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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】競売・落札商品管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20220829BHJP
【FI】
G06Q30/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018099644
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019204330
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】508294365
【氏名又は名称】株式会社HAPPY PRICE
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】小林 裕昌
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-122629(JP,A)
【文献】特開2007-188273(JP,A)
【文献】特開2018-036747(JP,A)
【文献】特開2004-352436(JP,A)
【文献】特開2005-200126(JP,A)
【文献】特開2004-115214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オークション会場おけるオークションに出品されて競りかけられる競売商品および前記競りによって落札された落札商品を管理する競売・落札商品管理システムにおいて、
前記競売・落札商品管理システムが、前記競りにかけられる前に複数の競売商品に個別に取り付けられる複数のタグと、それらタグに設置されたICチップの固有識別子を読み取るリーダと、それらICチップの固有識別子を管理する管理コンピュータとから形成され、
前記管理コンピュータが、前記落札された落札商品に対応しつつ該落札商品を落札した落札者を特定する落札者特定データを前記ICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する落札者特定データ記憶手段と、前記リーダを利用し、前記競りによって特定の落札者に落札された複数の落札商品に取り付けられたタグのICチップの固有識別子を読み取る識別子読み取り手段と、前記識別子読み取り手段によって読み取られたICチップの固有識別子と前記落札者特定データ記憶手段によって記憶したICチップの固有識別子とを比較する識別子比較手段と、前記識別子比較手段によってICチップの固有識別子を比較した結果、前記識別子読み取り手段によって読み取られた複数の落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子のすべてが前記落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップの固有識別子に一致した場合、前記落札された複数の落札商品の出荷を可とする第1検品手段と、前記識別子読み取り手段によって読み取られた複数の落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子のうちの少なくとも1つが前記落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップの固有識別子に一致しない場合、前記落札された複数の落札商品の出荷を不可とする第2検品手段とを有することを特徴とする競売・落札商品管理システム。
【請求項2】
前記競売・落札商品管理システムが、前記リーダを設置したチェックボックスを含み、前記識別子読み取り手段では、特定の落札者によって落札された複数の落札商品すべてを前記チェックボックスに収納し、前記チェックボックスに設置された前記リーダを利用してそれら落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子を纏めて読み取る請求項1に記載の競売・落札商品管理システム。
【請求項3】
前記競売・落札商品管理システムが、前記オークション会場における競りの最中にオークション開催者が発声した競売商品の競売商品特定詞と落札商品を落札した落札者特定詞と落札された落札商品の落札価格詞とを前記管理コンピュータに入力する入力装置を含み、前記入力装置が、前記競売商品特定詞を競売商品特定データとして前記管理コンピュータに入力し、前記落札者特定詞を前記落札者特定データとして前記管理コンピュータに入力するとともに、前記落札価格詞を落札価格データとして前記管理コンピュータに入力する詞入力手段を有し、前記管理コンピュータが、各競売商品を特定する競売商品特定データを前記タグに設置されたICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する競売商品特定データ記憶手段)と、前記詞入力手段によって入力された前記落札商品の落札価格詞を該落札商品の落札価格データとして前記ICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する落札価格データ記憶手段とを含み、前記落札者特定データ記憶手段では、前記詞入力手段によって入力された前記落札者特定詞を前記落札者特定データとして記憶し、前記詞入力手段によって入力された前記競売商品特定詞を前記競売商品特定データとして認識する請求項1または請求項2に記載の競売・落札商品管理システム。
【請求項4】
前記管理コンピュータが、前記第2検品手段において前記落札商品の出荷を不可とした場合、不一致の固有識別子のICチップを有するタグを取り付けた前記落札商品の不一致商品特定データを出力する不一致商品特定データ出力手段を含む請求項3に記載の競売・落札商品管理システム。
【請求項5】
前記オークション開催者には、競売の進捗をはかる進行係と、競売を司会する競売人と、前記競売人の声を復唱する復唱係とが存在し、前記進行係が、前記競売商品の競売商品特定詞を発声し、前記復唱係が、前記落札商品を落札した落札者特定詞と落札された落札商品の落札価格とを発声し、前記詞入力手段では、前記進行係が発声した競売商品特定詞を前記競売商品特定データとして前記管理コンピュータに入力し、前記復唱係が発声した落札者特定詞を前記落札者特定データとして前記管理コンピュータに入力するとともに、前記復唱係が発声した落札価格詞を前記落札価格データとして前記管理コンピュータに入力する請求項3または請求項4に記載の競売・落札商品管理システム。
【請求項6】
前記進行係が発声した前記競売商品特定詞が、該進行係の声を拾うマイクに音声データとして入力され、前記詞入力手段では、前記音声データとして前記マイクに入力された前記競売商品特定詞が前記競売商品特定データとして該マイクから前記管理コンピュータに入力される請求項5に記載の競売・落札商品管理システム。
【請求項7】
前記復唱係が発声した前記落札者特定詞および前記落札価格詞が、該復唱係の声を拾う前記マイクに音声データとして入力され、前記詞入力手段では、前記音声データとして前記マイクに入力された前記落札者特定詞が前記落札者特定データとして該マイクから前記管理コンピュータに入力され、前記音声データとして前記マイクに入力された前記落札価格詞が前記落札価格データとして該マイクから前記管理コンピュータに入力される請求項6に記載の競売・落札商品管理システム。
【請求項8】
前記競売・落札商品管理システムが、前記タグに貼付するラベルを作るラベルプリンターを含み、前記管理コンピュータが、前記詞入力手段によって前記競売商品特定データと前記落札者特定データと前記落札価格データとが該管理コンピュータに入力された後、前記落札者特定データの落札者名および前記落札価格データの落札価格が表示されて前記タグに貼付するラベルを前記ラベルプリンターから出力するラベル出力手段を含む請求項3ないし請求項7いずれかに記載の競売・落札商品管理システム。
【請求項9】
前記管理コンピュータが、前記競りにかけられる前の競売商品の商品データを前記ICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する商品データ記憶手段と、前記詞入力手段によって前記競売商品特定データと前記落札者特定データと前記落札価格データとが該管理コンピュータに入力されるとともに、前記第1検品手段によって落札された前記落札商品の出荷を可とした場合、特定の落札者に落札された落札商品の前記落札者特定データと前記落札価格データと前記商品データとを表示した落札商品明細を出力する落札商品明細出力手段を含む請求項8に記載の競売・落札商品管理システム。


【請求項10】
前記競売商品の商品データが、該競売商品の出品者、該競売商品の商品名、該競売商品の写真、該競売商品の入札価格を含み、前記管理コンピュータが、前記競りにかけられる前の競売商品のそれら商品データを出力する競売商品データ出力手段を含む請求項9に記載の競売・落札商品管理システム。
【請求項11】
前記落札商品明細出力手段によって出力される落札商品明細には、落札された落札商品の出品者、該落札商品の商品名、該落札商品の入札価格が表示される請求項10に記載の競売・落札商品管理システム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オークション会場の競りかけられる競売商品および競りによって落札された落札商品を管理する競売・落札商品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
参加者により操作される参加者端末と、オペレータにより操作されるオークション主催者端末と、参加者端末およびオークション主催者端末にネットワークを介して接続されたオークションサーバとから形成され、オークション主催者端末に備えられてオークションをスタートさせるために操作されるオークションスタート操作部と、オークション主催者端末に備えられ、オークションスタート操作部が操作されることによってオークションスタート信号がオークションサーバに送信された後、オークションサーバからオークション主催者端末にあらかじめ入力されたスタート価格から順次増大させた価格を現在価格情報として順次送信されることにより、現在価格が順次更新表示される主催者端末表示部と、参加者端末に備えられ、オークションスタート操作部が操作されることによってオークションスタート信号がオークションサーバに送信された後、オークションサーバから参加者端末にあらかじめ入力されたスタート価格から順次増大させた価格を現在価格情報として順次送信されることにより、現在価格が順次更新表示される参加者端末表示部と、参加者端末に備えられて参加者端末表示部に表示された現在価格で応札させるために操作される参加者応札操作部と、主催者端末表示部および参加者端末表示部は、参加者応札操作部が操作されることによって応札された現在価格である応札価格情報を含む応札信号がオークションサーバに送信された後、オークションサーバからオークション主催者端末および参加者端末に応札価格情報が送信されることによって応札価格以上のあらかじめ定められた応札後現在価格が現在価格として表示され、オークション主催者端末に備えられて参加者応札操作部により応札された応札価格で落札しないときに操作される不落札操作部とを有し、主催者端末表示部および参加者端末表示部は、現在価格に応札後現在価格が表示された状態で不落札操作部が操作されることにより、その後順次増大させた価格を現在価格として順次更新表示され、オークションサーバは、参加者応札操作部により応札操作された後の所定の時間内に不落札操作部が操作された場合、オークション主催者端末および参加者端末表示部に、最後に応札された応札後現在価格を現在価格として表示されるオークションシステムが開始されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-190442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示のオークションシステムは、インターネットを介して接続された参加者端末とオークション主催者端末とオークションサーバとを利用し、参加者およびオークション主催者がインターネット上でオークションを行う。なお、インターネットを介して接続された端末とサーバとを利用して競りを行うネット型のオークションの他に、実際のオークション会場に複数の落札者(バイヤー)が集合し、競りに出された競売商品に対してそれら落札者が相互に値段を競り合い、最も高値を付けた落札者が競り落とす現物競り落とし型のオークションがある。
【0005】
オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションでは、オークションにかけられる競売商品がオークション会場に運ばれ、オークション開催日にオークション会場に複数の落札者(バイヤー)が集合し、競売の進捗をはかる進行係が競売商品の商品番号や商品名等の商品特定詞を発した後、競売人(オークショニア)が競売を司会しつつ競売価格をつり上げて行く。競売商品が競り落とされた後、競売人の声を復唱する復唱係(オーム)が落札商品を落札した落札者特定詞と落札された落札商品の落札価格詞とを発声する。事務係(競売補助者)は、進行係が競売商品の商品特定詞として発声した商品番号や商品名等を用紙やタグに記載し、復唱係(オーム)が落札者特定詞として発声した落札者名および復唱係が落札価格詞として発声した落札価格を用紙やタグ(荷札)に記載する。事務係は、商品番号や商品名等、落札者名、落札価格を記載した用紙やタグを落札された落札商品に添付する。
