IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図1
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図2
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図3
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図4
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図5
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図6A
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図6B
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図7
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図8
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図9
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図10
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図11
  • 特許-バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220829BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220829BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2016211849
(22)【出願日】2016-10-28
(65)【公開番号】P2017093284
(43)【公開日】2017-05-25
【審査請求日】2019-07-23
(31)【優先権主張番号】10-2015-0153346
(32)【優先日】2015-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】鄭 大 龍
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-206259(JP,A)
【文献】国際公開第2008/102528(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0032648(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0285356(US,A1)
【文献】特開2005-278395(JP,A)
【文献】特表2010-518805(JP,A)
【文献】特開2010-110208(JP,A)
【文献】特開2005-278396(JP,A)
【文献】特開平09-017451(JP,A)
【文献】特開平09-007643(JP,A)
【文献】特開2010-068571(JP,A)
【文献】特開2007-273192(JP,A)
【文献】特開2009-106147(JP,A)
【文献】特開2011-053215(JP,A)
【文献】特表2008-519403(JP,A)
【文献】国際公開第2010/029823(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0093894(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0006776(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01841003(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ充電装置によって実行されるバッテリ充電方法であって、前記バッテリ充電装置が、
第1定電流でバッテリを低速充電するステップと、
前記バッテリの電圧が予め設定された電圧に達する場合、急速充電モードの初期充電ステップで前記第1定電流の電流値よりも大きい第2定電流で前記バッテリを持続時間に渡り充電するステップと、
前記初期充電ステップで前記バッテリが充電される間に、前記バッテリの充電容量に対応するバッテリ電圧及び基準電圧との間の差を算出し、前記算出された差を前記バッテリの過電圧として決定するステップと、
前記過電圧が閾値電圧以上である場合に、前記初期充電ステップから、充電電流値を減少させるように調整する、前記急速充電モードの調整充電ステップに変更するステップと、
前記調整充電ステップにおいて、前記第2定電流の電流値よりも小さい第3定電流で前記バッテリを充電するステップと、
を含み、
前記初期充電ステップに割り当てられた前記持続時間が経過していなくても、前記初期充電ステップで前記過電圧が閾値電圧以上である場合、前記割り当てられた前記持続時間の満了前に前記初期充電ステップを早期終了し、前記初期充電ステップの前記持続時間経過前の前記早期終了に対する応答として、バッテリ充電ステップインデックスを1だけ増やして更新し、
前記バッテリ充電ステップインデックスは、前記初期充電ステップを早期終了した回数のカウントであり、予め設定された値より小さい場合には、バッテリ充電ステップが前記調整充電ステップに変更される、
バッテリ充電方法。
【請求項2】
前記閾値電圧は、前記充電容量が増加するほど前記充電容量に対応する値が減少する関数に基づいて決定される、
請求項1に記載のバッテリ充電方法。
【請求項3】
前記調整充電ステップに変更するステップは、
前記初期充電ステップにおける前記バッテリの充電時間が前記初期充電ステップの前記持続時間以上である場合、前記初期充電ステップから前記調整充電ステップに変更するステップと、
を含む、
請求項1または2に記載のバッテリ充電方法。
【請求項4】
前記調整充電ステップに変更するステップは、
前記更新されたバッテリ充電ステップインデックスを充電ステップの予め設定された個数と比較するステップと、
前記更新されたバッテリ充電ステップインデックスが前記予め設定された個数以下である場合、前記バッテリ充電ステップを前記調整充電ステップに変更するステップと、
