(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
G01G19/387 C
(21)【出願番号】P 2018233976
(22)【出願日】2018-12-14
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】横山 慎哉
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇起
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-184260(JP,A)
【文献】特開2018-77075(JP,A)
【文献】特開2018-77074(JP,A)
【文献】特開2016-148557(JP,A)
【文献】国際公開第2004/042335(WO,A1)
【文献】特開平5-330632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-23/48
B65G47/00-47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を、搬送方向の上流側から下流側へ順次振動搬送する上流直進フィーダ及び下流直進フィーダの少なくとも2つの直進フィーダと、前記各直進フィーダの駆動を制御する制御手段とを備える組合せ計量装置であって、
前記下流直進フィーダのトラフにおける前記搬送方向の上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段を備え、
前記制御手段は、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されないときには、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動すると共に、前記上流直進フィーダの駆動を開始して、所定時間が経過したときには、前記上流直進フィーダの振動強度を高めた駆動を行う、
ことを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項2】
物品を、搬送方向の上流側から下流側へ順次振動搬送する上流直進フィーダ及び下流直進フィーダの少なくとも2つの直進フィーダと、前記各直進フィーダの駆動を制御する制御手段とを備える組合せ計量装置であって、
前記下流直進フィーダのトラフにおける前記搬送方向の上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段と、
前記上流物品検知手段よりも前記搬送方向の下流側における物品を検知する下流物品検知手段とを備え、
前記制御手段は、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されないときには、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動するものであり、
前記制御手段は、物品を下流側へ搬送するように前記下流直進フィーダを駆動するものであり、
前記制御手段は、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動して、前記上流直進フィーダの駆動を停止してから、前記下流物品検知手段で物品を検知しない状態が、所定時間継続したときには、前記上流直進フィーダの駆動を開始する、
ことを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項3】
物品を、搬送方向の上流側から下流側へ順次振動搬送する上流直進フィーダ及び下流直進フィーダの少なくとも2つの直進フィーダと、前記各直進フィーダの駆動を制御する制御手段とを備える組合せ計量装置であって、
前記下流直進フィーダのトラフにおける前記搬送方向の上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段と、
前記上流物品検知手段よりも前記搬送方向の下流側における物品を検知する下流物品検知手段とを備え、
前記制御手段は、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されないときには、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動すると共に、前記上流直進フィーダの駆動を開始して、第1所定時間が経過したときには、前記上流直進フィーダの振動強度を高めた駆動を行うものであり、
前記制御手段は、物品を下流側へ搬送するように前記下流直進フィーダを駆動するものであり、
前記制御手段は、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動して、前記上流直進フィーダの駆動を停止してから、前記下流物品検知手段で物品を検知しない状態が、第2所定時間継続したときには、前記上流直進フィーダの駆動を開始する、
ことを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項4】
貯留した物品を、前記上流直進フィーダのトラフの上流側端部へ供給する貯留ホッパと、
前記制御手段によって制御されると共に、前記貯留ホッパから前記上流直進フィーダの前記トラフへの前記物品の供給の異常を報知する報知手段とを備え、
前記制御手段は、前記上流直進フィーダの振動強度を高めた前記駆動を開始してから、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されない状態が、予め定めた時間継続したときには、前記報知手段によって、前記物品の供給の異常が生じていることを報知する、
請求項1または3に記載の組合せ計量装置。
【請求項5】
前記下流直進フィーダにおけるトラフの下流側端部の物品を検知する物品センサを備え、
前記制御手段は、前記物品センサによって、物品が検知されないときには、前記下流直進フィーダを、前記物品センサによって、物品が検知されるまで駆動する、
請求項2または3に記載の組合せ計量装置。
【請求項6】
前記上流物品検知手段よりも前記搬送方向の下流側の物品を検知する前記下流物品検知手段は、前記物品センサ、及び、前記下流直進フィーダよりも下流側に配置された計量ホッパの物品の重量を計量する重量センサの少なくともいずれか一方のセンサである、
請求項5に記載の組合せ計量装置。
【請求項7】
前記上流直進フィーダ及び前記下流直進フィーダの少なくとも2つの直進フィーダを一連とし、複数連の直進フィーダが、直線状に並ぶように列設され、
各連の直進フィーダの前記下流直進フィーダから供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量する計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並ぶように列設されている、
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や菓子類等の各種の物品を所定量ずつ組合せ計量する組合せ計量装置に係り、特には、多品種の物品を少量ずつ混合計量するのに好適な組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数品種の物品を混合計量するのに好適な計量装置として、例えば、特許文献1には、供給ホッパと計量ホッパとを上下に一連に有する計量ユニットの複数連、及び、各計量ユニットに物品を供給する供給ユニットを、直線状に並ぶように列設した、いわゆる、横型配置の組合せ計量装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、複数品種の物品を混合計量する計量装置として、供給される物品を外方へ搬送する円錐状の分散フィーダの周囲に、供給ホッパ及び計量ホッパを有する計量ユニットを、円周方向に沿って配置する、いわゆる、円形配置の組合せ計量装置が開示されている。
