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特許7130293信託業務支援サーバ、信託業務支援方法及び信託業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】信託業務支援サーバ、信託業務支援方法及び信託業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20220829BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022057106
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-04-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)2021年9月7日に株式会社日本経済新聞社のウェブサイトで掲載された記事にて公開 (2)2021年10月28日に発行された株式会社日本法令の刊行物「ビジネスガイド別冊11月号 家族信託実務ガイド」にて公開 (3)2022年2月1日に発行された株式会社近代セールス社の刊行物「近代セールス 2022年2月1日号」にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521079226
【氏名又は名称】トリニティ・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】大谷 真史
【審査官】菊池 伸郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-196972(JP,A)
【文献】特開2020-160810(JP,A)
【文献】小嶋 勝利 ,「親を大切に考える子世代のための 老人ホームのお金と探し方」,初版,日本,日経BP,2019年11月25日,pp.260-262
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
委託者と受託者との信託契約に基づいて前記受託者が前記委託者の信託財産の管理を行う信託業務を支援する信託業務支援サーバであって、
処理部と、
前記処理部において実行可能な命令を記憶する記憶部とを有し、
前記処理部は、1以上のデータベースにアクセス可能であり、
1以上の前記データベースは、
前記信託財産の預金に用いられる1以上の信託財産用口座に関する口座情報と、
前記信託財産に関する信託財産情報と、
前記信託財産に関する取引の履歴を示す履歴情報と、
を記憶し、
前記履歴情報は、前記受託者の固有財産と前記信託財産に属する財産とを分別管理するため、前記受託者が前記信託財産に属する金銭のみを預け入れる前記信託財産用口座である信託口口座から、前記受託者が前記信託財産用口座として指定した前記受託者の個人名義の預金口座である受託者名義口座へ預金を振替えた履歴に関する情報を含み、
前記信託財産情報は、前記信託財産用口座の預金の額を含み、
前記処理部が前記記憶部の前記命令に従って実行する処理は、
預金口座の入出金取引明細を提供可能な所定のサーバから、前記口座情報に含まれる前記受託者名義口座に関する情報に基づいて、前記受託者名義口座の入出金取引明細を取得する明細取得工程と、
前記明細取得工程において取得した前記入出金取引明細に基づいて前記履歴情報を更新する履歴情報更新工程と、
前記履歴情報の更新に応じて前記信託財産情報を更新する信託財産情報更新工程と
を含み、
前記信託財産情報更新工程は、前記信託口口座から前記受託者名義口座への預金の振替を示す前記入出金取引明細に基づいて前記履歴情報を更新した場合、当該振替の金額分だけ前記信託口口座の預金の額を減らすように前記信託財産情報を更新することを含む、
信託業務支援サーバ。
【請求項2】
前記履歴情報は、前記信託財産に関する取引の内容を分類する項目を含んでおり、
前記履歴情報更新工程は、
前記所定のサーバから取得した前記受託者名義口座の前記入出金取引明細に含まれる摘要情報に基づいて、所定の複数の前記項目の中から前記履歴情報に含めるべき前記項目の候補を予測する予測工程と、
前記所定のサーバから取得した前記摘要情報と、前記摘要情報に基づいて予測した前記項目の候補とを含む画面を表示させるための表示情報を生成し、前記受託者が操作する受託者端末装置に送信する第1表示情報生成工程と、
前記表示情報による前記画面を表示した前記受託者端末装置から、予測した前記項目の候補を採択するように求める応答を受信した場合、予測した前記項目の候補を前記履歴情報の前記項目に設定する項目設定工程とを含み、
前記信託財産情報更新工程は、前記信託口口座から前記受託者名義口座への預金の振替を示す前記項目を前記履歴情報の前記項目に設定した場合、当該振替の金額分だけ前記信託口口座の預金の額を減らすように前記信託財産情報を更新することを含む、
請求項1に記載の信託業務支援サーバ。
【請求項3】
前記項目設定工程は、予測した前記項目の候補と異なる他の前記項目を採択するように求める応答を前記受託者端末装置から受信した場合、当該他の項目を前記履歴情報の前記項目に設定することを含み、
前記予測工程は、過去の前記項目設定工程において設定した前記履歴情報の前記項目と、過去の前記明細取得工程において取得した前記摘要情報との相関関係に基づいて、新たな前記明細取得工程において取得した前記摘要情報に適合する前記項目の候補を予測することを含む、
請求項2に記載の信託業務支援サーバ。
【請求項4】
前記処理部が前記記憶部の前記命令に従って実行する処理は、
前記信託財産用口座の登録を求める前記受託者端末装置からの要求に応じて、新たに前記信託財産用口座として登録する預金口座に関する情報を前記口座情報に追加する口座登録工程と、
前記口座登録工程において前記信託口口座を新たに登録した場合、新たに登録した前記信託口口座から前記受託者名義口座への預金の振替を示す前記項目を前記所定の複数の項目に追加する項目追加工程とを含む、
請求項2又は請求項3に記載の信託業務支援サーバ。
【請求項5】
前記処理部が前記記憶部の前記命令に従って実行する処理は、
前記信託財産用口座の登録の解除を求める前記受託者端末装置からの要求に応じて、解除対象の前記信託財産用口座に関する情報を前記口座情報から削除する口座登録解除工程と、
前記口座登録解除工程において前記信託口口座の登録を解除した場合、登録を解除した前記信託口口座から前記受託者名義口座への預金の振替を示す前記項目を前記所定の複数の項目から削除する項目削除工程とを含む、
請求項4に記載の信託業務支援サーバ。
【請求項6】
1以上の前記データベースは、前記受託者による前記信託業務を監視する関係者に関する情報を記憶しており、
前記処理部が前記記憶部の前記命令に従って実行する処理は、前記データベースに登録された前記関係者が操作する関係者端末装置から前記履歴情報の表示要求を受信した場合、前記履歴情報を含む画面を表示させるための表示情報を生成し、前記関係者端末装置に送信する第2表示情報生成工程を含む、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の信託業務支援サーバ。
【請求項7】
1以上の前記データベースは、前記受託者による前記信託業務を監視する関係者に関する情報を記憶しており、
前記処理部が前記記憶部の前記命令に従って実行する処理は、前記明細取得工程において取得した前記入出金取引明細が所定の金額を超える前記受託者名義口座の預金の変化を示すものであった場合、当該預金の変化を、前記データベースに登録された前記関係者の情報に基づいて、前記データベースに登録された前記関係者が操作する関係者端末装置に通知する処理を行う通知工程を含む、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の信託業務支援サーバ。