【0006】
事務係(競売補助者)は、複数の競売商品が落札された後、それら落札商品を各落札者毎(各バイヤー毎)に仕分け、それら落札商品を各落札者毎の郵送箱(検品ボックス)に収納するとともに、それら落札商品の商品番号や商品名等、落札者名、落札価格等の落札情報を記載した落札商品明細を各落札者毎に作り、それら落札商品の売上伝票や請求書を各落札者毎に作る。また、郵送箱(検品ボックス)に収納した落札商品の確認を各落札者に依頼し、それら落札商品が特定の落札者によって落札されたものかを各落札者毎に確かめてもらう。
【0007】
現物競り落とし型のオークションでは、実際に競売商品を視認することができ、競売商品の状態を把握しながら落札することができる反面、各落札者による落札商品の確認作業に多大な時間を要し、落札者への落札商品の配送が滞る原因になっている。また、他の落札者が落札した落札商品が特定の落札者のそれら落札商品に混入する場合があり、落札していない競売商品の発見作業や返品作業、返金作業が非常に煩雑となり、競売商品の円滑な売買が妨げられる原因になっている。また、事務係(競売補助者)が複数の競売商品や複数の落札商品を個別に管理しなければならず、その管理作業に多大な手間と時間とを要しているとともに、競売商品や落札商品と商品番号、商品名等、落札者名、落札価格等の落札情報との間にミスマッチが発生している。
【0008】
本発明の目的は、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、各落札者による落札商品の確認作業の手間を省くことができ、落札者が落札したそれら落札商品を真の落札者へ速やかに配送することができる競売・落札商品管理システムを提供することにある。本発明の他の目的は、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、他の落札者が落札した落札商品が特定の落札者のそれら落札商品に混入したとしても、特定の落札者への落札商品の配送前に他の落札者が落札した落札商品を容易に発見することができ、落札していない競売商品の発見作業や返品作業、返金作業を行う手間を省くことができ、競売商品を円滑に売買することができる競売・落札商品管理システムを提供することにある。本発明の他の目的は、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、競売商品や落札商品を容易に管理することができ、競売商品や落札商品と商品番号、商品名等、落札者名、落札価格等の落札情報とのミスマッチの発生を防ぐことができる競売・落札商品管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明の前提は、オークション会場おけるオークションに出品されて競りかけられる競売商品および競りによって落札された落札商品を管理する競売・落札商品管理システムである。
【0010】
前記前提における本発明の競売・落札商品管理システムの特徴は、競売・落札商品管理システムが、競りにかけられる前に複数の競売商品に個別に取り付けられる複数のタグと、それらタグに設置されたICチップの固有識別子を読み取るリーダと、それらICチップの固有識別子を管理する管理コンピュータとから形成され、管理コンピュータが、落札された落札商品に対応しつつ落札商品を落札した落札者を特定する落札者特定データをICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する落札者特定データ記憶手段と、リーダを利用し、競りによって特定の落札者に落札された複数の落札商品に取り付けられたタグのICチップの固有識別子を読み取る識別子読み取り手段と、識別子読み取り手段によって読み取られたICチップの固有識別子と落札者特定データ記憶手段によって記憶したICチップの固有識別子とを比較する識別子比較手段と、識別子比較手段によってICチップの固有識別子を比較した結果、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子のすべてが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップの固有識別子に一致した場合、落札された複数の落札商品の出荷を可とする第1検品手段と、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子のうちの少なくとも1つが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップの固有識別子に一致しない場合、落札された複数の落札商品の出荷を不可とする第2検品手段とを有することにある。
【0011】
本発明の競売・落札商品管理システムの一例としては、競売・落札商品管理システムが、リーダを設置したチェックボックスを含み、識別子読み取り手段では、特定の落札者によって落札された複数の落札商品すべてをチェックボックスに収納し、チェックボックスに設置されたリーダを利用してそれら落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子を纏めて読み取る。
【0012】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例としては、競売・落札商品管理システムが、オークション会場における競りの最中にオークション開催者が発声した競売商品の競売商品特定詞と落札商品を落札した落札者特定詞と落札された落札商品の落札価格詞とを管理コンピュータに入力する入力装置を含み、入力装置が、競売商品特定詞を競売商品特定データとして管理コンピュータに入力し、落札者特定詞を落札者特定データとして管理コンピュータに入力するとともに、落札価格詞を落札価格データとして管理コンピュータに入力する詞入力手段を有し、管理コンピュータが、各競売商品を特定する競売商品特定データをタグに設置されたICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する競売商品特定データ記憶手段)と、詞入力手段によって入力された落札商品の落札価格詞を落札商品の落札価格データとしてICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する落札価格データ記憶手段とを含み、落札者特定データ記憶手段では、詞入力手段によって入力された落札者特定詞を落札者特定データとして記憶し、詞入力手段によって入力された競売商品特定詞を競売商品特定データとして認識する。
【0013】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例としては、管理コンピュータが、第2検品手段において落札商品の出荷を不可とした場合、不一致の固有識別子のICチップを有するタグを取り付けた落札商品の不一致商品特定データを出力する不一致商品特定データ出力手段を含む。
【0014】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例として、オークション開催者には、競売の進捗をはかる進行係と、競売を司会する競売人と、競売人の声を復唱する復唱係とが存在し、進行係が、競売商品の競売商品特定詞を発声し、復唱係が、落札商品を落札した落札者特定詞と落札された落札商品の落札価格とを発声し、詞入力手段では、進行係が発声した競売商品特定詞を競売商品特定データとして管理コンピュータに入力し、復唱係が発声した落札者特定詞を落札者特定データとして管理コンピュータに入力するとともに、復唱係が発声した落札価格詞を落札価格データとして管理コンピュータに入力する。
【0015】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例としては、進行係が発声した競売商品特定詞が、進行係の声を拾うマイクに音声データとして入力され、詞入力手段では、音声データとしてマイクに入力された競売商品特定詞が競売商品特定データとしてマイクから管理コンピュータに入力される。
【0016】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例としては、復唱係が発声した落札者特定詞および落札価格詞が、復唱係の声を拾うマイクに音声データとして入力され、詞入力手段では、音声データとしてマイクに入力された落札者特定詞が落札者特定データとしてマイクから管理コンピュータに入力され、音声データとしてマイクに入力された落札価格詞が落札価格データとしてマイクから管理コンピュータに入力される。
【0017】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例としては、競売・落札商品管理システムが、タグに貼付するラベルを作るラベルプリンターを含み、管理コンピュータが、詞入力手段によって競売商品特定データと落札者特定データと落札価格データとが管理コンピュータに入力された後、落札者特定データの落札者名および落札価格データの落札価格が表示されてタグに貼付するラベルをラベルプリンターから出力するラベル出力手段を含む。
【0018】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例としては、管理コンピュータが、競りにかけられる前の競売商品の商品データをICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する商品データ記憶手段と、詞入力手段によって競売商品特定データと落札者特定データと落札価格データとが管理コンピュータに入力されるとともに、第1検品手段によって落札された落札商品の出荷を可とした場合、特定の落札者に落札された落札商品の落札者特定データと落札価格データと商品データとを表示した落札商品明細を出力する落札商品明細出力手段を含む。
【0019】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例としては、競売商品の商品データが、競売商品の出品者、競売商品の商品名、競売商品の写真、競売商品の入札価格を含み、管理コンピュータが、競りにかけられる前の競売商品のそれら商品データを出力する競売商品データ出力手段を含む。
【0020】
本発明の競売・落札商品管理システムの他の一例としては、落札商品明細出力手段によって出力される落札商品明細には、落札された落札商品の出品者、落札商品の商品名、落札商品の入札価格が表示される。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る競売・落札商品管理システムによれば、管理コンピュータが識別子比較手段によってICチップの固有識別子を比較した結果、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子のすべてが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップの固有識別子に一致した場合、落札された複数の落札商品の出荷を可とする第1検品手段と、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子のうちの少なくとも1つが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップの固有識別子に一致しない場合、落札された複数の落札商品の出荷を不可とする第2検品手段とを有するから、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、特定の落札者が落札した複数の落札商品がその落札者が落札したものか否かをそれら落札商品に取り付けられたタグのICチップの固有識別子によって瞬時に判断することができ、各落札者による落札商品の確認作業の手間を省くことができるとともに、落札者が落札したそれら落札商品を真の落札者へ速やかに配送することができる。
【0022】
リーダを設置したチェックボックスを含み、識別子読み取り手段において、特定の落札者によって落札された複数の落札商品すべてをチェックボックスに収納し、チェックボックスに設置されたリーダを利用してそれら落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子を纏めて読み取る競売・落札商品管理システムは、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、特定の落札者が落札した複数の落札商品に取り付けられたタグのICチップの個別識別子をチェックボックスにおいて一度に読み取ることができ、それら落札商品のタグに設置されたICチップの個別識別子を各落札商品毎に個別に読み取る手間を省くことができる。競売・落札商品管理システムは、チェックボックスを利用して複数の落札商品に取り付けられたタグのICチップの個別識別子を一度に読み取るから、特定の落札者が落札した複数の落札商品がその落札者が落札したものか否かをそれら落札商品に取り付けられたタグのICチップの固有識別子によって一度に判断することができ、各落札者による落札商品の確認作業の手間を省くことができるとともに、落札者が落札したそれら落札商品を真の落札者へ速やかに配送することができる。
