(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】アンテナユニット
(51)【国際特許分類】
H01P 5/10 20060101AFI20220829BHJP
H01P 5/08 20060101ALI20220829BHJP
H01Q 7/00 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
H01P5/10 C
H01P5/08 Z
H01Q7/00
(21)【出願番号】P 2018107433
(22)【出願日】2018-06-05
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 栄太
(72)【発明者】
【氏名】山田 邦彦
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】実公昭51-016982(JP,Y1)
【文献】特開平11-266120(JP,A)
【文献】特開平10-327005(JP,A)
【文献】特開平08-125413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 5/00- 5/22
H01Q 7/00- 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2給電端を含んで構成され電波を送受信可能な平衡アンテナと、
線状に形成された導体部であり前記第1給電端に接続される第1接続端及び前記第2給電端に接続される第2接続端を有し前記第1接続端と前記第2接続端との間の長さが送受信される前記電波の半波長に相当する長さである線状導体部、及び、
グランドとの電位差で表される不平衡電圧が印加され、前記第1接続端又は前記第2接続端の一方側から給電する給電部を含んで構成され、不平衡電圧及び平衡電圧を相互に変換可能であるバラン回路と、を備え
、
前記平衡アンテナは、前記電波としての右旋円偏波又は左旋円偏波の一方の1波長に相当する長さであり円弧状に形成され前記第1給電端及び前記第2給電端を有する外側導体と、前記外側導体の内側に設けられ前記右旋円偏波又は前記左旋円偏波の他方の1波長に基づく長さであり円弧状に形成され前記右旋円偏波又は前記左旋円偏波の前記他方の円偏波の干渉を抑制する内側導体と、を含んで構成され、
前記線状導体部は、前記外側導体に接続され前記右旋円偏波又は前記左旋円偏波の前記一方の半波長に相当する長さであることを特徴とするアンテナユニット。
【請求項2】
前記平衡アンテナは、前記第1給電端及び前記第1接続端を連結する第1連結部と、前記第2給電端及び前記第2接続端を連結する第2連結部とを含んで構成され、
前記第1連結部及び前記第2連結部は、それぞれが同じ長さである請求項
1に記載のアンテナユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アンテナユニットとして、例えば、特許文献1には、第1及び第2放射素子と、当該第1及び第2放射素子にそれぞれ電力を供給するための第1及び第2給電線とを備えたダイポールアンテナが開示されている。このダイポールアンテナは、第1給電線及び第2給電線をワイヤを介して接続し当該第1及び第2給電線の線路長を調整することでバラン回路を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載のダイポールアンテナは、例えば、ワイヤを介して第1及び第2給電線の線路長を調整するので部品点数が増加し、この点で更なる改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バラン回路を適正に形成することができるアンテナユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るアンテナユニットは、第1及び第2給電端を含んで構成され電波を送受信可能な平衡アンテナと、線状に形成された導体部であり前記第1給電端に接続される第1接続端及び前記第2給電端に接続される第2接続端を有し前記第1接続端と前記第2接続端との間の長さが送受信される前記電波の半波長に相当する長さである線状導体部、及び、グランドとの電位差で表される不平衡電圧が印加され、前記第1接続端又は前記第2接続