(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】胸部バー及び安定化デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
A61B17/80
(21)【出願番号】P 2019543354
(86)(22)【出願日】2018-02-09
(86)【国際出願番号】 US2018017663
(87)【国際公開番号】W WO2018148572
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2019-12-20
(32)【優先日】2017-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516277727
【氏名又は名称】ジンマー バイオメット シーエムエフ アンド ソラシック,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】サディー ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】ジェイデン ガーフィールド
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0058786(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0296262(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0160776(US,A1)
【文献】特表2000-501624(JP,A)
【文献】国際公開第2015/056204(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0117016(US,A1)
【文献】米国特許第02616328(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0310180(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0309699(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0378976(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胸部バー集成体であって、
第1周囲を含む第1部分、及び、前記第1部分とは反対側の第2部分を含む胸部バーと、
安定器であって、
前記胸部バーの前記第2部分と係合可能な
第1シェルフと凹部
とを含む本体、及び、
前記胸部バーの前記第1部分と係合し、前記第1部分に該安定器を固定するために本体内部で回転可能なロッキングカムを含む安定器と、
を含む、胸部バー集成体。
【請求項2】
前記凹部は、前記本体の第2の側に対して開いており、前記ロッキングカムは、前記本体の第1の側と係合可能である、請求項1に記載の集成体。
【請求項3】
前記凹部は、前記本体の第1の側に対して開いており、前記ロッキングカムは、前記本体の第1の側と係合可能である、請求項1に記載の集成体。
【請求項4】
前記本体はさらに、
前記凹部と交差するカム孔を含み、前記ロッキングカムがカム孔内部で回転可能である、請求項1から3のいずれか1項に記載の集成体。
【請求項5】
前記カム孔はさらに第1切り欠きを含み、
前記ロッキングカムはタブを含み、前記タブは前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第1切り欠きと係合して、前記ロッキングカムをロック位置に維持する、請求項4に記載の集成体。
【請求項6】
前記カム孔はさらに第2切り欠きを含み、前記タブが前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第2切り欠きと係合して、前記ロッキングカムを部分係合位置に維持する、請求項5に記載の集成体。
【請求項7】
前記カム孔はさらに第3切り欠きを含み、前記タブは前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第3切り欠きと係合して、前記ロッキングカムを開位置に維持する、請求項6に記載の集成体。
【請求項8】
前記ロッキングカムはさらに、
前記ロッキングカムの周囲に近接して配置された、前記タブを含むアームと、
前記アームを支持するリビングヒンジであって、前記アームが伸長位置と圧縮位置との間で動くのを可能にするように可撓性であり、前記伸長位置では前記タブが前記ロッキングカムをロックするように切り欠きと係合し、前記圧縮位置では前記タブが前記切り欠きと係合解除して、前記ロッキングカムが前記カム孔内部で回転するのを可能にする、リビングヒンジと、
を含む、請求項5に記載の集成体。
【請求項9】
前記カム孔はさらに傾斜エッジを含み、前記傾斜エッジは、前記ロッキングカムが前記カム孔及び前記胸部バーからロック解除されるのを可能にする圧縮位置へ前記アームを動かすように、前記切り欠きと係合されるようになっている、請求項8に記載の集成体。
【請求項10】
前記カム孔はさらに孔ストッパを含み、
前記孔ストッパは、カム孔内部の前記ロッキングカムの回転限界を設定するために前記ロッキングカムと係合するように形成されている、請求項4に記載の集成体。
【請求項11】
前記第1切り欠きは前記本体内部に配置されており、前記アームは前記切り欠きと内部で係合する、請求項8に記載の集成体。
