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  • 特許-ヘアーアイロン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】ヘアーアイロン
(51)【国際特許分類】
   A45D 1/00 20060101AFI20220829BHJP
   A45D 1/18 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
A45D1/00 503A
A45D1/00 502B
A45D1/00 505Z
A45D1/00 509Z
A45D1/18 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020199687
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022087638
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2021-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】518250014
【氏名又は名称】株式会社next innovation
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】浜本 厚
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-155099(JP,A)
【文献】特開2012-075796(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0177273(US,A1)
【文献】特表2017-515590(JP,A)
【文献】特開2010-273807(JP,A)
【文献】欧州特許第02845511(EP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0132732(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00-1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部において揺動可能に連結され、重畳位置と離間位置との2位置間で開閉可能な一対のレバーと、これらのレバーに設けられ、これらのレバーが重畳位置に位置させられた状態において対峙させられる発熱部材とを備えたヘアーアイロンであって、
前記各レバーには、前記発熱部材が設けられた部位以外の外周部を覆うカバーが設けられ、
前記外周部は、前記発熱部材が設けられた位置の背面にあたる位置に背面部を含み、
前記カバーと、前記背面部とは、所定間隔をおいて離間しており、
前記カバーには、前記レバーの外周面を露出させる長溝が、前記レバーの幅方向に沿い、かつ、前記レバーの長さ方向に間隔をおいて複数形成されているヘアーアイロン。
【請求項2】
前記外周部は、前記発熱部材が設けられた部位と前記背面部とを渡す側面部を両面に有し、
前記カバーは、前記側面部のそれぞれを覆う側部を有し、
前記長溝が、前記カバーの両側の側部近傍まで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘアーアイロン。
【請求項3】
前記レバーの前記発熱部材が設けられた部位に、多数の突起物からなる櫛が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘアーアイロン。
【請求項4】
前記レバーの前記発熱部材が設けられた部位に、多数の突起物からなる櫛が形成され、前記長溝のレバーの長さ方向の間隔が、前記多数の突起物の間隔と略同一となされていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のヘアーアイロン。
【請求項5】
前記カバーが前記レバーに係合手段を介して着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項1に記載のヘアーアイロン。
【請求項6】
前記係合手段が、前記カバー若しくは前記レバーの何れか一方にその長さ方向に沿って設けられた係合突条と、前記カバー若しくは前記レバーの何れか他方に設けられ、前記係合突条にその長さ方向に係合させられる係合溝とによって形成されていることを特徴とする請求項5に記載のヘアーアイロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪を加熱してカール状に施術するヘアーアイロンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にヘアーアイロンは、一対のレバーをそれぞれの一端部において揺動可能に連結して、これらを重畳位置と離間位置との2位置間で開閉可能な構成とするとともに、各レバーに、その重畳位置において対向させられる発熱部材をそれぞれ設けた構成となっている。
【0003】
そして、髪束を、各レバーによって挟み込むとともに発熱部材によって加温しつつ重畳状態にある両レバーによって巻き上げることにより、髪をカール状に施術するようにしている。
【0004】