【請求項8】
1以上の前記データベースは、前記受託者による前記信託業務を監視する関係者に関する情報を記憶しており、
前記処理部が前記記憶部の前記命令に従って実行する処理は、前記履歴情報更新工程において更新した前記履歴情報が、前記受託者名義口座及び前記信託口口座の少なくとも一方に所定の金額を超える出金若しくは入金があったことによる前記信託財産の変化を示すものであった場合、当該信託財産の変化を、前記データベースに登録された前記関係者の情報に基づいて、前記データベースに登録された前記関係者が操作する関係者端末装置に通知する処理を行う通知工程を含む、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の信託業務支援サーバ。
【請求項9】
1以上の前記データベースは、前記受託者による前記信託業務を監視する関係者に関する情報を記憶しており、
前記履歴情報は、前記信託財産に関する取引の内容を分類する項目を含んでおり、
前記処理部が前記記憶部の前記命令に従って実行する処理は、前記履歴情報更新工程において更新した前記履歴情報が、特定の前記項目について前記受託者名義口座及び前記信託口口座の少なくとも一方に所定の金額を超える出金若しくは入金があったことによる前記信託財産の変化を示すものであった場合、当該信託財産の変化を、前記データベースに登録された前記関係者の情報に基づいて、前記データベースに登録された前記関係者が操作する関係者端末装置に通知する処理を行う通知工程を含む、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の信託業務支援サーバ。
【請求項10】
委託者と受託者との信託契約に基づいて前記受託者が前記委託者の信託財産の管理を行う信託業務を支援する処理をコンピュータが実行する信託業務支援方法であって、
前記コンピュータは、1以上のデータベースにアクセス可能であり、
1以上の前記データベースは、
前記信託財産の預金に用いられる1以上の信託財産用口座に関する口座情報と、
前記信託財産に関する信託財産情報と、
前記信託財産に関する取引の履歴を示す履歴情報と、
を記憶し、
前記履歴情報は、前記受託者の固有財産と前記信託財産に属する財産とを分別管理するため、前記受託者が前記信託財産に属する金銭のみを預け入れる前記信託財産用口座である信託口口座から、前記受託者が前記信託財産用口座として指定した前記受託者の個人名義の預金口座である受託者名義口座へ預金を振替えた履歴に関する情報を含み、
前記信託財産情報は、前記信託財産用口座の預金の額を含み、
前記コンピュータが実行する処理は、
預金口座の入出金取引明細を提供可能な所定のサーバから、前記口座情報に含まれる前記受託者名義口座に関する情報に基づいて、前記受託者名義口座の入出金取引明細を取得する明細取得工程と、
前記明細取得工程において取得した前記入出金取引明細に基づいて前記履歴情報を更新する履歴情報更新工程と、
前記履歴情報の更新に応じて前記信託財産情報を更新する信託財産情報更新工程と
を含み、
前記信託財産情報更新工程は、前記信託口口座から前記受託者名義口座への預金の振替を示す前記入出金取引明細に基づいて前記履歴情報を更新した場合、当該振替の金額分だけ前記信託口口座の預金の額を減らすように前記信託財産情報を更新することを含む、
信託業務支援方法。
【請求項11】
請求項10に記載の信託業務支援方法をコンピュータに実行させるための信託業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信託業務支援サーバ、信託業務支援方法及び信託業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
認知症によって判断能力を喪失した場合、本人が所有する銀行口座からの預金の引き出しや、資産の活用(有価証券、不動産の売買など)が行えなくなり、資産が凍結されてしまう。このような資産凍結のリスクを回避する方法として、近年、家族信託が着目されている。家族信託では、本人の判断能力が健常なときに本人(委託者)と家族等(受託者)の間で信託契約を結び、本人の資産の管理権を家族等に移転させる。信託契約に基づいて家族等が資産の管理を行うことにより、裁判所の方針に従って資産を管理する成年後見人制度に比べて柔軟な対応が可能になるというメリットがある。また家族信託では、成年後見人制度では認められない資産の運用が可能になるメリットや、後見人へ支払う報酬のコストを削減できるメリットがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
家族信託では、信託契約に基づいて委託者の財産(信託財産)の管理を委託される受託者に対して、自身の財産と委託者の信託財産とを明確に分別して管理することが義務付けられている。そのため、信託契約に基づいて管理・運用される預金のための預金口座には、信託口口座と呼ばれる特殊な口座が用いられる。信託口口座は、銀行の厳格な審査によって開設を認められる口座であり、通常の預金口座とは明確に区別されている。
【0004】
他方、個人が利用する通常の預金口座では、インターネットバンキングのサービスが一般的に提供されており、インターネットを介して残高の照会、取引明細の照会、他の口座への振込などを簡単に行うことができる。近年では、銀行のシステムがAPI(Application Programming Interface)によって提供している残高の照会機能や取引明細の照会機能を利用して、ウェブ上で個人の資産を簡便に管理できるようにするサービスも提供されている。
【0005】
しかしながら、比較的特殊な口座である信託口口座は、残高の照会機能や取引明細の照会機能のAPIを提供されていないものが多い。すなわち信託口口座は、通常の預金口座のようにインターネットを介して直接アクセスできないものが多い。そのため、信託口口座の預金を含んだ信託財産の管理(信託業務)を行う受託者は、一般的な資産管理用のウェブサービスのように、ウェブ上で簡便に信託財産を管理できないという問題がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、信託財産を簡便に管理できるように受託者の信託業務を支援する信託業務支援サーバ、信託業務支援方法及び信託業務支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る信託業務支援サーバは、委託者と受託者との信託契約に基づいて前記受託者が前記委託者の信託財産の管理を行う信託業務を支援する信託業務支援サーバであって、処理部と、前記処理部において実行可能な命令を記憶する記憶部とを有し、前記処理部は、1以上のデータベースにアクセス可能であり、1以上の前記データベースは、前記信託財産の預金に用いられる1以上の信託財産用口座に関する口座情報と、前記信託財産に関する信託財産情報と、前記信託財産に関する取引の履歴を示す履歴情報と、を記憶し、前記履歴情報は、前記受託者の固有財産と前記信託財産に属する財産とを分別管理するため、前記受託者が前記信託財産に属する金銭のみを預け入れる前記信託財産用口座である信託口口座から、前記受託者が前記信託財産用口座として指定した前記受託者の個人名義の預金口座である受託者名義口座へ預金を振替えた履歴に関する情報を含み、前記信託財産情報は、前記信託財産用口座の預金の額を含み、前記処理部が前記記憶部の前記命令に従って実行する処理は、預金口座の入出金取引明細を提供可能な所定のサーバから、前記口座情報に含まれる前記受託者名義口座に関する情報に基づいて、前記受託者名義口座の入出金取引明細を取得する明細取得工程と、前記明細取得工程において取得した前記入出金取引明細に基づいて前記履歴情報を更新する履歴情報更新工程と、前記履歴情報の更新に応じて前記信託財産情報を更新する信託財産情報更新工程とを含み、前記信託財産情報更新工程は、前記信託口口座から前記受託者名義口座への預金の振替を示す前記入出金取引明細に基づいて前記履歴情報を更新した場合、当該振替の金額分だけ前記信託口口座の預金の額を減らすように前記信託財産情報を更新することを含む。