を含む、
請求項1乃至3いずれか一項に記載のバッテリ充電方法。
【請求項5】
プロセッサであり、
第1定電流でバッテリを低速充電し、前記バッテリの電圧が予め設定された電圧に達する場合、急速充電モードの初期充電ステップで前記第1定電流の電流値よりも大きい第2定電流で持続時間に渡り前記バッテリを充電し、
前記初期充電ステップで前記バッテリが充電される間に、前記バッテリの充電容量に対応する前記バッテリ電圧及び基準電圧との間の差を算出し、前記算出された差を前記バッテリの過電圧として決定し、
前記過電圧が閾値電圧以上である場合に、前記初期充電ステップから、充電電流値を減少させるように調整する、前記急速充電モードの調整充電ステップに変更し、前記調整充電ステップから前記第2定電流の電流値よりも小さい第3定電流で前記バッテリを充電する、
ように制御する、プロセッサ、
を含み、
前記初期充電ステップに割り当てられた前記持続時間が経過していなくても、前記初期充電ステップで前記過電圧が閾値電圧以上である場合、前記割り当てられた前記持続時間の満了前に前記初期充電ステップを早期終了し、前記初期充電ステップの前記持続時間経過前の前記早期終了に対する応答として、バッテリ充電ステップインデックスを1だけ増やして更新し、
前記バッテリ充電ステップインデックスは、前記初期充電ステップを早期終了した回数のカウントであり、予め設定された値より小さい場合には、バッテリ充電ステップが前記調整充電ステップに変更される、
バッテリ充電装置。
【請求項6】
前記閾値電圧は、前記充電容量が増加するほど前記充電容量に対応する値が減少する関数に基づいて決定される、
請求項5に記載のバッテリ充電装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記初期充電ステップにおける前記バッテリの充電時間が前記初期充電ステップの前記持続時間以上である場合、前記初期充電ステップから前記調整充電ステップに変更する、
請求項5または6に記載のバッテリ充電装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記更新されたバッテリ充電ステップインデックスを充電ステップの予め設定された個数と比較し、
前記更新されたバッテリ充電ステップインデックスが前記予め設定された個数以下である場合、前記バッテリ充電ステップを前記調整充電ステップに変更する、
請求項5乃至7いずれか一項に記載のバッテリ充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ充電方法及びバッテリ充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ充電方法は多様である。例えば、定電流-定電圧の充電方法は定電流でバッテリを充電し、バッテリ電圧が予め設定された電圧に達した場合に定電圧でバッテリを充電する。他の例として、電流減衰(Varying current decay)充電方法は、低いSOC(State of Charge)では高電流でバッテリを充電し、充電によって特定SOCとなる場合に電流を次第に減らしながらバッテリを充電する。前述した充電方法の他にも、バッテリの充電時間を減少させる急速充電方法がある。急速充電が繰り返される場合にバッテリの寿命は急激に減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態によると、急速充電が繰り返されてもバッテリの寿命を急激に減少しないことにある。また、一実施形態によると、バッテリが充電される間にバッテリの過電圧は閾値電圧未満に保持されることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様に係るバッテリ充電方法は、初期充電ステップでバッテリが充電される間に、前記バッテリの充電容量に対応するバッテリ物理量及び基準物理量に基づいてバッテリ過電圧を決定するステップと、前記バッテリ過電圧に基づいてバッテリ充電ステップの変更条件が満足されるか否かを決定するステップと、前記変更条件が満足される場合、前記バッテリ充電ステップを前記初期充電ステップから調整充電ステップに変更するステップとを含む。
【0005】
前記調整充電ステップにおける充電電流値は、前記初期充電ステップにおける充電電流値よりも小さい。
【0006】
前記変更条件は、前記バッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合として定義される第1条件を含み得る。
【0007】
前記閾値電圧は、前記充電容量が増加するほど前記充電容量に対応する値が減少する関数に基づいて決定され得る。
【0008】
前記変更条件は、前記初期充電ステップにおける前記バッテリの充電時間が前記初期充電ステップのデュレーション以上である場合として定義される第2条件と、前記初期充電ステップにおける前記バッテリ物理量が前記初期充電ステップのステップ電圧値以上である場合として定義される第3条件とをさらに含み、前記調整充電ステップに変更するステップは、前記第1条件、前記第2条件、及び前記第3条件のうちのいずれか1つが満足される場合、前記調整充電ステップに変更するステップを含み得る。
【0009】
前記調整充電ステップに変更するステップは、前記バッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合、前記初期充電ステップの早期終了を行うステップと、前記初期充電ステップの早期終了に対する応答として、バッテリ充電ステップインデックスを更新するステップと、前記更新されたバッテリ充電ステップインデックスを充電ステップの予め設定された個数と比較するステップと、前記更新されたバッテリ充電ステップインデックスが前記予め設定された個数以下である場合、前記バッテリ充電ステップを前記調整充電ステップに変更するステップとを含み得る。
【0010】
前記バッテリ過電圧は、前記バッテリ物理量と前記基準物理量との間の差であり得る。
【0011】
前記初期充電ステップにおける充電以前に、測定されたバッテリ物理量を予め設定された物理量と比較するステップと、前記測定されたバッテリ物理量が前記予め設定された物理量を超過する場合、前記測定されたバッテリ物理量に基づいて前記初期充電ステップを決定するステップと、前記初期充電ステップが決定された場合、前記初期充電ステップで前記バッテリを充電するステップとをさらに含み得る。
