IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エンベクタ コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】ペンニードル
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20220829BHJP
   A61M 5/50 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
A61M5/32 510H
A61M5/50
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018099673
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2018198932
(43)【公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】62/511,610
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アミット リメイエ
(72)【発明者】
【氏名】スダーサン スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド シフ
(72)【発明者】
【氏名】トッド サック
(72)【発明者】
【氏名】ブレアンナ スタホフスキ
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-500063(JP,A)
【文献】特表2016-523672(JP,A)
【文献】特表2016-538954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンニードルであって、
送達デバイスへの取り付けのための基端部、および、末端部を有するハブ本体、
前記ハブ本体に結合されたニードルであって、前記ハブ本体の前記末端部から延在する末端部を有するニードル、および、
前記ハブ本体内にマウントされており、前記ニードルを覆うための第1の伸張位置と前記ニードルの前記末端部を露出させるための格納位置の間でスライド可能なニードルシールドであって、前記ニードルシールドが前記第1の伸張位置と前記格納位置の間で前記ハブ本体内をスライドする第1の角度位置から、前記ニードルシールドが前記第1の伸張位置においてロックされる第2の角度位置まで回転可能であるニードルシールドと、
ロック機構であって、前記ハブ本体の内面に係合する前記ニードルシールドの可撓性フィンガと、および前記ハブ本体の内面の長手方向に延びるリブとを有する、ロック機構と、を備え
前記可撓性フィンガおよび前記リブは、前記ニードルシールドが手動で元の位置に回転され戻されるのを防ぎ、前記ペンニードルの再利用を防ぐための停止部材を形成する、ことを特徴とするペンニードル。
【請求項2】
前記ニードルシールドは少なくとも1つのタブを含み、該少なくとも1つのタブは、前記ニードルシールドが前記第1の伸張位置と前記格納位置の間でスライドすること、および、前記第1の角度位置から前記第2の角度位置まで回転することを可能にするように、前記ハブ本体内のトラック内でスライドする、請求項1のペンニードル。
【請求項3】
前記トラックは、前記ニードルシールドが前記第1の伸張位置から前記格納位置へスライドすることを可能にする第1の長手方向区分、および、前記ニードルシールドが前記格納位置から第2の伸張位置へスライドすることを可能にする第2の長手方向区分を含んでいる、請求項2のペンニードル。
【請求項4】
前記ニードルシールドが前記第2の伸張位置にあるときに、前記ニードルシールドは、前記ハブ本体から、前記ニードルシールドが前記第1の伸張位置にあるときよりも長い距離まで突出する、請求項3のペンニードル。
【請求項5】
前記ニードルシールドは、前記ニードルシールドが前記第1の伸張位置にあるときには見えなくて、前記ニードルシールドが前記第2の伸張位置にあるときには見える可視インジケータを含んでいる、請求項4のペンニードル。
【請求項6】
前記トラックは、前記第1の長手方向区分の底部の基端部と前記第2の長手方向区分の底部の基端部の間に延在する第1の横方向区分であって、前記ニードルシールドが前記ハブ本体と相対的に回転すると、前記タブが前記第1の長手方向区分から前記第2の長手方向区分へスライドすることを可能にする第1の横方向区分を備えている、請求項3のペンニードル。
【請求項7】
前記トラックは、前記第2の長手方向区分の末端部に、前記タブを受け取るために、および、前記ニードルシールドの前記ハブ本体との相対的な回転によって前記ニードルシールドが前記第2の伸張位置から前記格納位置へスライドすることを防止するために、第2の水平区分を備えている、請求項6のペンニードル。
【請求項8】
前記ハブ本体および前記ニードルシールドと結合されたばねをさらに備え、前記ばねは、前記ニードルシールドを前記第1の伸張位置へ付勢し、および、前記ニードルシールドを前記第2の角度位置へ付勢するように構成されている、請求項1のペンニードル。
【請求項9】
前記ばねは、前記ニードルシールドに相対的に固定された第1の端部と前記ニードルシールドに相対的に固定された第2の端部を有するコイルばねを含んでおり、および、前記ばねは、前記ニードルシールドを前記第2の角度位置へ回転させるような捩じり力、および、前記ニードルシールドを前記第1の伸張位置へ付勢する付勢力を提供するように構成されている、請求項のペンニードル。
【請求項10】