【0008】
本発明の第2の態様に係る信託業務支援方法は、委託者と受託者との信託契約に基づいて前記受託者が前記委託者の信託財産の管理を行う信託業務を支援する処理をコンピュータが実行する信託業務支援方法であって、前記コンピュータは、1以上のデータベースにアクセス可能であり、1以上の前記データベースは、前記信託財産の預金に用いられる1以上の信託財産用口座に関する口座情報と、前記信託財産に関する信託財産情報と、前記信託財産に関する取引の履歴を示す履歴情報と、を記憶し、前記履歴情報は、前記受託者の固有財産と前記信託財産に属する財産とを分別管理するため、前記受託者が前記信託財産に属する金銭のみを預け入れる前記信託財産用口座である信託口口座から、前記受託者が前記信託財産用口座として指定した前記受託者の個人名義の預金口座である受託者名義口座へ預金を振替えた履歴に関する情報を含み、前記信託財産情報は、前記信託財産用口座の預金の額を含み、前記コンピュータが実行する処理は、預金口座の入出金取引明細を提供可能な所定のサーバから、前記口座情報に含まれる前記受託者名義口座に関する情報に基づいて、前記受託者名義口座の入出金取引明細を取得する明細取得工程と、前記明細取得工程において取得した前記入出金取引明細に基づいて前記履歴情報を更新する履歴情報更新工程と、前記履歴情報の更新に応じて前記信託財産情報を更新する信託財産情報更新工程とを含み、前記信託財産情報更新工程は、前記信託口口座から前記受託者名義口座への預金の振替を示す前記入出金取引明細に基づいて前記履歴情報を更新した場合、当該振替の金額分だけ前記信託口口座の預金の額を減らすように前記信託財産情報を更新することを含む。
【0009】
本発明の第3の態様に係る信託業務支援プログラムは、本発明の第2の態様に係る信託業務支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、信託財産を簡便に管理できるように受託者の信託業務を支援する信託業務支援サーバ、信託業務支援方法及び信託業務支援プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1Aは、本実施形態に係る信託業務支援サーバを含んだシステムの構成の一例を示す図である。図1Bは、本実施形態に係る受託者端末装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、情報提供サーバから提供される入出金取引明細に基づいて信託財産に関する取引の履歴を記録する処理の一例を説明するための図である。
図3図3は、信託財産の一覧が表示される画面の一例を示す図である。
図4図4は、信託財産に関する取引の履歴が表示される画面の一例を示す第1の図である。
図5図5は、信託財産に関する取引の履歴一覧が表示される画面の一例を示す第2の図である。
図6図6は、新規の信託業務用口座を登録する処理、及び、既存の信託業務用口座の登録を解除する処理の一例を説明するための図である。
図7図7は、現預金の一覧が表示される画面の一例を示す図である。
図8図8は、信託財産に関する情報を関係者端末装置に表示させる処理、及び、受託者名義口座の預金の変化を関係者端末装置に通知する処理の一例を説明するための図である。
図9図9は、信託財産の変化を関係者端末装置に通知する処理の第1の例を説明するための図である。
図10図10は、信託財産の変化を関係者端末装置に通知する処理の第2の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1Aは、本実施形態に係る信託業務支援サーバ1を含んだシステムの構成の一例を示す図である。図1Aに示すシステムは、信託業務支援サーバ1と、データベース管理装置2と、受託者端末装置3と、関係者端末装置4と、情報提供サーバ5と、金融機関システム6とを有する。信託業務支援サーバ1は、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して、受託者端末装置3、関係者端末装置4及び情報提供サーバ5と通信可能である。また、情報提供サーバ5と金融機関システム6も通信ネットワーク9を介して通信可能である。
【0013】
[信託業務支援サーバ1]
信託業務支援サーバ1は、通信ネットワーク9を介してアクセスする端末装置(受託者端末装置3、関係者端末装置4)からの要求に応じて、受託者の信託業務(委託者と受託者との信託契約に基づいて受託者が委託者の信託財産を管理する業務)を支援するための種々の処理を行う。信託業務支援サーバ1は、例えばウェブサーバとして動作し、端末装置(受託者端末装置3、関係者端末装置4)で起動されたウェブブラウザによるアクセスを受け付ける。信託業務支援サーバ1は、データベース管理装置2の1以上のデータベース(21~23)にアクセス可能であり、種々の情報をデータベース管理装置2のデータベース(21~23)から取得する。図1Aの例において、信託業務支援サーバ1は、通信部11と、記憶部14と、処理部15を有する。
【0014】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(端末装置など)と通信を行うための装置であり、例えば所定の通信規格(無線LAN、イーサネット(登録商標)など)に準拠して通信を行う通信機器(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0015】
記憶部14は、処理部15において実行されるプログラム141の命令や、処理部15による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部15の処理に利用されるデータ、処理部15の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部14は、例えば、主記憶装置(ROM、RAMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスクなど)を含んでよい。記憶部14は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部14が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の情報伝送手段を介して処理部15と接続される。
【0016】
プログラム141は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(USBメモリ、メモリカード、光ディスク、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されたものを図示しない読み取り装置から入力して記憶部14に記憶させてもよいし、通信部11において他の装置から受信したものを記憶部14に記憶させてもよい。
【0017】
処理部15は、信託業務支援サーバ1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部15は、例えば、記憶部14に格納された1つ以上のプログラム141の命令に従って処理を実行する1つ以上のプロセッサ(CPU、MPU、DSPなど)を含む。処理部15は、記憶部14に格納されたプログラム141の命令を1つ以上のプロセッサが実行することにより、コンピュータとして動作する。信託業務支援サーバ1は、このような複数のコンピュータを含んでもよく、これらのコンピュータが任意の通信ネットワークを介して通信を行うことにより連携して処理を実行してもよい。
【0018】
