(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】チップを混載したプリント回路基板および製造の方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/28 20060101AFI20220829BHJP
H01B 1/22 20060101ALI20220829BHJP
H01B 1/00 20060101ALI20220829BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20220829BHJP
H05K 3/10 20060101ALI20220829BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20220829BHJP
C09D 11/52 20140101ALI20220829BHJP
C09D 11/30 20140101ALI20220829BHJP
【FI】
H05K3/28 G
H01B1/22 A
H01B1/00 H
B41M5/00 100
B41M5/00 120
H05K3/10 D
H05K3/00 A
C09D11/52
C09D11/30
(21)【出願番号】P 2019539936
(86)(22)【出願日】2018-01-24
(86)【国際出願番号】 US2018015075
(87)【国際公開番号】W WO2018140517
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-10-30
(32)【優先日】2017-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517151372
【氏名又は名称】ナノ ディメンション テクノロジーズ,リミテッド
【住所又は居所原語表記】2 Ilan Ramon St., 74036 Nes Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コズロフスキ,ダン
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/042657(WO,A1)
【文献】特開2006-332096(JP,A)
【文献】特開2012-19192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/00
C09D 11/52
C09D 11/30
H01B 1/22
H01B 1/00
H05K 1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.
i. 少なくとも一つのアパーチャ、絶縁性および/または誘電体樹脂インク貯蔵部、ならびに
前記アパーチャを通して絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインクを供給するように構成された絶縁性および/または誘電体樹脂ポンプを有する第1の印刷ヘッドと;
ii. 少なくとも一つのアパーチャ、導電性インク貯蔵部、ならびに
前記アパーチャを通して導電性インクを供給するように構成された導電性インクポンプを有する第2の印刷ヘッドと;
iii. 前記第1、
および第2の印刷ヘッドに動作可能に結合されて、前記第1、
および第2の印刷ヘッドのそれぞれに基板を搬送するように構成されたコンベヤと;
iv. データプロセッサ;不揮発性メモリ;および前記不揮発性メモリ上に記憶された一組の実行可能命令であって、
1. 前記混載された複数のチップ
および/または混載されるチップパッケージを含むプリント回路基板を表現する3D可視化ファイルを受信すること;
2.
前記3D可視化ファイルからラスターファイルライブラリを生成することであって、前記ラスターファイルライブラリは、
a. 絶縁性および/または誘電性パターン(100)と、導電性パターンと、の両方のパターンを有し、複数のチップおよび/またはチップパッケージの表現を含まない、プリント回路基板の実質的に2D層を表現するラスターファイルであって、層毎に印刷される際に、複数の指定されたコンパートメント(101-105m)を形成し、各コンパートメントは、特定のチップまたはチップパッケージ(201、202)を収容するラスターファイルと、
b. 絶縁性および/または誘電性パターン(400)と、導電性パターンと、の両方のパターンを有し、複数のチップおよび/またはチップパッケージの表現を含む、プリント回路基板の実質的に2D層を表現するラスターファイルであって、層毎に印刷される際に、前記複数の指定されたコンパートメント(101-105m)を覆うラスターファイルと、を有し、
3. 前記混載された複数のチップ
および/または混載されるチップパッケージ(201、202)を含むプリント回路基板に関連した
印刷操作パラメータの選択を受信すること;および
4. 前記
印刷操作パラメータの選択の少なくとも一つに基づいて
、前記
ラスターファイルを変更すること、
に使用される実行可能命令を含む、計算機支援製造(「CAM」)モジュールと、
を有するインクジェット印刷システムを提供し、前記CAMモジュールが、
変更された前記ラスターファイルに基づいて、前記印刷ヘッド
と前記コンベヤのそれぞれを制御するよう構成されることと;
b. 前記絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインク組成物、ならびに導電性インク組成物を提供することと;
c. 前記CAMモジュールを使用して、
前記絶縁性および/または誘電性パターンと、前記導電性パターンと、の両方のパターンを有し、複数のチップおよび/またはチップパッケージの表現を含まない、前記プリント回路基板の第1の、実質的に
2D層を表現する
ラスターファイルを
前記ラスターファイルライブラリから取得
することと;
d. 前記第1の印刷ヘッドを使用して、
前記プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における絶縁性および/または誘電
性パターンを
前記基板に形成することと;
e.
前記プリント回路基板の
第1の、実質的に2D層における
前記絶縁性および/または誘電
性パターンであって、前記複数のチップ
および/またはチップパッケージ、抵抗器、キャパシタ、および他のいずれかの関連する構成成分のそれぞれに対する指定領域を画定する
第1の、実質的に2D層のパターンを硬化させることと;
f. 前記第2の印刷ヘッドを使用して、
前記プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における
導電性パターンを形成することと;
g.
前記プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における
導電性パターンを焼結させることと;
h. 前記CAMモジュールを使用して、
前記絶縁性および/または誘電性パターンと、前記導電性パターンと、の両方のパターンを有し、複数のチップおよび/またはチップパッケージの表現を含まない、実質的に2D層を表現する
引き続くラスターファイルを
前記ラスターファイルライブラリから取得
することと;
i. 前記第1の印刷ヘッドを使用して、
前記プリント回路基板の
、引き続く実質的に2D層における、絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを形成することと;
j.
前記プリント回路基板の、引き続く実質的に2D層における、前記絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを硬化させ
ることと
;
k. 前記第2の印刷ヘッドを使用して、前記プリント回路基板の、引き続く実質的に2D層における、導電性パターンに相当するパターンを形成することと;
l. 前記プリント回路基板の引き続く、実質的に2D層における導電性パターンを焼結させることと;
m. ステップh~lを繰り返して、前記複数の指定されたコンパートメント(101-105m)を形成することと;
n. 少なくとも2つの前記チップおよび/またはチップパッケージ(201、202)を、前記プリント回路基板の引き続く、実質的に2D層における各指定領域に配置することであって、前記チップおよび/またはチップパッケージは、コンタクト層(210、212)を最上部として配置することと;
o. 前記CAMモジュールを使用して、前記絶縁性および/または誘電性パターン(400)と、前記導電性パターンと、の両方のパターンを有し、複数のチップおよび/またはチップパッケージの表現を含む、実質的に2D層を表現するラスターファイルを前記ラスターファイルライブラリから取得することと;
p. 前記第2の印刷ヘッドを使用して、前記プリント回路基板の実質的に2D層の導電性パターンと、複数のチップおよび/またはチップパッケージの表現に対応するパターンを形成して、インターコネクト(304q)を前記コンタクト層(210、212)に配置することと;
q. 前記プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性パターンを焼結させることと;
r. 前記第1の印刷ヘッドを使用して、絶縁性および/または誘電性パターン(400)と、複数のチップおよび/またはチップパッケージの表現を含む、前記プリント回路基板の実質的に2D層を前記導電性パターンに対応するパターンを形成することと;
s. 前記プリント回路基板の実質的に2D層における前記絶縁性および/または誘電性パターン(400)と、複数のチップおよび/またはチップパッケージの表現を含むパターンを硬化させることと;
t. ステップo~sを繰り返して、複数のチップおよび/またはチップパッケージを混載することであって、前記コンタクト層(210、212)は少なくとも1つのボンディングパッドと足を有すること;
を含む、インクジェットプリンタを使用してプリント回路基板に複数のチップ
および/またはチップパッケージを混載する方法。
【請求項2】
前記第1の層を硬化させるステップが、加熱、光重合、乾燥、堆積プラズマ、アニーリング、酸化還元反応の容易化、または先記の一つもしくは複数を含む組み合わせを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性インク組成物が:約20nmと約150nmとの間の平均直径D
2,1粒子サイズを有する金属ナノ粒子;および随意に溶媒を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属ナノ粒子のアスペクト比が、実質的に1より大きい、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記絶縁性および/または誘電体樹脂インクが、多官能性アクリラートのモノマー、オリゴマー、ポリマーまたはそれらの組み合わせと;架橋物質と;ラジカル光開始剤との溶液である、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記絶縁性および/または誘電体樹脂が:ポリエステル(PES)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ(ビニルアセタート)(PVA)、ポリ-メチルメタクリラート(PMMA)、ポリ(ビニルピロリドン)、または先記の一つもしくは複数の混合物もしくはコポリマーを含む組み合わせである、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記
各チップパッケージが、クワッド・フラット・パック(QFP)パッケージ(Quad Flat Pack package)、薄型スモール・アウトライン・パッケージ(Thin Small Outline Package)(TSOP)、スモール・アウトライン集積回路(SOIC)パッケージ(Small Outline Integrated Circuit package)、スモール・アウトラインJ-リード(SOJ)パッケージ(Small Outline J-Lead package)、プラスチック・リーディッド・チップ・キャリア(PLCC)パッケージ(Plastic Leaded Chip Carrier package)、ウェーハ・レベル
・チップ・スケール・パッケージ(WLCSP)(Wafer Level Chip Scale Package)、モールド・アレイ・プロセス・ボール・グリッド・アレイ(MAPBGA)パッケージ(Mold Array Process-Ball Grid Array package)、クワッド・フラット・ノー・リード(QFN)パッケージ(Quad Flat No-Lead package)、ランド・グリッド・アレイ(LGA)パッケージ(Land Grid Array package)、受動部品、または先記の二つ以上を含む組み合わせである、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の混載チップ
および/または混載されるチップパッケージを含むプリント回路基板に関連する
前記印刷操作パラメータの選択において使用される
前記印刷操作パラメータが;層における絶縁性および/または誘電体樹脂インクパターン、層における導電性インクパターン、絶縁性および/または誘電体樹脂に対する硬化の要求、層における導電性インクパターンに対する焼結、各チップ
および/またはチップパッケージの場所および/またはタイプ、スループットの要求、または先記の一つもしくは複数を含む
印刷操作パラメータの組み合わせである、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の混載チップ
および/またはチップパッケージ(201、202)を含むプリント回路基板を表現する3D可視化ファイルが、ODB、ODB++,.asm、STL、IGES、STEP、Catia、SolidWorks、Autocad、ProE、3D Studio、Gerber、Rhino、Altium、Orcad、Eagleファイル、または先記の一つもしくは複数を含むファイルであり;そして少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルが、JPEG、GIF、TIFF、BMP、PDFファイル、または先記の一つもしくは複数を含む組み合わせである、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
前記インクジェット印刷システムが、少なくとも一つのアパーチャ、第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク貯蔵部、ならびに
前記アパーチャを通して
前記第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インクを供給するように構成された第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含む、請求項1に記載の方法であって:
a. 第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物を提供することと;
b. 前記第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク印刷ヘッドを使用して、
前記プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク表現に相当する所定のパターンを形成することと;
c.
