(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】電気機械の磁石管理
(51)【国際特許分類】
H02P 29/032 20160101AFI20220829BHJP
H02P 29/60 20160101ALI20220829BHJP
【FI】
H02P29/032
H02P29/60
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2015166313
(22)【出願日】2015-08-26
【審査請求日】2018-08-22
【審判番号】
【審判請求日】2020-03-12
(32)【優先日】2014-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】パテル・バギーラス・レディ
(72)【発明者】
【氏名】アイマン・モハメッド・ファジ・エル-レファイエ
(72)【発明者】
【氏名】クム・カン・フー
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】田合 弘幸
【審判官】熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-179726(JP,A)
【文献】特開2012-186917(JP,A)
【文献】特開2013-207837(JP,A)
【文献】特開2004-187339(JP,A)
【文献】特開2014-23338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/00-6/34
H02P 27/06
H02P 29/00-29/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフェライトタイプ永久磁石を備えるモータ(50)を制御する方法(100)であって、
前記モータ(50)からの入力を受けることが可能なように前記モータ(50)と通信する動作点制御モジュール(30)がテスト電流およびテスト電圧のうちの1つを前記モータ(50)に注入するステップと、
前記磁石管理モジュール(10)は、
前記テスト電流およびテスト電圧のうちの1つに基づいて前記温度が前記複数のフェライトタイプ永久磁石が減磁を受ける可能性のある所定の温度よりも低いかどうかを決定するステップ(112)と、
前記温度が前記所定の温度よりも低い場合には、
前記複数の永久磁石(52)の減磁を防止するために前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)を加熱するステップ(114)
と
を含
み、
前記温度が所定の温度よりも低いかどうかを決定する前記ステップ(112)が、前記温度が前記所定の温度よりも低い場合には、前記モータ(50)を動作させる前にユーザが前記モータ(50)の即時使用を受け入れることが可能であるかどうかを決定するステップを含む、方法(100)。
【請求項2】
前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)は、所定の時間期間にわたり加熱される、請求項1記載の方法(100)。
【請求項3】
前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)は、前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)が特定の温度に到達するまで加熱される、請求項1記載の方法(100)。
【請求項4】
前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)は、上昇温度の所定のレートで加熱される、請求項1記載の方法(100)。
【請求項5】
前記ユーザが前記モータ(50)の即時使用を希望しない場合には、前記複数の永久磁石(52)の減磁を防止するために、前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)が加熱される、請求項
1記載の方法(100)。
【請求項6】
前記磁石管理モジュール(10)が、前記受信するステップ(110)、前記推定するステップ(110)、前記決定するステップ(112)及び、前記加熱するステップ(114)
を繰り返す、請求項1記載の方法(100)。
【請求項7】
モータ(50)を制御する制御モジュールであって、
動作点制御モジュール(30)と、
前記動作点制御モジュール(30)と通信する磁石管理モジュール(10)とを含み、
前記動作点制御モジュール(30)が、
テスト電流およびテスト電圧のうちの1つを前記モータ(50)に注入し、
前記磁石管理モジュール(10)が、
前記テスト電流およびテスト電圧のうちの1つから前記モータ(50)の中の複数のフェライトタイプ永久磁石(52)の温度を推定し、
前記温度を所定の温度と比較し、
前記温度が前記所定の温度よりも低い場合には、
電流注入命令を前記モータ(50)の前記動作点制御モジュール(30)に送信し、前記電流注入命令は、前記モータ(50)に電流を注入することにより、前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)の減磁を防止するように構成されている命令を含
