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  • 特許-表面化粧材ユニット、及び、戸体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】表面化粧材ユニット、及び、戸体
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
E06B3/70 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019011833
(22)【出願日】2019-01-28
(65)【公開番号】P2020117981
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 麻友子
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-034222(JP,U)
【文献】実開昭54-092629(JP,U)
【文献】特開平05-287959(JP,A)
【文献】特開2000-136678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/68 - 3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル体の表面に取り外し可能に取り付けられる表面下地材と、
前記パネル体に取り付けられている前記表面下地材に接着される表面化粧材と、
を有し、
前記表面下地材は、上下方向に間隔を空けて配置される2本の横材と、左右方向に間隔を空けて配置される2本の縦材と、を有し、
前記横材と前記縦材とは、各々の端部が斜めに切断されて互いの前記端部同士が突き合わされて接合されており、
前記表面化粧材は、上側の前記横材上に載置される載置部と、
前記載置部の下方に突出する突部を有し、
前記上側の横材は、前記突部が挿入される挿入孔を有していることを特徴とする表面化粧材ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の表面化粧材ユニットであって、
前記表面下地材は、取り外し可能な固定具により取り付けられており、
前記固定具は、接着された前記表面化粧材により覆われることを特徴とする表面化粧材ユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表面化粧材ユニットであって、
前記挿入孔は、前記表面下地材に接着された前記表面化粧材により覆われていることを特徴とする表面化粧材ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の表面化粧材ユニットが前記パネル体に取り付けられていることを特徴とする戸体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル体の表面に取り付けられる表面化粧材ユニット、及び、戸体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パネル体の表面に化粧材などの表面化粧材が設けられているドアなどの戸体は、知られている(例えば、特許文献1参照)。このような戸体は、化粧材がドア本体などのパネル体の表面に、両面テープにより接着固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-30353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化粧材等の表面化粧材がパネル体の表面に接着固定されている、上記の従来の戸体は、表面化粧材を損傷するなどして交換が必要となったときに、接着されている表面化粧材を容易に取り外すことができないという課題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表面化粧材をパネル体から容易に取り外すことが可能な表面化粧材ユニット、及び、戸体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の表面化粧材ユニットは、パネル体の表面に取り外し可能に取り付けられる表面下地材と、前記パネル体に取り付けられている前記表面下地材に接着される表面化粧材と、を有することを特徴とする表面化粧材ユニットである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表面化粧材をパネル体から容易に取り外すことが可能な表面化粧材ユニット、及び、戸体を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明にかかる表面化粧材ユニットを備えた扉の一例を示す外観図である。
図2】扉の縦断面図である。
図3】扉の構成を示す斜視図である。
図4】表面下地材を示す図である。
図5】表面化粧材を示す図である。
図6】表面化粧材ユニットを上方から見た図である。
図7】表面化粧材の取り付け方法を示す図である。
図8】下方延出部の変形例を示す図である。
