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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】積層造形のための光学縦列監視
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20220829BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20220829BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20220829BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20220829BHJP
   H01S 3/10 20060101ALN20220829BHJP
【FI】
B23K26/00 M
H01S3/00 B
B23K26/21 Z
B23K26/34
B23K26/00 Q
H01S3/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020525889
(86)(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2018051842
(87)【国際公開番号】W WO2019094110
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-07-01
(31)【優先権主張番号】15/807,967
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】サブラジット・ロイチョウドゥリー
(72)【発明者】
【氏名】トマス・スピアーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ガンボーン
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-144484(JP,A)
【文献】特開2005-161361(JP,A)
【文献】特開2012-206161(JP,A)
【文献】特開平02-001189(JP,A)
【文献】特開2013-219157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00
H01S 3/00
B23K 26/21
B23K 26/34
H01S 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を容易にするためのシステム(10)であって、
レーザパワーコマンド信号PCを受け取り、PCに従ってレーザビーム出力を生成するレーザ発生源(24)と、
前記積層造形プロセスのために粉末に送達されるレーザビームのパワーPDを測定するための第1のセンサ(58)と、
前記レーザ発生源(24)からの前記レーザビーム出力に関連するパワーPOを測定するための第2のセンサ(50)であって、光学縦列の少なくとも一部が前記第1のセンサ(58)と前記第2のセンサ(50)の間に配置される、第2のセンサ(50)と、
前記第1のセンサ(58)および前記第2のセンサ(50)に結合されるコンピュータであって、前記産業用資産物品の作製の中に、PC、PO、およびPDを監視しながら、実時間で前記第1のセンサ(58)及び前記第2のセンサ(50)から測定値を受け取り、前記監視に応じて、前記システム(10)中で検出された問題を自動的に特定するように適合される、コンピュータと
を備え
前記監視が、前記レーザ内のパワー損失を表す第1のレーザパワールックアップテーブル、および前記光学縦列内のパワー損失を表す第2のレーザパワールックアップテーブルに関連し、
前記第1のレーザパワールックアップテーブルが、レーザ較正曲線(TF Pc→Po )に関連し、
前記第2のレーザパワールックアップテーブルが、光学縦列較正曲線(TF Po→PD )に関連する、システム(10)。
【請求項2】
前記コンピュータが、前記監視に応じて、実時間で、前記積層造形プロセスの少なくとも1つの態様を制御するようにさらに適合される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記コンピュータが、前記監視に応じて、助言的指示を自動的に生成するようにさらに適合される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記コンピュータが、前記監視に応じて、前記システム(10)の今後の性能を自動的に予測するようにさらに適合される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記光学縦列が、(i)光ファイバ(27)、(ii)コリメータ(29)、(iii)ガルバノメータ、(iv)ビームスプリッタ(26)、および(v)ダイナミックフォーカスユニットのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記第1のセンサ(58)および前記第2のセンサ(50)のうちの少なくとも1つが、(i)直接パワー測定デバイス、(ii)間接パワー測定デバイス、(iii)パワーメータ、(iv)フォトダイオード、(v)フォトメータ、(vi)固体半導体検出器、(vii)光電子増倍管、(viii)熱電対、および(ix)インビームプロファイラのうちの少なくとも1つと関連する、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項7】
全システム較正曲線(TFPc→PD)が
全システム較正曲線(TFPc→PD)=レーザ較正曲線(TFPc→Po)×光学縦列較正曲線(TFPo→PD)を含む、請求項6に記載のシステム(10)。
【請求項8】
前記第1のセンサ(58)が、
構築ビームの予め決められた割合を分割してサンプルビームを規定し、
前記サンプルビームをセンサ要素に向け、
前記センサ要素によって、前記サンプルビームのパワーに比例する信号を生成し、
前記センサ要素からの前記信号をスケーリングして、前記構築ビームのパワーレベルを表すレーザパワー測定値を生成する
ように適合されるレーザパワー監視装置(54)に関連する、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記構築ビームが、反射型光学部品を通して透過することによって分割される、請求項8に記載のシステム(10)。
【請求項10】
前記積層造形プロセスが直接金属レーザ溶融(「DMLM」)プロセスに関連する、請求項1に記載のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、産業用資産に関し、より詳細には、積層造形機械のための光学縦列監視に関連するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの積層造形プロセスでは、レーザシステムを使用して物品を生成する。たとえば、レーザシステムからのパワーを造形チャンバ中の粉末に向け、一連の水平スライスとして、物品をプリントすることができる。正確な配置とパワー量を厳密に制御して、物品の精密な生成を容易にすることができる。しかし、場合によっては、レーザシステムの様々な構成要素が、送達されるパワーの実際の量を偶然に減らす場合がある。たとえば、レーザの劣化および光学縦列の損失が、送達されるパワー量を減らす可能性がある。レーザシステムが適正に機能しているかを確かめるためにレーザシステムをひっきりなしに試験するのは、試験のためレーザシステムがオフラインにされるためにプリンタが利用不可能にされる、費用のかかる手法となる可能性がある。さらに、(補正することができるように)パワー損失の原因を特定するのは、時間がかかり、誤りを起こしやすいプロセスとなる場合がある。したがって、積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を、効果的および精密に容易にすることが求められる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実施形態は、積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を容易にする。レーザ発生源は、レーザパワーコマンド信号PCを受け取って、PCに従って、レーザビーム出力を生成することができる。第1のセンサは、積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定することができる。第2のセンサは、レーザ発生源からのレーザビーム出力に関連するパワーPOを測定することができ、ここで、光学縦列の少なくとも一部は、第1のセンサと第2のセンサの間に配置される。第1のセンサおよび第2のセンサに結合される監視装置がPC、PO、およびPDを監視して、産業用資産物品の作製を容易にすることができる。監視に応じて、システムは、積層造形プロセスの少なくとも1つの態様を制御すること、助言的指示を自動的に生成すること、システム中で検出された問題を自動的に特定すること、システムの今後の性能を自動的に予測することなどを行うことができる。