【0004】
この円形配置の組合せ計量装置では、混合計量する物品の品種を増やしたい場合には、分散フィーダを大径にして、その周囲に円周方向に沿って配置される供給ホッパ及び計量ホッパを有する計量ユニットの数を増やして、分散フィーダを中心として全方向に占有スペースを広げる必要がある。
【0005】
これに対して、横型配置の組合せ計量装置では、混合計量する物品の品種を増やしたい場合には、直線状に列設される計量ユニットの連数及び供給ユニットを、直線状に増設すればよく、円形配置の組合せ秤に比べて、平面的にコンパクトに構成できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-77074号公報
【文献】特開2012-237576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の横型配置の組合せ計量装置では、供給ユニットの貯留ホッパから供給フィーダに物品が供給され、供給フィーダによって、計量ユニットの供給ホッパに物品が搬送される。
【0008】
貯留ホッパ内の物品の量が少なくなって、人手によって物品の補給を行う場合に、人手を介在させない自動運転の継続時間を長くするためには、貯留ホッパの容量を大きくして、多量の物品を貯留できるようにする必要がある。
【0009】
しかし、貯留ホッパの容量を大きくして、多量の物品を貯留できるようにすると、物品の種類によっては、貯留ホッパから供給フィーダへ物品が供給される供給口付近で物品が詰ったり、あるいは、貯留ホッパ内で物品が停滞して詰る場合がある。
【0010】
かかる場合には、作業者が手動で物品の詰りを崩して正常に物品が搬送されるようにする必要がある。
【0011】
また、上記特許文献1に開示されているように、物品の搬送方向の上流側から下流側へ複数の供給フィーダを縦列配置し、物品を、上流側の供給フィーダから下流側の供給フィーダへ順次振動搬送する場合がある。この場合に、上流側の供給フィーダの終端部から下流側の供給フィーダの始端部へ物品が供給されたことを、センサによって検知し、上流側の供給フィーダの駆動を停止する制御を行うと、次のような不具合が生じることがある。
【0012】
すなわち、センサは、下流側の供給フィーダの始端部の物品を検知するのであるが、後述するように、物品が、例えば細長い形状の物品であるときには、上流側の供給フィーダの終端部から、物品の一部が、下流側の供給フィーダの始端部の上方へ飛び出したときに、前記センサがその物品を検知して、上流側の供給フィーダから下流側の供給フィーダへ物品が供給されたとして上流側の供給フィーダの駆動を停止する。このとき、上流側の供給フィーダの終端部から下流側の供給フィーダの始端部の上方へ飛び出してバランスした状態の物品が、そのままの状態で静止すると、センサは、物品を検知した検知状態のままとなり、下流側の供給フィーダの始端部には、物品が存在しているとして、上流側の供給フィーダは、下流側の供給フィーダへ物品を供給する必要がないとして、駆動を停止したままとなる。
【0013】
このように、上流側の供給フィーダの終端部から下流側の供給フィーダの始端部の上方へ飛び出してバランスした状態の物品を、上流側の供給フィーダから下流側の供給フィーダへ供給された物品であると誤検知し、上流側の供給フィーダの駆動を停止した状態のままとなり、以降の物品の搬送に支障を来たすことがある。
【0014】
かかる場合には、作業者が、上流側の供給フィーダの終端部で飛び出してバランスしている物品を、下流側の供給フィーダへ供給し、正常に物品が搬送されるようにする必要がある。
【0015】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、物品の詰りや物品の搬送が妨げられても、それを可及的に解消できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0017】
(1)本発明は、物品を、搬送方向の上流側から下流側へ順次振動搬送する上流直進フィーダ及び下流直進フィーダの少なくとも2つの直進フィーダと、前記各直進フィーダの駆動を制御する制御手段とを備える組合せ計量装置であって、
前記下流直進フィーダのトラフにおける前記搬送方向の上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段を備え、前記制御手段は、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されないときには、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動すると共に、前記上流直進フィーダの駆動を開始して、所定時間が経過したときには、前記上流直進フィーダの振動強度を高めた駆動を行う。
【0018】
本発明によると、下流直進フィーダのトラフにおける上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段で、物品が検知されないとき、すなわち、下流直進フィーダのトラフにおける上流側端部に物品が存在しないときには、上流直進フィーダを、上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動する。
【0019】
この上流直進フィーダの駆動開始から所定時間経過しても、上流物品検知手段によって、物品が検知されないとき、すなわち、下流直進フィーダのトラフにおける上流側端部に物品が供給されないときには、上流直進フィーダに物品が供給されておらず、上流直進フィーダの上流側、例えば、上流直進フィーダへの物品の供給口付近などで物品が詰っているとして、上流直進フィーダの振動強度を高めた駆動を行うので、この高い振動強度で駆動される上流直進フィーダの強い振動によって、物品の詰りを崩して詰りを解消するといったことが可能となり、作業者が手動で物品の詰りを解消する必要がない。
【0020】
(2)本発明は、物品を、搬送方向の上流側から下流側へ順次振動搬送する上流直進フィーダ及び下流直進フィーダの少なくとも2つの直進フィーダと、前記各直進フィーダの駆動を制御する制御手段とを備える組合せ計量装置であって、
前記下流直進フィーダのトラフにおける前記搬送方向の上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段と、前記上流物品検知手段よりも前記搬送方向の下流側における物品を検知する下流物品検知手段とを備え、前記制御手段は、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されないときには、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動するものであり、前記制御手段は、物品を下流側へ搬送するように前記下流直進フィーダを駆動するものであり、前記制御手段は、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動して、前記上流直進フィーダの駆動を停止してから、前記下流物品検知手段で物品を検知しない状態が、所定時間継続したときには、前記上流直進フィーダの駆動を開始する。
