(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】草履
(51)【国際特許分類】
A43B 3/00 20220101AFI20220829BHJP
【FI】
A43B3/00 103D
(21)【出願番号】P 2018065221
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】518087650
【氏名又は名称】ペンギン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅之
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-148636(JP,A)
【文献】実開平01-133401(JP,U)
【文献】実開昭51-110749(JP,U)
【文献】特開2002-045202(JP,A)
【文献】実開昭54-175950(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/00~ 3/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
草履台と鼻緒と前坪とを備えた草履において、
前記草履台が、上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールから作られ、前記上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールが、前記草履台の天に位置する1枚の上層両面段ボールと、前記草履台の巻に位置して上下方向へ重なり合う3枚の第1~第3中層両面段ボールと、前記草履台の底に位置する1枚の下層両面段ボールとから形成され、
前記上層両面段ボールのライナーの下面と前記第1中層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、前記第1中層両面段ボールのライナーの下面と前記第2中層両面段ボールのライナーの上面とが、前記所定の固着手段によって固着されているとともに、前記第2中層両面段ボールのライナーの下面と前記第3中層両面段ボールのライナーの上面とが、前記所定の固着手段によって固着され、前記第3中層両面段ボールのライナーの下面と前記下層両面段ボールのライナーの上面とが、前記所定の固着手段によって固着され、前記鼻緒の後端部が、前記上層両面段ボールを貫通しつつ前記第1~第3中層両面段ボールに所定の固定手段によって固定され、前記前坪の下端部が、前記上層両面段ボールを貫通しつつ前記第1~第3中層両面段ボールに所定の固定手段によって固定され、
前記草履では、前記上層両面段ボールの面積と前記下層両面段ボールの面積とが前記第1~第3中層両面段ボールの面積よりも小さく、前記第1~第3中層両面段ボールの周縁部が前記上層両面段ボールおよび前記下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出していることを特徴とする草履。
【請求項2】
前記草履では、前記上層両面段ボールの目方向と前記第1中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該上層両面段ボールと該第1中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、前記第1中層両面段ボールの目方向と前記第2中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該第1中層両面段ボールと該第2中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っているとともに、前記第2中層両面段ボールの目方向と前記第3中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該第2中層両面段ボールと該第3中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、前記第3中層両面段ボールの目方向と前記下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該第3中層両面段ボールと該下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っている請求項1に記載の草履。
【請求項3】
前記草履では、前記第1中層両面段ボールの面積と前記第3中層両面段ボールの面積とが前記第2中層両面段ボールの面積よりも小さく、前記第2中層両面段ボールの周縁部が前記第1中層両面段ボールおよび前記第3中層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出している請求項1または請求項2に記載の草履。
【請求項4】
前記上層両面段ボールのライナーの上面と前記下層両面段ボールのライナーの下面とのうちの少なくとも該上層両面段ボールのライナーの上面には、防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が施されている請求項1ないし請求項3いずれかに記載の草履。
【請求項5】
草履台と鼻緒と前坪とを備えた草履において、
前記草履台が、上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールから作られ、前記上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールが、前記草履台の天に位置して上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2上層両面段ボールと、前記草履台の巻に位置して上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2中層両面段ボールと、前記草履台の底に位置して上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2下層両面段ボールとから形成され、前記第1上層両面段ボールのライナーの下面と前記第2上層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、前記第2上層両面段ボールのライナーの下面と前記第1中層両面段ボールのライナーの上面とが、前記所定の固着手段によって固着され、前記第1中層両面段ボールのライナーの下面と前記第2中層両面段ボールのライナーの上面とが、前記所定の固着手段によって固着されているとともに、前記第2中層両面段ボールのライナーの下面と前記第1下層両面段ボールのライナーの上面とが、前記所定の固着手段によって固着され、前記第1下層両面段ボールのライナーの下面と前記第2下層両面段ボールのライナーの上面とが、前記所定の固着手段によって固着され、前記鼻緒の後端部が、前記第1および第2上層両面段ボールを貫通しつつ前記第2上層両面段ボールと前記第1および第2中層両面段ボールとに所定の固定手段によって固定され、前記前坪の下端部が、前記第1および第2上層両面段ボールを貫通しつつ前記第2上層両面段ボールと前記第1および第2中層両面段ボールとに所定の固定手段によって固定され、
前記草履では、前記第1および第2上層両面段ボールの面積と前記第1および第2下層両面段ボールの面積とが前記第1および第2中層両面段ボールの面積よりも小さく、前記第1および第2中層両面段ボールの周縁部が前記第1および第2上層両面段ボールおよび前記第1および第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出していることを特徴とする草履。
【請求項6】
前記草履では、前記第1上層両面段ボールの目方向と前記第2上層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該第1上層両面段ボールと該第2上層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、前記第2上層両面段ボールの目方向と前記第1中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該第2上層両面段ボールと該第1中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、前記第1中層両面段ボールの目方向と前記第2中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該第1中層両面段ボールと該第2中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っているとともに、前記第2中層両面段ボールの目方向と前記第1下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該第2中層両面段ボールと該第1下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、前記第1下層両面段ボールの目方向と前記第2下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で該第1下層両面段ボールと該第2下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っている請求項
5に記載の草履。
【請求項7】
前記草履では、前記第1上層両面段ボールの面積が前記第2上層両面段ボールの面積よりも小さく、前記第2下層両面段ボールの面積が前記第1下層両面段ボールの面積よりも小さく、前記第2上層両面段ボールの周縁部が前記第1上層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出し、前記第1下層両面段ボールの周縁部が前記第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出している請求項5または請求項6に記載の草履。
【請求項8】
前記第1上層両面段ボールのライナーの上面と前記第2下層両面段ボールのライナーの下面とのうちの少なくとも該第1上層両面段ボールのライナーの上面には、防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が施されている請求項5ないし請求項7いずれかに記載の草履。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草履台と鼻緒と前坪とを備えた草履に関する。
【背景技術】
【0002】