前記回路基板の
第1の、実質的に2D層における第2の絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当する所定のパターン
を硬化させることと、
をさらに含み、
前記第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物が、前記第1の印刷ヘッドにおける前記絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物とは異なるインク組成物を有する方法。
【請求項11】
前記インクジェット印刷システムが、少なくとも一つのアパーチャ、第2の導電性インク貯蔵部、ならびに
前記アパーチャを通して第2の導電性インクを供給するように構成された第2の導電性インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含む、請求項1に記載の方法であって:
a. 第2の導電性インク組成物を提供すること;
b. 前記第2の導電性インク印刷ヘッドを使用して、
前記プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における第2の導電性インク表現に相当する所定のパターンを形成すること;および
c.
前記回路基板の
第1の、実質的に2D層における第2の導電性インク表現に相当する所定のパターンを焼結させること、
をさらに含み、
前記第2の導電性インク組成物が、前記第2の印刷ヘッドにおける前記導電性インク組成物とは異なる金属を有する方法。
【請求項12】
前記インクジェット印刷システムが:少なくとも一つのアパーチャ、支持体インク貯蔵部、および前記アパーチャを通して前記支持体インクを供給するように構成された支持体インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含む、請求項1に記載の方法であって:
a. 前記支持体インク組成物を提供することと;
b. 前記第1の印刷ヘッドおよび/または第2の印刷ヘッドを使用するステップの前に、これと同時に、またはこれに引き続いて、前記支持体インク印刷ヘッドを使用して、
前記プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における支持体表現に相当する所定のパターンを形成することと;
c.
前記プリント回路基板の
第1の、実質的に2D層における支持体表現に相当する所定のパターンを官能化させることと、をさらに含む方法。
【請求項13】
前記インクジェット印刷システムが、ロボットアームをさらに含む、請求項1に記載の方法であって:ロボットアームを使用すること、
前記プリント回路基板の第1の、実質的に2D層上の指定領域
のそれぞれに
、少なくとも二つのチップ
および/またはチップパッケージを配置すること、をさらに含む方法。
【請求項14】
前記絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物が、前記導電性樹脂インク組成物に接着するよう構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
絶縁性および/または誘電性パターンと、導電性パターンと、の両方のパターンを有し、複数のチップおよび/またはチップパッケージ(201、202)の表現を含まない、プリント回路基板の実質的に2D層を表現するラスターファイルが、抵抗器、
キャパシタ、トランジスタ
、センサ、ビア、または先記を含む組み合わせに対する指定領域
のパターン含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記導電性インクを表現するパターンが、インターコネクトボールを製造するよう構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の導電性インクが銀を含み、前記第2の導電性樹脂が銅を含み、前記第2の導電性インクがリード線へのボンディングを形成するように構成される、請求項
9に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の誘電体樹脂インクが、チップ上にモールドフレームを形成するよう構成される、請求
項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、混載集積チップを有するプリント回路基板(PCB)を直接印刷するためのシステム、方法、および組成物を対象としている。具体的には、本開示は、導電性および誘電体インク組成物を有する印刷ヘッドの組み合わせを使用し、チップおよび/またはチップパッケージを配置するための所定のスロットを作り出し、そして混載チップ間の相互接続性を維持しつつ、封入用の層を用いてこれらを覆って、混載チップおよび/またはチップパッケージを有するプリント回路基板を直接インクジェット印刷するための、システム、方法、および組成物を対象としている。
【背景技術】
【0002】
最先端のチップ混載技術が、複雑なエレクトロニクスの製造で必要となっている。IoT(物のインターネット)に重点を置いて、センサに求められる様々な要望に向けたパッケージの小型化、最適化に後押しされて、混載センサを用いた新しい応用が切迫した事態となっており、多数の相互接続を用いたチップの混載による複雑さの増加も同様かそれ以上である。
【0003】
そうした複雑なエレクトロニクスの開発には、プリント回路基板(PCB)のかなりの数の試作品の研究、開発、およびエンジニアリングが必要であり、それぞれについて、品質保証試験、フォールトトレラント試験、効率試験、その他が、大量生産への移行に先立って必要となる。各PCBにはさらに、計画工程、製造、購買、および組み立てが必要であり、典型的には製造工程が、時間およびコストに関して工程の最も重大なボトルネックである。同様に考えられなくはないものとしては、企業秘密が曝露されるリスクがある。これらのリスクは、現状では不可避であり、これは、コストに関連してだけではなく信用を毀損するということに関して、欠陥のある設計と大量生産段階での故障とに伴うコストが桁違いに高くつくからである。
【0004】
本開示は、一つまたは複数の上に突き止められた問題を克服することを対象としている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
様々な実施形態において開示されるのは、導電性および誘電体インク組成物を有する印刷ヘッドの組み合わせを使用し、チップおよび/またはチップパッケージを配置するための所定のスロットを作り出し、そして混載チップ間の相互接続性を維持しつつ、封入用の層を用いてこれらを覆って、混載チップおよび/またはチップパッケージを有するプリント回路基板(PCB)を直接、そして連続してインクジェット印刷するための、システム、方法、および組成物である。
【0006】
ある実施形態では、本明細書に提供されるのは:少なくとも一つのアパーチャ、絶縁性および/または誘電体樹脂インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインクを供給するように構成された絶縁性および/または誘電体樹脂ポンプを有する第1の印刷ヘッドと;少なくとも一つのアパーチャ、導電性インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して導電性インクを供給するように構成された導電性インクポンプを有する第2の印刷ヘッドと;第1、および第2の印刷ヘッドに動作可能に結合されて、第1、および第2の印刷ヘッドのそれぞれに基板を搬送するように構成されたコンベヤと;データプロセッサ;不揮発性メモリ;および不揮発性メモリ上に記憶された一組の実行可能命令であって、混載された複数のチップを含むプリント回路基板を表現する3D可視化ファイルを受信すること;混載された複数のチップを含むプリント回路基板を印刷するための少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルを生成し、少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルが、複数のいずれのチップの表現も含まず、チップなしに実質的に2D層の実質的に2D表現の画像を作り出すこと;混載された複数のチップを含むプリント回路基板に関連したパラメータの選択を受信すること;およびパラメータの選択の少なくとも一つに基づいて少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルを変更すること、に使用される実行可能命令を含む、計算機支援製造(「CAM」)モジュールと、を有するインクジェット印刷システムを提供し、CAMモジュールが、印刷ヘッドのそれぞれを制御するよう構成されることと;絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインク組成物、ならびに導電性インク組成物を提供することと;CAMモジュールを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層であって、絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインク、導電性インクを表現するパターンを含む2D層を表現する生成されたファイルを取得し、パターンが、複数のチップのいずれも、または二つ以上を含む組み合わせを、含まないことと;第1の印刷ヘッドを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを形成することと;混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンであって、複数のチップ、抵抗器、キャパシタ、および他のいずれかの関連する構成成分のそれぞれに対する指定領域を定義するパターンを硬化させることと、チップ;混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層上の指定領域に少なくとも二つのチップを配置し、チップが、最上部にあるコンタクト層を用いて配置されることと;第2の印刷ヘッドを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性インク表現に相当するパターンを形成することと;印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性インク表現に相当するパターンを焼結させることと;CAMモジュールを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の実質的に2D層であって、絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインクを表現するパターンを含む2D層を表現する生成されたファイルを取得し、パターンが、プリント回路基板の中に複数のチップを混載するように構成されることと;第1の印刷ヘッドを使用して、プリント回路基板の中に複数のチップを混載するように構成された、混載された複数のチップを含むプリント回路基板の実質的に2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを形成することと;絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを硬化させ、これにより複数のチップ混載することと、を含む、インクジェットプリンタを使用してプリント回路基板に複数のチップを混載する方法である。
【0007】
別の実施形態では、絶縁体および/または誘電体樹脂インクは、単一の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物を有する、または、第1の絶縁体および/または誘電体樹脂インクと異なるまたは同一の別個の絶縁体および/または誘電体樹脂インクを有する専用のさらなる印刷ヘッドを伴う、専用の印刷ヘッド中、光重合性のモノマー類、オリゴマー類、またはそれらの組み合わせ、高分子量ポリマー類のコロイド分散物、ポリマー溶液、またはそれらの組み合わせの混合物とすることができる。
【0008】
ある実施形態では、導電性インクは、溶媒中の金属性ナノ粒子の分散物、または金属性の前駆体溶液もしくは分散物、またはそれらの組み合わせとすることができる。
【0009】
さらに別の実施形態では、インクジェット印刷システムは:少なくとも一つのアパーチャ、第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インクを供給するように構成された第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含み、方法は:第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物を提供することと;第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク印刷ヘッドを使用して、印刷用の複数の混載チップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク表現に相当する所定のパターンを形成することと;混載された複数のチップを含まない回路基板の2D層における第2の絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当する所定のパターン硬化させるまたはことと、をさらに含み、第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物は、第1の印刷ヘッドにおける絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物とは異なるインク組成物を有する。
