部から所定間隔引き上げ、
該地盤中に吐出された前記グラウト材が前記地盤と攪拌混合されるように前記補強杭を正転し、該地盤の支持力を増加させる
請求項8に記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項10】
前記支持力増強工程において、
前記補強杭を前記地盤から一定の長さ分を引き抜く杭引き抜きと、引き抜いた前記補強杭を前記地盤に貫入させる杭貫入とを繰り返し、前記地盤の支持力を増加させる
請求項8または9に記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項11】
前記支持力増強工程において、
前記補強杭の前記吐出口から空気を吐出させながら前記地盤を圧密して該地盤の支持力を増加させる
請求項8乃至10のうちいずれかに記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項12】
前記地盤削孔工程の後、かつ前記第1補強杭挿入工程の前に、
前記地盤上に露出している設置済みの前記補強杭の上端に、挿入する前記補強杭を固定して結合させる結合工程を行う
請求項8乃至11のうちいずれかに記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項13】
前記第2補強杭挿入工程後に、
前記補強杭の内部、前記補強杭が挿入された地盤、及び、前記地盤と挿入された前記補強杭との間の空間のうち少なくともいずれかに前記グラウト材を充填し、前記補強杭の荷重を増加させる
請求項8乃至12のうちいずれかに記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項14】
前記杭挿入孔内に露出している前記補強杭の上端に杭切断プレートを取り付けるプレート取付け工程を行う
請求項8乃至13のうちいずれかに記載の基礎構造体の補強方法。
【請求項15】
補強杭を用いて基礎構造体を補強する基礎構造体の補強構造であって、
前記補強杭の設置箇所に、前記基礎構造体を鉛直方向に貫通するように削孔された杭挿入孔の内部に前記補強杭の上端部が位置するように前記杭挿入孔に挿入された前記補強杭と、
前記杭挿入孔に注入され、硬化したグラウト材によって構成され、前記杭挿入孔内における前記補強杭の上部を固定する杭固定部とが備えられ、
前記杭挿入孔が下方に向かって広がるテーパー状挿入孔であり、前記杭挿入孔に挿入した前記補強杭と、前記杭挿入孔内に形成した前記杭固定部とで基礎補強部を構成する
基礎構造体の補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、補強杭で補強する基礎構造体の補強構造並びにその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基礎構造体を補強するための方法として、例えば、基礎構造体の内部に挿入孔を削孔し、その挿入孔を通して径の小さい杭(以下において小径杭という)を挿入するとともに、グラウト注入を行い、地盤に固定する方法がある。このような補強方法は、小径杭の先端支持力及びグラウト材の周面摩擦によって地盤を補強するものである。
【0003】
しかし、上述の補強方法には、小径杭を地盤に挿入する際に生じる偏心により小径杭が挿入孔の内部で一方に傾くことに起因し、グラウト材が小径杭の上端まで均等に充填されなかったり、グラウト材の厚さが均一にならないことで小径杭の上端が安定的に固定されないおそれがあった。
さらに、小径杭を円筒形の挿入孔に挿入するとともに、グラウト材を注入し地中に固定すると、硬化したグラウト材と挿入孔との間において押し抜き破壊が生じるおそれがあった。
【0004】
これらの問題に対し、特許文献1には、
図19に示すように挿入孔12aを形成し、固定アンカー16を用いて固定する補強方法が開示されている。