処理部15は、特定の機能を実現するように構成された1つ以上の専用のハードウェア(ASIC、FPGAなど)を含んでもよい。この場合、処理部15は、全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0019】
[データベース管理装置2]
データベース管理装置2は、受託者の信託業務を支援するための処理で使用される種々の情報を記憶した1つ以上のデータベース(21~23)を有する。信託業務支援サーバ1とデータベース管理装置2は、任意の通信回線(LAN、専用回線網、インターネットなど)を介して通信可能である。データベース管理装置2は、図1Aの例において、ユーザデータベース21と、信託業務データベース22と、取引履歴データベース23とを有する。例えばデータベース管理装置2は、これらのデータベースを構成する1つ以上のコンピュータを備えており、コンピュータの記憶装置を用いてデータベースの情報を記憶する。なお、信託業務支援サーバ1とデータベース管理装置2は、共通のコンピュータによって構成されていてもよい。以下の説明では、データベースを「DB」と省略して記載する場合がある。
【0020】
[ユーザDB21]
ユーザDB21は、それぞれ個別のユーザに関する情報を含んだ複数のユーザ情報を検索可能に記憶する。ユーザは、例えば委託者、受託者、受託者による信託業務を監視する関係者(委託者の親族など)を含む。1つのユーザ情報は、一人のユーザに関する情報を含む。
【0021】
1つのユーザ情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・ユーザの識別情報(ユーザID)
・ユーザの氏名、年齢、性別
・ユーザが信託業務支援サーバ1にログインするための認証情報(ログイン用のIDとパスワードなど)
・ユーザの連絡先に関する情報(住所、電話番号、Eメールアドレス等)
・ユーザの種別(受託者、委託者、関係者)
【0022】
[信託業務DB22]
信託業務DB22は、それぞれ個別の信託契約に基づく個別の信託業務に関する情報を含んだ複数の信託業務情報を検索可能に記憶する。1つの信託業務情報は、1つの信託契約に基づいた信託業務に関する情報を含む。
【0023】
1つの信託業務情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・信託業務の識別情報(信託業務ID)
・信託契約に関する情報
・委託者の情報(ユーザID)
・受託者の情報(ユーザID)
・関係者の情報(ユーザID)
・信託財産の預金に用いられる1以上の信託財産用口座に関する口座情報
例えば、銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義、インターネットバンキング用の認証情報など
・情報提供サーバ5において取引明細を取得するために用いられる情報
例えば、クレジットカード会員用や電子マネー会員用の認証情報など
・信託財産に関する信託財産情報
例えば、口座情報に登録された各預金口座の預金の額、受託者が手元に持つ現金の額、金銭以外の財産(株式、不動産、債権など)に関する情報
・信託財産に関する取引の内容を分類する項目のリスト
例えば、医療費(支出)、日常生活費(支出)、株式等配当金(収入)、信託財産用口座の間での振替など
【0024】
[取引履歴DB23]
取引履歴DB23は、それぞれ信託財産に関する取引の履歴を示す複数の履歴情報を検索可能に記憶する。1つの履歴情報は、信託財産に関する1回の取引の履歴を示す。
【0025】
1つの履歴情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・取引日
・信託財産に関する取引の内容を分類する項目
信託業務情報の「項目のリスト」からユーザ(受託者など)が選択したもの
・取引の金額
・取引が行われた預金口座、または、現金を引き出した受託者
・レシートや領収書の画像
・履歴情報の登録日
・履歴情報を登録したユーザ(受託者など)
・備考の情報
【0026】
[受託者端末装置3]
受託者端末装置3は、信託契約に基づいて信託業務を行う受託者が操作する装置である。例えばスマートフォン、タブレットPC、携帯電話機、ノート型PC、デスクトップ型PCなど、通信ネットワーク9を介した通信機能を備える情報機器を受託者端末装置3として用いることができる。受託者端末装置3は、通信ネットワーク9を介して信託業務支援サーバ1にアクセスし、信託業務に伴う取引の履歴(信託財産からの支出、信託財産への収入、口座間の振替など)の登録、取引の履歴の表示、信託財産の一覧の表示、現預金の表示、信託業務支援サーバ1が生成した年度末報告書の取得などを行う。図1Bの例において、受託者端末装置3は、通信部31と、入力部32と、表示部33と、記憶部34と、処理部35を有する。
【0027】
通信部31は、通信ネットワーク9を介して他の装置(信託業務支援サーバ1等)と通信を行うための装置であり、例えば所定の通信規格(無線LAN、イーサネット(登録商標)など)に準拠して通信を行う通信機器(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0028】
入力部32は、ユーザの操作に応じた指示やその他の情報を処理部35に入力する。例えば、入力部32は、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、マウス、ボタン、スイッチ、マイク、カメラなどの入力機能を備えた機器を少なくとも1つ含む。
【0029】
表示部33は、処理部35において生成される映像信号に応じた映像を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタなどの表示機器を含む。
【0030】
記憶部34は、処理部35において実行されるプログラム341の命令や、処理部35による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部35の処理に利用されるデータ、処理部35の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部34は、例えば、主記憶装置(ROM、RAMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスクなど)を含んでよい。記憶部34は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部34が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の情報伝送手段を介して処理部35と接続される。
【0031】
プログラム341は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(USBメモリ、メモリカード、光ディスク、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されたものを図示しない読み取り装置から入力して記憶部34に記憶させてもよいし、通信部31において他の装置から受信したものを記憶部34に記憶させてもよい。
【0032】
処理部35は、受託者端末装置3の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部35は、例えば、記憶部34に格納された1つ以上のプログラム341の命令に従って処理を実行する1つ以上のプロセッサ(CPU、MPU、DSPなど)を含む。処理部35は、記憶部34に格納されたプログラム341の命令を1つ以上のプロセッサが実行することにより、コンピュータとして動作する。
【0033】