【0010】
混載集積チップを有するプリント回路基板を製造するのにインクジェット印刷を使用するためのシステム、方法、および組成物の、これらのそして他の特徴は、以下の詳細な記載を図および実施例と併せて読むと明らかになるが、これらの図および実施例は、代表的なものであって、制限するものではない。
【0011】
混載チップおよび/またはチップパッケージを有するプリント回路基板の直接インクジェット印刷、製造方法、および組成物のより深い理解のために、それらの実施形態に関連して、付随する実施例および図への参照がなされるが、それらの図面において:
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】PCBにチップを混載する典型的な方法を例示し;
【
図2A】混載された構成成分を有するPCBを形成する方法の実施形態を模式的に例示し、ここで、
【
図3A】本明細書に記載の方法を使用して印刷された、
図2AのPCBの上面図を例示し、
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において提供されるのは、導電性および誘電体インク組成物を有する印刷ヘッドの組み合わせを使用し、チップおよび/またはチップパッケージを配置するための所定のスロットを作り出し、そして混載チップ間の相互接続性を維持しつつ、封入用の層を用いてこれらを覆って、混載チップおよび/またはチップパッケージを有するプリント回路基板を直接インクジェット印刷するための、システム、方法、および組成物の実施形態である。
【0014】
能動および受動部品を多層PCBに混載する技術は、複雑なエレクトロニクスの開発に必要となっている。電気的性能、チップ寸法、および相互接続に関する異なる要求に起因して、異なる混載技術が開発されている。
【0015】
例えば、そして
図1に例示のとおり、典型的な方法は、ウェハー1の準備を含む可能性があり、これにより、マイクロビア(microvia)のレーザー穿孔およびPCB金属化工程は、半導体チップのアルミニウムまたは銅のコンタクトパッドには適合しないので、混載されることになるチップのボンディングパッド4に銅のさらなる層2が付着される。他の金属化、例えば無電解めっき(例えば、Ni、Pdを使用する)は、マイクロビア穿孔およびメッキに対して最適化された。続いて、不動態層を、その脆弱性だけでなく、積層された層とのその接着性に対して試験することができる。次に来るのは、ダイ配置11であり、これにより、チップ3を収容する基板1が作られる。チップボンディングは、様々な方法、例えば印刷可能なペースト、ダイ・アタッチ・フィルム(die attach film)(DAF)、ダイ・ダイシング・アタッチ・フィルム(die dicing attach film)(DDAF)、及び同種のものによりなされる。
【0016】
ダイボンディングに従えば、典型的には誘電体膜材料(例えば、樹脂で被覆された銅RCC5)が、基板1上に積層されて12、引き続き15マイクロビア7、8が形成(そして引き続いて金属化)され、回路のパターン形成につながる。パターン形成は、フォトレジストのレーザー直接描画「LDI」と、その後の酸スプレーエッチングを用いて実行することができる。工程は、混載された構成成分を含むPCBを分離することにより典型的には完結する。
【0017】
逆に、本明細書に記載のシステム、方法、および組成物は、インクジェット印刷装置を使用する連続した付加製造工程において導電性および誘電体インク組成物を有する印刷ヘッドの組み合わせを使用して、またはいくつかの経路(pass)を使用して、混載チップ構成成分(ECPCB)を含むプリント回路基板を形成/製造するのに使用することができる。本明細書に記載のシステム、方法、および組成物を使用して、熱硬化性樹脂材料を、プリント回路基板の絶縁性および/または誘電体部分を形成するのに使用することができる(例えば、
図2Aを見られたい)。この印刷された誘電体材料は、混載チップ構成成分だけでなく、他の構成成分、例えば抵抗器、トランジスタ、キャパシタ、センサ、ビア、または先記を含む組み合わせを収容するように成形された正確な区画を含む最適化された形状に印刷される。それらのチップ構成成分は、それらに対応する構成成分の内部に配置するが、これらの構成成分は、それらの構成成分を、互いに、そして他の構成成分(例えば、抵抗器)に相互接続することを目的として印刷され得る導電性インクの層のために、あおむけになって足(またはボンディングパッド)を露わにしている(換言すれば、上下さかさまに露出している)。混載チップ構成成分を形成するには、システムは、区画を充填する印刷された誘電体層を用いて覆い、そして混載された構成成分、トレース、足を覆い、混載PCBを形成する。本明細書に記載のシステム、方法、および組成物を使用することで、典型的な時間のかかるコスト集約的な製造および組み立て、ならびに構成成分のハンダ付けは省略することができ、複雑な幾何学的形状のより良好な制御、および速やかな試作だけでなく、混載チップ(および他の)構成成分を含むプリント回路基板の大量生産を実現できる。
【0018】
使用されるこのシステムは典型的には、いくつかの下位システムおよびモジュールを含むことができる。これらは、例えば:印刷ヘッド、基板(またはチャック)の移動、その加熱、およびコンベヤ運動を制御する機械的下位システム;インク組成吐出システム;硬化/焼結下位システム;工程を制御する、および適切な印刷命令を生成する、計算機を用いた下位システム;構成成分の配置システム;機械的視覚システム;および3D印刷を制御する命令および制御システムとすることができる。
【0019】
したがって、そしてある実施形態では、本明細書に提供されるのは:少なくとも一つのアパーチャ、絶縁性および/または誘電体樹脂インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインクを供給するように構成された絶縁性および/または誘電体樹脂ポンプを有する第1の印刷ヘッドと;少なくとも一つのアパーチャ、導電性インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して導電性インクを供給するように構成された導電性インクポンプを有する第2の印刷ヘッドと;第1および第2の印刷ヘッドに動作可能に結合されて、第1および第2の印刷ヘッドのそれぞれに基板を搬送するように構成されたコンベヤと;データプロセッサ;不揮発性メモリ;および不揮発性メモリ上に記憶された一組の実行可能命令であって、混載された複数のチップを含むプリント回路基板を表現する3D可視化ファイルを受信すること;混載された複数のチップを含むプリント回路基板を印刷するのに用いる少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルを発生させ、少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルが、複数のいずれのチップの表現も含まず、チップなしに実質的に2D層の実質的に2D表現の画像を作り出すこと;混載された複数のチップを含むプリント回路基板に関連したパラメータの選択を受信すること;およびパラメータの選択の少なくとも一つに基づいて少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルを変更すること、に使用される実行可能命令を含む、計算機支援製造(「CAM」)モジュールとを有するインクジェット印刷システムを提供し、CAMモジュールが印刷ヘッドのそれぞれを制御するように構成されることと;絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインク組成物、ならびに導電性インク組成物を提供することと;CAMモジュールを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層を表現する生成されたファイルを取得し、2D層が、絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインク、導電性インクを表現するパターンを含み、パターンが、複数のいずれのチップも、二つ以上を含む組み合わせも含まないことと;第1の印刷ヘッドを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを形成することと;混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを硬化させ、パターンが、複数のチップ、抵抗器、キャパシタ、および他のいずれかの関連する構成成分のそれぞれに対する指定領域を画定することと、チップ;混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層上の指定領域に少なくとも二つのチップを配置し、チップが、最上部にあるコンタクト層を用いて配置されることと;第2の印刷ヘッドを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性インク表現に相当するパターンを形成することと;印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性インク表現に相当するパターンを焼結させることと;CAMモジュールを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の実質的に2D層を表現する生成されたファイルを取得し、2D層が、絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインクを表現するパターンを含み、パターンがプリント回路基板の中に複数のチップを混載するように構成されることと;第1の印刷ヘッドを使用して、プリント回路基板の中に複数のチップを混載するように構成された混載された複数のチップを含むプリント回路基板の実質的に2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを形成することと;絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを硬化させ、これにより複数のチップを混載することと、を含む、インクジェットプリンタを使用してプリント回路基板に複数のチップを混載する方法である。
【0020】
用語「チップ」は、パッケージされた、個片化されたIC装置を指す。用語「チップパッケージ」は、具体的には、回路基板、例えばプリント回路基板(PCB)の中に挿入(ソケット実装)し、またはその上にハンダ付け(表面実装)し、よってチップ用の台座を作り出すためにチップを入れる筐体を示す場合がある。エレクトロニクスでは、用語チップパッケージまたはチップキャリアは、構成成分または集積回路の周りに加えられて、これを損傷なしに取り扱って回路に組み込めるようにする材料を示す場合がある。
【0021】
あるいは、または加えて、混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を製造するための方法および組成物において使用されるインクジェット印刷システムは、少なくとも一つのアパーチャ、第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インクを供給するように構成された第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含むことができ、方法は:第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物を提供することと;第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク印刷ヘッドを使用して、印刷用の複数の混載チップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク表現に相当する所定のパターンを形成することと;混載された複数のチップを含まない回路基板の2D層における第2の絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当する所定のパターンをまたは硬化させ、第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物が、第1の印刷ヘッドにおける絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物とは異なるインク組成物を有することと、をさらに含む。ある実施形態では、第2の誘電体樹脂インクは、チップ上にモールドフレームを形成するよう構成される。
【0022】
さらには、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を形成する方法は、第1の印刷ヘッド、および/または第2の印刷ヘッドを使用するステップに先立って、剥離可能な、または除去可能な基板を提供するステップをさらに含むことができる。随意の剥離可能な基板はまた、リジッド(rigid)またはフレキシブル(flexible)のいずれかとすることができる。用語「剥離可能」とは、ある実施形態では、表面、例えば本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を形成するための方法、組成物、およびキットにより作り出された表面に、除去可能に付着させ接着させることができる、そして引き続き、力をかけて表面から除去することができる材料を指す。本発明の組成物および方法にしたがう剥離可能な膜は、プリンタのコンベヤベルト上に配置されたチャックに、接着剤により除去可能に付着させることができ、そして、強制的に除去することによって、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の層を露出させることができる。
