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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】LED照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20220829BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20220829BHJP
   F21V 7/09 20060101ALI20220829BHJP
   F21V 19/02 20060101ALI20220829BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220829BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21V7/00 320
F21V7/09 200
F21V19/02 200
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018109267
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019212546
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】岸本 亮
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-232660(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0313737(US,A1)
【文献】特開2011-129473(JP,A)
【文献】特開2007-273385(JP,A)
【文献】特開2018-077998(JP,A)
【文献】特開昭60-024501(JP,A)
【文献】米国特許第05562343(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 7/00
F21V 7/09
F21V 19/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを有するLED光源部と、
前記LED光源部からの光が入射する入射開口、前記入射開口から入射した光を出射する出射開口および前記入射開口と前記出射開口とを繋ぎ且つ前記光を反射する反射面を有する反射部材と
前記反射部材が取り付けられるリング部材と、
を備えるLED照明器具であって、
前記反射部材は、外周面から突出する第1リブを有し、
前記リング部材は、第2リブおよび第3リブを有し、
前記入射開口を含む平面である入射開口平面は、前記出射開口を含む平面である出射開口平面に対して傾いており、
前記反射面は、前記入射開口平面および前記出射開口平面に対して直角であり且つ前記入射開口平面の中心および前記出射開口平面の中心を通る基準面との交線である第1線分および第2線分を有し、
前記第1線分は、前記第2線分よりも長く、
前記第2線分が前記出射開口平面となす角度である第2角度は、前記第1線分が前記出射開口平面となす角度である第1角度よりも大き
前記第1リブは、前記第2リブと前記第3リブの間に挟まれることで、周方向の位置が規定されていることを特徴とする、LED照明器具。
【請求項2】
前記第1線分の入射側端である第1入射側端と前記第2線分の出射側端である第2出射側端とを結ぶ直線であるグレアカット直線と前記出射開口平面とがなす角度であるグレアカット角度は、40°以上である、請求項1に記載のLED照明器具。
【請求項3】
前記第1角度は、前記グレアカット角度よりも大きい、請求項2に記載のLED照明器具。
【請求項4】
前記第1線分および前記第2線分は、直線である、請求項1ないし3のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項5】
前記LED光源部を支持する支持部材を備えており、
前記支持部材は、前記反射部材に対して前記基準面と直角である軸周りに回転可能である、請求項1ないし4のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項6】
前記反射面の表面硬度は、4H以上の硬さである、請求項1ないし5のいずれかに記載のLED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDを有するLED光源を有し、いわゆるダウンライトと称されるLED照明器具が、広く用いられている。特許文献1には、従来のLED照明器具の一例が開示されている。同文献に開示されたLED照明器具は、LED光源からの光を反射させる反射面を有する反射部材を備える。この反射部材は、略半球形状であり、入射開口および出射開口を有する。出射開口は、LED照明器具が取り付けられるたとえば天井面に略平行に設定される。入射開口は、出射開口に対して傾いて形成されている。LED光源からの光は、鉛直方向に対して傾いた方向から入射開口に入射し、少なくともその一部が反射面によって反射され、出射開口から出射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-78375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