上記特許文献1に開示の補強方法は、傾斜させた固定アンカー16を、挿入孔12aを超える大きさに広げて基礎構造体に固定するように構成されている。そのため、補強構造における構造安定性を向上させることはできるものの、構造が複雑で施工性が低く、管理が難しいため、品質の安定性が低いという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこでこの発明は、基礎構造体の補強に際し、補強杭を安定的に固定し、基礎補強部の押し抜き破壊を防止することができる基礎構造体の補強構造及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、補強杭を用いて基礎構造体を補強する基礎構造体の補強方法であって、前記補強杭の設置箇所に、前記基礎構造体を鉛直方向に貫通するように杭挿入孔を形成する挿入孔形成工程と、前記補強杭の上端部が前記杭挿入孔内に位置するように前記補強杭を前記杭挿入孔に挿入する杭挿入工程と、前記杭挿入孔にグラウト材を注入して硬化させ、前記杭挿入孔内に前記補強杭の上部を固定する杭固定部を形成する杭固定工程とを行い、前記杭挿入孔が下方に向かって広がるテーパー状挿入孔であり、前記杭挿入孔に挿入した前記補強杭と、前記杭挿入孔内に形成した前記杭固定部とで基礎補強部を構成することを特徴とする。
【0008】
またこの発明は、補強杭を用いて基礎構造体を補強する基礎構造体の補強構造であって、前記補強杭の設置箇所に、前記基礎構造体を鉛直方向に貫通するように削孔された杭挿入孔の内部に前記補強杭の上端部が位置するように前記杭挿入孔に挿入された前記補強杭と、前記杭挿入孔に注入され、硬化したグラウト材によって構成され、前記杭挿入孔内における前記補強杭の上部を固定する杭固定部とが備えられ、前記杭挿入孔が下方に向かって広がるテーパー状挿入孔であり、前記杭挿入孔に挿入した前記補強杭と、前記杭挿入孔内に形成した前記杭固定部とで基礎補強部を構成することを特徴とする。
【0009】
この発明により、基礎構造体の内部に下方広がりの円錐台形状の杭固定部が形成され、前記杭挿入孔に挿入した前記補強杭と、前記杭挿入孔内に形成した前記杭固定部とで基礎補強部を構成するため、接地圧または杭固定部の外周面の摩擦せん断力により、基礎補強部と基礎構造体における接触面との間の押し抜きせん断破壊を防止することができる。
【0010】
また、補強杭の上端が基礎構造体を貫通する挿入孔の拡張された部分に位置するため、グラウト材を補強杭の上部の周りに均等に充填することができる。さらに、杭固定部の厚さを均一に形成できるため、補強杭を安定的に固定することができ、補強杭の上端を堅固に固定することができる。
【0011】
さらに、基礎構造体の補強に際し、本発明は、補強杭の上端が下方広がりの挿入孔内に位置するよう補強杭を地盤に挿入し、補強杭の上部にグラウト材によって杭固定部を形成するため、構造が単純であり施工が容易である。
【0012】
さらにまた、本発明は、仮に、補強杭をねじ込み式パイルで構成し、ねじ込み式パイルで構成する補強杭を地盤の一定の深さまで挿入する場合においても、地盤に対するねじ込み式パイルの先端支持力を向上させることができ、かつ、ねじ込み式パイルを地盤に挿入するのに要する時間及び労力を大きく削減することができる。
なお、グラウト材を注入するグラウト注入は薬液を注入する薬液注入であってもよい。また、ねじ込み式パイルはらせん杭ともいう。さらに、摩擦せん断力は周面摩擦力ともいう。
【0013】
この発明の態様として、前記挿入孔形成工程を、前記基礎構造体における前記補強杭の前記設置箇所を円筒状の貫通孔を削孔する円筒削孔工程と、前記貫通孔の側面を水平方向に掘削して、下方に向かって広がるテーパー状の拡張部を形成する拡張部形成工程とを行ってもよい。
【0014】
またこの発明の態様として、前記基礎構造体は、内部における上下に鉄筋が配置されており、前記拡張部を、上側の前記鉄筋と下側の前記鉄筋との間に形成してもよい。
またこの発明の態様として、前記杭挿入工程において、前記補強杭を挿入した後、外周面に複数の貫通孔を有する補強管を前記杭挿入孔に挿入してもよい。
【0015】
またこの発明の態様として、前記補強管は、下部に下プレートが設けられ、該下プレートは、上記補強杭の上端を連結する連結孔が設けられていてもよい。
またこの発明の態様として、前記貫通孔は、前記補強管の外周面を切開して径方向に曲げて形成されてもよい。
【0016】
またこの発明の態様として、前記杭挿入孔における前記拡張部の一部に固定溝部が設けられてもよい。
