(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】変形可能な遠位電極を伴うカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220829BHJP
A61B 5/25 20210101ALI20220829BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20220829BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/25
A61B5/33
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018055742
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2021-01-18
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シュバユ・バス
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・エイ・ソリス
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-083448(JP,A)
【文献】国際公開第2007/055783(WO,A1)
【文献】特開2012-040385(JP,A)
【文献】特開2010-155082(JP,A)
【文献】特開2015-217309(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0121657(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0041295(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0168737(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0327921(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12 - 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の細長いシャフトと、
遠位先端、並びにニュートラルな形態及び組織に接触する形態を選ぶように構成された弾性的に変形可能な電極を有する遠位区間と、を含むカテーテルプローブであって、前記変形可能な電極が、中空の多孔質チューブを含み、
前記チューブが、閉じられた遠位端を有する遠位部分と、前記チューブ
の内部への開口部を画定する近位部分と、を備え、前記遠位先端が、前記開口部を通って前記チューブ
の前記内
部に収容され、前記遠位区間が、通常
、前記チューブにより取り囲まれ、
前記変形可能な電極が前記ニュートラルな形態にある場合に、前記チューブの前記閉じられた遠位端が前記遠位先端から離間しており、かつ前記チューブの前記遠位部分がより小さい幅W1を有し、
前記変形可能な電極が前記組織に接触する形態にある場合に、前記チューブの前記遠位部分がより大きい幅W2を有
し、
前記チューブは、織り交ぜた繊維により形成され、前記繊維の遠位自由端が収束してナブが形成され、前記ナブは、前記チューブの前記内部に位置し、前記閉じられた遠位端から近位方向に延在している、カテーテルプローブ。
【請求項2】
前記より大きい幅W2が、前記より小さい幅W1よりも、少なくとも
1.5倍大きい、請求項1に記載のカテーテルプローブ。
【請求項3】
前記チューブが多孔質である、請求項1に記載のカテーテルプローブ。
【請求項4】
前記
織り交ぜた繊維が、導電性
である、請求項1に記載のカテーテルプローブ。
【請求項5】
前記チューブが、生体適合性エラストマー材料を含む、請求項1に記載のカテーテルプローブ。
【請求項6】
前記チューブが、導電性エラストマー材料を含む、請求項1に記載のカテーテルプローブ。
【請求項7】
前記弾性的に変形可能な電極が、表面電極を含む、請求項1に記載のカテーテルプローブ。
【請求項8】
前記表面電極が、導電性インク電極を含む、請求項
7に記載のカテーテルプローブ。
【請求項9】
前記表面電極が、プリント基板電極を含む、請求項
7に記載のカテーテルプローブ。
【請求項10】
前記表面電極が、スパッタコーティング電極を含む、請求項
7に記載のカテーテルプローブ。
【請求項11】
前記遠位先端は、遠位先端電極であり、前記ニュートラルな形態にある前記変形可能な電極に含まれる前記チューブは、前記遠位先端電極と接触しない遠位部分、及び、前記遠位先端電極の周面と接触する近位部分を有する、請求項1に記載のカテーテルプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気生理学(EP)カテーテルに関し、特に、RFアブレーション用の湾曲可能なEPカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されている。電極カテーテルは心臓内の電気的活動を刺激及びマッピングし、異常な電気的活動が見られる部位をアブレーションするために用いられる。
【0003】