端の一方側から給電する給電部を含んで構成され、不平衡電圧及び平衡電圧を相互に変換可能であるバラン回路と、を備え、前記平衡アンテナは、前記電波としての右旋円偏波又は左旋円偏波の一方の1波長に相当する長さであり円弧状に形成され前記第1給電端及び前記第2給電端を有する外側導体と、前記外側導体の内側に設けられ前記右旋円偏波又は前記左旋円偏波の他方の1波長に基づく長さであり円弧状に形成され前記右旋円偏波又は前記左旋円偏波の前記他方の円偏波の干渉を抑制する内側導体と、を含んで構成され、前記線状導体部は、前記外側導体に接続され前記右旋円偏波又は前記左旋円偏波の前記一方の半波長に相当する長さであることを特徴とする。
【0009】
上記アンテナユニットにおいて、前記平衡アンテナは、前記第1給電端及び前記第1接続端を連結する第1連結部と、前記第2給電端及び前記第2接続端を連結する第2連結部とを含んで構成され、前記第1連結部及び前記第2連結部は、それぞれが同じ長さであることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るアンテナユニットは、電波の半波長に相当する長さである線状導体部を含んで構成されるバラン回路を備えるので、バラン回路の部品点数の増加を抑制することができ、バラン回路を適正に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係るアンテナユニットの構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るアンテナユニットの要部の構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るアンテナユニットのVSWRのシミュレーション結果を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るアンテナユニットのVSWRの実測結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0013】
〔実施形態〕
実施形態に係るアンテナユニット1について説明する。アンテナユニット1は、例えば、GPS(Global Positioning System)の右旋円偏波を受信するユニットである。ここで、GPSの右旋円偏波は、例えば、周波数が1.575GHzである。アンテナユニット1は、例えば、車両に搭載され、当該車両のルーフ内部、フロントガラス、インストルメントパネル(樹脂部材)等の誘電体の設置面に設けられる。以下、アンテナユニット1について詳細に説明する。
【0014】
アンテナユニット1は、例えば、
図1に示すように、フィルム10と、平衡アンテナとしてのGPSアンテナ20と、バラン回路30と、給電線40とを備える。フィルム10は、シート状に形成された絶縁部材である。フィルム10は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等により形成され、実装面11を有している。フィルム10の実装面11には、GPSアンテナ20、バラン回路30、及び、給電線40が設けられている。フィルム10は、例えば、実装面11が電波到来方向を向いた状態で車両のフロントガラス等の設置面に設けられる。
【0015】
GPSアンテナ20は、GPSの右旋円偏波を受信するループアンテナである。GPSアンテナ20は、例えば、銀ペースト等の導体がフィルム10の実装面11に印刷されて形成されている。GPSアンテナ20は、外側導体21と、内側導体22とを含んで構成される。GPSアンテナ20は、平衡アンテナであり、電荷が外側導体21に対称に分布する。外側導体21は、GPSの右旋円偏波を受信するアンテナである。外側導体21は、外側円弧部21aと、第1連結部21bと、第2連結部21cとを含んで構成される。外側円弧部21aは、円弧状(円形状)に形成された部分である。外側円弧部21aは、周方向における一方側の端部である第1給電端21Lと、周方向における他方側の端部である第2給電端21Rとを含んで構成される。外側円弧部21aは、第1給電端21Lから第2給電端21Rに渡って円弧状(円形状)に形成されている。本実施形態では、第1給電端21Lが正極であり、第2給電端21Rが負極である。外側円弧部21aは、GPSの右旋円偏波の1波長に相当する長さから成る。つまり、外側円弧部21aは、第1給電端21Lから第2給電端21Rまでの長さが、GPSの右旋円偏波の1波長に相当する長さである。外側円弧部21aは、周方向において第1給電端21Lと第2給電端21Rとの間に隙間を有する。