前記ハブ本体の上側で受け取られる外側カバーであって、前記ニードルを覆い、少なくとも1つの半径方向内向きのリブであって、前記ハブ本体が前記送達デバイス上に取り付けられたときにユーザのために知覚インジケーションを提供するよう前記ハブ本体上の少なくとも1つの可撓性タブと係合するリブを有する外側カバー、および、前記ハブ本体上の停止部材であって、前記リブと係合して前記外側カバーの前記ハブ本体との相対的な回転を制限するための停止部材をさらに備えている、請求項1のペンニードル。
【請求項11】
前記末端部の基端側に位置する円周状に配向された可撓性部材を前記ハブ本体が有しており、半径方向外向きの突起を前記可撓性部材の端部が有しており、さらに、
前記ハブ本体上の、半径方向外向きに突出している少なくとも1つの停止部材および前記可撓性部材を前記停止部材から分離している円周状のギャップ、
前記ハブ本体の上側で受け取られる外側カバーであって、前記ニードルを覆っており、および、半径方向内向きに突出している少なくとも1つのリブを有している外側カバーを備え、
前記外側カバー上の前記リブの前記可撓性タブ上の前記突起との係合が、前記外側カバーの回転に対する、前記ハブ本体の回転を引き起こし、および、
前記ハブ本体が前記ペンニードル上に着座しているときに前記ハブ本体が前記外側カバーの前記ハブ本体に対する回転を防止するように前記ペンニードル上に完全に組み付けられているときに、前記外側カバーの印加される回転力への、前記ハブ本体に対する十分な抵抗であって、知覚的なフィードバックを作り出すための抵抗があるとき、前記可撓性部材上の前記突起が前記外側カバー上の前記リブの上方でスライドする、請求項1のペンニードル。
【請求項12】
ペンニードルであって、
送達デバイスへの取り付けのための基端部、および、軸面を備えた末端部を有するハブ本体、
前記ハブ本体に結合されたニードルであって、前記ハブ本体の前記末端部から延在する末端部を有するニードル、および、
前記ハブ本体に前記ハブ本体内でスライドするために結合されたニードルシールドであって、該ニードルシールドは半径方向に延在するタブを有しており、
該タブは前記ハブ本体内の内面上に形成された第1のトラックであって該ニードルシールドを、前記ニードルを覆うための第1の伸張位置、前記ニードルの前記末端部を露出させるための格納位置との間をスライドするための第1のトラック内をスライドし、および前記ニードルの前記末端部を覆うための第2の伸張位置に第2のトラックをスライドし、
および、該ニードルシールドの前記タブは、該ニードルシールドが前記ハブ本体の前記第一のトラック内を前記第1の伸張位置から前記格納位置へスライドする第1の角度位置から、該ニードルシールドが前記第2の伸張位置におけるロック位置にある前記第2の伸張位置へ、該ニードルシールドが第二のトラックをスライドする第2の角度位置まで回転可能であり、
前記タブが前記第1のトラックにあるとき、前記タブは見えず、前記第2のトラックおよび前記ニードルシールドが前記第2の伸長位置にあるとき、前記ハブ本体の前記軸面を通して見える、
ニードルシールドを備えたことを特徴とするペンニードル。
【請求項13】
前記第1のトラックは前記ニードルシールドを前記第1の伸張位置から前記格納位置へスライドさせるための第1の長手方向区分を含み、前記第2のトラックは前記ニードルシールドを前記格納位置から前記第2の伸張位置へスライドさせるための第2の長手方向区分を含んでいる、請求項12のペンニードル。
【請求項14】
前記第1のトラックは、前記第1の長手方向区分と前記第2の長手方向区分の間に延在する第1の横方向区分をさらに備えている、請求項13のペンニードル。
【請求項15】
前記第2のトラックは、前記ハブ本体の前記末端部の前記軸面に開放端を有する第2の横方向区分をさらに備え、前記第2の横方向区分は、前記ニードルシールドの第2の長手方向区分から前記ロック位置への回転を可能にし、前記タブは、前記ハブ本体の前記軸面の前記開放端を通して、前記第2の横方向区分に見える、請求項12のペンニードル。
【請求項16】
前記ニードルシールドを前記第1の角度位置から前記第2の角度位置まで回転させるために付勢する回転力を前記ニードルシールドに供給するために、前記ハブ本体および前記ニードルシールドに結合されたばねをさらに備えており、前記ニードルシールドを前記格納位置から前記第2の伸張位置へスライドさせるように、前記ばねが外向きに付勢する力を供給する、請求項15のペンニードル。
【請求項17】
前記ハブ本体および前記ニードルシールドに結合されたばねをさらに備えており、該ばねは、前記ニードルシールドを前記第1の伸張位置へ付勢するように、および、前記ニードルシールドを前記第2の角度位置へ付勢するように構成されている、請求項12のペンニードル。
【請求項18】
前記第1のトラックは、前記第1の長手方向区分の底部の基端部と前記第2の長手方向区分の底部の基端部の間に延在する第1の横方向区分を前記ニードルシールドが前記ハブ本体に相対的に回転し次第、前記タブが前記第1の長手方向区分から前記第2の長手方向区分へスライドさせることを可能にするように含んでいる、請求項13のペンニードル。
【請求項19】