【0021】
本発明によると、下流直進フィーダのトラフの上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段で、物品が検知されないときには、上流直進フィーダを、上流物品検知手段によって、下流直進フィーダのトラフの上流側端部の物品が検知されるまで駆動し、上流物品検知手段で物品を検知すると、駆動を停止する。
【0022】
このとき、物品が、例えば、細長い形状の物品であるような場合には、上流直進フィーダの終端部から、物品の一部が、下流直進フィーダの始端部である上流側端部の上方へ飛び出し、バランスした状態で静止することがある。このとき、上流物品検知手段は、上流直進フィーダの終端部から下流直進フィーダの上流側端部の上方へ飛び出してバランスした状態の物品を、上流直進フィーダから下流直進フィーダへ物品が供給されたとして誤検知し、上流直進フィーダの駆動が停止されたままの状態が継続し、物品の搬送に支障を来たすことがある。
【0023】
本発明によると、上流直進フィーダの駆動を停止してから、下流物品検知手段で物品を検知しない状態が、所定時間継続したときには、上記ように上流物品検知手段が、誤検知して物品の搬送に支障が生じているとして、上流直進フィーダの駆動を開始する。これによって、上流直進フィーダの終端部から、物品の一部が、下流直進フィーダの上流側端部の上方へ飛び出してバランスした状態で静止していた物品が、下流直進フィーダへ供給され、物品の正常な搬送が再開されるので、作業者が上流直進フィーダの終端部から飛び出してバランスしている物品を下流直進フィーダへ供給する必要がない。
【0024】
(3)本発明は、物品を、搬送方向の上流側から下流側へ順次振動搬送する上流直進フィーダ及び下流直進フィーダの少なくとも2つの直進フィーダと、前記各直進フィーダの駆動を制御する制御手段とを備える組合せ計量装置であって、
前記下流直進フィーダのトラフにおける前記搬送方向の上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段と、前記上流物品検知手段よりも前記搬送方向の下流側における物品を検知する下流物品検知手段とを備え、前記制御手段は、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されないときには、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動すると共に、前記上流直進フィーダの駆動を開始して、第1所定時間が経過したときには、前記上流直進フィーダの振動強度を高めた駆動を行うものであり、前記制御手段は、物品を下流側へ搬送するように前記下流直進フィーダを駆動するものであり、前記制御手段は、前記上流直進フィーダを、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動して、前記上流直進フィーダの駆動を停止してから、前記下流物品検知手段で物品を検知しない状態が、第2所定時間継続したときには、前記上流直進フィーダの駆動を開始する。
【0025】
前記第1所定時間と前記第2所定時間は、異なるのが好ましいが、同じであってもよい。
【0026】
本発明によると、上流直進フィーダの駆動を開始して、上流物品検知手段によって、物品が検知されないまま、第1所定時間が経過したときには、上流直進フィーダの上流側、例えば、上流直進フィーダへの物品の供給口付近などで物品が詰っているとして、上流直進フィーダの振動強度を高めた駆動を行うので、この高い振動強度で駆動される上流直進フィーダの強い振動によって、物品の詰りを崩して詰りを解消するといったことが可能となり、作業者が手動で物品の詰りを解消する必要がない。
【0027】
更に、本発明によると、上流直進フィーダの駆動を停止してから、下流物品検知手段で物品を検知しない状態が、第2所定時間継続したときには、上流物品検知手段が、上流直進フィーダの終端部から下流直進フィーダの上流側端部の上方へ飛び出してバランスした状態の物品を、上流直進フィーダから下流直進フィーダへ物品が供給されたと誤検知して物品の搬送に支障が生じているとして、上流直進フィーダの駆動を開始する。これによって、上流直進フィーダの終端部から飛び出した物品が、下流直進フィーダへ供給され、物品の正常な搬送が再開されるので、作業者が上流直進フィーダの終端部から飛び出してバランスしている物品を下流直進フィーダへ供給する必要がない。
【0028】
(4)本発明の好ましい実施態様では、貯留した物品を、前記上流直進フィーダのトラフの上流側端部へ供給する貯留ホッパと、前記制御手段によって制御されると共に、前記貯留ホッパから前記上流直進フィーダの前記トラフへの前記物品の供給の異常を報知する報知手段とを備え、前記制御手段は、前記上流直進フィーダの振動強度を高めた前記駆動を開始してから、前記上流物品検知手段によって、物品が検知されない状態が、予め定めた時間継続したときには、前記報知手段によって、前記物品の供給の異常が生じていることを報知する。
【0029】
この実施態様によると、上流直進フィーダの上流側、例えば、上流直進フィーダへ物品を供給する貯留ホッパの供給口付近などで物品が詰っているとして、上流直進フィーダの振動強度を高めた駆動を行っても、上流物品検知手段で、物品が検知されない状態が、予め定めた時間継続したときには、上流直進フィーダの振動強度を高めた駆動によっても物品の詰りを崩すことができなかったとして、物品の供給に異常が生じていることを、報知手段によって報知することができる。これによって、物品の詰り等の異常が生じていることを認識した作業者は、それを解消するために、物品の詰りを手動で崩すなどの適宜の措置を取ることができる。
【0030】
(5)本発明の好ましい実施態様では、前記下流直進フィーダにおけるトラフの下流側端部の物品を検知する物品センサを備え、前記制御手段は、前記物品センサによって、物品が検知されないときには、前記下流直進フィーダを、前記物品センサによって、物品が検知されるまで駆動する。
【0031】
この実施態様によると、下流直進フィーダにおけるトラフの下流側端部の物品を検知する物品センサで、物品が検知されないときには、下流直進フィーダを、物品センサで物品が検知されるまで駆動するので、上流直進フィーダから下流直進フィーダのトラフの上流側端部に物品が供給されていれば、下流直進フィーダのトラフの下流側端部へ物品が搬送されて、物品センサで検知することができる。
【0032】
(6)本発明の他の実施態様では、前記上流物品検知手段よりも前記搬送方向の下流側の物品を検知する前記下流物品検知手段は、前記物品センサ、及び、前記下流直進フィーダよりも下流側に配置された計量ホッパの物品の重量を計量する重量センサの少なくともいずれか一方のセンサである。
【0033】
この実施態様によると、下流直進フィーダにおけるトラフの下流側端部の物品を検知する物品センサ、または、下流直進フィーダよりも下流側の計量ホッパの物品の重量を計量する重量センサによって、物品が下流側へ供給されたか否かを検知することができる。
【0034】
(7)本発明の更に他の実施態様では、前記上流直進フィーダ及び前記下流直進フィーダの少なくとも2つの直進フィーダを一連とし、複数連の直進フィーダが、直線状に並ぶように列設され、各連の直進フィーダの前記下流直進フィーダから供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量する計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並ぶように列設されている。