処理部35は、特定の機能を実現するように構成された1つ以上の専用のハードウェア(ASIC、FPGAなど)を含んでもよい。この場合、処理部35は、全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0034】
[関係者端末装置4]
関係者端末装置4は、信託業務の監視を行う委託者や関係者(委託者の親族など)が利用する装置であり、例えば図1Bに示す受託者端末装置3と同様の構成を有する。関係者端末装置4は、通信ネットワーク9を介して信託業務支援サーバ1にアクセスし、取引の履歴の表示、信託財産の一覧の表示、現預金の表示、信託業務支援サーバ1が生成した年度末報告書の表示などを行う。
【0035】
[金融機関システム6]
金融機関システム6は、金融機関(銀行、信販会社など)が運営するシステムであり、金融取引に関する情報をAPIなどにより提供する。例えば銀行が運営する金融機関システム6は、預金口座に関する情報(預金残高、入出金取引明細など)を提供する。また、信販会社などが運営する金融機関システム6は、クレジットカードや電子マネーによる商品の購入履歴に関する情報を提供する。
【0036】
[情報提供サーバ5]
情報提供サーバ5は、信託業務支援サーバ1の要求に応じて1以上の金融機関システム6にアクセスし、APIなどにより提供される金融取引に関する情報を金融機関システム6から取得して、信託業務支援サーバ1に提供する。例えば情報提供サーバ5は、信託業務支援サーバ1から取得したインターネットバンキング用の認証情報に基づいて、銀行が運営する金融機関システム6にアクセスし、信託財産用口座に関する情報(残高、入出金取引明細など)を金融機関システム6から取得して、信託業務支援サーバ1に提供する。また、例えば情報提供サーバ5は、信託業務支援サーバ1から取得したクレジットカード会員用の認証情報に基づいて、信販会社などが運営する金融機関システム6にアクセスし、商品の購入履歴に関する情報を金融機関システム6から取得して、信託業務支援サーバ1に提供する。
【0037】
ここで、上述した構成を有する図1Aに示すシステムの動作について説明する。なお、以下の説明では、信託財産の預金に用いられる信託財産用口座のうち、受託者の固有財産と信託財産に属する財産とを分別管理するため、受託者が信託財産に属する金銭のみを預け入れる信託財産用口座を「信託口口座」と記す場合がある。また、受託者が信託財産用口座として指定した受託者の個人名義の預金口座を「受託者名義口座」と記す場合がある。
【0038】
図2は、情報提供サーバ5から提供される入出金取引明細に基づいて信託財産に関する取引の履歴を記録する処理の一例を説明するための図である。
【0039】
受託者端末装置3は、信託財産に関する取引の履歴(信託財産からの支出、信託財産への収入、信託財産用口座間の振替など)の表示を求める表示要求を信託業務支援サーバ1に送信する(ST100)。
【0040】
図3は、信託財産の一覧が表示される受託者端末装置3の画面の一例を示す図である。図3に示す画面Aは、信託財産の各種類(現預金、不動産、株式)の割合を表す円グラフA1と、現預金の残高の月次推移を表すグラフA2と、現預金の月ごとの収入、支出、収支の合計を表す表A3とを含む。表A3の上に配置されたボタンA5は、画面に表示される情報(現預金)の年度を切り替えるためのボタンである。画面Aの左側には、表示内容を選択するためのボタンA10~A15が配置される。ボタンA10は図3に示す画面Aを選択し、ボタンA11は後述する図4の画面B(信託財産に関する取引の履歴)を選択し、ボタンA12は信託業務に関連する各種の書類(収支の証拠となる領収書・レシート、契約書類、信託契約中に使用する書類など)の登録やダウンロードを行う画面を選択し、ボタンA13は後述する図7の現預金一覧の画面Cを選択し、ボタンA14は信託業務において作成される報告書類の作成用の画面を選択し、ボタンA15は各種の設定を行うための画面を選択する。
この画面AにおいてボタンA11が押下されると、受託者端末装置3は、信託財産に関する取引の履歴を含んだ画面(図4の画面B)の表示要求を信託業務支援サーバ1に送信する(ST100)。
【0041】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、信託財産に関する取引の履歴の表示を求める受ステップST100の表示要求を受信すると、情報提供サーバ5に対して信託財産に関する取引明細を要求する(ST105)。例えば処理部15は、信託業務DB22の信託業務情報(口座情報)に含まれるインターネットバンキング用の認証情報や、クレジットカード会員用の認証情報、電子マネー会員用の認証情報などに基づいて、各金融機関(銀行、信販会社など)での信託財産に関する取引明細を情報提供サーバ5に要求する。この場合、処理部15は、取引履歴DB23に記憶された履歴情報における最後の取引日よりも新しい取引明細を提供するように情報提供サーバ5に対して要求してもよい。
【0042】
信託業務支援サーバ1から取引明細を要求された情報提供サーバ5は、各金融機関が運営する金融機関システム6に対して、要求された取引明細を照会する(ST110)。照会を受けた金融機関システム6は、該当する取引明細を検索して(ST115)、情報提供サーバ5に提供する(ST120)。例えば銀行が運営する金融機関システム6は、照会された信託財産用口座に関する情報(現在の残高、直近の一連の入出金取引明細など)を情報提供サーバ5に提供する。また、例えば信販会社などが運営する金融機関システム6は、照会されたクレジットカードや電子マネーなどによる商品の購入履歴に関する情報を情報提供サーバ5に提供する。情報提供サーバ5は、各金融機関の金融機関システム6から取得した取引明細を信託業務支援サーバ1に提供する(ST125)。
【0043】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST105の取引明細要求に応答した情報提供サーバ5から、各金融機関での信託財産に関する取引明細を取得する(ST130)。なお、信託業務情報(口座情報)に含まれる受託者名義口座に関する情報(インターネットバンキング用の認証情報など)に基づいて、情報提供サーバ5から受託者名義口座の入出金取引明細を取得するステップST130は、本発明の明細取得工程の一例である。
【0044】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST130において情報提供サーバ5から取得した信託財産に関する取引明細に基づいて、取引履歴DB23の履歴情報を更新する(ST135)。ステップST135は、本発明の履歴情報更新工程の一例である。
【0045】
具体的には図2に示すように、信託業務支援サーバ1の処理部15は、情報提供サーバ5から取得した信託財産に関する取引明細に基づいて、信託財産に関する取引の内容を分類する所定の複数の項目(信託業務情報に含まれる項目のリスト)の中から、履歴情報に含めるべき項目の候補を予測する(ST140)。例えば処理部15は、情報提供サーバ5から取得した受託者名義口座の入出金取引明細に含まれる摘要情報(取引の具体的な内容に関する情報)に基づいて、所定の複数の項目の中から履歴情報に含めるべき項目の候補を予測する。ステップST140は、本発明の予測工程の一例である。
【0046】
次に信託業務支援サーバ1の処理部15は、情報提供サーバ5から取得した入出金取引明細の摘要情報と、摘要情報に基づいて予測した項目の候補とを含む画面を表示させるための表示情報を生成し、受託者端末装置3に送信する(ST145、ST150)。ステップST145及びST150は、本発明の第1表示情報生成工程の一例である。
【0047】
ステップST150の表示情報を受信した受託者端末装置3は、信託財産に関する取引の履歴を表示する画面として、例えば図4に示す画面Bを表示する。
【0048】
画面Bの左側には、画面A(図3)のボタンA10~A15と同等の機能を持ったボタンB10~B15が配置される。