【0023】
除去可能な基板はまた、粉末、例えば、セラミック粉末であって、チャックに付着させることができ、圧縮して固めた後に除去することのできるものとすることができる。基板の選択は、例えば、混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の使用および構造に依存し得る。さらには、基板の除去は、全体の構成成分の製造、第1の2D層の製造の終了時、またはそれらの間のいずれの段階でも生じ得る。
【0024】
本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を形成する方法は、上記のように、基板を提供するステップを含むことができる。樹脂および/またはメタリックインクを堆積させる印刷ヘッド(そしてその派生語は;制御されたやりかたで表面上に材料を堆積させる、転写する、または作り出すあらゆる装置または技術を指すと理解されるものとする)は、要求に応じてインク小液滴を提供するように、換言すれば、事前に選択された様々な工程パラメータ、例えばコンベヤスピード、所望のフレキシブル伝導層の厚さ、および/または長さ、層のタイプ、要求される層のフレキシブル性(換言すれば、構成成分が最初の2D構成に対してどの程度まで屈曲することになるか)、および同種のものの関数として構成することができる。除去可能なまたは剥離可能な基板はまた、比較的リジッドな材料、例えば、ガラスまたは結晶(例えば、サファイア)とすることができる。加えて、またはあるいは、剥離可能な基板は、混載チップ構成成分を含むプリント回路基板から基板を容易に剥離できるようにするため、フレキシブル(例えば、巻き取ることの可能な)基板(または膜)、例えば、ポリ(エチレンナフタラート)(PEN)、ポリイミド(例えばデュポン社(DuPont)によるカプトン(KAPTONE)(登録商標))、シリコンポリマー類、ポリ(エチレンテレフタラート)(ethyleneterphtalate)(PET、cPET、またはaPETの両方)、ポリテトロラフルオロエチレン(PTFE)膜等であってもよい。さらに、基板は、例えばセラミック粉末とすることができる。
【0025】
本明細書に記載の混載チップ構成成分物品および構成成分を含むプリント回路基板を製造するまたは形成することにおいて、絶縁性および/または誘電体樹脂および/または導電性材料の実質的に2D層の堆積により、支持層または構造は、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の実質的2D表現、または含まないそれらの2D表現の一部分として堆積させることができる。この支持体は、除去可能とすることができ、そして、引き続いて印刷される張り出し部分の下に、または予想される空洞中に配置することができるが、これらの張り出し部分や空洞は、その部分または構成成分の材料それ自体によって支持されることはない。例えば、支持体は、引き続くステップにおいてチップを配置する前に、チップを収納するように製造された区画の中に、ダイ・パッド(die pad)に影響を及ぼさずに堆積させることができる。支持体構造は、誘電体または導電性の材料を堆積させるのに用いるのと同一の堆積技術を利用して構築することができる。ある実施形態では、CAMモジュールは、張り出しまたは自由空間区分、または形成されるECPCBを表現する3D可視化ファイルの内部チップ区画に対して、そして他の状況では、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の側壁に対して支持体構造として作用する、さらなる幾何学的形状を生成することができる。支持体材料は、例えば製造の最中にその部分の材料に接着するように構成することができ、そして印刷工程が完了した際に、本明細書に記載の混載チップ構成成分および構成成分を含む完成したプリント回路基板から除去可能とすることができる。
【0026】
例えば、記載の方法において利用されるシステムおよび組成物は、記載のチップ構成成分またはパッケージを配置するための所定の区画を有するプリント回路基板を形成するのに使用することができ、これにより、対応する区画内に適切なチップ構成成分を配置するのに続いて、支持体材料を区画に堆積させて、チップ構成成分を収め、そしてPCBを、チップ構成成分の封止および混載の前にさらに処理するために除去する(例えば、
図2Aを見られたい)。
【0027】
本明細書において使用される用語「支持体」は、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の製造中に、混載チップを内部に伴っておよび/または伴わずに組み立てられたプリント回路基板の複数の層に、構造的な支持体を提供するのに使用される、支持体材料の一つまたは複数の層を指す。例えば、支持体材料は、絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物の硬化に使用される化学放射線に曝露されると、絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物と反応することが可能な少なくとも一つの官能基を含むろうとすることができる。いくつかの実施形態では、ろうにおける官能基は、構築された材料を硬化させるのに、そして3D物品を引き続き形成するのに典型的に使用される光開始剤の存在下で構築材料と反応することができ、そして後に穏和な加熱下で溶融し除去することができる。さらなる支持体材料は、例えば、架橋せず溶媒/水に可溶性の材料であって、いったん印刷工程が完了すると支持体構造を比較的容易に洗い流せるようにする材料とすることができる。あるいはまたは加えて、離脱式の支持体材料もまた可能であり、これは、手でその材料をその部分から折り取ることができるものである。
【0028】
他の実施形態では、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板および構成成分を製造する方法およびシステムにおいて使用される支持体材料は、支持体を通した曝露に適合するよう化学放射線に対して透明とすることができる。ある実施形態では、「化学放射線」は、樹脂インク組成物を硬化させることが可能なエネルギービーム、例えば、あらゆる電磁波照射、例えば、赤外、紫外線、電子ビーム、X線、または放射線を指す。したがって、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板および本明細書に記載の構成成分を製造するのに使用される用語「化学放射線硬化性樹脂組成物」は、上記のように、一つまたは複数の化学放射線(エネルギービーム)を照射されると硬化する樹脂組成物とすることができる。
【0029】
そうした照射の結果、支持体に最も近い層における光重合性の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物の少なくとも一部分が硬化する。適切な支持体材料の例は、ポリマー膜、例えば、付加ポリマー類、および直鎖状縮合ポリマー類、および透明な発泡体により形成されたものを含む。本明細書に記載の方法において使用されるポリマー性支持体は、アセチルプロピオニルセルロース、セルロースアセタートブチラート、ポリエステル類、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)、およびポリエチレンナフタラート(PEN);配向ポリスチレン(OPS);配向ナイロン(ONy);ポリプロピレン(PP)、配向ポリプロピレン(OPP);ポリ塩化ビニル(PVC);および様々なポリアミド類、ポリカルボナート類、ポリイミド類、ポリオレフィン類、ポリ(ビニルアセタール)(poly(vinylacetals))、ポリエーテル類およびポリスルホンアミド類、ならびに不透明な白色のポリエステル類とすることができる。アクリル樹脂、フェノール樹脂、ガラス、および金属もまた、インク収容部として使用することもできる。
【0030】
したがって、そしてある実施形態では、混載チップ構成成分および構成成分を含むプリント回路基板を製造するための方法およびシステムにおいて使用されるインクジェット印刷システムは:少なくとも一つのアパーチャ、支持体インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して支持体インクを供給するように構成された支持体インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含むことができ、方法は:支持体インク組成物を提供することと;第1の印刷ヘッドおよび/または第2の印刷ヘッドを使用するステップの前に、これと同時に、またはこれに引き続いて、支持体インク印刷ヘッドを使用して、印刷用の混載チップ構成成分を含む(または含まない)プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における支持体表現に相当する所定のパターンを形成することと;混載チップ構成成分を含む(または含まない)プリント回路基板の2D層における支持体表現に相当する所定のパターンを機能化させることと、をさらに含む。
【0031】
用語「形成する」(およびその変形である「形成される」等)は、ある実施形態では、当技術分野で公知のあらゆる適切な方法を使用して、流体または材料(例えば、導電性インク)を、別の材料(例えば、基板、樹脂、または別の層)と接触させて、ポンプ輸送する、吐出する、注ぐ、放出する、変位させる、位置決めする、循環させる、またはそうでなければ配置することを指す。同様に、用語「混載」は、周囲の構造の中に強固に結合している、または材料または構造の中に隙間なくまたは強固に囲まれているチップおよび/またはチップパッケージを指す。
【0032】
さらには、本明細書に記載のシステム、方法、および組成物と併用することができるチップまたはチップパッケージは、クワッド・フラット・パック(QFP)パッケージ(Quad Flat Pack package)、薄型スモール・アウトライン・パッケージ(Thin Small Outline Package)(TSOP)、スモール・アウトライン集積回路(SOIC)パッケージ(Small Outline Integrated Circuit package)、スモール・アウトラインJ-リード(SOJ)パッケージ(Small Outline J-Lead package)、プラスチック・リーディッド・チップ・キャリア(PLCC)パッケージ(Plastic Leaded Chip Carrier package)、ウェーハ・レベル・チップ・スケール・パッケージ(WLCSP)(Wafer Level Chip Scale Package)、モールド・アレイ・プロセス・ボール・グリッド・アレイ(MAPBGA)パッケージ(Mold Array Process-Ball Grid Array package)、ボール・グリッド・アレイ(Ball-Grid Array)(BGA)、クワッド・フラット・ノー・リード(QFN)パッケージ(Quad Flat No-Lead package)、ランド・グリッド・アレイ(LGA)パッケージ(Land Grid Array package)、受動部品、または先記の二つ以上を含む組み合わせとすることができる。
【0033】
本明細書に記載のとおりの適切な印刷ヘッドにより堆積させた絶縁性および/または誘電体樹脂層またはパターンを硬化させることは、例えば、加熱、光重合、乾燥、堆積プラズマ、アニーリング、酸化還元反応の容易化、紫外ビームによる照射、または先記の一つもしくは複数を含む組み合わせによって実現することができる。硬化は、単一の工程を用いて実行する必要はなく、いくつかの工程(例えば、さらなる印刷ヘッドを用いて架橋物質を乾燥、および加熱、および堆積させること)を同時にまたは順次に含むことができる。
【0034】
さらには、そして別の実施形態では、架橋は、架橋物質を使用して、すなわち架橋基を形成させて共有結合により、または、例えばメタクリラート類、メタクリルアミド類、アクリラート類、またはアクリルアミド類であるがこれらには限定されないモノマー類のラジカル重合により、部分を一つに結合させることを指す。いくつかの実施形態では、架橋基は、ポリマー腕の末端に成長させる。好適な実施形態では、シロキサン-ポリマー共役物質は、アルケニル基を有しており、アルケニル基を含有する他の分子、例えば、メタクリラート類、メタクリルアミド類、アクリラート類、またはアクリルアミド類であるがこれらに限定されないもの、および架橋剤、およびラジカルの、アニオン系の、カチオン系の開始剤の非存在下または存在下で、ラジカル重合により架橋する。
【0035】
ある実施形態では、用語「コポリマー」は、二つ以上のモノマー類(三元ポリマー類、四元ポリマー類等を含む)から誘導されたポリマーを意味し、そして用語「ポリマー」は、一つまたは複数の異なるモノマーからの反復単位を有するあらゆる炭素含有化合物を指す。
【0036】