み、
前記温度が所定の温度よりも低いかどうかを決定することが、前記温度が前記所定の温度よりも低い場合には、前記モータ(50)を動作させる前にユーザが前記モータ(50)の即時使用を受け入れることが可能であるかどうかを決定することを含む、制御モジュール。
【請求項8】
前記電流注入命令が、
固定持続期間にわたり前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)を加熱すること、
所定の温度まで前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)を加熱すること、および、
温度の上昇の所定のレートで前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)を加熱すること
のうちの1つを行うように構成されている命令を含む、請求項
7に記載の制御モジュール。
【請求項9】
前記電流注入命令が
、前記モータ(50)の起動を遅らせること
を行うように構成されている前記動作点制御モジュール(30)のための命令を含む、請求項
7に記載の制御モジュール。
【請求項10】
フェライトタイプ永久磁石モータ(50)を制御する方法(200)であって、
モータ(50)から前記モータの複数の永久磁石(52)のフラックスレベルを受信するステップ(210)と、
前記フラックスレベルを磁石管理モジュール(10)に送信するステップとを含み、
前記磁石管理モジュール(10)が、
前記フラックスレベルが所定のレベルを超えているかどうかを決定し(212)、
前記フラックスレベルが前記所定のレベルを超えている場合には、
前記複数の永久磁石(52)の減磁を防止するために前記複数のフェライトタイプ永久磁石(52)を加熱すること(214)
を行い、
前記フラックスレベルが、
電流および電圧のうちの1つを前記モータ(50)に注入することに基づいて前記磁石管理モジュール(10)により推定される、方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して、電気機械、および、減磁を防止するためにフェライトタイプ磁石モータの中の磁石を加熱することに関し、より具体的には、これらの加熱手法の磁石管理、ならびに/または、電気自動車および/もしくはハイブリッド電気自動車、ならびに、他の用途で使用され得るモータに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な産業において電気機械を使用することは、時間とともに、多数の工業、商業、および輸送産業において、より広く普及し続けている。電気機械における高い性能を実現させようとする試みにおいて、永久磁石(PM)材料を使用することを選ぶことが、多くの用途でより一般的になってきている。そのような機械では、PMは、従来の設計の中の電磁石を交換することが可能であるか、または、新規なトポロジを開発し、PMの特性および性質を最大限に利用することができる。
【0003】
開発された1つのPM電気機械トポロジは、「ステータ永久磁石機械」と称され、機械の中のPMがステータの上に位置決めされるように設計された電気機械である。したがって、ステータ永久磁石機械は、それに限定されないが、永久磁石フラックススイッチング機械、永久磁石フラックス反転機械、および二重突極性(doubly-salient)永久磁石機械を表すことが可能である。開発された別のPM電気機械トポロジは、「内部永久磁石(IPM)機械」と称され、機械の中のPMがロータの積層体の内側に埋め込まれるように設計された電気機械である。したがって、IPM機械は、航空機、自動車、および産業利用を含む、様々な用途で幅の広く使用されるIPMモータまたは発電機を表すことが可能である。
【0004】
PM電気機械を構築および動作させるときに考慮される1つの事項は、PMの減磁である。電気機械が極めて高い温度または極めて低い温度に露出される場合、用いられるPMのタイプに応じて、PMの減磁が起こる可能性がある。たとえば、PMが希土類磁石である場合、極めて高い温度へPMを露出させることは、PMが減磁をより受けやすくする可能性がある。逆に、PMがフェライト磁石である場合、低い温度(たとえば、-40℃~60℃)へPMを露出させることは、PMが減磁をより受けやすくする可能性がある。
【0005】
PM電気機械の中のフェライト磁石の使用は、希土類磁石の使用と比較して、コスト節約を提供することが可能であり、したがって、フェライト磁石の使用が、いくつかのPM電気機械では望ましいことを理解されたい。フェライト磁石は、希土類磁石と比較して、より低い温度で減磁する傾向があるが、フェライト磁石は、希土類磁石よりも高い温度で減磁する傾向は少ない。したがって、低い温度でフェライト磁石の減磁を防止するための解決策を提供することができれば、フェライト磁石PM機械は、希土類磁石PM機械の望ましい代替物となる可能性がある。
【0006】
結果として、上述の参照特許出願は、PM機械の中にフェライト磁石の減磁を防止するための様々なシステムおよび方法を提供する。これは、より広い室温の範囲にわたって使用可能なフェライト磁石PM機械、ならびに、耐腐食性の改善および安定性の改善を示すフェライト磁石PM機械につながる。次いで、改善したPM機械は、たとえば、車両用途を含む幅広い用途の範囲においての機会の増大につながる可能性がある。