スリッパやサンダルに使用する段ボール製の中敷きが開示されている(特許文献1参照)。この中敷きは、後部に周壁を有さず、前部に足覆いを有するスリッパやサンダルの足載せ面に装着される。また、靴の内部に収納される段ボールを利用した中敷きが開示されている(特許文献2参照)。この中敷きは、織布または不織布から作られて靴の内部に収容可能な外形に成形された表層と、段ボール紙のKライナー(クラフトライナ)用材料から作られて靴の内部に収容可能な外形に成形された中間層と、段ボール紙の中芯原紙から作られて靴の内部に収容可能な外形に成形された裏面層とから形成され、表層と中間層と裏面層とが接着層を介して接着されている。この中敷きには、裏面から表層に向かって突出する多数のエンボスが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-14606号公報
【文献】特開2010-200976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1や前記特許文献2に開示されている技術は、スリッパやサンダル、靴に使用する段ボールを利用した中敷きであり、それ自体が履物を構成することはない。なお、段ボールはクッション性に優れ、段ボール箱や敷物等に利用される他、その使用後はリデュースやリサイクルされるとともに、古紙としてリサイクルされる。なお、中敷きの他に、草履台に段ボールを使用した場合、市販の草履に比較して廉価に草履を作ることはできるが、着用者の全体重が草履台(段ボール)にかかると、段ボールのコルゲート構造の中芯が潰れたまま中芯のコルゲート構造が復元することはなく、草履台としての形態を維持することができず、草履としての機能を保持することができない。したがって、履いたり脱いだりを繰り返すことができず、草履として長期間の使用に耐えることができない、
本発明の目的は、段ボールから作られ、草履台としての形態を維持することができるとともに、草履としての機能を保持することができる草履を提供することにある。本発明の他の目的は、所定の強度および所定の耐久性を有して履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができることができる草履を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の前提は、草履台と鼻緒と前坪とを備えた草履である。
【0006】
前記前提における本発明の第1の特徴は、草履台が、上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールから作られ、上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールが、草履台の天に位置する1枚の上層両面段ボールと、草履台の巻に位置して上下方向へ重なり合う3枚の第1~第3中層両面段ボールと、草履台の底に位置する1枚の下層両面段ボールとから形成され、上層両面段ボールのライナーの下面と第1中層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、第1中層両面段ボールのライナーの下面と第2中層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着されているとともに、第2中層両面段ボールのライナーの下面と第3中層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、第3中層両面段ボールのライナーの下面と下層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、鼻緒の後端部が、上層両面段ボールを貫通しつつ第1~第3中層両面段ボールに所定の固定手段によって固定され、前坪の下端部が、上層両面段ボールを貫通しつつ第1~第3中層両面段ボールに所定の固定手段によって固定され、草履では、上層両面段ボールの面積と下層両面段ボールの面積とが第1~第3中層両面段ボールの面積よりも小さく、第1~第3中層両面段ボールの周縁部が上層両面段ボールおよび下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出していることにある。
【0007】
前記第1の特徴を有する本発明の一例として、草履では、上層両面段ボールの目方向と第1中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で上層両面段ボールと第1中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第1中層両面段ボールの目方向と第2中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第1中層両面段ボールと第2中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っているとともに、第2中層両面段ボールの目方向と第3中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第2中層両面段ボールと第3中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第3中層両面段ボールの目方向と下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第3中層両面段ボールと下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っている。
【0008】
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例として、草履では、第1中層両面段ボールの面積と第3中層両面段ボールの面積とが第2中層両面段ボールの面積よりも小さく、第2中層両面段ボールの周縁部が第1中層両面段ボールおよび第3中層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出している。
【0009】
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例として、上層両面段ボールのライナーの上面と下層両面段ボールのライナーの下面とのうちの少なくとも上層両面段ボールのライナーの上面には、防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が施されている。
【0010】
前記前提における本発明の第1の特徴は、草履台が、上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールから作られ、上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールが、草履台の天に位置して上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2上層両面段ボールと、草履台の巻に位置して上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2中層両面段ボールと、草履台の底に位置して上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2下層両面段ボールとから形成され、第1上層両面段ボールのライナーの下面と第2上層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、第2上層両面段ボールのライナーの下面と第1中層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、第1中層両面段ボールのライナーの下面と第2中層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着されているとともに、第2中層両面段ボールのライナーの下面と第1下層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、第1下上層両面段ボールのライナーの下面と第2下層両面段ボールのライナーの上面とが、所定の固着手段によって固着され、鼻緒の後端部が、第1および第2上層両面段ボールを貫通しつつ第2上層両面段ボールと第1および第2中層両面段ボールとに所定の固定手段によって固定され、前坪の下端部が、第1および第2上層両面段ボールを貫通しつつ第2上層両面段ボールと第1および第2中層両面段ボールとに所定の固定手段によって固定され、草履では、第1および第2上層両面段ボールの面積と第1および第2下層両面段ボールの面積とが第1および第2中層両面段ボールの面積よりも小さく、第1および第2中層両面段ボールの周縁部が第1および第2上層両面段ボールおよび第1および第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出していることにある。
【0011】
前記第2の特徴を有する本発明の一例として、草履では、第1上層両面段ボールの目方向と第2上層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第1上層両面段ボールと第2上層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第2上層両面段ボールの目方向と第1中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第2上層両面段ボールと第1中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第1中層両面段ボールの目方向と第2中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第1中層両面段ボールと第2中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っているとともに、第2中層両面段ボールの目方向と第1下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第2中層両面段ボールと第1下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第1下層両面段ボールの目方向と第2下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第1下層両面段ボールと第2下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っている。
【0012】