出射開口から出射された光は、たとえば床面等に照射される。この照射光は、より均一に床面等を照らすことが好ましい。しかし、反射部材の構成等に起因して、照射光にむらが生じるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、照射光のむらを抑制することが可能なLED照明器具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるLED照明器具は、LEDを有するLED光源部と、前記LED光源部からの光が入射する入射開口、前記入射開口から入射した光を出射する出射開口および前記入射開口と前記出射開口とを繋ぎ且つ前記光を反射する反射面を有する反射部材と、を備えるLED照明器具であって、前記入射開口を含む平面である入射開口平面は、前記出射開口を含む平面である出射開口平面に対して傾いており、前記反射面は、前記入射開口平面および前記出射開口平面に対して直角であり且つ前記前記入射開口平面の中心および前記出射開口平面の中心を通る基準面との交線である第1線分および第2線分を有し、前記第1線分は、前記第2線分よりも長く、前記第2線分が前記出射開口平面となす角度である第2角度は、前記第1線分が前記出射開口平面となす角度である第1角度よりも大きい、ことを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1線分の入射側端である第1入射側端と前記第2線分の出射側端である第2出射側端とを結ぶ直線であるグレアカット直線と前記出射開口平面とがなす角度であるグレアカット角度は、40°以上である。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1角度は、前記グレアカット角度よりも大きい。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1線分および前記第2線分は、直線である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記LED光源部を支持する支持部材を備えており、前記支持部材は、前記反射部材に対して前記基準面と直角である軸周りに回転可能である。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記反射面の表面硬度は、4H以上の硬さである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、照射光のむらを抑制することができる。
【0013】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具を示す分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具を示す側面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具を示す平面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具を示す底面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具を示す正面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具を示す背面図である。
図8図4のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9図5のIX-IX線に沿う断面図である。
図10図4のX-X線に沿う断面図である。
図11図8のXI-XI線に沿う断面図である。
図12】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具の反射部材を示す(a)は平面図であり、(b)は背面図であり、(c)は底面図であり、(d)は正面図であり、(e)は側面図である。
図13図12(b)のXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14】本発明の第1実施形態に係るLED照明器具による照射光の一例を示す図である。
図15】比較例のLED照明器具による照射光を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0017】
<第1実施形態>
図1図13は、本発明の第1実施形態に係るLED照明器具を示している。本実施形態のLED照明器具A1は、支持部材1、LED光源部2、レンズ部材3、配光部材39、レンズ保持部材4、取付部材5、入射側リング部材6、出射側リング部材7、反射部材8、複数のバネ部材91、ケーブル93およびケーブル保持具94を備えている。