【0007】
したがって、たとえば、それらのPM機械の中でこれらのフェライトタイプ磁石の方法およびシステムを利用するモータを含む車両(および、他の用途)の動作を改善する機会が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第20130207498号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、低い温度における磁石の減磁に起因する機械性能の劣化を緩和する、フェライトタイプ永久磁石電気機械を制御する方法を提供することによって、上述の欠点の少なくともいくつかを克服する。より具体的には、本発明は、それに限定されないが、電気自動車またはハイブリッド電気自動車などの中の様々な用途の磁石管理命令を提供する制御モジュール、またはコントローラに関する。
【0010】
したがって、本発明の1つの態様によれば、フェライトタイプ永久磁石電気機械を制御する方法であって、前記方法は、複数の永久磁石の温度を受信するステップおよび推定するステップのうちの1つのステップと、前記温度が所定の温度よりも低いかどうかを決定するステップと、前記温度が前記所定の温度よりも低い場合には、前記複数の永久磁石の減磁を防止するために、前記複数のフェライトタイプ永久磁石を選択的に加熱するステップ、および、前記電気機械をディレーティングする(derating)ステップのうちの少なくとも1つを行うステップとを含む。
【0011】
本発明の別の態様によれば、コントローラは、電気機械の中の複数のフェライトタイプ永久磁石の温度を受信することおよび推定することのうちの1つを行うためのプログラミング命令と、前記温度を所定の温度と比較するためのプログラミング命令と、電流注入情報を前記電気機械の動作コントローラに送信するプログラミング命令であって、前記電流注入情報は、前記複数のフェライトタイプ永久磁石の減磁を防止するように構成されている命令を含む、プログラミング命令とを含む。
【0012】
本発明の別の態様によれば、コントローラは、フェライトタイプ永久磁石機械の逆起電力を受信または推定するためのプログラミング命令であって、前記フェライトタイプ永久磁石機械は、複数のフェライトタイプ永久磁石を有する、プログラミング命令と、前記受信されたまたは推定された逆起電力を所定の逆起電力と比較するためのプログラミング命令と、電流注入情報を前記フェライトタイプ永久磁石機械の動作コントローラに送信するためのプログラミング命令であって、前記電流注入情報は、前記複数のフェライトタイプ永久磁石の減磁を防止するように構成されている命令を含む、プログラミング命令とを含む。
【0013】
本発明の別の態様によれば、フェライトタイプ永久磁石電気機械を制御する方法であって、前記方法は、複数の永久磁石の磁化レベルを受信するステップおよび推定するステップのうちの1つのステップと、前記磁化レベルが所定のレベルを超えているかどうかを決定するステップと、前記磁化レベルが前記所定のレベルを超えている場合には、前記複数の永久磁石の減磁を防止するために前記複数のフェライトタイプ永久磁石を選択的に加熱するステップ、および、前記電気機械をディレーティングするステップのうちの少なくとも1つを行うステップとを含む。
【0014】
本発明の別の態様によれば、コントローラは、電流または電圧のうちの1つをフェライトタイプ永久磁石機械に注入するためのプログラミング命令であって、前記フェライトタイプ永久磁石機械は、複数のフェライトタイプ永久磁石を有する、プログラミング命令と、前記注入することに基づいてインピーダンスを推定するためのプログラミング命令と、前記推定されたインピーダンスに基づいて前記複数のフェライトタイプ永久磁石を選択的に加熱するためのプログラミング命令と、前記機械への電流を制限するためのプログラミング命令とを含む。
【0015】
本発明の様々な他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および図面から明らかになろう。
【0016】
本発明のこれらの特徴、態様、および利点、ならびに他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して読めば、よりよく理解され、図面において、同様の符号は、図面の全体を通して、同様のパーツを表している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による磁石管理環境の概略ダイアグラムである。
【
図2】本発明の実施形態による動作の方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態による動作の方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態による、機械に課される電流限界、永久磁石磁束鎖交、または磁化レベルの、受信されたまたは推定された温度に対する変化を示すグラフである。
【
図5】本発明の実施形態による、機械の中の磁束鎖交または磁化レベルに対するインピーダンス、および、機械の中の磁束鎖交に対する電流限界の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