【0023】
オークション会場における競りの最中にオークション開催者が発声した競売商品の競売商品特定詞と落札商品を落札した落札者特定詞と落札された落札商品の落札価格詞とを管理コンピュータに入力する入力装置を含み、入力装置が、競売商品特定詞を競売商品特定データとして管理コンピュータに入力し、落札者特定詞を落札者特定データとして管理コンピュータに入力するとともに、落札価格詞を落札価格データとして管理コンピュータに入力する詞入力手段を有し、管理コンピュータが、各競売商品を特定する競売商品特定データをタグに設置されたICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する競売商品特定データ記憶手段(第2記憶手段)と、詞入力手段によって入力された落札商品の落札価格詞を落札商品の落札価格データとしてICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する落札価格データ記憶手段とを含み、前記落札者特定データ記憶手段において、詞入力手段によって入力された落札者特定詞を落札者特定データとして記憶し、詞入力手段によって入力された競売商品特定詞を競売商品特定データとして認識する競売・落札商品管理システムは、詞入力手段によって入力された落札者特定詞を落札者特定データとし、その落札者特定データをICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶することで、識別子読み取り手段によって読み取られたICチップの固有識別子と落札者特定データ記憶手段によって記憶したそれら落札者特定データに関連付くそれらICチップの固有識別子とを比較したときに、特定の落札者が落札した複数の落札商品がその落札者が落札したものか否かをそれら落札商品に取り付けられたタグのICチップの固有識別子によって瞬時に判断することができる。競売・落札商品管理システムは、詞入力手段によって競売商品特定詞を競売商品特定データとして管理コンピュータに入力し、落札者特定詞を落札者特定データとして管理コンピュータに入力するとともに、落札価格詞を落札価格データとして管理コンピュータに入力し、管理コンピュータが落札者特定詞を落札者特定データとしてICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶するとともに、落札商品の落札価格詞を落札商品の落札価格データとしてICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶し、競売商品特定詞を競売商品特定データとしてICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶することで、管理コンピュータが競売商品特定詞によって競売商品を特定することができ、落札者特定詞によって落札者を特定することができるとともに、落札価格詞によって落札価格を特定することができる。
【0024】
管理コンピュータが第2検品手段において落札商品の出荷を不可とした場合、不一致の固有識別子のICチップを有するタグを取り付けた落札商品の不一致商品特定データを出力する不一致商品特定データ出力手段を含む競売・落札商品管理システムは、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、他の落札者が落札した落札商品が特定の落札者のそれら落札商品に混入したとしても、不一致の固有識別子のICチップを有するタグを取り付けた落札商品の不一致商品特定データを出力することで、それら落札商品に混入した他の落札者が落札した落札商品を容易に特定することができ、特定の落札者への落札商品の配送前に他の落札者が落札した落札商品を容易に発見することができる。競売・落札商品管理システムは、落札していない競売商品の発見作業や返品作業、返金作業を行う必要はなく、それら作業を行う手間や時間を省くことができ、競売商品を円滑に売買することができる。
【0025】
オークション開催者として競売の進捗をはかる進行係と競売を司会する競売人と競売人の声を復唱する復唱係とが存在し、進行係が競売商品の競売商品特定詞を発声し、復唱係が落札商品を落札した落札者特定詞と落札された落札商品の落札価格とを発声し、詞入力手段において、進行係が発声した競売商品特定詞を競売商品特定データとして管理コンピュータに入力し、復唱係が発声した落札者特定詞を落札者特定データとして管理コンピュータに入力するとともに、復唱係が発声した落札価格詞を落札価格データとして管理コンピュータに入力する競売・落札商品管理システムは、詞入力手段によって進行係が発声した競売商品特定詞と復唱係が発声した落札者特定詞と復唱係が発声した落札価格詞とを管理コンピュータに入力し、管理コンピュータが落札者特定詞を落札者特定データとしてICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶するとともに、落札商品の落札価格詞を落札商品の落札価格データとしてICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶し、競売商品特定詞を競売商品特定データとしてICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶することで、管理コンピュータが競売商品特定詞によって競売商品を特定することができ、落札者特定詞によって落札者を特定することができるとともに、落札価格詞によって落札価格を特定することができる。
【0026】
進行係が発声した競売商品特定詞が進行係の声を拾うマイクに音声データとして入力され、詞入力手段において、音声データとしてマイクに入力された競売商品特定詞が競売商品特定データとしてマイクから管理コンピュータに入力される競売・落札商品管理システムは、マイクに音声データとして入力された競売商品特定詞が競売商品特定データとしてマイクから管理コンピュータに入力されることで、競売商品特定データをマイクを介して管理コンピュータに直接入力することができ、競売商品特定データを手入力することによる手間と時間とを省くことができるとともに、管理コンピュータがマイクから入力された競売商品特定詞によって競売商品を特定することができる。
【0027】
復唱係が発声した落札者特定詞および落札価格詞が復唱係の声を拾うマイクに音声データとして入力され、詞入力手段において、音声データとしてマイクに入力された落札者特定詞が落札者特定データとしてマイクから管理コンピュータに入力され、音声データとしてマイクに入力された落札価格詞が落札価格データとしてマイクから管理コンピュータに入力される競売・落札商品管理システムは、マイクに音声データとして入力された落札者特定詞が落札者特定データとしてマイクから管理コンピュータに入力され、マイクに音声データとして入力された落札価格詞が落札価格データとしてマイクから管理コンピュータに入力されることで、落札者特定データや落札価格データをマイクを介して管理コンピュータに直接入力することができ、落札者特定データや落札価格データを手入力することによる手間と時間とを省くことができるとともに、管理コンピュータがマイクから入力された落札者特定詞によって落札者を特定することができ、管理コンピュータがマイクから入力された落札価格詞によって落札価格を特定することができる。
【0028】
タグに貼付するラベルを作るラベルプリンターを含み、管理コンピュータが詞入力手段によって競売商品特定データと落札者特定データと落札価格データとが管理コンピュータに入力された後、落札者特定データの落札者名および落札価格データの落札価格が表示されてタグに貼付するラベルをラベルプリンターから出力するラベル出力手段を含む競売・落札商品管理システムは、落札者特定データの落札者名および落札価格データの落札価格が表示されたラベルをラベルプリンターから出力し、そのラベルをタグに貼付することで、落札された落札商品に取り付けられたタグを見ることで、落札者や落札価格を知ることができ、タグを利用することで、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、落札商品を容易に管理することができる。
【0029】
管理コンピュータが競りにかけられる前の競売商品の商品データをICチップの固有識別子に関連付けた状態で記憶する商品データ記憶手段と、詞入力手段によって競売商品特定データと落札者特定データと落札価格データとが管理コンピュータに入力されるとともに、第1検品手段によって落札された落札商品の出荷を可とした場合、特定の落札者に落札された落札商品の落札者特定データと落札価格データと商品データとを表示した落札商品明細を出力する落札商品明細出力手段を含む競売・落札商品管理システムは、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の落札商品のタグに設置されたICチップの固有識別子のすべてが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップの固有識別子に一致した場合、落札者特定データと落札価格データと商品データとを表示した落札商品明細を出力するから、落札者(バイヤー)が落札商品明細を見ることで、落札した落札商品の落札者や落札価格、商品情報を知ることができる。競売・落札商品管理システムは、それら商品データがICチップの固有識別子に関連付けられた状態で管理コンピュータに記憶されているから、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、競売商品や落札商品を容易に管理することができ、競売商品や落札商品と商品番号、商品名等、落札者名、落札価格等の落札情報とのミスマッチの発生を防ぐことができる。
【0030】
競売商品の商品データが競売商品の出品者、競売商品の商品名、競売商品の写真、競売商品の入札価格を含み、管理コンピュータが競りにかけられる前の競売商品のそれら商品データを出力する競売商品データ出力手段を含む競売・落札商品管理システムは、競りにかけられる前の競売商品の出品者、競売商品の商品名、競売商品の写真、競売商品の入札価格を出力することで、落札者(バイヤー)が落札前に競売商品のそれら商品データを知ることができ、特定の競売商品の落札価格決定の参考にすることができる。競売・落札商品管理システムは、競売商品の出品者、競売商品の商品名、競売商品の写真、競売商品の入札価格がICチップの固有識別子に関連付けられた状態で管理コンピュータに記憶されているから、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、競売商品や落札商品の商品データを容易に管理することができる。
【0031】
落札された落札商品の出品者、落札商品の商品名、落札商品の入札価格が落札商品明細出力手段によって出力される落札商品明細に表示される競売・落札商品管理システムは、落札者(バイヤー)が落札商品明細を見ることで、落札した落札商品の出品者や落札商品の商品名、落札商品の入札価格を知ることができる。競売・落札商品管理システムは、落札商品の出品者、落札商品の商品名、落札商品の入札価格がICチップの固有識別子に関連付けられた状態で管理コンピュータに記憶されているから、オークション会場において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、競売商品や落札商品を容易に管理することができ、競売商品や落札商品と落札商品の出品者、落札商品の商品名、落札商品の入札価格とのミスマッチの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一例として示す競売・落札商品管理システムの構成図。
図2】オークション会場におけるオークション(競り)の一例を示す図。
図3】チェックボックスの一例を示す図。
図4】オークション会場において競り(オークション)にかけられる時計(競売商品、落札商品)の一例を示す図。
図5】時計(競売商品、落札商品)に取り付けられたタグの一例を示す図。
図6】オークション会場において競り(オークション)にかけられる時計(競売商品)を収容するエントリーボックスの一例を示す図。
図7】エントリー手続き後の時計(競売商品)を収容するエントリーボックスの一例を示す図。
図8】タグに貼付されるラベルシール(ラベル)の一例を示す図。
図9】競り落とされた時計(落札商品)を収容する郵送箱(検品ボックス)の一例を示す図。
図10】落札商品明細の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
一例として示す競売・落札商品管理システム10の構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る競売・落札商品管理システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、オークション会場21におけるオークション(競り)の一例を示す図であり、図3は、チェックボックス13の一例を示す図である。図4は、オークション会場21において競り(オークション)にかけられる時計17(競売商品、落札商品)の一例を示す図であり、図5は、時計17(競売商品、落札商品)に取り付けられたタグ11の一例を示す図である。
【0034】