【0016】
第1連結部21bは、外側導体21とバラン回路30とを連結する部分である。第1連結部21bは、外側導体21の径方向に沿って延在し第2連結部21cと並んで設けられる。第1連結部21bは、延在方向における長さが第2連結部21cと同じ長さである。第1連結部21bは、外側導体21の第1給電端21Lとバラン回路30の第1接続端31L(
図2参照)とを連結する。第1連結部21bでは、外側導体21の第1給電端21Lとバラン回路30の第1接続端31Lとの間で電流が流れる。
【0017】
第2連結部21cは、外側導体21とバラン回路30とを連結する部分である。第2連結部21cは、外側導体21の径方向に沿って延在し第1連結部21bと並んで設けられる。第2連結部21cは、延在方向における長さが第1連結部21bと同じ長さである。第2連結部21cは、外側導体21の第2給電端21Rとバラン回路30の第2接続端31Rとを連結する。第2連結部21cでは、外側導体21の第2給電端21Rとバラン回路30の第2接続端31Rとの間で電流が流れる。
【0018】
外側導体21は、電流が外側円弧部21aの周方向に沿って第1給電端21Lと第2給電端21Rとの間で流れる。本実施形態では、外側導体21は、GPSの右旋円偏波を受信するので、フィルム10の実装面11を視て、電流が第1給電端21Lと第2給電端21Rとの間で時計回りに流れる。つまり、外側導体21は、GPSの右旋円偏波を受信時に、電流が正極の第1給電端21Lから負極の第2給電端21Rに向けて流れる。
【0019】
内側導体22は、GPSアンテナ20が左旋円偏波を受信することを抑制する部分である。つまり、内側導体22は、GPSの左旋円偏波がGPSの右旋円偏波に干渉することを抑制する部分である。内側導体22は、外側導体21の内側に設けられ、内側円弧部22aと、連結部22bとを含んで構成される。内側円弧部22aは、円弧状(円形状)に形成された部分である。内側円弧部22aは、周方向における一方側の端部である内側一端22Lと、周方向における他方側の端部である内側他端22Rとを含んで構成される。内側円弧部22aは、内側一端22Lから内側他端22Rに渡って円弧状(円形状)に形成されている。内側円弧部22aは、GPSの左旋円偏波の1波長に基づく長さから成る。つまり、内側円弧部22aは、内側一端22Lから内側他端22Rまでの長さが、GPSの左旋円偏波の1波長に基づく長さである。内側円弧部22aは、内側他端22Rが連結部22bを介して第2給電端21Rに接続され、内側一端22Lが非接続状態で外側導体21の内側に位置する。内側円弧部22aは、周方向において内側一端22Lと内側他端22Rとの間に隙間を有する。
【0020】
内側導体22は、フィルム10の実装面11を視て、電流が内側一端22Lと内側他端22Rとの間で外側導体21とは逆向きに流れる。内側導体22は、例えば、電流が内側円弧部22aの周方向に沿って内側他端22Rから内側一端22Lに向けて流れる。つまり、内側導体22は、フィルム10の実装面11を視て、電流が内側他端22Rから内側一端22Lに向けて反時計回りに流れる。
【0021】
連結部22bは、内側円弧部22aの内側他端22Rと外側導体21の第2給電端21Rとを接続する部分である。連結部22bは、内側円弧部22aの径方向に沿って延在する。連結部22bでは、内側円弧部22aの内側他端22Rと外側導体21の第2給電端21Rとの間で電流が流れる。
【0022】
バラン回路30は、不平衡電圧及び平衡電圧を相互に変換可能な回路である。ここで、不平衡電圧とは、グランドとの電位差で表される電圧である。平衡電圧とは、二つの電圧の電位差で表される電圧である。バラン回路30は、外側導体21に接続され、外側導体21から出力される平衡電圧の位相を180°ずらして不平衡電圧に変換する。バラン回路30は、
図2に示すように、パターン導体31を含んで構成される。パターン導体31は、線状に形成された導体であり、例えば、銀ペースト等の導体がフィルム10の実装面11に印刷されて形成されている。
【0023】