前記ハブ本体の上側で受け取られる外側カバーであって、前記ニードルを覆い、少なくとも1つの半径方向内向きのリブであって、前記ハブ本体が前記送達デバイス上に取り付けられたときにユーザのために知覚インジケーションを提供するよう前記ハブ本体上の少なくとも1つの可撓性タブと係合するリブを有する外側カバー、および、前記ハブ本体上の停止部材であって、前記リブと係合して前記外側カバーの前記ハブ本体との相対的な回転を制限するための停止部材をさらに備えている、請求項12のペンニードル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品ペン型注入器などの薬剤送達デバイスへの取り付けに適合したペンニードルを企図したものである。本発明に従ったペンニードルアセンブリは、格納式ニードルシールドを持ったペンニードルを有しており、使用中にニードルシールドを格納することができ、使用後にニードルを覆うためにニードルシールドがロック位置に伸張される。カバーは、聞き取れるクリック音又は触感などの知覚的なフィードバックであって送達ペン上にペンニードルが完全に着座したことを示す知覚的なフィードバック、及び、締め付け過ぎを防止するための停止部材を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
ペンニードルは医薬品ペン型注入器(薬剤ペン)に取り付けるために用いられており、及び、インスリンなどの自己投与注入可能薬剤を送達するために特に有用である。一つの知られた商用デバイスでは、ニードルベアリングが、漏斗形状の外側カバーであって、時に「外側シールド」又は簡単に「カバー」と呼ばれことがある外側カバーの内側に備えられている。ハブの軸方向ボア内に、ハブの末端すなわち「患者側」から一端が突出してカニューレが付けられていて、及び、ニードルの他端がハブの基端すなわち「非患者」側上のキャビティ内にくぼんでいて、医薬品ペン型注入器への取り付けに適合している。紙及びホイル「ティアドロップ」ラベルが、漏斗形状の外側カバーの開放端の縁上に熱封止されている。加えて、医薬品ペン型注入器には、医薬品ペン型注入器の末端部上で開けながら受け取られるキャップを備えたものがあり、其処にはペンニードルが差し込まれる。ペンニードルを医薬品ペン型注入器上に取り付けるために、ユーザは医薬品ペン型注入器のキャップを取り外す。ユーザは次いで、ペンニードルの外側カバー上のラベルを取り除き、及び、ハブに取り付けるために外側カバーを保持し、典型的にはハブをペン上に通す。ハブがいったん医薬品ペン型注入器上に取り付けられると、外側カバーをハブの末端へ引っ張ることによって外側カバーを取り外すことができる。別個の内側ニードルシールドはニードルの上側に置かれていて、注入を施すためにユーザが取り外さなければならない。内側シールドは一般にハブ上に置かれていて、単に、不妊障害を形成することなくニードルをユーザが配置するのを助ける。使用後、ユーザは外側カバーを使用してハブをペンから引き抜くこと、及び、ペンニードルを廃棄することができる。
【0003】
医薬品ペン型注入器及び付随のペンニードルが特許文献1,特許文献2,及び特許文献3に開示されており、これら文献の全部は、ペンニードルの設計及び構造に関するそれらの全体が参照により組み込まれる。解放可能なペンニードルを注入ペン上に配置するため、及び、ペンニードルを対になっている貯蔵庫又は廃棄コンテナ内へ解放するためのデバイスが特許文献4に開示されており、同様に、参照により組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7,645,264号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0069755号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0022460号明細書
【文献】米国特許第8,057,444号明細書
【文献】米国特許第9,774,844号明細書
【発明の概要】
【発明が課題しようとする課題】
【0005】
上述した先行技術では、ハブが医薬品ペン型注入器上に正しく置かれたことをユーザが知ることは常に可能なわけではない。ペンは、ペンニードルがペン上に置かれたことのセンサによるフィードバックを(通された接続自体の締め付け以外)備えていない。これはペンニードルのペン上への締め付け過ぎにつながり得、ペンニードルの取り外しを困難にすることをもたらし、又はペンニードルのペン上への締め付け不足につながり得、ペンニードルに漏れを生じさせることがある。同様に、ニードルを取り外すときに、外側カバーがハブ上に常に正しく整列しているわけでなく、及び、ハブのネジを外すことを2,3回試みることを要するであろう。使用後にニードルの非患者端を自動的にシールドするペンニードルを含む、受動的にシールドされたペンが知られてはいるものの、多くのペンニードルは使用後にニードルの露出した非患者端を単に放置しておき、使用後の偶発的な針刺しからの保護を基端部のキャビティが提供することを当てにしている。
【0006】
先行技術のデバイスは意図した用途には概して好適である一方で、ペンニードルの改良の必要性が業界には存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は格納式ニードルシールドを持ったペンニードルを有するペンニードルアセンブリを企図しており、ニードルシールドは、使用後にニードルの端部を覆うため、伸張位置でロックすることができる。
【0008】
本発明の一つの特徴は、ペンニードルが、医薬品ペン型注入器又は送達ペンなどの送達デバイス上にしっかりと着座しているとときに知覚的なフィードバックを提供することである。知覚的なフィードバックは、送達デバイス上への正しい取り付け示す、聞き取れる及び/又は触知できる感覚を含む。送達デバイス上に適正に着座した後のペンニードルの回転を止めるために、停止部材が含まれる。ペンニードルの有利な点は、ペンニードルの構造内でより自由に変形できない材料を使用すること、及び、より容易な使用のための構造を提供することである。
【0009】
