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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】電気化学的水処理のための構成
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
C02F1/461 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019512757
(86)(22)【出願日】2017-09-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 US2017049972
(87)【国際公開番号】W WO2018045355
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-06-29
(31)【優先権主張番号】62/383,092
(32)【優先日】2016-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519071799
【氏名又は名称】バイオイオニクス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル、ブライアン、アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーゲル、ジェレミー
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0108222(US,A1)
【文献】特表2014-506294(JP,A)
【文献】特開2006-239568(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1272295(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46- 1/48
C25B 1/00- 9/20、
13/00-15/08、
11/00-11/18
B01J 10/00-12/02、
14/00-19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に電気的に接続し、かつ被処理水の水源に接続するための電気化学的水処理装置であって、処理された水はその後目的地へ流れることができ、前記装置は、
少なくとも1つの壁によって形成され、ある長さ、入口端部および出口端部、および少なくとも1つの側面を有する処理チャンバであって、実質的に前記処理チャンバの長さにわたって前記側面に沿って形成された開口部を有する処理チャンバと、
前記処理チャンバの前記側面を密閉し、被処理水が開口部から逃げるのを防ぐように前記開口部を覆う取付板と、
各々が2つの端部を有する複数の陰極であって、前記複数の陰極が、前記取付板に垂直に取り付けられ、前記処理チャンバの内側に沿って長手方向に配置された、前記複数の陰極と、
各々が2つの側面と2つの端部を有する複数の陽極であって、前記複数の陽極が、前記取付板に垂直に取り付けられ、前記処理チャンバの内側に配置された複数の陽極であって、前記陽極の各々は、それぞれの前記陽極の2つの側面の各々の上に配置された少なくとも1つの陰極を有する、前記複数の陽極と、
前記取付板に取り付けられた少なくとも2つの陽極バスバーであって、各々の陽極バスバーは前記電源に接続可能であり、他の陽極バスバーが接続されている場所とは反対側の前記陽極のそれぞれの端部付近で前記陽極に接続され、前記少なくとも2つの陽極バスバーは、前記処理チャンバに延在しない、前記少なくとも2つの陽極バスバーと、
前記取付板に取り付けられた少なくとも2つの陰極バスバーであって、各々の陰極バスバーは前記電源に接続可能であり、他の陰極バスバーが接続されている場所とは反対側の前記陰極のそれぞれの端部付近で前記陰極に接続され、前記少なくとも2つの陰極バスバーは、前記処理チャンバに延在しない、前記少なくとも2つの陰極バスバーと、
前記処理チャンバ入口端部を被処理水の前記水源に接続するための第1の端部と第2の端部とを有する入口アダプタであって、前記処理チャンバ入口端部に接続された前記第1の端部はより小さい断面積を有し、被処理水の前記水源に接続された前記反対側の端部はより大きい断面積を有する入口アダプタと、
前記処理チャンバ出口端部を前記目的地に接続するための第1の端部と第2の端部とを有する出口アダプタであって、前記処理チャンバ出口端部に接続された前記第1の端部はより小さい断面積を有し、前記目的地に接続された前記第2の端部はより大きい断面積を有する出口アダプタとを備える電気化学的水処理装置。
【請求項2】