別段規定されていない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、現在開示されている主題に関して、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用されているように、「第1の」および「第2の」などの用語は、任意の順序、量、または重要性を表しているのではなく、むしろ、1つのエレメントを別のエレメントから区別するために使用されている。「a」、「an」、および「the」という用語は、量の限定を表しているのではなく、むしろ、参照されているアイテムの少なくとも1つの存在を表しており、また、「前方」、「後方」、「底部」、および/または「上部」という用語は、別段の記載がない限り、説明の便宜上のためだけに使用されており、任意の1つの位置または空間的な配向に限定されない。
【0019】
範囲が開示されている場合には、同じコンポーネントまたは特性に関するすべての範囲の端点は、含まれており、独立して組み合わせ可能である(たとえば、「約25重量%まで」の範囲は、「約5重量%~約25重量%」などの範囲の端点およびすべての中間値を含む)。量に関連して使用されている修正された「約」は、記述されている値を含み、また、文脈によって指定される意味を有する(たとえば、特定の量の測定に関連付けされる誤差の程度を含む)。したがって、「約」という用語によって修正された値は、必ずしも、特定されている正確な値にのみ限定されない。
【0020】
本明細書で使用されているように、「フェライトタイプ磁石」は、フェライトベースの磁石、ならびに、本明細書で論じられているフェライトベースの磁石と同様の温度関連の挙動を示す「現在公知のまたは後に開発される」磁石のタイプおよび/または磁石成分の両方を意味している。たとえば、それだけには限らないが、フェライトタイプ磁石の特定の実施形態は、考えられる限りでは、実際に、鉄と接触しない、または、微量の鉄としか接触しない、磁石および/または磁石成分を含むことが可能である。
【0021】
本明細書で使用されているように、「低い温度」は、フェライトタイプ永久磁石が減磁をより受けやすくする温度以下であることを意味している。たとえば、それだけには限らないが、約-40℃~約60℃の範囲にあることが可能である。しかし、低い温度は、上述の範囲とは異なることが可能である。たとえば、範囲は、モータサイズおよび構成、圧力、モータ用途、ならびに/または、他の要因を含む、様々な理由のために異なることが可能である。
【0022】
上記に参照されているように、本発明は、「SYSTEM AND METHOD FOR HEATING FERRITE MAGNET MOTORS FOR LOW TEMPERATURES」という表題の同一出願人による米国特許出願第14/064,547号の態様から関連および拡張されており、その内容は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれている。一般的に、それだけには限らないが、本発明は、先述の発明の方法およびシステムのさらなる用途を提供する。これらの用途は、それに限定されないが、フェライトタイプ磁石をその中に有する1つまたは複数のモータを有する車両の動作を含む。
【0023】
本発明の態様は、より低い温度で、または、より低い温度の間に、フェライトタイプ磁石の減磁の防止を支援するように構成されている磁石管理モジュール(MMM)、またはコントローラを提供する。MMMは、モータ制御モジュールの中に存在することが可能である。MMMは、フェライトタイプ磁石温度が減磁温度を超えていることを確実にするために加熱するロータまたはステータの概念を導入する。MMMは、磁石が減磁されないことを確実にするために制御可能な変数として磁石温度を有する。磁石の減磁は、フェライトタイプ磁石の磁石の動作フラックス密度および磁界強度に影響を与える可能性がある。減磁は、最終的に、モータ性能の劣化および/またはモータの破壊を結果として生じさせる可能性がある。MMMは、モータの磁束鎖交および出力トルクのうちの少なくとも1つから、残留磁気および保磁力を観察する可能性がある。
【0024】
図1~
図3を同時に参照すると、図は、本発明の態様による、磁石管理環境(
図1)の概略ダイアグラム、ならびに、動作の方法の2つのフローチャート(
図2および
図3)をそれぞれ図示している。示されているように、磁石管理モジュール(MMM)10は、制御モジュール20の中に存在しており、制御モジュール20は、モータ50または電気機械を動作させるために使用され、モータ50は、複数のフェライトタイプ磁石52をその中に含む。モータ50の用途に応じて、環境は、さらに、車両60の中に存在することが可能である。用途に応じて、MMM10は、命令および/または情報を受信し、低い温度に起因する磁石52の減磁を最終的に防止する命令および/または情報を送信する。
【0025】