図3では、チェックボックス13の頂部開口20が開放された状態で示す。オークションに出品された競売商品や落札商品として時計17を図示しているが、オークションに出品される競売商品や落札商品に特に制限はなく、競り(オークション)にかけられる各種複数のあらゆる商品が競売・落札商品管理システム10を利用した競り(オークション)の対象になる。
【0035】
競売・落札商品管理システム10は、所定のオークションに出品されてオークション会場において競りかけられる時計(競売商品)および競りによって落札された時計(落札商品)を管理する。オークションは、オークション開催者(競売開催者)が開催する。競売開催者には、図2に示すように、競売の進捗をはかる進行係29、競売を司会する競売人30(オークショニア)、競売人30(オークショニア)の声を復唱する復唱係31(オーム)、事務係(競売補助者)(図示せず)が存在する。オークションでは、所定のオークション開催日時にオークション会場に複数の落札者32(バイヤー)が集合し、競りに出された時計(競売商品)に対してそれら落札者32が相互に値段を競り合い、最も高値を付けた落札者32が時計(競売商品)を競り落とす。
【0036】
競売・落札商品管理システム10は、複数枚のタグ11(荷札)およびリーダ12(ICタグリーダ)と、チェックボックス13(検品ボックス)およびラベルプリンター14と、入力装置15(パソコン)および管理コンピュータ16とから形成されている。競売・落札商品管理システム10は、システム10を提供(管理運営)するオークション開催者(事業法人)が管理する管理コンピュータ16に構築されている。
【0037】
それらタグ11(荷札)は、競りにかけられる前の各種複数の時計17(競売商品)に個別に取り付けられる。それらタグ11には、図5に示すように、ICチップ18が設置固定されている。リーダ12は、チェックボックス13に設置され、その制御部がインターフェイス(有線または無線)(図示せず)を介して管理コンピュータ16に接続されている。リーダ12は、それらタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子を読み取り、読み取ったICチップ18の固有識別子を管理コンピュータ16に送信する。
【0038】
チェックボックス13は、六面体の箱であり、リーダ12を設置した頂壁19が旋回可能であり、頂部開口20を開閉することができる。チェックボックス13は、オークション会場21の事務室(図示せず)に設置されている。チェックボックス13では、頂壁19を上方へ旋回させることで頂部開口20を開放することができ、頂部開口20を開放した状態から頂壁19を下方へ旋回させることで、頂部開口20を閉鎖することができる。
【0039】
チェックボックス13の前壁22には、インターフェイス(有線または無線)(図示せず)を介して管理コンピュータ16に接続されたディスプレイ23(タッチパネル)が設置されている。チェックボックス13は、頂壁19を上方へ旋回させて頂部開口20を開放した後、その内部に落札された複数個の時計17(落札商品)を入れた郵送箱26(検品ボックス)を収容する。ディスプレイ23(タッチパネル)には、チェックボックス13において検品された時計17(落札商品)の検品結果が表示される。
【0040】
ラベルプリンター14は、タグ11に貼付するラベルシール24(ラベル)を作る。ラベルプリンター14は、オークション会場21の事務室に設置され、その制御部がインターフェイス(有線または無線)(図示せず)を介して管理コンピュータ16に接続されている。ラベルプリンター14は、管理コンピュータ16の指令に基づいて時計17(落札商品)の落札者名および時計17(落札商品)の落札価格を表示したラベルシール24を出力する。
【0041】
入力装置15および管理コンピュータ16は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(メインメモリおよびキャッシュメモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(OS)によって動作するコンピュータ(管理コンピュータ16は仮想マシンを含む)であり、大容量記憶領域(大容量ハードディスク等)を実装している。入力装置15や管理コンピュータ16には、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイやプリンター等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。
【0042】
入力装置14は、オークション会場21またはオークション会場21の事務室に設置され、インターフェイス(有線または無線)(図示せず)を介して管理コンピュータ16に接続されている。入力装置14は、オークション会場21における競りの最中にオークション開催者(進行係29、競売人30、復唱係31)が発声した時計17(競売商品)の競売商品特定詞と時計17(落札商品)を落札した落札者特定詞と落札された時計17(落札商品)の落札価格詞とを管理コンピュータ16に入力する。
【0043】
管理コンピュータ16は、それらタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子を管理することで、オークションに出品された時計17(競売商品)や競り落とされた(落札された)時計17(落札商品)を管理する。管理コンピュータ16は、オークション会場21の事務室に設置されているが、オークション開催者が契約するデータセンター(クラウドを含む)に設置されていてもよい。管理コンピュータ16には、競売・落札商品管理システム10の各手段を実行するアプリケーションがインストールされている。管理コンピュータ16の大容量記憶領域には、競売商品データベース、落札商品データベース、商品情報データベースが作成されている。
【0044】
管理コンピュータ16は、DNSサーバ機能、データベースサーバ機能、Webサーバ機能、メールサーバ機能、ドキュメントサーバ機能の各種サーバ機能を有し、インターネットに接続された各種複数のDNSサーバ等を経由しつつ、インターネットを利用してアクセス制限がない不特定多数のサーバや携帯通信端末(スマートフォンやタブレット等)にアクセスかつログインすることができるとともに、不特定多数のサーバや携帯通信端末にオークションに関する各種のデータを送信することができる。
【0045】
図6は、オークション会場21において競り(オークション)にかけられる時計17(競売商品)を収容するエントリーボックス25a~25eの一例を示す図であり、図7は、エントリー手続き後の時計17(競売商品)を収容するエントリーボックス25aの一例を示す図である。図8は、タグ11に貼付されるラベルシール24(ラベル)の一例を示す図であり、図9は、競り落とされた時計17(落札商品)を収容する郵送箱26(検品ボックス)の一例を示す図である。図10は、落札商品明細の一例を示す図である。
【0046】
競売・落札商品管理システム10を利用したオークションでは、中古買取店(買取業者)や個人の出品者から出品されたオークションにかけられる各種複数の時計17(競売商品)がオークション開催日の前日にオークション会場21に搬入される。それら時計17に取り付けられるタグ11は、第1番~第n番までのタグ11が一列に並べられた状態で管理保管されている。それらタグ11には、第1番~第n番の番号が表示(印刷)されている。
【0047】
競売開催者である事務係(競売補助者)は、管理コンピュータ16にインターフェイス(有線または無線)(図示せず)を介して接続されたICタグリーダ/ライタ(図示せず)またはICタグリーダ(図示せず)を利用し、それらタグ11に設置されたICチップ18に固有識別子(ID番号等のユニーク識別子)を書き込む。事務係は、第1番のタグ11を取り出し、そのタグ11に設置されたICチップ18をICタグリーダ/ライタやICタグリーダにセットし、第1番のタグ11に設置されたICチップ18に固有識別子を書き込む。この手順を繰り返し、第2番~第n番のタグ11に設置されたICチップ18に固有識別子(ID番号等のユニーク識別子)を書き込む。それらタグ11のICチップ18に書き込まれた固有識別子は、管理コンピュータ16に送信される。
【0048】
管理コンピュータ16は、ICタグリーダ/ライタやICタグリーダから送信された固有識別子をICチップ18(タグ11)を特定するICチップ特定識別子(ICチップ18の個体識別子や独自に生成したユニークな識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域に記憶(格納)する。なお、ICチップ18に書き込まれた固有識別子(ID番号等のユニーク識別子)は、連番として管理コンピュータ16の大容量記憶領域に記憶(格納)される。ICチップ18に固有識別子が書き込まれた第1番~第n番のタグ11は、一列に並べられた状態で再び管理保管される。
【0049】
次に、事務係(競売補助者)は、オークション会場21に搬入された競り(オークション)にかけられる前の各時計11(競売商品)の商品データを入力装置15から管理コンピュータ16に入力する。時計11(競売商品)の商品データには、各時計11(競売商品)の出品者(個人の出品者の出品者名や買取店の名称)、各時計11(競売商品)の商品名(機種名やメーカー名、販売店名を含む)、各時計11(競売商品)の写真(写真はデジタルカメラで撮影した後、入力装置15に入力される)、各時計11(競売商品)の入札価格がある。なお、商品データには、それらの他に、出品者や時計11(競売商品)に関するあらゆるデータが含まれる。
【0050】
出品された各時計17の商品データ入力手続きの一例は、以下のとおりである。事務係(競売補助者)は、入力装置15を介して管理コンピュータ16にログインする。入力装置15が管理コンピュータ16にログインすると、図示はしていないが、入力装置15に接続されたディスプレイにデータ入力画面が出力(表示)される。データ入力画面には、エントリー入力ボタン、商品データ入力ボタン、バイヤー入力ボタン、オークションデータ入力ボタン、落札商品明細出力ボタン、キャンセルボタンが出力(表示)される。キャンセルボタンをクリックすると、入力装置15が管理コンピュータ16からログアウトし、データ入力画面がクローズする(以下のキャンセルボタンも同様)。
【0051】
事務係が商品データ入力ボタンをクリックすると、入力装置15に接続されたディスプレイに商品データ入力画面(図示せず)が出力(表示)される。商品データ入力画面には、各時計11(競売商品)の出品者(個人の出品者の出品者名や買取店の名称)を入力する出品者入力エリア、各時計11(競売商品)の商品名(機種名やメーカー名、販売店名を含む)を入力する商品名入力エリア、各時計11(競売商品)の入札価格を入力する入札価格入力エリア、時計11(競売商品)の写真を入力する時計写真入力エリア、入力ボタン、クリアボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが出力(表示)される。クリアボタンをクリックすると、各入力エリアに入力されたデータがクリア(消去)され、再度入力エリアにデータを入力する(以下のクリアボタンも同様)。戻るボタンをクリックすると、1つ前の画面に戻る(以下の戻るボタンも同様)。
【0052】
事務係は、出品者入力エリアに時計11(競売商品)の出品者名を入力し、商品名入力エリアに時計11(競売商品)の商品名を入力し、入札価格入力エリアに時計11(競売商品)の入札価格を入力するとともに、時計写真入力エリアに時計11(競売商品)の写真を入力する。出品者名や商品名、入札希望価格は、それらを記載したエントリー用紙が出品者から競売開催者に事前に提出されている。それら入力エリアに各データを入力した後、事務係は、入力ボタンをクリックする。入力ボタンをクリックすると、各入力エリアに入力された商品データが入力装置15から管理コンピュータ16に送信される。
【0053】
入力装置15から送信(入力)された時計17の商品データ(商品データ入力日時を含む)は、ICチップ18の固有識別子および後記する時計17の時計特定番号(競売商品特定データ)に関連付けられた状態で管理コンピュータ16の大容量記憶領域の商品情報データベースに記憶(格納)される(商品データ記憶手段)。商品データの入力後(格納後)には、各時計17毎(各競売商品毎)に対応するタグ11が各時計17に取り付けられる。
【0054】
商品データの入力時またはタグ11の取付時には、各時計17(各競売商品)を特定する時計特定番号(競売商品特定データ)がそれら時計17に設定される。時計特定番号は、特定のタグ11のICチップ18に書き込まれた固有識別子に関連付けられた状態で管理コンピュータ16の大容量記憶領域の競売商品データベースに記憶(格納)される(競売商品特定データ記憶手段)。時計特定番号には、エントリーナンバーが利用されている。なお、時計特定番号としてエントリーナンバーの他に、入力装置15や管理コンピュータ16が独自に生成したユニークな識別子またはあらかじめ決定した連番等を使用することもできる。
【0055】
エントリーナンバーの一例は、例えば、A中古買取店が時計17を23個出品する場合、図6に示すように、A中古買取店用の3個の第1~第3エントリーボックス25a~25cを用意し、B中古買取店が時計17を15個出品する場合、B中古買取店用の2個の第4および第5エントリーボックス25d,25eを用意する。各エントリーボックス25a~25eは時計17の10個を一単位とし、最大10個の時計17が各エントリーボックス25a~25eに収容される。なお、エントリーボックス25a~25eに収容する時計17の個数に特に制限はない。