【0012】
前記初期充電ステップにおける充電以前に、測定されたバッテリ物理量を予め設定された物理量と比較するステップと、前記測定されたバッテリ物理量が前記予め設定された物理量以下である場合、定電流で前記バッテリを充電するステップと、前記定電流で充電されたバッテリのバッテリ物理量を前記予め設定された物理量と比較するステップと、前記定電流で充電された前記バッテリのバッテリ物理量が前記予め設定された物理量を超過する場合、前記初期充電ステップで前記バッテリを充電するステップとをさらに含み得る。
【0013】
他の一実施形態に係るバッテリ充電方法は、バッテリ状態情報に基づいて低速充電モードでバッテリを充電するステップと、前記低速充電モードで充電される場合、複数のバッテリ充電ステップを含む急速充電モードの初期充電ステップで前記バッテリを充電するステップと、前記初期充電ステップで実行された充電の結果に基づいて、前記急速充電モードのバッテリ充電ステップの変更条件が満足されるか否かを決定するステップと、前記変更条件が満足される場合、前記初期充電ステップから調整充電ステップに変更するステップと、前記調整充電ステップで前記バッテリを充電するステップとを含み、前記変更条件は、前記バッテリの充電容量に対応するバッテリ物理量及び基準物理量に基づいて決定されるバッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合として定義される第1条件を含む。
【0014】
前記調整充電ステップにおける充電電流値は、前記初期充電ステップにおける充電電流値よりも小さい。
【0015】
前記閾値電圧は、前記充電容量が増加するほど前記充電容量に対応する値が減少する関数に基づいて決定され得る。
【0016】
前記変更条件は、前記初期充電ステップにおける前記バッテリの充電時間が前記初期充電ステップのデュレーション以上である場合として定義される第2条件と、前記初期充電ステップにおける前記バッテリ物理量が前記初期充電ステップのステップ電圧値以上である場合として定義される第3条件とをさらに含み、前記調整充電ステップに変更するステップは、前記第1条件、前記第2条件、及び前記第3条件のうちのいずれか1つが満足される場合に前記調整充電ステップに変更するステップを含み得る。
【0017】
前記調整充電ステップに変更するステップは、前記バッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合、前記初期充電ステップの早期終了を行うステップと、前記初期充電ステップの早期終了に対する応答として、バッテリ充電ステップインデックスを更新するステップと、前記更新されたバッテリ充電ステップインデックスを充電ステップの予め設定された個数と比較するステップと、前記更新されたバッテリ充電ステップインデックスが前記予め設定された個数以下である場合、前記バッテリ充電ステップを前記調整充電ステップに変更するステップとを含み得る。
【0018】
前記バッテリ過電圧は、前記バッテリ物理量と前記基準物理量との間の差であり得る。
【0019】
前記低速充電モードでバッテリを充電するステップは、測定されたバッテリ物理量と予め設定された物理量とを比較するステップと、前記測定されたバッテリ物理量が前記予め設定された物理量を超過する場合、前記測定されたバッテリ物理量に基づいて前記初期充電ステップを決定するステップと、前記初期充電ステップが決定された場合、予め決定した時間の間に定電流で前記バッテリを充電するステップとを含み得る。
【0020】
前記低速充電モードでバッテリを充電するステップは、測定されたバッテリ物理量と予め設定された物理量とを比較するステップと、前記測定されたバッテリ物理量が前記予め設定された物理量以下である場合、定電流で前記バッテリを充電するステップと、前記定電流で充電されるバッテリのバッテリ物理量を前記予め設定された物理量と比較するステップと、前記定電流で充電されるバッテリのバッテリ物理量が前記予め設定された物理量を超過するまで前記定電流で前記バッテリの充電を継続するステップとを含み得る。
【0021】
一実施形態に係るバッテリ充電装置は、バッテリ物理量を受信するインタフェースと、初期充電ステップでバッテリが充電される間に、前記バッテリの充電容量に対応する前記バッテリ物理量及び基準物理量に基づいてバッテリ過電圧を決定し、前記バッテリ過電圧に基づいてバッテリ充電ステップの変更条件が満足されるか否かを決定し、前記変更条件が満足される場合に、前記バッテリ充電ステップを前記初期充電ステップから調整充電ステップに変更するプロセッサとを含む。
【0022】
他の一実施形態に係るバッテリ充電方法は、バッテリの初期状態に基づいて複数のバッテリ充電ステップを含む急速充電モードの初期充電ステップを決定するステップと、前記初期充電ステップで前記バッテリを充電し、前記バッテリのバッテリ過電圧が閾値電圧を超過する場合、次のバッテリ充電ステップに変更するステップとを含み、前記バッテリ過電圧は、前記バッテリの電圧と基準電圧との間の差であり得る。
【0023】
前記急速充電モードで前記バッテリを充電する前に低速充電モードで前記バッテリを充電するステップをさらに含み、前記低速充電モードで前記バッテリを充電するステップは、前記バッテリの電圧が予め設定された電圧以下である場合、前記バッテリの電圧が前記予め設定された電圧を超過するまで前記低速充電モードで前記バッテリを充電するステップと、前記バッテリの電圧が前記予め設定された電圧を超過する場合、予め決定した時間の間に前記低速充電モードで前記バッテリを充電するステップとを含み得る。
【0024】
前記低速充電モードで前記バッテリを充電するステップは、前記急速充電モードの複数のバッテリ充電ステップの最小ステップ充電電流よりも小さいサイズの定電流で前記バッテリを充電するステップをさらに含み得る。
【0025】
前記急速充電モードの終了後に前記バッテリの電圧が最大充電電圧に達するまで定電流モードで前記バッテリを充電するステップをさらに含み得る。
【0026】