【0004】
いくつかの実施形態は、レーザ発生源においてレーザパワーコマンド信号PCを受け取るための手段と、PCに従ってレーザビーム出力を生成するための手段と、第1のセンサにおいて、積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定するための手段と、第2のセンサにおいて、レーザ発生源からのレーザビーム出力に関連するパワーPOを測定するための手段であって、光学縦列の少なくとも一部が第1のセンサと第2のセンサの間に配置される、手段と、産業用資産物品の作製を容易にするためにPC、PO、およびPDを監視するための手段とを備える。
【0005】
いくつかの実施形態は、造形チャンバ中に材料を堆積するための手段と、レーザ発生源においてレーザパワーコマンド信号PCを受け取るための手段と、PCに従ってレーザビーム出力を生成するための手段と、第1のセンサにおいて、積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定するための手段と、第2のセンサにおいて、レーザ発生源からのレーザビーム出力に関連するパワーPOを測定するための手段であって、光学縦列の少なくとも一部が第1のセンサと第2のセンサの間に配置される、手段と、工作物の断面層に対応するパターンで材料を選択的に溶解または硬化させるために構築ビームを向けるための手段と、PC、PO、およびPDを監視するための手段と、前記監視に応じて工作物を作る少なくとも1つの態様を制御するための手段とを備える。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態の技術的な効果は、積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を効果的および精密に容易にするための、改善しコンピュータ化した方法である。以降で明らかとなるこれらおよび他の利点および特徴とともに、以下の詳細な説明および本明細書に添付される図面を参照することによって、本発明の性質のより完全な理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】積層造形システムの一部を図示する図である。
図2】積層造形システムのためのパワー監視を図示する図である。
図3】いくつかの実施形態による積層造形システムの一部を図示する図である。
図4】いくつかの実施形態による積層造形システムのためのパワー監視を図示する図である。
図5】いくつかの実施形態による積層造形システムに関連することができる方法の図である。
図6】いくつかの実施形態によるレーザ自己較正のためのシステムの高レベル概略図である。
図7】いくつかの実施形態による光学縦列健全性監視構成の図である。
図8】いくつかの実施形態による積層造形プリンタのより詳細な断面図である。
図9】いくつかの実施形態による積層造形システムに関連することができる助言的指示の方法の図である。
図10】いくつかの実施形態による助言的指示表示を図示する図である。
図11】いくつかの実施形態による積層造形システムに関連することができる性能予測方法の図である。
図12】いくつかの実施形態による性能予測表示を図示する図である。
図13】いくつかの実施形態によるプラットフォームを図示する図である。
図14】いくつかの実施形態によるレーザパワー監視データベースの表部分を図示する図である。
図15】いくつかの実施形態による表示を提供するタブレットコンピュータを図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、実施形態を十分に理解するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、本実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施できることが、当業者には理解されよう。他の例では、よく知られた方法、手順、構成要素、および回路は、本実施形態を曖昧にしないように、詳細には記載されていない。
【0009】
本発明の1つまたは複数の具体的な実施形態を下で記載することになる。これらの実施形態の簡潔な記載を提供しようとして、実際の実装のすべての特徴を、本明細書の中で記載しない場合がある。任意の工学または設計プロジェクトでのように、任意のそのような実際の実装の発展において、実装毎に変わる場合がある、システムに関する制約およびビジネスに関する制約との適合などといった、多くの実装固有の決定を、開発者の具体的な目標を達成するために行わなければならないことを理解されたい。さらに、そのような開発上の努力は複雑で時間がかかるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって、設計、製作および製造のルーチン仕事であろうことを理解されたい。
【0010】
パウダーベッドへ最小の変動でパワーを正しく送達するのは、積層造形プロセスにとって、構築品質に関連する重要な要因である場合がある。本明細書で使用する、「積層造形プロセス」とは、たとえば、直接金属レーザ溶融(「DMLM」:Direct Metal Laser Melting)プロセス、または同様の3次元プリント技術のことを呼ぶことができる。しかし、パワーの一部は、レーザビームが発生源からパウダーベッドに進行する間に、レーザシステムの様々な構成要素に沿って失われる可能性がある。結果として、光学縦列内のもののような構成要素は、込み入って時間のかかる方法を使用して、送達したパワーと比較するような指令に関して較正することができる。残念ながら、光学縦列中の損失は、様々な構成要素における劣化および/または位置合わせ不良もしくは障害で変わる場合がある(したがって、非常に変わりやすい)。これを防止するために、規則的な間隔で(たとえば、6ヶ月毎に)、時間のかかる較正を実施する場合があり、その期間は、機械がオフラインのままとなる。また、障害の場合、障害を識別し修正するための現在の方法は、やはり時間がかかり、込み入っている。本明細書に記載されるいくつかの実施形態によれば、システムおよび方法は、構築が進行する間の、光学縦列中の様々な構成要素のオンライン健全性監視を可能にする。さらに、そのときに偏差についての自己較正を行うことができ、および/または保守の勧告を自動的に作ることができる。このことによって、保守が必要なときに、自動的な根本原因の識別を(ある程度の信頼性で)容易にすることもでき、このことによって、停止時間も減らすことができる。
【0011】
図1は、積層造形システム100の一部の高レベル概略図である。詳細には、指令された量のパワー(PC)をレーザおよび光学縦列150に信号伝達することができ、その結果、ある量のパワーを有するレーザ(PD)を送達することができる(たとえば、3次元プリンタの造形チャンバ中の粉末に送達することができる)。図2は、そのような積層造形システムのためのパワー監視200を図示する。もう一度、レーザが具体的なパワー値(PC)を指令され、パワーメータがパウダーベッドに維持されて、その点で送達されたパワー(PD)を測定する。次いで、入力データから出力データに較正曲線
【0012】
【数1】
【0013】
250が生成される。全レーザシステムについての較正曲線が生成されると、曲線250を偏移させた可能性がある障害の根本原因について、何ら洞察をもたらさない可能性がある。また、溶融物プール監視システムなしでは、部品が構築された後まで、曲線中の何らかの偏移が検出されずに残る(すなわち、偏移は、構築後検査期間にだけ検出できる)。溶融物プール監視システムがある場合でさえ、偏移の根本原因が常に明らかであるわけではない(また、検出された場合でさえ、再較正のために機械をオフラインにする必要がある)。