使用にあたり、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿静脈の中に挿入され、次いで対象となる心室の中に誘導される。特定の医療処置では、高用量のエネルギーが身体組織に局所的に付与されるが、それに伴う組織損傷を低減するためにその治療領域を冷却することが望ましい。例えば、心臓アブレーション療法は、高周波(RF)電気エネルギーを用いて組織を加熱することにより、心筋に非導電性の損傷を生成して不整脈を治療するために使用される。アブレーション部位の領域を冷却することにより、組織の炭化及び血栓の形成が低下することが判明している。洗浄された遠位先端を伴うカテーテルが、アブレーション統合システムの一部として知られている。通常、組織を焼灼するためにRF電流により通電される金属カテーテル先端は、治療部位への灌注のために先端の周囲に分布させた多数の灌注孔を有する。カテーテルに連結したポンプは、食塩水をカテーテル先端に運搬し、また処置中にカテーテル先端及び組織を冷却するために孔を介して溶液を流す。
【0004】
心臓の特定の領域では、例えば、組織がより厚い心室では、経壁での損傷を生成することは難題である。深い損傷は通常、より高いRFエネルギーを必要とするが、より高いRFエネルギーは望ましくない蒸気発泡をもたらし得る。したがって、カテーテル自体のサイズを増大させることなく、電極/組織接触領域を増大させることよる、より深い損傷を生成する要求が存在する。
【0005】
可撓性の先端部を伴うカテーテルが知られている。米国特許第5,720,719号明細書は、展性チューブ及び可撓性チューブを含むプローブ端部を有する、カテーテルを記載している。その開示が参考として本明細書に組み込まれている、米国特許公開公報第2014/0121657号は、可撓性及び多孔質材料を含む変形可能な遠位端を有する、医療用プローブを記載している。可撓性及び多孔質の材料は、導電性材料を含んでよい。電気導線は、RFエネルギーを変形可能な遠位端に伝達するように、可撓性でかつ多孔質の材料に連結することができ、このRFエネルギーはRFエネルギーを組織に伝達する変形可能な遠位端によって組織に伝達され得る。この医療用プローブはまた、変形可能な遠位端の孔を通して組織を灌注する液体を搬送すること含んでよい、変形可能な端部を膨張させるための手段を含んでよい。変形可能な遠位端を膨張させるための手段は、変形可能な遠位端を膨張させるのに十分な機械的力を発生するように、液体を搬送することを含んでよい。変形可能な遠位端と組織との間の接触領域は、変形可能な遠位端を組織に押しつけたときに、増大させることができる。
【0006】
米国特許第8,249,685号明細書は、環状の表面を提供するように反転し得る網状の導電性部材を含む、マッピング及び/又は組織のアブレーション用装置に関する。網状の導電性部材の遠位先端が網状の導電性部材内で収縮する場合、突出部が欠如することにより、心臓壁などの組織壁に環状の表面が接触することを可能にする。非配備の形態では、導電性部材が長手方向へ延長しており、また配備された形態では、導電性部材の遠端部は導電性部材を反転させるよう収縮する。
【0007】
上記記述は、当該分野における関連技術の一般的概論として記載したものであって、この記述に含まれる何らの情報が本特許出願に対する先行技術を構成することを容認するものと解釈するべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カテーテルのフレンチサイズ、特にその遠位区分を増大させることなく、より大きい組織接触領域又はより大きくより深い損傷のための「設置面積」を提供する能力を構成する、カテーテルプローブに関する。いくつかの実施形態では、カテーテルプローブは、可撓性の細長いシャフト及び遠位先端を有する遠位区分、並びにニュートラルな形態及び組織に接触する形態を選択するように構成される弾性的に変形可能な電極とを含む。変形可能な電極は、中空の多孔質チューブを含み、中空の多孔質チューブが、閉じられた遠位端を有する遠位部分、及びチューブ内部への開口部を画定する近位部分を備え、遠位先端は開口部を通ってチューブ内に収容され、また遠位区分は通常チューブにより取り囲まれており、遠位区分の外側表面に取り付けられた近位部分を伴う。好都合なことに、チューブの閉じられた遠位端は、遠位部分が変形して膨張し、より大きな組織接触領域を提供することが可能となるように、遠位先端から離間している。
【0009】
いくつかの実施形態では、遠位部分は、予め成形された球根状形態を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、予め成形された球根状形態は、連続した湾曲を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、チューブの遠位部分は、近位部分の幅の少なくとも約1.5倍~3倍又は更に上回る、より大きい幅を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、チューブは多孔質である。
【0013】
いくつかの実施形態では、チューブは織布材料で構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、チューブは導電性の織布繊維で構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、チューブは生体適合性エラストマー材料で構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、チューブは、RF先端電極と導電的に接続する導電性材料で構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、カテーテルプローブは、遠位区分と細長いシャフトとの間に連結部材を含む。より詳細な実施形態では、連結部材は、ばね接合部として構成される管状部材を含み、ばね接合部は、遠位区分にて作用する軸力及び角度力に対して応答するように、構成される。