前記陽極の各々は、実質的に前記処理チャンバの長さにわたって延びている、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記陰極の各々は、実質的に前記処理チャンバの長さにわたって延びている、請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記入口アダプタを前記水源に接続するための入口端コネクタと、前記出口アダプタを前記目的地に接続するための出口端コネクタとをさらに備える、請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記処理チャンバは、前記アダプタとは異なる断面形状を有する、請求項1に記載の処理装置。
【請求項6】
前記処理チャンバは正方形の断面を有し、前記アダプタは円形の断面を有する、請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
電力の供給源に接続するための電気化学的水処理装置であって、
少なくとも1つの壁によって形成され、ある長さ、入口端部および出口端部、および少なくとも1つの側面を有する処理チャンバであって、実質的に前記処理チャンバの長さにわたって前記側面に沿って形成された開口部を有する処理チャンバと、
前記開口部に取り付けられている取付板と、
各々が2つの端部を有する複数の陰極であって、前記複数の陰極が、前記取付板に垂直に取り付けられ、前記処理チャンバの内側に配置された、電源に接続可能な前記複数の陰極と、
前記取付板に垂直に取り付けられ、前記処理チャンバの内側に長手方向に配置され、2つの側面と2つの端部とを有する複数の陽極であって、前記陽極の各々は、それぞれの前記陽極の前記2つの側面の各々の上に配置され、前記電源に接続可能な少なくとも1つの陰極を有する前記複数の陽極と、
前記処理チャンバ入口端部を被処理水の水源に接続するための第1の端部と第2の端部とを有する入口アダプタであって、前記処理チャンバ入口端部に接続された前記第1の端部はより小さい断面積を有し、前記水源に接続された前記第2の端部はより大きい断面積を有する入口アダプタと、
前記処理チャンバ出口端部を目的地に接続するための第1の端部と第2の端部とを有する出口アダプタであって、前記処理チャンバ入口端部に接続された前記第1の端部はより小さい断面積を有し、前記目的地に接続された前記第2の端部はより大きい断面積を有する出口アダプタとを備える電気化学的水処理装置。
【請求項8】
前記取付板に取り付けられた少なくとも2つの陽極バスバーであって、各々の陽極バスバーは前記電源に接続可能であり、他の陽極バスバーが接続されている場所とは反対側の前記陽極のそれぞれの端部付近で前記陽極に接続されている、前記少なくとも2つの陽極バスバーと、
前記取付板に取り付けられた少なくとも2つの陰極バスバーであって、各々の陰極バスバーは前記電源に接続可能であり、他の陰極バスバーが接続されている場所とは反対側の前記陰極のそれぞれの端部付近で前記陰極に接続されている、前記少なくとも2つの陰極バスバーとをさらに含む、請求項7に記載の水処理装置。
【請求項9】
前記陽極の各々は、実質的に前記処理チャンバの長さにわたって延びている、請求項7に記載の処理装置。
【請求項10】
前記陰極の各々は、実質的に前記処理チャンバの長さにわたって延びている、請求項7に記載の処理装置。
【請求項11】
前記入口アダプタを被処理水の水源に接続するための入口端コネクタと、前記出口アダプタを被処理水の水源に接続するための出口端コネクタとをさらに備える、請求項7に記載の処理装置。
【請求項12】
前記処理チャンバは、前記アダプタとは異なる断面形状を有する、請求項7に記載の処理装置。
【請求項13】
前記処理チャンバは正方形の断面を有し、前記アダプタは円形の断面を有する、請求項12に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水処理の分野に関し、特に電気化学的水処理のための構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲用水および廃水の両方とも、微生物および他の不純物を含有する。飲料水から細菌および他の不純物を破壊し、水を人間および動物の使用に適したレベルまで消毒するために、先行技術において様々な水処理システムが提供されている。他の水処理システムは、感染性成分を人間または動物の消費には適さないが様々な水域への排出には満足できるレベルまで減少させることによって廃水を処理する。
【0003】
さらに他の水処理システムは、汚染レベルをある特定の政府基準まで下げるために、飲料水用途および廃水用途の両方に適用され得る。歴史的に、消毒のための塩素処理の使用は普及している。近年、紫外線照射またはオゾンの導入を利用するシステムも商品化されている。