【0014】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、自動の根本原因識別、自己補正および/または較正、保守の勧告の生成などのための、「分割攻略」手法を適用する。図3は、積層造形システム300の一部の高レベル概略図である。詳細には、指令された量のパワー(PC)をレーザ310に信号伝達することができ、レーザ310がパワーPOを有するビームを出力する。ビームは光学縦列120を通って進行し、その結果、ある量のパワーを有するレーザ(PD)を送達することができる(たとえば、3次元プリンタの造形チャンバ中の粉末に送達することができる)。図3は、そのような積層造形システムのためのパワー監視300を図示する。図2の組み合わせた較正曲線は、(1)レーザ、および(2)光学縦列にそれぞれ関連する2つの較正曲線410、420へと分解されることに留意されたい。レーザに指令されたパワーPCおよびレーザ出力POが構築期間にオンラインで測定され、それぞれの較正曲線410からの著しい偏移があれば検出して、フラグを生成する。いくつかの実施形態では、較正曲線を自動的に更新するため、何らかの構築を開始する前に、ビードオンプレートのスキャンパターンを走らせることができ(これは、たとえば、1分未満かかる)、その間にシステムがPCおよびPOを測定する。レーザが、十分なヘッドルームのない点まで劣化した場合、システムは、レーザを交換するような保守の勧告を生成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、システム400の要素は、積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を自動的に容易にする。たとえば、図5は、本発明のいくつかの実施形態に従って実施され得る方法500を図示する。本明細書に記載されるフローチャートは、ステップに対して固定の順番を暗示しておらず、本発明の実施形態は、実行可能な任意の順番で実施することができる。本明細書に記載される方法のすべては、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの手法の任意の組合せによって実施できることに留意されたい。たとえば、コンピュータ可読記憶媒体は、機械が実行すると、本明細書に記載される実施形態のいずれかによるパフォーマンスをもたらす命令をその上に記憶することができる。
【0016】
図5の方法は、(たとえば、DMLM3次元プリンタに関連する)積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を容易にすることができることに留意されたい。510において、レーザ発生源がレーザパワーコマンド信号PCを受け取ることができる。520において、レーザ発生源がPCに従って、レーザビーム出力を生成することができる。530において、第1のセンサが積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定することができる。本明細書で使用する、「センサ」という用語は、直接および間接のパワー測定デバイスを含む、パワーを測定することができる任意の装置のことを呼ぶことができる。単に例として、センサは、パワーメータ、フォトダイオード、フォトメータ、固体半導体検出器、光電子増倍管、熱電対、インビームプロファイラなどに関連することができる。
【0017】
540において、第2のセンサがレーザ発生源からのレーザビーム出力に関連するパワーPOを測定することができる。光学縦列の少なくとも一部が第1のセンサと第2のセンサの間に配置されることに留意されたい。本明細書で使用する、「光学縦列(optic train)」という語句は、光ファイバ、コリメータ、ガルバノメータ、ビームスプリッタ、ダイナミックフォーカスユニットなどといった、様々な構成要素を含む、レーザシステムの一部のことを呼ぶことができる。
【0018】
550において、監視装置がPC、PO、およびPDを監視して、産業用資産物品の作製を容易にすることができる。いくつかの実施形態によれば、監視は、レーザ内のパワー損失を表す第1のレーザパワールックアップテーブル、および光学縦列内のパワー損失を表す第2のレーザパワールックアップテーブルに関連する。第1のレーザパワールックアップテーブルは、たとえば、レーザ較正曲線
【0019】
【数2】
【0020】
に関連することができる。同様に、第2のレーザパワールックアップテーブルは、たとえば、光学縦列較正曲線
【0021】
【数3】
【0022】
に関連することができる。この場合には、全システム較正曲線は、次式のように表すことができる。
【0023】
【数4】
【0024】
いくつかの実施形態によれば、監視装置は、監視に応じて、ほぼ実時間で、積層造形プロセスの少なくとも1つの態様を制御することもできる。たとえば、指令されたパワーの値PCは、送達されるパワーの量PDが確実に適切になるように自動的に調整することができる。他の実施形態によれば、システムは、監視に応じて、自動的に助言的指示を生成することができる(たとえば、警告メッセージを操作者または保守技術者に自動的に送信することができる)。いくつかの実施形態によれば、システムは、監視に応じて、システム中で検出された問題を自動的に特定することができる。たとえば、システムは、レーザ、光学縦列などに問題がある可能性が高いと示すことができる。いくつかの実施形態では、監視に応じて、システムの今後の性能を自動的に予測することができる(たとえば、今後の問題を回避するために、オフライン保守手順を自動的にスケジュールすることができる)。
【0025】
さもなければレーザを交換する必要があるとき、フィードバックを介してヘッドルームを拡張することによって、レーザの寿命をさらに延ばすため、好適な制御ループをレーザの周りに設計できることに留意されたい。図6は、いくつかの実施形態によるレーザ自己較正のためのシステム600の高レベル概略図である。コントローラカードは、所望のレーザパワー(たとえば、PC)をレーザ620に示すことができる。レーザ620は、次いで、ミニフィールドエージェントなどといった、コンピュータ630に(たとえば、RS232ポートを介して)、所望のパワーの量および実際のパワーの量を示すことができる。
【0026】
本システムのコンピュータ630および/または他の要素は、たとえば、パーソナルコンピュータ(「PC」)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、企業サーバ、サーバファーム、および/またはデータベースもしくは同様の記憶デバイスに関連することができる。いくつかの実施形態によれば、「自動化」システム600は、光学縦列健全性を監視することができる。本明細書で使用する、「自動化」という用語は、たとえば、人間がほとんど(または全く)介入しないで実施することができる行為のことを呼ぶことができる。
【0027】
本明細書で使用する、コンピュータ630および本明細書に記載される任意の他のデバイスに関連するものを含むデバイスは、インターネット、イントラネット、またはエクストラネットなどといった、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、メトロポリタンエリアネットワーク(「MAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、プロプライエタリネットワーク、公衆交換電話網(「PSTN」)、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(「WAP」)ネットワーク、ブルートゥース(登録商標)ネットワーク、ワイヤレスLANネットワーク、および/またはインターネットプロトコル(「IP」)ネットワークのうちの1つまたは複数であってよい、任意の通信網を介して情報を交換できる。本明細書に記載される任意のデバイスは、1つまたは複数のそのような通信網を介して通信することができることに留意されたい。
【0028】