前記複数のバッテリ充電ステップのそれぞれは、以後バッテリ充電ステップのステップ電圧よりも小さいステップ電圧を有し、前記バッテリの初期状態は前記バッテリの初期電圧であり、前記初期充電ステップを決定するステップは、前記初期電圧が予め設定された電圧以下である場合、前記複数のバッテリ充電ステップの最初のバッテリ充電ステップを前記初期充電ステップとして決定するステップと、前記初期電圧が前記予め設定された電圧よりも大きい場合、前記初期電圧よりも大きいステップ電圧を有するバッテリ充電ステップのうち最初を前記初期充電ステップとして決定するステップとを含み得る。
【0027】
前記複数のバッテリ充電ステップそれぞれは、以後バッテリ充電ステップのステップ充電電流よりも小さいステップ充電電流を有し得る。
【0028】
前記変更するステップは、前記バッテリの前記バッテリ過電圧が前記閾値電圧以上である場合、充電ステップの充電時間が前記充電ステップのステップデュレーション以上である場合、及び前記充電ステップの間の前記バッテリの電圧が前記充電ステップのステップ電圧以上である場合のいずれか1つに該当すれば、前記次のバッテリ充電ステップに変更するステップを含み得る。
【発明の効果】
【0029】
一実施形態によると、急速充電が繰り返されてもバッテリの寿命が急激に減少しない。また、一実施形態によると、バッテリが充電される間にバッテリの過電圧は閾値電圧未満に保持され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態に係るバッテリ充電方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図2】一実施形態に係るバッテリ充電ステップを説明するための図である。
図3】一実施形態に係るバッテリ過電圧の変化を説明するための図である。
図4】一実施形態に係るバッテリ過電圧の変化を説明するための図である。
図5】一実施形態に係るバッテリ物理量と基準物理量を説明するための図である。
図6A】一実施形態に係るバッテリ過電圧及び閾値電圧を説明するための図である。
図6B】一実施形態に係るバッテリ過電圧及び閾値電圧を説明するための図である。
図7】一実施形態に係る容量保持を説明するための図である。
図8】一実施形態に係るバッテリ充電方法の他の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】一実施形態に係るバッテリ充電方法の更なる一例を説明するためのフローチャートである。
図10】一実施形態に係るバッテリ充電装置を説明するための図である。
図11】一実施形態に係るバッテリ充電装置を含む充電システムの一例を説明するための図である。
図12】一実施形態に係るバッテリ充電装置を含む充電システムの別の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明を実施するための形態の具体的な実施形態例を、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面で提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0032】
本実施形態で用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いるものであって、実施形態を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0033】
異なる定義がなされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0034】
また、図面を参照して説明する際に、図面符号に関係なく同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、それに対する重複説明を省略する。本実施形態の説明において関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図1は、一実施形態に係るバッテリ充電方法の一例を説明するためのフローチャートである。図1に示されたバッテリ充電方法はバッテリ充電装置によって実行される。図1を参照すると、バッテリ充電装置は測定されたバッテリ電圧を受信する(S110)。バッテリに接続されたセンサはバッテリ電圧を測定し、測定されたバッテリ電圧をバッテリ充電装置に伝達する。
【0036】
バッテリ充電装置は、測定されたバッテリ電圧を予め設定された電圧V(例えば、3.35V)と比較する(S111)。測定されたバッテリ電圧がVよりも大きい場合、バッテリ充電装置は、測定されたバッテリ電圧に基づいて急速充電モードの開始ステップを決定する(S112)。決定された開始ステップは、急速充電モードの初期充電ステップである。
【0037】
【表1】
例えば、バッテリ充電装置に含まれたメモリは上記の表1を格納し、バッテリ充電装置は、表1を参照して急速充電モードの開始ステップを決定する。例えば、測定されたバッテリ電圧が3.9Vであるとき、バッテリ充電装置は、表1に示す電圧と測定されたバッテリ電圧3.9Vとを比較する。測定されたバッテリ電圧は、最初のバッテリ充電ステップN=1の電圧3.85Vよりも大きく、2番目のバッテリ充電ステップN=2の電圧4.00Vよりも小さいため、バッテリ充電装置は2番目のバッテリ充電ステップを開始ステップとして決定する。ここで、2番目のバッテリ充電ステップが急速充電モードの初期充電ステップである。急速充電モードでN個のバッテリ充電ステップがある場合、バッテリ充電装置は、測定されたバッテリ電圧に基づいてN番目バッテリ充電ステップから充電を開始するものと決定できる。
【0038】
表1は例示的な事項に過ぎず、バッテリ充電ステップを決定するために必要な情報は、上記の表1に含まれた例に制限されることはない。
【0039】
開始ステップが決定された場合、バッテリ充電装置は予め決定した時間t(例えば、1分間)の間に低い定電流(low Constant Current:、low CC)I(例えば、0.04A)でバッテリを充電する(S113)。しかし、I及びtは例示に過ぎず、I及びtは前述した事項に制限されることはない。Iは急速充電モードの複数のバッテリ充電ステップの最小ステップ充電電流よりも小さいサイズであり得る(例えば、Iは上記の表1で1.65Aである)。しかし、Iに対する説明は例示に過ぎず、Iは前述した事項に制限されることはない。
【0040】