【0018】
その他の実施形態では、本発明のカテーテルプローブは、可撓性の細長いシャフト及び遠位先端電極、及び織布繊維の弾性的に変形可能なチューブを有する遠位区分とを含み、変形可能なチューブは(i)第1の幅を伴う、予備成形された多孔質部分を有するニュートラルな形態、及び(ii)組織に接触する形態、とを選ぶように構成され、多孔質部分は第1の幅よりも大きい第2の幅へと変形する。
【0019】
いくつかの実施形態では、変形可能がチューブはニュートラルな形態にある場合に、多孔質部分が遠位先端電極と接触せず、かつ変形可能なチューブが組織に接触する形態にある場合に、多孔質部分が遠位先端電極と接触する。
【0020】
いくつかの実施形態では、変形可能なチューブは、収束繊維を含む閉じられた遠位端、及び遠位先端電極を収容する開口部を画定する開口端を有し、また
【0021】
いくつかの実施形態では、変形可能なチューブは、アブレーションエネルギー源に電気的に接続している。
【0022】
いくつかの実施形態では、変形可能なチューブがニュートラルな形態及び組織に接触する形態にある場合に、球根状部分は連続的な湾曲を有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルプローブは、遠位区分と細長いシャフトとの間に連結部材を含み、連結部材は、遠位区分にて作用する軸力及び角度力に応答するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明のこれらの特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点は、添付図面と併せて考慮される場合に、以下の詳細な説明を参照することでより深い理解が得られるであろう。
【
図1】本発明の実施形態による、カテーテルプローブ焼灼システムの概略描写図である。
【
図2A】本発明の実施形態による、変形可能な電極を伴う遠位区分を含む、カテーテルプローブの側面図である。
【
図2B】組立中のチューブ及び遠位先端電極を伴う遠位区分の側面図である。
【
図2C】変形可能な電極が組織と接触している、
図2Aのカテーテルプローブの側面図である。
【
図3】本発明の実施形態による、力感知サブシステム及び位置感知サブシステムの概略図である。
【
図4】本発明の実施形態による、遠位先端電極の側断面図である。
【
図5A】本発明の実施形態による、変形可能な電極を構成するチューブの側面図である。
【
図5B】反転して遠位先端電極と組み立てられている、
図5Aのチューブの側面図である。
【
図5C】変形可能な電極が組織と接触している、
図5Bの組み立てられたチューブ及び遠位先端電極の側面図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による、変形可能な電極を伴う遠位区分を含む、カテーテルプローブの側面図である。
【
図7】一実施形態による、本発明で使用される、容積流量の分配システムの概略図である。
【
図8A】本発明の別の実施形態による、バルーン部材を含む、カテーテルプローブの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで、本発明の実施形態による、カテーテルプローブ焼灼システム10の概略描写図である
図1、及び本システムに使用されるカテーテルプローブ14の遠位区分12を示す
図2Aを参照する。システム10では、プローブ14は、遠位区分12を支持する細長いシャフト15を含み、遠位区分12及びシャフト15の一部は被験者22の脈管構造内、例えば心室20内へと挿入される。プローブは、体内組織26の焼灼を実施することを典型的に含む処置中に、システム10のオペレータ24によって使用される。遠位区分12は、好都合なことに変形可能な電極40を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、例えば、心臓内処置の場合、シャフト15及び遠位区分12は、典型的には2~3mm程の非常に小さな外径を有する。したがって、カテーテルプローブ14の内部構成要素の全ても、できるだけ小さく薄く作製され、わずかな機械的なゆがみによる損傷をできる限り防止するように配置される。
【0027】
図1に示すように、システム10の機能はシステムコントローラ30によって管理され、このシステムコントローラには、システム10の動作のためのソフトウェアが格納されているメモリ34と通信を行う処理装置32とが含まれている。いくつかの実施形態では、処理装置を含むコントローラ30はコンピュータであり、コントローラの機能の少なくともいくつかの機能を、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又は現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)などの、カスタム設計のハードウェア並びにソフトウェアを使用して実行してよい。コントローラ30は典型的には、ポインティングデバイス36及びグラフィカルユーザインタフェース(GUI)38(これらによってシステム10のパラメータをオペレータが設定することが可能になる)を使用して、オペレータ24により管理される。更に、GUI38は、典型的には、処置の結果をオペレータに対して表示する。