コンピュータ630は、データ記憶装置に情報を記憶すること、および/またはデータ記憶装置から情報を取り出すことができる。データは、たとえば、レーザパワーレベル、較正曲線、予測される性能などを表す電気的記録を記憶することができる。データ記憶装置は、ローカルで記憶すること、またはコンピュータ630から離れて存在することができる。図6には単一のレーザ620およびコンピュータ630が示されるが、任意の数のそのようなデバイスを含むことができる。さらに、本明細書に記載される様々なデバイスを、本発明の実施形態に従って組み合わせることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、コントローラカード610とレーザ620(および/または他のデバイス)を共同設置することができ、および/または単一の装置を備えることができる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、光学縦列較正曲線は、好適な場所に、広い帯域幅(たとえば、数Hz)の直接/間接パワー測定デバイス(たとえば、小さい占有面積のパワーメータ、好適な鏡およびフィルタの組合せを有するフォトダイオード/フォトメータなど)を挿入することによってさらに分解される。たとえば、図7は、いくつかの実施形態による光学縦列健全性監視構成700を図示する。構成700は、光学縦列720にビームを送達するレーザ710を含む。光学縦列720は、たとえば、コリメータ730、ビームスプリッタ740、760、ダイナミックフォーカスユニット750、レーザパワーメータ770、ガルバノメータ780などを含むことができる。光学縦列720は、3次元プリンタの造形チャンバ790の窓に、構築レーザビームを提供することができる。
【0030】
いくつかの実施形態による光学縦列720の中の様々な点に沿って熱電対を挿入し、(たとえば、汚れた光学系によって引き起こされる可能性がある)光学系の過熱/熱レンズに関する保守の勧告を生成することもできることに留意されたい。この方法では、分割攻略手法が自動的に根本原因を識別する助けとなる場合があり、監視エンジンまたはアプリケーションが、重大性および障害の性質に依存して、システムを自動的に再較正すること、または保守の勧告を作ることができる。
【0031】
図8を参照すると、積層造形方法を実行するのに好適な積層造形機械10が概略的に図示される。機械10の基本構成要素は、テーブル12、粉末供給部14、リコータ16、オーバフローコンテナ18、造形チャンバ22に囲まれる構築プラットフォーム20、レーザ発生源24、およびビームステアリング装置26を含み、すべてが筐体28によって囲まれる。これらの構成要素の各々が、より詳細に下で記載される。
【0032】
テーブル12は、平面状作業面30を規定する剛体構造である。作業面30は、仮想作業平面と同一平面であって、仮想作業平面を規定する。図示した例では、作業面30は、造形チャンバ22と連通し構築プラットフォーム20をさらす構築開口32、粉末供給部14と連通する供給開口34、およびオーバフローコンテナ18と連通するオーバフロー開口36を含む。
【0033】
リコータ16は、作業面30上にある、剛体で横方向に細長い構造である。リコータ16は、作業面30に沿ってリコータ16を選択的に動かすように動作可能なアクチュエータ38に接続される。アクチュエータ38は、空気式シリンダまたは油圧シリンダ、ボールねじまたは直線電気アクチュエータなどといったデバイスをこの目的で使用できるということが理解されるため、図では概略的に描かれる。
【0034】
粉末供給部14は、供給開口34の下にあり供給開口34と連通する供給コンテナ40、およびエレベータ42を備える。エレベータ42は、供給コンテナ40内で垂直に摺動可能なプレート状構造である。エレベータ42は、エレベータ42を上下に選択的に移動させるように動作可能なアクチュエータに接続される。エレベータ42が下げられると、供給コンテナ40へ、所望の組成物の粉末「P」(たとえば、金属、セラミック、および/または有機物の粉末)の供給を充填することができる。エレベータ42が上げられると、エレベータ42は、作業面30の上に粉末Pをさらす。他のタイプの粉末供給部を使用することができる。たとえば、粉末は、オーバヘッドデバイス(図示せず)によって造形チャンバ22の中に落とすことができる。
【0035】
構築プラットフォーム20は、構築開口32の下で、垂直に摺動可能なプレート状構造である。構築プラットフォーム20は、構築プラットフォーム20を上下に選択的に移動させるように動作可能なアクチュエータ46に接続される。アクチュエータ46は、空気式シリンダまたは油圧シリンダ、ボールねじまたは直線電気アクチュエータなどといったデバイスをこの目的で使用できるということが理解されるため、図では概略的に描かれる。構築プラットフォーム20が構築プロセス期間に造形チャンバ22の中に下げられると、構築チャンバ22および構築プラットフォーム20は、構築される任意の構成要素に沿って、多量の粉末Pをまとめて囲み、支持する。この多量の粉末は、一般的に「パウダーベッド」と呼ばれ、積層造形プロセスのこの特定のカテゴリーは、「パウダーベッドプロセス」と呼ぶことができる。オーバフローコンテナ18は、下にあり、オーバフロー開口36と連通し、過剰な粉末Pのための貯蔵所として機能する。
【0036】
レーザ発生源24は、下でより詳細に記載される構築プロセスの期間に、粉末Pを溶融して溶かすための、好適なパワーおよび他の動作特性のレーザビーム「B」を生成するように動作可能な任意のデバイスを備えることができる。ビームステアリング装置26は、1つまたは複数の鏡、プリズム、および/またはレンズを含み、好適なアクチュエータを備え、ビームBを所望のスポットサイズに合焦して作業面30と一致する平面中の所望の位置に誘導できるように配置することができる。記載の都合のため、この平面をX-Y平面と呼ぶ場合があり、X-Y平面と垂直な方向がZ方向と示される(X、Y、およびZは、3つの相互に垂直な方向である)。ビームBは、本明細書で「構築ビーム」と呼ぶ場合がある。図示した例では、レーザのエネルギーは、光ファイバ27および従来型コリメータ29を通してビームステアリング装置26に伝達される。
【0037】
筐体28は、機械10の他の構成要素を分離して保護するように機能する。下で記載される構築プロセスの期間、筐体28は、機能の中でもとりわけ、酸素を構築環境から取り除く、好適な遮蔽用ガスの流れを備えることができる。
【0038】
上で記載した装置を使用する工作物Wについての例示的な基本構築プロセスは以下である。構築プラットフォーム20が、最初の高い位置に移動される。構築プラットフォーム20は、選択した層の増分だけ作業面30の下に下げられる。層の増分は、積層造形プロセスの速度および工作物Wの解像度に影響をおよぼす。例として、層の増分は、約10~50マイクロメートル(0.0003~0.002インチ)であってよい。次いで、粉末「P」が構築プラットフォーム20にわたって堆積され、たとえば、供給コンテナ40のエレベータ42が上げられて、供給開口34を通して粉末を押し、粉末を作業面30の上にさらすことができる。リコータ16が作業面を越えて動かされ、上げられた粉末Pを水平に構築プラットフォーム20にわたって広げる。リコータ16が左から右に通過すると、過剰な粉末Pがあれば、オーバフロー開口36を通って、オーバフローコンテナ18の中に落ちる。その後、リコータ16は、開始位置に戻るように動くことができる。平にされた粉末Pは、「構築層」と呼ばれる場合があり、そのさらされた上面は、「構築面」と呼ばれる場合がある。
【0039】
レーザ発生源24を使用して、構築される工作物Wの2次元断面または層を溶融する。レーザ発生源24がビームBを放出し、ビームステアリング装置26を使用して、ビームBの焦点を、さらされた粉末面にわたって、適切なパターンで操縦する。本明細書で「溶着プール」52と呼ばれる、焦点を囲む粉末Pのさらされた層の小さい部分が、それを焼結、または溶融、流動、および凝固させる温度へとビームBによって加熱される。例として、溶着プール52は、100マイクロメートル(0.004インチ)幅の程度であってよい。このステップは、粉末Pを溶解するステップと呼ぶ場合がある。
【0040】