【0018】
図1は、LED照明器具A1を示す斜視図である。図2は、LED照明器具A1を示す分解斜視図である。図3は、LED照明器具A1を示す側面図である。図4は、LED照明器具A1を示す平面図である。図5は、LED照明器具A1を示す底面図である。図6は、LED照明器具A1を示す正面図である。図7は、LED照明器具A1を示す背面図である。図8は、図4のVIII-VIII線に沿う断面図である。図9は、図5のIX-IX線に沿う断面図である。図10は、図4のX-X線に沿う断面図である。図11は、図8のXI-XI線に沿う断面図である。図12は、LED照明器具A1の反射部材8を示す(a)は平面図であり、(b)は背面図であり、(c)は底面図であり、(d)は正面図であり、(e)は側面図である。図13は、図12(b)のXIII-XIII線に沿う断面図である。なお、これらの図において、x方向およびy方向は、LED照明器具A1の設置対象物の一例である天井面と平行な方向である。z方向は、いわゆる上下方向または鉛直方向と称される方向に相当する。
【0019】
<支持部材1>
支持部材1は、LED光源部2を支持するためのものである。図1および図2に示すように、本実施形態の支持部材1は、支持部材本体11、複数の放熱リブ12および支持面13を有する。
【0020】
支持部材1の材質は特に限定されない。LED光源部2からの熱をより効率よく放熱する観点から、支持部材1は、熱伝導率に優れた材質からなることが好ましい。支持部材1の材質としては、アルミ等の金属が例示される。以降の説明においては、支持部材1が、アルミからなる場合を例に説明する。アルミからなる支持部材1は、たとえばz方向への押出成形によって形成してもよい。
【0021】
支持部材本体11は、図8図10に示すように、支持部材1の土台となる部位である。図示された例においては、支持部材本体11は、z方向に延びる柱状の部位であり、たとえば円柱形状である。なお、支持部材本体11は、たとえば多角形柱状であってもよいし、柱状以外の形状であってもよい。
【0022】
複数の放熱リブ12は、図2図4および図8に示すように、支持部材本体11から略放射状に延びた部位である。複数の放熱リブ12は、LED光源部2から支持部材本体11に伝わった熱を、より効率よく外部へと放熱するための部位である。図示された例においては、放熱リブ12は、支持部材本体11から延びる幹部と、当該幹部から延びる複数の枝部とを有する形状であるが、放熱リブ12の形状は特に限定されない。また、図示された例においては、放熱リブ12は、z方向と直角である断面形状が略一定であるが、一定でない形状であってもよい。
【0023】
支持面13は、LED光源部2を支持する面である。図2図8および図9に示すように、本実施形態においては、支持面13は、支持部材本体11のz方向における一端面である。図示された例においては、支持面13は、z方向に対して直角である平面である。
【0024】
<LED光源部2>
LED光源部2は、LED照明器具A1の光源であり、図2図8および図9に示すように、支持部材1の支持面13に支持されている。LED光源部2の構成は特に限定されず、本実施形態においては、LED基板21およびLED22を有する。
【0025】
LED基板21は、LED22が実装される部材であり、支持部材1の支持面13に固定される。LED基板21の構成は特に限定されず、たとえばセラミックスやガラスエポキシ樹脂からなる基材と、当該基材に形成された配線パターンを有する。LED基板21を支持部材1の支持面13に固定する手法は特に限定されず、たとえばねじを用いた締結や接着剤を用いた接着等が適宜採用される。
【0026】
LED22は、発光機能を果たすものであり、たとえば半導体層が積層されたチップである。LED22の個数は特に限定されず、光量向上の観点から、LED光源部2は複数のLED22を備えることが好ましい。
【0027】
LED22の種類等は特に限定されない。LED22の一例を挙げると、GaN系半導体層からなる場合に、LED22は、青色光を発する。この場合、LED光源部2は、LED22を覆う封止樹脂を有していてもよい。この封止樹脂は、たとえば透明なエポキシ樹脂やシリコーン樹脂に蛍光材料を含有する。この形状材料は、LED22からの青色光によって励起されることにより、たとえば黄色光を発する。LED22からの青色光と蛍光材料からの黄色光とが混色することにより、LED光源部2からは、昼白色、昼光色および電球色等に代表される色の光が発せられる。
【0028】
<レンズ部材3>
レンズ部材3は、図2図8および図9に示すように、LED光源部2のz方向直下に配置されている。レンズ部材3は、LED照明器具A1の使用目的等に応じて、LED光源部2からの光を屈折させることにより、光の指向性を調整するためのものである。レンズ部材3の材質は特に限定されず、たとえば透明なアクリル樹脂、エポキシ樹脂やガラス等からなる。
