(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】積層コア形成用の積層材製造装置
(51)【国際特許分類】
H01F 41/02 20060101AFI20220829BHJP
B23K 11/00 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
H01F41/02 B
B23K11/00 560
(21)【出願番号】P 2019015694
(22)【出願日】2019-01-31
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】512149857
【氏名又は名称】ハル電子 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(74)【代理人】
【識別番号】100201237
【氏名又は名称】吉井 将太郎
(72)【発明者】
【氏名】志村 貞雄
(72)【発明者】
【氏名】三浦 晃敬
(72)【発明者】
【氏名】金子 憲行
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-281314(JP,A)
【文献】特開2013-252590(JP,A)
【文献】特開平11-195547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 41/02
B23K 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工用フープ材を搬送する搬送装置部に切断装置部が設けられており、この搬送装置部の間欠駆動により間欠搬送される加工用フープ材が前記切断装置部で次々と短冊状に切断されて積層コア形成用の積層材が製造される積層コア形成用の積層材製造装置であって、前記搬送装置部は、複数の供給部から供給される複数の前記加工用フープ材が重ねられて重合フープ材として搬送されるように構成され、この搬送装置部の前記切断装置部より搬送方向上流側に、前記重合フープ材を送り停止駆動時に溶接して重合止着する溶接電極部が設けられていて、この溶接電極部で間欠搬送される前記重合フープ材が溶接された後、前記切断装置部で切断されて止着済重合積層材が形成されるように構成されていることを特徴とする積層コア形成用の積層材製造装置。
【請求項2】
前記搬送装置部に、複数の前記加工用フープ材の搬送方向に対する横ズレを是正する是正ガイドが設けられ、この是正ガイドにより複数の加工用フープ材同志が整然と重ねられた前記重合フープ材となって間欠搬送されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の積層コア形成用の積層材製造装置。
【請求項3】
前記溶接電極部は、複数並設状態に設けられて、この複数の溶接電極部により間欠搬送される前記重合フープ材の複数箇所を同時に溶接して重合止着するように構成されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の積層コア形成用の積層材製造装置。
【請求項4】
前記搬送装置部は、複数の前記供給部から供給される複数の前記加工用フープ材が上下に重ねられて重合フープ材として搬送されるように構成され、前記溶接電極部は、前記重合フープ材の上方若しくは下方に配設される正極と、重合フープ材の下方若しくは上方に配設される負極とから成ると共に、前記搬送装置部の間欠駆動に同期して正極若しくは負極を重合フープ材に対し接離駆動する溶接同期駆動制御部を備えて、この溶接同期駆動制御部により重合フープ材の送り駆動時には、重合フープ材から正極若しくは負極が離間し、重合フープ材の送り停止駆動時には、重合フープ材に正極若しくは負極が接近して、この正極と負極とに重合フープ材が挟み込まれて溶接されるように構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の積層コア形成用の積層材製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器、リアクトル或いはモーターなどのコイル内に内挿される鉄芯(磁性ブロック)として用いられる積層コアを形成するための積層材を製造する積層コア形成用の積層材製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、珪素鋼板などの短冊状の単板(積層材)を板厚方向に積み重ねて全体で略角柱形状となるように積層し、これを接着してブロック状の積層コア(