【0035】
この実施態様によると、供給ホッパ及び計量ホッパを上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並ぶように列設され、各供給ホッパへ物品を供給する直進フィーダの複数連が、直線状に並ぶように列設されるので、例えば、供給ホッパへ供給する物品の品種が多品種に亘る場合のように、計量ユニットの複数連を構成する連の数を多くしたい場合には、直線状に列設される計量ユニット及び直進フィーダを、直線状に増設すればよく、上記特許文献2のように分散フィーダを大径にして、分散フィーダを中心として全方向に占有スペースを広げる必要がなく、平面的にコンパクトなものとなる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によると、下流直進フィーダのトラフにおける上流側端部に物品が存在しないときには、上流直進フィーダを、上流物品検知手段によって、物品が検知されるまで駆動し、この上流直進フィーダの駆動開始から所定時間経過しても、上流物品検知手段によって、物品が検知されないときには、上流直進フィーダに物品が供給されておらず、上流直進フィーダの上流側、例えば、上流直進フィーダへの物品の供給口付近などで物品が詰っているとして、上流直進フィーダの振動強度を高めて駆動するので、この振動強度の高い上流直進フィーダの強い振動によって、物品の詰りを崩し、上流直進フィーダへ物品が円滑に供給されるようにするといったことが可能となり、作業者が手動で物品の詰りを崩すといった必要がない。
【0037】
また、下流直進フィーダのトラフにおける上流側端部の物品を検知する上流物品検知手段で、物品が検知されるまで、上流直進フィーダを駆動し、上流物品検知手段で物品を検知して、上流直進フィーダの駆動を停止したときに、上流直進フィーダの終端部から、物品の一部が、下流直進フィーダの上方へ飛び出してバランスした状態で静止し、上流物品検知手段が、上流直進フィーダから下流直進フィーダへ物品が供給されたと誤検知したような場合には、上流直進フィーダの駆動を開始するので、上流直進フィーダの終端部から、物品の一部が、下流直進フィーダの上方へ飛び出してバランスした状態で静止していた物品が、下流直進フィーダへ供給され、正常な物品の搬送が再開されるので、作業者が、上流直進フィーダの終端部から飛び出してパランスしている物品を下流直進フィーダへ供給する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置の概略側面図である。
【
図5】
図5は
図1の一方の計量装置1Aの要部の制御ブロック図である。
【
図6】
図6は直進フィーダ及び計量ユニット付近の概略構成を模式的に示す側面図である。
【
図7】
図7は直進フィーダの駆動制御を説明するための
図6の一部を示す側面図である。
【
図8】
図8は直進フィーダにおける物品の供給の異常を説明するための
図7に対応する側面図である。
【
図9】
図9は下流直進フィーダの制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は上流直進フィーダの制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は上流物品センサの誤検知処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は貯留ホッパでの詰り処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は本発明の他の実施形態の直進フィーダ及び計量ユニット付近の概略構成を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置の側面図であり、
図2は、その平面図であり、
図3は、
図1の一方の計量装置の概略正面図であり、
図4は、
図3の一方の計量装置の要部の概略側面図である。
【0041】
この実施形態の組合せ計量装置は、各種の食品や菓子、等の多品種、例えば8品種の物品を所定少量ずつ組合せ計量するものであり、例えば、ナッツ、あられ、豆菓子、などに味醂煮した小魚を1,2匹混合したおつまみセットを混合計量するような場合に好適である。
【0042】
この組合せ計量装置は、第1床面F1に設置されて、計量された物品を床面下方に設置した図示されていない包装装置に投入して袋詰めする包装ラインに利用される。
【0043】
なお、構造を理解し易くするために、以下の説明では、
図1,
図2,
図4における横方向、及び、
図3における紙面表裏方向を前後方向、また、
図1,
図4における紙面表裏方向、及び、
図3における横方向を左右方向と呼称することとする。
【0044】
図1,
図2に示すように、この組合せ計量装置は、作業者が左右に通過移動可能な中央通路Rを挟んで、前後1組の計量装置1A,1Bが向い合せに配置された構造となっている。各計量装置1A,1Bは、基本的には同仕様に構成されており、以下に、計量装置1A,1Bの構造を説明する。
【0045】
各計量装置1A,1Bにおける内側(中央通路R側)には、支持台枠2を介して左右に長く2台の基体3が所定高さ位置に設置されるとともに、基体3の外側(中央通路Rと反対側)には、多数連の計量ユニット4が左右一列状に装備されている。この例では、各計量装置1A,1Bに、それぞれ一列12連の計量ユニット4が装備されて、両計量装置1A,1B合わせて24連の計量ユニット4で多品種の物品の組合せ計量を行うようになっている。
【0046】
また、計量ユニット4群の更に外側には、計量される多品種の物品を各計量ユニット4の上部に供給する物品供給部5が配備されている。
【0047】
1連の計量ユニット4は、基本的に従来と同様であり、物品供給部5から搬送されてきた物品を受け取って一旦貯留して排出する開閉自在なゲートを有する供給ホッパ6と、供給ホッパ6から排出された物品を貯留してその重量を測定して排出する開閉自在なゲートを有する計量ホッパ7と、計量ホッパ7で計量され排出された物品を受け取って一時貯留して排出する開閉自在なゲートを有するメモリホッパ8とを上下縦列状に配置した構造となっている。
【0048】
なお、供給ホッパ6、計量ホッパ7、メモリホッパ8は、基体3に対して、従来と同様にして着脱可能に取付けられる。これらホッパ6,7,8のゲート駆動機構や計量ホッパ6の重量を計測する重量センサ等が基体3に収容装備されている。
【0049】
計量ホッパ7の下端には、
図4に示すように、それぞれ独立して開閉作動可能な外ゲート7aと内ゲート7bが備えられており、外ゲート7aのみを揺動開放させることで、計量した物品が、第1集合シュート9へ排出され、内ゲート7bのみを揺動開放させることで、計量した物品が、メモリホッパ8へ排出されて一時貯留されるようになっている。
【0050】
各計量ユニット4にはメモリホッパ8が備えられているので、組合せ演算に参加できるホッパ(有効ホッパ)の数を増やすことができる。
【0051】
計量ホッパ7とメモリホッパ8の下方には、所定の重量となるように組合せ演算によって選択された複数の計量ホッパ7、あるいは、メモリホッパ8から落下送出された物品を集める4台の第1集合シュート9が左右一列状に配備されるとともに、隣接する2台ずつの第1集合シュート9の下方に、第1集合シュート9で集められた物品を一時的に受け止め貯留する2台の第1集合ホッパ10が配備されている。また、第1集合ホッパ10の下方には、各第1集合ホッパ10から落下排出された物品を滑落案内して集める第2集合シュート11と、12連の計量ユニット4を用いて計量され集められた物品を一か所に集めて一時貯留する第2集合ホッパ12が、各計量装置1A,1Bに対してそれぞれ1個ずつ配置されている。