【0056】
A中古買取店用の第1エントリーボックス25aには、A中古買取店から出品された10個の時計17が収容される。第1エントリーボックス25aに収容された時計17には、エントリーナンバーの1-1~1-10の時計特定番号(競売商品特定データ)が付与(設定)される。A中古買取店用の第2エントリーボックス25bには、A中古買取店から出品された次の10個の時計17が収容される。第2エントリーボックス25bに収容された時計17には、エントリーナンバーの2-1~2-10の時計特定番号(競売商品特定データ)が付与(設定)される。A中古買取店用の第3エントリーボックス25cには、A中古買取店から出品された次の3個の時計17が収容される。第3エントリーボックス25cに収容された時計17には、エントリーナンバーの3-1~3-3の時計特定番号(競売商品特定データ)が付与(設定)される。
【0057】
B中古買取店用の第4エントリーボックス25dには、B中古買取店から出品された10個の時計17が収容される。第4エントリーボックス25dに収容された時計17には、エントリーナンバーの4-1~4-10の時計特定番号(競売商品特定データ)が付与(設定)される。B中古買取店用の第5エントリーボックス25eには、B中古買取店から出品された次の5個の時計17が収容される。第5エントリーボックス25eに収容された時計17には、エントリーナンバーの5-1~5-5の時計特定番号(競売商品特定データ)が付与(設定)される。
【0058】
事務係(競売補助者)は、出品された各時計17のエントリー(登録)を行う。出品された各時計17のエントリー手続き(エントリーナンバー入力手続き)の一例は、以下のとおりである。事務係は、入力装置15のディスプレイに出力(表示)されたデータ入力画面のエントリー入力ボタンをクリックする。エントリー入力ボタンをクリックすると、入力装置15に接続されたディスプレイにエントリー画面(図示せず)が出力(表示)される。エントリー画面には、エントリー開始ボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが出力(表示)される。
【0059】
事務係は、エントリー開始ボタンをクリックし、各時計17(各競売商品)のエントリーを開始する。エントリー開始ボタンをクリックすると、入力装置15に接続されたディスプレイにエントリーナンバー入力画面が出力(表示)される。エントリーナンバー入力画面には、エントリーナンバー入力エリア(競売商品特定データ入力エリア)、決定ボタン、クリアボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが出力(表示)される。
【0060】
事務係は、A中古買取店用の第1エントリーボックス25aから最初に1個の時計17を取り出し、その時計17の時計特定番号(競売商品特定データ)の1-1をエントリーナンバー入力画面のエントリーナンバー入力エリアに入力する。エントリーナンバー入力エリアに時計特定番号(競売商品特定データ)1-1を入力した後、事務係は、決定ボタンをクリックする。決定ボタンをクリックすると、エントリーナンバー入力エリアに入力された時計特定番号(競売商品特定データ)1-1が入力装置15から管理コンピュータ16に送信される。
【0061】
時計特定番号(競売商品特定データ)1-1が入力装置15から管理コンピュータ16に送信(入力)されると、管理コンピュータ16は、入力装置15に接続されたディスプレイに時計特定番号(エントリーナンバー)1-1を出力(表示)するとともに、タグ番号1およびICチップ18に書き込まれた固有識別子(ユニーク識別子)、設定ボタン、戻るボタン、キャンセルボタンを出力(表示)する。
【0062】
事務係が設定ボタンをクリックすると、エントリーナンバーである時計特定番号(競売商品特定データ)1-1がICチップ18の固有識別子(ユニーク識別子)に関連付けられた状態で管理コンピュータ16の大容量記憶領域の競売商品データベースに記憶(格納)され(競売商品特定データ記憶手段)、管理コンピュータ16に接続されたディスプレイにエントリーOKメッセージと確認ボタンとが表示される。事務係は、ディスプレイに表示された確認ボタンをクリックし、第1番のタグ11を取り出し、その第1番のタグ11を時計17に取り付けた後、図7に示すように、第1番のタグ11を取り付けた時計17を第1エントリーボックス25aに収容する。確認ボタンをクリックすると、入力装置15のディスプレイにエントリーナンバー入力画面が再び出力(表示)される。
【0063】
事務係は、A中古買取店用の第1エントリーボックス25aからタグ11を付けていない次の1個の時計17を取り出し、その時計17の時計特定番号(競売商品特定データ)の1-2をエントリーナンバー入力画面のエントリーナンバー入力エリアに入力する。エントリーナンバー入力エリアに時計特定番号(競売商品特定データ)1-2を入力した後、事務係が決定ボタンをクリックすると、エントリーナンバー入力エリアに入力された時計特定番号(競売商品特定データ)1-2が入力装置15から管理コンピュータ16に送信される。
【0064】
時計特定番号(競売商品特定データ)1-2が入力装置15から管理コンピュータ16に送信(入力)されると、管理コンピュータ16は、入力装置15に接続されたディスプレイに時計特定番号(エントリーナンバー)1-2を出力(表示)するとともに、タグ番号1およびICチップ18に書き込まれた固有識別子(ユニーク識別子)、設定ボタン、戻るボタン、キャンセルボタンを出力(表示)する。
【0065】
事務係が設定ボタンをクリックすると、エントリーナンバーである時計特定番号(競売商品特定データ)1-2がICチップ18の固有識別子(ユニーク識別子)に関連付けられた状態で管理コンピュータ16の大容量記憶領域の競売商品データベースに記憶(格納)され(競売商品特定データ記憶手段)、管理コンピュータ16に接続されたディスプレイにエントリーOKメッセージと確認ボタンとが表示される。事務係は、ディスプレイに表示された確認ボタンをクリックし、第2番のタグ11を取り出し、その第2番のタグ11を時計17(競売商品)に取り付けた後、第2番のタグ11を取り付けた時計17を第1エントリーボックス25aに収容する。確認ボタンをクリックすると、入力装置15のディスプレイにエントリーナンバー入力画面が再び出力(表示)される。事務係は、既述の手順によってA中古買取店およびB中古買取店から出品されたすべての時計17(競売商品)を管理コンピュータ16にエントリー(登録)する。
【0066】
事務係(競売補助者)は、オークションに参加する落札者32(バイヤー)のバイヤーデータを入力装置15から管理コンピュータ16に入力(登録)する。落札者32(バイヤー)のバイヤーデータには、登録する落札者32(バイヤー)の落札者名(バイヤー名)、落札者コード(バイヤーコード)、落札者住所(バイヤー住所)、落札者連絡先(電話番号やメールアドレス等のバイヤー連絡先)がある。なお、バイヤーデータには、それらの他に、落札者32(バイヤー)に関するあらゆるデータが含まれる。
【0067】
落札者32(バイヤー)の登録(エントリー)手続きの一例は、以下のとおりである。事務係は、入力装置15のディスプレイに出力(表示)されたデータ入力画面のバイヤー入力ボタンをクリックする。バイヤー入力ボタンをクリックすると、入力装置15に接続されたディスプレイにバイヤー入力画面(図示せず)が出力(表示)される。バイヤー入力画面には、落札者32(バイヤー)の落札者名(バイヤー名)を入力するバイヤー名入力エリア、落札者コード(バイヤーコード)を入力するバイヤーコード入力エリア、落札者住所(バイヤー住所)を入力するバイヤー住所入力エリア、落札者連絡先(バイヤー連絡先)を入力するバイヤー連絡先入力エリア、登録ボタン、クリアボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが出力(表示)される。
【0068】
事務係は、バイヤー名入力エリアに落札者名(バイヤー名)を入力し、バイヤーコード入力エリアに落札者コード(バイヤーコード)を入力し、バイヤー住所入力エリアに落札者住所(バイヤー住所)を入力するとともに、バイヤー連絡先入力エリアに落札者連絡先(バイヤー連絡先)を入力する。落札者名(バイヤー名)や落札者コード(バイヤーコード)、落札者住所(バイヤー住所)、落札者連絡先(バイヤー連絡先)は、それらを記載したバイヤー登録用紙が落札者32(バイヤー)から競売開催者に事前に提出されている。
【0069】
それら入力エリアに各データを入力した後、事務係は、登録ボタンをクリックする。登録ボタンをクリックすると、各入力エリアに入力されたデータが入力装置15から管理コンピュータ16に送信される。入力装置15から送信(入力)されたバイヤーデータ(バイヤーデータ入力日時を含む)は、管理コンピュータ16の大容量記憶領域に記憶(格納)される(バイヤーデータ記憶手段)。なお、過去に管理コンピュータ16に記憶されたバイヤーデータが大容量記憶領域に蓄積されている。
【0070】
競り(オークション)に参加する落札者32(バイヤー)(販売業者)は、自己が保有するスマートフォンやタブレット等の携帯通信端末から管理コンピュータ16のURLを利用して管理コンピュータ16にアクセスかつログインし、エントリー済みの時計17(競売商品)の商品データを閲覧することができる。商品データの閲覧手順の一例として、スマートフォンが管理コンピュータ16にログインすると、スマートフォンのタッチ画面にオークション閲覧画面(図示せず)が表示される。
【0071】
オークション閲覧画面には、オークションに出品する各中古買取店の検索画面が表示される。検索画面において例えばA中古買取店を検索すると、A中古買取店が出品(エントリー)した各時計17の商品データの一覧がスマートフォンのタッチ画面に出力(表示)される。落札者32(バイヤー)が時計17の商品データの一覧から特定の時計17の商品データを選択すると、選択した時計17の商品データがスマートフォンのタッチ画面に出力(表示)される(競売商品データ出力手段)。
【0072】
落札者32(バイヤー)は、選択した時計17の商品データをスマートフォンのタッチ画面で確認することができる。落札者32(バイヤー)は、各時計17の商品データを見ることで、各時計17(競売商品)の出品者(A中古買取店)、各時計17(競売商品)の商品名(メーカー名を含む)、各時計17(競売商品)の写真、各時計17(競売商品)の入札価格を知ることができ、特定の時計17(競売商品)の落札価格決定の参考にすることができる。
【0073】
競売・落札商品管理システム10は、各時計17(競売商品)の出品者、各時計17(競売商品)の商品名、各時計17(競売商品)の写真、各時計17(競売商品)の入札価格がICチップ18の固有識別子に関連付けられた状態で管理コンピュータ16に記憶されているから、オークション会場21において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、時計17(競売商品や落札商品)の商品データを容易に管理することができる。
【0074】
オークション開催日には、タグ11を取り付けた時計17(競売商品)を収容した第1~第nエントリーボックス25がオークション会場21に運ばれ、オークション開始時間にオークション会場21においてエントリーボックス25に収容された時計17の競り(オークション)が開始される。なお、オークション会場21には、各落札者用(各バイヤー用)の複数の郵送箱26(検品ボックス)が用意されている。また、入力装置15や管理コンピュータ16が稼働している。進行係29は、入力装置15のディスプレイに表示されたデータ入力画面のオークションデータ入力ボタンをクリックする。
【0075】
事務係がオークションデータ入力ボタンをクリックすると、入力装置15に接続されたディスプレイにオークションデータ入力画面(図示せず)が出力(表示)される。オークションデータ入力画面には、時計特定詞入力エリア(競売商品特定詞入力エリア)、落札者特定詞入力エリア、落札価格詞入力エリア、時計特定詞送信ボタン(競売商品特定詞送信ボタン)、落札者特定詞・落札価格詞送信ボタン、クリアボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが表示される。
【0076】
オークション会場21における時計17(競売商品)の競り(オークション)では、進行係29が第1エントリーボックス25aに収容された時計特定番号(競売商品特定データ)1-1の時計17(第1番のタグ11を取り付けた時計17)を第1エントリーボックス25aから取り出し、その時計17をオークション会場21に設置されたオークションテーブル27の上に置くとともに、進行係29がその時計17の時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1という言葉)を発声する。
【0077】