図9】挿入孔の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る表面化粧材ユニット、及び、表面化粧材ユニットを備えた戸体について図面を参照して説明する。
本実施形態では、戸体として、玄関に用いられる玄関扉を例に挙げて説明する。
【0010】
以下の説明においては、玄関扉(以下、扉という)が建物に取り付けられている状態で屋外側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となり扉の幅となる方向を左右方向、屋内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。扉の各部位であっても、また、扉を構成する各部材については単体の状態であっても、扉が取り付けられた状態で上下方向、左右方向、見込み方向等となる方向にて方向を特定して説明する。
【0011】
扉1は、図1に示すように、採光窓1aを備え扉1の本体をなすパネル体2と、パネル体2の屋外側表面に採光窓1aを避けて設けられる3つの表面化粧材ユニット3と、を有している。扉1は、右側の端部に設けられたヒンジ1bにより枠体(不図示)に回動自在に支持される。
【0012】
パネル体2は、図2図3に示すように、パネル状に形成された発泡ウレタン製の芯材2aと、芯材2aの外周を囲むように設けられたフレーム2bと、芯材2aの屋外側及び屋内側の面を覆い仕上げ面をなす表面材2cと、を有しており、単独であっても扉として使用可能である。
【0013】
本実施形態の扉1は、同一の表面化粧材ユニット3が上下方向に並べて配置されている。表面化粧材ユニット3は、パネル体2に固定具としてのビス4により固定される表面下地材5と、表面下地材5に接着される表面化粧材6と、を有している。尚、図面においては、同一図面において複数示されている部材の符号を一部省略している。
【0014】
表面下地材5は、同一の断面形状をなす押出成型材で形成された4本の下地部材50でなり、4本の下地部材50は、上下方向に間隔を空けて配置された2本が横材をなし、左右方向に間隔を空けて配置された2本が縦材をなし、横材をなす下地部材(以下、横下地部材という)50と縦材をなす下地部材(以下、縦下地部材という)50とが矩形状に接合されて枠状をなしている。
【0015】
各下地部材50は各々、図4に示すように、長手方向における両端部が45°に切断されており、互いに隣り合う横下地部材50と、縦下地部材50とが、互いの小口50iを突き合わされるとともに、それらの間にシート状の弾性材7を介して接合されている。弾性材7は、各下地部材50の小口50iよりも僅かに大きく形成されているため、突き合わせた小口50i同士の位置に僅かにズレが生じていたとしても、小口50iが露出することはない。4本の下地部材50の構成は、ほぼ同じなので、上側の横下地部材50を例に挙げて下地部材50の構成を説明する。
【0016】
上側の横下地部材50は、図2に示すように、パネル体2と対向するパネル体対向部50aと、パネル体対向部50aと見込み方向に間隔を空けて屋外側にて当該パネル体対向部50aと対向する屋外対向部50bと、パネル体対向部50aの上端と屋外対向部50bの上端とを繋ぐ下地部材連結部50cと、屋外対向部50bから下方に延出されてパネル体2と対向しパネル体2に固定されるビス4が貫通するビス止め部50dと、を有している。
【0017】
下地部材連結部50cは、パネル体対向部50aよりもパネル側に、また、屋外対向部50bよりも屋外側に、それぞれ僅かに突出する突片50eを有している。ビス止め部50dにも、上下方向における縁部にパネル体2側に僅かに突出する突片50eが設けられており、下地部材連結部50c及びビス止め部50dの縁からパネル体2側に突出する突片50eが当接されたときに、パネル体対向部50a及びビス止め部50dがパネル体2と平行に配置されるように構成されている。また、下地部材連結部50cの屋外側に突出する突片50eよりパネル体2側に位置する、屋外対向部50bの屋外側の面には、表面化粧材6を接着するための両面テープ51が設けられている。
【0018】
ビス止め部50dの上下方向における縁部には、屋外側に延出する屋外延出部50fがそれぞれ設けられている。屋外延出部50fの先端には、互いに対向する側に延出された対向延出片50gが設けられている。
【0019】
上側の横下地部材50には、下側の横下地部材50及び左右の縦下地部材50と異なり、下地部材連結部50cに、後述する下方延出部6dが挿入される挿入孔50hが設けられている。挿入孔50hについては、後で詳述する。
【0020】
また、下側の横下地部材50には、上側の横下地部材50及び左右の縦下地部材50と異なり、表面下地材5の内側に進入した水を排出する水抜き孔がパネル体2側に寄せて設けられている。
【0021】
横下地部材50と、縦下地部材50とは、図4に示すように、互いの端部となる小口50iが突き合わされた状態で、ビス止め部50dに渡って配置された連結プレート8にパネル体2側からビス止めされることにより連結されている。連結プレート8は、2つの腕部8aが直交する平面視L字状に形成された平板状の部材である。互いに隣り合う横下地部材50と縦下地部材50とは、ビス止め部50dと対向延出片50gとの間に腕部8aがそれぞれ挿入されてビス止めされることにより横下地部材50と縦下地部材50との小口50iが突き合わされ、横下地部材50と縦下地部材50とが直交する状態で接合されている。このとき、連結プレート8は、横下地部材50と縦下地部材50との小口50i間に介在される弾性材7に設けられている孔に挿通されている。