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例として、草履では、第1上層両面段ボールの面積が第2上層両面段ボールの面積よりも小さく、第2下層両面段ボールの面積が第1下層両面段ボールの面積よりも小さく、第2上層両面段ボールの周縁部が第1上層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出し、第1下層両面段ボールの周縁部が第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出している。
【0013】
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例として、第1上層両面段ボールのライナーの上面と第2下層両面段ボールのライナーの下面とのうちの少なくとも第1上層両面段ボールのライナーの上面には、防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が施されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る草履によれば、草履台が上下方向へ層状に重なり合って所定の固着手段によって固着された複数枚の段ボールから作られているから、着用者の全体重が草履台(段ボール)にかかったとしても、複数枚の段ボールによってその体重を支えることができ、段ボールのコルゲート構造の中芯が潰れることはなく、草履台としての形態を維持することができ、草履としての機能を保持することができる。草履は、上下方向へ重なり合う複数枚の段ボールから作られた草履台が所定の強度を有するとともに所定の耐久性を有するから、履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができることができる。草履は、複数枚の段ボールを上下方向へ層状に重ね、所定の固着手段によってそれら段ボールを固着し、所定の固定手段によって鼻緒と前坪とを段ボールに固定することから作られているから、その作成に手間がかからず廉価に作ることができる。
【0015】
上下方向へ層状に重なり合う複数枚の段ボールが、草履台の天に位置する上層段ボールと、草履台の巻に位置して所定の固着手段によって上層段ボールに固着された中層段ボールと、草履台の底に位置して所定の固着手段によって中層段ボールに固着された下層段ボールとから形成され、鼻緒の後端部が上層段ボールを貫通しつつ中層段ボールに所定の固定手段によって固定され、前坪の下端部が上層段ボールを貫通しつつ中層段ボールに所定の固定手段によって固定されている草履は、草履台が上下方向へ層状に重なり合う上層段ボールと中層段ボールと下層段ボールとから形成されているから、着用者の全体重が草履台(上層段ボール、中層段ボール、下層段ボール)にかかったとしても、上層段ボールや中層段ボール、下層段ボールによってその体重を十分に支えることができ、それら段ボールのコルゲート構造の中芯が潰れることはなく、草履台としての形態を維持することができ、草履としての機能を確実に保持することができる。草履は、上下方向へ層状に重なり合う上層段ボールと中層段ボールと下層段ボールとから形成された草履台が所定の強度を有するとともに所定の耐久性を有するから、履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができる。草履は、上層段ボールと中層段ボールと下層段ボールとを上下方向へ層状に重ね、所定の固着手段によってそれら段ボールを固着し、所定の固定手段によって鼻緒の後端部を中層段ボールに固定し、所定の固定手段によって前坪の下端部を中層段ボールに固定することから作られているから、その作成に手間がかからず廉価に作ることができる。
【0016】
上層段ボールが1枚の上層両面段ボールであり、中層段ボールが上下方向へ重なり合う3枚の第1~第3中層両面段ボールであり、下層段ボールが1枚の下層両面段ボールであり、上層両面段ボールのライナーの下面と第1中層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着され、第1中層両面段ボールのライナーの下面と第2中層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着されているとともに、第2中層両面段ボールのライナーの下面と第3中層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着され、第3中層両面段ボールのライナーの下面と下層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着されている草履は、草履台が上下方向へ層状に重なり合う上層両面段ボールと第1~第3中層両面段ボールと下層両面段ボールとから形成されているから、着用者の全体重が草履台(上層両面段ボール、第1~第3中層両面段ボール、下層両面段ボール)にかかったとしても、上層両面段ボールや第1~第3中層両面段ボール、下層両面段ボールによってその体重を十分に支えることができ、それら両面段ボールのコルゲート構造の中芯が潰れることはなく、草履台としての形態を維持することができ、草履としての機能を確実に保持することができる。草履は、上下方向へ層状に重なり合う上層両面段ボールと第1~第3中層両面段ボールと下層両面段ボールとから形成された草履台が所定の強度を有するとともに所定の耐久性を有するから、履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができる。草履は、上層両面段ボールと第1~第3中層両面段ボールと下層両面段ボールとを上下方向へ層状に重ね、所定の固着手段によって上層両面段ボールのライナーの下面と第1中層両面段ボールのライナーの上面とを固着し、所定の固着手段によって第1中層両面段ボールのライナーの下面と第2中層両面段ボールのライナーの上面とを固着するとともに、所定の固着手段によって第2中層両面段ボールのライナーの下面と第3中層両面段ボールのライナーの上面とを固着し、所定の固着手段によって第3中層両面段ボールのライナーの下面と下層両面段ボールのライナーの上面とを固着することから作られているから、その作成に手間がかからず廉価に作ることができる。
【0017】
上層両面段ボールの目方向と第1中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で上層両面段ボールと第1中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第1中層両面段ボールの目方向と第2中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第1中層両面段ボールと第2中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っているとともに、第2中層両面段ボールの目方向と第3中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第2中層両面段ボールと第3中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第3中層両面段ボールの目方向と下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第3中層両面段ボールと下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っている草履は、上層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と第1中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差し、第1中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と第2中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差し、第2中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と第3中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差するとともに、第3中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と下層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差した状態で、それら両面段ボールが上下方向へ重なり合っているから、それら両面段ボールの中芯の延出方向(目方向)が並行する場合と比較し、上下方向の圧縮力に対するそれら両面段ボールの抵抗力が増加し、着用者の全体重が草履台(上層両面段ボール、第1~第3中層両面段ボール、下層両面段ボール)にかかったとしても、上層両面段ボールや第1~第3中層両面段ボール、下層両面段ボールによってその体重を十分に支えることができ、それら両面段ボールのコルゲート構造の中芯が潰れることはなく、草履台としての形態を維持することができ、草履としての機能を確実に保持することができる。草履は、中芯の延出方向(目方向)が交差した状態で上下方向へ層状に重なり合う上層両面段ボールと第1~第3中層両面段ボールと下層両面段ボールとから形成された草履台が所定の強度を有するとともに所定の耐久性を有するから、履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができる。
【0018】
上層両面段ボールの面積と下層両面段ボールの面積とが中層両面段ボールの面積よりも小さく、中層両面段ボールの周縁部が上層両面段ボールおよび下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出している草履は、中層両面段ボールの周縁部が上層両面段ボールおよび下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出することで、草履の周縁に丸みを持たせることができ、草履としての見端を向上させることができる。草履は、着用者の足裏が上層両面段ボールのライナーの周縁からはみ出したとしても、中層両面段ボールの周縁部に延びるライナーに足裏が接地するから、草履の周縁からの着用者の足裏のはみ出しを防ぐことができる。
【0019】