MMM10は、モータ50からの温度情報12および/またはフラックス情報もしくは磁化情報18、ならびに、モータ50と通信する動作点制御モジュール30からの逆起電力情報14のうちの1つを含む情報を受信することが可能である。動作点制御モジュール30は、電流、電圧、および/または位置情報34のうちの少なくとも1つを受信し、インバータ信号32をモータ50に送信することが可能である。モータ50に送信されるインバータ信号32は、電流注入情報16に部分的に基づくことが可能である。
【0026】
MMM10は、プログラミング命令を含む制御モジュールまたはコントローラを含む。プログラミング命令は、電気機械50の中に存在している複数のフェライトタイプ永久磁石52の温度情報12を受信するための命令を含む。加えて、または代替的に、MMM10は、複数のフェライトタイプ永久磁石52の温度を推定することが可能である。また、MMM10は、受信されたおよび/または推定された温度を1つまたは複数の所定の温度と比較することが可能である。比較に基づいて、MMM10は、磁石52の減磁を防止するために、電流注入情報16を電気機械50の動作点制御モジュール30に送信する。
【0027】
さらに示されているように、動作点制御モジュール30からの逆起電力情報14は、機械50の電流、電圧、および位置34のうちの1つから導出され得る。対照的に、MMM10は、電流注入情報16を動作点制御モジュール30に送信し、そして、それは、モータ50に送信されるインバータ信号32につながり、その中の磁石52の減磁を防止するようになっている。電流注入情報16は、固定持続期間にわたり磁石52を加熱すること、所定の温度まで磁石52を加熱すること、および、磁石52の温度の上昇の所定のレートまで磁石52を加熱すること、のうちの少なくとも1つによって、複数のフェライトタイプ永久磁石52を選択的に加熱するための命令を含む。ある実施形態では、電流注入情報16は、また、モータ50の動作をディレーティングし、および/または、モータ50の動作を遅らせるための命令をさらに含む。動作をディレーティングおよび/または遅らせる1つの方式は、モータ50への電流を制限し、遅延動作のケースでは、モータ50への電流をゼロまで低減させることである。
【0028】
実施形態に応じて、磁石52の減磁を防止するために、モータ50の動作を遅らせるように送信され得る様々な命令が存在する。たとえば、限定ではないが、モータ50の動作の遅れは、モータ50の単なる不活性化動作;一定期間にわたるモータ50の遅延動作;磁石52の中で所定の温度に到達するまでのモータ50の遅延動作;および/または、温度増加の上昇の所定のレートに到達するまでのモータ50の遅延動作のうちの1つまたは複数であることが可能である。
【0029】
図2のフローチャートを参照すると、フェライトタイプ磁石電気機械50を制御するための方法100が示されている。方法100は、110において、複数のフェライトタイプ永久磁石の温度を受信および/または推定することを含むことが可能である。次いで、MMM10(
図1)は、112において、受信されたおよび/または推定された温度が所定の温度よりも低いかどうかを決定する。112において、答えが「いいえ」である(すなわち、受信されたおよび/または推定された温度が所定の温度よりも低くない)場合には、方法は、停止することが可能である。または、代替的に、MMM10は、磁石52の温度を受信および/または推定し続ける(すなわち、110に戻って再び始める)ことが可能である。
【0030】
112において、答えが「はい」である(すなわち、受信されたおよび/または推定された温度が所定の温度よりも低い)場合には、方法100は、114および116のうちの1つまたは両方に進む。114において、方法100は、MMM10によって、磁石52を選択的に加熱し続け、磁石52の減磁を防止するようになっている。代替的に、または追加的に、116において、方法100は、MMM10によって、モータ50をディレーティングし続ける。114および116のいずれかまたは両方が完了すると、方法100は終了することが可能である。代替的に、方法100は、磁石52の温度を受信および/または推定し続けること(すなわち、110)、および/または、112において、受信されたおよび/または推定された温度が所定の温度よりも低いかどうかを決定することのいずれかに随意的に戻ることが可能である。
【0031】
方法100の実施形態では、選択的な加熱(すなわち、114)は、1つまたは複数のタイプの選択的な加熱をさらに含むことが可能であり、それは、所定の期間にわたり加熱すること、磁石52が特定の所定の設定点温度に到達するまで加熱すること、および/または、上昇温度レートの所定のレートが得られるまで加熱することを含む。
【0032】
方法100の実施形態では、決定すること(すなわち、112)は、112の答えが「はい」である状況において、機械50の動作の前に時間遅延が利用可能であるかどうかを決定することをさらに含むことが可能である。たとえば、時間遅延は、車両60ユーザがモータ50および車両60の即時使用を受け入れることが可能であるか、または可能でないかについての決定を含むことが可能である。時間遅延が利用可能でない場合には、モータ50は、ディレーティングされ(すなわち、116)、または、モータ50は、磁石52を減磁させないように所定の温度に到達するまで、動作不可能にさせることが可能である。対照的に、時間遅延が利用可能である場合には、114において、選択的な加熱が行われることが可能である。116においてディレーティングすることは、モータ50に利用可能な電流を制限することによって達成され得る。