【0052】
更に、
図1に示されるように、中央通路Rの下方には、各計量装置1A,1Bに1個ずつ備えた第2集合ホッパ12から排出された物品を一箇所に集める最終集合ホッパ13が設置され、この最終集合ホッパ13は、包装装置側からの供給要請指令に基づいて開閉制御される。なお、第2集合ホッパ12から最終集合ゲート13への物品流下案内径路には金属検知器14が備えられており、最終的に金属異物の混入が監視される。
【0053】
物品供給部5には、物品を収容する貯留タンク15と、各貯留タンク15の下端に連設された貯留ホッパ16が備えられるとともに、貯留ホッパ16の下端から繰り出された物品を12連の各計量ユニット4に向けて振動搬送する12台の供給フィーダ17が、支持台18の上部に左右に並列して配備されている。
【0054】
貯留タンク15は、第1床面F1の更に上方に設置された第2床面F2の開口部に落とし込み支持された下段タンク15aと、その上に脱着可能に位置決め連結支持された中段タンク15b及び上段タンク15cとを備えている。
【0055】
なお、小魚の味醂煮や小さな軽い煎餅などの互いにくっつきやすい物品を供給するために、
図2及び
図3に示されるように、上記とは別仕様の貯留タンク15(C)が備えられている。この別仕様の貯留タンク15(C)では、
図3に示されるように、ベルトコンベア35が用いられており、このベルトコンベア35を回転駆動することで、上部タンク36に貯留した物品を搬送して落下送出し、下段タンク15aを経て貯留ホッパ16に送り込むようになっている。
【0056】
供給フィーダ17は、2台の上流直進フィーダ17a及び下流直進フィーダ17bを先下がり階段状に縦列配置して、すなわち、上流直進フィーダ17aが上段に、下流直進フィーダ17bが下段に位置するように縦列配置して構成されている。構成されている。各直進フィーダ17a、17bは、樋状のトラフ19a,19bと、支持台18の上部に設置した加振機構20a、20bとを備えている。
【0057】
貯留ホッパ15から上流直進フィーダ17aに投入供給された物品は、振動搬送され、下流直進フィーダ17bに移載され、下流直進フィーダ17bの終端から少量ずつ計量ユニット4の供給ホッパ6に送り込まれる。
【0058】
供給フィーダ17の上方には、下段の直進フィーダ17bの上流側の始端及び下流側の終端近くにおける物品の積層高さを、例えば、レーザで検知する上流物品センサ21a及び下流物品センサ21bがそれぞれ配備されており、その物品検知情報に基づいて、後述のように各直進フィーダ17a,17bの駆動が制御される。
【0059】
図5は、この実施形態に係る組合せ計量装置の一方の計量装置1Aの要部の制御ブロック図であり、他方の計量装置1Bも基本的に同様の構成であるので、一方の計量装置1Aを代表的に示す。この
図5では、一連の計量ユニット4に対して、物品を供給する物品供給部5の主要な構成を供給ユニットとして示している。
【0060】
各部を制御する制御装置25は、基体3内に収納されており、計量装置1Aに対する操作、動作パラメータ等の各種の設定及び計量値等を表示する操作設定表示器26に接続されている。この制御装置25には、供給ユニットの上流物品センサ21a及び下流物品センサ21bの検出出力、及び、計量ホッパ7の重量を計測する重量センサ22からの重量信号が与えられる。制御装置25は、供給ユニットの上流直進フィーダ17a及び下流直進フィーダ17bの駆動を制御すると共に、各ホッパ6,7,8,10,12,13の排出用のゲートの開閉を制御する。
【0061】
この実施形態では、一方の計量装置1Aと、他方の計量装置1Bとは、LANケーブルで接続されており、操作設定表示器26を操作することによって、いずれの計量装置1A,1Bをメインの計量装置とするかを設定することができる。例えば、計量装置1Aをメインの計量装置に設定した場合には、その制御装置25の演算制御部27では、両計量装置1A,1Bの合計24連の計量ホッパ7及びメモリホッパ8の物品の重量に基づいて、組合せ演算を行って適量組合せに選択された各計量装置1A,1Bのホッパ7,8から物品を排出させることができるように構成されている。
【0062】
図6は、直進フィーダ17a,17b及び計量ユニット4付近の概略構成を模式的に示す側面図である。
【0063】
上記のように、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側である始端部の上方には、トラフ19bに供給される物品を検知するレーザ式の上流物品センサ21aが設けられる一方、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの下流側である終端部の上方には、トラフ19bの終端部の物品を検知するレーザ式の下流物品センサ21bが設けられている。
【0064】
貯留ホッパ16内の物品は、上流直進フィーダ17aの振動駆動に伴って、上流直進フィーダ17aのトラフ19aに排出されて搬送方向の下流へ振動搬送され、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの終端部から搬出されて、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの始端部に供給される。更に、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの始端部に供給された物品は、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの終端部へ搬送され、供給ホッパ6への物品の搬送命令があったときに、供給ホッパ6へ排出される。更に、供給ホッパ6へ供給された物品は、計量ホッパ7へ供給され、重量センサ22で計量された後、計量ホッパ7からメモリホッパ8または第1集合シュート9へ排出される。
【0065】
次に、この実施形態の上流直進フィーダ17a及び下流直進フィーダ17bの駆動制御について、
図6の一部を示す
図7の側面図に基づいて説明する。
【0066】
下流直進フィーダ17bは、
図7(a)に示されるように、下流物品センサ21bによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの終端部である下流側端部の物品28が検知されないとき、すなわち、トラフ19bの下流側端部に物品28が無いときには、下流物品センサ17bによって、物品28が検知されるまで駆動され、物品28をトラフ19bの下流側端部へ搬送する。
【0067】
また、下流直進フィーダ17bは、下流物品センサ21bによって、トラフ19bの下流側端部の物品28が検知されている場合、すなわち、トラフ19bの下流側端部に物品28が在るときに、供給ホッパ6への物品の搬送命令があると、駆動され、トラフ19bの下流側端部の物品28を供給ホッパ6へ排出する。
【0068】
一方、上流直進フィーダ17aは、