【0022】
矩形状に枠組みされた表面下地材5は、ビス止め部50dを屋外側から貫通するビス4が、パネル体2の屋外側の表面に挿入されたポップナット9に螺合されることによりパネル体2に固定されている。
【0023】
表面化粧材6は、1枚の板材から形成されており、図5に示すように、矩形状をなし屋外側に露出する表面部6aと、表面部6aの四辺をパネル体2側に折り曲げて各々形成された周壁部6bと、周壁部6bの先端が内側に折り曲げて各々形成され、表面部6aと見込み方向に間隔を空けて対向する表面対向部6cと、を有している。
【0024】
表面化粧材6の四隅に位置し、折り曲げられた状態で互いに隣り合う周壁部6b同士、及び、表面対向部6c同士は、それぞれ溶接された後に表面に研磨が施されている。また、表面化粧材6がパネル体2に固定された表面下地材5に取り付けられた状態で、上側に配置される表面対向部6cには、他の表面対向部6cよりも長く延出された下方延出部6dが設けられている。上側の表面対向部6cは、表面化粧材6が表面下地材5に取り付けられるときに、パネル体2に固定された表面下地材5の上側の横下地部材50の下地部材連結部50cに載置される載置部である。また、下方延出部6dは、表面化粧材6が表面下地材5に取り付けられるときに、表面下地材5に設けられた挿入孔50hに挿入される突部である。本実施形態の表面化粧材6には、互いに間隔を空けて3つの下方延出部6dが設けられている。
【0025】
図6に示すように、表面下地材5に設けられた挿入孔50hの左右方向の幅W1は、下方延出部6dの左右方向の幅W2よりも僅かに大きく形成されており、表面化粧材6は、下方延出部6dの左右方向における一方の縁部6eが、挿入孔50hの縁部50jに当接されることにより位置決めされるように構成されている。このため、挿入孔50hは、表面化粧材6が表面下地材5に接着された状態、すなわち、表面化粧材6の表面部6aが、パネル体2の表面と平行をなす状態で、下方延出部6dの左右方向における一方の縁部6eが、挿入孔50hの縁部50jに当接するように、見込み方向に沿った直線状をなしている。また、表面化粧材6が見込み方向に傾いた状態であっても下方延出部6dを挿入孔50hに挿入できるように、挿入孔50hの見込み方向の幅W3は、下方延出部6dの厚みtよりも十分広く形成されている。
【0026】
表面化粧材6における上下の周壁部6bの先端の間隔W4(図5)は、表面下地材5における上側の横下地部材50の下地部材連結部50cの上面と、下側の横下地部材50の下地部材連結部50cの下面と、の幅W5(図4)よりも広く形成されている。また、左右の周壁部6bの先端の間隔W6(図5)は、左右の縦材をなす下地部材50の下地部材連結部50cの外周面の幅W7(図4)よりも広く形成されている。このため、表面化粧材6の下方延出部6dが、表面下地材5に設けられている挿入孔50hに挿入された状態で、表面化粧材6の四方から折り曲げられている表面対向部6cの内側に、表面下地材5が位置するように配置可能であり、表面化粧材6により表面下地材5を屋外側から覆うことが可能である。
【0027】
表面化粧材6の表面部6aのパネル体2側の面と、表面対向部6cのパネル体2側の面との間隔W8(図2)は、表面下地材5の下地部材連結部50cの見込み方向の両側に突出している2つの突片50eの先端間の幅W9(図2)よりも短く形成されている。このため、パネル体2に固定された表面下地材5の屋外側に突出する突片50eに、表面化粧材6の表面部6aのパネル体2側の面が当接した状態で、表面化粧材6の表面対向部6cとパネル体2とは、間隔が空くように構成されている。
【0028】
次に、表面化粧材ユニットの取付方法を説明する。
まず、図7(a)に示すように、枠状をなす表面下地材5をパネル体2の屋外側面にビス4にて固定する。このとき、表面下地材5のビス止め部50dに屋外側から挿通させたビス4を、パネル体2の屋外側の面に挿入されているポップナット9に螺合する。また、このとき、パネル体2に固定された表面下地材5における屋外対向部50bの屋外側の面には、表面化粧材6を接着可能に両面テープ51が設けられている。
【0029】
次に、図7(b)に示すように、表面化粧材6を、上端側が下端側よりもパネル体2側に位置するように傾けつつ、表面化粧材6の上部に設けられている下方延出部6dを、上側の横下地部材50の下地部材連結部50c上に位置するように配置する。
【0030】
次に、図7(c)に示すように、表面化粧材6の下方延出部6dを挿入孔50hに挿入しつつ、表面化粧材6の表面部6aとパネル体2とがほぼ平行になるように、表面化粧材6の下端側をパネル体2側に移動する。この状態で、表面化粧材6は、上側の表面対向部6cが表面下地材5の上側の下地部材連結部50cの上面に載置される。
【0031】