【0049】
図4の画面Bにおける上下方向の上側には、信託財産に関する取引の履歴(図4の例では収支一覧)を新規に登録するための領域B1が配置される。領域B1の右上隅には、信託財産に関する取引の種類(支出、収入、振替)を選択するためのタブB1a~B1cが配置される。タブB1aが選択されると、図4に示すように、支出の履歴を登録するための欄B1d~B1jが表示される。欄B1dには、信託業務情報に含まれる項目のリストの中からユーザが選択した支出の内容が入力され、欄B1eには、信託業務情報の信託財産情報に含まれる信託財産(預金口座、現金)の中からユーザが選択した支払い元の信託財産が入力され、欄B1fには支出金額が入力され、欄B1gには支出日が入力され、欄B1hにはレシートや領収書の画像ファイルが入力され、欄B1jにはユーザによる備考やメモが入力される。タブB1bが選択されると、収入の履歴を登録するための欄が表示され、タブB1cが選択されると、信託財産用口座の間における振替の履歴を登録するための欄が表示される。
【0050】
図4の画面Bにおける上下方向の下側には、取引履歴DB23に記憶される最近の取引の履歴を表示した領域B3が配置される。図4の例では、最近の4つの履歴情報が表示されている。領域B3の右側に配置されたボタンB3aは、履歴情報に含まれるレシートや領収書の画像を表示するためのボタンである。領域B3の下側に配置されたボタンB3bは、取引の日付の順番に並んだ履歴情報の表示範囲を切り替えるためのボタンである。
【0051】
図4の画面Bにおける領域B1と領域B3の間には、ユーザ(受託者)による項目(信託財産に関する取引の内容を分類する項目)の設定が完了していない未確定の取引履歴を表示した領域B2が設けられている。図4の例では、2つの未確定の取引履歴(10月10日、10月9日)が表示されている。この2つの取引履歴は、ステップST130において情報提供サーバ5から取得した受託者名義口座の最新の入出金取引明細に基づくものであり、「種類」と「内容」の記載は、ステップST140において信託業務支援サーバ1が予測した項目の候補である。すなわち、図4の例に示す10月10日の取引履歴における取引の種類「支出」と取引の内容「ローン返済」は、信託業務支援サーバ1が予測した項目の候補である。また、図4の例に示す10月9日の取引履歴における取引の種類「振替」と取引の内容「△△銀行 信託口口座」も、信託業務支援サーバ1が予測した項目の候補である。
【0052】
領域B1の取引履歴の右端には、ステップST130において情報提供サーバ5から取得した入出金取引明細に含まれる摘要情報(取引の具体的な内容に関する情報)が表示されている。
【0053】
領域B2の右側に配置されたボタンB2aは、信託業務支援サーバ1が予測した項目(「種類」「内容」)と、情報提供サーバ5から取得した摘要情報とを参考にして、ユーザ(受託者)が最終的に項目を設定するためのボタンである。ボタンB2aが押下されると、受託者端末装置3は、領域B2に表示した取引履歴における項目(取引の種類、取引の内容)を入力するためのポップアップウィンドウなどを表示する。受託者端末装置3は、ここでユーザ(受託者)が入力した項目の情報を信託業務支援サーバ1に送信する(ST160)。
【0054】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST150の表示情報による画面B(図4)を表示した受託者端末装置3から、ステップST140で予測した項目の候補を採択するように求める応答を受信した場合、予測した項目の候補を履歴情報の項目に設定する。他方、処理部15は、ステップST140で予測した項目の候補と異なる他の項目を採択するように求める応答を受託者端末装置3から受信した場合、この他の項目を履歴情報の項目に設定する(ST165)。処理部15は、受託者の入力によって項目(取引の種類、取引の内容)の設定が完了した履歴情報を、確定した情報として取引履歴DB23に登録する。例えば処理部15は、ステップST140において項目の候補を予測することにより得られる履歴情報に未確定状態のフラグを付けて取引履歴DB23に登録しておき、ステップST165において履歴情報の項目の設定が完了した場合、履歴情報に付されたフラグを確定状態に更新する。
ステップST165は、本発明の項目設定工程の一例である。
【0055】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST135において取引履歴DB23の履歴情報を更新すると、この履歴情報の更新に応じてユーザDB21の信託業務情報の信託財産情報を更新する(ST170)。すなわち処理部15は、ステップST165において確定した情報として登録された履歴情報に応じて、信託財産情報における信託財産の内訳(信託業務用口座の預金の額、受託者が手元に保有する現金の額)を更新する。
【0056】
例えば信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST170において信託口口座から受託者名義口座への預金の振替を示す入出金取引明細に基づいて履歴情報を更新した場合、当該振替の金額分だけ信託口口座の預金の額を減らすように信託財産情報を更新する。すなわち、処理部15は、信託口口座から受託者名義口座への預金の振替を示す項目を履歴情報の項目に設定した場合、この振替の金額分だけ信託口口座の預金の額を減らすように信託財産情報を更新する。
ステップST170は、本発明の信託財産情報更新工程の一例である。
【0057】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST170において取引履歴DB23の履歴情報を更新すると、更新した最新の取引の履歴を表示するように画面Bの表示情報を生成し(ST175)、生成した表示情報を受託者端末装置3に送信する(ST180)。受託者端末装置3は、信託業務支援サーバ1から受信した表示情報に基づいて、取引の履歴が最新のものに更新された画面Bを表示する。
【0058】
図5は、信託財産に関する取引の履歴が最新のものに更新された画面Bを例示する図である。図5に示す画面Bの領域B3には、図4に示す画面Bの領域B2に表示されていた未確定の取引履歴が、最新の確定した取引履歴として移動している。これらの取引履歴が確定したことにより、図5に示す画面Bの領域B2には、未確定の取引履歴が表示されなくなっている。
【0059】
このように、本実施形態によれば、信託口口座から受託者名義口座へ預金の振替が行われた場合に、情報提供サーバ5から取得した受託者名義口座の入出金取引明細が示す当該振替の金額分だけ信託口口座の預金の額が減るように信託財産情報が更新される。そのため、信託口口座の預金の額を情報提供サーバ5から直接取得することができなくても、信託口口座の預金の額を信託財産情報として管理することが可能となる。
【0060】
また本実施形態によれば、情報提供サーバ5から取得した入出金取引明細の摘要情報が信託口口座から受託者名義口座への預金の振替を示すものであるか否かが、画面B(図4)において受託者により確認されるため、受託者の確認なしに取引履歴DB23へ登録する場合に比べて、信託口口座の預金の額を正確に管理することができる。
【0061】
なお、信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST140において項目の候補を予測する場合、過去にステップST165で設定した履歴情報の項目と、過去にステップST130で取得した入出金取引明細の摘要情報との相関関係に基づいて、新たなステップST130において取得した摘要情報に適合する項目の候補を予測するようにしてもよい。
【0062】