【0028】
メモリ34中のソフトウェアは、例えばネットワークを介して、電子的形態でコントローラ30にダウンロードすることができる。代替的に又は追加的に、ソフトウェアは、光学的、磁気的又は電子的記憶媒体などの非一時的有形媒体上で提供され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、コントローラ30は、力モジュール48、RF焼灼モジュール50、灌注モジュール52、及び位置モジュール54を備える。処理ユニット32は、遠位端の力の大きさ及び方向を測定するために、力モジュールを使用して信号を生成し、遠位端12の力センサ58に供給して力センサ58から受信した信号を測定する。力センサ58の動作及び構造は、以下でより詳細に説明する。
【0030】
処理装置32は、アブレーションモジュール50を使用して、電極を介して遠位区分12に印加されるアブレーション電力のレベルなどの、アブレーションパラメータを監視及び制御する。アブレーションモジュールはまた、提供される焼灼の持続時間を監視、制御する。
【0031】
典型的には、焼灼中、アブレーション電極及び周辺領域に熱が生じる。熱を放散させ、焼灼工程の効率を改善するために、システム10は、遠位端12に灌注流体を供給する。システム10は、灌注モジュール52を使用して、以下で詳述するように、灌注流体の流速及び温度などの灌注パラメータを監視、制御する。
【0032】
処理ユニット32は、位置モジュール54を使用して、患者22に対する遠位区分の位置及び配向を監視する。監視は、Biosense Webster(カリフォルニア州ダイアモンドバー)から入手可能なCarto3(登録商標)システムで提供されるものなど、当技術分野で知られているあらゆる追跡方法により実施することができる。そのようなシステムは、患者22の外部及び遠位端12内部にある高周波(RF)磁気送信機及び受信機要素を使用する。代替又は追加として、追跡位置は、カテーテルプローブ14の1つ以上の感知電極17と、患者22の皮膚に取り付けた、パッチ電極18との間のインピーダンスの測定によって実施することができ、これらのパッチ電極は、Carto3(登録商標)システムにも設けられるようなものである。
【0033】
図2Aに示すように、遠位区分12は、細長いシャフト15に接続されている。遠位区分は力センサ58を含む。力センサ58と類似した力センサの諸態様が、2013年1月22日にGovariらに対して発行された、米国特許第8,357,152号明細書、表題:「圧力検知を有するカテーテル」、及び、2009年11月30日にBeecklerらにより出願された、米国特許公開公報第2011/0130648号、表題:「圧力測定用先端部を有するカテーテル」に記載されているが、両者の開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
図2Aは、力センサ58の側面図を示す。センサ58は、弾性連結部材60を備え、弾性連結部材60はばね接合部62を形成する。いくつかの実施形態では、連結部材60は、それを通して、中央内腔68を伴う中空の管状形態を有する。連結部材60を2つの部品又は長手方向の半分(複数)にて形成する必要はないが、2つの部品による実施態様により、力センサ内に含まれる要素及び遠位区分12に組み付けられる他の要素をこの部材60内に組み込むことが簡単になる。通常、連結部材60は、ニッケルチタン(ニチノール)などの超弾性合金により形成される。
【0035】
連結部材60は、典型的には、1つ以上のらせん部カットを有する、又は別の方法で部材内に形成され、部材がばねとして作用するようにする。本明細書に記載される、
図2に示す実施形態では、らせん部は、2つの交互絡合したらせん部、即ち第1の切断らせん部72及び第2の切断らせん部74として形成され、本明細書ではこれらのらせん部を二重らせん部とも呼ぶ。しかし、連結部材60は、任意の正の整数のらせん部を有することができ、当業者であれば、過度の実験を伴わずに本明細書を適合させて2個以外の数のらせん部を包含させることができるであろう。代替的に、連結部材は、上記で言及した1つ以上の管状らせん切断部によってもたらしたものと同様の可撓性及び強度特性を有する、コイルばね又はあらゆる他の適切な種類の弾性構成要素を備えることができる。
【0036】
連結部材60は、典型的には可撓性プラスチック材料から形成した外装46(透明で示す)内に取り付けられ、また外装46により覆われる。連結部材60は、典型的には、外装46の内径とほぼ等しい外径を有する。このような、連結部材の外径が可能な限り大きい構成を有することにより、力センサ58の感度が増大する。更に、及び以下で説明するように、比較的大きな直径の管状結合部材、及びその比較的薄い壁により、結合部材内に封入されたより広い内腔68が遠位端内に提供され、この内腔68は、以下で説明するその他の要素により使用される。外装46は、連結部材60の長さに延出して、中空の管状形態の周囲に液密の封止を提供する。外装46は、CELCON、TEFLON又耐熱ポリウレタンを含む、可撓性かつ絶縁性の任意の好適な生体適合性材料から構成されていてもよい。
【0037】