またこの発明の態様として、前記杭挿入工程は、ボーリング機を用いて、地盤の最上層に位置する埋設層をボーリングすることにより、ボーリング部を形成するボーリング工程と、ねじ込み式パイルである前記補強杭を前記ボーリング部に挿入し、該補強杭の端部分の吐出口から空気を注入しながら該補強杭を回転させることによって、前記埋設層の下に位置する前記地盤の一部を削孔する地盤削孔工程と、回転する前記補強杭の吐出口からグラウト材を吐出させて前記地盤にグラウト注入を行い、該地盤の抵抗に基づく該補強杭のトルク値によって判別した支持層に前記補強杭を挿入する第1補強杭挿入工程と、前記補強杭を支える前記支持層の支持力を増強させる支持力増強工程と、前記補強杭の回転が所定の回転数まで回復したら、前記地盤にグラウト注入を行いながら、該補強杭を一定の深さまで挿入する第2補強杭挿入工程とを行ってもよい。
【0017】
またこの発明の態様として、前記支持力増強工程において、前記補強杭を挿入した底部から所定間隔引き上げ、該地盤中に吐出された前記グラウト材が前記地盤と攪拌混合されるように前記補強杭を正転し、該地盤の支持力を増加させてもよい。
【0018】
またこの発明の態様として、前記支持力増強工程において、前記補強杭を前記地盤から一定の長さ分を引き抜く杭引き抜きと、引き抜いた前記補強杭を前記地盤に貫入させる杭貫入とを繰り返し、前記地盤の支持力を増加させてもよい。
【0019】
またこの発明の態様として、前記支持力増強工程において、前記補強杭の前記吐出口から空気を吐出させながら前記地盤を圧密して該地盤の支持力を増加させてもよい。
【0020】
またこの発明の態様として、前記地盤削孔工程の後、かつ前記第1補強杭挿入工程の前に、前記地盤上に露出している設置済みの前記補強杭の上端に、挿入する前記補強杭を固定して結合させる結合工程を行ってもよい。
【0021】
またこの発明の態様として、前記第2補強杭挿入工程後に、前記補強杭の内部、前記補強杭が挿入された地盤、及び、前記地盤と挿入された前記補強杭との間の空間のうち少なくともいずれかに前記グラウト材を充填し、前記補強杭の荷重を増加させてもよい。
またこの発明の態様として、前記杭挿入孔内に露出している前記補強杭の上端に杭切断プレートを取り付けるプレート取付け工程を行ってもよい。
【発明の効果】
【0022】
この発明により、基礎構造体の補強に際し、補強杭を安定的に固定し、基礎補強部の押し抜き破壊を防止することができる基礎構造体の補強構造及びその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による基礎構造体の補強方法の工程ごとの過程を示す図。
【
図5】補強管が挿入された基礎構造体を示す側断面図。
【
図6】補強管と補強杭との接続関係を示す側断面図。
【
図9】本発明による基礎補強方法の杭挿入工程を示す図。
【
図10】本発明による基礎補強方法の杭挿入工程を示す図。
【
図11】本発明による基礎補強方法の杭挿入工程を示す図。
【
図12】本発明による基礎補強方法の杭挿入工程を示す図。
【
図13】本発明による基礎補強方法の杭挿入工程を示す図。
【
図14】補強杭を用いて地盤の支持力を増加させる過程を示す図。
【
図15】補強杭を用いて地盤の支持力を増加させる過程を示す図。
【
図16】補強杭を用いて地盤の支持力を増加させる過程を示す図。
【
図17】基礎補強方法の工程を順に示す施工フローチャート。
【
図18】基礎補強方法の杭挿入工程を順に示す施工フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、
図1乃至
図9を参照しながら、本発明の基礎補強方法により補強する基礎補強構造について説明する。
【0025】
本発明による基礎補強構造は、内部に補強筋11,12が配置された基礎構造体1を補強する構造であって、基礎構造体1における補強杭2の設置箇所に基礎構造体1を鉛直方向に貫通する杭挿入孔14が形成され、下方広がりの杭挿入孔14に挿入され、上端の一部が杭挿入孔14内に位置するように地盤に貫入される補強杭2と、グラウト材を杭挿入孔14に充填して形成された杭固定部3とで構成する基礎補強部Xで構成している。
【0026】
基礎構造体1はコンクリート部13で構成する鉄筋コンクリート基礎であり、コンクリート部13の内部に補強筋11,12が配置される。杭固定部3は、基礎構造体1を鉛直方向に貫通する杭挿入孔14に補強杭2を挿入して、グラウト注入して形成される。