第1中層両面段ボールの面積と第3中層両面段ボールの面積とが第2中層両面段ボールの面積よりも小さく、第2中層両面段ボールの周縁部が第1中層両面段ボールおよび第3中層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出している草履は、中層両面段ボールの周縁部が上層両面段ボールおよび下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出するとともに、第2中層両面段ボールの周縁部が第1中層両面段ボールおよび第3中層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出することで、草履の周縁に一層丸みを持たせることができ、草履としての見端を一層向上させることができる。
【0020】
防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が上層両面段ボールのライナーの上面と下層両面段ボールのライナーの下面とのうちの少なくとも上層両面段ボールのライナーの上面に施されている草履は、たとえば、上層両面段ボールや下層両面段ボールに防水加工を施すことで、上層両面段ボールや下層両面段ボールから草履台への水分や湿気の滲入を防ぐことができ、水分や湿気が草履台へ滲入することによる草履台の強度や耐久性の低下を防ぐことができる。また、上層両面段ボールや下層両面段ボールに防滑加工を施すことで、上層両面段ボールや下層両面段ボールに滑り止め機能を持たせることができるから、草履を着用した着用者の足裏の草履台における滑りを防ぐことができ、草履の接地面に対する滑りを防ぐことができる。
【0021】
上層段ボールが上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2上層両面段ボールであり、中層段ボールが上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2中層両面段ボールであり、下層段ボールが上下方向へ重なり合う2枚の第1および第2下層両面段ボールであり、第1上層両面段ボールのライナーの下面と第2上層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着され、第2上層両面段ボールのライナーの下面と第1中層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着され、第1中層両面段ボールのライナーの下面と第2中層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着されているとともに、第2中層両面段ボールのライナーの下面と第1下層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着され、第1下上層両面段ボールのライナーの下面と第2下層両面段ボールのライナーの上面とが所定の固着手段によって固着されている草履は、草履台が上下方向へ層状に重なり合う第1および第2上層両面段ボールと第1および第2中層両面段ボールと第1および第2下層両面段ボールとから形成されているから、着用者の全体重が草履台(第1および第2上層両面段ボール、第1および第2中層両面段ボール、第1および第2下層両面段ボール)にかかったとしても、第1および第2上層両面段ボールや第1および第2中層両面段ボール、第1および第2下層両面段ボールによってその体重を十分に支えることができ、それら両面段ボールのコルゲート構造の中芯が潰れることはなく、草履台としての形態を維持することができ、草履としての機能を確実に保持することができる。草履は、上下方向へ層状に重なり合う第1および第2上層両面段ボールと第1および第2中層両面段ボールと第1および第2下層両面段ボールとから形成された草履台が所定の強度を有するとともに所定の耐久性を有するから、履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができる。草履は、第1および第2上層両面段ボールと第1および第2中層両面段ボールと第1および第2下層両面段ボールとを上下方向へ層状に重ね、所定の固着手段によって第1上層両面段ボールのライナーの下面と第2上層両面段ボールのライナーの上面とを固着し、所定の固着手段によって第2上層両面段ボールのライナーの下面と第1中層両面段ボールのライナーの上面とを固着し、所定の固着手段によって第1中層両面段ボールのライナーの下面と第2中層両面段ボールのライナーの上面とを固着するとともに、所定の固着手段によって第2中層両面段ボールのライナーの下面と第1下層両面段ボールのライナーの上面とを固着し、所定の固着手段によって第1下上層両面段ボールのライナーの下面と第2下層両面段ボールのライナーの上面とを固着することから作られているから、その作成に手間がかからず廉価に作ることができる。
【0022】
第1上層両面段ボールの目方向と第2上層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第1上層両面段ボールと第2上層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第2上層両面段ボールの目方向と第1中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第2上層両面段ボールと第1中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第1中層両面段ボールの目方向と第2中層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第1中層両面段ボールと第2中層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っているとともに、第2中層両面段ボールの目方向と第1下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第2中層両面段ボールと第1下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合い、第1下層両面段ボールの目方向と第2下層両面段ボールの目方向とが交差した状態で第1下層両面段ボールと第2下層両面段ボールとが上下方向へ重なり合っている草履は、第1上層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と第2上層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差し、第2上層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と第1中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差し、第1中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と第2中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差するとともに、第2中層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と第1下層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差し、第1下層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)と第2下層両面段ボールのコルゲート構造の中芯の延出方向(目方向)とが交差した状態で、それら両面段ボールが上下方向へ重なり合っているから、それら両面段ボールの中芯の延出方向(目方向)が並行する場合と比較し、上下方向の圧縮力に対するそれら両面段ボールの抵抗力が増加し、着用者の全体重が草履台(第1および第2上層両面段ボール、第1および第2中層両面段ボール、第1および第2下層両面段ボール)にかかったとしても、第1および第2上層両面段ボールや第1および第2中層両面段ボール、第1および第2下層両面段ボールによってその体重を十分に支えることができ、それら両面段ボールのコルゲート構造の中芯が潰れることはなく、草履台としての形態を維持することができ、草履としての機能を確実に保持することができる。草履は、中芯の延出方向(目方向)が交差した状態で上下方向へ層状に重なり合う第1および第2上層両面段ボールと第1および第2中層両面段ボールと第1および第2下層両面段ボールとから形成された草履台が所定の強度を有するとともに所定の耐久性を有するから、履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができる。
【0023】
第1および第2上層両面段ボールの面積と第1および第2下層両面段ボールの面積とが第1および第2中層両面段ボールの面積よりも小さく、第1および第2中層両面段ボールの周縁部が第1および第2上層両面段ボールおよび第1および第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出している草履は、第1および第2中層両面段ボールの周縁部が第1および第2上層両面段ボールおよび第1および第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出することで、草履の周縁に丸みを持たせることができ、草履としての見端を向上させることができる。草履は、着用者の足裏が第1および第2上層両面段ボールのライナーの周縁からはみ出したとしても、第1および第2中層両面段ボールの周縁部に延びるライナーに足裏が接地するから、草履の周縁からの着用者の足裏のはみ出しを防ぐことができる。
【0024】
第1上層両面段ボールの面積が第2上層両面段ボールの面積よりも小さく、第2下層両面段ボールの面積が第1下層両面段ボールの面積よりも小さく、第2上層両面段ボールの周縁部が第1上層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出し、第1下層両面段ボールの周縁部が第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出している草履は、第1および第2中層両面段ボールの周縁部が第1および第2上層両面段ボールおよび第1および第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出し、第2上層両面段ボールの周縁部が第1上層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出するとともに、第1下層両面段ボールの周縁部が第2下層両面段ボールの周縁から径方向外方へ延出することで、草履の周縁に一層丸みを持たせることができ、草履としての見端を一層向上させることができる。