カテーテルプローブ14が、例えば、心臓内組織を焼灼する際に使用される場合、遠位区分12の電極を通してRF電気エネルギーを送達することにより、遠位端12の領域でかなりの熱が発生する。この理由から、外装46は、例えば、ポリウレタンなどの耐熱性プラスチック材料を含み、外装46の形状及び弾性は、熱に対する曝露から大きな影響を受けないことが望ましい。
【0038】
図2A及び
図3にて示すように、力センサ58内、典型的には連結部材60の中央内腔68内では、コイル76、78、80及び82を備える接合検知組立体により、遠位区分12が組織に接触するように前進した場合のような、接合部62のあらゆる寸法変化の正確な読み取りがもたらされ、寸法変化には、接合部の軸方向のずれ及び角度のゆがみが含まれる。これらコイルは、本発明の実施形態で用いることができる磁気変換器の一種である。「磁気変換器」とは、本特許出願との関係においては、また特許請求の範囲において、印加された電流に応答して磁界を発生させ、かつ/又は、印加された磁界に応答して電気信号を出力する装置を意味するものである。本出願の実施形態では、コイルを磁気変換器として記述しているが、代わりの実施形態では、当業者にとっては自明であるように、他の種類の磁気変換器を用いることができる。
【0039】
検知組立体におけるコイルは、接合部62の反対側の軸方向側にて、2つの部分組立品の間で分けられる。一方の部分組立体は、コントローラ30からのケーブル(図示せず)を介して電流により駆動されるコイル82、及び磁場を生成する力モジュール48を備える。この磁場は、第2の部分組立体によって受信され、第2の部分組立体は、ばね接合部62を横切ってコイル82から軸方向に離間する遠位区分12の一区分に位置するコイル76、78及び80を備える。本出願及び特許請求の範囲の文脈で用いられる「軸方向」という用語は、遠位端12の対称部84の長手方向軸の方向を指す。軸平面とは、この長手方向の軸に対して垂直な平面であり、軸方向区分とは、2つの軸平面の間に含まれるカテーテルの一部分である。コイル82は、典型的には、軸84と一般に平行で、一致する対称軸を有する。
【0040】
コイル76、78及び80は、異なる半径方向位置で遠位端12の中に固定されている。(用語「径方向」は、軸84に対する座標を指す。)具体的には、この実施形態では、コイル76、78及び80の全てが、カテーテルの軸を中心として異なる方位角で同一の軸平面内に位置し、軸84に一般に平行なそれぞれの対称軸を有する。例えば、3個のコイルは、軸から同じ半径方向の距離にて、方位角で120度離間され得る。
【0041】
コイル76、78及び80は、コイル82によって伝達される磁場に応答して、電気信号を生成する。これらの信号は、遠位区分12から延出しているケーブル57(
図2A)によって、またシャフト15及び制御ハンドル16を介してコントローラ30へと伝えられ、コントローラ30は、力モジュール48を使用して信号を処理し、軸84に平行な接合部62のずれ、及び接合部の軸からの角度のゆがみを測定するようにする。測定したずれ及びゆがみから、コントローラ30は、予め決定し力モジュール48に保存した較正テーブルを使用して、接合部62に対する力の大きさ及び方向を評価することができる。
【0042】
コントローラ30は、位置モジュール54を使用して、遠位端12の位置及び配向を測定する。測定方法は、当技術分野で知られているあらゆる従来の方法によって行うことができる。一実施形態では、患者22の体外で生成した磁場により、遠位区分12の要素内に電気信号を生成し、コントローラ30は、この電気信号レベルを使用して遠位区分の位置及び配向を測定する。代替的に、磁場を遠位区分12内で生成することができ、磁場が生成した電気信号を患者22の体外で測定することができる。遠位区分12を位置づけるために使用される遠位区分12における要素としては、コイル85及びコイル86(
図3)、並びにコイル76、78及び80の内1つ(更に、力センサ58の要素としてのそれらの使用)が、遠位区分12内に収容される直交(x,y,z)位置要素として挙げられる。
【0043】
図2Aにて示すように、外装46の遠位端にて、又はその近くにて、外装46の外側表面上にリング電極17が取り付けられる。外装46の遠位端にて、又はその近くにて、遠位先端部材又は遠位先端電極21は、
図4にて示すようにシェル壁23及びプラグ部材28を有する。シェル壁23は、開口部25及び内側の窩洞27を有する。プラグ部材28は、開口部25にてシェル壁を伴う締り嵌めを有し、これにより内側の窩洞27を封止する。プラグ部材28は、制御ハンドル16にて、又はその近くにて、潅注チューブ31の近位端と連通しているルアーハブ33(
図1)を介して、遠隔供給源から流体(例えば、生理食塩水)を運搬するための潅注チューブ31の遠位端を収容する、少なくとも1つの軸方向の貫通孔29を有する。遠位先端電極21の内側の窩洞27へと運搬される流体は、シェル壁23内に形成された潅注開口35を介して内側の窩洞27を電極21の外側へと出る前に、周辺組織を流す及び/又は冷却して、電極21を冷却することができる。
【0044】
遠位先端シェル壁23及びプラグ部材28は、例えば、プラチナ、金、ステンレス鋼といった導電性材料から構成され、いくつかの実施形態では、好ましくはプラチナとイリジウムの合金(プラチナ90%、イリジウム10%)から作られる。プラグ部材28は、その近位表面上に、1つ以上の構成要素、例えば、プラグ部材28を通電させるためのリード線37の遠位端を収容するための、1つ以上の止り穴を伴って構成されてよい。プラグ部材28の近位及びばね接合部62の遠位、力感知部分組立品のコイル82(