【0027】
補強杭2を挿入する杭挿入孔14は、後述する下方広がりのテーパー形状を有している。
杭挿入孔14に挿入された補強杭2の上端の一部は杭挿入孔14内に位置していて、とくに、補強杭2の上端は、杭挿入孔14のうちの幅が拡張された拡張部142に配置されている。
【0028】
杭挿入孔14は、円筒部141及び拡張部142を有しており、拡張部142は上補強筋11と下補強筋12との間に形成されている。
補強管4は、補強管4の下部が補強杭2の外側を囲むようにして、杭挿入孔14に挿入されている。
【0029】
加えて、補強管4の外周面には、
図5に示すようにグラウト材が導通できる複数の貫通孔41が形成されており、また、補強管4の下部の中心には、補強杭2の上端にネジ連結できるように、下プレート42が結合されている。
【0030】
このような基礎補強構造について、その補強方法とともに、以下において詳しく説明する。
基礎構造体1の補強方法の工程ごとの過程を示す図である
図1及び
図17に示すように、内部に補強筋11,12が配置される基礎構造体1を、補強杭2を用いて補強する方法は、基礎構造体1における補強杭2の設置箇所に、基礎構造体1を鉛直方向に貫通するように杭挿入孔14を形成する挿入孔形成工程(ステップs1)、下方広がり状の杭挿入孔14に補強杭2を、補強杭2の上端部が杭挿入孔14内に位置するように挿入する杭挿入工程(ステップs2)、及び杭挿入孔14にグラウト材を注入して硬化させ、杭固定部3を形成する杭固定工程(ステップs3)を行う。これにより、施工が容易で、補強杭2を安定的に固定することができ、基礎補強部Xの押し抜き破壊を防止することができる。
【0031】
本発明による基礎補強方法においては、まず、
図1(a)に示すように、基礎構造体1における補強杭2を設置する位置に、基礎構造体1を鉛直方向に貫通するように杭挿入孔14を削孔する。
【0032】
なお、補強筋11,12は、鉄筋コンクリートの基礎としての基礎構造体1を構成するコンクリート部13の内部に配置された鉄筋である。
また、
図1(a)に示すように、杭挿入孔14は下方が広がるテーパー状に形成する。
【0033】
挿入孔を形成する施工順序を示す図である
図2に示すように、基礎構造体1を鉛直方向に貫通し、下方に向けて徐々に広がるテーパー状である杭挿入孔14は、基礎構造体1の補強杭2の設置箇所に削孔された、一様な直径を有する円筒部141と、円筒部141の側面を水平方向に掘削することにより下方広がりにした拡張部142とで構成している。
【0034】
テーパー形状を有する杭挿入孔14を一度の削孔で基礎構造体1に形成するのは困難である。
したがって、鉛直方向に一様な直径を有する円筒形の円筒部141を、一般のボーリング機を用いて削孔し(
図2(a)を参照)、その後、特殊装置を用いてコンクリート部13を円筒部141の内側から、円筒部141の径外側方向に、下方に向かうほど切削量が多くなるように削ってテーパー状の拡張部142を形成する。このようにして、テーパー状の拡張部142を有する杭挿入孔14を容易に施工することができる。(
図2(b)を参照)。
【0035】
杭固定部3の荷重支持の概念を示す図である
図3に示すように、拡張部142は、上補強筋11と下補強筋12との間に形成している。
断面にまったく変化がなく鉛直方向にのみ形成されている円筒部141は、底部の刃を回転させて削孔する一般のボーリング機を用いて形成することができる。仮に、削孔する際に、上補強筋11や下補強筋12が干渉しても、ボーリング機が上補強筋11や下補強筋12を容易に切断できるため、削孔作業は容易に実施できる。
【0036】
一方、拡張部142は、円筒部141の側面から基礎構造体1を構成するコンクリート部13を削ることによって形成されるものであり、拡張部142の形成するための横方向に切削する装置では上補強筋11や下補強筋12を切断することが困難なため、上補強筋11や下補強筋12が干渉すると削孔作業が非常に困難となる。
【0037】
したがって、拡張部142を形成する際には施工者が補強筋11,12を切断することなく切削作業を実施できるよう、拡張部142は上補強筋11と下補強筋12の間に形成している。
なお、拡張部142を上補強筋11と下補強筋12との間に部分的に形成されることで、