例えば処理部15は、ステップST130で取得した摘要情報から形態素解析などによってキーワードを抽出し、抽出したキーワードの出現頻度とステップST165で設定した履歴情報の項目との関係に基づいて、特定のキーワードを抽出した場合に設定され易い項目を候補として予測してもよい。処理部15は、摘要情報から項目の候補を予測する場合、例えば上述したキーワードの抽出頻度などに基づくルールベースの処理を用いてもよいし、公知の機械学習アルゴリズムによって摘要情報から項目の候補を予測するように生成された学習済モデルを用いてもよい。
【0063】
次に、新規の信託業務用口座を登録する処理、及び、既存の信託業務用口座の登録を解除する処理の一例について、図6を参照して説明する。
【0064】
受託者端末装置3は、新規の信託業務用口座の登録を求める登録要求を信託業務支援サーバ1に送信する(ST200)。
【0065】
図7は、現預金の一覧が表示される受託者端末装置3の画面の一例を示す図である。図7に示す画面Cは、画面A(図3)のボタンA13が押下された場合や、画面B(図4)のボタンB13が押下された場合に移行する画面である。画面Cの左側には、画面A(図3)のボタンA10~A15、画面B(図4)のボタンB10~B15と同等の機能を持ったボタンC10~C15が配置される。
【0066】
画面Cには、信託業務情報の口座情報及び信託財産情報に含まれる各信託業務用口座の情報(銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義、名称、残高)を表示した領域C1と、領域C1の信託業務用口座の情報を編集するためのボタンC1aと、領域C1の信託業務用口座の中で情報提供サーバ5から入出金取引明細を取得可能な信託業務用口座の情報を表示した領域C2と、領域C2の信託業務用口座の情報を編集するためのボタンC2aと、信託業務情報の信託財産情報に含まれる受託者の手元に保有中の現金の情報を表示した領域C3と、領域C3の現金の情報を編集するためのボタンC3aとが設けられている。領域C1の近くには、新規の信託業務用口座の情報を登録するためのボタンC1bが配置され、領域C3の近くには、新規の現金の情報(受託者の手元に保有中の現金の情報)を登録するためのボタンC3bが配置される。
この画面CにおいてボタンC1bが押下されると、受託者端末装置3は、ステップST200の登録要求を信託業務支援サーバ1に送信する。
【0067】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、信託財産用口座の登録を求める受託者端末装置3からの登録要求に応じて、新たに信託財産用口座として登録する預金口座に関する情報を信託業務DB22の信託業務情報の口座情報に追加する(ST205)。
ステップST205は、本発明の口座登録工程の一例である。
【0068】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST205において信託口口座を新たに登録した場合、この新たに登録した信託口口座から受託者名義口座(情報提供サーバ5から入出金取引明細を取得可能な口座)への預金の振替を示す項目を、信託業務DB22の信託業務情報に含まれる項目のリスト(所定の複数の項目)に追加する(ST210)。
ステップST210は、本発明の項目追加工程の一例である。
【0069】
このように、本実施形態では、信託口口座が新たに登録された場合、この信託口口座から受託者名義口座(情報提供サーバ5から入出金取引明細を取得可能な口座)への預金の振替を示す項目が信託業務情報の項目のリストに追加される。これにより、ステップST140(図2)において履歴情報の項目の候補を予測する場合、新たな信託口口座から既存の受託者名義口座への預金の振替を示す項目を候補として予測することが可能になる。また、ステップST160(図2)において受託者が項目を入力する場合、新たな信託口口座から既存の受託者名義口座への預金の振替を示す項目を選択して入力することが可能になる。その結果、新たな信託口口座から既存の受託者名義口座への預金の振替が行われた場合、その振替が行われたことを履歴情報として取引履歴DB23に正しく記録することが可能となる。従って、情報提供サーバ5から入出金取引明細を取得できない信託口口座が新たに登録された場合でも、この信託口口座における預金の額を正確に管理することが可能となる。
【0070】
また、図6の例において、信託業務支援サーバ1の処理部15は、信託財産用口座の登録の解除を求める受託者端末装置3からの要求を受信した場合(ST220)、この登録解除の要求に応じて、解除対象の信託財産用口座に関する情報を信託業務DB22の信託業務情報の口座情報から削除する(ST225)。
ステップST225は、本発明の口座登録解除工程の一例である。
【0071】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST225において信託口口座の登録を解除した場合、登録を解除した信託口口座から受託者名義口座への預金の振替を示す項目を、信託業務DB22の信託業務情報に含まれる項目のリスト(所定の複数の項目)から削除する(ST230)。
ステップST230は、本発明の項目削除工程の一例である。
【0072】
このように、本実施形態では、信託口口座の登録が解除された場合、この登録が解除された信託口口座から受託者名義口座への預金の振替を示す項目が、信託業務情報の項目のリスト(所定の複数の項目)から削除される。これにより、登録が解除された信託口口座から受託者名義口座への預金の振替を示す項目が、履歴情報の項目として設定されないようにして項目の設定のミスを防止することが可能となるため、信託財産の管理を行いやすくすることができる。
【0073】
次に、信託財産に関する情報を関係者端末装置4に表示させる処理、及び、受託者名義口座の預金の変化を関係者端末装置に通知する処理の一例について、図8を参照して説明する。
【0074】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ユーザDB21に登録された関係者により操作される関係者端末装置4から信託財産に関する情報の表示要求を受信すると(ST300)、信託業務DB22や取引履歴DB23に記憶される信託財産に関する情報(履歴情報、信託財産情報など)を含む画面を表示させるための表示情報を生成し(ST305)、生成した表示情報を関係者端末装置4に送信する(ST310)。ステップST305及びST310は、本発明の第2表示情報生成工程の一例である。
【0075】
信託業務支援サーバ1から表示情報を受信した受託者端末装置3は、例えば画面A(図3)の信託財産一覧、画面B(図4図5)の収支一覧、画面C(図7)の現預金一覧などを表示する(ST315)。ただし関係者端末装置4は、これらの画面において信託財産に関する情報の編集機能を不能にしている。すなわち信託業務支援サーバ1は、受託者としての権限を持たない関係者には信託財産に関する情報の表示のみ許可しており、関係者による情報の書き換えは許可しない。
【0076】
このように、本実施形態では、関係者端末装置4からの表示要求に応じて、信託財産に関する情報(履歴情報が示す取引の履歴、信託財産情報が示す信託財産の内訳など)を含む画面が関係者端末装置4に表示される。そのため、関係者による監視のもとで信託業務が行われることになるため、受託者の不正行為を効果的に防止して、適正な信託業務を遂行するように促すことができる。
【0077】