パターン導体31は、線状導体部としてのバラン回路本体部31aと、給電部31bとを含んで構成される。バラン回路本体部31aは、例えば、メアンダ形状に形成されている。バラン回路本体部31aは、メアンダ形状に形成されることで省スペース化を実現できる。なお、バラン回路本体部31aは、メアンダ形状に限定されず、その他の形状であってもよい。バラン回路本体部31aは、第1接続端31Lと、第2接続端31Rとを有する。第1接続端31Lは、バラン回路本体部31aが延在する延在方向において一方側の端部である。第1接続端31Lは、第1連結部21bを介して外側導体21の第1給電端21Lに接続される。第2接続端31Rは、バラン回路本体部31aが延在する延在方向において他方側の端部である。第2接続端31Rは、第2連結部21cを介して外側導体21の第2給電端21Rに接続される。バラン回路本体部31aは、GPSの右旋円偏波の半波長に相当する長さである。つまり、バラン回路本体部31aは、第1接続端31Lと第2接続端31Rとの間の長さ(パターン長)が、GPSの右旋円偏波の半波長に相当する長さである。
【0024】
給電部31bは、電力を給電する部分である。給電部31bは、この例では、バラン回路本体部31aの第2接続端31R側に接続されている。給電部31bは、例えば、L字形状に形成され、一方の端部がバラン回路本体部31aの第2接続端31R側に接続され、他方の端部が給電線40に接続される。給電部31bは、バラン回路本体部31aの第2接続端31R側から給電する。
【0025】
バラン回路30は、GPSアンテナ20で受信した電波の電力(平衡電圧)の位相を180°ずらして不平衡電圧に変換する。つまり、バラン回路30は、GPSアンテナ20の第1及び第2給電端21L、21Rにおける電波の電力(平衡電圧)の位相を180°ずらして不平衡電圧に変換する。不平衡電圧に変換された電力は、給電部31bを介して給電線40に出力される。
【0026】
給電線40は、電流が流れる電線である。給電線40は、例えば、GPSアンテナ20で受信した電波の電力を出力するための電線である。給電線40は、例えば、銀ペースト等の導体がフィルム10の実装面11に印刷されて形成されている。給電線40は、一方の端部がバラン回路30の給電部31bに接続され、他方の端部が受信端末(図示省略)に接続される。給電線40は、GPSアンテナ20で受信した電波の信号(電力)を受信端末に出力する。受信端末は、給電線40を介してGPSアンテナ20から出力された信号を受信する。
【0027】
次に、
図3及び
図4を参照してアンテナユニット1のVSWR(電圧定在波比;Voltage Standing Wave Ratio)について説明する。
図3は、アンテナユニット1のVSWRのシミュレーション結果を示す図であり、縦軸がVSWRを表し、横軸が周波数(GHz)を表す。
図3に示すシミュレーション結果によれば、GPSアンテナ20は、VSWRが1.6程度(図中P1)であり電力効率が相対的によいことが分かる。
図4は、アンテナユニット1のVSWRの実測結果を示す図であり、縦軸がVSWRを表し、横軸が周波数(GHz)を表す。
図4に示す実測結果によれば、GPSアンテナ20は、VSWRが1.6程度(図中P2)であり、シミュレーション結果と同様に電力効率が相対的によいことが分かる。
【0028】
以上のように、実施形態に係るアンテナユニット1は、GPSアンテナ20と、バラン回路30とを備える。GPSアンテナ20は、第1及び第2給電端21L、21Rを含んで構成され、電波を受信可能なアンテナである。バラン回路30は、バラン回路本体部31a及び給電部31bを含んで構成される。バラン回路本体部31aは、線状に形成された導体部であり、第1給電端21Lに接続される第1接続端31L、及び、第2給電端21Rに接続される第2接続端31Rを有する。バラン回路本体部31aは、第1接続端31Lと第2接続端31Rとの間の長さ(パターン長)が、受信される右旋円偏波の半波長に相当する長さである。給電部31bは、第2接続端31R側から給電する。バラン回路30は、不平衡電圧及び平衡電圧を相互に変換可能である。
【0029】