次に、表面化粧材6の表面部6aがパネル体2とほぼ平行となった状態で、表面化粧材6を左右方向に移動し、図6に示すように、下方延出部6dの縁部6eを挿入孔50hの縁部50jに当接させて表面化粧材6を位置決めする。
【0032】
次に、図7(d)に示すように、表面化粧材6を、姿勢を保ちつつパネル体2側に移動させて表面部6aを表面下地材5の屋外対向部50bに両面テープ51で接着し、表面化粧材ユニット3の取り付けが完了し扉1が完成する。このとき、下方延出部6dは、図6に示すように、挿入孔50hの見込み方向における中央よりもパネル体2側に位置しており、挿入孔50hは一部を除き、表面化粧材6により覆われている。より具体的には、表面部6aが表面下地材5の屋外対向部50bに確実に接着されるように、表面化粧材6が表面下地材5に接着された状態で、下方延出部6dと挿入孔50hのパネル体2側の縁とは、間隔が空くように構成されている。このとき、挿入孔50hにおいて、挿入されている下方延出部6dよりもパネル体2側の領域P2は、表面化粧材6に覆われないが、表面化粧材6により覆われる部分P1を、覆われない部分P2よりも広くすることにより挿入孔50hの露出する部分を小さくしている。
【0033】
そして、表面化粧材6の損傷などにより表面化粧材ユニット3を取り外す場合には、表面化粧材6の表面部6aにおいて、見込み方向にビス4が配置されている位置に、ドリルなどにより開孔を形成し、ドライバー等の工具により開孔からビス4を取り外すことにより、表面下地材5とともに表面化粧材6を取り外す。このとき、取り外すビス4の位置は、表面化粧材ユニット3の取り付け時に用いた指示書等により大凡の位置を確認することができ、確認した位置にビス4の頭部よりも十分に大きな開孔を形成することにより、ビス4を容易に取り外すことが可能となる。
【0034】
また、表面化粧材ユニット3をパネル体2に固定するビス4は、パネル体2の屋外側の表面に挿入されたポップナット9に螺合されているので、表面化粧材ユニット3を取り外す際に、ビス4を取り外してもポップナット9はパネル体2の屋外側の表面に挿入されたまま残存する。このため、残存するポップナット9を利用して新たな表面化粧材ユニット3をパネル体2に取り付けることができる。すなわち、表面化粧材ユニット3を交換する場合には、パネル体2にビス4を螺合させるための加工を別途施すことなく、新たな表面化粧材ユニット3を容易に取り付けることができるので、表面化粧材ユニット3の交換時における施工性に優れている。
【0035】
本実施形態の表面化粧材ユニットによれば、表面化粧材6は表面下地材5に接着されるので、パネル体2の表面に取り外し可能に取り付けられる表面下地材5を取り外すことにより、表面下地材5とともに表面化粧材6をパネル体2から容易に取り外すことが可能である。
【0036】
また、表面下地材5を取り外し可能に取り付けるビス4は、接着された表面化粧材6により覆われるので、ビス4は外部に露出しない。このため、取り付けた状態でより意匠性に優れた扉1を形成することが可能な表面化粧材ユニット3を提供することが可能である。
【0037】
また、表面下地材5を構成する2本の横下地部材50と2本の縦下地部材50とが、斜めに切断された互いの端部同士が突き合わされて接合されるので、互いの小口50iが覆われて露出し難い。このため、パネル体2と表面化粧材6との間から表面下地材5が露出したとしても意匠性が損なわれない。このため、より意匠性に優れた扉1を形成することが可能な表面化粧材ユニット3を提供することが可能である。
【0038】
また、表面化粧材6は、上側の表面対向部6cが上側の横下地部材50上に載置されるので、上側の表面対向部6cが上側の横下地部材50上に載置されたときに上下方向が位置決めされる。このため施工性に優れている。また、上側の表面対向部6cの下方に突出する下方延出部6dが、上側の横下地部材50の挿入孔50hに挿入されるので、たとえ表面化粧材6と表面下地材5との接着力が低下したとしても、表面化粧材6が外れることを防止することが可能である。
【0039】
また、表面化粧材6が表面下地材5に接着された状態では、上側の横下地部材50に設けられている挿入孔50hは、表面化粧材6により覆われているので、挿入孔50hの露出する部分を小さく抑えることが可能である。このため、さらに意匠性に優れた扉1を形成することが可能な表面化粧材ユニット3を提供することが可能である。
【0040】
また、表面化粧材ユニット3がパネル体2に取り付けられている扉1は、表面化粧材6をパネル体2から容易に取り外すことが可能であり、且つ、意匠性にも優れている。
【0041】
上記実施形態においては、表面下地材5をパネル体2に固定する固定具をビス4として例について説明したが、これに限るものではない。例えば、表面下地材に係止されてパネル体側に突出する突出部が、弾性変形する固定具であって、パネル体への挿入時に圧縮されパネル体に挿入された後に伸長または膨出する固定具など、パネル体に取り外し可能に表面下地材を固定できる固定具であれば構わない。
【0042】