構築プラットフォーム20は、層の増分だけ下に垂直に動かされ、同様の厚さで粉末Pの別の層が加えられる。レーザ発生源24がビームBを再び放出し、ビームステアリング装置26を使用して、ビームBの焦点を、さらされた粉末面にわたって、適切なパターンで操縦する。上部層内とより低い以前に固化した層との両方で、粉末Pのさらされた層が、それを焼結、または溶融、流動、および凝固させる温度へとビームBによって加熱される。構築プラットフォーム20を動かすステップ、粉末Pを加えるステップ、次に、向けられたエネルギーが粉末Pを溶解するステップのこのサイクルは、全工作物Wが完成するまで繰り返される。
【0041】
機械10およびその動作は、「パウダーベッド機械」の代表例である。本明細書に記載される原理は他のタイプの積層造形機械に適用可能であることを理解されよう。たとえば、知られているタイプの積層造形機械は、レーザを使用して、液体樹脂の層を選択的に硬化し、工作物を形成することによって動作する。このプロセスは、ステレオリソグラフィ(「SLA」)と呼ばれる場合がある。
【0042】
構築プロセスの期間に、適切でないビームパワー、または一貫性のないビームパワーは望ましくない。ビームパワーが高すぎる、または低すぎる場合、一貫性のない溶解結果をもたらす可能性がある。したがって、機械10は、機械10の動作期間にレーザパワーを測定するように動作可能な、レーザパワー監視装置54およびパワーメータ50を備える場合がある。本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って、レーザ発生源24がPCを受け取ることができ、パワーメータ50がPOを測定することができ、レーザパワー監視装置54がPDの推定値を測定することができることに留意されたい。
【0043】
レーザパワー監視装置54は、ビームBからサンプルビーム「S」を分割して、サンプルビームSをセンサ58に向けるように動作可能なビームスプリッタ56を含む。サンプルビームSは、ビームBのパワーの、予め決められた割合を表す。本明細書で使用する「ビームスプリッタ」という用語は、ビームBの大部分を主たるビーム経路に沿うように向け、ビームの制御された部分を迂回させるように動作可能な任意のデバイスを含む。ビームスプリッタとして使用できるデバイスの非限定の例は、誘電体反射鏡、プリズム、および金属反射鏡を含む。たとえば、金属反射鏡は、その上へ入射する光の大部分を反射するが、その上への一部の入射光を通過もするように設けることができる。
【0044】
センサ58は、サンプルビームSを受け取って、サンプルビームSのパワーに比例する信号を生成するように動作可能な任意のデバイスであってよい。好適なセンサの非限定の例は、半導体ベースの検出器(たとえば、フォトダイオードまたはフォトダイオードアレイ)および光電子増倍管を含む。センサ58は、ビームスプリッタ56からサンプルビームSを受け取るように位置決めされる。レーザ放射が漏れるのを防ぐために、ビームスプリッタ56およびセンサ58を囲んで筐体を設けることができる。
【0045】
図示した例では、ビームスプリッタ56は、コリメータ29の下流に配置される。ビームスプリッタ56は、ビームBの大部分を90°回転し、それをビームステアリング装置26に向ける。サンプルビームSは、センサ58に向けられる。ビームスプリッタ56およびセンサ58の他の物理的な配置が可能である。たとえば、ビームスプリッタ56は、コリメータ29の上流に位置決めすることができる。
【0046】
サンプルビームSを構成するために分割された構築ビームBの画分は、センサSの感度および解像度に基づいて決定することができる。構築ビームBにおいて利用可能なパワーを減少させるため、サンプルビームS中のエネルギーを最小化することが一般的に望ましい。たとえば、レーザ発生源24が200Wの定格出力を有し、1%の分割が使用される場合、ビームステアリング装置26に送達される198W、およびセンサ58に送達される2Wが結果として得られる。
【0047】
センサ58の出力信号は、必要に応じて構築ビームBのパワーを適切に表すようにスケーリングすることができる。サンプルビームSがレーザパワーの1%である上述の例では、センサの出力信号は、100分の1にスケーリングされて、構築ビームBの実際のパワーを表すことになる。必要または望ましい場合に、出力信号へのさらなるスケーリングまたは調整を行って、サンプルビームS中で失われたパワーを補償すること、それによってビームパワー測定の正確さを改善することができる。一般的に、積層造形プロセスは、レーザパワーにおいて、約1%の変動に影響を受ける。1%のスケールの精度で1ワットより細かい数値のパワーレベルを検出できるセンサ58が、市販されていることに留意されたい。したがって、センサ58へ分割または漏出する量は、たとえば、レーザ発生源24の定格パワーの1%の1/100といった、極めて小さくすることができると考えられる。
【0048】
センサ58およびパワーメータ50から得られたレーザパワーデータは、様々な目的で使用することができる。たとえば、レーザパワーデータは、機械の資格証明のために使用することができる。このプロセスでは、レーザパワーデータは、機械10が最初に使用される前に、レーザパワーを特徴付けるために使用されることになる。これは、以降の測定のための基準値を与え、機械10についての情報もユーザに与える。たとえば、特定の機械10は、構築プロセスの期間に、許容できる結果を達成するため平均的なレーザパワー設定よりも高いものを必要とする可能性がある、特定のレーザパワー出力を有すると知ることができる。
【0049】
別の例として、レーザパワーデータは、機械の較正に使用することができる。このプロセスでは、上で記載したセンサ58を使用して、たとえば3~6ヶ月毎といった規則的な間隔で、レーザパワーを特徴付けることになる。一連のレーザパワーデータの集合を、基準値のレーザパワーデータと、および/または互いに比較することができる。レーザパワーデータは、レーザ発生源24の定格パワーと比較することもできる。これらの比較は、機械の特性における変化を識別する助けとなることができる。是正措置は、機械の保守または修理の形をとることができる。
【0050】
監視方法は、たとえば、最小パワーまたは最大パワーといった、「レーザパワー限界」と本明細書で呼ばれる、レーザパワーについての、(選択された、所望の、または指令されたパワーレベルに対する)1つまたは複数の予め決められた限界を確立するステップを含むことができる。監視方法は、1つまたは複数のレーザパワー限界を超えることに応じて、ローカルの操作者または離れた操作者に視覚的または音響的警告を提供するなどといった、個別の行為を行うステップを含むことができる。監視方法は、1つまたは複数のレーザパワー限界を超えることに応じて、構築プロセスを休止または停止するステップを含むことができる。これは、個別の行為の他の例である。監視方法は、比例、比例積分、もしくは比例積分微分制御ロジック、ニューラルネットワーク制御アルゴリズム、またはファジーロジック制御アルゴリズムを使用した統計的なプロセス制御、フィードフォワード制御、フィードバック制御などといった方法を使用したレーザパワーの実時間制御を含むことができる。
【0051】
上で記載した装置の動作は、たとえばプログラム可能ロジックコントローラ(「PLC」)またはマイクロコンピュータ(図示せず)などといった、1つまたは複数のデバイスで具体化される1つまたは複数のプロセッサ上で走るソフトウェアによって制御することができる。そのようなプロセッサは、たとえば、ワイヤ接続またはワイヤレス接続で、センサおよび動作する構成要素に結合することができる。同じ1つまたは複数のプロセッサを使用して、統計的分析およびフィードバック制御のために、センサデータを取り出して分析することができる。
【0052】
本明細書に記載される方法は、従来技術を越えるいくつかの利点を有する。たとえば、方法は、一定のビームパワーを可能にする一方で構築プロセスの中断を最小化することができる。これには、工作物の変動およびスクラップの割合を減少させ、部品の品質を改善し、機械10の状態を監視する潜在能力がある。
【0053】
図9の方法900は、(たとえば、DMLM3次元プリンタに関連する)積層造形プロセスについての、助言的指示、警告メッセージなどの自動作成を容易にすることができる。910において、レーザ発生源がレーザパワーコマンド信号PCを受け取ることができる。920において、レーザ発生源がPCに従って、レーザビーム出力を生成することができる。930において、第1のセンサが積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定することができる。940において、第2のセンサがレーザ発生源からのレーザビーム出力に関連するパワーPOを測定することができる。光学縦列の少なくとも一部が第1のセンサと第2のセンサの間に配置されることに留意されたい。