【0025】
防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が第1上層両面段ボールのライナーの上面と第2下層両面段ボールのライナーの下面とのうちの少なくとも第1上層両面段ボールのライナーの上面に施されている草履は、たとえば、第1上層両面段ボールや第2下層両面段ボールに防水加工を施すことで、第1上層両面段ボールや第2下層両面段ボールから草履台への水分や湿気の滲入を防ぐことができ、水分や湿気が草履台へ滲入することによる草履台の強度や耐久性の低下を防ぐことができる。また、第1上層両面段ボールや第2下層両面段ボールに防滑加工を施すことで、第1上層両面段ボールや第2下層両面段ボールに滑り止め機能を持たせることができるから、草履を着用した着用者の足裏の草履台における滑りを防ぐことができ、草履の接地面に対する滑りを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【発明を実施するための形態】
【0027】
一例として示す草履10Aの斜視図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る草履の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、
図2は、
図1の草履10Aの上面図であり、
図3は、
図1の草履10Aの底面図である。
図4は、
図1の草履10Aの側面図であり、
図5は、
図2のA-A線矢視断面図である。
図6は、
図2のB-B線矢視断面図であり、
図7は、鼻緒12の後端部25の固定状態を示す拡大図である。
図1では、上下方向を矢印Xで示し、径方向を矢印Yで示す。なお、右足用の草履10Aのみを図示しているが、実際には、右足用の草履10Aと左足用の草履とが存在する。左足用の草履の構成は右足用のそれと同一である。
【0028】
草履10Aは、草履台11と鼻緒12と前坪13とを備えている。草履台11は、上下方向へ層状に重なり合った複数枚の段ボールから作られている。それら段ボールは、草履台11の天14に位置する(最上層に位置する)上層段ボール15と、草履台11の巻16に位置する(中間層に位置する)中層段ボール17と、草履台11の底18に位置する(最下層に位置する)下層段ボール19とから形成されている。草履10A(草履10Bを含む)の草履台11に使用する段ボールの材質(紙、合成樹脂)に特に制限はなく、既存の材質の段ボールを使用することができるほか、今後開発される材質の段ボールを使用することができる。
【0029】
上層段ボール15は、1枚の上層両面段ボール15aであり、前後部が略円形および中間部が略矩形の草履形(草鞋形)に成形されている。上層両面段ボール15aは、矩形の両面段ボール原反から型抜きによって作ることができる。上層両面段ボール15aは、表ライナー20aおよび裏ライナー21aと、それらライナー20a,21aに間に位置するコルゲート構造の中芯22aとから作られている。なお、上層両面段ボール15aの平面形状は図示のそれに限定されず、上層両面段ボール15aの平面形状を下駄形や雪駄形、ビーチサンダル形等の任意の形状に成形することができる。
【0030】
上層両面段ボール15aの前部の中央には、前坪13の下端部23を挿入する挿入孔24が穿孔されている。上層両面段ボール15aの後部の両側には、鼻緒12の後端部25を挿入する挿入孔26が穿孔されている。上層両面段ボール15aの表ライナー20aの上面27aには、図示はしていないが、防水加工と防滑加工とが施されている。防水加工には、防水コーティング剤や防水フィルム等を利用する。防水加工では、防水コーティング剤が上層両面段ボール15aの表ライナー20aの上面27a全域に塗布され、または、防水フィルムが上層両面段ボール15aの表ライナー20aの上面27a全域に貼着される。
【0031】
防滑加工には、滑り止めコーティング剤や滑り止めゴム等を使用する。防滑加工では、滑り止めコーティング剤が防水コーティング剤または防水フィルムの上に塗布され、または、滑り止めゴムが防水コーティング剤または防水フィルムの上に貼着される。なお、防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が上層両面段ボール15aの表ライナー20aの上面27aに施されていればよい。また、防水加工や防滑加工が上層両面段ボール15aの表ライナー20aの上面27aに施されていなくてもよい。
【0032】
中層段ボール17は、上下方向へ重なり合う3枚の第1中層両面段ボール17aと第2中層両面段ボール17bと第3中層両面段ボール17cとから形成されている。第1~第3中層両面段ボール17a~17cは、同形同大であり、前後部が略円形および中間部が略矩形の草履形(草鞋形)に成形されている。第1~第3中層両面段ボール17a~17cは、矩形の両面段ボール原反から型抜きによって作ることができる。
【0033】
第1および第2中層両面段ボール17a,17bの前部の中央には、前坪13の下端部23を挿入する挿入孔24が穿孔されている。第1および第2中層両面段ボール17a,17bの後部の両側には、鼻緒12の後端部25を挿入する挿入孔26が穿孔されている。なお、第1~第3中層両面段ボール17a~17cの平面形状は図示のそれに限定されず、第1~第3中層両面段ボール17a~17cの平面形状を下駄形や雪駄形、ビーチサンダル形等の任意の形状に成形することができる。
【0034】
第1中層両面段ボール17aは、表ライナー28aおよび裏ライナー29aと、それらライナー28a,29aに間に位置するコルゲート構造の中芯30aとから作られている。第1中層両面段ボール17aは、上層両面段ボール15aの直下に配置され、上層両面段ボール15aの周縁31(外周縁)が第1中層両面段ボール17aの周縁32(外周縁)の径方向内方(内側)に位置した状態で、表ライナー28aの上面33aが上層両面段ボール15aの裏ライナー21aの下面34aに重なっている。
【0035】
第1中層両面段ボール17aは、その目方向(中芯30aの延出方向)が上層両面段ボール15aの目方向(中芯22aの延出方向)と交差した状態で上層両面段ボール15aの直下に位置している。第1中層両面段ボール17aは、その表ライナー28aの上面33aが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって上層両面段ボール15aの裏ライナー21aの下面34aに分離不能に固着されている。接着剤は、上層両面段ボール15aの裏ライナー21aの下面34aと第1中層両面段ボール17aの表ライナー28aの上面33aとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。接着剤としては、澱粉系接着剤やホットメルト接着が使用される(以下の接着剤も同様)。
【0036】
第2中層両面段ボール17bは、表ライナー28bおよび裏ライナー29bと、それらライナー28b,29bに間に位置するコルゲート構造の中芯30bとから作られている。第2中層両面段ボール17bは、第1中層両面段ボール17aの直下に配置され、第2中層両面段ボール17bの周縁32(外周縁)と第1中層両面段ボール17aの周縁32(外周縁)とが一致した状態で、表ライナー28bの上面33bが第1中層両面段ボール17aの裏ライナー29aの下面35aに重なっている。
【0037】
第2中層両面段ボール17bは、その目方向(中芯30bの延出方向)が第1中層両面段ボール17aの目方向(中芯30aの延出方向)と交差した状態で第1中層両面段ボール17aの直下に位置している。なお、上層両面段ボール15aの目方向(中芯22aの延出方向)と第2中層両面段ボール17bの目方向(中芯30bの延出方向)とが略並行している。第2中層両面段ボール17bは、その表ライナー28bの上面33bが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって第1中層両面段ボール17aの裏ライナー29aの下面35aに分離不能に固着されている。接着剤は、第1中両面段ボール17aの裏ライナー29aの下面35aと第2中層両面段ボール17bの表ライナー28bの上面33bとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。
【0038】
第3中層両面段ボール17cは、表ライナー28cおよび裏ライナー29cと、それらライナー28c,29cに間に位置するコルゲート構造の中芯30cとから作られている。第3中層両面段ボール17cは、第2中層両面段ボール17bの直下に配置され、第3中層両面段ボール17cの周縁32(外周縁)と第1および第2中層両面段ボール17a,17bの周縁32(外周縁)とが一致した状態で、表ライナー28cの上面33cが第2中層両面段ボール17bの裏ライナー29bの下面35bに重なっている。
【0039】
第3中層両面段ボール17cは、その目方向(中芯30cの延出方向)が第2中層両面段ボール17bの目方向(中芯30bの延出方向)と交差した状態で第2中層両面段ボール17bの直下に位置している。なお、第1中層両面段ボール17aの目方向(中芯30aの延出方向)と第3中層両面段ボール17cの目方向(中芯30cの延出方向)とが略並行している。第3中層両面段ボール17cは、その表ライナー28cの上面33cが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって第2中層両面段ボール17bの裏ライナー29bの下面35bに分離不能に固着されている。接着剤は、第2中両面段ボール17bの裏ライナー29bの下面35bと第3中層両面段ボール17cの表ライナー28cの上面33cとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。
【0040】
下層段ボール19は、1枚の下層両面段ボール19aであり、前後部が略円形および中間部が略矩形の草履形(草鞋形)に成形されている。下層両面段ボール19aは、矩形の両面段ボール原反から型抜きによって作ることができる。下層両面段ボール19aは、表ライナー36aおよび裏ライナー37aと、それらライナー36a,37aに間に位置するコルゲート構造の中芯38aとから作られている。なお、下層両面段ボール19aの平面形状は図示のそれに限定されず、下層両面段ボール19aの平面形状を下駄形や雪駄形、ビーチサンダル形等の任意の形状に成形することができる。
【0041】