上記実施形態においては、挿入孔50hに挿入される下方延出部6dが鉛直方向に延出されている例について説明したが、これに限らず、例えば、図8に示すように、下方延出部6dの下端側が上端側よりもパネル体2との間隔が狭くなるように傾斜を有していてもよい。この場合には、表面化粧材6をより外れ難く表面下地材5上に載置することが可能である。
【0043】
また、上記実施形態においては、下方延出部6dが挿入される挿入孔50hの縁部50jが、見込み方向に沿う直線状をなしている例について説明したが、これに限らず、例えば、図9に示すように、挿入孔50hが屋外側の幅が、パネル体2側の幅よりも広くなるように縁部50jが傾斜していてもよい。この場合には、下方延出部6dが挿入孔50hに挿入された表面化粧材6をパネル体2側に移動させるときに下方延出部6dが挿入孔50hの縁部50jに案内されるので、表面化粧材6をパネル体2側に移動させるだけで、左右方向において表面化粧材6を位置決めすることが可能である。
【0044】
また、上記実施形態においては、戸体をして玄関扉1を例に挙げて説明したがこれに限らず、玄関扉以外の扉であっても、また、引き戸などの障子等であっても構わない。
【0045】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0046】
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
パネル体の表面に取り外し可能に取り付けられる表面下地材と、前記パネル体に取り付けられている前記表面下地材に接着される表面化粧材と、を有することを特徴とする表面化粧材ユニットである。
【0047】
このような表面化粧材ユニットによれば、表面化粧材は表面下地材に接着されるので、パネル体の表面に取り外し可能に取り付けられる表面下地材を取り外すことにより、表面下地材とともに表面化粧材をパネル体から容易に取り外すことが可能である。
【0048】
かかる表面化粧材ユニットであって、前記表面下地材は、取り外し可能な固定具により取り付けられており、前記固定具は、接着された前記表面化粧材により覆われることを特徴とする。
【0049】
このような表面化粧材ユニットによれば、表面下地材を取り外し可能に取り付ける固定具は、接着された表面化粧材により覆われるので、固定具は外部に露出しない。このため、取り付けた状態でより意匠性に優れた戸体を形成することが可能な表面化粧材ユニットを提供することが可能である。
【0050】
かかる表面化粧材ユニットであって、前記表面下地材は、上下方向に間隔を空けて配置される2本の横材と、左右方向に間隔を空けて配置される2本の縦材と、を有し、前記横材と前記縦材とは、各々の端部が斜めに切断されて互いの前記端部同士が突き合わされて接合されることを特徴とする。
【0051】
このような表面化粧材ユニットによれば、表面下地材を構成する2本の横材と2本の縦材とが、斜めに切断された互いの端部同士が突き合わされて接合されるので、互いの小口が覆われて露出し難い。このため、パネル体と表面化粧材との間から表面下地材が露出したとしても意匠性が損なわれない。このため、より意匠性に優れた戸体を形成することが可能な表面化粧材ユニットを提供することが可能である。
【0052】
かかる表面化粧材ユニットであって、前記表面化粧材は、上側の前記横材上に載置される載置部と、前記載置部の下方に突出する突部を有し、前記上側の横材は、前記突部が挿入される挿入孔を有していることを特徴とする。
【0053】
このような表面化粧材ユニットによれば、表面化粧材は、載置部が上側の横材上に載置されるので、表面化粧材は、載置部が上側の横材上に載置されたときに上下方向が位置決めされる。このため施工性に優れている。また、載置部の下方に突出する突部が、上側の横材の挿入孔に挿入されるので、たとえ表面化粧材と表面下地材との接着力が低下したとしても、表面化粧材が外れることを防止することが可能である。
【0054】
かかる表面化粧材ユニットであって、前記挿入孔は、前記表面下地材に接着された前記表面化粧材により覆われていることを特徴とする。
【0055】
このような表面化粧材ユニットによれば、表面化粧材が表面下地材に接着された状態では、横材に設けられている挿入孔は、表面化粧材により覆われているので、挿入孔が露出する部分を小さく抑えることが可能である。このため、さらに意匠性に優れた戸体を形成することが可能な表面化粧材ユニットを提供することが可能である。
【0056】
また、上記表面化粧材ユニットが前記パネル体に取り付けられていることを特徴とする戸体である。
このような戸体によれば、表面化粧材をパネル体から容易に取り外すことが可能であり、且つ、意匠性にも優れた戸体を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 扉、2 パネル体、3 表面化粧材ユニット、4 ビス、
5 表面下地材、6 表面化粧材、6c 表面対向部、6d 下方延出部、
50 下地部材(横下地部材、縦下地部材)、50h 挿入孔、50i 小口、
P1 挿入孔の表面化粧材により覆われる部分、
P2 挿入孔の表面化粧材により覆われない部分、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9