【0054】
950において、監視装置がPC、PO、およびPDを監視して、産業用資産物品の作製を容易にすることができる。960において、システムは、950の監視に応じて、助言的指示を自動的に生成することができる。たとえば、パワーが予め決められた限界より上昇すると(または下限より下に落ちると)、操作者に助言が自動的に送信されることになる。いくつかの実施形態によれば、助言は、レーザシステムのどの部分が故障しているかを自動的に示すことができる(たとえば、レーザ発生源、光学縦列、光学縦列中の特定の構成要素など)。
【0055】
図10は、いくつかの実施形態による助言的指示表示1000を図示する。表示1000は、レーザシステムの様々な要素のステータスを図式で表示する、対話型ユーザインターフェース1010を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、表示1000中の1つまたは複数の要素の選択は、システムについてのより詳細な情報が現れて、操作者がパラメータ調整を行うことを可能にするなどといった結果をもたらすことができる。システムのどの部分が故障している可能性があるかを示す助言的指示1020を表示1000が含むことに留意されたい。いくつかの実施形態によれば、(たとえば、コンピュータマウスを介して)アイコン1030を選択することによって、別の操作者、デバイス、保守スケジュール用アプリケーションなどに警告を送信することができる。
【0056】
図11の方法1100は、(たとえば、DMLM3次元プリンタに関連する)積層造形プロセスについての、今後のレーザシステムの性能の自動的な予測を容易にすることができる。1112において、レーザ発生源がレーザパワーコマンド信号PCを受け取ることができる。1120において、レーザ発生源がPCに従って、レーザビーム出力を生成することができる。1130において、第1のセンサが積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定することができる。1140において、第2のセンサがレーザ発生源からのレーザビーム出力に関連するパワーPOを測定することができる。光学縦列の少なくとも一部が第1のセンサと第2のセンサの間に配置されることに留意されたい。
【0057】
1150において、監視装置がPC、PO、およびPDを監視して、産業用資産物品の作製を容易にすることができる。1160において、システムは、1150の監視に応じて、今後の性能の予測を自動的に生成することができる。たとえば、システムは、光学縦列中のパワー損失がゆっくり増加していること、および故障を回避するために特定の日の前に特定の保守手順を実施するべきであることを知らせることができる。いくつかの実施形態によれば、予測は、推奨、検査するべき部品のリスト、1つまたは複数の交換の要求などを含むことができる。
【0058】
図12は、いくつかの実施形態による予測される今後の性能表示1200を図示する。表示1200は、レーザシステムの様々な要素のステータスを図式で表示する、対話型ユーザインターフェース1210を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、表示1200中の1つまたは複数の要素の選択によって、システムについてのより詳細な情報が現れて、操作者がパラメータ調整を行うことを可能にすることができる。表示1200は、(タイムライン1220上の実線によって図示される)測定された性能を示すタイムライン1220、および(タイムライン1220上の点線で図示される)予測される今後の性能を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、(たとえば、コンピュータマウスを介して)アイコン1230を選択することによって、積層造形レーザシステムについての保守手順をスケジュールすること、いつ許容範囲が容認できなくなるかを予測することなどができる。
【0059】
本明細書に記載される実施形態は、積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を容易にする工具を備えることができ、任意の数の様々なハードウェア構成を使用して実装することができる。たとえば、図13は、たとえば図6のシステム600(ならびに、本明細書に記載される他のシステム)に関連することができるプラットフォーム1300を図示する。プラットフォーム1300は、通信網を介して通信するように構成される通信デバイス1320(図13に図示せず)に結合される、ワンチップマイクロプロセッサの形の、1つまたは複数の市販されている中央処理装置(「CPU」)などといった、プロセッサ1310を備える。通信デバイス1320は、たとえば、1つまたは複数のリモートエキスパートデバイスと通信するために使用することができる。通信デバイス1320を介して交換した通信は、パブリックなインターネットユーザと、保険企業の内部ネットワークとの間のものなどといった安全上の特徴を利用できることに留意されたい。安全上の特徴とは、たとえば、ウェブサーバ、ファイアウォール、および/またはPCIインフラストラクチャと関連することができる。プラットフォーム1300は、入力デバイス1340(たとえば、設計ファイル、産業用資産物品、レーザシステムなどについての情報を入力するマウスおよび/またはキーボード)、および(たとえば、保守報告を出力する、製品状況メッセージを生成するなど)出力デバイス1350をさらに含む。
【0060】
プロセッサ1310は、記憶デバイス1330とも通信する。記憶デバイス1330は、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスクドライブ)、光学式記憶デバイス、モバイルテレホン、および/または半導体メモリデバイスの組合せを含む、任意の好適な情報記憶デバイスを備えることができる。記憶デバイス1330は、プロセッサ1310を制御するために、プログラム1312および/またはネットワークセキュリティサービスツールもしくはアプリケーションを記憶する。プロセッサ1310は、プログラム1312の命令を実施し、それによって、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って動作する。たとえば、プロセッサ1310は、レーザ発生源がレーザパワーコマンド信号PCを受け取り、その結果PCに従ってレーザビーム出力を生成することを決定することができる。第1のセンサは、積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定することができ、その値をプロセッサ1310が記録することができる。第2のセンサは、レーザ発生源からのレーザビーム出力に関連するパワーPOを測定することができ(光学縦列の少なくとも一部は第1のセンサと第2のセンサの間に配置される)、その値をプロセッサ1310が記録することがやはりできる。プロセッサ1310は、次いで、PC、PO、およびPDを監視して、産業用資産物品の作製を容易にすることができる。監視に応じて、プロセッサ1310は、積層造形プロセスの少なくとも1つの態様を制御すること、助言的指示を自動的に生成すること、システム中で検出された問題を自動的に特定すること、システムの今後の性能を自動的に予測することなどを行うことができる。
【0061】
プログラム1312は、圧縮され、未コンパイルで、および/または暗号化された形式で記憶することができる。プログラム1312は、オペレーティングシステム、データベース管理システム、および/または周辺デバイスとインターフェース接続するためにプロセッサ1310が使用するデバイスドライバなどといった、他のプログラム要素をさらに含むことができる。
【0062】
本明細書で使用する情報は、たとえば、(i)別のデバイスからプラットフォーム1300に、または(ii)別のソフトウェアアプリケーション、モジュール、もしくは任意の他のソースからプラットフォーム1300内のソフトウェアアプリケーションもしくはモジュールに、「受け取ること」またはそれらへ「送信すること」ができる。
【0063】