【0029】
図8および図9に示すように、本実施形態のレンズ部材3は、入射面31、出射面32、凹部33、反射内面34およびフランジ部35を有する。図示された例においては、レンズ部材3は、LED光源部2からの光の指向性を高める機能を果たす。
【0030】
入射面31は、LED光源部2からの光が入射する面であり、図示された例においては、LED光源部2のz方向直下においてLED光源部2と正対している。入射面31の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向においてLED光源部2側(上側)に膨出する凸曲面である。また、入射面31は、z方向視において略円形状である。
【0031】
出射面32は、入射面31から入射した光が出射する面である。出射面32は、z方向において入射面31とは反対側に位置している。出射面32の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向視において略円形状である。また、図5に示すように、図示された例においては、出射面32は、中央部に複数の凹凸面からなる部位を有する。ただし、このような出射面32は、一構成例であり、その具体的な構成は何ら限定されない。
【0032】
凹部33は、図8および図9に示すように、z方向上側からz方向下側に凹む部位である。本実施形態においては、凹部33の底面が、入射面31となっている。凹部33は、たとえばz方向視において円形状である。図示された例においては、凹部33のz方向視における大きさは、LED光源部2のz方向視における大きさよりも大きく、z方向視において凹部33は、LED光源部2を内包している。
【0033】
反射内面34は、入射面31から入射し、レンズ部材3内を進行してきた光の一部を反射する面である。反射内面34の形状は特に限定されず、本実施形態においては、z方向上側から下側に向かうほど、z方向と直角である断面形状が大きくなるパラボラ状である。
【0034】
フランジ部35は、反射内面34のz方向下側端からxy平面に略沿うように外方に延出した部位である。フランジ部35の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向視において円環形状である。
【0035】
<配光部材39>
配光部材39は、図2図5および図8図10に示すように、レンズ部材3の出射面32のz方向直下に配置されている。配光部材39は、レンズ部材3の出射面32から出射された光が、所望の方向に向かう割合を高めるためのものである。なお、配光部材39の構成は特に限定されない。配光部材39の具体的構成の一例としては、金属板が折り曲げ加工等されることにより形成されたものが挙げられる。また、LED照明器具A1は、配光部材39を備えない構成であってもよい。
【0036】
図5および図8図10に示すように、図示された例においては、配光部材39は、複数の配光孔391を有する。複数の配光孔391は、各々が、z方向上側および下側に開口している。このような配光孔391は、z方向に沿って進行する光を通過させ、z方向に対して大きく傾いた方向に進行する光を遮ったり反射したりする機能を果たす。図5に示すように、図示された例においては、配光部材39は、いわゆるハニカム構造とされており、配光孔391は、z方向視において六角形状であるが、これに限定されるものではない。
【0037】
<レンズ保持部材4>
図1図2図3および図8図10に示すように、レンズ保持部材4は、支持部材1に固定されており、レンズ保持部材4を保持するための部材である。レンズ保持部材4の材質は特に限定されず、金属や樹脂等が適宜採用され、その一具体例としてたアルミが挙げられる。
【0038】
本実施形態のレンズ保持部材4は、図3および図6図10に示すように、筒状部41、フランジ部42、複数のリブ43、複数の突条部44および係合凹部45を有する。
【0039】
筒状部41は、z方向を軸方向とする筒状の部位であり、図示された例においては、円柱形状である。筒状部41は、レンズ部材3を収容している。
【0040】
フランジ部42は、筒状部41のz方向上端からxy平面に略沿うように外方および内方に延出した部位である。フランジ部42の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向視において円環形状である。フランジ部42は、支持部材1に取り付けられている。
【0041】
複数のリブ43は、筒状部41とフランジ部42とに繋がっており、各々がz方向に沿った平板状である。複数のリブ43は、z方向視において放射状に配置されている。リブ43は、たとえば、支持部材1からフランジ部42へと伝わった熱を、外部に放熱する機能を果たす。
【0042】
複数の突条部44は、筒状部41の外面に設けられており、各々がz方向に沿った形状である。複数の突条部44は、取付部材5の取付に用いられる。図示された例においては、複数の突条部44の個数は、3個である。
【0043】