図4参照)を製造するが、このような積層コアの主要部となる積層材を製造するための製造装置として、出願人は特開2013-252590号(特許文献1)を開発し特許出願している。
【0003】
この特許文献1を簡単に説明すると、フープ材を間欠搬送する搬送装置部に切断装置部が設けられて、フープ材を次々と短冊状に切断し切断片を積層状態に排出部に排出して行き積層コア形成用の積層材を製造するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
積層コア(鉄芯)が内挿される変圧器、リアクトル或いはモーターは、大幅な省エネ,高効率化を実現するアモルファス金属などの板厚25μmほどの極薄板が積層材として採用されることが多くなってきている。
【0006】
しかしながら、このような極薄の積層材は、パーツフィーダーで整列することが極めて困難であるから手作業に頼らざるを得ず、積層コアの形成にはこの極薄板(積層材)を数百枚から数千枚も整列させて積層する必要があるので、工数の増大が大きな課題となっていた。
【0007】
本発明は、このような問題点に注目し、これを解決しようとするもので、パーツフィーダーを用いて自動的に整列させることが可能であると共に、積層作業の工数も大幅に削減できる止着済重合積層材を量産可能な積層コア形成用の積層材製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
加工用フープ材1を搬送する搬送装置部2に切断装置部3が設けられており、この搬送装置部2の間欠駆動により間欠搬送される加工用フープ材1が前記切断装置部3で次々と短冊状に切断されて積層コアA形成用の積層材4が製造される積層コア形成用の積層材製造装置であって、前記搬送装置部2は、複数の供給部5から供給される複数の前記加工用フープ材1が重ねられて重合フープ材1Aとして搬送されるように構成され、この搬送装置部2の前記切断装置部3より搬送方向上流側に、前記重合フープ材1Aを送り停止駆動時に溶接して重合止着する溶接電極部7が設けられていて、この溶接電極部7で間欠搬送される前記重合フープ材1Aが溶接された後、前記切断装置部3で切断されて止着済重合積層材40が形成されるように構成されていることを特徴とする積層コア形成用の積層材製造装置に係るものである。
【0010】
また、前記搬送装置部2に、複数の前記加工用フープ材1の搬送方向に対する横ズレを是正する是正ガイド8が設けられ、この是正ガイド8により複数の加工用フープ材1同志が整然と重ねられた前記重合フープ材1Aとなって間欠搬送されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の積層コア形成用の積層材製造装置に係るものである。
【0011】
また、前記溶接電極部7は、複数並設状態に設けられて、この複数の溶接電極部7により間欠搬送される前記重合フープ材1Aの複数箇所を同時に溶接して重合止着するように構成されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の積層コア形成用の積層材製造装置に係るものである。
【0012】
また、前記搬送装置部2は、複数の前記供給部5から供給される複数の前記加工用フープ材1が上下に重ねられて重合フープ材1Aとして搬送されるように構成され、前記溶接電極部7は、前記重合フープ材1Aの上方若しくは下方に配設される正極7Aと、重合フープ材1Aの下方若しくは上方に配設される負極7Bとから成ると共に、前記搬送装置部2の間欠駆動に同期して正極7A若しくは負極7Bを重合フープ材1Aに対し接離駆動する溶接同期駆動制御部を備えて、この溶接同期駆動制御部により重合フープ材1Aの送り駆動時には、重合フープ材1Aから正極7A若しくは負極7Bが離間し、重合フープ材1Aの送り停止駆動時には、重合フープ材1Aに正極7A若しくは負極7Bが接近して、この正極7Aと負極7Bとに重合フープ材1Aが挟み込まれて溶接されるように構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の積層コア形成用の積層材製造装置に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、複数の短冊状の積層材が重合止着された止着済重合積層材を量産できる極めて実用性に優れた積層コア形成用の積層材製造装置となる。