図7(b)に示されるように、上流物品センサ21aによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの始端部である上流側端部の物品28が検知されないとき、すなわち、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部に物品28が無いときには、上流物品センサ21aによって、物品28が検知されるまで駆動され、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの物品28を、下流直進フィーダ17bのトラフ19bへ搬出する。上流直進フィーダ17aは、物品28が、下流直進フィーダ17bのトラフ19bへ供給されて、上流物品センサ21aによって、トラフ19bの上流側端部の物品28が検知されたときに、駆動が停止される。
【0069】
上記のようにして、貯留ホッパ16内の物品が、両直進フィーダ17a,17bによって、順次上流側から下流側へ搬送され、計量ユニット4の供給ホッパ6へ供給されるのであるが、この物品の供給が、正常に行われない場合がある。
【0070】
次に、物品の供給が正常に行われない場合について説明する。
【0071】
物品によっては、例えば、小魚のような細長い物品28では、例えば、
図8(a)の
図7に対応する側面図に示すように、貯留ホッパ16の供給口付近で、上流直進フィーダ17aのトラフ19aへ円滑に供給されず、詰まりが生じたり、あるいは、貯留ホッパ16内で物品28が停滞して詰まりが生じ、物品28が、上流直進フィーダ17aのトラフ19aに供給されない場合がある。
【0072】
また、上記のように、上流直進フィーダ17aは、上流物品センサ21aによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部の物品が検知されるまで駆動され、上流物品センサ21aによって、物品が検知されると駆動が停止されるのであるが、上流物品センサ21aによる誤検知に起因して、上流直進フィーダ17aの駆動が停止されたままとなり、物品が、下流直進フィーダ7bに供給されない場合がある。
【0073】
すなわち、上流直進フィーダ17aは、上流物品センサ21aによって、物品28を検知すると、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部に物品が供給されたとして駆動が停止されるのであるが、小魚や棒状などの細長い形状の物品28である場合には、上流物品センサ21aが、
図8(b)に示すように、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの排出端である下流側の端部から飛び出した状態の物品28を検知して、上流直進フィーダ17aの駆動が停止される場合がある。
【0074】
この上流直進フィーダ17aの駆動を停止したときに、物品28が、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの排出端から飛び出した状態で、後続の物品28に抑えられてバランスして静止することがある。そして、下流直進フィーダ7bのトラフ19bの上流側部へ物品28が未だ供給されていないにも関わらず、上流物品センサ21aによって、物品28が下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部に物品が供給され、上流側端部に物品が在ると誤検知され、上流直進フィーダ17aの駆動が停止されたままの状態となってしまい、下流直進フィーダ17aへの物品の供給が途絶えることになる。
【0075】
上流物品センサ21aが、上流直進フィーダ17bのトラフ19bの排出端から飛び出した物品28を誤検知しないように、上流物品センサ21aを、物品の搬送方向の下流側にずらして配置することが考えられる。しかし、上流直進フィーダ17aは、上流物品センサ21aによって、物品が検知されなくなったときに、駆動が開始されるので、上流物品センサ21aを、下流側にずらして配置すると、下流直進フィーダ17bへ物品を供給するための上流直進フィーダ17aの駆動が、下流側にずらして配置された上流物品検知センサによって物品が検知されなくなるまで開始さないことになる。
【0076】
このため、上流直進フィーダ17aの駆動の開始のタイミングが遅れ、物品の連続的な供給ができず、搬送される物品間に間隔が生じる。その結果、下流直進フィーダ17bの下流側端部に物品が存在しない状態が生じ、下流直進フィーダ17bから供給ホッパ6へ物品を供給できない、したがって、供給ホッパ6から計量ホッパ7へ物品を供給できない計量サイクルが生じる。このため、組合せ演算に参加できるホッパの数が少なくなり、組合せ精度が低下したり、組合せが成立せず、生産量が低下することになる。
【0077】
したがって、上流物品センサ21aは、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部に供給された物品を直ちに検知できるように、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部に近接して配置されるのが好ましい。
【0078】
この実施形態では、上記のような物品の詰まりや上流物品センサ21aの誤検知によって、物品の供給に支障が生じた場合に、それを、自動的に解消できるように、次のように構成している。
【0079】
先ず、貯留ホッパ16の供給口付近で、物品が詰ったり、あるいは、貯留ホッパ16内で物品が停滞して詰りが生じた場合の上流直進フィーダ17aの駆動制御について説明する。
【0080】
上記のように、上流直進フィーダ17aは、上流物品センサ21aによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部の物品が検知されないとき、すなわち、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部に物品が無いときには、上流物品センサ21aによって、物品が検知されるまで駆動される。
【0081】
この上流直進フィーダ17aの駆動を開始してから、予め設定した所定時間が経過しても、上流物品センサ21aによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの始端部の物品が検知されない状態が継続したときには、上流直進フィーダ17aに物品が供給されておらず、例えば、貯留ホッパ16の供給口付近、あるいは、貯留ホッパ16内で物品が停滞して詰りが生じているとして、上流直進フィーダ17aの振動強度を、予め設定した振動強度まで高めて駆動を継続する。振動強度は、操作設定表示器26を操作して、段階的に設定することができ、物品の性状等に応じて、振動強度を何段階高めるかが、予め設定される。
【0082】
このように上流直進フィーダ17aの振動強度を高めて駆動することによって、例えば、貯留ホッパ16の供給口付近で詰っている物品を、振動強度が高められた上流直進フィーダ17aのトラフ19aの強い振動によって崩して詰りを解消する。あるいは、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの強い振動が、貯留ホッパ16に伝達されることによって、貯留ホッパ16内で停滞している物品を崩して詰りを解消する。
【0083】
このように貯留ホッパ16の供給口付近で、物品が詰ったり、あるいは、貯留ホッパ16内で物品が停滞して詰りが生じた場合には、上流直進フィーダ17aの強い振動によってその詰りを解消することができ、作業者が手動で物品の詰りを解消する必要がない。したがって、人手を介在させない自動運転を継続することができる。
【0084】