係合凹部45は、筒状部41のz方向下端部分に設けられている。係合凹部45は、筒状部41の下端面からz方向上側に凹んでおり、筒状部41の内周面から外側に凹んでいる。係合凹部45には、レンズ部材3のフランジ部35が係合している。これにより、レンズ部材3のレンズ保持部材4に対する位置決めがなされ、レンズ部材3をより確実に保持することができる。
【0044】
<取付部材5>
取付部材5は、図1図3に示すように、支持部材1、LED光源部2、レンズ部材3およびレンズ保持部材4を、入射側リング部材6、出射側リング部材7および反射部材8に対して、回転可能に取り付けるための部材である。本実施形態においては、取付部材5は、レンズ保持部材4と入射側リング部材6とに固定されているが、これは取付部材5の取付構造に一例であり、これに限定されない。取付部材5の材質は特に限定されず、図示された例においては、たとえば金属板が折り曲げ加工や切断加工等されることによって形成されている。
【0045】
本実施形態の取付部材5は、図2図3図6図7および図10に示すように、環状部51、複数の第1延出部52、複数の側部53および複数の第2延出部54を有する。
【0046】
環状部51は、レンズ保持部材4および配光部材39のz方向直下に配置されている。環状部51の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向視において円環形状の部位であり、配光部材39およびレンズ部材3をz方向下方から支える部位である。
【0047】
複数の第1延出部52は、環状部51から外方に延出する部位である。図示された例においては、2つの第1延出部52が、環状部51からy方向両側に延出しており、レンズ保持部材4から突出している。第1延出部52の形状は特に限定されず、図示された例においては、帯状である。
【0048】
複数の側部53は、複数の第1延出部52の先端からz方向下方に向かって延びる部位である。図示された例においては、2つの側部53が2つの第1延出部52から延びている。側部53の形状は特に限定されず、図示された例においては、帯状である。
【0049】
複数の第2延出部54は、環状部51から外方に延出した部位である。第2延出部54の個数は特に限定されず、図示された例においては、突条部44の個数に対応して3個である。図8に示すように、第2延出部54は、ねじ56によってレンズ保持部材4の突条部44に固定されている。これにより、取付部材5がレンズ保持部材4に対して固定されている。
【0050】
<入射側リング部材6>
入射側リング部材6は、取付部材5が取り付けられる部材である。図1図3に示すように、入射側リング部材6は、レンズ保持部材4および取付部材5のz方向直下に配置されている。入射側リング部材6の材質は特に限定されず、金属や樹脂等が適宜採用され、その一具体例としてたアルミが挙げられる。
【0051】
図3および図6図10に示すように、本実施形態の入射側リング部材6は、筒状部61、係合リブ62、複数の取付孔64、複数の係合爪部65および複数の位置決めリブ66を有する。
【0052】
筒状部61は、図8図10に示すように、z方向を軸方向とする筒状の部位であり、図示された例においては、略円柱形状である。筒状部61は、反射部材8の少なくとも一部を収容している。また、図示された例においては、筒状部61は、テーパ部611を有する。テーパ部611は、筒状部61のz方向上端部の一部であり、x方向に対して傾いた部位である。
【0053】
係合リブ62は、図2図8および図9に示すように、筒状部61の外周面から突出する部位である。係合リブ62は、筒状部61の外周面のz方向中央付近において周方向に沿って形成されている。
【0054】
複数の取付孔64は、図2および図10に示すように、筒状部61に設けられた貫通孔である。図10に示すように、図示された例においては、2つの取付孔64が設けられている。取付孔64は、筒状部61をy方向に貫通している。2つの取付孔64には、取付部材5の2つの側部53が、2つのねじ55によって取り付けられている。本実施形態においては、取付部材5の2つの側部53は、入射側リング部材6の筒状部61に対して、ねじ55を通るy方向に延びる軸周りに回転可能に取り付けられている。
【0055】
複数の係合爪部65は、図2および図8に示すように、筒状部61のz方向下端に設けられており、外方に突出している。複数の係合爪部65は、入射側リング部材6と出射側リング部材7とを係合によって互いに固定するためのものである。複数の係合爪部65の個数は特に限定されず、図示された例においては、3個である。
【0056】
複数の位置決めリブ66は、反射部材8の入射側リング部材6に対する周方向位置(角度)を位置決めするためのものである。図2および図11に示すように、複数の位置決めリブ66は、筒状部61の内周面から内方に突出している。図示された例においては、2つの位置決めリブ66が設けられている。2つの位置決めリブ66は、図11に示すように、y方向において隙間をおいて並んで設けられた部分を有している。