【0014】
そして、本装置で製造した止着済重合積層材によれば、積層材複数枚分の厚みがあるので、取扱い容易でパーツフィーダーを使用して自動整列させることも可能であると共に、この止着済重合積層材を積層して所定の寸法の積層コアを形成する際には、積層作業の工数が大幅に削減するので、これまでに比して積層コア形成作業が著しく簡易化することになる。
【0015】
また、請求項2記載の発明においては、複数の短冊状の積層材が整然と重ねられて止着された厚みのある止着済重合積層材を量産できる一層実用性に優れた構成の積層コア形成用の積層材製造装置となる。
【0016】
また、請求項3記載の発明においては、確固に重合止着された取扱い容易な止着済重合積層材を量産可能となる一層実用性に優れた構成の積層コア形成用の積層材製造装置となる。
【0017】
また、請求項4記載の発明においては、複数の加工用フープ材を確実に溶接して重合止着できる溶接用電極部を備えた装置構成を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の積層コア形成用の積層材製造装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】本実施例の溶接電極部を示す説明正面図である。
【
図3】本実施例で製造した止着済重合積層材を積層して積層コアを形成しようとする様子を示す説明斜視図である。
【
図4】本実施例で製造した止着済重合積層材を用いて形成された積層コアを示す説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
複数の供給部5から加工用フープ材1が搬送装置部2に供給され、この複数の加工用フープ材1が重ねられ重合フープ材1Aとなって搬送装置部2の間欠駆動により切断装置部3へと間欠搬送される。
【0021】
また、間欠搬送されるこの重合フープ材1Aは、送り停止駆動時に、前記切断装置部3より搬送方向上流側に設けられている溶接電極部7で次々と溶接されて重合止着され、その後に前記切断装置部3へと搬送されて次々と切断されて、複数の短冊状の積層材4が溶接により重合止着された止着済重合積層材40が製造(量産)される。
【0022】
本発明の積層コア形成用の積層材製造装置で形成された前記止着済重合積層材40は、積層材4複数枚分の厚みがあるので、取扱い容易で例えばパーツフィーダーを使用して自動整列させることも可能となる。
【0023】
また、この止着済重合積層材40を積層して所定の寸法の積層コアAを形成する際には、止着済重合積層材40の厚みが積層材4複数枚分であるから、積層作業の工数が大幅に削減することになる。
【実施例】
【0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、例えば帯状のアモルファス金属板を巻回した加工材供給ロール5(供給部5)から引き出される加工用フープ材1を搬送する搬送装置部2が設けられ、この搬送装置部2の搬送方向先端側に切断装置部3が設けられていて、搬送装置部2から搬送される加工用フープ材1を切断装置部3で次々と短冊状に切断し、切断片(積層材4)を切断装置部3に隣接した排出受部である排出部9に落下排出してこの排出部9に積層コアA製造用の積層材4が積層されていくように構成されている。
【0026】
また、本実施例の前記搬送装置部2は、
図1に示すように、前記加工材供給ロール5から加工用フープ材1を引き出して送り駆動する加工材送りローラ10と,この加工材送りローラ10と上下対向当接状態に設けられ加工材送りローラ10により搬送される前記加工用フープ材1をガイドして水平搬送する加工材支承ローラ11とで構成される搬送駆動部12と、この搬送駆動部12より搬送方向上流側に、加工用フープ材1の搬送方向に間隔を置いて複数(図面は二箇所)設置され前記加工材供給ロール5から引き出された加工用フープ材1を水平に支持しつつ搬送する加工材受台13とを備え、前記搬送駆動部12(の加工材送りローラ10)を間欠駆動して加工用フープ材1を間欠搬送しつつ、搬送駆動部12より搬送方向下流側に設けられている前記切断装置部3で順次切断して行くように構成されている。