図3に示すように、拡張部142の下部に段付きジョー部143がおのずと形成される。
【0038】
段付きジョー部143は、補強杭2に下向きの引張力が与えられた際に杭固定部3が挿入孔14から抜け出ることを防止できる。したがって、杭固定部3が基礎構造体1とともに上下方向に堅固に固定され、圧縮力及び引張力に対して荷重を安定的に伝達することができる(
図3参照)。
加えて、下補強筋12の切断長さを最小限とすることができる。
【0039】
次に、補強杭2を、補強杭2の上端部が杭挿入孔14内に位置するように、杭挿入孔14及び地盤に挿入する(
図1(b)を参照)。
補強杭2を杭挿入孔14に挿入した後、補強杭2の杭頭を、プラズマ切断機により杭挿入孔14内で適切な長さに切断する。
【0040】
このとき、補強杭2の上端は、後述する杭挿入孔14の拡張部である拡張部142に位置することとなり、グラウト材を補強杭2の上部の周りに均等に充填して杭固定部3を形成することができる(
図3参照)。さらに、杭固定部3の厚さを均一に形成できるため、補強杭2を安定的に固定することができる。
なお、補強杭2を杭固定部3内に安定的に固定できるよう、せん断スタッド(図示省略)を補強杭2の上部の外周面に結合してもよい。
【0041】
図1(c)に示すように、杭挿入孔14内に充填したグラウト材を硬化させて形成した杭固定部3は、杭挿入孔14内において円錐台形状に形成され、補強杭2は接地圧または杭固定部3の外周面の摩擦せん断力により、杭固定部3と基礎構造体1の接触面との間の押し抜きせん断に効果的に抵抗することができる。
望ましくは、グラウト材は基礎構造体1のコンクリート13より高い強度を有するエポキシまたは無収縮モルタルである。
【0042】
補強管4の一例を示す斜視図である
図4、及び補強管4を挿入した基礎構造体1を示す側断面図である
図5に示すように、杭挿入工程(ステップs2)において、補強杭2が挿入された後、外周面に複数の貫通孔41を有する補強管4を杭挿入孔14に挿入する。
【0043】
補強管4は、外周面に形成された複数の貫通孔41を有する。
貫通孔41は、グラウト材が補強管4の径内外方向に通過できるようにするものである。
【0044】
杭挿入工程(ステップs2)において、補強管4は、補強杭2を杭挿入孔14に挿入した後、杭挿入孔14に挿入する。
挿入した補強管4は、補強杭2の上部のグラウト材を水平方向に規制することによって、杭固定部3を補強する。
補強管4は、補強杭2の上端から突出している突出部分を囲むようにして施工してよく、また、補強管4の上端は、杭挿入孔14の上部まで伸ばしてもよい。
【0045】
補強管4と補強杭2との間の接続関係を示す側断面図である
図6に示すように、連結孔42aを有する下プレート42が補強管4の下部の中心に設けられており、補強杭2の上端を連結孔42aに連結するように構成されている。
【0046】
従来は、補強杭2の上端をグラウト材の充填により形成された杭固定部3に固定するためには、一定の面積を有する固定プレートを結合していたが、固定プレートを杭挿入孔14に挿入する必要があり、杭挿入孔14が必要以上に径大化する必要があった。
【0047】
そこで、水平方向に大きな固定プレートは用いず、水平方向に大きな固定プレートの代わりに、鉛直方向に伸びた補強管4を用い、補強管4の下に設けられた下プレート42に補強杭2の上端を連結して杭固定部3内で堅固に固定されるように構成している。
【0048】
なお、補強管4の下に設けられた下プレート42と、補強杭2の上端との連結は、本実施形態では、下プレート42の連結孔42aの内周面に雌ネジ山を形成し、補強杭2の外周面にネジ山を形成して、補強杭2の上端と下プレート42の連結孔42aとを螺合するように構成しているが、この方法に限定されない。
このように上端が下プレート42に固定された補強杭2は下プレート42によって杭固定部3内に固定され、補強管4の貫通孔41に充填されるグラウト材によってさらに安定的に固定される。
【0049】
屈曲板を有する補強管を示す側断面図である
図7に示すように、補強管4に設けた貫通孔41は、補強管4の外周面を切開して内側または外側に向けて曲げて形成されており、貫通孔41を形成するために補強管4を切開して曲げることで屈曲板43が形成されるが、貫通孔41を他の方法で補強管4の径内外方向に貫通するように形成してもよい。