【0057】
また、図10に示すように、本実施形態の入射側リング部材6には、2つの係合部材69が設けられている。2つの係合部材69は、筒状部61等とは別体の部材によって構成されており、たとえばバネ板を折り曲げ加工等することによって形成されている。2つの係合部材69は、筒状部61の内側に設けられており、互いにy方向に離れて配置されている。2つの係合部材69は、反射部材8を入射側リング部材6に対して脱着自在に取り付けるためのものである。
【0058】
<出射側リング部材7>
出射側リング部材7は、入射側リング部材6および反射部材8が取り付けられる部材である。図1図3に示すように、出射側リング部材7は、入射側リング部材6と一部同士が重なるように、入射側リング部材6に対してz方向下方にずれた位置に配置されている。出射側リング部材7の材質は特に限定されず、金属や樹脂等が適宜採用され、その一具体例としてたアルミが挙げられる。
【0059】
本実施形態の出射側リング部材7は、図2図3および図8に示すように、筒状部71、フランジ部72、係合凹部73、係合凹部74および係合凹部75を有する。
【0060】
筒状部71は、z方向を軸方向とする筒状の部位であり、図示された例においては、略円柱形状である。筒状部61は、出射側リング部材7および反射部材8の少なくとも一部ずつを収容している。
【0061】
フランジ部72は、筒状部71のz方向下側端からxy平面に略沿うように外方に延出した部位である。フランジ部72の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向視において円環形状である。本実施形態においては、LED照明器具A1が天井面に設置される場合、フランジ部72のz方向上面が天井面に当接し、フランジ部72が、下方から視認される。
【0062】
係合凹部73は、筒状部71のz方向上端部分に設けられている。係合凹部73は、筒状部71の上端面からz方向下側に凹んでおり、筒状部71の内周面から外側に凹んでいる。筒状部71には、入射側リング部材6の係合リブ62が係合する。これにより、入射側リング部材6の出射側リング部材7に対する位置決めがなされる。
【0063】
係合凹部74は、筒状部71のz方向下端部分に設けられている。係合凹部74は、筒状部71の下端面からz方向上側に凹んでおり、筒状部71の内周面から外側に凹んでいる。係合凹部74には、後述の反射部材8のフランジ部86が係合する。これにより、反射部材8の出射側リング部材7に対する位置決めがなされる。
【0064】
係合凹部75は、図8に示すように、筒状部71の内周面から凹んだ部位である。係合凹部75は、係合爪部65と係合することにより、入射側リング部材6と出射側リング部材7とを脱着自在に固定するためのものである。本実施形態においては、複数の係合爪部65の個数に対応して、3つの係合凹部75が設けられている。
【0065】
<反射部材8>
反射部材8は、LED光源部2によって発せられた光を反射し、照射する領域等を調節するためのものである。図1図2および図8に示すように、本実施形態の反射部材8は、LED光源部2およびレンズ部材3に対してz方向下側に配置されており、入射側リング部材6および出射側リング部材7によって収容されている。反射部材8の材質は特に限定されず、金属や樹脂等が適宜採用され、その一具体例としてたアルミが挙げられる。
【0066】
本実施形態の反射部材8は、図8および図10図13に示すように、筒状部80、入射開口81、出射開口82、反射面83、フランジ部86、位置決めリブ87および複数の係合突起88を有する。
【0067】
筒状部80は、反射部材8の本体部分である。筒状部80は、z方向上側から下側に向かうほど、z方向と直角である断面形状が大きくなる略コーン状の部位である。図8に示すように、筒状部80の中心線Oは、z方向に対して傾いている。
【0068】
入射開口81は、LED光源部2によって発せられた光が入射する開口である。図示された例においては、入射開口81は、筒状部80のz方向上端の開口部位である。中心線Oは、入射開口81の中心を通る。図8および図13に示すように、入射開口81を含む平面を、入射開口平面P1と定義する。入射開口平面P1は、x方向に対して傾いており、y方向に対して平行である。
【0069】
出射開口82は、入射開口81から入射した光が出射する開口である。図示された例においては、入射開口81は、筒状部80のz方向下端の開口部位である。中心線Oは、出射開口82の中心を通る。図8および図13に示すように、出射開口82を含む平面を、出射開口平面P2と定義する。本実施形態においては、出射開口平面P2は、x方向およびy方向に対して平行である。
【0070】