【0027】
また、この搬送装置部2は、複数の供給部5(加工材供給ロール5)から供給される複数の板厚25μmの前記加工用フープ材1が整然と重ねられて搬送されるように構成されている。
【0028】
具体的には、本実施例では、加工材供給ロール5が搬送装置部2の供給側端部の外方に上下三段配設され、この上下三段の各加工材供給ロール5から供給される三枚の前記加工用フープ材1が前記搬送駆動部12によって間欠搬送されて、搬送装置部2の供給側端部付近に設置されている前記加工材受台13上で重ねられ重合フープ材1Aとなるように構成されている。
【0029】
また、本実施例は、前記搬送装置部2に、複数の前記加工用フープ材1の搬送方向に対する横ズレを是正する是正ガイド8が設けられ、この是正ガイド8により複数の加工用フープ材1同志が上下に整然と重ねられた重合フープ材1Aとなって間欠搬送されるように構成されている。
【0030】
具体的には、搬送装置部2の前記各加工材受台13上に、加工用フープ材1の横幅寸法(搬送方向と直交する方向の幅寸法)と同等の左右対向間隔を置いて円柱状の前記是正ガイド8が立設状態に設けられ、この左右の是正ガイド8間を重合フープ材1Aが搬送されることで、この重合フープ材1Aを構成する三枚の加工用フープ材1同志の搬送方向に対する横ズレが是正されて上下に整然と重ねられるように構成されている(
図2参照)。
【0031】
また、本実施例では、前記搬送装置部2の前記切断装置部3より搬送方向上流側に、間欠搬送される前記重合フープ材1Aを送り停止駆動時に溶接して重合止着するスポット溶接機の溶接電極部7が設けられていて、この溶接電極部7で重合フープ材1Aが溶接された後、前記切断装置部3で切断されて、
図3に示すような複数枚(図面は三枚)の積層材4の積層体である板厚75μmの止着済重合積層材40が形成されるように構成されている。
【0032】
具体的には、搬送装置部2の搬送方向下流側に存する前記加工材受台13に、溶接電極部7の負極7Bが埋設状態に配設され、この負極7Bの存する加工材受台13と上下対設状態にして溶接電極部7の正極7Aが配設されていて、この正極7Aと負極7Bと間に重合フープ材1Aが挟み込まれることで、重合フープ材1Aを構成する複数の加工用フープ材1同志が溶接される(重合止着される)ように構成されている(
図2参照)。
【0033】
また、この溶接電極部7は、正極7Aが昇降駆動するように構成されていると共に、前記搬送装置部2の間欠駆動に同期してこの正極7Aを重合フープ材1Aに対し昇降接離駆動させる図示省略の溶接同期駆動制御部を備えて、この溶接同期駆動制御部により重合フープ材1Aの送り駆動時には、重合フープ材1Aから正極7Aが上昇離間し、重合フープ材1Aの送り停止駆動時には、重合フープ材1Aに正極7Aが下降接近してこの正極7Aが上方から重合フープ材1Aを加圧し、この正極7Aと負極7Bとに重合フープ材1Aが挟み込まれて溶接されるように構成されている。
【0034】
また、この溶接電極部7は、正極7Aも負極7Bも重合フープ材1Aの搬送方向と直交する方向に等間隔を置いて三箇所ずつ設けられ、これにより重合フープ材1Aが同時に三箇所で溶接されて強固に重合止着されるように構成されている。図中符号20は溶接痕である。
【0035】
尚、正極7Aと負極7Bの位置関係は上下逆でも良い。また、負極7Bが接離駆動するように構成されていても良いし、正極7Aと負極7Bの双方が接離駆動するように構成されていても良い。また、正極7Aは、ペンシル形のものが採用されている場合を図示しているが、これに限定されるものではない。
【0036】
本実施例の前記切断装置部3は、
図1に示すように、前記搬送装置部2の搬送駆動部12(の加工材送りローラ10)の間欠駆動により間欠搬送される前記重合フープ材1Aの先端部分を支承する加工材支承部14と、この加工材支承部14の端縁部から搬送方向に水平に突出する重合フープ材1Aの送り突出先端部分を切断する可動切断刃15とから成り、加工材支承部14の端縁部と可動切断刃15下部の刃縁とをすれ違い可動させることで、この加工材支承部14から突出している重合フープ材1Aの送り突出先端部分を間欠搬送毎に次々と切断するように構成されている。
【0037】