【0050】
なお、屈曲板43は、杭固定部3内に挿入されて、固定力を増加することができるが、
図7に示すように、補強管4を杭挿入孔14に挿入する際に杭挿入孔14と干渉しないよう、補強管4の内側に向けて曲げることが望ましい。
【0051】
拡張部142の様々な例を示す
図8に示すように、拡張部142は、杭固定部3の固定力を増加させるための固定溝部144を備えてもよい。
固定溝部144は、円筒部141あるいは拡張部142の側面を削ることにより形成される。固定溝部144は、
図8(a)に示すように、複数段のテーパー状に形成してもよく、または、
図8(b)に示すように、拡張部142の一部を横方向にさらに拡張して形成してもよい。
【0052】
本発明による基礎補強方法の杭挿入工程(ステップs2)を示す図である
図9乃至
図13、補強杭2を用いて地盤の支持力を増加させる過程を示す図である
図14乃至
図16、基礎補強方法のボーリング工程(ステップs21)乃至第2補強杭挿入工程(ステップs25)を順に示す施工フローチャートである
図18とともに、杭挿入工程(ステップs2)について説明する。
【0053】
図9乃至
図12及び
図18に示すように、杭挿入工程(ステップs2)は、ボーリング機5を用いて、地盤の最上層に位置する埋設層64をボーリングすることによって、ボーリング部64aを形成するボーリング工程(ステップs21)、ねじ込み式パイルである補強杭2をボーリング部64aに挿入し、補強杭2の端部分の吐出口22から空気を注入しながら補強杭2を回転させることによって、埋設層64の下に位置するシルト質砂層63の一部に削孔する地盤挿入孔形成工程(ステップs22)、回転させた補強杭2の吐出口23からグラウト材を吐出させて地盤にグラウト注入を行い、地盤の抵抗に基づく補強杭2のトルク値によって判別した支持層まで補強杭2を挿入する第1補強杭挿入工程(ステップs23)、補強杭2を支持する支持層の支持力を増加させる支持力増強工程(ステップs24)及び、補強杭2の回転が所定の回転数まで回復したら、地盤にグラウト注入を行いながら、補強杭2を一定の深さまで挿入する第2補強杭挿入工程(ステップs25)を行う。
【0054】
まず、ボーリング工程(ステップs21)乃至第2補強杭挿入工程(ステップs25)に使用する、ねじ込み式パイルである補強杭2の構造を説明する。
図10乃至
図12に示すように、ねじ込み式パイルである補強杭2は、管状ロッド部21と、管状ロッド部21の外周面に形成されたスパイラル部25とで構成している。
【0055】
管状ロッド部21は、水や空気などの流体の流路として長手方向の中心に形成されている中空孔(図示省略)を有しており、地盤を削孔する際には、施工者が削孔作業を容易に行えるよう、管状ロッド部21の端部分から流体を噴出する。
中空孔から地盤に空気を注入すると、地盤が緩まり、削孔効率が向上し、削孔後の土砂を迅速にスパイラル部25に移動されることができる。
【0056】
このように、中空孔は、地盤を形成する挿入孔形成工程(ステップs1)及び杭を設置する杭挿入工程(ステップs2)において流体注入路として使用されるが、また、第1補強杭挿入工程(ステップs23)においてグラウト材を注入するグラウト材注入路としても使用される。
【0057】
さらに、水や空気などの流体を中空孔と連通して外部に吐出する吐出口22が、管状ロッド部21の下端部分に形成されている。
吐出口22は、一方の端部に形成され、中空孔と連通し、中空孔よりも小さい直径を有する。
【0058】
ねじ込み式パイルである補強杭2によって地盤に削孔しながら、削孔した地盤にグラウト材を注入するための複数の吐出口23が、管状ロッド部21の側面に形成されている。
吐出口23は、管状ロッド部21の外周面に沿って一定の間隔を空けて形成されている。
【0059】
スパイラル部25は管状ロッド部21の外周面に、スパイラル形状に設けられている。スパイラル部25は、地盤に削孔する際に管状ロッド部21を回転により容易に地盤に挿入できるようにするものであり、ねじ込み式パイルである補強杭2により削孔した地盤の削孔部の直径を拡張し、地盤に対するねじ込み式パイルである補強杭2の周摩擦力を向上することができる。
【0060】