【0004】
電気化学的水処理の分野における先駆的発明、すなわち、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5は、本発明の出願人に対して公表されてきており、それらの開示は、本明細書中にそれら全体が参照として援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6,780,306号明細書
【文献】米国特許第7,033,481号明細書
【文献】米国特許第7,494,582号明細書
【文献】米国特許第7,604,728号明細書
【文献】米国特許第8,961,751号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の装置に対する改良、またはそれによって生じるかまたはそれによって解決されないいくつかの問題に対する解決策に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電気化学的水殺菌は、水を処理するための非常に効率的な方法である。このプロセスは被処理水に化学的化合物を添加しなくても機能するが、種々の化学物質の殺菌作用に基づいている。活性コーティングとして白金族金属またはそれらの酸化物を有する電極は、一般的にこの処理に最も適している。
【0008】
本発明は、現在の技術に対していくつかの利点を提供する。本発明は、セルフクリーニングを促進し、これらの設計に典型的に見られるスケーリング特性を減少させるために高い流速を提供する。簡単に交換できるように、個別のリアクタパックが提供される。電気的に絶縁された電極パックは、電力使用量を最適化する直列または並列接続を提供する。構成可能な設計は、あらゆる流れおよび投薬の条件を満たすことができる。ユニットは、個々の設置のニーズを満たすために直列または並列に接続することができる。
【0009】
本発明は、目的地への途中で、電源に電気的に接続し、被処理水の水源に接続するための電気化学的水処理装置を提供する。装置は、少なくとも1つの壁によって形成され、ある長さ、入口端部および出口端部、ならびに少なくとも1つの側面を有する処理チャンバであって、処理チャンバの実質的長さにわたって側面に沿って形成された開口部を有する処理チャンバを含む。取付板は、チャンバの側面を密閉し、被処理水が開口部から逃げるのを防ぐように開口部を覆う。複数の陰極は、各々が2つの端部を有し、取付板に取り付けられ、チャンバの内側に配置される。複数の陽極は、取付板に取り付けられ、チャンバの内側に配置され、2つの側面と2つの端部を有し、陽極の各々は、それぞれの陽極の2つの側面の各々の上に配置された少なくとも1つの陰極を有する。少なくとも2つの陽極バスバーが提供され、各々の陽極バスバーは、電源に接続可能であり、他の陽極バスバーが接続されている場所とは反対側の陽極のそれぞれの端部付近で陽極に接続されている。少なくとも2つの陰極バスバーもまた提供され、各々の陰極バスバーは、電源に接続可能であり、他の陰極バスバーが接続されている場所とは反対側の陰極のそれぞれの端部付近で陰極に接続されている。入口アダプタは、処理チャンバ入口端部を被処理水の水源に接続するための第1の端部と第2の端部とを有し、処理チャンバ入口端部に接続された第1の端部はより小さい断面積を有し、被処理水の水源に接続された反対側の端部はより大きい断面積を有する。出口アダプタは、処理チャンバ出口端部を目的地に接続するための第1の端部と第2の端部とを有し、処理チャンバ出口端部に接続された第1の端部はより小さい断面積を有し、目的地に接続された第2の端部はより大きい断面積を有する。
【0010】
本発明の他の目的および利点は以下において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る電気化学的水処理装置の等角図である。
図2図1に示す電気化学的水処理装置の上面図である。
図3図2に示す電気化学的水処理装置の線3―3に沿って取られた断面図である。
図4図2に示す電気化学的水処理装置の線4―4に沿って取られた断面図である。
図5図1に示す電気化学的水処理装置の等角図であり、カバーを外して下の部品を示している。
図6図5に示す電気化学的水処理装置の等角図であるが、電極を処理チャンバの内側で見えるようにし、バスバーと電極との間の接続部を見えるようにするために、端部コネクタを取り除き、電極取付板を透明にしている。