同様に、他の機能性ヘッドは、絶縁性および/または誘電体樹脂印刷ヘッドおよび/または導電性印刷ヘッドの前、間、後ろに位置させてもよい。これらは、例えば190nmと約400nmの間、例えば395nmの所定の波長(λ)で電磁放射を放出するように構成された電磁放射源を含んでいてもよく、これは、ある実施形態では、導電性インクにおいて使用される金属ナノ粒子分散物と併用することができる光重合性の絶縁性および/または誘電体樹脂を加速させる、および/または調整する、および/または扱いやすくするのに使用することができる。他の機能性ヘッドは、加熱素子、様々なインク(例えば、支持体、予備ハンダ付け用コネクティブインク(connective ink)、様々な構成成分、例えばキャパシタ、トランジスタ、および同種のもののラベル印刷)を有するさらなる印刷用ヘッド、および先記のものの組み合わせとすることができる。
【0037】
示されるとおり、混載チップ構成成分およびそれらのパッケージされた構成成分を含むプリント回路基板を製造するための方法を実現するのに使用されるシステムは、異なる金属を含有する場合のあるさらなる導電性インク印刷ヘッドを有することができる。例えば、本明細書に記載の第2の印刷ヘッドは、銀(Ag)ナノ粒子を含むことができる一方、メタリックインク用のさらなる印刷ヘッドは、異なる金属、例えば、銅、または金を含んでいてもよい。同様に、他の金属(例えば、Al)または金属前駆体もまた使用することができ、そして提供された例は、制限的であるとは見なされないものとする。
【0038】
したがって、インクジェット印刷システムは:少なくとも一つのアパーチャ、第2の導電性インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して第2の導電性インクを供給するように構成された第2の導電性インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含み、方法は:第2の導電性インク組成物を提供することと; 第2の導電性インク印刷ヘッドを使用して、印刷用の複数の混載チップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における第2の導電性インク表現に相当する所定のパターンを形成することと;複数の混載チップを含まない回路基板の2D層における第2の導電性インク表現に相当する所定のパターンを焼結させることと、をさらに含み、第2の導電性インク組成物は、第2の印刷ヘッドにおける導電性インク組成物とは異なる金属を有する。第2のメタリックインク組成物は、第2の印刷ヘッドにおける導電性インク組成物とは異なる金属を有することができ、または別の実施形態では;そしてさらに高いスループットを実現するためには、第2のメタリックインク組成物は、すべてのメタリック印刷ヘッドにおいて同一とすることができる。例えば、第1の導電性インク組成物は、銀を含むことができ、そして第2の導電性インク組成物は銅(または金)を含むことができ、そして第2の導電性インクは、配置されたチップと金属性トレースとの間にボンディングを形成してチップとするのに使用されるように構成される。別の実施形態では、第2の導電性インクは、ビア、例えば埋め込みビアまたはブラインドビア(blind via)を金属化するのに使用することができる。
【0039】
加えて、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を形成するためのすべての印刷用ヘッドおよび方法は、制御された雰囲気を内部に有する筐体において生じるように構成することができる。同様に、制御された雰囲気は、絶縁性および/または誘電体インク、および導電性インク組成物による影響を受ける可能性がある。
【0040】
他の同様な機能性ステップ(そしてそれゆえ、これらのステップに影響を与えるための手段)は、絶縁性および/もしくは誘電体樹脂インクまたはメタリック導電性インク印刷ヘッド(例えば、導電性層を焼結させるためのもの)のそれぞれの前または後になされてもよい。これらのステップは:加熱ステップ(加熱素子、または熱風により影響されるもの);光退色(フォトレジストマスク支持体パターンのもの)、光硬化、またはあらゆる他の適切な化学放射線源へ曝露(例えば、UV光源を使用してのもの);乾燥(例えば、真空領域、または加熱素子を使用してのもの);(反応性)プラズマ堆積(例えば、加圧プラズマガンおよびプラズマビームコントローラを使用してのもの);例えばカチオン系の開始剤、例えば[4-[(2-ヒドロキシテトラデシル)-オキシル]-フェニル]-フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナートを使用してなされるフレキシブル樹脂ポリマー溶液またはフレキシブル導電性樹脂溶液への架橋;コーティングに先立って;アニーリング、または酸化還元反応の容易化、およびそれらの工程が利用される順番にかかわらず、それらの組み合わせを含んでいてもよい(が、それらに限定されない)。特定の実施形態では、レーザー(例えば、選択的レーザー焼結/溶融、直接レーザー焼結/溶融)、または電子ビーム溶融は、リジッド樹脂、および/またはフレキシブル部分に使用することができる。導電性部分の焼結は、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の構成成分のリジッド樹脂性部分の最上部に導電性部分が印刷される状況でも生じ得ることに留意されたい。
【0041】
特定の実施形態では、本明細書に提供されたシステムは、CAMモジュールと通信するロボットアームをさらに含み、そしてCAMモジュールの制御のもと、複数のチップのそれぞれをその所定の場所に配置するように構成される。ロボットアームは、一体に印刷されたダイ・パッドにチップを動作可能に結合および接続するようにさらに構成することができる。
【0042】
示されるとおり、開示されたPCBに混載されたチップは、基板、例えばPCBであって、その中央を通って延びる細長いアパーチャを有するものを典型的には含む、BGAチップパッケージとすることができる。半導体ダイまたは装置、(例えばダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))は、基板の反対側または底側に搭載することができ、その場所は、半導体ダイの活性な表面上に単一の列または複数の列をなす複数のボンディングパッドを有することが多い。基板(PCB)上またはその内部に位置する回路トレースは、ボンディングパッドと、それぞれの導電性の接続要素、例えばハンダボールとの間に電気的通信を維持する役割をはたす。導電性要素は典型的には、コンタクトパッドと電気的に通信するそしてそれに取り付けられたハンダボールを含む、または選択した回路トレースの終端点に直接配置された、またはこれと電気的に通信する、単なるハンダボールとすることができる。あるいは、特定の事前に選択された導電性品質を有する導電性充填エポキシ材料から作られた導電性ボールもまた、頻繁に使用される。導電性要素またはボールは、導電性の要素またはハンダボールが事前に選択されたサイズまたはサイズのものである、そして一つまたは複数の事前に選択された距離、またはピッチで互いから離間している、グリッド・アレイ(grid array)のパターンに配置されている。それゆえ、用語「ファイン・グリッド・アレイ(fine ball grid array)」(FBGA)は、互いから非常に小さい距離で離間している結果として小さい寸法の空きまたはピッチとなる、比較的小さい導電性要素またはハンダボールと見なされるものを有する、特定のボール・グリッド・アレイのパターンを単に指す。本明細書に概して使用されるとおり、用語「ボール・グリッド・アレイ」(BGA)は、ボール・グリッド・アレイだけでなくファイン・ボール・グリッド・アレイ(FBGA)も包含する。したがってそしてある実施形態では、本明細書に記載の方法を使用して印刷された導電性インクを表現するパターンは、インターコネクト(換言すれば、ハンダ)ボールを製造するように構成される。
【0043】
本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の絶縁性および/または誘電体部分においては;導電性層は、絶縁性および/または誘電体樹脂層の上方でコーティングパターンから別個に、絶縁性および/または誘電体樹脂層の間に(同時におよび直接に)堆積させることができ、そして明確に異なるものにできることに留意されたい。例えば、導電体層は、支持体層を覆うように堆積させることができ、これは、除去の後では、いかなる樹脂材料からも独立したものとなる(例えば、304q、
図2Aを見られたい)。
【0044】
したがって、ある実施形態では、第2の印刷ヘッドを使用し、そして導電性インクを基板上に、またはそう要求があるならばチャック上に堆積させ、これにより第1の印刷された導電体(伝導性)パターン層を形成するステップ、ならびに/または絶縁性および/もしくは誘電体リジッド樹脂含有インクジェットインクを、除去可能な基板(またはチャック)上に、および/もしくはまたは除去可能な支持体上に堆積させるステップは、加熱、光硬化、乾燥、堆積プラズマ、架橋、アニーリング、酸化還元反応の容易化、焼結、溶融するステップ、または先記の一つもしくは複数を含むステップの組み合わせの後に生じる、前に生じる、またそれと同時に生じる。事前の、または事後の部分処理(換言すれば、絶縁性および/または誘電体リジッド樹脂および/または導電性および/または随意の支持体部分の機能化)は、さらなる絶縁性および/または誘電体樹脂インク印刷ヘッド、さらなる導電性インク印刷ヘッド、またはその他のあらゆる入れ替えを使用するステップの前または後のいずれかで生じる。
【0045】
導電性インク組成物の調合は、堆積ツールにより(例えば、組成物の粘度および表面張力に関して)、および堆積表面の特徴(例えば、もし使用するのであれば、剥離可能なまたは除去可能な基板または支持体材料の親水性または疎水性、および界面エネルギー)により、または引き続く層を上に堆積させる基板層により課される要求を、もしそれらがあるのであれば考慮に入れてもよい。圧電ヘッドを用いるインクジェット印刷を使用すると、導電性インクおよび/または樹脂形成インクジェットインクのいずれかの粘度(印刷温度℃で測定されるもの)は、例えば、約5cP以上、例えば、約8cP以上、または約10cP以上、および約30cP以下、例えば、約20cP以下、または約15cP以下とすることができる。導電性インクは、50msの表面寿命および25℃で最大泡圧測定法により測定される、約25mN/mと約35mN/mの間、例えば約29mN/mと約31mN/mの間の動的表面張力(インクジェットインク小液滴が印刷ヘッドアパーチャのところで形成される場合、表面張力を指す)を有するようにそれぞれ構成する(例えば、調合する)ことができる。動的表面張力は、剥離可能な基板、支持体材料、樹脂層、またはそれらの組み合わせとの、約100°と約165°の間の接触角が得られるように調合することができる。
【0046】
本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を製造する方法において金属性の組成物を使用することは、溶媒に懸濁させた金属性の銅、銀、アルミニウムのナノ粒子、または先記の一つもしくは複数、そして他の金属(例えば、周期律表のIA(1)族)を含むメタリックインクジェットインク組成物、バインダ、および溶媒から本質的に構成することができ、インク中のナノ粒子の直径、形状、および組成比は最適化され、よって層、または高密度に印刷されたパターンの形成が可能になる。金属インクの選択は、印刷するよう求められる混載チップ構成成分を含む3Dプリント回路基板の最終的な特性に依存することになることに留意されたい。これらの粒子は、所望の応用に適切なサイズ範囲とすることができる。ある実施形態では、銀を使用して形成された導電性部分のパターンは、ナノ銀粒子懸濁液のインクを使用して印刷される。本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の2D表現の導電性部分は、その品質を、高アスペクト比を有する薄いまたは小さい特徴(例えば、薄片または棒)を有する例えば銀ナノ粒子による焼結の最中に、顕著に強化することができる。換言すれば、アスペクト比を有する金属性ナノ粒子を有することにより、Rは、1よりはるかに高い(R>>1)。高アスペクト比を有することで、例えば、チャック上での基板の運動の方向へのインクの流れの向きに起因して、または別の実施形態では、印刷ヘッドの開口からの吐出工程により、ナノ粒子を整列させたものを作り出すことができる。
【0047】
ある実施形態では、用語「チャック」は、基板または被加工物を支持する、保持する、または維持する機構を意味することが意図される。チャックは、一つまたは複数の部分品を含んでいてもよい。一実施形態では、チャックは、ステージおよび挿入材の組み合わせ、プラットフォームを含んでいても、ジャケットを被せてあっても、またはそうでなければ加熱および/または冷却用に構成されていても、そして別の同様な構成成分、またはそれらのあらゆる組み合わせを有していてもよい。
【0048】