また、図8の例において、信託業務支援サーバ1の処理部15は、図2のステップST125、ST130と同様に、各金融機関での信託財産に関する取引明細を情報提供サーバ5から取得する(ST330、ST335)。処理部15は、このステップST330及びST335において取得した受託者名義口座の入出金取引明細に基づいて、受託者名義口座の預金の減少額が所定の金額を超えているか判定する(ST340)。預金の減少額が所定の金額を超えている場合、処理部15は、ユーザDB21に登録された関係者のユーザ情報に基づいて、この預金の減少を電子メールなどによって関係者端末装置4に通知する処理を行う(ST345)。信託業務支援サーバ1からの通知を受領した関係者端末装置4は、通知の内容(預金の異常な減少)を示す画面を表示する(ST350)。
ステップST345は、本発明の通知工程の一例である。
【0078】
このように、本実施形態では、受託者名義口座の預金が大きく減少した場合、その預金の減少が電子メールなどによって関係者端末装置4に通知される。そのため、関係者による信託業務の監視負担の増大を抑制しつつ、受託者名義口座の預金の異常な減少を関係者に対して的確に知らせることができる。
【0079】
なお、上述した図8の例では、受託者名義口座の入出金取引明細に基づいて、受託者名義口座の預金の減少額が所定の金額を超えた場合に関係者端末装置4への通知を行っているが、本実施形態はこの例に限定されない。本実施形態の他の例では、受託者名義口座の預金の増加額が所定の金額を超えた場合にも、関係者端末装置4への通知を行ってよい。これにより、受託者名義口座の預金の異常な変化(減少、増加)を関係者に対して的確に知らせることができる。
【0080】
次に、信託財産の変化を関係者端末装置4に通知する処理の一例について、図9を参照して説明する。
【0081】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、図2のステップST125、ST130と同様に、各金融機関での信託財産に関する取引明細を情報提供サーバ5から取得する(ST400、ST405)。次いで処理部15は、図2のステップST135と同様に、ステップST400及びST405において取得した受託者名義口座の入出金取引明細に基づいて、取引履歴DB23の履歴情報を更新する(ST410)。また、処理部15は、信託口口座において入金や出金が行われたことを示す情報を受託者端末装置3から取得した場合も、この取得した情報に基づいて取引履歴DB23の履歴情報を更新する。そして、処理部15は、図2のステップST170と同様に、取引履歴DB23の履歴情報の更新に応じて、信託業務DB22の信託財産情報を更新する(ST415)。
【0082】
信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST410において更新した取引履歴DB23の履歴情報に基づいて、受託者名義口座からの支出による信託財産の減少額が所定の金額を超えているか判定する(ST420)。信託財産の減少額が所定の金額を超えている場合、処理部15は、ユーザDB21に登録される関係者のユーザ情報に基づいて、この信託財産の減少を電子メールなどによって関係者端末装置4に通知する処理を行う(ST425)。信託業務支援サーバ1からの通知を受領した関係者端末装置4は、通知の内容(信託財産の異常な減少)を示す画面を表示する(ST430)。
ステップST425は、本発明の通知工程の一例である。
【0083】
このように、本実施形態では、受託者名義口座や信託口口座からの支出によって信託財産が大きく減少した場合、その信託財産の減少が電子メールなどによって関係者端末装置4に通知される。そのため、関係者による信託業務の監視負担の増大を抑制しつつ、信託財産の異常な減少を関係者に対して的確に知らせることができる。
【0084】
次に、信託財産の変化を関係者端末装置4に通知する処理の一変形例について、図10を参照して説明する。図10に示すフロー図は、図9に示すフロー図におけるステップST420をステップST420Aに置き換えたものである。
【0085】
この変形例における信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST410において更新した取引履歴DB23の履歴情報に基づいて、特定の項目について受託者名義口座からの支出を行ったことによる信託財産の減少額が所定の金額を超えているか判定する(ST420A)。特定の項目についての支出による信託財産の減少額が所定の金額を超えている場合、処理部15は、ユーザDB21に登録される関係者のユーザ情報に基づいて、この信託財産の減少を電子メールなどによって関係者端末装置4に通知する処理を行う(ST425)。
この変形例では、特定の項目についての支出による信託財産の減少が電子メールなどによって関係者端末装置4に通知される。従って、図9の例よりも詳細な条件において、信託財産の異常な減少を関係者に知らせることができる。
【0086】
なお、上述した図9図10の例では、ステップST410において更新した履歴情報が信託財産の減少を示すものであった場合に関係者端末装置4への通知が行われるが、本実施形態はこの例に限定されない。本実施形態の他の例では、ステップST410において更新した履歴情報が信託財産の増加を示すものであった場合においても、関係者端末装置4への通知を行ってよい。すなわち、信託業務支援サーバ1の処理部15は、ステップST410において更新した履歴情報が、受託者名義口座や信託口口座において所定の金額を超える入金があったことによる信託財産の増加を示すものであった場合においても、関係者端末装置4への通知を行ってよい。これにより、信託財産の異常な変化(減少、増加)を関係者に対して的確に知らせることができる。
【0087】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0088】
例えば上述した実施形態では、信託業務支援サーバ1が情報提供サーバ5を介して金融機関システム6から取引明細を取得している例を挙げたが、本実施形態の他の例では、信託業務支援サーバ1が金融機関システム6から取引明細を直接取得してもよい。
【0089】
上述した実施形態におけるデータベース(21~23)の構成は一例であり、本実施形態の処理を実現可能な別の構成のデータベースを採用してもよい。例えば、上述した実施形態においてそれぞれ1つのデータベースに記憶されている情報(ユーザ情報、信託業務情報、履歴情報など)は、データ間の関連付けが設定された複数のデータベースに分かれて記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…信託業務支援サーバ1、11…通信部、14…記憶部、141…プログラム、15…処理部、2…データベース管理装置、21…ユーザデータベース、22…信託業務データベース、23…取引履歴データベース、3…受託者端末装置、31…通信部、32…入力部、33…表示部、34…記憶部、341…プログラム、35…処理部、4…関係者端末装置、5…情報提供サーバ、6…金融機関システム、9…通信ネットワーク
【要約】
【課題】信託財産を簡便に管理できるように受託者の信託業務を支援するサーバ、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】信託業務支援サーバ1の処理部15が実行する処理は、預金口座の入出金取引明細を提供可能な情報提供サーバ5から、口座情報に含まれる受託者名義口座に関する情報に基づいて、受託者名義口座の入出金取引明細を取得する明細取得工程と、明細取得工程において取得した入出金取引明細に基づいて履歴情報を更新する履歴情報更新工程と、履歴情報の更新に応じて信託財産情報を更新する信託財産情報更新工程とを含む。信託財産情報更新工程は、信託口口座から受託者名義口座への預金の振替を示す入出金取引明細に基づいて履歴情報を更新した場合、当該振替の金額分だけ信託口口座の預金の額を減らすように信託財産情報を更新することを含む。
【選択図】図1
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図10