下層両面段ボール19aは、第3中層両面段ボール17cの直下に配置され、下層両面段ボール19aの周縁39(外周縁)が第3中層両面段ボール17cの周縁32(外周縁)の径方向内方(内側)に位置した状態で、表ライナー36aの上面40aが第3中層両面段ボール17cの裏ライナー29cの下面35cに重なっている。下層両面段ボール19aは、その目方向(中芯38aの延出方向)が第3中層両面段ボール17cの目方向(中芯30cの延出方向)と交差した状態で第3中層両面段ボール17cの直下に位置している。なお、第2中層両面段ボール17bの目方向(中芯30bの延出方向)と下層両面段ボール19aの目方向(中芯38aの延出方向)とが略並行している。下層両面段ボール19aは、その表ライナー36aの上面40aが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって第3中層両面段ボール17cの裏ライナー29cの下面35cに分離不能に固着されている。接着剤は、第3中両面段ボール17cの裏ライナー29cの下面35cと下層両面段ボール19aの表ライナー36aの上面40aとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。
【0042】
下層両面段ボール19aの裏ライナー36aの下面41aには、図示はしていないが、防水加工(防水コーティング剤や防水フィルム等)と防滑加工(滑り止めコーティング剤や滑り止めゴム等)とが施されている。防水加工では、防水コーティング剤が下層両面段ボール19aの裏ライナー36aの下面41a全域に塗布され、または、防水フィルムが下層両面段ボール19aの裏ライナー36aの下面41a全域に貼着される。防滑加工では、滑り止めコーティング剤が防水コーティング剤または防水フィルムの下に塗布され、または、滑り止めゴムが防水コーティング剤または防水フィルムの下に貼着される。なお、防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が下層両面段ボール19aの裏ライナー36aの下面41aに施されていればよい。また、防水加工や防滑加工が下層両面段ボール19aの裏ライナー36aの下面41aに施されていなくてもよい。
【0043】
草履10Aでは、上層両面段ボール15aと第1~第3中層両面段ボール17a~17cと下層両面段ボール19aとが同形であるが、上層両面段ボール15aの面積と下層両面段ボール19aの面積とが第1~第3中層両面段ボール17a~17cの面積よりも小さい。草履10Aでは、第1~第3中層両面段ボール17a~17cの周縁部42が上層両面段ボール15aおよび下層両面段ボール19aの周縁31,39から径方向外方へ延出している。なお、草履10Aでは、第1~第3中層両面段ボール17a~17cが同形同大であるが、第1中層両面段ボール17aの面積と第3中層両面段ボール17cの面積とが第2中層両面段ボール17bの面積よりも小さくてもよい。この場合、第2中層両面段ボール17bの周縁部42が第1中層両面段ボール17aおよび第3中層両面段ボール17cの周縁から径方向外方へ延出する。
【0044】
鼻緒12は、化学繊維や天然繊維を撚って作られた縄材である。鼻緒12は、一対のそれらが草履台11の前部から後部に向かって延びている。それら鼻緒12は、その後端部25が草履台11の上層両面段ボール15aおよび第1および第2中層両面段ボール17a,17bの後部の両側に穿孔された挿入孔26に挿入されている。それら鼻緒12の後端部25は、
図7に示すように、挿入孔26に充填されたホットメルト接着剤(所定の固定手段)によって第1~第3中層両面段ボール17a~17cに分離不能に固定されている。なお、鼻緒には、縄材の他に、織物や編み物を使用することができる。
【0045】
前坪13は、鼻緒12と同様の縄材である。前坪13は、草履台11の前部に位置して上下方向へ延びている。前坪13は、その下端部23が草履台11の上層両面段ボール15aおよび第1および第2中層両面段ボール17a,17bの前部の中央に穿孔された挿入孔24に挿入されている。前坪13の下端部23は、
図5に示すように、挿入孔24に充填されたホットメルト接着剤(所定の固定手段)によって第1~第3中層両面段ボール17a~17cに分離不能に固定されている。なお、前坪13には、縄材の他に、織物や編み物を使用することができる。
【0046】
草履10Aは、矩形の段ボール原反を型抜きして複数枚の上層両面段ボール15a、複数枚の第1~第3中層両面段ボール17a~17c、複数枚の下層両面段ボール19aを作成し、上層両面段ボール15aの下に第1中層両面段ボール17aを重ね、第1中層両面段ボール17aの下に第2中層両面段ボール17bを重ねるとともに、第2中層両面段ボール17bの下に第3中層両面段ボール17cを重ね、第3中層両面段ボール17cの下に下層両面段ボール19aを重ね、それら両面段ボール15a,17a~17c,19aを接着剤によって固着し、それら鼻緒12の後端部25を挿入孔26に挿入しつつホットメルト接着剤によって第1~第3中層両面段ボール17a~17cに固定するとともに、前坪13の下端部23を挿入孔24に挿入しつつホットメルト接着剤によって第1~第3中層両面段ボール17a~17cに固定することから作ることができる。
【0047】
草履10Aは、草履台11が上下方向へ層状に重なり合う上層両面段ボール15aと第1~第3中層両面段ボール17a~17cと下層両面段ボール19aとから形成され、上層両面段ボール15aのコルゲート構造の中芯22aの延出方向(目方向)と第1中層両面段ボール17aのコルゲート構造の中芯30aの延出方向(目方向)とが交差し、第1中層両面段ボール17aのコルゲート構造の中芯30aの延出方向(目方向)と第2中層両面段ボール17bのコルゲート構造の中芯30bの延出方向(目方向)とが交差し、第2中層両面段ボール17bのコルゲート構造の中芯30bの延出方向(目方向)と第3中層両面段ボール17cのコルゲート構造の中芯30cの延出方向(目方向)とが交差するとともに、第3中層両面段ボール17cのコルゲート構造の中芯30cの延出方向(目方向)と下層両面段ボール19aのコルゲート構造の中芯38aの延出方向(目方向)とが交差した状態で、それら両面段ボール15a,17a~17c,19aが上下方向へ重なり合っているから、それら両面段ボール15a,17a~17c,19aの中芯30a~30cの延出方向(目方向)が並行する場合と比較し、上下方向の圧縮力に対するそれら両面段ボール15a,17a~17c,19aの抵抗力が増加し、着用者の全体重が草履台(上層両面段ボール15a、第1~第3中層両面段ボール17a~17c、下層両面段ボール19a)にかかったとしても、上層両面段ボール15aや第1~第3中層両面段ボール17a~17c、下層両面段ボール19aによってその体重を十分に支えることができ、それら両面段ボール15a,17a~17c,19aのコルゲート構造の中芯30a~30cが潰れることはなく、草履台11としての形態を維持することができ、草履10Aとしての機能を確実に保持することができる。
【0048】
草履10Aは、中芯30a~30cの延出方向(目方向)が交差した状態で上下方向へ層状に重なり合う上層両面段ボール15aと第1~第3中層両面段ボール17a~17cと下層両面段ボール19aとから形成された草履台11が所定の強度を有するとともに所定の耐久性を有するから、履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができる。
【0049】
草履10Aは、上層両面段ボール15aと第1~第3中層両面段ボール17a~17cと下層両面段ボール19aとを上下方向へ層状に重ね、所定の固着手段によって上層両面段ボール15aの裏ライナー21aの下面34aと第1中層両面段ボール17aの表ライナー28aの上面33aとを固着し、所定の固着手段によって第1中層両面段ボール17aの裏ライナー29aの下面35aと第2中層両面段ボール17bの表ライナー28bの上面33bとを固着するとともに、所定の固着手段によって第2中層両面段ボール17bの裏ライナー29bの下面35bと第3中層両面段ボール17cの表ライナー28cの上面33cとを固着し、所定の固着手段によって第3中層両面段ボール17cの裏ライナー29cの下面35cと下層両面段ボール19aの表ライナー36aの上面40aとを固着することから作られているから、その作成に手間がかからず廉価に作ることができる。
【0050】
草履10Aは、上層両面段ボール15aの面積と下層両面段ボール19aの面積とが第1~第3中層両面段ボール17a~17cの面積よりも小さく、第1~第3中層両面段ボール17a~17cの周縁部42が上層両面段ボール15aおよび下層両面段ボール19aの周縁31,39から径方向外方へ延出しているから、草履10Aの周縁(外周縁部)に丸みを持たせることができ、草履10Aとしての見端を向上させることができる。草履10Aは、着用者の足裏が上層両面段ボール15aの表ライナー20aの周縁31からはみ出したとしても、第1~第3中層両面段ボール17a~17cの周縁部42に延びる表ライナー28aに足裏が接地するから、草履10Aの周縁からの着用者の足裏のはみ出しを防ぐことができる。
【0051】
草履10Aは、上層両面段ボール15aや下層両面段ボール19aに防水加工を施すことで、上層両面段ボール15aや下層両面段ボール19aから草履台11への水分や湿気の滲入を防ぐことができ、水分や湿気が草履台11へ滲入することによる草履台11の強度や耐久性の低下を防ぐことができる。また、上層両面段ボール15aや下層両面段ボール19aに防滑加工を施すことで、上層両面段ボール15aや下層両面段ボール19aに滑り止め機能を持たせることができるから、草履10Aを着用した着用者の足裏の草履台11における滑りを防ぐことができ、草履10Aの接地面に対する滑りを防ぐことができる。
【0052】
図8は、他の一例として示す草履10Bの斜視図であり、
図9は、
図8の草履10Bの上面図である。
図10は、
図8の草履10Bの底面図であり、
図11は、
図8の草履10Bの側面図である。
図12は、
図9のC-C線矢視断面図であり、
図13は、
図9のD-D線矢視断面図である。
図14は、鼻緒12の後端部25の固定状態を示す拡大図である。
図8では、上下方向を矢印Xで示し、径方向を矢印Yで示す。なお、右足用の草履10Bのみを図示しているが、実際には、右足用の草履10Bと左足用の草履とが存在する。左足用の草履の構成は右足用のそれと同一である。
【0053】
草履10Bは、草履台11と鼻緒12と前坪13とを備えている。草履台11は、上下方向へ層状に重なり合った複数枚の段ボールから作られている。それら段ボールは、草履台11の天14に位置する(最上層に位置する)上層段ボール15と、草履台11の巻16に位置する(中間層に位置する)中層段ボール17と、草履台11の底18に位置する(最下層に位置する)下層段ボール19とから形成されている。