【0033】
方法100の110を参照すると、磁石温度を受信および/または推定するための様々な方式が存在する。
【0034】
実施形態によれば、複数の永久磁石52の温度を推定することは、磁石52の温度を間接的に測定することによって推定することを含むことが可能である。すなわち、磁石52の実際の温度を測定すること以外のエレメントの温度情報を、適正に取得することが可能である。次いで、この間接的な測定から、磁石52の温度を推定および/または導出することが可能である。たとえば、積層体温度、室温、ハウジング温度、および巻線温度のうちの1つまたは複数の温度を測定することが可能である。磁石温度の推定を導出するための間接的な温度に加えて、追加的な情報を随意的に使用することが可能である。たとえば、電気機械50の熱的モデル、および/または、機械50の中の熱に関連する情報は、機械50の間接的な温度情報に適用され、次いで、磁石52の温度を推定することが可能である。
【0035】
実施形態によれば、複数の永久磁石52の温度を推定することは、追加的にまたは代替的に、機械50のモータ端子量の1つまたは複数に基づいて推定することを含むことが可能である。モータ端子量は、たとえば、電圧および/または電流を含むことが可能である。たとえば、機械50は、開回路スピニングおよび閉回路テスティングとして、ゼロ電流で稼働することが可能である。
【0036】
実施形態によれば、複数の永久磁石52の温度を推定することは、追加的にまたは代替的に、機械50に注入されたテスト電圧および/またはテスト電流を使用して温度を推定し、次いで、小信号インピーダンスを推定し、および/または、磁化レベルを推定することを含むことが可能である。
【0037】
方法の実施形態では、本発明から逸脱することなく、ステップの様々な繰り返しが可能であることが明らかであるはずである。たとえば、受信すること、推定すること、決定すること、および加熱することは、それぞれ、または、すべて、断続的に繰り返すこと、間欠的に繰り返すこと、離散的に起こること、自動的に起こることが可能であり、または、車両60および/もしくはモータ50のユーザによって動作可能である。
【0038】
図3のフローチャートを参照すると、フェライトタイプ磁石電気機械50を制御するための方法200の別の実施形態が示されている。方法200は、210において、複数のフェライトタイプ永久磁石の磁化レベル、またはフラックスレベルを受信および/または推定することを含むことが可能である。次いで、MMM10(
図1)は、212において、受信されたおよび/または推定されたフラックスレベルが所定のレベルを超えているかどうかを決定する。212において、答えが「いいえ」である(すなわち、受信されたおよび/または推定されたフラックスレベルが所定のレベルを超えていない)場合には、方法は、停止することが可能である。または、代替的に、MMM10は、磁石52のフラックスレベルを受信および/または推定し続ける(すなわち、210に戻って再び始める)ことが可能である。
【0039】
212において、答えが「はい」である(すなわち、受信されたおよび/または推定されたフラックスレベルが所定のレベルを超えている)場合には、方法200は、214および216のうちの1つまたは両方に進む。214において、方法200は、MMM10によって、磁石52を選択的に加熱し続け、磁石52の減磁を防止するようになっている。代替的に、または追加的に、216において、方法200は、MMM10によって、モータ50をディレーティングし続ける。214および216のいずれかまたは両方が完了すると、方法200は終了することが可能である。代替的に、方法200は、磁石52のフラックスレベルを受信および/または推定し続けること(すなわち、210)、および/または、212において、受信されたおよび/または推定されたフラックスレベルが所定のレベルを超えているかどうかを決定することのいずれかに随意的に戻ることが可能である。
【0040】
方法200の実施形態では、選択的な加熱(すなわち、214)は、1つまたは複数のタイプの選択的な加熱をさらに含むことが可能であり、それは、所定の期間にわたり加熱すること、磁石52が特定の所定の設定点温度に到達するまで加熱すること、および/または、上昇温度レートの所定のレートが得られるまで加熱することを含む。
【0041】
方法200の実施形態では、決定すること(すなわち、212)は、212の答えが「はい」である状況において、機械50の動作の前に時間遅延が利用可能であるかどうかを決定することをさらに含むことが可能である。たとえば、時間遅延は、車両60ユーザがモータ50および車両60の即時使用を受け入れることが可能であるか、または可能でないかについての決定を含むことが可能である。時間遅延が利用可能でない場合には、モータ50は、ディレーティングされ(すなわち、216)、または、モータ50は、磁石52を減磁させないように所定の温度に到達するまで、動作不可能にさせることが可能である。対照的に、時間遅延が利用可能である場合には、214において、選択的な加熱が行われることが可能である。216においてディレーティングすることは、モータ50に利用可能な電流を制限することによって達成され得る。