ペンニードルは送達ペン又は他の送達デバイスに取り付けることが可能であり、ペンニードルは、使用後に所定の場所にロックしてニードルの露出した端部を覆うニードルシールドを含む。本発明のペンニードルは、使用前に伸張位置にあるニードルシールドを含むことができ、及び、使用中にニードル又はカニューレを覆うように格納することができ、次いで、使用後に、ニードル又はカニューレを覆うように配備され得る。
【0010】
一実施形態におけるペンニードルは、ニードルを支持するハブ本体を含む。カバーはハブ本体の端部の上方に適合することができ、使用準備までの格納中にニードルを覆う。ハブ本体は、ニードルを支持するニードルリテーナを支持する。移動可能なニードルシールドは、ニードルを露出させるために使用中に格納することができるハブ本体にマウントされ、及び、使用後に外向きに移動又はスライドさせることによって配備されて、ニードルの端部を覆い及びさらなる使用又は偶発的な針刺しが防止される。ばね部材などの付勢部材が、ニードルシールドを外向きに付勢するように、ニードルシールドとリテーナの間に備えられる。
【0011】
一実施形態では、ニードルシールドを外向きに伸張位置へ付勢するようにばね部材がハブ本体内に位置決めされて、ニードルの末端部を覆う。ばね部材はまた、ニードルシールドをロック位置まで回転させるように捩じり力をニードルシールドに供給してデバイスの再使用を防止することができる。
【0012】
一実施形態では、カバー及びペンニードルは、いつハブ本体が送達ペンに適正に取り付けられたかをユーザに示すために、可聴音及び/又は触覚を提供する機構を備えるように構成される。ハブ本体上の可撓性のタブ上をスライドして可聴音を提供するリブ又は他の戻り止めをカバーの内面上に備えることができる。タブは、ハブ本体の外面上の可撓性又は弾性部分上に形成することができ、可撓性部材であってもよい。停止部材は、ハブ本体の外面上に備えられてもよく、及び、ハブ本体に対するカバーのさらなる回転移動を防止するために、及び、ハブ本体が送達ペン上の適正な位置にあることの触覚の及び/又は可聴の指示を提供するために、タブから離間していてよい。
【0013】
本発明の特徴は、ニードルを露出させるように使用中に格納されることができ、及び、ニードルを覆うように配備されることができるニードルシールドであってハブ本体内のトラック内をスライドするハブを有するニードルシールドを備えることで達成され得る。ニードルシールド及びタブは、トラック内のロック位置までタブを回転させることによってニードルシールドを伸張位置にロックするようにスライド及び回転する。一実施形態では、ニードルシールドは、ニードルシールドを伸張位置へ付勢するばね部材によって回転され得る。ばね部材は、シールドをニードルの上方に伸張するための付勢力、及び、ニードルシールドを回転させるための捩じり力を供給することができ、タブはトラック内のロック位置へスライドする。
【0014】
一実施形態におけるニードルシールドは、半径方向外向きに突出し及びハブ本体の内面に係合する1つ又はより多くの可撓性タブを含むことができる。使用の間、ニードルシールドは伸張位置にあるときは回転することができ、停止部材の上方でタブがスライドすることができ、それにより、ニードルシールドはロック位置に保持され、及び、さらなる回転が防止される。タブはハブ本体の内面上のリブ又はくぼみと係合することができ、ニードルシールドがハブ本体内に格納されないように、ニードルシールドが回転して元の位置へ戻ることを防止する。ニードルシールドは、ハブ本体の内面上に形成されたトラック内をニードルシールドが伸張位置と格納位置の間で軸方向にスライドすることを可能にするように、及び、ニードルシールドがロック位置まで回転することを可能にするようにスライドすることができる外向きに延在する1つ又はより多くのタブを含むことができる。
【0015】
本発明の特徴はまた、捩じり力を印加してニードルシールドを回転させること、及び、付勢力を印加してニードルシールドを配備することによってニードルシールドを作動化するばねを備えることで達成され得る。
【0016】
本発明の特徴は、送達デバイスへの取り付けのための基端部、及び、末端部を有するハブ本体を備えたペンニードルを提供することで達成される。ニードルはハブ本体に結合され、及び、ハブ本体の末端部から延在する末端部を有している。ニードルシールドは、ニードルを覆う伸張位置とニードルの末端部を露出させる格納位置の間でスライドするために、ハブ本体内にマウントされている。ニードルシールドは、ニードルシールドがハブ本体内をスライドする第1の角度位置から、ニードルシールドが伸張位置にロックされる第2の角度位置まで回転可能である。
【0017】
本発明の特徴はまた、ペンニードルを備えることによって達成され、ニードルシールドは少なくとも1つのタブを含み、該タブは、トラック内でスライドし、ニードルシールドが伸張位置と格納位置の間でスライドすること、及び、第1の角度位置から第2の角度位置まで回転することを可能にする。
【0018】
本発明の特徴は、ペンニードルを備えることによってさらに達成され、ハブ本体内のトラックは、ニードルシールドが第1の伸張位置から格納位置へスライドすることを可能にする第1の長手方向区分、及び、ニードルシールドが格納位置から第2の伸張位置へスライドすることを可能にする第2の長手方向区分を含む。
【0019】
ペンニードルは送達デバイスへの取り付けのための基端部、及び、末端部を有するハブ本体を含む。ニードルはハブ本体に結合され、及び、ハブ本体の末端部から延在する末端部を有する。ニードルシールドは、ハブ本体内でスライドするためにハブ本体内にマウントされる。ニードルシールドは、半径方向に延在する少なくとも1つのタブであって、ハブ本体内の内面上に形成されたトラック内を、ニードルを覆う第1の伸張位置とニードルの末端部を露出させる格納位置とニードルの末端部を覆う第2の伸張位置との間でスライドする少なくとも1つのタブを有する。ニードルシールドは、ニードルシールドがハブ本体のトラック内を第1の伸張位置から格納位置へスライドする第1の角度位置から、ニードルシールドが第2の伸張位置におけるロック位置にある第2の伸張位置へニードルシールドがスライドする第2の角度位置まで回転可能である。