【0054】
上層段ボール15は、上下方向へ重なり合う2枚の第1上層両面段ボール15aと第2上層両面段ボール15bとから形成されている。第1および第2上層両面段ボール15a,15bは、同形であり、前後部が略円形および中間部が略矩形の草履形(草鞋形)に成形されている。第1上層両面段ボール15aや第2上層両面段ボール15bは、矩形の両面段ボール原反から型抜きによって作ることができる。第1上層両面段ボール15aは、表ライナー20aおよび裏ライナー21aと、それらライナー20a,21aに間に位置するコルゲート構造の中芯22aとから作られ、第2上層両面段ボール15bは、表ライナー20bおよび裏ライナー21bと、それらライナー20b,21bに間に位置するコルゲート構造の中芯22bとから作られている。なお、それら上層両面段ボール15a,15bの平面形状は図示のそれに限定されず、それら上層両面段ボール15a,15bの平面形状を下駄形や雪駄形、ビーチサンダル形等の任意の形状に成形することができる。
【0055】
第1上層両面段ボール15aおよび第2上層両面段ボール15bの前部の中央には、前坪13の下端部23を挿入する挿入孔24が穿孔されている。第1および第2上層両面段ボール15a,15bの後部の両側には、鼻緒12の後端部25を挿入する挿入孔26が穿孔されている。第1上層両面段ボール15aの表ライナー20aの上面27aには、図示はしていないが、防水加工と防滑加工とが施されている。防水加工や防滑加工は、草履10Aのそれと同一である。なお、防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が第1上層両面段ボール15aの表ライナー20aの上面27aに施されていればよい。また、防水加工や防滑加工が第1上層両面段ボール15aの表ライナー20aの上面27aに施されていなくてもよい。
【0056】
第2上層両面段ボール15bは、第1上層両面段ボール15aの直下に配置され、第1上層両面段ボール15aの周縁31a(外周縁)が第2上層両面段ボール15bの周縁31b(外周縁)の径方向内方(内側)に位置した状態で、表ライナー20bの上面27bが第1上層両面段ボール15aの裏ライナー21aの下面34aに重なっている。第2上層両面段ボール15bは、その目方向(中芯22bの延出方向)が第1上層両面段ボール15aの目方向(中芯22aの延出方向)と交差した状態で第1上層両面段ボール15aの直下に位置している。
【0057】
第2上層両面段ボール15bは、その表ライナー20bの上面27bが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって第1上層両面段ボール15aの裏ライナー21aの下面34aに分離不能に固着されている。接着剤は、第1上層両面段ボール15aの裏ライナー21aの下面34aと第2上層両面段ボール15bの表ライナー20bの上面27bとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。
【0058】
中層段ボール17は、上下方向へ重なり合う2枚の第1中層両面段ボール17aと第2中層両面段ボール17bとから形成されている。第1および第2中層両面段ボール17a,17bは、同形同大であり、前後部が略円形および中間部が略矩形の草履形(草鞋形)に成形されている。第1中層両面段ボール17aや第2中層両面段ボール17bは、矩形の両面段ボール原反から型抜きによって作ることができる。第1中層両面段ボール17aの前部の中央には、前坪13の下端部23を挿入する挿入孔24が穿孔されている。第1中層両面段ボール17aの後部の両側には、鼻緒12の後端部25を挿入する挿入孔26が穿孔されている。なお、第1および第2中層両面段ボール17a,17bの平面形状は図示のそれに限定されず、第1および第2中層両面段ボール17a,17bの平面形状を下駄形や雪駄形、ビーチサンダル形等の任意の形状に成形することができる。
【0059】
第1中層両面段ボール17aは、表ライナー28aおよび裏ライナー29aと、それらライナー28a,29aに間に位置するコルゲート構造の中芯30aとから作られ、第2中層両面段ボール17bは、表ライナー28bおよび裏ライナー29bと、それらライナー28b,29bに間に位置するコルゲート構造の中芯30bとから作られている。第1中層両面段ボール17aは、第2上層両面段ボール15bの直下に配置され、第2上層両面段ボール15bの周縁31b(外周縁)が第1中層両面段ボール17aの周縁32(外周縁)の径方向内方(内側)に位置した状態で、表ライナー28aの上面27aが第2上層両面段ボール15bの裏ライナー21bの下面34bに重なっている。
【0060】
第1中層両面段ボール17aは、その目方向(中芯30aの延出方向)が第2上層両面段ボール15bの目方向(中芯22bの延出方向)と交差した状態で第2上層両面段ボール15bの直下に位置している。なお、第1上層両面段ボール15aの目方向(中芯22aの延出方向)と第1中層両面段ボール17aの目方向(中芯30aの延出方向)とが略並行している。第1中層両面段ボール17aは、その表ライナー28aの上面33aが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって第2上層両面段ボール15bの裏ライナー21bの下面34bに分離不能に固着されている。接着剤は、第2上層両面段ボール15bの裏ライナー21bの下面34bと第1中層両面段ボール17aの表ライナー28aの上面33aとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。
【0061】
第2中層両面段ボール17bは、第1中層両面段ボール17aの直下に配置され、第2中層両面段ボール17bの周縁32(外周縁)と第1中層両面段ボール17aの周縁32(外周縁)とが一致した状態で、表ライナー28bの上面35bが第1中層両面段ボール17aの裏ライナー29aの下面35aに重なっている。第2中層両面段ボール17bは、その目方向(中芯30bの延出方向)が第1中層両面段ボール17aの目方向(中芯30aの延出方向)と交差した状態で第1中層両面段ボール17aの直下に位置している。なお、第2上層両面段ボール15bの目方向(中芯22bの延出方向)と第2中層両面段ボール17bの目方向(中芯30bの延出方向)とが略並行している。第2中層両面段ボール17bは、その表ライナー28bの上面33bが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって第1中層両面段ボール17aの裏ライナー29aの下面35aに分離不能に固着されている。接着剤は、第1中両面段ボール17aの裏ライナー29aの下面35aと第2中層両面段ボール17bの表ライナー28bの上面33bとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。
【0062】
下層段ボール19は、上下方向へ重なり合う2枚の第1下層両面段ボール19aと第2下層両面段ボール19bとから形成されている。第1および第2下層両面段ボール19a,19bは、同形であり、前後部が略円形および中間部が略矩形の草履形(草鞋形)に成形されている。第1下層両面段ボール19aや第2下層両面段ボール19bは、矩形の両面段ボール原反から型抜きによって作ることができる。第1下層両面段ボール19aは、表ライナー36aおよび裏ライナー37aと、それらライナー36a,37aに間に位置するコルゲート構造の中芯38aとから作られ、第2下層両面段ボール19bは、表ライナー36bおよび裏ライナー37bと、それらライナー36b,37bに間に位置するコルゲート構造の中芯38bとから作られている。なお、それら下層両面段ボール19a,19bの平面形状は図示のそれに限定されず、それら下層両面段ボール19a,19bの平面形状を下駄形や雪駄形、ビーチサンダル形等の任意の形状に成形することができる。
【0063】
第1下層両面段ボール19aは、第2中層両面段ボール17bの直下に配置され、第1下層両面段ボール19aの周縁39a(外周縁)が第2中層両面段ボール17bの周縁32(外周縁)の径方向内方(内側)に位置した状態で、表ライナー36aの上面40aが第2中層両面段ボール17bの裏ライナー29bの下面35bに重なっている。第1下層両面段ボール19aは、その目方向(中芯38aの延出方向)が第2中層両面段ボール17bの目方向(中芯30aの延出方向)と交差した状態で第2中層両面段ボール17bの直下に位置している。なお、第1下層両面段ボール19aの目方向(中芯38aの延出方向)と第1中層両面段ボール17aの目方向(中芯30aの延出方向)とが略並行している。第1下層両面段ボール19aは、その表ライナー36aの上面40aが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって第2中層両面段ボール17bの裏ライナー29bの下面35bに分離不能に固着されている。接着剤は、第2中層両面段ボール17bの裏ライナー29bの下面35bと第1下層両面段ボール19aの表ライナー36aの上面40aとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。
【0064】
第2下層両面段ボール19bは、第1下層両面段ボール19aの直下に配置され、第2下層両面段ボール19bの周縁39b(外周縁)が第1下層両面段ボール19aの周縁39a(外周縁)の径方向内方(内側)に位置した状態で、表ライナー36bの上面40bが第1下層両面段ボール19aの裏ライナー37aの下面41aに重なっている。第2下層両面段ボール19bは、その目方向(中芯38bの延出方向)が第1下層両面段ボール19aの目方向(中芯38aの延出方向)と交差した状態で第1下層両面段ボール19aの直下に位置している。なお、第2下層両面段ボール19bの目方向(中芯38bの延出方向)と第2中層両面段ボール17bの目方向(中芯30bの延出方向)とが略並行している。第2下層両面段ボール19bは、その表ライナー36bの上面40bが接着剤(所定の固着手段)(図示せず)によって第1下層両面段ボール19aの裏ライナー37aの下面41aに分離不能に固着されている。接着剤は、第1下層両面段ボール19aの裏ライナー37aの下面41aと第2下層両面段ボール19bの表ライナー36bの上面40bとのうちの少なくとも一方の全域に塗布され、または、少なくとも一方に部分的に塗布されている。
【0065】