この構成により、アンテナユニット1は、バラン回路30をパターン導体31のみで形成することができるので、バラン回路30の部品点数の増加を抑制することができる。これにより、アンテナユニット1は、バラン回路30の構成を簡略化することができ、製造コストを抑制することができる。この結果、アンテナユニット1は、バラン回路30を適正に形成することができる。また、アンテナユニット1は、バラン回路30により平衡電圧の位相を180°ずらして不平衡電圧に変換することができる。これにより、アンテナユニット1は、GPSアンテナ20に不平衡給電を行うことができる。従って、アンテナユニット1は、GPSアンテナ20と不平衡の給電側とのインピーダンスを整合させることができ、アンテナ性能を適正に発揮することができる。
【0030】
上記アンテナユニット1において、GPSアンテナ20は、外側導体21を含んで構成される。外側導体21は、右旋円偏波の1波長に相当する長さであり、円弧状に形成され、第1給電端21L及び第2給電端21Rを有する。バラン回路本体部31aは、外側導体21に接続され、右旋円偏波の半波長に相当する長さである。この構成により、アンテナユニット1は、GPSの右旋円偏波を受信することができる。また、アンテナユニット1は、外側導体21から出力される平衡電圧の位相を180°ずらして不平衡電圧に変換することができる。
【0031】
上記アンテナユニット1において、GPSアンテナ20は、内側導体22を含んで構成される。内側導体22は、外側導体21の内側に設けられ、左旋円偏波の1波長に基づく長さであり、円弧状に形成され、左旋円偏波の干渉を抑制する。この構成により、アンテナユニット1は、GPSの右旋円偏波を適正に受信することができる。
【0032】
上記アンテナユニット1において、GPSアンテナ20は、第1給電端21L及び第1接続端31Lを連結する第1連結部21bと、第2給電端21R及び第2接続端31Rを連結する第2連結部21cとを含んで構成される。第1連結部21b及び第2連結部21cは、それぞれが同じ長さである。この構成により、アンテナユニット1は、外側導体21から出力される平衡電圧の位相を180°ずらして不平衡電圧に変換することができる。
【0033】
〔変形例〕
次に、実施形態の変形例について説明する。アンテナユニット1は、右旋円偏波を受信する例について説明したが、これに限定されず、左旋円偏波を受信するようにしてもよい。
【0034】
平衡アンテナとしてGPSアンテナ20を例に挙げて説明したが、これに限定されない。平衡アンテナは、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)や衛星放送等の電波を受信可能なループアンテナであってもよい。また、平衡アンテナは、電波を送受信可能なダイポールアンテナであってもよい。
【0035】
給電部31bは、第2接続端31R側から給電する例について説明したが、これに限定されない。給電部31bは、平衡アンテナの種類や送受信する電波によっては第1接続端31L側から給電してもよい。
【0036】
給電線40は、GPSアンテナ20で受信した電波の電力を出力するための電線である例について説明したが、これに限定されない。給電線40は、例えば、平衡アンテナの種類や送受信する電波によっては平衡アンテナに電力を出力するための電線であってもよい。
【0037】
GPSアンテナ20、バラン回路30、及び、給電線40は、フィルム10の実装面11に銀ペースト等の導体が印刷されて形成される例について説明したが、これに限定されず、導電性インク、導体薄膜等の導体により形成されてもよい。
【0038】
第1給電端21L及び第1接続端31Lは、第1連結部21bを介して接続される例について説明したが、これに限定されない。第1給電端21L及び第1接続端31Lは、例えば、第1連結部21bを介さずに直接接続されてもよい。また、第2給電端21R及び第2接続端31Rは、第2連結部21cを介して接続される例について説明したが、これに限定されない。第2給電端21R及び第2接続端31Rは、例えば、第2連結部21cを介さずに直接接続されてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 アンテナユニット
20 GPSアンテナ(平衡アンテナ)
21 外側導体
21b 第1連結部
21c 第2連結部
21L 第1給電端
21R 第2給電端
22 内側導体
30 バラン回路
31a バラン回路本体部(線状導体部)
31b 給電部
31L 第1接続端
31R 第2接続端