【請求項12】
前記安定器はさらに、開口に近接して前記凹部から、前記ロッキングカムへ向かって延びる安定器シェルフを含み、前記安定器シェルフは前記第2部分と係合可能であり、
前記ロッキングカムはさらに、前記胸部バーと係合可能なカムシェルフを含む、
請求項1から11のいずれか1項に記載の集成体。
【請求項13】
前記安定器は前記胸部バーの長さに沿った任意の地点で前記胸部バーと係合可能である、請求項1から12のいずれか1項に記載の集成体。
【請求項14】
第1カム孔内部で前記ロッキングカムが回転可能な、前記凹部と交差する第1カム孔と、
前記第1カム孔とは反対側で前記凹部と交差する第2カム孔と、
前記胸部バーと係合するように第2カム孔内部で回転可能な第2ロッキングカムと、をさらに含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の集成体。
【請求項15】
前記ロッキングカムはさらに、
ツールと係合可能な外側部分を含み、前記外側部分が、前記ロッキングカムがロック位置にあるときに前記安定器の前記本体と面一になるように角度付けされている、請求項1から14のいずれか1項に記載の集成体。
【請求項16】
前記ロッキングカムはさらに、
前記胸部バーに対して前記ロッキングカムの回転を制限するために、前記胸部バーと係合可能なバーストッパを含む、請求項11から15のいずれか1項に記載の集成体。
【請求項17】
第1周囲を含む第1部分、及び、前記第1部分とは反対側の第2部分を含む胸部バーのための胸部バー安定器であって、
人間の胸壁に固定可能な本体
であって、前記胸部バーの前記第2部分と係合可能な第1シェルフを含む本体と、
前記胸部バーの前記第1部分と係合し、前記第1部分に安定器
を固定するように動作可能な、本体内部で回転可能なロッキングカムと、
を含む、胸部バー安定器。
【請求項18】
前記本体はさらに、前記胸部バーと係合可能な凹部を含む、請求項17に記載の胸部バー安定器。
【請求項19】
前記本体はさらに、
前記凹部と交差するカム孔を含み、前記ロッキングカムはカム孔内部で回転可能である、請求項18に記載の胸部バー安定器。
【請求項20】
前記カム孔はさらに第1切り欠きを含み、
前記ロッキングカムはタブを含み、前記タブは前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第1切り欠きと係合して、前記ロッキングカムをロック位置に維持する、請求項19に記載の胸部バー安定器。
【請求項21】
前記ロッキングカムはさらに、
前記ロッキングカムの周囲に近接して配置された、前記タブを含むアームと、
前記アームを支持するリビングヒンジであって、前記アームが伸長位置と圧縮位置との間で動くのを可能にするように可撓性であり、前記伸長位置では前記タブが前記ロッキングカムをロックするように切り欠きと係合し、前記圧縮位置では前記タブが前記切り欠きと係合解除して、前記ロッキングカムが前記カム孔内部で回転するのを可能にする、リビングヒンジと、
を含む、請求項20に記載の胸部バー安定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は2017年2月10日付けで出願された米国仮特許出願第62/457,532号、及び2017年4月10日付けで出願された米国仮特許出願第62/483,494号の優先権を主張する。前記出願のそれぞれの優先権は本明細書により主張され、前記出願のそれぞれは参照することにより全体的に本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
漏斗胸及びはと胸は、先天性障害に起因し得る、人間の胸壁に作用する疾患である。漏斗胸及びはと胸のいくつかの事例では、医師は患者の胸壁内にハードウェアを取り付けることにより、胸壁を再形成する。患者の生体構造いかんでは、現在のハードウェア手段は、患者の肋骨に固定するのが難しい場合がある。さらに、いくつかの外科的方法が外科的切開の数及び寸法を最小限に抑えようとするので、胸壁に取り付けられたハードウェアは、このハードウェアを患者に、そして他のハードウェアに固定するために医師がこれに手が伸ばすこと及び/又はこれを操作することが難しい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
漏斗胸及びはと胸が外科的矯正を必要とする場合、一般的な矯正処置は、胸部バー(pectus bar)を患者の胸壁に固定することにより、胸壁を再形成して安定化することを含む。この処置は、患者の胸壁のそれぞれの側に対向する切開部を形成し、1つの切開部内へ湾曲した胸部バーを挿入し、胸骨の下に胸部バーを通し、胸部バーをフリップ(flip)し、胸部バーに安定器を固定し、集成体を胸壁に固定し、そして切開部を閉じるステップを含むことができる。
【0004】
これらの外科的処置のいくつかにおいて、切開部は審美的な目的で胸壁の外側部分(側部)に配置される。これにより、医師が安定器を胸部バーに取り付け、安定器を所望の場所に位置決めし、そして安定器を胸部バーに固定することが難しくなる。発明者はとりわけ、安定器が、胸部バーに沿った任意の場所に安定器を位置決めし、そして安定器を胸部バーに固定するプロセスを単純化するロッキング機構を含むためのジオメトリを有し得ることを認識している。これらの方法は外科的処置を短縮し、処置中の構成部分に対する損傷を低減するのを助け、時間及びコストを削減することができる。
【0005】