測定されたバッテリ電圧がV以下である場合、バッテリ充電装置はバッテリ電圧がVになるまでバッテリを充電する。より具体的に、測定されたバッテリ電圧がV以下である場合、バッテリ充電装置は、低い定電流(例えば、上記で説明したI)でバッテリを充電する(S114)。また、バッテリ充電装置は、定電流充電によるバッテリ電圧をVと再び比較する(S115)。ステップS115において、再び比較されてバッテリ電圧がV以下である場合、バッテリ充電装置は、低い定電流でバッテリを充電することを継続する。ステップS115で再び比較されてバッテリ電圧がVよりも大きい場合、バッテリ充電装置は、上記の表1の最初のバッテリ充電ステップから急速充電モードでバッテリを充電するものと決定する(S116)。言い換えれば、バッテリ充電ステップはN=1に対応する。この場合、急速充電モードの初期充電ステップは急速充電モードの最初のステップである。
【0041】
急速充電モードによるバッテリの内部衝撃を緩和するために、バッテリ充電装置は、急速充電モードでバッテリを充電する前にステップS113又はステップS114の低い定電流モードでバッテリを充電する。低い定電流モードでバッテリが充電された後、バッテリ充電装置は急速充電モードを適用する(S117)。急速充電モードは、上記で説明した複数のバッテリ充電ステップを含む。急速充電モードの適用に基づいて、バッテリ充電装置は、ステップS112又はステップS116で決定された初期充電ステップでバッテリを充電する。初期充電ステップは、ステップS112で決定されたN番目バッテリ充電ステップ(例えば、上記で説明したN=2に対応するバッテリ充電ステップ)又はステップS116で決定されたN=1に対応するバッテリ充電ステップであり得る。
【0042】
バッテリ充電装置は、初期充電ステップの間の充電時間が初期充電ステップのデュレーションに対応する時間t以上であるかを決定する(S118)。例えば、バッテリ充電装置は、上記で説明した2番目のバッテリ充電ステップの間の充電時間が上記の表1の15分以上であるかを決定する。充電時間がtに達した場合、バッテリ充電装置は休止期間に入る(S121)。例えば、バッテリ充電装置は、バッテリに電圧及び/又は電流の供給を中断して休止期間に入り得る。
【0043】
充電時間がt未満である場合、バッテリ充電装置は、バッテリ電圧が初期充電ステップに対応するステップ電圧値V以上であるかを決定する(S119)。例えば、初期充電ステップが上記で説明した2番目のバッテリ充電ステップである場合、バッテリ充電装置は、2番目のバッテリ充電ステップにおけるバッテリ電圧が上記表1の4.00V以上であるかを決定する。バッテリ電圧がVに達した場合、バッテリ充電装置は休止期間に入る(S121)。
【0044】
バッテリ電圧がV未満である場合、バッテリ充電装置は、S(C)-R(C)<A(C)であるかを確認する(S120)。ここで、Cは充電容量(charging capacity)を示し、S(C)は充電容量に対応するバッテリ電圧を示し、R(C)は充電容量に対応する基準(reference)電圧を示し、A(C)は閾値電圧を示す。バッテリ過電圧は、充電容量に対応するバッテリ電圧S(C)と充電容量に対応する基準電圧R(C)との間の差として定義される。すなわち、バッテリ過電圧は、S(C)-R(C)で定義される。バッテリ過電圧については後述する。
【0045】
バッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合、バッテリ充電装置は休止期間に入る(S121)。
【0046】
バッテリ過電圧が閾値電圧よりも小さい場合、バッテリ充電装置は、急速充電モードの初期充電ステップでバッテリの充電を継続する(S117)。
【0047】
バッテリ充電装置は充電時間に対する条件、バッテリ電圧に対する条件、及びバッテリ過電圧に対する条件のうちのいずれか1つを満足するかを決定し、条件のうちのいずれか1つが満足されれば、急速充電モード以後のバッテリ充電ステップを行う以前に休止期間に入る。又は、条件が満足されなければ、バッテリ充電装置は急速充電モードの初期充電ステップでバッテリの充電を継続する。
【0048】
バッテリ充電装置はNをN+1に設定、すなわち、N=N+1を設定する(S122)。バッテリ充電装置は、ステップS122で設定されたNが急速充電モードのバッテリ充電ステップの総個数Nよりも大きいかを決定する(S123)。ステップS122で設定されたNがNよりも小さい場合、バッテリ充電装置は急速充電モードの以後のバッテリ充電ステップでバッテリを充電する。
【0049】
ステップS122で設定されたNがNを超過する場合、急速充電モードが終了し、バッテリ充電装置は予め決定した電流でバッテリを充電する(S124)。例えば、予め決定した電流は0.825Aであり得る。予め決定した電流でバッテリが充電されれば、バッテリ電圧は増加し、バッテリ充電装置はバッテリ電圧を最大充電電圧Vと比較する(S125)。例えば、最大充電電圧Vcは4.17Vであり得る。
【0050】
バッテリ電圧がVよりも小さい場合、バッテリ充電装置は予め決定した電流でバッテリの充電を継続する(S124)。バッテリ電圧がV以上である場合、バッテリ充電装置は充電を終了する(S126)。
【0051】
図2は、一実施形態に係るバッテリ充電ステップを説明するための図である。図2を参照すると、複数のバッテリ充電ステップを含む急速充電モードと定電流-定電圧の充電モードそれぞれに対応する電流値が示される。
【0052】
バッテリ充電装置が定電流-定電圧の充電モードとして動作する場合、バッテリ充電装置は定電流でバッテリを充電する。図2に示されたグラフ210に示すように、予め決定した時間の間にバッテリ充電装置は定電流でバッテリを充電する。ここで、バッテリ電圧が特定電圧に達するまでバッテリ充電装置はバッテリを充電する。バッテリ電圧が特定電圧に達した場合、バッテリ充電装置は定電圧でバッテリを充電する。グラフ210に示すように、予め決定した時間の後から電流値が減少する。
【0053】