ある実施形態では、混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の直接的な、連続した、または半連続的なインクジェット印刷を可能にするインクジェットインク組成物、システム、および方法によれば、除去可能な基板またはあらゆる引き続く層の上で所定の距離をとって例えば二次元(X-Y)(これは、印刷ヘッドがZ軸方向にも動くことができると理解されるものとする)で印刷ヘッド(または基板)が操作されると、開口から一滴ずつ、本明細書において提供される液体インクジェットインクの小液滴を排出することによって、パターン形成することができる。印刷ヘッドの高さは、例えば、固定された距離を維持しながら、層の数とともに変化させることができる。各小液滴は、命令があると、例えばある実施形態では、変形可能な圧電結晶を介した圧力インパルスにより、開口に動作可能に結合した井戸の中から基板まで、所定の軌跡をとるように構成することができる。第1のインクジェットメタリックインクの印刷は追加することができ、さらに数の多い層に対応することができる。本明細書に記載の方法において使用される提供されたインクジェット印刷ヘッドは、約0.3μm~10,000μm以下の最小の層膜厚を提供することができる。
【0049】
同様に、用語「接触させる」は、ある実施形態では、配合しても、混合しても、スラリー化しても、溶解させても、反応させても、処理しても、またはそうでなければいくつかの他の方法で接触させてもよい材料を指すのに使用される。それゆえ、用語「接触させる」は、二つ以上の構成成分を「反応させる」ことを包含し、そして互いに反応しない二つ以上の構成成分を「混合する」または「配合する」こともまた包含する。
【0050】
記載の方法において使用される、そして記載のシステムにおいて実現可能な様々な印刷ヘッドの間のコンベヤ操作は、約5mm/secと約1000mm/secの間の速度で移動するように構成することができる。例えば、チャックの速度は、例えば:所望のスループット、工程において使用される印刷ヘッドの数、印刷される本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の層の数および厚さ、インクの硬化時間、インク溶媒の蒸発速度、金属粒子または金属性のポリマーペーストの第1のインクジェット導電性インクを含有する印刷ヘッドと、第2の、熱硬化性樹脂および基板形成インクジェットインクを含む第2の印刷ヘッドとの間の距離、および同種のもの、または先記の一つもしくは複数を含む因子の組み合わせに依存し得る。
【0051】
ある実施形態では、様々なインクの動粘度は約0.1と約30cP・s(mPa・s)の間にそれぞれあるものとすることができ、例えば最終的なインク製剤は、作用する温度で8~12cP・sの粘度を有することができ、この温度は制御することができるものである。例えば、先記のものを含む金属性ナノ粒子分散剤、溶液、エマルジョン、懸濁液、または液体組成物、または樹脂インクジェットインクは、約5cP・sと約25cP・s、または約7cP・sと約20cP・s、具体的には、約8cP・sと約15cP・sの間にそれぞれあるものとすることができる。
【0052】
ある実施形態では、メタリック(またはメタリック)インク、および/または第2の、樹脂インクの各小液滴の体積は、0.5から300ピコリットル(pL)、例えば1~4pLの範囲とすることができ、そして駆動パルスの強度およびインクの特性に依存し得る。単一の小液滴を排出する波形は、10Vから約70Vのパルス、または約16Vから約20Vとすることができ、そして約2kHzと約500kHzとの間の周波数で排出することができる。
【0053】
絶縁性および/または誘電体樹脂インクは、印刷ヘッド貯蔵部の内部で安定であるように構成することができる。例えば、固形分含有量(すなわち、コロイド懸濁液であれば懸濁させた固形分、または溶液であれば溶質)は、約5重量%と約100重量%の間とすることができる。特定の実施形態では、界面活性剤は必要でないことがあり、そしてインクは、光活性モノマー/オリゴマー類およびそれらの組み合わせを組み込むことにより100%活性とすることができ、そのなかでは、確認できるような沈殿は生じ得ない。さらに、インク粘度は、小液滴の吐出を容易にするように調整することができる。したがって、ある実施形態では、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を形成する方法において使用される樹脂インク溶液の表面エネルギー(γ)は、動粘度(μ)とともに、それぞれ約25mN/mと約35mN/mの間、そして約8mN・s/m2 (cP)と約15mN・s/m2 (cP)との間の範囲とすることができる。例えば、混載チップを含むプリント回路基板において懸濁させたサブミクロン粒子からなる、特定の実施形態で使用されるインク、誘電体インク、およびメタリック粒子インク、さらには、いくつかの実施形態では、樹脂インクは、印刷ヘッドのマイクロ液体チャネル内部のいくつかの閾値(例えば、ノズル開口およびノズル頚部)より決まる最適な動作を容易にするように構成することができる。
【0054】
ある実施形態では、架橋物質、コモノマー、コオリゴマー、コポリマー、または、先記の一つまたは複数を含み、提供された絶縁性および/または誘電体インク、および/または導電性インク組成物において使用される組成物は、樹脂性インク組成物の内部で、溶液、エマルジョン、または懸濁液の一部分とすること、またはそれを形成するように構成することができる。
【0055】
絶縁性および/または誘電体および/または導電性の樹脂インク部分の印刷されるパターンは、樹脂の豊富なインク組成物、例えば、懸濁液、エマルジョン、溶液、および同種のものから製造することができる。用語「樹脂の豊富な」とは、含まれるポリマー樹脂構成成分の割合が、顔料粒子を互いに結合させる、そして樹脂層を、下層基板、または別の混載チップ構成成分層を含むプリント回路基板、または支持体部分、およびそれらの組み合わせに結合させるのに必要とされるよりも多い組成物を指す。例えば、樹脂の豊富な構成成分層は、全樹脂インク重量の少なくとも95重量%の量のポリマー樹脂を含んでいてもよい。
【0056】
記載されるとおり、混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の製造に使用されるCAMモジュールにより実行されるそれに関連するパラメータの選択のステップにおいて使用されるパラメータは、例えば:混載チップ構成成分を含むプリント回路基板に関連するパラメータの選択において使用されるパラメータとすることができ、それらは;層における絶縁性および/または誘電体樹脂インクパターン、層における導電性インクパターン、絶縁性および/または誘電体樹脂に対する硬化の要求、層における導電性インクパターンに対する焼結、各チップの場所および/またはタイプ、スループットの要求、または先記の一つもしくは複数を含むパラメータの組み合わせである。
【0057】
用語「モジュール」の使用は、モジュールの部分として記載された、または特許請求された構成成分または機能性がすべて、(単一で)共通のパッケージに構成されているということを示唆しているわけではない。実際、モジュールの様々な構成成分のいずれかまたはすべては、制御論理であれまたは他の構成成分であれ、単一のパッケージに組み合わせることができ、または別個に維持することができ、そしてさらには、複数のグループ分けもしくはパッケージに、または複数の(遠隔の)場所をまたいで分配することができる。
【0058】
CAMモジュールは:混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の3D可視化ファイルから変換されたファイルを記憶する2Dファイルのライブラリ;ライブラリと通信するプロセッサ;プロセッサによる実行のための動作命令セットを記憶するメモリ装置;プロセッサと、そしてライブラリと通信するマイクロメカニカルインクジェット印刷ヘッド;および2Dファイルのライブラリ、メモリおよびマイクロメカニカルインクジェット印刷ヘッドと通信する印刷ヘッドインターフェース回路を含むことができ、2Dファイルのライブラリが、機能性層に特定のプリンタ動作パラメータを提供するよう構成され;製造されることになる混載チップ構成成分を含む3D樹脂プリント回路基板と関連する計算機支援設計/計算機支援製造(CAD/CAM)により生成された情報を前処理し、これにより複数の2Dファイルを取得し;前処理するステップにおいて処理された複数の2Dファイルを、混載チップ構成成分を含むプリント回路基板3D可視化ファイルから2Dファイルのライブラリ上に読み込み;そして2Dファイルのライブラリを使用して、プロセッサに、所定の順番で混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の所定の層を印刷するように命令する。
【0059】
本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板の製造に使用される混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を表現する3D可視化ファイルは:ODB、ODB++、.asm、STL、IGES、STEP、Catia、SolidWorks、Autocad、ProE、3D Studio、Gerber、Rhino,Altium、Orcad、または先記の一つもしくは複数を含むファイルとすることができ;そして、少なくとも一つの、実質的に2D層を表現する(そしてライブラリに読み込まれた)ファイルは、例えば、JPEG、GIF、TIFF、BMP、PDFファイル、または先記の一つもしくは複数を含む組み合わせとすることができる。
【0060】
特定の実施形態では、CAMモジュールは、混載チップ構成成分を含む一つまたは複数のプリント回路基板、例えば、電子構成成分、機械部分、コネクタ、および同種のものを製造するための計算機プログラム製造物をさらに含む。印刷された構成成分は、個別の金属性(導電性)構成成分および樹脂性(絶縁性および/または誘電体)構成成分の両方を含むことができ、これらは、PCBおよび/またはFPCのリジッド部分またはフレキシブル部分のいずれかの上に随意に同時にまたは順次かつ連続してそれぞれおよび両方とも印刷されているものである。用語「連続する」およびその変形例は、実質的に断絶のない工程における印刷を意味することが意図される。別の実施形態では、連続するとは、層、部材、または構造に、その長さに沿って層、部材、または構造の顕著な断絶がないことを指す。
【0061】
本明細書に記載の印刷工程を制御する計算機は:計算機可読記憶媒体であって、それを用いて実体化される計算機可読プログラムコードを有する媒体を含むことができ、計算機可読プログラムコードは、デジタル計算装置におけるプロセッサにより実行されると、三次元インクジェット印刷ユニットに:製造されることになる本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板と関連する、計算機支援設計/計算機支援製造(CAD/CAM)により生成された情報(換言すれば、混載されたチップ構成成分を含むプリント回路基板を表現する3D可視化ファイル)を前処理し、これにより、複数の2Dファイル(換言すれば、混載されたチップ構成成分を含むおよび/または含まないプリント回路基板を印刷するための少なくとも一つの、実質的に2D層だけでなく、その他の構成成分に対する区画指定を表現するファイル)であって、特定の順番で所定の層のための特定の各2Dファイルを取得するステップと;前処理のステップにおいて処理された複数の2Dファイルを2Dファイルのライブラリ上に読み込むステップと;基板の表面で三次元インクジェット印刷ユニットの第1のインクジェット印刷ヘッドから、金属性の材料の小液滴の流れを誘導するステップと;基板の表面で三次元(3D)インクジェット印刷ユニットの第1のインクジェット印刷ヘッドから、絶縁性および/または誘電体樹脂材料の小液滴の流れを誘導するステップと;あるいはまたは加えて金属性のパターン、および/または樹脂パターンの表面で三次元インクジェット印刷ユニットの別のインクジェット印刷ヘッドから、小液滴材料の流れを誘導するステップと;基板のx-y平面内で基板に対してインクジェットヘッドを移動させるステップと、を実行させ、複数の層のそれぞれについて、基板のx-y平面内で基板に対してインクジェットヘッドを移動させるステップは、基板上で、本明細書に記載の混載されたチップ構成成分を含むプリント回路基板の1層ごとの製造において実行される。
【0062】
加えて、計算機プログラムは、本明細書に記載の方法のステップを実行するためのプログラムコード手段だけでなく、計算機で読むことができる媒体、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリスティック上に、または、計算機プログラム製造物が計算機のメインメモリに読み込まれて、計算機により実行されると、データネットワーク、例えばインターネットまたはイントラネットを介してアクセスすることができる記憶媒体上に記憶されたプログラムコード手段を含む計算機プログラム製造物を含むことができる。
【0063】