図7】本発明に係る電気化学的水処理装置の特定の用途の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで図1および図2を参照すると、本発明の一実施形態に従って構成された水処理装置10が示されている。図示のように、装置10は入口端部コネクタ12と出口端部コネクタ14とを含み、これらは構造的に同一でもよい。装置10を任意の適切な被処理水の水源に接続するための入口端部コネクタ12が設けられ、装置10を現在処理されている水に対する任意の適切な目的地に接続するための出口端部14が設けられる。例としては、水の処理と消毒が必要なあらゆる用途、外航船の海水入口から工場水の近くの水路への排水まで、井戸または飲料水用の他の水源からの単純な水輸送まであらゆるものが含まれる。
【0013】
本発明によれば、端部コネクタ12および14は、各々がそれぞれ入口アダプタ18および出口アダプタ18によって処理チャンバ16の反対側の端部に接続されている。端部コネクタ12および14、および処理チャンバ16は、任意の適切な形状とすることができるが、図示の実施形態では、端部コネクタは円形の断面を有し、処理チャンバは正方形の断面を有する。本発明によれば、端部コネクタ12および14の断面積は処理チャンバ16の断面積よりも大きいので、アダプタ18は漏斗形である。一例では、端部コネクタ12および14は直径6インチの円形断面を有し、一方、処理チャンバ16は一辺が4インチの断面を有する正方形の管として形成されている。
【0014】
図2に示すように、各々の漏斗形アダプタ18は、より小さい端部18aとより大きい端部18bとを有する。そのような「より大きい」および「より小さい」という用語は、断面積を指す。処理チャンバ16の各々の端部には、各々の漏斗形アダプタ18のより小さい端部18aが接続されている。各々の漏斗形アダプタ18のより大きい端部18bは、端部コネクタ12および14のそれぞれ1つに接続されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ16は、第4の側部に開口部16aを有する平らな壁によって3つの側部に形成されるが、開口部16aを有する単一の湾曲した壁によって形成することもできる。図示の実施形態では、この開口部16aは実質的に処理チャンバ16の全長にわたって延びている。第4の壁は、電極取付板20によって形成されるか、あるいは開口部16aが覆われるかまたは閉じられるとも等しく言うことができる。処理される水が電極取付板20の周囲に逃げないことが重要であり、そのため取付板は漏れを避けるために開口部16aに対して封止される。図3図4、および図5に示すように、絶縁体22が処理チャンバ16の外側で取付板20に取り付けられている。次いで、取付板20とは反対側の絶縁体22の面には多数のバスバー24が取り付けられている。ここで説明するように、陽極バスバー24aと陰極バスバー24bがある。
【0016】
取付板20の反対側において、組み立て時には、処理チャンバ16の内側に配置されるように開口部16aを通って突出して、多数の電極26、本質的には導電性プレートが取り付けられる。図4および図6に最も良く示されているように、電極26は処理チャンバの全深さに達してもよく、処理チャンバの長さと同程度に延びてもよい。電極26のいくつかは陽極26aであり、いくつかは陰極26bである。陽極26aと陰極26bは交互に配置されているので、各々の陽極26aはその両側に陰極26bが隣接しており、ほとんどの場合、各々の陰極26bはその両側に陽極26aが隣接している。図示の実施形態では、交互陰極26bは交互陽極26aよりも1つ多いので、両側の最も外側の電極は陰極である。従って、全ての陽極26aの両側は陰極26bによって囲まれており、従って水の処理中に使用される。異なる数の陽極および陰極を使用することができるが、図示の実施形態では、5つの陰極26bおよび4つの陽極26aがある。
【0017】
図示の実施形態では、上で紹介したように、また図6に最も良く示されているように。バスバー24は、コネクタピン25によって、陽極26aおよび陰極26bのそれぞれ1つに接続されている。実際、コネクタピン25は、二重機能部品である。それらは取付板20に対して電極26の構造的取付けを提供し、同時に必要な電気的接続を提供する。図6に最もよく示されるように、図6に示すように、陽極バスバー24aは、陽極接続ピン25aによって陽極の一端近くで陽極26aに接続され、陽極バスバー24a?1は、追加の陽極接続ピン25aによって陽極の反対側の端部近くで陽極26aに接続されている。少なくとも、陽極バスバー24aおよび24a?1は、陽極の長さの大部分によって互いに分離している。同様に、陰極バスバー24bは、陰極コネクタピン25bによって一端近くの陰極26bに接続され、陰極バスバー24b?1は、反対側の端部近くで、ここでも追加の陰極コネクタピン25bによって陰極26bに接続されている。