本明細書中に開示された装置及びシステムをさらに示すために、以下の非制限的な実施例が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例1は、胸部バー集成体であって、第1周囲を含む第1部分、及び前記第1部分とは反対側の第2部分を含む胸部バーと、前記第2部分と係合可能な凹部を含む安定器本体、及び前記第1部分に当該安定器を固定するために前記本体内部で回転可能なロッキングカムを含む安定器とを含む胸部バー集成体である。
【0007】
実施例2において、前記凹部が前記本体の第2の側に対して開いており、そして前記ロッキングカムが前記本体の第1の側で係合可能であることが、実施例1に記載のものに任意に含まれる。
【0008】
実施例3において、前記凹部が前記本体の第1の側に対して開いており、そして前記ロッキングカムが前記本体の第1の側で係合可能であることが、実施例1から2までいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0009】
実施例4において、前記本体がさらに、前記凹部と交差するカム孔を含み、前記ロッキングカムが前記カム孔内部で回転可能であることが、実施例1から3までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0010】
実施例5において、前記カム孔がさらに第1切り欠きを含み、そして前記ロッキングカムがタブを含み、前記タブが前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第1切り欠きと係合して、前記ロッキングカムをロック位置に維持することが、実施例4に記載のものに任意に含まれる。
【0011】
実施例6において、前記カム孔がさらに第2切り欠きを含み、前記タブが前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第2切り欠きと係合して、前記ロッキングカムを部分係合位置に維持することが、実施例5に記載のものに任意に含まれる。
【0012】
実施例7において、前記カム孔がさらに第3切り欠きを含み、前記タブが前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第2切り欠きと係合して、前記ロッキングカムを開位置に維持することが、実施例6に記載のものに任意に含まれる。
【0013】
実施例8において、前記ロッキングカムがさらに、前記ロッキングカムの周囲に近接して配置された、前記タブを含むアームと、前記アームを支持する当該リビングヒンジが、前記アームが伸長位置と圧縮位置との間で動くのを可能にするように可撓性であり、前記伸長位置では前記タブが前記ロッキングカムをロックするように前記切り欠きと係合し、そして前記圧縮位置では前記タブが前記ノッチと係合解除して、前記ロッキングカムが前記孔内部で回転するのを可能にする、リビングヒンジとを含むことが、実施例5から7までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0014】
実施例9において、前記孔がさらに傾斜エッジを含み、前記傾斜エッジが、前記ロッキングカムが前記カム孔及び前記胸部バーからロック解除されるのを可能にする圧縮位置へアームを動かすように、前記切り欠きと係合されるようになっていることが、実施例8に記載のものに任意に含まれる。
【0015】
実施例10において、前記孔がさらに孔ストッパを含み、前記孔ストッパが、前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転限界を設定するために前記ロッキングカムと係合するように形成されていることが、実施例5から9までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0016】
実施例11において、前記第1切り欠きが前記本体内部に配置されており、そして前記アームが前記切り欠きと内部で係合することが、実施例5から10までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0017】
実施例12において、前記安定器がさらに、前記開口に近接して前記凹部から、前記ロッキングカムへ向かって延びる安定器シェルフを含み、前記安定器シェルフが前記第2部分と係合可能であり、そして、前記ロッキングカムがさらに、前記胸部バーと係合可能なカムシェルフを含むことが、実施例1から11までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0018】
実施例13において、前記安定器が前記胸部バーの長さに沿った任意の地点で前記胸部バーと係合可能であることが、実施例1から12までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0019】
実施例14において、当該第1カム孔内部で前記ロッキングカムが回転可能な、前記凹部と交差する第1カム孔と、前記第1カム孔とは反対側で前記凹部と交差する第2カム孔と、前記胸部バーと係合するように前記第2カム孔内部で回転可能な第2ロッキングカムとを含むことが、実施例1から13までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0020】