【0020】
物質を患者に注入するためなど、ペンニードルを使用する方法もまた提供される。方法は、ニードルシールドを第1の伸張位置から格納位置へ退避させてペンニードルを露出させる。次いでニードルシールドは、ばねなどの付勢部材によって第1の角度位置から第2の角度位置まで回転される。次いでニードルシールドは、ニードルを覆うために第2の伸張位置へ移動し、そして、ハブ本体に対してある回転角度まで回転されてニードルシールドを伸張位置にロックする。
【0021】
ハブ本体のネジ山端部を送達デバイスの端部に通すことによつてペンニードルを送達デバイスに取り付ける方法が提供される。ハブ本体上の外側カバーは、ハブ本体が送達デバイス上に着座するまでの間、回転される。カバーの内面上のリブがハブ本体の外面上のタブの上方をスライドして可聴音又は触覚を提供し、ハブ本体の送達デバイス上への締め付け過ぎを防止する。
【0022】
本発明のこれらの及び他の態様及び特徴は、本発明についての、以下の発明を実施するための形態及び添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】外側カバーを持つ、アセンブリの一実施形態に従ったペンニードルの斜視図である。
図2】ペンニードルの外側カバー及びハブ本体を表す拡大側面図である。
図3】ペンニードルの外側カバー及びハブ本体を表す拡大斜視図である。
図4】ペンニードルの外側カバー及びハブ本体の側面断面図である。
図5】ペンニードルアセンブリの拡大図である。
図6】ペンニードルアセンブリの拡大図であり、ニードルシールドアセンブリを表わす。
図7】ニードルシールドの側面図である。
図8図7のニードルシールドの断面図である。
図9図7のニードルシールドの上からの斜視図である。
図10】ニードルシールドを持たないペンニードルのハブ本体の側面断面図である。
図11】ペンニードルのニードルシールドの下からの斜視図である。
図12】ニードルハブアセンブリの上部の平面図である。
図13】ニードルハブの底面図である。
図14A】使用中のニードルシールドの機構の連続する動きを示す図である。
図14B】使用中のニードルシールドの機構の連続する動きを示す図である。
図14C】使用中のニードルシールドの機構の連続する動きを示す図である。
図14D】使用中のニードルシールドの機構の連続する動きを示す図である。
図14E】使用中のニードルシールドの機構の連続する動きを示す図である。
図15】ハブ本体の断面図であり、トラックを表している。
図16】リテーナプラグの他の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記図面は変倍されるべきでなく、特定の図面おいては、いくつかの構造が他の構造をより良く描くために省略されている。
【0025】
本明細書中で使用の際、「末端」方向は注入部位の方向であり、「基端方向」は逆方向である。「軸」方向は注入デバイスの長手方向軸に沿っている。ニードルカニューレは、デバイス内で概して軸方向に配置される。「半径方向」は軸方向に対して直角な方向である。よって、「半径方向内向き」は、一般にニードルにより近付くことを意味する。「円周状」は円周の周りへの配置を意味し、そのため、ネジ付き結合具の端部上に円周状にネジが配置される。ペンニードルの「上からの平面図」では、ニードルの尖った端部が見られる。実施形態の種々の特徴は、組み合わされる部分が不一致でない又はデバイス及びアセンブリの動作を干渉することがない限り、組み合わせて用いること、及び、他の実施形態と一緒に用いることができる。
【0026】
図面を参照すると、本発明のペンニードルアセンブリ10はペンニードル12とカバー14を含んでおり、カバー14はペンニードル12の上方に適合している。カバー14は格納の間はペンニードル12を封入しており、及び、ペンニードル12を送達ペンに取り付けることを支援する。クロージャ又は剥離タブが一般にカバーの開放端の上方に備えられ、使用する準備ができるまでの間、ニードルハブアセンブリを無菌状態に維持する。送達ペン8が図4に表されている。送達ペンは、業界で知られている典型的な送達ペン又は他の薬剤送達デバイスであってよく、インスリンなどの医薬又は薬剤を送達するものであることを理解できよう。好適な送達ペンの一例が特許文献5に開示されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
図1-4に表された実施形態において、ペンニードル12は、ハブ本体16、ニードルシールド28、ばね56として表された付勢部材、及び、ハブ本体16に結合されたニードルリテーナ30を含む。図2及び4の実施形態におけるハブ本体16は、頂部端面に向かって先細になっている、実質的に円錐形状の頂部を有している。底部開放端18には図4に表される内側ネジ22が、知られた方法で送達ペンと結合させるために備えられている。頂部端20はニードル26又はカニューレのための開口24を画定し、及び、使用の間の皮膚接触面を画定する。ニードル26は、尖った先端を持った中空のスチール製ニードルであってよく、所望の深さまで皮膚を突き通すための径と長さを持っている。
【0028】