第2下層両面段ボール19bの裏ライナー37bの下面41bには、図示はしていないが、防水加工と防滑加工とが施されている。防水加工や防滑加工は、草履10Aのそれと同一である。なお、防水加工と防滑加工とのうちの少なくとも一方が第2下層両面段ボール19bの裏ライナー37bの下面41bに施されていればよい。また、防水加工や防滑加工が第2下層両面段ボール19bの裏ライナー37bの下面41bに施されていなくてもよい。
【0066】
草履10Bでは、第1および第2上層両面段ボール15a,15bと第1および第2中層両面段ボール17a,17bと第1および第2下層両面段ボール19a,19bとが同形であるが、第1および第2上層両面段ボール15a,15bの面積と第1および第2下層両面段ボール19a,19bの面積とが第1および第2中層両面段ボール17a,17bの面積よりも小さい。したがって、第1および第2中層両面段ボール17a,17bの周縁部42が第1および第2上層両面段ボール15a,15bおよび第1および第2下層両面段ボール19a,19bの周縁31a,31b,39a,39bから径方向外方へ延出している。草履10Bでは、第1上層両面段ボール15aの面積が第2上層両面段ボール15bの面積よりも小さく、第2下層両面段ボール19bの面積が第1下層両面段ボール19aの面積よりも小さい。したがって、第2上層両面段ボール15bの周縁部が第1上層両面段ボール15aの周縁31aから径方向外方へ延出し、第1下層両面段ボール19aの周縁部が第2下層両面段ボール19bの周縁39bから径方向外方へ延出している。
【0067】
鼻緒12は、
図1の草履10Aのそれと同一であり、その後端部25が草履台11の第1および第2上層両面段ボール15a,15bと第1中層両面段ボール17aとの後部の両側に穿孔された挿入孔26に挿入されている。それら鼻緒12の後端部25は、
図14に示すように、挿入孔26に充填されたホットメルト接着剤(所定の固定手段)によって第2上層両面段ボール15bと第1および第2中層両面段ボール17a,17bとに分離不能に固定されている。前坪13は、
図1の草履10Aのそれと同一であり、その下端部23が草履台11の第1および第2上層両面段ボール15a,15bおよび第1中層両面段ボール17aの前部の中央に穿孔された挿入孔24に挿入されている。前坪13の下端部23は、
図12に示すように、挿入孔24に充填されたホットメルト接着剤(所定の固定手段)によって第2上層両面段ボール15bと第1および第2中層両面段ボール17a,17bとに分離不能に固定されている。
【0068】
草履10Bは、矩形の段ボール原反を型抜きして複数枚の第1および第2上層両面段ボール15a,15b、複数枚の第1および第2中層両面段ボール17a,17b、複数枚の第1および第2下層両面段ボール19a,19bを作成し、第1上層両面段ボール15aの下に第2上層両面段ボール15bを重ね、第2上層両面段ボール15bの下に第1中層両面段ボール17aを重ね、第1中層両面段ボール17aの下に第2中層両面段ボール17bを重ねるとともに、第2中層両面段ボール17bの下に第1下層両面段ボール19aを重ね、第1下層両面段ボール19aの下に第2下層両面段ボール19bを重ね、それら両面段ボール15a,15b,17a,17b,19a,19bを接着剤によって固着し、それら鼻緒12の後端部25を挿入孔26に挿入しつつホットメルト接着剤によって第2上層両面段ボール15bと第1および第2中層両面段ボール17a,17bとに固定するとともに、前坪13の下端部23を挿入孔24に挿入しつつホットメルト接着剤によって第2上層両面段ボール15bと第1および第2中層両面段ボール17a,17bとに固定することから作ることができる。
【0069】
草履10Bは、草履台11が上下方向へ層状に重なり合う第1および第2上層両面段ボール15a,15bと第1および第2中層両面段ボール17a,17bと第1および第2下層両面段ボール19a,19bとから形成され、第1上層両面段ボール15aのコルゲート構造の中芯22aの延出方向(目方向)と第2上層両面段ボール15bのコルゲート構造の中芯22bの延出方向(目方向)とが交差し、第2上層両面段ボール15bのコルゲート構造の中芯22bの延出方向(目方向)と第1中層両面段ボール17aのコルゲート構造の中芯30aの延出方向(目方向)とが交差し、第1中層両面段ボール17aのコルゲート構造の中芯30aの延出方向(目方向)と第2中層両面段ボール17bのコルゲート構造の中芯30bの延出方向(目方向)とが交差するとともに、第2中層両面段ボール17bのコルゲート構造の中芯30bの延出方向(目方向)と第1下層両面段ボール19aのコルゲート構造の中芯38aの延出方向(目方向)とが交差し、第1下層両面段ボール19aのコルゲート構造の中芯38aの延出方向(目方向)と第2下層両面段ボール19bのコルゲート構造の中芯38bの延出方向(目方向)とが交差した状態で、それら両面段ボール15a,15b,17a,17b,19a,19bが上下方向へ重なり合っているから、それら両面段ボール15a,15b,17a,17b,19a,19bの中芯22a,22b,30a,30b,38a,38bの延出方向(目方向)が並行する場合と比較し、上下方向の圧縮力に対するそれら両面段ボール15a,15b,17a,17b,19a,19bの抵抗力が増加し、着用者の全体重が草履台(第1および第2上層両面段ボール15a,15b、第1および第2中層両面段ボール17a,17b、第1および第2下層両面段ボール19a,19b)にかかったとしても、第1および第2上層両面段ボール15a,15bや第1および第2中層両面段ボール17a,17b、第1および第2下層両面段ボール19a,19bによってその体重を十分に支えることができ、それら両面段ボール15a,15b,17a,17b,19a,19bのコルゲート構造の中芯22a,22b,30a,30b,38a,38bが潰れることはなく、草履台11としての形態を維持することができ、草履10Bとしての機能を確実に保持することができる。
【0070】
草履10Bは、中芯22a,22b,30a,30b,38a,38bの延出方向(目方向)が交差した状態で上下方向へ層状に重なり合う第1および第2上層両面段ボール15a,15bと第1および第2中層両面段ボール17a,17bと第1および第2下層両面段ボール19a,19bとから形成された草履台11が所定の強度を有するとともに所定の耐久性を有するから、履いたり脱いだりを繰り返すことができ、長期の使用に耐えることができる。
【0071】
草履10Bは、第1および第2上層両面段ボール15a,15bと第1および第2中層両面段ボール17a,17bと第1および第2下層両面段ボール19a,19bとを上下方向へ層状に重ね、所定の固着手段によって第1上層両面段ボール15aの裏ライナー21aの下面34aと第2上層両面段ボール15bの表ライナー20bの上面27bとを固着し、所定の固着手段によって第2上層両面段ボール15bの裏ライナー21bの下面34bと第1中層両面段ボール17aの表ライナー28aの上面33aとを固着し、所定の固着手段によって第1中層両面段ボール17aの裏ライナー29aの下面35aと第2中層両面段ボール17bの表ライナー28bの上面33bとを固着するとともに、所定の固着手段によって第2中層両面段ボール17bの裏ライナー29bの下面35bと第1下層両面段ボール19aの表ライナー36aの上面40aとを固着し、所定の固着手段によって第1下層両面段ボール19aの裏ライナー37aの下面41aと第2下層両面段ボール19bの表ライナー36bの上面40bとを固着することから作られているから、その作成に手間がかからず廉価に作ることができる。
【0072】
草履10Bは、第1および第2上層両面段ボール15a,15bの面積と第1および第2下層両面段ボールの面積19a,19bとが第1および第2中層両面段ボール17a,17bの面積よりも小さく、第1および第2中層両面段ボール17a,17bの周縁部32が第1および第2上層両面段ボール15a,15bおよび第1および第2下層両面段ボール19a,19bの周縁31a,31b,39a,39bから径方向外方へ延出し、第1上層両面段ボール15aの面積が第2上層両面段ボール15bの面積よりも小さく、第2上層両面段ボール15bの周縁部が第1上層両面段ボール15aの周縁31aから径方向外方へ延出しているとともに、第2下層両面段ボール19bの面積が第1下層両面段ボール19aの面積よりも小さく、第1下層両面段ボール19aの周縁部が第2下層両面段ボール19bの周縁39bから径方向外方へ延出しているから、草履10Bの周縁に丸みを持たせることができ、草履10Bとしての見端を向上させることができる。草履10Bは、着用者の足裏が第1上層両面段ボール15aのライナーの周縁からはみ出したとしても、第2上層両面段ボール15bや第1および第2中層両面段ボール17a,17bの周縁部32に延びるライナーに足裏が接地するから、草履10Bの周縁からの着用者の足裏のはみ出しを防ぐことができる。
【0073】
草履10Aは、第1上層両面段ボール15aや第2下層両面段ボール19bに防水加工を施すことで、第1上層両面段ボール15aや第2下層両面段ボール19bから草履台11への水分や湿気の滲入を防ぐことができ、水分や湿気が草履台11へ滲入することによる草履台11の強度や耐久性の低下を防ぐことができる。また、第1上層両面段ボール15aや第2下層両面段ボール19bに防滑加工を施すことで、第1上層両面段ボール16aや第2下層両面段ボール19bに滑り止め機能を持たせることができるから、草履10Bを着用した着用者の足裏の草履台11における滑りを防ぐことができ、草履10Bの接地面に対する滑りを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0074】
10A 草履
10B 草履
11 草履台
12 鼻緒
13 前坪
14 天
15 上層段ボール
15a 上層両面段ボール
15a 第1上層両面段ボール
15b 第2上層両面段ボール
16 巻
17 中層段ボール
17a 第1中層両面段ボール
17b 第2中層両面段ボール
17c 第3中層両面段ボール
18 底
19 下層段ボール
19a 下層両面段ボール
19a 第1下層両面段ボール
19b 第2下層両面段ボール
20a,b 表ライナー
21a,b 裏ライナー
22a,b 中芯
23 下端部
24 挿入孔
25 後端部
26 挿入孔
27a,b 上面
28a~c 表ライナー
29a~c 裏ライナー
30a~c 中芯
31a,b 周縁
32 周縁部
33a~c 上面
34a,b 下面
35a~c 下面
36a,b 表ライナー
37a,b 裏ライナー
38a,b 中芯
39a,b 周縁
40a,b 上面
41a,b 下面
42 周縁部