進行係29は、図2に示すように、その声を拾うマイク28を付けている。マイク28は、インターフェイス(有線または無線)(図示せず)を介して管理コンピュータ16に接続されている。進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)は、進行係29の声を拾うマイク28に音声データとして入力される。音声データとしてマイク28に入力された時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)は、マイク28から管理コンピュータ16に送信され、管理コンピュータ16に入力される(詞入力手段)。詞入力手段では、進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)が時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)としてマイク28から管理コンピュータ16に入力される。
【0078】
進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)は、マイク28から事務係(競売補助者)に付けられたヘッドフォン(スピーカー)に出力(発音)される。事務係は、ヘッドフォンに出力された時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)を入力装置15のディスプレイに表示された時計特定詞入力エリア(競売商品特定詞入力エリア)に入力した後、時計特定詞送信ボタン(競売商品特定詞送信ボタン)をクリックする。
【0079】
事務係が時計特定詞送信ボタン(競売商品特定詞送信ボタン)をクリックすると、時計特定詞入力エリア(競売商品特定詞入力エリア)に入力された時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)が入力装置15から管理コンピュータ16に送信される。進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)は、入力装置15から管理コンピュータ16に入力される(詞入力手段)。詞入力手段では、進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)が時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)として入力装置15から管理コンピュータ16に入力される。
【0080】
管理コンピュータ16は、マイク28や入力装置15から入力された時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)を時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)として認識し、その時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)に対応する第1番のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子(ユニーク識別子)を大容量記憶領域の競売商品データベースから抽出し、時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)とICチップ18の固有識別子とをキャッシュメモリに一時的に記憶(格納)する。
【0081】
進行係29が時計17(競売商品)の時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)を発声してその時計17をオークションテーブル27に置いた後、競売人30(オークショニア)が司会となった競り(オークション)が開始される。それら落札者32(バイヤー)が第1番のタグ11を取り付けた時計17(競売商品)の競売価格を次々に提示し、競売人30が音頭を取りながら競売価格をつり上げて行く。オークションテーブル27に置かれた第1番のタグ11の時計17(競売商品)に対してそれら落札者32(バイヤー)が相互に値段を競り合い、最も高値を付けた落札者32(バイヤー)がその時計17を競り落とす。
【0082】
競り(オークション)が成立すると、復唱係31(オーム)は、競売人30が発声した落札者特定詞(落札者名の言葉)および落札価格詞(落札価格の言葉)を復唱する。復唱係31は、第1番のタグ11を取り付けた時計特定詞(競売商品特定詞)(1-1)の時計17(落札商品)を落札した落札者特定詞(落札者名の言葉)と落札された時計17(落札商品)の落札価格(落札価格の言葉)とを発声する。
【0083】
復唱係31が発声した落札者特定詞および落札価格詞は、復唱係31の声を拾うマイク28に音声データとして入力される。音声データとしてマイク28に入力された第1番のタグ11の時計17の落札者特定詞と落札価格詞とは、マイク28から管理コンピュータ16に送信され、管理コンピュータ16に入力される(詞入力手段)。詞入力手段では、復唱係31が発声した落札者特定詞が落札者特定データとしてマイク28から管理コンピュータ16に入力され、復唱係31が発声した落札価格詞が落札価格データとしてマイク28から管理コンピュータ16に入力される。
【0084】
復唱係31が発声した落札者特定詞と落札価格詞とは、マイク28から事務係(競売補助者)に付けられたヘッドフォン(スピーカー)に出力(発音)される。事務係は、ヘッドフォンに出力された第1番のタグ11の時計17(落札商品)の落札者特定詞を入力装置15のディスプレイに表示された落札者特定詞入力エリアに入力し、落札価格詞を入力装置15のディスプレイに表示された落札価格詞入力エリアに入力した後、落札者特定詞・落札価格詞送信ボタンをクリックする。
【0085】
事務係が落札者特定詞・落札価格詞送信ボタンをクリックすると、落札者特定詞入力エリアに入力された落札者特定詞と落札価格詞入力エリアに入力された落札価格詞とが入力装置15から管理コンピュータ16に送信される。復唱係31が発声した第1番のタグ11の時計17(落札商品)の落札者特定詞および落札価格詞は、入力装置15から管理コンピュータ16に入力される(詞入力手段)。詞入力手段では、復唱係31が発声した落札者特定詞が落札者特定データとして入力装置15から管理コンピュータ16に入力され、復唱係31が発声した落札価格詞が落札価格データとして入力装置15から管理コンピュータ16に入力される。
【0086】
管理コンピュータ16は、マイク28や入力装置15から入力された第1番のタグ11の時計17(落札商品)の落札者特定詞を落札者特定データとして認識する。管理コンピュータ16は、キャッシュメモリに一時的に記憶(格納)した時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)およびICチップ18の固有識別子から時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)に対応するICチップ18の固有識別子を特定し、マイク28や入力装置15から入力された時計17(落札商品)の落札者32(バイヤー)を特定する落札者特定データを第1番のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子(ユニーク識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域の落札商品データベースに記憶(格納)する(落札者特定データ記憶手段)。時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)がICチップ18の固有識別子に関連付けられているから、落札者特定データが落札された第1番のタグ11を取り付けた時計17(落札商品)に対応する。
【0087】
管理コンピュータ16は、マイク28や入力装置15から入力された第1番のタグ11の時計17(落札商品)の落札価格詞を落札価格データとして認識する。管理コンピュータ16は、キャッシュメモリに一時的に記憶(格納)した時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)およびICチップ18の固有識別子から時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)に対応するICチップ18の固有識別子を特定し、マイク28や入力装置15から入力された時計17(落札商品)の落札価格を特定する落札価格データを第1番のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子(ユニーク識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域の落札商品データベースに記憶(格納)する(落札価格データ記憶手段)。
【0088】
時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)がICチップ18の固有識別子に関連付けられているから、落札価格データが落札された第1番のタグ11を取り付けた時計17(落札商品)に対応する。落札者特定データおよび落札価格データを記憶した後、管理コンピュータ16は、時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)およびICチップ18の固有識別子をキャッシュメモリから消去する。
【0089】
管理コンピュータ16は、詞入力手段によって競売商品特定データと落札者特定データと落札価格データとがマイク28や入力装置15から入力され、落札者特定データや落札価格データを記憶した後、落札者特定データに対応する落札者名をバイヤーデータから抽出し、第1番のタグ11を取り付けた時計特定番号(競売商品特定データ)(1-1)の時計17の落札者特定データの落札者名および落札価格データの落札価格を表示したラベルシール24(ラベル)のラベル作成信号をラベルプリンター14に送信する。
【0090】
ラベルプリンター14は、図8に示すように、管理コンピュータ16から送信されたラベル作成信号にしたがって落札者名および落札価格並びに時計特定番号1-1を表示したラベルシール24を作り、そのラベルシール24を出力する(ラベル出力手段)。事務係は、ラベルプリンター14から出力されたラベルシール24を第1番のタグ11に貼付する。第1番のタグ11を取り付けた時計特定番号(競売商品特定データ)1-1の時計17(落札商品)の競り(オークション)が終了した後(競りが成立した後)、進行係29は、図9に示すように、その時計19を競り落とした落札者32(バイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容する。
【0091】
第1番のタグ11を取り付けた時計17(落札商品)を郵送箱26(検品ボックス)に収容した後、進行係29は、第1エントリーボックス25aに収容された時計特定番号(競売商品特定データ)1-2の時計17(第2番のタグ11を取り付けた時計17)を第1エントリーボックス25aから取り出し、その時計17をオークション会場21に設置されたオークションテーブル27の上に置くとともに、進行係29がその時計17(競売商品)の時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2という言葉)を発声する。
【0092】
進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)は、進行係29の声を拾うマイク28に音声データとして入力される。音声データとしてマイク28に入力された時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)は、マイク28から管理コンピュータ16に送信され、管理コンピュータ16に入力される(詞入力手段)。詞入力手段では、進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)が時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)としてマイク28から管理コンピュータ16に入力される。
【0093】
進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)は、マイク28から事務係(競売補助者)に付けられたヘッドフォン(スピーカー)に出力(発音)される。事務係は、ヘッドフォンに出力された時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)を入力装置15のディスプレイに表示された時計特定詞入力エリア(競売商品特定詞入力エリア)に入力した後、時計特定詞送信ボタン(競売商品特定詞送信ボタン)をクリックする。
【0094】
事務係が時計特定詞送信ボタン(競売商品特定詞送信ボタン)をクリックすると、時計特定詞入力エリア(競売商品特定詞入力エリア)に入力された時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)が入力装置15から管理コンピュータ16に送信される。進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)は、入力装置15から管理コンピュータ16に入力される(詞入力手段)。詞入力手段では、進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)が時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)として入力装置15から管理コンピュータ16に入力される。