ハブ本体16は、実質的に円筒状の外面32を持つ底部端を有する。タブ34は、図5に表されているように、外面32から底部開放端18において半径方向外向きに突出している。タブ34は、本明細書中で説明するように、外側に面した傾斜面36を有してカバー14と協働する。図2及び3に表されたとおり、タブ34は可撓性部材40上に形成されており、カバーがタブ34に係合したときにタブ34及び可撓性部材40が内向き又は外向きに撓むことができるように、可撓性部材40はハブ本体16と一緒に形成されている。可撓性部材40は壁の可撓性部分又は区分として形成され、及び、カバー上のリブ106が触れたときに可撓性部材40を形成しているその部分が内向きに撓むことを可能とするように、より薄い厚みを有している。他の実施形態では、可撓性部材40を、カバーと係合したときに内向き又は上向きに撓むことができる可撓性のフィンガ又はタブとして形成することができる。
【0029】
ラグ38もまた、開放底部においてハブ本体16の外面上に形成することができ、タブ34からは円周状に離間されている。図2及び6に表される実施形態におけるラグ38は、ハブ本体16の長手方向軸に対して実質的に直角に配向された平坦面41を有している。傾斜面43は、図2及び6に表されているように、ハブ本体16の頂部末端に向かって面している。示された実施形態では、2つのタブ34と2つのラグ36は、図6に表されているように、底部開放端18の周縁の周りでハブ本体の反対側に間隔が空いている。
【0030】
図4に表されるように、内側ネジ22は、ハブ本体16の第1の内側位置45内に、送達ペン8と結合するために、底部基端18に向って形成されている。第2の実質的に円筒状部分42は、リテーナ30を図4に表されるように受け取り及び支持するために、内側ネジ22から軸方向に間が空けられている。リテーナ30は、実質的に円筒状の側壁44、底部端面46、及び、頂部面48を有している。図示の実施形態では、側壁44は、リテーナ30をハブ本体16内に固定するために、図10に表されているハブ本体16の相補ネジ52とはまり合うための、図5及び6に表されているネジ50で形成されている。リテーナ30は、接着剤又は他の取り付け機構によって適所に固定することもできる。図16に表される他の実施形態では、リテーナ30は側壁上に平滑な外面を有し、スナップフィット、摩擦フィット、干渉フィット、接着、又は、リテーナを適所に固定する他の適当な方法によって、ハブ本体内に適合することができる。リテーナ30は、使用中にリテーナ30の回転を防止するように取り付けられたときに、ハブ本体16に対して固定された位置に維持される。リテーナ30は、一緒に接合された2つのピースとして、又は、1ピースの部材としても形成することができる。図16の実施形態では、リテーナ30は平坦な端面を有しており、及び、内側ラグ31をばねの端部と係合するために含むことができる。
【0031】
図9に表されるように、リテーナ30の側壁44はノッチを形成するスロット54を、ばね56として表された付勢部材の一端を受け取るために含んでいる。リテーナ30は 図4に表される中央柱58を含み、この柱は、ニードル26を受け取るための開口を形成する軸方向通路64を有している。図示の実施形態では、ニードル26は、送達ペン8内のリザーバと結合するために、軸方向通路64内に、末端がハブ本体16の開放端からハブ本体16の底部端内へと突出している状態で固定される。
【0032】
図9を参照すると、リテーナ30の側壁44はばね56を受け取るために頂部開放端を画定する。軸方向に延在する柱58は、ばね56を支持し及び安定化するため、及び、ニードル26を支持するために、軸方向上向きに突出している。図示の実施形態では、ばね56は、側壁44内に形成された、スロット54とはまり合うための脚部60であって、ばね56のリテーナ30に対する回転に抵抗する脚部60を持つ第1の底部端を有する。ばね56の第2の頂部端は、ニードルシールド28と結合するための図5に表された脚部62を含む。他の実施形態では、付勢部材は、ニードルシールド28をハブ本体16の末端から外向きに付勢して、及び、ニードルシールド28をハブ本体16に対して回転させることのできる他の構成及び形状を有することができる。
【0033】
図示の実施形態におけるニードルシールド28は、ハブ本体16内を軸方向に、図4に表された伸張位置から図14A-14Eに連続して表された格納位置へスライドするように構成されている。ニードルシールド28は本体70を有しており、図7-9に表されるように本体70から軸方向に端部72が延在している。端部72は、使用中にハブ本体16の頂部開放端20内の開口24から延在し、且つ、該開口内でスライドする構成を有している。図示の実施形態では、端部72は、ハブ本体16内をスライドするように平坦な側部及び丸みのある部分を有している。図9に表されたように、端部72の軸面74は、使用中にニードル26上をスライドするための開口及び軸方向通路76を有する。
【0034】
環状のスカート78が、図6-9に表されるように、ニードルシールド28の本体70の底部基端から半径方向外向きに延在している。図7に表されるように、スカート78は、スカート78の円周縁の周りに延在する側壁80を有している。ラグ82は、ハブ本体16の内面と適合するために、図6、7、9に表される側壁80から半径方向外向きに突出している。図11に表される実施形態では、側壁80の反対側に2つのラグ82が形成されている。スカート78は、図10に表された内向きに延在するレッジ88であって、ニードルシールドをハブ本体のキャビティ内に保持するための、ハブ本体16の末端部におけるレッジ88とはまり合うように配向された頂部エッジを持つ寸法を有している。
【0035】