この上流直進フィーダ17aの振動強度を高めた駆動は、物品の詰りが解消されて、物品が、上流直進フィーダ17aによって搬送され、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部に搬出され、搬出された物品が、上流物品センサ21aによって検知されるまで、あるいは、予め設定した時間継続される。また、この上流直進フィーダ17aの振動強度を強めた駆動の開始から、予め設定した所定時間が経過しても、上流物品センサ21aによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部の物品が検知されない状態が継続したときには、上流直進フィーダ17aの振動強度を高めて駆動したが、物品の詰りを解消できないとして、操作設定表示器26に、物品の詰りが生じている、すなわち、物品の供給に異常が生じていることを表示して、作業者に報知する。
【0085】
なお、物品の詰りに限らず、貯留ホッパ16が空、すなわち、物品を供給するのを忘れた場合にも、物品が、直進フィーダ17bに供給されないので、上記のようにして作業者に報知されることになる。
【0086】
この報知は、操作設定表示器26による表示に限らず、例えば、音による報知や表示灯などによる報知であってもよく、それらを組合せてもよい。
【0087】
次に、上流物品センサ21aが、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの排出端から飛び出した物品を誤検知した場合の上流直進フィーダ17aの駆動制御について説明する。
【0088】
上記のように、上流物品センサ21aが、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの排出端から飛び出した物品を検知すると、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部に物品が供給されたとして、上流直進フィーダ17aの駆動を停止する。
【0089】
この上流直進フィーダ17の駆動の停止から、下流物品センサ21bによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの下流側端部の物品が検知されない状態が、予め設定した所定時間継続したときには、上流物品センサ21aが、物品を検知していても、誤検知であるとして、上流直進フィーダ17aの駆動を開始し、予め設定した時間に亘って駆動する。この予め設定した時間は、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの排出端の物品を、下流直進フィーダ17bのトラフ19bへ排出できる時間であればよい。
【0090】
この上流直進フィーダ7aの駆動によって、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの排出端から飛び出した状態でバランスしている物品が、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部へ落下排出される。これによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部へ供給された物品は、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの下流側端部へと搬送され、上流物品センサ21aによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流端部の物品が検知されなくなると、上流直進フィーダ17bの駆動が開始される。
【0091】
このようにして、上流物品センサ21aの誤検知によって物品の搬送に支障が生じてもそれを自動的に解消することができるので、人手を介在させない自動運転を継続することができる。
【0092】
上記では、下流物品センサ21bによって、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの下流側端部の物品が検知されない状態が、予め設定した所定時間継続したときには、上流直進フィーダ17aの駆動を開始したが、下流物品センサ21bに代えて、対応する計量ホッパ7の重量を検出する重量センサ22で、物品が供給されない空の状態が、予め設定した時間継続したときに、上流直進フィーダ17aの駆動を開始するようにしてもよい。
【0093】
次に、この実施形態の直進フィーダの動作を、
図9~
図12のフローチャートに基づいて説明する。
【0094】
図9は、下流直進フィーダ17bの制御処理の一例を示すフローチャートであり、
図10は、上流直進フィーダ17aの制御処理の一例を示すフローチャートである。いずれも一定時間毎、例えば、10msec毎に実行されるプログラムである。
【0095】
先ず、
図9に示されるように、運転スイッチがONされていると(ステップS1)、供給ホッパ6へ物品を供給中であることを示す「供給ホッパへ供給中フラグ」がONしているか否かを判断し(ステップS2)、ONしているときには、物品を供給中であるので、供給中の時間を計測する供給中タイマーのカウント値を1カウント減算し(ステップS3)、供給中タイマーがタイムアップしたか否か判断し(ステップS4)、タイムアップしたときには、供給ホッパ6への物品の供給が終了したとして「供給ホッパへ供給中フラグ」をOFFし(ステップS5)、下流直進フィーダ17bの駆動を停止(OFF)し(ステップS6)、運転スイッチがOFFされていないときには、ステップS2に戻る(ステップS7)。
【0096】
ステップS2において、「供給ホッパへ供給中フラグ」がONしていないときには、下流物品センサ21bで物品を検出したか否かを判断し(ステップS8)、物品を検出したときには、供給ホッパ6へ物品を搬送する搬送命令があるか否かを判断し(ステップS9)、供給ホッパ6への物品の搬送命令がないときには、ステップS6に移る。
【0097】
ステップS9において、供給ホッパ6への物品の搬送命令が有るときには、供給ホッパ6へ物品を供給するので、「供給ホッパ6へ供給中フラグ」をONして(ステップS10)、供給中タイマーをセットし(ステップS11)、下流直進フィーダ17bの駆動を開始(ON)して(ステップS12)、ステップS7に移る。
【0098】
ステップS8において、下流物品センサ21bで物品を検出していないときには、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの下流側端部へ物品を搬送するために、ステップS12に移って下流直進フィーダ17bの駆動を開始する。
【0099】
図10の上流直進フィーダ17aの制御処理では、先ず、運転がONされていると(ステップS20)、上流物品センサ21aで物品を検出したか否かを判断し(ステップS21)、物品を検出したときには、上流直進フィーダ17aの駆動を停止(OFF)し(ステップS22)、下流直進フィーダ17bで物品を搬送中であることを示す「下流直進フィーダで搬送中フラグ」がONしているか否かを判断し(ステップS23)、「下流直進フィーダで搬送中フラグ」がONしていないときには、ステップS24に移る。
【0100】
ステップS24では、下流物品センサ21bで物品を検出したか否かを判断し、物品を検出していないときには、下流直進フィーダ17bで物品を搬送中であることを示す「下流直進フィーダで搬送中フラグ」をONし(ステップS25)、運転スイッチがOFFしていないときには、ステップS21に戻る(ステップS26)。
【0101】
ステップS23において、「下流直進フィーダ17bで搬送中フラグ」がONであるときには、上流物品センサ21aの誤検知処理へ移行して(ステップS27)、ステップS26に移る。