反射面83は、入射開口81から入射した光を反射する面であり、筒状部80の内周面である。反射面83は、光を想定された程度に反射する面であれば、その表面性状等は特に限定されない。本実施形態においては、反射面83の表面硬度は、4H以上の硬さである。このような反射面83の具体例としては、たとえばコーティング等を行う。このようなコーティングの一例としては、たとえば高硬度ガラスコーティングが挙げられる。高硬度ガラスコーティングの被膜は、主成分がたとえば無機質の4官能性のシリコンレジンである。このような高硬度ガラスコーティングを用いた場合、ガラス被膜の硬度は、たとえば8H~9H程度である。高硬度ガラスコーティングを用いると、反射面83の耐摩傷性・耐酸性・耐熱性・耐溶剤性・耐候性・耐汚染性・撥水性を高めることができる。また、高硬度ガラスコーティングによって、反射面83が受ける紫外線を減少させることができる。
【0071】
図8図12および図13に示すように、入射開口平面P1および出射開口平面P2と直角であり、入射開口81の中心および出射開口82の中心を通る中心線Oを含む平面を、基準面P3と定義する。本実施形態においては、基準面P3は、yz平面である。反射面83は、基準面P3との交戦である第1線分84および第2線分85を有する。
【0072】
第1線分84と第2線分85とは、x方向において互いに反対側に位置している。第1線分84は、反射面83よりも長い。本実施形態においては、第1線分84および第2線分85は、いずれも直線であるが、具体的な形状は特に限定されず、たとえば曲線であってもよい。
【0073】
図8および図13に示すように、第1線分84は、第1入射側端841および第1出射側端842を有する。第1入射側端841は、第1線分84のz方向における入射側端である。第1出射側端842は、第1線分84のz方向における出射側端である。
【0074】
図8および図13に示すように、第2線分85は、第2入射側端851および第2出射側端852を有する。第2入射側端851は、第2線分85のz方向における入射側端である。第2出射側端852は、第2線分85のz方向における出射側端である。第2入射側端851は、z方向において第1入射側端841よりも上側に位置している。第2出射側端852は、z方向において第1出射側端842と略同じ位置にある。
【0075】
ここで、第1線分84が出射開口平面P2となす角度を、第1角度α1と定義する。また、第2線分85が出射開口平面P2となす角度を、第2角度α2と定義する。第2角度α2は、第1角度α1よりも大きい。第1角度α1および第2角度α2の大きさの一例を挙げると、第1角度α1は、50°程度であり、第2角度α2は、75°程度である。
【0076】
また、図8および図13に示すように、第1入射側端841と第2出射側端852とを結ぶ直線を、グレアカット直線L1と定義する。グレアカット直線L1と出射開口平面P2とがなす角度を、グレアカット角度α3と定義する。本実施形態においては、グレアカット角度α3は、40°以上である。また、好ましくは、第1角度α1は、グレアカット角度α3よりも大きい。
【0077】
フランジ部86は、図8図12および図13に示すように、筒状部80のz方向下端(出射開口82)から、xy平面(出射開口平面P2)に沿って外方に延出する部位である。フランジ部86の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向視において円環形状である。図8に示すように、フランジ部86は、出射側リング部材7の係合凹部74に係合する。これにより、z方向における反射部材8の出射側リング部材7に対する位置決めがなされる。
【0078】
位置決めリブ87は、図8および図11図13に示すように、筒状部80の外周面から突出している。位置決めリブ87は、zx平面に沿った板状部位である。図11に示すように、位置決めリブ87は、入射側リング部材6の2つの位置決めリブ66にy方向側から挟まれている。これにより、反射部材8の入射側リング部材6に対する周方向位置が規定される。
【0079】
複数の係合突起88は、図10および図12に示すように、筒状部80の外周面から突出している。図示された例においては、2つの係合突起88が、y方向両側に離れて設けられている。図10に示すように、係合突起88は、係合部材69と係合する。これにより、反射部材8は、入射側リング部材6に対して脱着自在に取り付けられている。
【0080】
<複数のバネ部材91>
【0081】
複数のバネ部材91は、図1図3に示すように、出射側リング部材7に取り付けられている。複数のバネ部材91は、LED照明器具A1を天井面に設けられたダウンライトを取り付けるための孔に対してLED照明器具A1を保持するためのものである。バネ部材91の材質は特に限定されず、LED照明器具A1を保持しうる弾性力を生じるものであればよく、たとえばバネ板を用いて形成される。図示された例においては、3つのバネ部材91が等ピッチで配置されている。
【0082】
<ケーブル93>
ケーブル93は、LED光源部2を発光するための電力を通電させるためのものである。図1図3に示すように、本実施形態においては、ケーブル93は、支持部材1のz方向上端から外方(x方向)に向かって延びている。ケーブル93は、たとえば図示しない電源に接続される。
【0083】