バッテリ充電装置が急速充電モードとして動作する場合、バッテリ充電装置は、複数のバッテリ充電ステップそれぞれに基づいてバッテリを充電する。バッテリ充電装置は、複数のバッテリ充電ステップを順次向上させてバッテリを充電する。図2に示す例として、バッテリ充電装置は、複数のバッテリ充電ステップそれぞれに対応する充電電流値にバッテリを充電する。バッテリ充電ステップが増加するほどバッテリ充電ステップに対応する充電電流値は減少する。図2において、最初のバッテリ充電ステップは図1に示すステップS114で実行される0.04Aの充電電流を有する低い定電流充電ステップに対応する。次の4個のバッテリ充電ステップは、上記の図1に示すステップS117~ステップS123で実行される上記表1の4.125A、3.3A、2.75A、及び1.65Aの充電電流を有する急速充電モードの4個の充電ステップに対応する。最後の充電ステップは、図1に示すステップS124で実行される0.825Aの充電電流を有する、予め設定された電流充電ステップに対応する。
【0054】
一実施形態において、バッテリ充電装置がバッテリ充電ステップでバッテリを充電する場合、バッテリ充電装置はバッテリ過電圧を決定し、バッテリ過電圧が閾値電圧以上になるかを決定する。バッテリ過電圧が閾値電圧以上になる場合、バッテリ充電装置は、バッテリ充電ステップの早期終了を実行し、その後にバッテリ充電ステップでバッテリを充電する。
【0055】
図3図4は、一実施形態に係るバッテリ過電圧の変化を説明するための図である。
【0056】
図3を参照すると、バッテリが充電される間に図1に示すステップS118の充電時間条件が適用された場合における、電圧-充電容量グラフの一例を示している。より具体的に、グラフ310は第1サイクル回数の電圧グラフ(例えば、最初のサイクルで測定されたバッテリ電圧値)を示し、グラフ320は第2サイクル回数の電圧グラフ(例えば、30番目のサイクルで測定されたバッテリ電圧値)を示し、グラフ330は第3サイクル回数の電圧グラフ(例えば、45番目のサイクルで測定されたバッテリ電圧値)を示す。
【0057】
サイクル回数が増加するほど、特定充電容量に対応する充電電圧は増加する。図3に示された例として、充電容量が500ミリ・アンペア・アワー(mAh)の場合、グラフ330の充電電圧は他のグラフ310及び320に比べて高い。バッテリの充放電が繰り返される場合、バッテリ内部抵抗は増加し、充電電圧は増加する。そのため、サイクル回数が増加すると、充電電圧は増加し、バッテリ過電圧は増加する。
【0058】
図4を参照すると、バッテリが充電される間に図1に示すステップS118の充電時間条件及びステップS119のバッテリ電圧条件が適用された場合における、電圧-充電容量グラフの一例が示されている。
【0059】
グラフ410は第1サイクル回数の電圧グラフを示し、グラフ420は第2サイクル回数の電圧グラフを示し、グラフ430は第3サイクル回数の電圧グラフを示す。
【0060】
図3と比較するとき、グラフ420の充電電圧はグラフ320に比べて小さい。同様に、グラフ430の充電電圧はグラフ330に比べて小さい。そのため、図4に示された例の場合、図1に示すステップS118の充電時間条件及びステップS119のバッテリ電圧条件が適用され、図3に示された例に比べてバッテリ過電圧が減少する。
【0061】
図5は、一実施形態に係るバッテリ物理量と基準物理量を説明するための図である。図5を参照すると、バッテリ電圧関数510と基準電圧関数520が示されている。一実施形態に係るバッテリ物理量はバッテリ電圧であり、基準物理量は基準電圧である。バッテリ電圧関数510は充電プロファイルに含まれ、基準電圧関数520は基準充電プロファイルに含まれる。
【0062】
バッテリ電圧関数510の場合、特定充電容量でバッテリ電圧の不連続が発生する。バッテリ充電ステップの変化によりバッテリ電圧の不連続が発生する可能性がある。
【0063】
基準電圧関数520は、定電流で充電されるバッテリの電圧と充電容量に基づいて定義される。定電流のC-rateは低こともあり、例えば、1C-rate又はその以下、例えば、0.5C-rate又は0.3C-rateであり得る。基準電圧関数520はバッテリ充電ステップの変化がない。そのため、バッテリ電圧の不連続が発生しない。上記で説明したバッテリ電圧S(C)は、例えば、充電容量Cに対応するバッテリ電圧関数値を示し、上記で説明した基準電圧R(C)は充電容量Cに対応する基準電圧関数値を示す。
【0064】
図6A図6Bは、一実施形態に係るバッテリ過電圧及び閾値電圧を説明するための図である。
【0065】
図6Aを参照すると、過電圧制限関数(over-potential limit function)610及びバッテリ過電圧関数(over-potential function)620が示されている。過電圧制限関数610は、充電容量が増加するほど充電容量に対応する値が減少する関数である。例えば、過電圧制限関数610は、α+β×C+γ×C+δ×C(ここで、α、β、γ、及びδは定数である)のような多項式関数を含む。前述した過電圧制限関数の例は、一実施形態に係る例示的な事項に過ぎず、過電圧制限関数は前述した例に限定されることはない。上記で説明した閾値電圧A(C)は充電容量Cに対応する過電圧制限関数値を示す。
【0066】
図6Aの例として、充電容量に対応するバッテリ過電圧は閾値電圧未満である。すなわち、全てのバッテリ充電ステップは、バッテリ過電圧が閾値電圧に達する前に終了する。
【0067】
図6Bの例として、バッテリ電圧関数630が示されている。特定充電容量で、バッテリ過電圧は閾値電圧と同一である。バッテリ過電圧がモニタリングされない場合、バッテリ充電装置は、充電プロファイルの変更なしでバッテリを充電する。一実施形態におけるバッテリ充電装置はバッテリ過電圧をモニタリングし、バッテリ過電圧と閾値電圧とを比較し、バッテリ過電圧が閾値電圧に達する場合に充電プロファイルを変更できる。このような方式で、バッテリ充電装置は、バッテリ過電圧が閾値電圧を超過しないようにバッテリ充電ステップを変更し得る。バッテリ充電装置は、変更前にバッテリ充電ステップの充電電流よりも低い充電電流にバッテリを充電することができる。バッテリ充電装置は、バッテリ電圧関数630が過電圧制限関数610以下である領域に留まるようバッテリ充電を制御できる。
【0068】
図7は、一実施形態に係る容量保持を説明するための図である。図7を参照すると、サイクル回数による容量保持率が示されている。
【0069】
グラフ710は、定電流-定電圧の充電モードに応じてバッテリを充電した場合を示し、グラフ720は過電圧制限関数を利用せずに急速充電モードに応じてバッテリを充電した場合を示し、グラフ730~グラフ750は過電圧制限関数を利用した急速充電モードに応じてバッテリを充電した場合を示す。
【0070】