(図13に示されるものなどといった)いくつかの実施形態では、記憶デバイス1330は、レーザ劣化パワールックアップテーブル1360、光学縦列パワー損失ルックアップテーブル1370、およびレーザパワー監視データベース1400をさらに記憶する。プラットフォーム1300に関して使用できるデータベースの例が、図14を参照してここで詳細に記載されることになる。本明細書に記載されるデータベースは、単なる例であって、追加および/または異なる情報をそこに記憶できることに留意されたい。さらに、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って、様々なデータベースを、分割または組み合わせることができる。たとえば、光学縦列パワー損失ルックアップテーブル1370および/またはレーザパワー監視データベース1400は、プログラム1312内で互いに組み合わせることおよび/またはリンクすることができる。
【0064】
図14を参照すると、いくつかの実施形態に従ってプラットフォーム1300に記憶できるレーザパワー監視データベース1400を表す表が示される。表は、たとえば、レーザシステムに関連するパワー測定値を識別するエントリを含むことができる。表は、エントリの各々について、フィールド1402、1404、1406、1408、1410、1412を規定することもできる。フィールド1402、1404、1406、1408、1410、1412は、いくつかの実施形態に従って、レーザシステム識別子1402、指令されたパワーPC1404、出力パワーPO1406、送達されるパワーPD1408、日時1410、および助言行為1412を指定することができる。レーザパワー監視データベース1400は、積層造形構築プロセス期間に、たとえば、ほぼ実時間で作成および更新することができる。
【0065】
レーザシステム識別子1402は、3次元DMLMプリンタのレーザシステムを識別する、たとえば、固有の英数字コードであってよい。指令されたパワーPC1404、出力パワーPO1406、および送達されるパワーPD1408は、レーザシステム内に配置される様々なセンサによって行われる測定値を表すことができる。日時1510はいつ測定が行われたかを示すことができ、助言的指示1512は、測定が助言的指示(たとえば、警告メッセージまたは信号の送信)をもたらしたが否かを示すことができる。
【0066】
こうして、本明細書に記載されたいくつかの実施形態は、DMLM機械の光学システム中の障害の根本原因を自動的に識別できる、オンライン健全性監視システムを含む、技術的な利点を提供することができる。さらに、実施形態は、システムを自己較正すること、または、障害の程度および性質によって保証されるような保守の勧告を生成することを可能にすることができる。これは、計画外の予防できる故障、および不要な定期保守用停止時間に役立てることができる。機械が、保守要求のためオフラインになる必要があるとき、本明細書に記載されるいくつかの実施形態による健全性監視エンジンが、比較的高い信頼度で根本原因を指摘することが可能である(それによって、トラブルシューティング時間が減る)。
【0067】
以下で、本発明の様々な追加の実施形態を説明する。これらは、すべての可能な実施形態の定義を構成するわけではなく、当業者なら、本発明が多くの他の実施形態に適用可能であることを理解するであろう。さらに、以下の実施形態は分かりやすいように簡単に記載されるが、これらおよび他の実施形態および応用例に対応するために、必要な場合には、上述の装置および方法に任意の変更を行う方法を、当業者ならば理解するであろう。
【0068】
本明細書では特定のハードウェアおよびデータ構成を記載してきたが、本発明の実施形態に従って、任意の数の他の構成を具体化することができることに留意されたい(たとえば、本明細書に記載される情報の一部は、外部システムに組み合わせる、または収容することができる)。さらに、実施形態は、産業用システムに関して記載されてきたが、実施形態は、非産業用システム、民生用物品などを含む他のタイプのコンピューティングシステムに関することができることに留意されたい。同様に、本明細書に示され記載される表示は、単に例として提供されており、他のタイプの表示および表示デバイスが本実施形態のいずれかをサポートすることができる。たとえば、図15は、グラフィカルユーザインターフェースを利用できる、スキャン経路生成設計表示1510を備えるタブレットコンピュータ1500を図示する。表示1510は、光学縦列較正曲線の図を含むことができる。表示1510上の要素の選択によって、その要素についてのさらなる情報を表示させることができることに留意されたい。さらに、表示1510は、(たとえば、タッチスクリーンを介した)対話型ユーザインターフェースを備えることができ、本明細書に記載される実施形態のいずれかによる、「表示の詳細」アイコン1520を含む。
【0069】
いくつかの実施形態は、たとえば、エンジン部分、ジェネレータ構成要素などといった、ものであってよい、「産業用資産物品」の作成に関して記載してきた。しかし、本明細書で使用する、「産業用資産物品」という語句は、民生用電子部品、玩具、家庭用品、自動車部品などを含む任意の他のタイプの物品のことを呼ぶことができる。一般的に、実施形態は、積層造形機械のレーザシステムに関連する課題に対処することができる。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、監視される積層印刷プロセスは、DMLMプロセスである。実施形態が、たとえば、American Society for Testing and Materials(「ASTM」)グループの「ASTM F42 - Additive Manufacturing」規格に記載されるものを含む3次元プリントのタイプに関連してもよいことに留意されたい。
【0071】
本発明は、単に説明のためにいくつかの実施形態に関して記載してきた。本発明は記載される実施形態に限定されず、添付される特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ限定される修正および変更を実施できることは、当業者なら本記載から認識するであろう。
【0072】
本発明のさらなる態様は、以下の項の主題によって提供される。
[項1] 積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を容易にするためのシステムであって、
レーザパワーコマンド信号PCを受け取り、PCに従ってレーザビーム出力を生成するレーザ発生源と、
前記積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定するための第1のセンサと、
前記レーザ発生源からの前記レーザビーム出力に関連するパワーPOを測定するための第2のセンサであって、光学縦列の少なくとも一部が前記第1のセンサと前記第2のセンサの間に配置される、第2のセンサと、
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサに結合される監視装置であって、前記産業用資産物品の作製を容易にするためにPC、PO、およびPDを監視するように適合される、監視装置と
を備える、システム。
【0073】
[項2] 前記監視装置が、前記監視に応じて、ほぼ実時間で、前記積層造形プロセスの少なくとも1つの態様を制御するようにさらに適合される、任意の前項に記載のシステム。
【0074】
[項3] 前記監視装置が、前記監視に応じて、助言的指示を自動的に生成するようにさらに適合される、任意の前項に記載のシステム。
【0075】
[項4] 前記監視装置が、前記監視に応じて、前記システム中で検出された問題を自動的に特定するようにさらに適合される、任意の前項に記載のシステム。
【0076】
[項5] 前記監視装置が、前記監視に応じて、前記システムの今後の性能を自動的に予測するようにさらに適合される、任意の前項に記載のシステム。
【0077】
[項6] 前記光学縦列が、(i)光ファイバ、(ii)コリメータ、(iii)ガルバノメータ、(iv)ビームスプリッタ、および(v)ダイナミックフォーカスユニットのうちの少なくとも1つを含む、任意の前項に記載のシステム。
【0078】
[項7] 前記第1のセンサおよび前記第2のセンサのうちの少なくとも1つが、(i)直接パワー測定デバイス、(ii)間接パワー測定デバイス、(iii)パワーメータ、(iv)フォトダイオード、(v)フォトメータ、(vi)固体半導体検出器、(vii)光電子増倍管、(viii)熱電対、および(ix)インビームプロファイラのうちの少なくとも1つと関連する、任意の前項に記載のシステム。