即ち、加工材支承部14に対して上下方向に可動自在に設けられた可動切断刃15が、図示省略の切断用昇降駆動装置により下降駆動して重合フープ材1をA切断するように構成され、前記搬送駆動部12(の加工材送りローラ10)の間欠駆動により間欠搬送する重合フープ材1Aの先端部は、切断毎に前記加工材支承部14の端縁部から水平に送り突出され、この加工材支承部14からの送り突出先端部分が可動切断刃15の下動により順次切断されて短冊状の止着済重合積層材40が形成され、この止着済重合積層材40は排出部9上に落下排出し積層されるように構成されている。
【0038】
また、本実施例は、前記加工材送りローラ10を含む搬送駆動部12が、前記切断装置部3の搬送方向上流側であって、且つ前記加工用フープ材1の歪み若しくは自重によるたわみによる送り誤差が許容誤差範囲内となる切断装置部3の近接位置に配設されている。
【0039】
また、本実施例では、加工材送りローラ10を間欠駆動する回動駆動源16の回動量が、送りローラ制御部17によりプログラム制御可能な構成とされ(前記加工用フープ材1の送り量を可変制御な構成とされ)、これにより加工用フープ材1の切断幅を調整制御可能に構成されている。
【0040】
また、詳しく図示していないが、前記排出部9が上下動自在に構成され、この排出部9を下降制御する図示省略の排出部下降装置が設けられて、この排出部9上に積層されて行く前記止着済重合積層材40の積層高さの増大に伴って排出部9が徐々に下降するように構成されている。
【0041】
即ち、排出部下降装置を備えることで、止着済重合積層材40を常に適度な落差で排出部9上に落下させることができ、自重による良好な自動積層を実現でき、積層高さの増大に応じて順次下降させてこの適度な落差を保持することで、落下衝撃による止着済重合積層材40の回転や方向の乱れを可及的に防止でき、これにより次工程での整列作業が手作業であっても容易に行われるように構成されている。
【0042】
また、本実施例では、前記加工材支承部14に対して前記可動切断刃15が上下動自在に設けられ、この可動切断刃15を下降させて前記加工材支承部14から搬送方向に水平突出する前記重合フープ材1Aの送り突出部分を切断する際、重合フープ材1Aを加工材支承部14に押さえ付ける押さえ付け部18が、重合フープ材1A上方に昇降接離自在に設けられている。
【0043】
具体的には、
図1に示すように、重合フープ材1Aの上方に板状の押さえ付け部18が上下動自在に設けられ、この押さえ付け部18を送りローラ制御部17による加工材送りローラ10の間欠駆動に同期させて下動させて、この押さえ付け部18により加工材支承部14へ重合フープ材1Aを押圧保持して切断するように構成されている。
【0044】
即ち、加工材送りローラ10がプログラム制御により重合フープ材1Aを間欠搬送し、所望の切断幅だけ加工材支承部14より突出させ、これを可動切断刃15を下動して切断する毎に、このタイミングに合わせてその切断直前には板状の押さえ付け部18も下動させて、板状の加工材支承部14に重合フープ材1Aをこの押さえ付け部18で押さえ付けた状態として切断し、切断後再び離反し、加工材送りローラ10による間欠搬送を再び行うように構成されて、止着済重合積層材40の切断幅の寸法精度が高まるように構成されている(高い寸法精度の止着済重合積層材40(積層コアA)を得ることができるように構成されている。)。
【0045】
尚、本実施例の切断装置部3は、切断刃(可動切断刃15)による切断構造を採用した場合を示しているが、打ち抜き加工によって止着済重合積層材40が切断される構成が採用されていても良い。
【0046】
以上のように構成されている本実施例の製造装置で製造した板厚75μmの止着済重合積層材40は、板厚25μmの極薄な積層材4に比して取扱い容易であり、パーツフィーダーで整列することも可能である。
【0047】
また、この止着済重合積層材40を積層して所定の寸法の積層コアAを形成する際には、止着済重合積層材40が積層材4複数枚分の厚みを有していることによって、積層作業の工数が大幅に削減することになる(
図3,
図4参照)。
【0048】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0049】
1 加工用フープ材
1A 重合フープ材
2 搬送装置部
3 切断装置部
4 積層材
5 供給部
7 溶接電極部
7A 正極
7B 負極
8 是正ガイド
40 止着済重合積層材
A 積層コア