図3)は、外装46内で連結部材60の内腔68内に位置づけられてよい。リード線37及び洗浄チューブ31は、内腔68を通って延出し更にカテーテルシャフト15の内腔を介する、保護チューブ65を貫通させる。
【0045】
図5Aは、遠位区分12の変形可能な電極40を構成するのに好適な、織布材料を示す。いくつかの用途に関して、弾力的な織布繊維又は織物メッシュは、有利であり得る。機械的強度及び弾力性の増強のために、織布材料は、ニチノールのストランド等の弾性金属繊維から少なくとも部分的に織られてもよい。金属系布地の使用はまた、電気エネルギーを心臓内組織に伝導する上で有用である。
【0046】
いくつかの実施形態では、材料は、
図5Aにて示すように、近位開口部44、閉じられた遠位端45との間で流路43を画定する外側表面51及び内側表面52を伴う中空チューブ42として形成される、織り交ぜた繊維41を含み、繊維41の遠位自由端が収束してナブ47へと互いに束になる、例えば、その他の繊維、締め具、及び/又は接着剤により流路43が封鎖される。流路43の外側にあり、かつ遠位方向に向いているナブ47を伴い、
図5Aにて示すように、チューブ42は内側向きになって反転し、これにより、ナブ47は流路43へと引き寄せられて近位方向に向き、かつ
図5Bにて示すように、内側表面52が外側に面し、また滑らかで非外傷性の遠位端表面が現れる。チューブ42は、次に遠位区分12へと滑る、又は別の方法で、近位開口部44を通って挿入されている遠位先端13を伴い、遠位区分12にわたって装備される。遠位区分12は、チューブ42の閉じられた遠位端45の近位にある位置Xへと進行し、これにより、チューブ42が外部の変形力から影響を受けないそのニュートラルな形態にある場合に、チューブ42の閉じられた遠位端45と遠位区分12の遠位先端13との間に、体積空間の間隙Sができる。そのようなものであるから、そのニュートラルな形態にあるチューブ42は、遠位先端電極21と接触しない第1遠位部分又は遠位部分D、及び通常遠位先端電極21と周囲方向に接触する第2近位部分又は近位部分Pとを有する。チューブ42の近位開口部44は、遠位先端電極21のシェル壁23の近位端の周囲に延出し、かつシェル壁23の周囲を覆い包んで、1つ以上のバンド49(
図2Aを参照)により固定される。チューブ42は、直接、導電的にシェル壁23と接触し、これにより、シェル壁23の通電が同様にチューブ42を通電させる。更に、カテーテルが、例えば、誘導外装(図示せず)を介して患者の脈管構造内へと挿入された場合に、チューブ42が弾力的であるが故に、その遠位部分Dが容易に圧縮されて、遠位先端電極21及び遠位先端区分12の幅又はフレンチサイズ以下のサイズにまで下がり、かつ誘導外装から配備されたときに、容易にそのニュートラルな形態へと戻る。
【0047】
いくつかの実施形態では、
図5A及び
図5Bにて示すように、チューブ42は均一に円柱状の形態を有してよい。そのニュートラルな形態にあるチューブ42は、通常その長さに沿った均一な幅W1を有し、幅W1は遠位先端電極21の幅以上であり、これにより、基礎材料の組織を著しく引き伸ばすことなく、電極21がチューブ42内へと容易に挿入され得る。更に、
図5Cにて示すように、遠位区分12が進行する際にチューブ42の遠位面Fが組織に接触する場合、更に遠位先端電極21が組織表面Tに隣接又は接触する場合に、チューブ42の遠位部分Dは、そのニュートラルな形態から幅W2>W1へと径方向に拡張して膨張する。このような径方向の拡張を伴い、チューブ42の遠位部分Dは、組織が焼灼され得ることにより、遠位先端電極21が単独である場合と比較して、変形可能な電極40がより大きい接触表面領域又は設置面積Fを提供することを可能にする。
【0048】
その他の実施形態では、チューブ42は、
図2Bにて示すように、遠位覆い部分DC及び近位幹状部分PSを伴うキノコ形状を有する、ニュートラルな形態を有してよい。近位幹状部PSは通常真直であり、一般にその長さに沿った均一な幅W3を伴い、幅W3は通常、遠位先端電極21の幅以下であってよい。チューブ42の遠位覆い部分DCは、通常平坦である又は小弯C1を有する遠位面DF、及び連続的であるが故に角的又は急角度的な遷移がない大弯C2を有する、球根状部分Bとを有する。球根状部分Bの幅W4は、幹状部分PSの幅W3の少なくとも約1.5倍である。遠位区分12上に取り付けられている場合、近位幹状部分PSは通常、
図2Aに示すように、遠位先端電極21と周囲方向に接触しており、かつ遠位覆い部分DCは遠位先端電極21と接触しない。
【0049】
図2Cにて示すように、遠位区分12が組織の方向へと進行する際に、チューブ42の遠位面DFが組織Tと接触する場合、球根状部分Bを含む遠位覆いDCはより平坦になり、かつより広がり、遠位先端電極21のものと比較して著しく拡張した接触表面領域又は設置面積Fとなるように、放射状に拡張する。遠位覆いDC及び鋭角又は角を有さない連続的な湾曲を有するその球根状部分Bを伴うことにより、遠位覆いDC及び球根状部分Bは、拡張の間、もつれ又は望ましくない変形を伴うことなく、その全体の形状を容易に維持することができる。
【0050】
本発明のいかなる実施形態に関しても、接触表面領域に対して垂直の軸線の周りで遠位区分12を回転させることにより、組織接触表面領域Fを増大させることができる(円錐体積をすくい取ることによる)。このようにして、球根状部分Bの辺縁部分PYを、追加の組織表面F’と接触させることができる。
【0051】