ところで、このようなヘアーアイロンでは、髪を挟み込む際に髪の加温を均一にするために、施術者が髪束の量を適量に調整しつつ、かつ、発熱部材との角度を調整する必要がある。
【0005】
このような施術作業においては、施術を行なう髪質が非施術者によって異なることなどに起因し、髪束の量の調整や発熱部材との角度調整が多岐に亘るといった解決すべき問題点がある。
【0006】
このような問題点を解決可能な従来の技術が、例えば、特許文献1において示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2020-65583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この特許文献1に示された技術は、各レバーに、発熱部材およびレバーを包み込むようにしてカバーを取り付け、このカバーの、レバー外周を覆う部分に、レバーの長さ方向に間隔をおき、かつ、レバーの長さ方向とほぼ直交する複数の溝を形成した構成となっている。
【0009】
この溝によってレバーの外周を櫛のような構成として、複数の溝で髪を梳くことにより、髪束の量を均一化するとともに、髪束を溝によって支持した状態で発熱部材に巻き付ける、この状態で、レバーを閉じて髪束を発熱部材によって挟み込むとともに加温するようにしている。
【0010】
しかしながら、このようなカバーによってレバーを包み込むと、このカバーによって発熱部材からレバーの外周部に伝わる熱量を減少させてしまい、レバーの外周部に巻き付けられる髪束の加温効果が低減してしまう不具合が生じる。
【0011】
本発明は、このような従来の不具合を解消すべくなされたもので、髪束の量を簡便に調整しつつ、レバー外周部における髪束の加温作用を極力保持することのできるヘアーアイロンを提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のヘアーアイロンは、前述した課題を解決するために、一端部において揺動可能に連結され、重畳位置と離間位置との2位置間で開閉可能な一対のレバーと、これらのレバーに設けられ、これらのレバーが重畳位置に位置させられた状態において対峙させられる発熱部材とを備えたヘアーアイロンであって、前記各レバーには、前記発熱部材が設けられた部位以外の外周部を、所定間隔をおいて覆うカバーが設けられ、このカバーには、前記レバーの外周面を露出させる長溝が、前記レバーの幅方向に沿い、かつ、前記レバーの長さ方向に間隔をおいて複数形成されていることを特徴としている。
【0013】
このような構成とすることにより、長溝に髪束を挿入することにより髪束量を容易に決定することができる。
【0014】
そして、長溝に挿入された髪束を一対のレバーに設けられた発熱部材間に挟み込んで髪を加温しつつヘアーアイロンを回転させることにより、髪をカール状に施術することができる。
【0015】
ここで、発熱部材に挟み込まれる髪は、長溝によって予め適量となされていることから、髪が均一に加温される。
これによって髪をカール状にする施術を容易かつ良好に行なうことができる。
【0016】
一方、各レバーの外周部は、発熱部材の熱によってこの発熱部材の温度より低い温度に暖められている。
【0017】
また、長溝に挿入された髪束がこの暖められたレバーの外周部に接触させられて加温される。
【0018】
したがって、髪の加温が発熱部材以外においても行なわれることとなり、髪の加温効率が高まり、髪をカール状に施術する施術効率を高めることができる。
【0019】
そして、前記長溝を前記カバーの両側部近傍まで形成しておくことにより、髪とレバー外周部との接触を容易にして、髪の加温を効果的に高めることができる。
【0020】
前記レバーの前記発熱部材が設けられた部位に、多数の突起物からなる櫛を形成しておくことができる。
【0021】
このような構成とすることにより、髪を、発熱部材から長溝に円滑に案内することができるので、ヘアーアイロンのスムーズな操作が可能となる。
【0022】
さらに、前記長溝のカバーの長さ方向の間隔を、多数の突起物の間隔と略同一としておくことにより、髪の乱れを防止して、髪とヘアーアイロンとの滑りを円滑にすることができる。
【0023】
前記カバーをレバーに係合手段を介して着脱可能に装着することが好ましい。
【0024】
このような構成とすることにより、髪をカール状に施術する際に使用される薬品によって汚れるカバーを取り外して、洗浄等による汚れの除去を容易に行なうことができる。
【0025】
そして、係合手段を、カバー若しくはレバーの何れか一方にその長さ方向に沿って設けられた係合突条と、カバー若しくはレバーの何れか他方に設けられ、前記係合突条にその長さ方向に係合させられる係合溝とによって構成することができる。
【0026】
このような構成とすることにより、カバーを、レバーの先端から係合手段を係合させつつ挿入することにより、カバーをレバーに装着することができる。
これによって、カバーをその長さ方向のほぼ全長に亘ってレバーに支持させることができ、カバーの不用意な挙動を防止することができる。