グラフ710の場合、容量保持率が80%となるサイクル回数は50未満である。
【0071】
グラフ720の場合、容量保持率が80%となるサイクル回数は約100である。グラフ710と比較するとき、グラフ720の場合に容量保持率が80%となるサイクル回数は増加する。
【0072】
グラフ730~グラフ740の場合、容量保持率が80%となるサイクル回数は約200である。グラフ710とグラフ720とを比較すれば、グラフ730~グラフ740の場合に過電圧制限関数が用いられる。そのため、特定バッテリ充電ステップでバッテリ過電圧が閾値電圧を超過しない。グラフ710及びグラフ720のそれぞれに対応する充電モードと比較するとき、グラフ730~グラフ740のそれぞれに対応する充電モードに応じてバッテリが充電される場合、同一のサイクル回数でバッテリの性能劣化又は寿命劣化の程度が大きくない。
【0073】
図8は、一実施形態に係るバッテリ充電方法の他の一例を説明するためのフローチャートである。図8に示されたバッテリ充電方法は、バッテリ充電装置によって実行される。
【0074】
バッテリ充電装置は、初期充電ステップでバッテリが充電される間に、バッテリの充電容量に対応するバッテリ物理量及び基準物理量に基づいてバッテリ過電圧を決定する(S810)。バッテリ物理量は、例えば、バッテリ電圧であってよい。基準物理量は、例えば、基準電圧であってよい。バッテ充電装置は、充電容量に対応するバッテリ電圧と充電容量に対応する基準電圧との間の差を演算する。
【0075】
バッテリ充電装置は、バッテリ過電圧に基づいてバッテリ充電ステップの変更条件が満足されるか否かを決定する(S820)。一実施形態において、変更条件は、バッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合として定義される第1条件を含み、バッテリ管理装置はバッテリ過電圧が閾値電圧以上であるかを決定する。
【0076】
一実施形態において、変更条件は、初期充電ステップにおけるバッテリの充電時間が初期充電ステップのデュレーション以上である場合として定義される第2条件、及び初期充電ステップにおけるバッテリ物理量が初期充電ステップのステップ電圧値以上である場合として定義される第3条件をさらに含む。バッテリ充電装置は、第1条件、第2条件、及び第3条件のうちのいずれか1つが満足されるか否かを決定する。
【0077】
バッテリ充電装置は、決定結果に基づいてバッテリ充電ステップを初期充電ステップから調整充電ステップに変更する(S830)。第1条件、第2条件、及び第3条件のうちのいずれか1つが満足される場合、バッテリ充電装置は、バッテリ充電ステップを初期充電ステップから調整充電ステップに変更する。一実施形態において、調整充電ステップにおける充電電流値は、初期充電ステップにおける充電電流値よりも小さいこともある。バッテリ充電装置は、第1条件、第2条件、及び第3条件のうちのいずれか1つが満足される場合に初期充電ステップを終了し、初期充電ステップから調整充電ステップに変更する。そのため、バッテリ充電装置はバッテリの充電を継続する。
【0078】
一実施形態において、初期充電ステップでバッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合、バッテリ充電装置は初期充電ステップの早期終了する。バッテリ充電装置は、早期終了に基づいてバッテリ充電ステップインデックスを更新し、更新されたバッテリ充電ステップインデックスをステップの予め設定された個数Nと比較する。例えば、初期充電ステップのインデックスがNである場合、バッテリ充電装置はN=N+1に設定し、NをNと比較する。NがNよりも小さい場合、バッテリ充電装置は、バッテリを充電するためにバッテリ充電ステップを調整充電ステップに変更する。
【0079】
図1図7を参照して記述された事項は、図8を参照して記述された事項に適用し得るため、詳細な説明は省略する。
【0080】
図9は、一実施形態に係るバッテリ充電方法の更なる一例を説明するためのフローチャートである。図9に示されたバッテリ充電方法はバッテリ充電装置によって実行される。図9を参照すると、バッテリ充電装置は、バッテリ状態情報に基づいて低速充電モードでバッテリを充電する(S910)。バッテリ充電装置は、バッテリ状態情報を確認する。例えば、バッテリ充電装置は測定されたバッテリ物理量を受信し、バッテリ状態情報としてバッテリの充電状態(State of Charge:SoC)を決定する。バッテリ充電装置は、測定されたバッテリ物理量と予め設定された物理量とを比較する。ここで、予め設定された物理量は図1を参照して説明したVであり得る。
【0081】
測定されたバッテリ物理量が予め設定された物理量よりも大きい場合、バッテリ充電装置は、測定されたバッテリ物理量に基づいて複数のバッテリ充電ステップを含む急速充電モードの開始ステップを決定する。また、バッテリ充電装置は、予め決定した時間の間に低い定電流でバッテリを充電する。ここで、予め決定した時間及び低い定電流それぞれは図1を参照して説明したt及びIであり得る。急速充電モードの高い電流値によりバッテリの内部衝撃が発生する可能性がある。バッテリ充電装置は、バッテリの内部衝撃を防止するために急速充電モードの適用前に低い定電流でバッテリを充電し得る。
【0082】
測定されたバッテリ物理量が予め設定された物理量以下である場合、バッテリ充電装置は低い定電流でバッテリを充電する。ここで、低い定電流は、図1に示すIであり得る。定電流で充電されたバッテリのバッテリ物理量が予め設定された物理量を超過する場合、バッテリ充電装置は、急速充電モードの最初のバッテリ充電ステップから始めてバッテリを充電し得る。
【0083】
バッテリ充電装置は、低速充電モードの充電に基づいて複数のバッテリ充電ステップを含む急速充電モードの初期充電ステップでバッテリを充電する(S920)。初期充電ステップは、測定されたバッテリ物理量が予め設定された物理量よりも大きい場合に決定された開始ステップ又は測定されたバッテリ物理量が予め設定された物理量よりも小さい場合に決定された最初バッテリ充電ステップであり得る。例えば、N=2に決定された場合、バッテリ充電装置は2番目のバッテリ充電ステップからバッテリを充電し得る。
【0084】
バッテリ充電装置は、急速充電モードの初期充電ステップで実行された充電に基づいてバッテリ充電ステップの変更条件が満足されるか否かを決定する(S930)。