稼働中、本明細書の実施形態のチューブ42の遠位部分Dを、流体(例えば食塩水又は任意のその他の好適な潅注流体)により潅注して拡張させることができ、潅注モジュール52は潅注チューブ31を介して流体をくみ上げて、潅注開口35を介して流出させる遠位先端電極21へと食塩水を運搬し、これにより、チューブ42の遠位部分Dを膨張させるのに十分な機械的力を発生させる。図に示すように、チューブ42の遠位部分Dが膨張して心臓内の組織Tに対して押しつけられる間、遠位部分はより良好に心臓内の組織Tへ適合し得る。
【0052】
変形可能な電極40が導電性、例えば好適な金属ストランド又は導電性ポリマーを含む場合、アブレーションモジュール50は、リード線37を介してRFエネルギーを変形可能な電極40に伝達することができ、また変形可能な電極40はこのエネルギーを組織に伝える。あるいは、又は更に、リード線37は、遠位先端電極21内へと運搬される導電性の流体(食塩水)にRFエネルギーを印加してもよく、この場合、導電性の流体は、変形可能な電極40を介して、RFエネルギーを心臓内の組織に伝え得る。
【0053】
その他の実施形態では、
図6にて示すように、変形可能な電極40は、1つ以上の導電性部材又は表面電極93が塗装若しくは例えばプリント基板、スパッタコーティングなどの別の方法で適用されている外側表面92を有する、生体適合性である可撓性及び弾性の基材91を含む、膨張したバルーンチューブ90を含んでよい。基材91及びバルーン部材90は、チューブ42に関して上記の又は本明細書にて示されている、任意の1つ以上の適用可能な特徴と考えられ得ることが、理解されている。基材91が織布ではなく、さもなければ多孔質でもない場合、バルーン部材90の27の内側窩洞へと運搬されてバルーン部材90から流出する流体のために、潅注ポート94は基材91に形成されてよい。
【0054】
ある種の実施形態にて、表面電極93を形成する導電性材料は、当業者により理解されるように、マイクロペン(micropen)又は容積流量の分配システムにより適用される。マイクロペンは、時間あたりで制御可能なペースト体積を分配することができ、これは、転写体積、ペーストの濃度、及び書き込み速度を変化させることにより、厚さの制御を可能にする。
図7にて示すように、容積流量の分配システム160は、基材表面又は下層材料に対して実質的に垂直であることを維持するペン先端164を含む。このようなシステムは、米国特許第9,289,141号明細書、表題:「心拍出量測定用の装置及び方法」に開示されている。容積流量の分配技術及び直接描画堆積ツールとしてはエアロゾル噴射が挙げられ、また自動注射器は、MicroPen Technology及びOhmcraft,Inc.,(両社ともニューヨーク州ハニーオアイ・フォールズ)による、商標MICROPENの名称にて入手可能である。
【0055】
図7にて示すように、バルーン部材90は、電極93をその外側表面92上に転写するのに先立って、少なくとも部分的に膨張する。コンピュータ162などの処理システムは、バルーン部材90の輪郭を示す輪郭像のマップを発生させる。上で得られた輪郭マップからの情報が、1つ以上の転写寸法を変化させることにより輪郭マップへの応答を可能にする、容積流量の分配システム160へと提供される。いくつかの実施形態では、容積流量の分配システム160は、書き込みヘッド164(ペン先端など)及び少なくとも3つの独立した方向にてバルーン部材93の移動を可能にする、基材ステージ166を含む。書き込みヘッド164は、基材ステージ166に対する移動が可能である。書き込みヘッド164は、基材の任意の液体又は半固体の材料、及び電極(複数)93を形成するために使用される導電性材料に対して、適用される。
【0056】
書き込みヘッド164は、
図7にて示すように、y軸として、一方向のみの移動が可能な軸線上に取り付けられている。対照的に、少なくとも3つの独立した方向にて移動が可能な基材ステージ166では、x軸、ファイ(z軸に沿った、時計回り又は反時計回りの回転)、及びシータ(x軸に沿った、時計回り又は反時計回りの回転)である。ある種の実施形態では、基材ステージ166は、
図7に示すように、y軸として、第4の独立した方向にて移動が可能である。
【0057】
表面電極93は、バルーン部材90上の任意の種々の模様を想定し得る。1つ以上の半田パッド69(
図6)が、電気的接続の内部リード線37及び表面電極93とに提供されてよい。外装46内に形成され半田パッド69と接続する開口(複数)71を通って、外装46の内部から外部へと、1つ以上のリード線37が遷移し得る。その他の実施形態では、RFエネルギーを導電させるリード線により、電極93が先端電極21と接続している。リード線は、バルーン部材90の外側表面に沿って先端電極21へと到達するように延びてよい、又はリード線は、バルーン部材の内部を通って先端電極21へと到達するように延びてよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、バルーン部材90は導電性ポリマーで構成される。いくつかの実施形態では、バルーン部材90は、
図8A及び
図8Bにて示すように、通常環状の断面図、及び延出した遠位先端電極21を貫通した中央開口部を有する、トロイダル形態として定義される、球根状又はドーナツ形状を有する。いくつかの実施形態では、バルーン部材90は、約4.0mm~5.1mmの範囲の幅Wを有する。
図8Bにて示すように、バルーン部材90が膨張した場合に、組織表面と接触するためのリング形状の遠位表面が現れる。