本明細書に記載の方法において使用されるメモリ装置は、様々なタイプの不揮発性メモリ装置または記憶装置(換言すれば、電力の非存在下でその中の情報を失わないメモリ装置)のいずれかとすることができる。用語「メモリ装置」は、インストール媒体、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク、もしくはテープ装置、または不揮発性メモリ、例えば磁気媒体、例えば、ハードドライブ、光学ストレージ、もしくはROM、EPROM、FLASH等を包含することが意図される。メモリ装置は、その他のタイプのメモリを同様に含んでいても、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。加えて、メモリ媒体は、プログラムが実行されている第1の計算機(例えば、提供される3Dインクジェットプリンタ)の中に位置していてもよい、および/またはネットワーク、例えばインターネット上で第1の計算機に接続する第2の異なる計算機の中に位置していてもよい。後者の実例では、第2の計算機は、プログラム命令を、実行用の第1の計算機にさらに提供してもよい。用語「メモリ装置」はまた、異なる場所、例えば、ネットワーク上で接続されている異なる計算機の中に常駐していてもよい二つ以上のメモリ装置を含むこともできる。したがって、例えば、ビットマップライブラリは、提供される3Dインクジェットプリンタに結合されたCAMモジュールから遠隔のメモリ装置上に常駐することができ、そして提供される3Dインクジェットプリンタにより(例えば、ワイドエリアネットワークによって)アクセスすることができる。
【0064】
具体的に別途言及のない限り、以下の考察から明らかなとおり、明細書全体を通して、「処理する」、「読み込む」、「通信する」、「検出する」、「計算する」、「決定する」、「解析する」、または同種のものなどの用語を使用する考察は、計算機、または計算システム、または同様な電子計算装置の作用および/または工程であって、物理的に表示されたデータ、例えばトランジスタアーキテクチャを操作して、および/または変換して、物理構造的な(換言すれば、樹脂または金属/金属性の)層として同様に表現される他のデータにする工程を指すと認識される。
【0065】
さらには本明細書に使用されるとおり、用語「2Dファイルのライブラリ」は、混載チップ構成成分を含む単一のプリント回路基板、または所与の目的に使用される混載チップ構成成分を含む複数のプリント回路基板をともに画定する所与の組のファイルを指す。2Dファイルのライブラリは、チップなしの2D層の実質的に2D表現の画像のものであることが留意される。換言すれば、パターンは、チップまたはチップパッケージ構成成分の2Dスライスなしのリード線およびダイ・パッド表現を含むことができる。別の実施形態では、チップまたはチップパッケージ構成成分の表現は、印刷されるように変換することができる。
【0066】
「2Dファイルのライブラリ」はまた、一組の2Dファイルまたは他のあらゆるラスターグラフィックスファイル形式(概して矩形グリッドの形態をとる、ピクセルの集まりとしての画像の表現、例えば、BMP、PNG、TIFF、GIF)であって、混載チップ構成成分を含まない所与のプリント回路基板の構造的な層を提供するように、索引付け、検索、および再構築されることが可能なものを指すのにもまた使用することができ、これは、その探索が、本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板に対してであれ、混載チップのない所与の特定の層に対してであれそうである。
【0067】
方法、プログラム、およびライブラリにおいて使用される、製造されることになる本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板と関連する、計算機支援設計/計算機支援製造(CAD/CAM)により生成された情報は、変換されたCAD/CAMデータパッケージに基づくことができ、例えば、IGES、DXF、DWG、DMIS、NCファイル、GERBER(登録商標)ファイル、EXCELLON(登録商標)、STL、EPRTファイル、ODB、ODB++、.asm、STL、IGES、STEP、Catia、SolidWorks、Autocad、ProE、3D Studio、Gerber、Rhino、Altium、Orcad、Eagleファイル、または先記の一つもしくは複数を含むパッケージとすることができる。加えて、グラフィックスオブジェクトに貼付される属性は、製造に必要なメタ情報を転送し、そして本明細書に記載の混載チップ構成成分を含むプリント回路基板、画像、ならびに画像の構造および色(例えば、樹脂または金属)を精密に画定でき、その結果として、設計(例えば、3D可視化CAD)から製造(例えば、CAM)への製造データの効率的なそして効果的な転送がなされる。したがって、そしてある実施形態では、前処理アルゴリズムを使用して、GERBER(登録商標)、EXCELLON(登録商標)、DWG、DXF、STL、EPRT ASM、および本明細書に記載の同種のものを2Dファイルに変換することができる。
【0068】
本明細書に開示の構成成分、工程、組み立て、および装置のさらに完全な理解は、添付図面への参照により得ることができる。これらの図(本明細書に「図(FIGs)」としても参照される)は、本開示を例示する利便性および容易性に基づいた単なる模式的な表現(例えば、例示)であり、そしてそれゆえ、装置またはその構成成分の相対的なサイズおよび寸法を表示する、および/または代表的な実施形態の範囲を画定するまたは制限するとは意図されない。特定の用語が、明瞭さの目的のために以下の説明において使用されているが、これらの用語は、図面での例示のために選択された実施形態の特定の構造のみを指すことが意図されており、開示の範囲を画定するまたは制限することは意図されない。図面および以下の説明では、同様な数字の指定は同様な機能の構成成分を指すと理解されるものとする。
【0069】
複数のチップを内部に混載して有するプリント回路基板を形成する方法を例示する、
図2A~3Cに話を戻す。本明細書に記載のシステムおよび組成物を使用して例示されるとおり、CAMモジュールを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層を表現する生成されたファイルを取得し、2D層が、絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインク、導電性インクを表現するパターンを含み、パターンが、複数のいずれのチップも、二つ以上を含む組み合わせも含まないこと;第1の印刷ヘッドを使用して、印刷用の混載された複数のチップ(例えば、201、202、)を含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターン100を形成すること。
図2Aに例示のとおり、パターンは、区画101(例えば、マイクロプロセッサ201に対してのもの)、102(例えば、熱センサ202に対してのもの)103i(例えば、キャパシタ203iに対してのもの)、104j、(例えば、LEDチップ204jに対してのもの)、および105m(例えば、抵抗器205mに対してのもの)が印刷され構築されるようにして構築され、その結果、各指定された区画が、その特定の区画に対して指定された構成成分を精密に収容するようにする。2D層は、一度にまたは引き続き一層ずつ印刷することができる。構成成分、(例えば、LEDチップ204j、および抵抗器205m)の高さは同一ではないので、特定の2D層表現が、一つの区画(例えば104j)を構築し別の区画(例えば、105m)は構築しないように指定領域を含むことになる予見することができる。ある実施形態では、区画は真っ直ぐで水平面上にある最上部を有するように構成される。しかしながら、これは、設計からくる制約に基づいて変化させることができる。
【0070】
混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンは、続いて硬化させることができる。
【0071】
図2Aおよび3Bに例示されるとおり、少なくとも二つのチップは、指定領域(換言すれば、各チップに相当する区画(例えば、マイクロプロセッサ201内)、抵抗器、キャパシタ、および混載された複数チップを含まないプリント回路基板の第1の(または必要に応じて引き続く層)、実質的に2D層に混載するよう要求される他の構成成分の中に続いて配置することができ、この場合、チップは、最上部にあるコンタクト層(例えば、210、212、換言すれば、ボンディングパッド)を用いて配置される。このようにして、チップまたは構成成分は反転されて、金属化されたコンタクトを単一の平面内で頂端にして露出させる。
【0072】
その後、第2の印刷ヘッドを使用し、プリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性インク表現に相当するパターンを形成することで、今回は、パターンが、印刷用の混載されるよう要求される複数のチップを含んでいる。例示のとおり、導電性パターンは、マイクロプロセッサ201から抵抗器205mへのトレースリード線を含むことができる。さらに例示されるのは金属化された円筒部305vであり、層400を混載するさいに画定されたブラインドビア405vの金属化された部分を形成するように構成される。また例示されるのは、各LEDチップ204jの一方の電極を、対応する抵抗器205mに接続するように構成されたインターコネクト304qだけでなく、LEDチップ204jのもう一方の電極をキャパシタ203iに(ここでは、直列に)接続するように構成されたコンタクトパッド302kであり、温度センサ202と接続している(例えば、
図2Bを見られたい)。導電性パターンは一層ずつ印刷されるので、インターコネクト304qは、平面(例えば、X-Y方向のみ)である必要は必ずしもなく、三次元(例えば、Z方向にも)に印刷することができる。同様に、そして本明細書に開示のとおり、さらなる導電性組成物を有するさらなる印刷ヘッドを使用して、特定の実施形態では、金属化された円筒部305vを形成して、これを、層400を混載するさいに画定されたブラインドビア405vの金属化された部分を一つの金属(例えば、銀Ag)から形成するように構成することが可能であり、それと同時に、インターコネクト304qを銅組成物から形成することにより、さらに大きなフレキシブル性を提供することができる。
【0073】
印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性インク表現に相当するパターンは焼結させることができる。二つの異なる金属が導電性インクに使用される場合には、焼結は、異なる方法、例えば一方についてはレーザー、そしてもう一方については加熱で生じ得ることが留意される。導電性インクを使用することで、ボンディングパッドまたはコンタクトを、ハンダ付けなしに接続することができ、よって集積回路が形成される。
【0074】
次に、CAMモジュールを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の実質的に2D層を表現する生成されたファイルを取得し、2D層が絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインクを表現するパターンを含んでおり、パターン400がプリント回路基板の中に複数のチップを混載するよう構成されること;第1の印刷ヘッドを使用して、プリント回路基板の中に混載されるよう求められる複数のチップの場所を今度は含むまたは占める、実質的にプリント回路基板の2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを形成すること;および絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを硬化させ、これにより、複数のチップを混載すること。例示されるとおり、ブラインドビア405vは、コンタクトの円筒部305vの周りに画定することができる。また例示されるのは、導電性インク組成物パターンである。
【0075】
図3A~3Cに例示されるとおり、方法は、完全に混載された構成成分を有する集積回路を直接印刷するのに使用することができる。本明細書に記載の方法における付加製造はトップダウンであるが、一方で
図1に見られる通り、PCBに構成成分を混載する現状の方法はボトムアップであることが留意される。
【0076】
本明細書において使用される用語「含む(comprising)」およびその派生語は、言及した特徴、要素、構成成分、群、整数、および/またはステップの存在を指定する限定的でない用語であることが意図されており、他の言及していない特徴、構成成分、成分、群、整数、および/またはステップの存在を除外するものではない。先記はまた、同様な意味を有する単語、例えば用語、「含む(including)」、「有する(having)」、およびそれらの派生語にも当てはまる。
【0077】
本明細書において開示されたすべての範囲は、終点を含み、そして終点は、互いに独立に組み合わせることができる。「組み合わせ」は、配合物、混合物、合金、反応生成物、および同種のものを含む。本明細書における用語「a」、「an」および「the」は、量の制限を表すのではなく、そして本明細書で別途指示のない限り、または文脈による明瞭な反論のない限り、単数と複数の両方を含むと解釈されるものとする。本明細書において使用される接尾辞「(s)」は、それが修飾する用語の単数と複数の両方を含み、これにより一つまたは複数のその用語を含む(例えば、印刷ヘッド(head(s))は一つまたは複数の印刷ヘッドを含む)ことが意図される。明細書全体を通して「一実施形態」、「別の実施形態」、「ある実施形態」等への参照は、存在する場合には、実施形態と関連して記載された特定の要素(例えば、特徴、構造、および/または特性)が、本明細書に記載の少なくとも一実施形態に含まれており、そして他の実施形態には存在しないことがあるということを意味する。加えて、記載の要素は、様々な実施形態においてあらゆる適切な方法で組み合わせることができると理解されるものとする。さらには、用語「第1」、「第2」、および同種のものは、本明細書では、いかなる順番、量、または重要性も表すものではなく、一つの要素を別の要素から区別して表すのに使用される。