【0042】
方法200の210を参照すると、フラックスレベルを受信および/または推定するための様々な方式が存在する。
【0043】
実施形態によれば、複数の永久磁石52のフラックスレベルを推定することは、機械50のモータ端子量の1つまたは複数に基づいてフラックスレベルを推定することを含むことが可能である。モータ端子量は、たとえば、電圧および/または電流を含むことが可能である。たとえば、機械50は、開回路スピニングおよび閉回路テスティングとして、ゼロ電流で稼働することが可能である。
【0044】
実施形態によれば、複数の永久磁石52のフラックスレベルを推定することは、追加的にまたは代替的に、機械50に注入されたテスト電圧および/またはテスト電流を使用してフラックスレベルを推定し、次いで、小信号インピーダンスを推定し、および/または、フラックスレベルを推定することを含むことが可能である。
【0045】
方法の実施形態では、本発明から逸脱することなく、ステップの様々な繰り返しが可能であることが明らかであるはずである。たとえば、受信すること、推定すること、決定すること、および加熱することは、それぞれ、または、すべて、断続的に繰り返すこと、間欠的に繰り返すこと、離散的に起こること、自動的に起こることが可能であり、または、車両60および/もしくはモータ50のユーザによって動作可能である。
【0046】
図4を参照すると、機械に課される電流限界、永久磁石磁束鎖交、または磁化レベルの、温度に対する変化を示しており、
図5は、機械の中の磁束鎖交に対して、インピーダンスおよび機械に課される電流限界をそれぞれ示している。
【0047】
図4が300において図示しているように、機械の電流限界が、I
maxとして示されている。示されているように、特定の温度よりも下で、機械の電流限界はディレーティングされる(すなわち、傾斜したグラフ)。同様に、永久磁石磁束鎖交、または磁化レベルは、λ
pmとして示されている。y軸は、受信されたまたは推定された磁石温度をTとして示している。
【0048】
図5が400において図示しているように、機械の電流限界は、磁化レベルの関数である。3つ可能性のある電流限界の実施形態だけが、I
a、I
b、およびI
cで示されている。電流限界は、事実上、任意の磁化レベルの関数であることが可能である。たとえば、I
cにおいて、関数は、線形であることが可能であり、I
bにおいて、関数は、下向きに湾曲していることが可能であり、I
aにおいて、関数は、水平であり、次いで、特定の値よりも下で線形であることが可能である。示されているように、小信号インピーダンス(電圧または電流)が注入され得る。注入から、インピーダンスを推定することが可能である。
【0049】
本明細書で図示および説明されている実施形態は、電気自動車またはハイブリッド電気自動車の中のトラクションモータなどのような電気機械とともに使用することが可能であるが、本発明の態様は、本発明の範囲を逸脱することなく、他の電気機械用途で使用することが可能である。たとえば、および、限定することなく、電気機械は、冷温環境で使用される定置式モータ、および、車両の上の非トラクションモータなどであることが可能である。
【0050】
したがって、本発明の1つの態様によれば、フェライトタイプ永久磁石電気機械を制御する方法であって、前記方法は、複数の永久磁石の温度を受信するステップおよび推定するステップのうちの1つのステップと、前記温度が所定の温度よりも低いかどうかを決定するステップと、前記温度が前記所定の温度よりも低い場合には、前記複数の永久磁石の減磁を防止するために、前記複数のフェライトタイプ永久磁石を選択的に加熱するステップ、および、前記電気機械をディレーティングするステップのうちの少なくとも1つを行うステップとを含む。
【0051】
本発明の別の態様によれば、コントローラは、電気機械の中の複数のフェライトタイプ永久磁石の温度を受信することおよび推定することのうちの1つを行うためのプログラミング命令と、前記温度を所定の温度と比較するためのプログラミング命令と、電流注入情報を前記電気機械の動作コントローラに送信するプログラミング命令であって、前記電流注入情報は、前記複数のフェライトタイプ永久磁石の減磁を防止するように構成されている命令を含む、プログラミング命令とを含む。
【0052】
本発明の別の態様によれば、コントローラは、フェライトタイプ永久磁石機械の逆起電力を受信または推定するためのプログラミング命令であって、前記フェライトタイプ永久磁石機械は、複数のフェライトタイプ永久磁石を有する、プログラミング命令と、前記受信されたまたは推定された逆起電力を所定の逆起電力と比較するためのプログラミング命令と、電流注入情報を前記フェライトタイプ永久磁石機械の動作コントローラに送信するためのプログラミング命令であって、前記電流注入情報は、前記複数のフェライトタイプ永久磁石の減磁を防止するように構成されている命令を含む、プログラミング命令とを含む。
【0053】