【0095】
管理コンピュータ16は、マイク28や入力装置15から入力された時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)を時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)として認識し、その時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)に対応する第2番のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子(ユニーク識別子)を大容量記憶領域の競売商品データベースから抽出し、時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)とICチップ18の固有識別子とをキャッシュメモリに一時的に記憶(格納)する。
【0096】
進行係29が時計17(競売商品)の時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)を発声してその時計17をオークションテーブル27に置いた後、競売人30(オークショニア)が司会となった競り(オークション)が開始される。それら落札者32(バイヤー)が第2番のタグ11を取り付けた時計17(競売商品)の競売価格を次々に提示し、競売人30が音頭を取りながら競売価格をつり上げて行く。オークションテーブル27に置かれた第2番のタグ11の時計17(競売商品)に対してそれら落札者32(バイヤー)が相互に値段を競り合い、最も高値を付けた落札者32(バイヤー)がその時計17を競り落とす。
【0097】
競り(オークション)が成立すると、復唱係31(オーム)は、競売人30が発声した落札者特定詞(落札者名の言葉)および落札価格詞(落札価格の言葉)を復唱する。復唱係31は、第2番のタグ11を取り付けた時計特定詞(競売商品特定詞)(1-2)の時計17(落札商品)を落札した落札者特定詞(落札者名の言葉)と落札された時計17(落札商品)の落札価格(落札価格の言葉)とを発声する。
【0098】
復唱係31が発声した落札者特定詞および落札価格詞は、復唱係31の声を拾うマイク28に音声データとして入力される。音声データとしてマイク28に入力された第2番のタグ11の時計17の落札者特定詞と落札価格詞とは、マイク28から管理コンピュータ16に送信され、管理コンピュータ16に入力される(詞入力手段)。詞入力手段では、復唱係31が発声した落札者特定詞が落札者特定データとしてマイク28から管理コンピュータ16に入力され、復唱係31が発声した落札価格詞が落札価格データとしてマイク28から管理コンピュータ16に入力される。
【0099】
復唱係31が発声した落札者特定詞と落札価格詞とは、マイク28から事務係(競売補助者)に付けられたヘッドフォン(スピーカー)に出力(発音)される。事務係は、ヘッドフォンに出力された第2番のタグ11の時計17(落札商品)の落札者特定詞を入力装置15のディスプレイに表示された落札者特定詞入力エリアに入力し、落札価格詞を入力装置15のディスプレイに表示された落札価格詞入力エリアに入力した後、落札者特定詞・落札価格詞送信ボタンをクリックする。
【0100】
事務係が落札者特定詞・落札価格詞送信ボタンをクリックすると、落札者特定詞入力エリアに入力された落札者特定詞と落札価格詞入力エリアに入力された落札価格詞とが入力装置15から管理コンピュータ16に送信される。復唱係31が発声した第2番のタグ11の時計17(落札商品)の落札者特定詞および落札価格詞は、入力装置15から管理コンピュータ16に入力される(詞入力手段)。詞入力手段では、復唱係31が発声した落札者特定詞が落札者特定データとして入力装置15から管理コンピュータ16に入力され、復唱係31が発声した落札価格詞が落札価格データとして入力装置15から管理コンピュータ16に入力される。
【0101】
管理コンピュータ16は、マイク28や入力装置15から入力された第2番のタグ11の時計17(落札商品)の落札者特定詞を落札者特定データとして認識する。管理コンピュータ16は、キャッシュメモリに一時的に記憶(格納)した時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)およびICチップ18の固有識別子から時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)に対応するICチップ18の固有識別子を特定し、マイク28や入力装置15から入力された時計17(落札商品)の落札者32(バイヤー)を特定する落札者特定データを第2番のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子(ユニーク識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域の落札商品データベースに記憶(格納)する(落札者特定データ記憶手段)。時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)がICチップ18の固有識別子に関連付けられているから、落札者特定データが落札された第2番のタグ11を取り付けた時計17(落札商品)に対応する。
【0102】
管理コンピュータ16は、マイク28や入力装置15から入力された第2番のタグ11の時計17(落札商品)の落札価格詞を落札価格データとして認識する。管理コンピュータ16は、キャッシュメモリに一時的に記憶(格納)した時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)およびICチップ18の固有識別子から時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)に対応するICチップ18の固有識別子を特定し、マイク28や入力装置15から入力された時計17(落札商品)の落札価格を特定する落札価格データを第2番のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子(ユニーク識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域の落札商品データベースに記憶(格納)する(落札価格データ記憶手段)。
【0103】
時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)がICチップ18の固有識別子に関連付けられているから、落札価格データが落札された第2番のタグ11を取り付けた時計17(落札商品)に対応する。落札者特定データおよび落札価格データを記憶した後、管理コンピュータ16は、時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)およびICチップ18の固有識別子をキャッシュメモリから消去する。
【0104】
競売・落札商品管理システム10は、詞入力手段によって進行係29が発声した時計特定詞(競売商品特定詞)と復唱係31が発声した落札者特定詞と復唱係31が発声した落札価格詞とを管理コンピュータ16に入力し、管理コンピュータ16が落札者特定詞を落札者特定データとしてICチップ18の固有識別子に関連付けた状態で記憶するとともに、時計17(落札商品)の落札価格詞を時計17の落札価格データとしてICチップ18の固有識別子に関連付けた状態で記憶し、時計特定詞(競売商品特定詞)を時計特定データ(競売商品特定データ)としてICチップ18の固有識別子に関連付けた状態で記憶することで、管理コンピュータ16が時計特定詞(競売商品特定詞)によって時計17(競売商品)を特定することができ、落札者特定詞によって落札者32(バイヤー)を特定することができるとともに、落札価格詞によって時計17の落札価格を特定することができる。
【0105】
管理コンピュータ16は、詞入力手段によって競売商品特定データと落札者特定データと落札価格データとがマイク28や入力装置15から入力され、落札者特定データや落札価格データを記憶した後、落札者特定データに対応する落札者名をバイヤーデータから抽出し、第1番のタグ11を取り付けた時計特定番号(競売商品特定データ)(1-2)の時計17の落札者特定データの落札者名および落札価格データの落札価格を表示したラベルシール24(ラベル)のラベル作成信号をラベルプリンター14に送信する。
【0106】
ラベルプリンター14は、管理コンピュータ16から送信されたラベル作成信号にしたがって落札者名および落札価格並びに時計特定番号1-2を表示したラベルシール24を作り、そのラベルシール24を出力する(ラベル出力手段)。事務係は、ラベルプリンター14から出力されたラベルシール24を第2番のタグ11に貼付する。第2番のタグ11を取り付けた時計特定番号(競売商品特定データ)1-2の時計17(落札商品)の競り(オークション)が終了した後(競りが成立した後)、進行係29は、その時計19を競り落とした落札者32(バイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容する。
【0107】
競売・落札商品管理システム10は、落札者特定データの落札者名および落札価格データの落札価格並びに時計特定番号(競売商品特定データ)が表示されたラベル24をラベルプリンター14から出力し、そのラベル24をタグ11に貼付することで、落札された時計17(落札商品)に取り付けられたタグ11を見ることで、落札者32(バイヤー)や落札価格を知ることができ、タグ11を利用することで、オークション会場21において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、落札された時計17(落札商品)を容易に管理することができる。
【0108】
オークション会場21では、第1番のタグ11を取り付けた時計特定番号(競売商品特定データ)1-1の時計17の競りおよび第2番のタグ11を取り付けた時計特定番号(競売商品特定データ)1-2の時計17の競りで説明した手順を繰り返し、すべての時計17(競売商品)の競り(オークション)が終了する。すべての時計17(競売商品)の競り(オークション)が終了した後、各落札者32(各バイヤー)毎に仕分け(区分)された郵送箱26(検品ボックス)をチェックボックス13に運ぶ。郵送箱26(検品ボックス)には、競り落とされた複数の時計17(競売商品)が収容されている。郵送箱26(検品ボックス)に収容されたそれら時計17(競売商品)には、ラベルシール24が貼付されたタグ11が取り付けられている。
【0109】
事務係(競売補助者)は、各郵送箱26(各検品ボックス)をチェックボックス13に運び、チェックボックス13の頂壁19を上方へ旋回させて頂部開口20を開放し、チェックボックス13の内部に郵送箱26(検品ボックス)を収納し、頂壁19を下方へ旋回させて頂部開口20を閉鎖する。チェックボックス13に収納される郵送箱26(検品ボックス)は、例えば、落札者32(バイヤー)がA落札者(Aバイヤー)~X落札者(Xバイヤー)であった場合、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)からX落札者(Xバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)を順にチェックボックス13に収納する。
【0110】
事務係は、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)をチェックボックス13に収納(収容)した後、チェックボックス13のディスプレイ23(タッチパネル)に表示されたチェック(検品)開始ボタンをクリック(タップ)する。チェック(検品)開始ボタンをクリック(タップ)すると、管理コンピュータ16は、郵送箱26(検品ボックス)の内部のそれら時計17(競売商品)に取り付けられたタグ11のICチップ18の固有識別子の読み取り信号をチェックボックス13に設置されたリーダ12に送信する。
【0111】
タグ11に設置されたICチップ18の固有識別子の読み取り信号を受信したリーダ12は、A落札者(Aバイヤー)(特定の落札者)用の郵送箱26(検品ボックス)の内部に収納されたそれら時計17(複数の競売商品)に取り付けられたタグ11のICチップ18の固有識別子を読み取る(識別子読み取り手段)。リーダ12は、読み取ったICチップ18の固有識別子を管理コンピュータ16に送信する。識別子読み取り手段では、A落札者(Aバイヤー)(特定の落札者)によって落札された複数の時計17(落札商品)すべてを収容したA落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)をチェックボックス13に収納し、チェックボックス13に設置されたリーダ12を利用してそれら時計17(それら落札商品)のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子を纏めて読み取る。
【0112】
競売・落札商品管理システム10は、オークション会場21において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、特定の落札者32が落札した複数の時計17(落札商品)に取り付けられたタグ11のICチップ18の個別識別子をチェックボックス13において一度に読み取ることができ、それら時計17(落札商品)のタグ11に設置されたICチップ18の個別識別子を各時計17毎(各落札商品毎)に個別に読み取る手間を省くことができる。