これによって、施術を安定して行なうことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のヘアーアイロンによれば、束の量を簡便に調整しつつ、レバー外周部における髪束の加温作用を極力利用して、髪のカール状の施術を効果的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態にかかるヘアーアイロンの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態にかかるカバーを示すもので、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
図3】本発明の一実施形態かかる一つのレバーを示すもので、(a)は正面図、(b)は左側面図である。
図4】本発明の一実施形態を示すもので、カバーとレバーとの装着方法を説明するための正面図である。
図5】本発明の一実施形態を示すもので、カバーをレバーに装着した状態を示すもので、(a)は正面図、(b)は左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は、本実施形態にかかるヘアーアイロンを示す。
【0030】
このヘアーアイロン1は、一端部において揺動可能に連結され、重畳位置と離間位置との2位置間で開閉可能な一対のレバー2と、これらのレバー2に設けられ、これらのレバー2が重畳位置に位置させられた状態において対峙させられる発熱部材3とを備え(図1において一方のレバー2に設けられている状態を示し、他方のレバー2に設けられている発熱部材3は省略している)、各レバー2には、発熱部材3が設けられた部位以外の外周部を、所定間隔をおいて覆うカバー4が設けられ、このカバー4には、レバー2の外周面を露出させる長溝4aが、レバーの2幅方向に沿い、かつ、レバー2の長さ方向に間隔をおいて複数形成されている。
【0031】
また、この長溝4aは、図5に示すように、カバー4の両側部近傍まで形成されて、レバー2の外周面を大きく露出させるようになっている。
【0032】
さらに、レバー2の発熱部材3が設けられた部位には、多数の突起物Aからなる櫛8が形成されている。
【0033】
そして、長溝4aのカバー4の長さ方向の間隔が、図5のLで示すように、多数の突起物Aの間隔と略同一となされている。
【0034】
カバー4は、図2(b)に示すように。断面略円弧状に形成されており、その開口縁部内側には、内部へ向かって開口された係合溝5が形成され、レバー2の両側面に、図3に示すように、係合溝5に摺動可能に係合させられる係合突条6がほぼ全長に亘って形成されている。
【0035】
そして、これらの係合溝5と係合突条6とによって、本実施形態におけるカバー4をレバー2へ取り付けるための係合手段7が構成されている。
【0036】
このように構成された本実施形態のヘアーアイロン1は、長溝4aに、図1に示すように、髪束Hを挿入することにより髪束量を容易に決定することができる。
【0037】
そして、長溝4aに挿入された髪束Hを一対の2に設けられた発熱部材3間に挟み込んで髪を加温しつつヘアーアイロン1を回転させることにより、髪をカール状に施術することができる。
【0038】
ここで、発熱部材3に挟み込まれる髪は、長溝4aによって予め適量となされていることから、髪が均一に加温される。
これによって髪をカール状にする施術を容易かつ良好に行なうことができる。
【0039】
一方、各レバーの外周部は、発熱部材の熱によってこの発熱部材の温度より低い温度に暖められている。
【0040】
また、長溝4aに挿入された髪束Hがこの暖められたレバー2の外周部に接触させられて加温される。
【0041】
したがって、髪の加温が発熱部材3以外においても行なわれることとなり、髪の加温効率が高まり、髪をカール状に施術する施術効率を高めることができる。
【0042】
本実施形態においては、長溝4aをカバー4の両側部近傍まで形成したことにより、髪とレバー2外周部との接触を容易にして、髪の加温を効果的に高めることができる。
【0043】
また、レバー2の発熱部材3が設けられた部位に櫛8を形成してあることから、髪を、発熱部材3から長溝4aに円滑に案内することができるので、ヘアーアイロンのスムーズな操作が可能となる。
【0044】
さらに、長溝4aのカバー4の長さ方向の間隔を、多数の突起物の間隔と略同一としたことにより、ヘアーアイロン1の操作時における髪の乱れを極力防止して髪とヘアーアイロンとの滑りを円滑にすることができる。
【0045】
前記カバー4をレバー2に係合手段7を介して着脱可能な構成としたことにより、髪をカール状に施術する際に使用される薬品によって汚れるカバー4を取り外して、洗浄等による汚れの除去を容易に行なうことができる。
【0046】
さらに、カバー4を、レバー2の先端から係合手段7において係合させつつ挿入することにより、カバー4をレバー2に装着することができる。
これによって、カバー4をその長さ方向のほぼ全長に亘ってレバー2に支持させることができ、カバー4の不用意な挙動を防止することができる。
これによって、施術を安定して行なうことができる。
【0047】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0048】
たとえば、係合手段を係合溝5と係合突条6との係合によって構成する例を示したが、これに換えて蝶番等を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 ヘアーアイロン
2 レバー
3 発熱部材
4 カバー
4a 長溝
5 係合溝
6 係合突条
7 係合手段
8 櫛
A 突起物
H 髪束

図1
図2
図3
図4
図5