ここでもまた、少なくとも陰極バスバー24bおよび24b?1は、陰極の長さの大部分によって互いに分離されている。各々の陽極に接続された複数の陽極バスバーと各々の陰極に接続された複数の陰極バスバーとを有する目的は2重になっている。1つの目的は電気的なものである。システムを通過する電流の量が、ピンのサイズが増大しない限り、単一のコネクタピン25では電流を運ぶのに十分ではないレベルにある用途がある。しかしながら、より大きな電流を流すのに必要な程度までピンサイズを増大させると、より大きなプレートギャップが効率を低下させるので、電極分離が最適より大きくなる可能性がある。複数のコネクタピン25は、単一のピンよりも複数のより小さなピンがより大きな電流を流すことができるアセンブリ10を可能にし、それによって依然として比較的小さな電極分離が可能になる。他の目的は構造的である。各々の電極26は、中央にあるか、または一端または他端に近いかに関わらず、単一のコネクタピン25を用いて取付板20に取り付けられている場合、電極が撓むか移動する可能性が高くなり、その結果、電極分離を引き起こす。各々の近い方の端部と互いにほぼ対向している各々の電極26に対する2つのバスバー24と2つのコネクタピン25によって、結果として、電流容量が増加すると共に、構造剛性、健全性、および安定性が向上し、したがって処理容量が増加する。
【0018】
使用時には、電源(図示せず)は、装置10に電力を供給するように、陽極バスバー24aおよび24a?1ならびに陰極バスバー24bおよび24b?1に接続されている。いくつかの実施形態では、保護シールドまたはカバー28がバスバー24を覆って付けられる。
【0019】
端部コネクタ12、14、および処理チャンバ16、ならびに漏斗状のアダプタ18の異なるサイズの目的は、ベルヌーイ効果によって、処理チャンバを通って移動する流体を加速して、より速い速度で移動させることである。すなわち、入口端部コネクタ12に通じる容器および出口端部コネクタ14から離れる方向に延びる容器は、処理チャンバ16よりも断面積が大きい。この効果は、天然の水源を海水として、より高い流速で電極上のスケーリングを減少させるように処理するときに特に有益であり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、電極26、バスバー24、絶縁体22、および取付板20は、ユニットとして組み立てられ、異なる処理オプションまたは異なる材料の電極に対して迅速な切り替えを可能にするために、または洗浄のために電極を容易に取り外すために、容易に取り外して処理チャンバ16内に交換することができる。例えば、いくつかの実施形態では、陽極はチタン基板から形成され、次いで白金もしくは白金族触媒、またはMMO(混合金属酸化物)で被覆またはメッキされる。MMOコーティング中の混合物は、主にイリジウムおよびルテニウムを含む。当業者に知られているように、これら2つの金属の様々な比率を使用することができる。陰極は、一般的にハステロイでコーティングなしで形成される。機能的には、水処理装置10は、すでに上記において参照により援用されている特許文献1および特許文献2に記載されているのと同じ一般的な原理の水の電気化学的処理で作動する。
【0021】
本発明のモジュール式の性質の応用の一例が図7に示されている。それらは、任意の適切なサイズで作ることができるが、図7に示される例では、各々の装置10は全長4フィートであり、各々が長さ3フィートの処理チャンバを有する。2つの装置10は直列に接続され、空間要件を最小化するように、U字型コネクタ30によって接続されている。この技術では、投与量は流速当たりの電流の単位、つまり毎分ガロン当たりのアンペアで表される。それで、図7に示されるアセンブリによって提供され得る投与量の一例は、2の投与量、すなわち毎分ガロン当たり2アンペア(A/GPM)となるだろう。一般的に、投与量は、典型的には0.5~25A/GPMの範囲内、より好ましくは0.5~2A/GPMの範囲内となるだろう。特定の用途では、2つ以上の装置10を並列に接続することもできる。
【0022】
本明細書では最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものとして本発明を説明してきたが、本発明は上述の特定の実施形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。むしろ、本発明の趣旨または意図から逸脱することなく、本発明の当業者によって変更がなされてもよく、したがって本発明は、添付の特許請求の範囲の主題および本明細書の本発明の説明に対するすべての合理的な均等物を含むと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7