【0113】
管理コンピュータ16は、リーダ12(識別子読み取り手段)によって読み取られたICチップ18の固有識別子と落札者特定データ記憶手段によって記憶したICチップ18の固有識別子とを比較する(識別子比較手段)。管理コンピュータ16は、識別子比較手段によってICチップ18の固有識別子を比較した結果、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の時計17(落札商品)のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子のすべてが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップ18の固有識別子に一致した場合、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容されたすべての時計17(落札商品)がA落札者(Aバイヤー)(特定の落札者32)によって落札された時計17(落札商品)であると判断し、A落札者(Aバイヤー)(特定の落札者32)によって落札されてA落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容された複数の時計17(落札商品)の出荷を可とする(第1検品手段)。
【0114】
管理コンピュータ16は、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容されたすべての時計17(落札商品)とA落札者(Aバイヤー)(特定の落札者32)によって落札された時計17(落札商品)とが一致したことを示すメッセージと、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容された複数の時計17(落札商品)の出荷可を示すメッセージと、確認ボタンとをチェックボックス13のディスプレイ23(タッチパネル)に出力(表示)する。事務係(競売補助者)は、確認ボタンをクリック(タップ)した後、チェックボックス13の頂壁19を上方へ旋回させて頂部開口20を開放し、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)をチェックボックス13の内部から取り出す。A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)は、A落札者(Aバイヤー)に郵送される。
【0115】
管理コンピュータ16は、詞入力手段によって時計特定データ(競売商品特定データ)と落札者特定データと落札価格データとが入力されるとともに、第1検品手段によって落札された時計17(落札商品)の出荷を可とした場合、A落札者(Aバイヤー)(特定の落札者32)に落札されたそれら時計17(落札商品)の落札商品明細33を出力する(落札商品明細出力手段)。落札商品明細33には、図10に示すように、落札者特定データ(落札者名)、落札価格データ(落札価格)、商品データ(時計17の出品者、時計17の商品名、時計17の写真、時計17の入札価格)が表示される。
【0116】
なお、落札商品明細33をオークションの後日に出力することができる。落札商品明細33をオークションの後日に出力するには、入力装置15のディスプレイに表示されたデータ入力画面の落札商品明細出力ボタンをクリックする。落札商品明細出力ボタンをクリックすると、条件入力画面が入力装置15のディスプレイに出力(表示)される。条件入力画面には、日付入力エリア、落札者入力エリア(バイヤー入力エリア)、明細出力ボタン、クリアボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが表示される。日付入力エリアにオークションが行われた日付を入力し、落札者入力エリア(バイヤー入力エリア)に落札者32(バイヤー)を入力した後、明細出力ボタンをクリックする。明細出力ボタンをクリックすると、管理コンピュータ16は、入力された日付の入力された落札者32(バイヤー)が落札した時計17(落札商品)の落札商品明細33を出力する(落札商品明細出力手段)。
【0117】
競売・落札商品管理システム10は、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の時計17(落札商品)のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子のすべてが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップ18の固有識別子に一致した場合、落札者特定データと落札価格データと商品データとを表示した落札商品明細33を出力するから、落札者32(バイヤー)が落札商品明細33を見ることで、落札した時計17(落札商品)の落札者や落札価格、商品データ、落札した時計17(落札商品)の出品者、時計17(落札商品)の商品名、時計17(落札商品)の入札価格を知ることができる。
【0118】
競売・落札商品管理システム10は、時計17(競売商品、落札商品)のそれら商品データ、時計17(競売商品、落札商品)の出品者、時計17(競売商品、落札商品)の商品名、時計17(競売商品、落札商品)の入札価格がICチップ18の固有識別子に関連付けられた状態で管理コンピュータ16に記憶されているから、オークション会場21において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、時計17(競売商品、落札商品)を容易に管理することができ、時計17(競売商品、落札商品)と商品番号、商品名等、落札者名、落札価格等の落札情報、時計17(競売商品、落札商品)の出品者、時計17(競売商品、落札商品)の商品名、時計17(競売商品、落札商品)の入札価格とのミスマッチの発生を防ぐことができる。
【0119】
A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)のチェックボックス13による検品が終了した後、事務係(競売補助者)は、B落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)をチェックボックス13に収納(収容)した後、チェックボックス13のディスプレイ23(タッチパネル)に表示されたチェック(検品)開始ボタンをクリック(タップ)し、既述の手順によってB落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容された時計17(落札商品)の検品を行う。事務係は、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)~X落札者(Xバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)のすべての郵送箱26(検品ボックス)に収容された時計17(落札商品)の検品を行う。
【0120】
管理コンピュータ16は、識別子比較手段によってICチップ18の固有識別子を比較した結果、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の時計17(落札商品)のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子のうちの少なくとも1つが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップ18の固有識別子に一致しない場合、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容された時計17(落札商品)のうちの少なくとも1つの時計17がA落札者(Aバイヤー)(特定の落札者32)によって落札された時計17(落札商品)ではないと判断し、A落札者(Aバイヤー)(特定の落札者32)によって落札されてA落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容された複数の時計17(落札商品)の出荷を不可とする(第2検品手段)。
【0121】
管理コンピュータ16は、第2検品手段においてA落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容された時計17(落札商品)の出荷を不可とした場合、不一致の固有識別子のICチップ18を有するタグ11を取り付けた時計17(落札商品)の不一致時計特定番号(不一致商品特定データ)をチェックボックス13のディスプレイ23(タッチパネル)に出力(表示)する(不一致商品特定データ出力手段)。
【0122】
不一致商品特定データ出力手段において管理コンピュータは、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容された時計17(落札商品)とA落札者(Aバイヤー)(特定の落札者)によって落札された時計17(落札商品)とが一致しないことを示すメッセージと、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)に収容された複数の時計17(落札商品)の出荷不可を示すメッセージと、不一致の固有識別子のICチップ18を有するタグ11を取り付けた時計17(落札商品)の不一致時計特定番号(不一致商品特定データ)(例えば、第2番のタグ11を取り付けた不一致時計特定番号(不一致商品特定データ)1-2の時計17)と、確認ボタンとをチェックボックス13のディスプレイ23(タッチパネル)に表示する。
【0123】
事務係(競売補助者)は、確認ボタンをクリック(タップ)した後、チェックボックス13の頂壁19を上方へ旋回させて頂部開口20を開放し、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)をチェックボックス13の内部から取り出す。事務係は、チェックボックス13のディスプレイ23(タッチパネル)に表示された不一致時計特定番号(不一致商品特定データ)(第2番のタグ11を取り付けた不一致時計特定番号(不一致商品特定データ)1-2の時計17)を確認し、A落札者(Aバイヤー)が落札していない不一致時計特定番号(不一致商品特定データ)の時計17(落札商品)をA落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)から取り出す。事務係は、落札者(Aバイヤー)が落札していない不一致時計特定番号(不一致商品特定データ)の時計17(落札商品)をA落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)から取り出した後、A落札者(Aバイヤー)用の郵送箱26(検品ボックス)を再びチェックボックス13に収納(収容)し、検品を行う。
【0124】
競売・落札商品管理システム10は、管理コンピュータ16が識別子比較手段によってICチップ18の固有識別子を比較した結果、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の時計17(落札商品)のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子のすべてが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップ18の固有識別子に一致した場合、落札された複数の時計17(落札商品)の出荷を可とする第1検品手段と、識別子読み取り手段によって読み取られた複数の時計17(落札商品)のタグ11に設置されたICチップ18の固有識別子のうちの少なくとも1つが落札者特定データ記憶手段によって記憶した落札者特定データに関連付くそれらICチップ18の固有識別子に一致しない場合、落札された複数の時計17(落札商品)の出荷を不可とする第2検品手段とを有するから、オークション会場21において競りが行われる現物競り落とし型のオークションにおいて、特定の落札者32(バイヤー)が落札した複数の時計17(落札商品)がその落札者32が落札したものか否かをそれら時計17(落札商品)に取り付けられたタグ11のICチップ18の固有識別子によって瞬時に判断することができ、各落札者32による時計17(落札商品)の確認作業の手間を省くことができるとともに、落札者32が落札したそれら時計17(落札商品)を真の落札者32へ速やかに配送することができる。
【符号の説明】
【0125】
10 競売・落札商品管理システム
11 タグ(荷札)
12 リーダ(ICタグリーダ)
13 チェックボックス(検品ボックス)
14 ラベルプリンター
15 入力装置(パソコン)
16 管理コンピュータ
17 時計(競売商品、落札商品)
18 ICチップ
19 頂壁
20 頂部開口
21 オークション会場
22 前壁
23 ディスプレイ(タッチパネル)
24 ラベルシール(ラベル)
25 エントリーボックス
25a~25e 第1~第5エントリーボックス
26 郵送箱(検品ボックス)
27 オークションテーブル
28 マイク
29 進行係
30 競売人(オークショニア)
31 復唱係(オーム)
32 落札者(バイヤー)
33 落札商品明細

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10