ねじ込み式パイルである補強杭2を用いる杭挿入工程(ステップs2)は、以下のステップで構成することができる。
本実施形態において、
図9に示すように、地盤は、最下側に位置する下部の岩石層61の上側に、砂質礫層62、シルト質砂層63及び埋設層64が順に積み重なって形成されているとする。
【0061】
図9に示すように、杭挿入工程(ステップs2)において、ボーリング機5を用いて、地盤の最上層に位置し、約5mの深さを有する埋設層64をボーリングすることによってボーリング部64aを形成するボーリング工程(ステップs21)を行う。
例えば、ボーリング部64aの直径は8インチである。
【0062】
さらに、
図10に示すように、地盤削孔工程(ステップs22)において、ねじ込み式パイルである補強杭2をボーリング部64aに挿入し、補強杭2の端部にある吐出口22から空気を注入しながら補強杭2を、例えば、約14rpmの回転数で回転させて、埋設層64の下に位置するシルト質砂層63の一部を削孔する。
【0063】
なお、ねじ込み式パイルである補強杭2を回転させる回転速度は、シルト質砂層63の地盤強度に従ってコントロールしてもよい。その場合、ねじ込み式パイルである補強杭2が破損しない範囲内で補強杭2を回転させながら地盤を削孔するように、シルト質砂層63の地盤強度が高い場合は回転速度を上げ、地盤強度が低い場合は回転速度を下げることが望ましい。
【0064】
補強杭2が埋設層64の下のシルト質砂層63を一定の深さまで削孔した後、地盤上に露出している補強杭2の上端に次の補強杭2を固定結合する工程を行ってよい。
なお、次の補強杭2を挿入済みの補強杭2に固定結合するには様々な方法があり、例えば、フランジ形状部材を補強杭2の上端に設けて、フランジ形状部材をボルト及びナットを用いて補強杭2に連結することができる。
【0065】
その後、
図11に示すように、第1補強杭挿入工程(ステップs23)において、回転させた補強杭2の吐出口23からグラウト材を吐出させて地盤にグラウト注入を行い、地盤の抵抗に基づく補強杭2のトルク値によって支持層を判別し、補強杭2を支持層まで挿入する。
第1補強杭挿入工程(ステップs23)において、判別された支持層まで補強杭2を挿入するため、回転させた補強杭2の吐出口23からグラウト材を吐出させて地盤にグラウト注入を行う。
【0066】
次に、支持力増強工程(ステップs24)において、補強杭2を支持する支持層の支持力が増加される。
支持層の支持力が増加されると、支持層に挿入された補強杭2を安定的に支持することができる。
【0067】
詳細には、支持層の支持力を増加させるため、
図14に示すように、補強杭2を挿入底部である地盤から一定の間隔引き抜き、地盤中に吐出されたグラウト材が地盤と攪拌混合されるように正転させて、地盤の支持力を増加させるようにする。この例においては、砂質礫層62の上の空間がグラウト材で充填されて地盤の支持力が増加する。
【0068】
または、
図15に示すように、補強杭2を地盤から一定の距離まで引き抜いた後に地盤に貫入させる過程を繰り返し実施して、地盤の支持力を増加させるようにする。この場合は、砂質礫層62の上部が圧密されて地盤の支持力が増加する。
【0069】
さらに、
図16に示すように、補強杭2の吐出口22から空気を吐出させながら地盤を圧密して地盤の支持力を増加させるようにする。この場合は、砂質礫層62の上部が圧密されて地盤の支持力が増加する。
【0070】
上記方法のうちの一つによって支持層の支持力が増加された後、
図12に示すように、第2補強杭挿入工程(ステップs25)において、補強杭2の回転が所定の回転数まで回復したら、地盤にグラウト注入を行い、補強杭2をさらに一定の深さまで挿入する。
【0071】
補強杭2の回転が所定の回転数まで回復したら、補強杭2を再び回転させて、地盤にグラウト注入を行い、かつ、補強杭2を、補強杭2がそれ以上入らない深さまで、砂質礫層62に貫入させて、補強杭2が地盤によって安定的に支持されるようにする。
【0072】
第2補強杭挿入工程(ステップs25)の後、補強杭2の内部、補強杭2が挿入された地盤、及び、地盤と挿入された補強杭2との間の空間にグラウト材を充填し、補強杭2の荷重を増加させるようにする。
したがって、補強杭2と地盤との間の支持強度が増加される。