【0078】
同様に、用語「約」は、量、サイズ、定式化、パラメータ、および他の量、および特性が、正確でなく、そして正確である必要がなく、近似的であってもよく、および/またはより大きくてももしくはより小さくてもよく、所望のとおり、冗長性、変換因子、丸め込み、測定誤差、および同種のもの、ならびに当業者には公知である他の因子を反映することを意味する。概して、量、サイズ、定式化、パラメータ、または他の量もしくは特性は、明示的にそう述べているにせよいないにせよ、「約」または「近似的」である。
【0079】
それゆえ、本明細書において提供される実施形態におけるのは:少なくとも一つのアパーチャ、絶縁性および/または誘電体樹脂インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインクを供給するように構成された絶縁性および/または誘電体樹脂ポンプを有する第1の印刷ヘッドと;少なくとも一つのアパーチャ、導電性インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して導電性インクを供給するように構成された導電性インクポンプを有する第2の印刷ヘッドと;第1、第2、第3、および第4の印刷ヘッドに動作可能に結合されて、第1、第2、第3、および第4の印刷ヘッドのそれぞれに基板を搬送するように構成されたコンベヤと;データプロセッサ;不揮発性メモリ;および前記不揮発性メモリ上に記憶された一組の実行可能命令であって、混載された複数のチップを含むプリント回路基板を表現する3D可視化ファイルを受信すること;混載された複数のチップを含むプリント回路基板を印刷するための少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルを生成し、少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルが、複数のいずれのチップの表現も含まず、チップなしに実質的に2D層の実質的に2D表現の画像を作り出すこと;混載された複数のチップを含むプリント回路基板に関連したパラメータの選択を受信すること;およびパラメータの選択の少なくとも一つに基づいて少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルを変更すること、に使用される実行可能命令を含む、計算機支援製造(「CAM」)モジュールと、を有するインクジェット印刷システムを提供し、CAMモジュールが、印刷ヘッドのそれぞれを制御するように構成されることと;絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインク組成物、ならびに導電性インク組成物を提供することと;CAMモジュールを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層であって、絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインク、導電性インクを表現するパターンを含む2D層を表現する生成されたファイルを取得し、パターンが、複数のいずれのチップも、二つ以上を含む組み合わせも含まないことと;第1の印刷ヘッドを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを形成することと;混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンであって、複数のチップ、抵抗器、キャパシタ、および他のいずれかの関連する構成成分のそれぞれに対する指定領域を画定するパターンを硬化させることと;混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層上の指定領域に少なくとも二つのチップを配置し、チップが、最上部にあるコンタクト層を用いて配置されることと;第2の印刷ヘッドを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性インク表現に相当するパターンを形成することと;印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における導電性インク表現に相当するパターンを焼結させることと;CAMモジュールを使用して、印刷用の混載された複数のチップを含むプリント回路基板の実質的に2D層であって、絶縁性および/または誘電体樹脂インクジェットインクを表現するパターンを含む2D層を表現する生成されたファイルを取得し、パターンが、プリント回路基板の中に複数のチップを混載するように構成されることと;第1の印刷ヘッドを使用して、プリント回路基板の中に複数のチップを混載するように構成された、混載された複数のチップを含むプリント回路基板の実質的に2D層における絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを形成することと;絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当するパターンを硬化させ、これにより複数のチップ混載することと、を含む、インクジェットプリンタを使用してプリント回路基板に複数のチップを混載する方法であって、(i)複数の混載チップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層上の指定領域に少なくとも二つのチップを配置するステップに先立って、CAMモジュールを使用し、第1の層に引き続く印刷用の複数の混載チップを含まないプリント回路基板の実質的に2D層を表現する生成されたファイルを取得することと;絶縁性および/または誘電体樹脂の引き続く層を形成するステップを反復することと、をさらに含み、(ii)第1の層を硬化させるステップが、加熱、光重合、乾燥、堆積プラズマ、アニーリング、酸化還元反応の容易化、または先記の一つもしくは複数を含む組み合わせを含み、(iii)導電性インク組成物が:約20nmと約150nmとの間の平均直径D2,1粒子サイズを有する金属ナノ粒子;および随意に溶媒を含み、(iv)金属ナノ粒子のアスペクト比が、実質的に1より大きく(>>1)、(v)絶縁性および/または誘電体樹脂インクが、多官能性アクリラートのモノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの組み合わせと;架橋物質と;ラジカル光開始剤との溶液であり、(vi)絶縁性および/または誘電体樹脂が:ポリエステル(PES)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ(ビニルアセタート)(PVA)、ポリ-メチルメタクリラート(PMMA)、ポリ(ビニルピロリドン)、または先記の一つもしくは複数の混合物もしくはコポリマーを含む組み合わせであり、(vii)複数のチップがチップパッケージを含み、(viii)チップパッケージが、クワッド・フラット・パック(QFP)パッケージ、薄型スモール・アウトライン・パッケージ(TSOP)、スモール・アウトライン集積回路(SOIC)パッケージ、スモール・アウトラインJ-リード(SOJ)パッケージ、プラスチック・リーディッド・チップ・キャリア(PLCC)パッケージ、ウェーハ・レベル・チップ・スケール・パッケージ(WLCSP)、モールド・アレイ・プロセス・ボール・グリッド・アレイ(MAPBGA)パッケージ、クワッド・フラット・ノーリード(QFN)パッケージ、ランド・グリッド・アレイ(LGA)パッケージ、受動部品、または先記の二つ以上を含む組み合わせであり、(ix)複数の混載チップを含むプリント回路基板に関連するパラメータの選択において使用されるパラメータが;層における絶縁性および/または誘電体樹脂インクパターン、層における導電性インクパターン、絶縁性および/または誘電体樹脂に対する硬化の要求、層における導電性インクパターンに対する焼結、各チップの場所および/またはタイプ、スループットの要求、または先記の一つもしくは複数を含むパラメータの組み合わせであり、(x)複数の混載チップを含むプリント回路基板を表現する3D可視化ファイルが、ODB、ODB++,.asm、STL、IGES、STEP、Catia、SolidWorks、Autocad、ProE、3D Studio、Gerber、Rhino、Altium、Orcad、Eagleファイル、または先記の一つもしくは複数を含むファイルであり;そして少なくとも一つの、実質的に2D層を表現するファイルが、JPEG、GIF、TIFF、BMP、PDFファイル、または先記の一つもしくは複数を含む組み合わせであり、(xi)インクジェット印刷システムが:少なくとも一つのアパーチャ、第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インクを供給するように構成された第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含み、方法は:第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物を提供することと;第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク印刷ヘッドを使用して、印刷用の複数の混載チップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク表現に相当する所定のパターンを形成することと;混載された複数のチップを含まない回路基板の2D層における第2の絶縁性および/または誘電体樹脂表現に相当する所定のパターンをまたは硬化させることと、をさらに含み、第2の絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物が、第1の印刷ヘッドにおける絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物とは異なるインク組成物を有し、(xii)インクジェット印刷システムは:少なくとも一つのアパーチャ、第2の導電性インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して第2の導電性インクを供給するように構成された第2の導電性インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含み、方法は:第2の導電性インク組成物を提供することと;第2の導電性インク印刷ヘッドを使用して、印刷用の複数の混載チップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における第2の導電性インク表現に相当する所定のパターンを形成することと;複数の混載チップを含まない回路基板の2D層における第2の導電性インク表現に相当する所定のパターンを焼結させることと、をさらに含み、第2の導電性インク組成物は、第2の印刷ヘッドにおける導電性インク組成物とは異なる金属を有し、(xiii)インクジェット印刷システムは:少なくとも一つのアパーチャ、支持体インク貯蔵部、ならびにアパーチャを通して支持体インクを供給するように構成された支持体インクポンプを有するさらなる印刷ヘッドをさらに含み、方法は:支持体インク組成物を提供することと;第1の印刷ヘッドおよび/または第2の印刷ヘッドを使用するステップの前に、これと同時に、またはこれに引き続いて、支持体インク印刷ヘッドを使用して、印刷用の複数の混載チップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層における支持体表現に相当する所定のパターンを形成することと;複数の混載チップを含まないプリント回路基板の2D層における支持体表現に相当する所定のパターンを官能化させることと、をさらに含み、(xiv)インクジェット印刷システムは、ロボットアームをさらに含み、方法は:ロボットアームを使用して、混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層上の指定領域に少なくとも二つのチップを配置することをさらに含み、(xv)絶縁性および/または誘電体樹脂インク組成物が、導電性樹脂インク組成物に接着するように構成され、(xvi)印刷用の混載された複数のチップを含まないプリント回路基板の第1の、実質的に2D層は、抵抗器、トランジスタ、キャパシタ、センサ、ビア、または先記を含む組み合わせに対しての指定領域に印刷されるように構成されたパターンを含み、(xvii)導電性インクを表現するパターンが、インターコネクトボールを製造するよう構成され、(xviii)第1の導電性インクが銀を含み、第2の導電性樹脂が銅を含み、そして第2の導電性インクが、リード線へのボンディングを形成するように構成され、そして(xix)第2の誘電体樹脂インクが、チップ上でモールドフレームを形成するよう構成される。
【0080】
変換された3D可視化CAD/CAMデータパッケージに基づいてインクジェット印刷を使用して、混載チップ構成成分を含むプリント回路基板を3D印刷することについての先記の開示を、いくつかの実施形態に関連して記載してきたものの、他の実施形態は、本明細書おける開示から当業者には明らかであろう。さらに、記載の実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規方法、プログラム、ライブラリ、およびシステムは、それらの趣旨から逸脱することなく、多様な他の形態で具現化されてもよい。したがって、他の組み合わせ、省略、置換、および修正は、本明細書おける開示に鑑みて当業者には明らかであろう。