【0085】
バッテリ充電装置は変更条件が満足される場合、バッテリ充電ステップを初期充電ステップから調整充電ステップに変更する(S940)。
【0086】
バッテリ充電装置は、調整充電ステップでバッテリを充電する(S950)。
【0087】
図1図8を参照して説明された事項は、図9を参照して説明された事項に適用し得るため、詳細な説明は省略する。
【0088】
図10は、一実施形態に係るバッテリ充電装置を説明するための図である。図10を参照すると、一実施形態に係るバッテリ充電装置1000は、インタフェース1010及びプロセッサ1020を含む。
【0089】
インタフェース1010はバッテリ物理量を受信する。例えば、インタフェース1010はセンサが測定したバッテリ電圧を受信する。
【0090】
プロセッサ1020は、初期充電ステップでバッテリが充電される間にバッテリ過電圧を決定する。ここで、プロセッサ1020は、バッテリの充電容量に対応するバッテリ物理量及び基準物理量に基づいてバッテリ過電圧を決定する。また、プロセッサ1020は、バッテリ過電圧に基づいてバッテリ充電ステップの変更条件が満足されるか否かを決定する。また、プロセッサ1020は、変更条件が満足される場合、バッテリ充電ステップを初期充電ステップから調整充電ステップに変更する。
【0091】
図1図9を参照して記述された事項は、図10を参照して記述された事項に適用し得るため、詳細な説明は省略する。
【0092】
図11は、一実施形態に係るバッテリ充電装置を含む充電システムの一例を説明するための図である。図11を参照すると、充電システムは電気移動体1110であってもよく、電気移動体1110はバッテリシステム1120を含む。
【0093】
バッテリシステム1120は、バッテリ部1130及びバッテリ管理システム(Battery Management System:BMS)1140を含む。バッテリ部1130は、バッテリモジュール又はバッテリセルを含む。BMS1140は、例えば、図10に示すバッテリ充電装置を含む。
【0094】
一実施形態において、急速充電命令が生成される。バッテリ充電装置は、急速充電モードに応じてバッテリ部1130を充電する。急速充電モード以前に、バッテリ充電装置は、バッテリ部1130の内部衝撃を防止するために低速充電モードでバッテリ部1130を充電する。低速充電モードに対する説明は上記で説明したため、詳細な説明は省略する。
【0095】
急速充電モードは複数のバッテリ充電ステップを含んでもよく、バッテリ充電装置は初期充電ステップでバッテリ部1130を充電する。ここで、バッテリ充電装置は、充電時間、充電電圧、及び/又はバッテリ過電圧をモニタリングする。例えば、バッテリ充電装置は、バッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合、初期充電ステップを終了し、その後バッテリ充電ステップでバッテリ部1130を充電する。
【0096】
バッテリ過電圧がモニタリング又は制御されることなく急速充電が繰り返される場合、バッテリ部1130の寿命は急激に短くなる。そのため、バッテリ充電装置は、バッテリ部1130の寿命劣化程度に対応するバッテリ過電圧を閾値電圧以下に保持しながらも急速充電することができる。そのため、急速充電が繰り返されてもバッテリ部1130の寿命低下の現象が大きく減少する。
【0097】
図1図10を参照して記述された事項は、図11を参照して記述された事項に適用し得るため、詳細な説明は省略する。
【0098】
図12は、一実施形態に係るバッテリ充電装置を含む充電システムの別の一例を説明するための図である。図12を参照すると、充電システムは、端末1210及び電力供給装置1220を含む。端末1210は、スマートフォン、ノート型パソコン、タブレットPCのような移動端末であり得る。端末1210の一例は、一実施形態に係る例示的な事項に過ぎず、端末1210は前述した例に制限されることはない。図12には、バッテリ1211が端末1210に含まれるものとして図示されているが、これは一実施形態に係る例示的な事項に過ぎない。例えば、バッテリ1211は、端末1210から分離でき、端末1210から分離して充電され得る。
【0099】
一実施形態によると、バッテリ充電装置は電力供給装置1220に含まれる。電力供給装置1220は端末に電力を供給し、バッテリ1211は充電される。電力供給装置1220は、端末と有線及び/又は無線で接続され得る。電力供給装置1220は、急速充電モードをサポートできる。そのため、電力供給装置1220は、上記で説明した急速充電モードに応じてバッテリ1211を充電することができる。
【0100】
他の実施形態によると、端末1210は、バッテリ1211及びバッテリ1211を管理するバッテリ管理装置(図示せず)を含む。一実施形態に係るバッテリ充電装置は、端末1210に含まれたバッテリ管理装置に含まれてもよい。バッテリ管理装置は、例えば、プロセッサで実現し得る。急速充電命令が生成される場合、バッテリ管理装置は、急速充電モードに応じてバッテリ1211を充電し得る。急速充電モードでバッテリ管理装置はバッテリ過電圧をモニタリングし、バッテリ過電圧が閾値電圧以上である場合、バッテリ管理装置はバッテリ充電ステップを終了する。バッテリ管理装置は、その後のバッテリ充電ステップでバッテリ1211を充電し得る。
【0101】
図1図10を参照して記述された事項は図12を参照して記述された事項に適用し得るため、詳細な説明は省略する。
【0102】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。ハードウェア装置は、本発明の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0103】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【0104】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0105】
1000 バッテリ充電装置
1010 インターフェース
1020 プロセッサ
1110 電気移動体
1120 バッテリシステム
1210 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12