<ケーブル保持具94>
ケーブル保持具94は、ケーブル93の一部を支持部材1に対して固定するためのものである。ケーブル保持具94の材質は特に限定されず、金属または絶縁性材料からなる。絶縁材料としては、たとえば樹脂が挙げられる。
【0084】
次に、LED照明器具A1の作用について説明する。
【0085】
図14は、LED照明器具A1による照射光の一例を示す図である。図15は、比較例のLED照明器具による照射光を示す図である。比較例のLED照明器具は、図8および図13に示す反射部材8の構成が、LED照明器具A1と異なる。具体的には、LED照明器具A1では、第2角度α2が第1角度α1よりも大きいが、比較例では、第2角度α2と第1角度α1とは略同じである。これは、たとえば、従来技術のLED照明器具のように反射部材が略半球形状である場合が一例に相当する。また、LED照明器具A1では、グレアカット角度α3が40°以上であるのに対し、比較例では、グレアカット角度は40°未満である。
【0086】
図14に示す照射光は、図15に示す照射光よりも明らかにムラが少ない。この要因として、まず、LED照明器具A1では、第2角度α2が第1角度α1よりも大きいことが挙げられる。このような構成により、入射開口81の大きさをx方向により大きくすることが可能であり、LED光源部2(レンズ部材3)からの光を入射開口81により多く入射させることができる。また、比較例のように、第2角度α2と第1角度α1とが略同じであると、相対的に長さが短い部分(第2線分85に相当する部分)に到達する光量が制限され、十分な反射機能を果たしにくい。LED照明器具A1では、第2角度α2が第1角度α1よりも大きいことにより、第2線分85に到達する光量を増加させ、十分な反射機能を果たさせることが可能である。これにより、LED照明器具A1の照射光はムラが抑制されていると考えられる。
【0087】
また、発明者の研究によれば、グレアカット角度α3の大きさが、照射光のムラの増減を左右する一因であるという知見が得られた。その結果、グレアカット角度α3が40°以上であると、照射光のムラが抑制される効果が確認された。
【0088】
以上の通り、LED照明器具A1によれば、照射光のムラを抑制することができる。
【0089】
第1角度α1がグレアカット角度α3よりも大きい構成は、照射光のムラを抑制するのに好ましい。
【0090】
第1線分84および第2線分85が直線であることは、反射面83が、いわゆるコーン状の曲面であることを意味する。このような反射面83によれば、照射光のムラをさらに抑制することが期待できる。
【0091】
取付部材5を介して支持部材1が反射部材8に対して回転可能に取り付けられていることにより、入射開口81に対するLED光源部2(レンズ部材3)の角度や姿勢を任意に変更することが可能である。これにより、照射光が向かう領域や照射状態を適宜調節することができる。
【0092】
反射面83の表面硬度を4H以上とすることにより、使用によって反射面83に傷等が生じることを抑制することが可能である。これにより、反射面83の反射率が低下することを抑制し、照射光の光量低下やムラの増加を抑制することができる。
【0093】
本発明に係るLED照明器具は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLED照明器具の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0094】
A1 :LED照明器具
1 :支持部材
2 :LED光源部
3 :レンズ部材
4 :レンズ保持部材
5 :取付部材
6 :入射側リング部材
7 :出射側リング部材
8 :反射部材
11 :支持部材本体
12 :放熱リブ
13 :支持面
21 :LED基板
22 :LED
31 :入射面
32 :出射面
33 :凹部
34 :反射内面
35 :フランジ部
39 :配光部材
41 :筒状部
42 :フランジ部
43 :リブ
44 :突条部
45 :係合凹部
51 :環状部
52 :第1延出部
53 :側部
54 :第2延出部
55,56:ねじ
61 :筒状部
62 :係合リブ
64 :取付孔
65 :係合爪部
66 :位置決めリブ
69 :係合部材
71 :筒状部
72 :フランジ部
73,74,75:係合凹部
80 :筒状部
81 :入射開口
82 :出射開口
83 :反射面
84 :第1線分
85 :第2線分
86 :フランジ部
87 :位置決めリブ
88 :係合突起
91 :バネ部材
93 :ケーブル
94 :ケーブル保持具
391 :配光孔
611 :テーパ部
841 :第1入射側端
842 :第1出射側端
851 :第2入射側端
852 :第2出射側端
L1 :グレアカット直線
O :中心線
P1 :入射開口平面
P2 :出射開口平面
P3 :基準面
α1 :第1角度
α2 :第2角度
α3 :グレアカット角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15