スカート78の側壁80は、図11に表されるように可撓性部材84で形成されており、可撓性部材84は側壁80の湾曲を補って完全にする曲率を有している。通常位置における可撓性部材84は、側壁80からハブ本体の内面へ外向きに突出するように配向されている。図9及び10に表されたように可撓性部材84は、ハブ本体16の内面と適合するための実質的に平坦な端面86を有している。
【0036】
ニードルシールド28は、ハブ本体16の軸方向キャビティ内に適合するため、及び、図14A及び14Dに表された伸張位置と図14B及び14Cに表された格納位置の間をハブ本体16の頂部末端の開口を通ってスライドするように構成されている。ニードルシールド28は、ハブ本体16内に位置決めされ、ハブ本体16の底部端を通り、ばね56及びリテーナ30が追従する。リテーナ30は、ばね56及びリテーナ30がハブ本体16内に捕捉された状態で、ハブ本体16に固定される。ラグ82は、スカート78から外向きに突出し、及び、図4に表されるようにハブ本体16内をスライドする。一実施形態では、ラグ82は、図4に表されたようにハブ本体16の内面上に形成された縦方向に延在する溝又はくぼみ101内をスライドすることができる。くぼみは、ニードルシールド28がハブ本体16内を軸方向にスライドすることを可能にする長さ、及び、ニードルシールド28のハブ本体16内での制限された回転運動を可能にする半径方向幅を有することができる。
【0037】
図9に表されるように、ばね56はスカート78の底面とリテーナ30頂面の間に延在している。一実施形態では、ばね56はアセンブリ中に巻かれ及び捻られて、ニードルシールドをハブ本体16に対して付勢し及び回転させるためのニードルシールド28に対する捻り力及び回転力を提供する。ばね56の底部端はリテーナ30に結合され、ばね56の底部のリテーナ30及びハブ本体16に対する回転が防止される。ばね56の頂部端の脚部62は、ニードルシールド28がリテーナ30及びハブ本体16に対して回転することができるように、脚部62を受け取るスロット90によってスカート78に結合されている。
【0038】
ニードルシールド28の本体70の頂部端は、少なくとも1つの、典型的には2つの外向きに延びるタブ92を、ハブ本体16の頂部端における内面上に形成されたトラック94とはまり合うように含んでいる。トラック94は、タブ92がトラック94内をスライドすることを可能とするように構成されており、その結果、ニードルシールド28は、ニードルシールド28の端部72がハブ本体16の端部から延在して図4に表すようにニードル26を覆う伸張位置と、図14Bに表わされる格納位置との間をスライドすることができる。図示の実施形態では、タブ92のそれぞれにトラック94が備えられていて、ニードルシールド28のハブ本体16に対する軸方向運動及び回転運動の間、タブを案内する。図示の実施形態におけるトラック94は、ハブ本体16の内面上の、タブ92を案内するためのくぼみ又はスロットである。
【0039】
図14A―14E及び15において最も良く表されているように、トラック94は、軸方向に延在している第1の長手方向区分96及びハブ本体の頂部端から間が空けられている頂部端98を有するスロットであり、その結果、ニードルシールド28は、ニードルシールド28がニードル26の端部を過ぎて延びている距離だけハブ本体16から延びている。図14A及び14Bに表されるように、タブ92がスロット94の第1の区分96内へスライドしていると、ニードルシールド28はハブ本体16内へスライドして患者への注入のためにニードル26を露出させることができる。
【0040】
トラック94の第1の長手方向区分96の底部端は、タブ92を受け取ってタブ92及びニードルシールド28をハブ本体16内で回転させることを可能にする寸法の第1の横方向区分98を有している。第1の横方向区分98の端部において、第2の長手方向区分100が、第1の長手方向区分96に実質的に平行な軸方向の向きに延びている。図15に表された実施形態では、第1の長手方向区分96と第2の長手方向区分100の間の壁部が、タブ92を案内するために傾斜面103で終端する。図14A―14Eに表されるように、第2の長手方向区分100は軸方向の長さを有しており、ハブ本体16の末端に向って軸方向に延びている。図示の実施形態では、第2の長手方向区分100は第1の長手方向区分96の軸方向長さよりも長い距離、延在しており、及び、第2の長手方向区分100で終端して、ニードルシールド28のタブ92が第1の長手方向区分96内を進行するときよりも長い距離を、ニードルシールド28がハブ本体16から末端へ移動することを可能にする。図示のように、第2の横方向区分102は傾斜案内面105を有し、及び、第2の長手方向区分100から離れた方向に、第1の横方向区分98とは逆方向に延在する。
【0041】
ニードルシールド28のタブ92が横方向区分98及び102を通ってスライドするにつれてニードルシールドがハブ本体16に対して回転したとたんに可撓性フィンガ84と協働するための、長手方向に延在するリブ104がハブ本体16の内面上に備えられている。リブ104は、可撓性フィンガ84が使用中にリブ104の上方をスライドすることを可能にするように配向されている。リブ104は、デバイスの再使用を防止するために、ニードルシールドが人力によって回転して元の位置に戻ることを防止する停止部材を形成する。リブ104はまた、ニードルシールド28がハブ本体16に対して回転するに従った可聴及び/又は触感をユーザに提供する。一実施形態では、停止部材は、突出した部材よりもむしろくぼみによって形成される。
【0042】