【0102】
ステップS21において、上流物品センサ21aで物品を検出しないときには、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部へ物品を供給するために、上流直進フィーダ17aの駆動を開始(ON)し(ステップS28)、上流直進フィーダ17aで物品を搬送中であることを示す「上流直進フィーダで搬送中フラグ」がONしているか否かを判断し(ステップS29)、「上流直進フィーダで搬送中フラグ」がONしていないときには、「上流直進フィーダで搬送中フラグ」をONしてステップS26に移り(ステップS30)、「上流直進フィーダで搬送中フラグ」がONしているときには、貯留ホッパ16での詰り処理に移行して(Sステップ31)、ステップS26に移る。
【0103】
図11は、上記
図10における上流物品センサ17aの誤検知処理(ステップS27)の一例を示すフローチャートである。
【0104】
先ず、誤検知処理フラグがONしているか否かを判断し(ステップS100)、ONしていないときには、誤検知タイマーをセットし(ステップS107)、誤検知処理フラグをONして戻る(ステップS108)。
【0105】
ステップS100において、誤検知処理フラグがONしているときには、下流物品センサ21bで物品を検出したか否かを判断し(ステップS101)、物品を検出していないときには、誤検知タイマーのカウント値を1カウント減算し(ステップS102)、誤検知タイマーが、タイムアップしたか否かを判断し(ステップS103)、タイムアップしていないときは戻り、タイムアップしたときには、ステップS104に移る。
【0106】
ステップS104では、上流物品センサ21aによる誤検知であるとして、上流直進フィーダ17aを一定時間駆動して、上流直進フィーダ17aのトラフ19aの排出端から飛び出した状態でバランスしている物品を、下流直進フィーダ17bのトラフ19bの上流側端部へ供給し、誤検知処理フラグをOFFして(ステップS105)、「下流直進フィーダで搬送中フラグ」をOFFして戻る(ステップS106)。
【0107】
ステップS101において、下流物品センサ21bで物品を検出したときには、ステップS105に移る。
【0108】
図12は、上記
図10における貯留ホッパ16での詰り処理(ステップS31)の一例を示すフローチャートである。
【0109】
先ず、貯留ホッパでの詰り処理フラグがONしているか否かを判断し(ステップS200)、詰り処理フラグがONしていないときには、貯留ホッパでの詰り処理フラグをONして(ステップS209)、詰り検出タイマーをセットして(ステップS210)、戻る。
【0110】
ステップS200において、貯留ホッパ16での詰り処理フラグがONしているときには、上流物品センサ21aで物品を検出したか否かを判断し(ステップS201)、物品を検出していないときには、詰り検出タイマーのカウント値を1カウント減算し(ステップS202)、詰り検出タイマーがタイムアップしたか否かを判断し(ステップS203)、タイムアップしたときには、上流直進フィーダ17aの振動強度を高めて、一定時間駆動し(ステップS204)、ステップS205に移る。
【0111】
ステップS205では、上流物品センサ21aで物品を検出したか否かを判断し、物品を検出していないときには、表示によって物品の供給に異常が生じていることを報知し(ステップS206)、ステップS207に移り、物品を検出したときには、ステップS207に移る。
【0112】
ステップS207では、貯留ホッパ16での詰り処理フラグをOFFして、上流直進フィーダ17aで搬送中フラグをOFFして戻る(ステップS208)。
【0113】
ステップS205において、上流物品センサ21aで物品を検出したときには、ステップS207に移る。
【0114】
上記のように本実施形態によれば、上流直進フィーダ17aの上流側、例えば、上流直進フィーダ17aへの物品の供給口付近などで物品が詰っているときには、上流直進フィーダ17aの振動強度を高めて駆動するので、この振動強度の高い上流直進フィーダ17aの強い振動によって、物品の詰りを崩し、上流直進フィーダ17aへ物品が円滑に供給されるようにするといったことが可能となり、作業者が手動で物品の詰りを崩すといった必要がない。
【0115】
また、上流物品センサ21aが、上流直進フィーダ17aの終端部から、物品の一部が、下流直進フィーダ17bの上方へ飛び出してバランスした状態で静止している物品を、上流直進フィーダ17aから下流直進フィーダ17bへ物品が供給されたと誤検知したような場合には、上流直進フィーダ17aの駆動を開始するので、バランスしていた物品を、下流直進フィーダへ供給して正常な物品の搬送が再開されるので、作業者が、上流直進フィーダの終端部から飛び出してバランスしている物品を下流直進フィーダへ供給する必要がない。
【0116】
このようにして作業者を介在させない自動運転の継続時間を長くすることができる。
【0117】
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、多品種の物品の混合計量に適用して説明したが、本発明の計量装置は、混合計量に限らず、例えば、連数を少なくして単一品種の物品の組合せ計量に適用してもよい。
【0118】
(2)上記実施形態では、直進フィーダを2台としたが、直進フィーダを3台以上設けてもよい。例えば、
図13に示すように、上流側から下流側へ3台の第1~第3直進フィーダ17
1~17
3を設けるとともに、第2直進フィーダ17
2のトラフ19
2の上流側端部の物品を検知する第1物品センサ21
1、及び、第3直進フィーダ17
3のトラフ19
3の上流側端部及び下流側端部の物品をそれぞれ検知する第2,第3物品センサ21
2,21
3を設ける。
【0119】
例えば、第1直進フィーダ171を上流直進フィーダ、第2直進フィーダ172を下流直進フィーダ、第1物品センサ211を上流物品センサとし、貯留ホッパ16における物品の詰りを解消する。
【0120】
また、例えば、第1直進フィーダ171を上流直進フィーダ、第2直進フィーダ172を下流直進フィーダ、第1物品センサ211を上流物品センサ、第2物品センサ212を下流物品センサとし、第1直進フィーダ171のトラフ191の排出端から飛び出した状態でバランスしている物品を、第2直進フィーダ172のトラフ192に供給する。あるいは、第2直進フィーダ172を上流直進フィーダ、第3直進フィーダ173を下流直進フィーダ、第2物品センサ212を上流物品センサ、第3物品センサ212を下流物品センサとし、第2直進フィーダ172のトラフ192の排出端から飛び出した状態でバランスしている物品を、第3直進フィーダ173のトラフ193に供給する
なお、第1直進フィーダ171を上流直進フィーダ、第3直進フィーダ173を下流直進フィーダとしてもよい。
【0121】
(3)上記実施形態では、各計量ユニットにメモリホッパを備えて、組合せ演算に参加できる有効ホッパの数を増やしたが、メモリホッパは、省略してもよい。
【符号の説明】
【0122】
1A,1B 計量装置
4 計量ユニット
5 物品供給部
6 供給ホッパ
7 計量ホッパ
8 メモリホッパ
15 貯留タンク
17 供給フィーダ
17a 上流直進フィーダ
17b 下流直進フィーダ
19a,19b トラフ
21a 上流物品センサ
21b 下流物品センサ
22 重量センサ
25 制御装置
26 操作設定表示器
27 演算制御部