【0073】
図13に示すように、補強杭2が地盤に完全に挿入され、地盤から露出している補強杭2の上端が安定的に支持されたら、杭挿入孔14内に露出している補強杭2の上端に杭切断プレート24を取り付けて基礎工事を完了する。
【0074】
以下の表1は、本発明による基礎補強方法により、ねじ込み式パイルである補強杭2を地盤に挿入した後、杭挿入工程(ステップs2)のボーリング工程(ステップs21)乃至第2補強杭挿入工程(ステップs25)を実施した時の荷重-沈下解析、全体沈下量〈entire settlement〉及び残留沈下量の結果を示す。
【表1】
【0075】
試験に使用したねじ込み式パイルである補強杭2は、直径が76.3mmで貫入長が16.3mのロッド部と、152.6mmのネジ径(この例においては、ロッド部の下部を深さ10.6mに取り付ける)を有しており、上記結果はねじ込み式パイルの引抜き載荷試験により得られたものである。
【0076】
表1に示す通り、P-S、logP-logS、S-logt及びP-ds/D(logt)の解析法によれば、ねじ込み式パイルである補強杭2の降伏荷重は52.5tであり、安全係数2.0を考慮した許容支持力は26.25tであった。
【0077】
さらに、沈下による解析法によれば、全体沈下量量が25.4mmである場合の荷重は55.5tであり、安全係数1.5を考慮した許容支持力は37.0tであった。残留沈下量が12.7mmである場合の荷重は54.5tであり、安全係数2.0を考慮した許容支持力は27.25tであった。
【0078】
試験の結果、ねじ込み式パイルの許容支持力は26.25tで、これは解析結果の最小値であり、最大引抜き支持力7tを十分に満足するものであった。
試験の結果、ねじ込み式パイルの許容支持力は26.25tで、これは解析結果の最小値であり、ボストン市建築基準法(Boston Building Standard
Law)の残留沈下量を十分に満足するものであった。
【0079】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の補強杭は補強杭2に対応し、
以下同様に、
基礎構造体は基礎構造体1に対応し、
杭挿入孔は杭挿入孔14に対応し、
挿入孔形成工程は挿入孔形成工程(ステップs1)に対応し、
杭挿入工程は杭挿入工程(ステップs2)に対応し、
杭固定部は杭固定部3に対応し、
杭固定工程は杭固定工程(ステップs3)に対応し、
基礎補強部は基礎補強部Xに対応し、
貫通孔は円筒部141に対応し、
拡張部は拡張部142に対応し、
上側の鉄筋は上補強筋11に対応し、
下側の鉄筋は下補強筋12に対応し、
補強管は補強管4に対応し、
下プレートは下プレート42に対応し、
連結孔は連結孔42aに対応し、
固定溝部は杭挿入孔144に対応し、
ボーリング機はボーリング機5に対応し、
最上層に位置する埋設層は埋設層64に対応し、
ボーリング部はボーリング部64aに対応し、
ボーリング工程はボーリング工程(ステップs21)に対応し、
吐出口は吐出口22に対応し、
埋設層の下はシルト質砂層63に対応し、
地盤削孔工程は地盤削孔工程(ステップs22)に対応し、
吐出口は吐出口23に対応し、
支持層は支持層に対応し、
第1補強杭挿入工程は第1補強杭挿入工程(ステップs23)に対応し、
支持力増強工程は支持力増強工程(ステップs24)に対応し、
第2補強杭挿入工程は第2補強杭挿入工程(ステップs25)に対応し、
杭切断プレートは杭切断プレート24に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0080】
1…基礎構造体
2…補強杭
3…杭固定部
4…補強管
5…ボーリング機
11…上補強筋
12…下補強筋
14…杭挿入孔
22…吐出口
23…吐出口
24…杭切断プレート
42…下プレート
42a…連結孔
63…シルト質砂層
64…埋設層
64a…ボーリング部
141…円筒部
142…拡張部
144…杭挿入孔
X…基礎補強部
ステップs1…挿入孔形成工程
ステップs2…杭挿入工程
ステップs3…杭固定工程
ステップs21…ボーリング工程
ステップs22…地盤削孔工程
ステップs23…第1補強杭挿入工程
ステップs24…支持力増強工程
ステップs25…第2補強杭挿入工程