初期位置において、ニードルシールド28は図14Aに表された位置で、タブ92がスロット94の第1の区分の頂部端において受け取られ、且つ、ニードルシールド28がニードル26の端部の上方に延在している状態で、配向されている。ハブアセンブリ12は送達ペンに結合されており、ニードル26の基端部が、物質を患者に送達するための送達ペンと結合している。カバーは、ハブ本体を送達ペンのネジ付き端部上にネジで取り付けるようにカバー及びハブ本体を回転させることによってニードルのハブ本体16を送達ペンに結合させるために用いられる。図4に表された一実施形態において、カバー14は、タブ34及びラグ38と協働する、内向きに延びたリブ106であって、停止部材を形成する106を含む。
【0043】
カバーが回転し及びハブアセンブリが送達ペン上にネジ止めされると、送達ペンのネジ付き端部上に適正に締め付けられたハブアセンブリに十分な抵抗が供給されていればリブ106はタブ34の上方をスライドして、ユーザが受け取ることのできる可聴クリック音又はスナップ音及び/又は触感を形成し、それにより、締め付け過ぎることなく適正にハブアセンブリが締め付けられたことを示す。次いでリブ106は、回転してラグ38と接触し、クリック音又は抵抗の後でユーザが感じ取ることのできる十分な抵抗を提供し、ハブアセンブリが正しく適正に送達ペンと結合したことのユーザへの指示を提供する。
【0044】
送達ペンに取り付けられたハブアセンブリの端部は、ハブ本体16内にスライドさせることによってニードルシールド28を格納してニードル26を露出させ、ニードル26が図14Bに表されるように患者の皮膚を突き通すように、患者の皮膚に押し付けられる。図14Bに表された位置において、タブ92はトラック94の第1の長手方向区分96に沿ってスライドし、第1の横方向区分98に位置される。ばね56は、ニードルシールド28に、固定したリテーナ30及びハブ本体16に対する捻り力を提供する。ばね56は、図14A及び14Bに表されるように、ニードルシールド28を反時計回り方向に回転させ、タブ92は、図14Cに表されるように第1の横方向区分98に沿って第2の長手方向区分100に向かってスライドする。注入が完了した後、ハブアセンブリ12及びニードル26は患者から引き抜かれる。ばね56は、図14Dに表すようにニードルシールド28を外向きに伸張位置へ付勢する。ばね56はアセンブリ中に巻かれ及び捻られて、ハブ本体16がニードルシールド28に回転力を提供して、トラックの横方向区分を通じてタブ92を移動させる。
【0045】
ばね56によって加えられた捻り力がニードルシールド28を図14Eに表される位置まで回転させ、タブ92は第2の横方向区分102に沿ってスライドする。同時に、ニードルシールド28の回転がハブ本体16内でリブ104の上方を可撓性部材84がスライドすることを可能にし、可撓性部材84の端面86がリブ104の側部エッジに接触し、及び、タブ92がトラック94の第2の長手方向区分100と整列する位置に向ってニードルシールド28が回転して戻ることを防止し、それにより、ハブアセンブリの再使用が防止される。
【0046】
図示の一実施形態では、第1の長手方向区分96の頂部端はハブ本体16の頂部端から或る距離だけ間が空いており、ニードル26を覆うために第1の距離だけ、頂部端から突出している。第2の横方向区分102はハブ本体16の頂部端において開放されているものとして表されており、そのために、ニードルシールド28はハブ本体の頂部端から、ニードルシールドのタブが第1の長手方向区分96内で受け取られるときの第1の距離よりも長い第2の距離だけ突出している。色付き帯108などの可視インジケータがニードルシールド28の外面上に備えられ、ニードルシールド28が図14Aに表された第1の伸張位置にあるときはインジケータが見えなくて、ニードルシールドが図14Eに表された第2の伸張位置にあるときはインジケータが見えて、それにより、デバイスか使用されたことの可視的インジケータがユーザに提供されるように、可視インジケータが位置決めされている。可視インジケータ108は環状のくぼみ、リブ、色付きリング又は帯、又は、デバイスが使用されたことの可視的指示をユーザに提供することができる他の特徴であってよく、ニードルシールドは伸張されたロック位置に配備される。可視インジケータ108は端部72上又は本体70に形成することができる。
【0047】
前述の実施形態の各々において、カニューレは外科グレードのステンレススチールである一方で、ハブ及び外側カバーの構成要素は、典型的にはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン又は類似のもの等の注入成型プラスチックである。薬剤ペンの技術分野の当業者に知られた製造の他の材料及び方法は、本発明の範囲を逸脱しない限り、本発明の実施形態での使用に適合し得る。部品を組み立てるために、ハブアセンブリをニードルとは別に、カニューレをハブに固定するために接着剤を接合領域に塗布して製造することができ、このサブアセンブリは次いで、(オプションで、実施形態に従属して)内部シールドと組み付けられ、そして、接合によって外側カバー内に適合される。
【0048】
好ましい実施形態についての上述の説明は本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明は特許請求の範囲により定義されている。上述の説明は、通常の技術を有する技術者に上述の種々実施形態の修正を実施させるのに十分な情報を提供するものである。独立請求項に記載された又は一実施形態と関連する特徴及び改良を、本発明の範囲と不一致でなく、当該範囲から逸脱しない限りにおいて、他の従属請求項又は他の実施形態と組み合わせて実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15
図16