本発明の別の態様によれば、フェライトタイプ永久磁石電気機械を制御する方法であって、前記方法は、複数の永久磁石の磁化レベルを受信するステップおよび推定するステップのうちの1つのステップと、前記磁化レベルが所定のレベルを超えているかどうかを決定するステップと、前記磁化レベルが前記所定のレベルを超えている場合には、前記複数の永久磁石の減磁を防止するために前記複数のフェライトタイプ永久磁石を選択的に加熱するステップ、および、前記電気機械をディレーティングするステップのうちの少なくとも1つを行うステップとを含む。
【0054】
本発明の別の態様によれば、コントローラは、電流または電圧のうちの1つをフェライトタイプ永久磁石機械に注入するためのプログラミング命令であって、前記フェライトタイプ永久磁石機械は、複数のフェライトタイプ永久磁石を有する、プログラミング命令と、前記注入することに基づいてインピーダンスを推定するためのプログラミング命令と、前記推定されたインピーダンスに基づいて前記複数のフェライトタイプ永久磁石を選択的に加熱するためのプログラミング命令と、前記機械への電流を制限するためのプログラミング命令とを含む。
【0055】
本発明の特定の特徴だけが本明細書で図示および/または説明されてきたが、多くの修正例および変形例が当業者には思い付くであろう。個々の実施形態が論じられているが、本発明は、それらのすべての実施形態のすべての組み合わせを包含している。添付の特許請求の範囲は、本発明の意図の中に入るようなすべての修正例および変形例を包含することを意図していることを理解されたい。
【0056】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
フェライトタイプ永久磁石電気機械を制御する方法(100)であって、
複数の永久磁石の温度を受信するステップおよび推定するステップのうちの1つのステップ(110)と、
前記温度が所定の温度よりも低いかどうかを決定するステップ(112)と、
前記温度が前記所定の温度よりも低い場合には、
前記複数の永久磁石の減磁を防止するために前記複数のフェライトタイプ永久磁石を選択的に加熱するステップ(114)、および、
前記電気機械をディレーティングするステップ(116)
のうちの少なくとも1つを行うステップと
を含む方法(100)。
[実施態様2]
前記選択的に加熱するステップが、所定の時間期間にわたり選択的に加熱することをさらに含む、実施態様1に記載の方法(100)。
[実施態様3]
前記選択的に加熱するステップが、前記複数の永久磁石(52)が特定の温度に到達するまで選択的に加熱することをさらに含む、実施態様1に記載の方法(100)。
[実施態様4]
前記選択的に加熱するステップが、前記複数の永久磁石(52)の上昇温度の特定のレートのために選択的に加熱することをさらに含む、実施態様1に記載の方法(100)。
[実施態様5]
前記温度が前記所定の温度よりも低い場合には、前記電気機械(50)を動作させる前に時間遅延が利用可能であるかどうかを決定するステップをさらに含む、実施態様1に記載の方法(100)。
[実施態様6]
前記時間遅延が利用可能でない場合には、前記電気機械(50)を通る最大電流を制限することによって、前記電気機械をディレーティングする、実施態様5に記載の方法(100)。
[実施態様7]
前記時間遅延が利用可能である場合には、前記複数の永久磁石(52)の減磁を防止するために、前記複数のフェライトタイプ永久磁石を選択的に加熱する、実施態様5に記載の方法(100)。
[実施態様8]
前記ディレーティングするステップは、前記電気機械(50)に利用可能な最大電流を制限することを含む、実施態様1に記載の方法(100)。
[実施態様9]
受信するステップ、推定するステップ、決定するステップ、選択的に加熱するステップ、および、ディレーティングさせるステップのうちの少なくとも1つを繰り返す、実施態様1に記載の方法(100)。
[実施態様10]
推定するステップが、
前記電気機械(50)の少なくとも1つの温度を間接的に測定するステップ、
モータ端子量の1つに基づいて磁石温度を推定するステップ、および、
テスト電流およびテスト電圧のうちの1つを前記電気機械(50)に注入することに基づいて、磁石温度を推定するステップ
のうちの1つを含む、実施態様1に記載の方法(100)。
【符号の説明】
【0057】
10 磁石管理モジュール(MMM)
12 温度情報
14 逆起電力情報
16 電流注入情報
18 フラックス情報もしくは磁化情報
20 制御モジュール
30 動作点制御モジュール
32 インバータ信号
34 電流、電圧、および位置情報
50 モータまたは電気機械
52 フェライトタイプ磁石
60 車両
100 方法
110 複数のフェライトタイプ永久磁石の温度を受信および/または推定する
112 受信されたおよび/または推定された温度が所定の温度よりも低いかどうかを決定する
114 磁石52の減磁を防止するために磁石52を選択的に加熱する
116 モータ50をディレーティングする
200 方法
210 複数のフェライトタイプ永久磁石の磁化レベル、またはフラックスレベルを受信および/または推定する
212 受信されたおよび/または推定されたフラックスレベルが所定のレベルを超えているかどうかを決定する
214 磁石52の減磁を防止するために磁石52を選択的に加熱する
216 モータ50をディレーティングする
300
図4の図示
400
図5の図示