【0079】
[項8] 前記監視が、前記レーザ内のパワー損失を表す第1のレーザパワールックアップテーブル、および前記光学縦列内のパワー損失を表す第2のレーザパワールックアップテーブルに関連する、任意の前項に記載のシステム。
【0080】
[項9] 前記第1のレーザパワールックアップテーブルが、レーザ較正曲線
【数5】
に関連する、任意の前項に記載のシステム。
【0081】
[項10] 前記第2のレーザパワールックアップテーブルが、光学縦列較正曲線
【数6】
に関連する、任意の前項に記載のシステム。
【0082】
[項11] 全システム較正曲線が
【数7】
を含む、任意の前項に記載のシステム。
【0083】
[項12] 前記第1のセンサが、
構築ビームの予め決められた割合を分割してサンプルビームを規定し、
前記サンプルビームをセンサ要素に向け、
前記センサ要素によって、前記サンプルビームのパワーに比例する信号を生成し、
前記センサ要素からの前記信号をスケーリングして、前記構築ビームのパワーレベルを表すレーザパワー測定値を生成する
ように適合されるレーザパワー監視装置に関連する、任意の前項に記載のシステム。
【0084】
[項13] 前記構築ビームが、反射型光学部品を通して透過することによって分割される、任意の前項に記載のシステム。
【0085】
[項14] 前記積層造形プロセスが直接金属レーザ溶融(「DMLM」)プロセスに関連する、任意の前項に記載のシステム。
【0086】
[項15] プリント期間における垂直軸に沿ったプリントアームに対する積層造形プロセスによる産業用資産物品の作製を容易にするための方法であって、
レーザ発生源においてレーザパワーコマンド信号PCを受け取るステップと、
PCに従ってレーザビーム出力を生成するステップと、
第1のセンサにおいて、前記積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定するステップと、
第2のセンサにおいて、前記レーザ発生源からの前記レーザビーム出力に関連するパワーPOを測定するステップであって、光学縦列の少なくとも一部が前記第1のセンサと前記第2のセンサの間に配置される、ステップと、
前記産業用資産物品の作製を容易にするためにPC、PO、およびPDを監視するステップと
を含む、方法。
【0087】
[項16] 前記監視するステップが、(i)前記監視に応じて、ほぼ実時間で前記積層造形プロセスの少なくとも1つの態様を制御するステップ、(ii)前記監視に応じて、助言的指示を自動的に生成するステップ、(iii)前記監視に応じて、システム中で検出された問題を自動的に特定するステップ、および(iv)前記監視に応じて、前記システムの今後の性能を自動的に予測するステップのうちの少なくとも1つを含む、任意の前項に記載の方法。
【0088】
[項17] 前記監視するステップが、
レーザ較正曲線
【数8】
によって前記レーザ内のパワー損失を表す第1のレーザパワールックアップテーブル、および
光学縦列較正曲線
【数9】
によって前記光学縦列内のパワー損失を表す第2のレーザパワールックアップテーブル
に関連する、任意の前項に記載の方法。
【0089】
[項18] 全システム較正曲線が
【数10】
を含む、任意の前項に記載の方法。
【0090】
[項19] 造形チャンバ中に材料を堆積するステップと、
レーザ発生源においてレーザパワーコマンド信号PCを受け取るステップと、
PCに従ってレーザビーム出力を生成するステップと、
第1のセンサにおいて、前記積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定するステップと、
第2のセンサにおいて、前記レーザ発生源からの前記レーザビーム出力に関連するパワーPOを測定するステップであって、光学縦列の少なくとも一部が前記第1のセンサと前記第2のセンサの間に配置される、ステップと、
工作物の断面層に対応するパターンで前記材料を選択的に溶解または硬化させるための構築ビームを向けるステップと、
PC、PO、およびPDを監視するステップと、
前記監視するステップに応じて前記工作物を作る少なくとも1つの態様を制御するステップと
を含む、工作物を作る方法。
【0091】
[項20] 前記工作物を層毎の様式で構築するため、堆積するステップと溶解するステップとのサイクルで前記ステップを繰り返すステップをさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0092】
[項21] 造形チャンバと、
レーザパワーコマンド信号PCを受け取り、PCに従ってレーザビーム出力を生成するレーザ発生源と、
前記造形チャンバを介して積層造形プロセスのために送達されるレーザビームのパワーPDを測定するための第1のセンサと、
前記レーザ発生源からの前記レーザビーム出力に関連するパワーPOを測定するための第2のセンサであって、光学縦列の少なくとも一部が前記第1のセンサと前記第2のセンサの間に配置される、第2のセンサと、
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサに結合される監視装置であって、産業用資産物品の作製を容易にするためにPC、PO、およびPDを監視するように適合される、監視装置と
を備える、工作物を作るための装置。
【0093】
[項22] 前記監視するステップが、(i)前記監視に応じて、ほぼ実時間で前記積層造形プロセスの少なくとも1つの態様を制御するステップ、(ii)前記監視に応じて、助言的指示を自動的に生成するステップ、(iii)前記監視に応じて、システム中で検出された問題を自動的に特定するステップ、および(iv)前記監視に応じて、前記システムの今後の性能を自動的に予測するステップのうちの少なくとも1つを含む、任意の前項に記載の装置。
【符号の説明】
【0094】
10 積層造形機械
12 テーブル
14 粉末供給部
16 リコータ
18 オーバフローコンテナ
20 構築プラットフォーム
22 構築チャンバ
24 レーザ発生源
26 ビームステアリング装置
27 光ファイバ
28 筐体
29 従来型コリメータ
30 平面状作業面
32 構築開口
34 供給開口
36 オーバフロー開口
38 アクチュエータ
40 供給コンテナ
42 エレベータ
46 アクチュエータ
50 パワーメータ
52 溶着プール
54 レーザパワー監視装置
56 ビームスプリッタ
58 センサ
100 積層造形システム
120 光学縦列
150 レーザおよび光学縦列
200 パワー監視
250 組み合わせた較正曲線
300 積層造形システム、パワー監視
310 レーザ
320 光学縦列
400 システム
410 レーザ較正曲線
420 光学縦列較正曲線
500 方法
600 システム、自動化システム
610 コントローラカード
620 レーザ
630 コンピュータ
700 光学縦列健全性監視構成
710 レーザ
720 光学縦列
730 コリメータ
740 ビームスプリッタ
750 ダイナミックフォーカスユニット
760 ビームスプリッタ
770 レーザパワーメータ
780 ガルバノメータ
790 構築チャンバ
900 方法
1000 助言的指示表示
1010 対話型ユーザインターフェース
1020 助言的指示
1030 アイコン
1100 方法
1200 予測される将来の性能表示
1210 対話型ユーザインターフェース
1220 タイムライン
1230 スケジュールメンテナンス
1300 プラットフォーム
1310 プロセッサ
1312 プログラム
1320 通信デバイス
1330 記憶デバイス
1340 入力デバイス
1350 出力デバイス
1360 レーザ劣化パワールックアップテーブル
1370 光学縦列パワー損失ルックアップテーブル
1400 レーザパワー監視データベース
1402 レーザシステム識別子
1404 指令されたパワーPC
1406 出力パワーPO
1408 送達されるパワーPD
1410 日時
1412 助言的指示、助言行為
1500 タブレットコンピュータ
1510 日時、スキャン経路生成設計表示
1512 助言行為
1520 アイコン
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