【0059】
上記の説明文は、現時点において開示されている本発明の実施形態に基づいて示したものである。本発明が関連する分野及び技術の当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を大きく逸脱することなく、記載される構造に改変及び変更を実施し得る点は認識されるであろう。当業者が理解するように、図面は必ずしも一定の縮尺である必要はなく、また、所望により又は必要に応じて、いくつかの実施形態に記載されるいかなる特徴又は特徴の組み合わせも、他の任意の実施形態に組み込むことが可能であり、又は、別の実施形態の任意の他の特徴と組み合わせることが可能である。したがって、上記の説明文は、添付図面に記載及び例示される正確な構成のみに関連したものとして読まれるべきではなく、むしろ以下の最も完全で公正な範囲を有するものとされる特許請求の範囲と一致し、かつこれを支持するものとして読まれるべきである。
【0060】
〔実施の態様〕
(1) 可撓性の細長いシャフトと、
遠位先端、並びにニュートラルな形態及び組織に接触する形態を選ぶように構成された弾性的に変形可能な電極を有する遠位区間と、を含むカテーテルプローブであって、前記変形可能な電極が、中空の多孔質チューブを含み、前記中空の多孔質チューブが、閉じられた遠位端を有する遠位部分と、前記チューブ内部への開口部を画定する近位部分と、を備え、前記遠位先端が、前記開口部を通って前記チューブ内に収容され、前記遠位区間が、通常チューブにより取り囲まれ、
前記変形可能な電極が前記ニュートラルな形態にある場合に、前記チューブの前記閉じられた遠位端が前記遠位先端から離間しており、かつ前記チューブの前記遠位部分がより小さい幅W1を有し、
前記変形可能な電極が前記組織に接触する形態にある場合に、前記チューブの前記遠位部分がより大きい幅W2を有する、カテーテルプローブ。
(2) 前記遠位部分が、予め成形された球根状形態を有する、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
(3) 前記予め成形された球根状形態が連続した湾曲を有する、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
(4) 前記より大きい幅W2が、前記より小さい幅W1よりも、少なくとも約1.5倍大きい、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
(5) 前記チューブが多孔質である、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
【0061】
(6) 前記チューブが、織布材料を含む、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
(7) 前記チューブが、導電性の織布繊維を含む、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
(8) 前記チューブが、生体適合性エラストマー材料を含む、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
(9) 前記チューブが、導電性エラストマー材料を含む、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
(10) 前記弾性的に変形可能な電極が、表面電極を含む、実施態様1に記載のカテーテルプローブ。
【0062】
(11) 前記表面電極が、導電性インク電極を含む、実施態様10に記載のカテーテルプローブ。
(12) 前記表面電極が、プリント基板電極を含む、実施態様10に記載のカテーテルプローブ。
(13) 前記表面電極が、スパッタコーティング電極を含む、実施態様10に記載のカテーテルプローブ。
(14) 可撓性の細長いシャフトと、
遠位先端電極、及び織布繊維の弾性的に変形可能なチューブを有する遠位区間と、を含むカテーテルプローブであって、前記変形可能なチューブが(i)第1の幅を伴う、予備成形された球根状部分を有するニュートラルな形態、及び(ii)前記球根状部分が前記第1の幅よりも大きい第2の幅へと変形する、組織に接触する形態、を選ぶように構成され、
前記変形可能なチューブが前記ニュートラルな形態にある場合に、前記球根状部分が前記遠位先端電極と接触せず、かつ前記変形可能なチューブが前記組織に接触する形態にある場合に、前記球根状部分が前記遠位先端電極と接触し、
前記変形可能なチューブが、収束繊維を含む閉じられた遠位端、及び前記遠位先端電極を収容する開口部を画定する開口端を有し、また
前記変形可能なチューブが、アブレーションエネルギー源に電気的に接続している、カテーテルプローブ。
(15) 前記変形可能なチューブが、前記ニュートラルな形態及び前記組織に接触する形態にある場合に、前記球根状部分が連続的な湾曲を有する、実施態様14に記載のカテーテルプローブ。
【0063】
(16) 前記チューブが多孔質である、実施態様14に記載のカテーテルプローブ。
(17) 前記チューブが、織布材料を含む、実施態様14に記載のカテーテルプローブ。
(18) 前記チューブが、導電性の織布繊維を含む、実施態様14に記載のカテーテルプローブ。
(19) 前記チューブが、トロイダル形態を有する、実施態様14に記載のカテーテルプローブ。
(20) 前記チューブが、表面電極を含む、実施態様14に記載のカテーテルプローブ。