実施例15において、前記ロッキングカムがさらに、ツールと係合可能な外側部分を含み、前記外側部分が、前記ロッキングカムがロック位置にあるときに前記安定器の前記本体と面一になるように角度付けされていることが、実施例1から14までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0021】
実施例16において、前記ロッキングカムがさらに、前記胸部バーに対して前記ロッキングカムの回転を制限するために、前記胸部バーと係合可能なバーストッパを含むことが、実施例11から15までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0022】
実施例17は、胸部バー安定器であって、人間の胸壁に固定可能な本体と、前記安定器を胸部バーに固定するように動作可能な、前記本体内部で回転可能なロッキングカムとを含む胸部バー安定器である。
【0023】
実施例18において、前記本体がさらに、前記胸部バーと係合可能な凹部を含むことが、実施例17に記載のものに任意に含まれる。
【0024】
実施例19において、前記本体がさらに、前記凹部と交差するカム孔を含み、前記ロッキングカムが前記カム孔内部で回転可能であることが、実施例18に記載のものに任意に含まれる。
【0025】
実施例20において、前記カム孔がさらに第1切り欠きを含み、そして前記ロッキングカムがタブを含み、前記タブが前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第1切り欠きと係合して、前記ロッキングカムをロック位置に維持することが、実施例17から19までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0026】
実施例21において、前記ロッキングカムがさらに、前記ロッキングカムの周囲に近接して配置された、前記タブを含むアームと、前記アームを支持する当該リビングヒンジが、前記アームが伸長位置と圧縮位置との間で動くのを可能にするように可撓性であり、前記伸長位置では前記タブが前記ロッキングカムをロックするように前記切り欠きと係合し、そして前記圧縮位置では前記タブが前記ノッチと係合解除して、前記ロッキングカムが前記孔内部で回転するのを可能にする、リビングヒンジとを含むことが、実施例17から20までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0027】
実施例22は、胸部バーに安定器を固定する方法であって、前記方法が、胸部バーの上に安定器を置き、そして前記安定器のロッキングカムを回転させることにより、前記胸部バーと係合させ、前記胸部バーに前記安定器を固定することを含む、胸部バーに安定器を固定する方法である。
【0028】
実施例23において、胸部バーの下に安定器を置き、そして前記安定器のロッキングカムを回転させることにより、前記胸部バーと係合させ、前記胸部バーに前記安定器を固定することが、実施例22に記載のものに任意に含まれる。
【0029】
実施例24は、胸部バーであって、当該第1部分の第1周囲を画定する第1面取り部を含む、第1部分と、当該第2部分の第2周囲を画定する第2面取り部を含む、前記第1部分とは反対側の第2部分と、前記第1面取り部と前記第2面取り部とを分離する、所定の半径を有する周辺とを含む、胸部バーである。
【0030】
実施例25において、前記胸部バーの第1端部に近接する、前記胸部バーを通って延びる縫合孔が、実施例24に記載のものに任意に含まれる。
【0031】
実施例26において、前記胸部バーが、患者の生体構造及び平均的患者の生体構造のうちの1つに適合するように予め湾曲させられていることが、実施例24から25までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0032】
実施例27において、前記第1面取り部及び第2面取り部が、安定器ロッキング機構と係合するように形成されていることが、実施例24から26までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0033】
実施例28において、前記胸部バーが、縦断面、横断面、及び前頭面のうちの1つ又は2つ以上に関して対称的であることが、実施例24から27までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0034】
実施例29は、胸部バー集成体であって、第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な安定器とを含み、前記安定器が、前記第1の側と係合可能な第1部分と、前記第2の側と係合可能であり且つ前記第1部分に並進可能にカップリングされ得る第2部分とを含む、胸部バー集成体である。
【0035】
実施例30において、前記1部分がさらに、前記第2部分に向かって延びて前記胸部バーと係合可能な第1シェルフを含み、そして前記2部分がさらに、前記第1部分に向かって延びて前記胸部バーと係合可能な第2シェルフを含むことが、実施例29に記載のものに任意に含まれる。
【0036】
実施例31において、前記第1部分がさらに第1孔を含み、そして前記第2部分がさらに第2孔を含むことが、実施例29から30までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0037】
実施例32は、胸部バー集成体であって、第1の側及び第2の側を有する細長い本体を含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な安定器とを含み、前記安定器が、前記第1の側と係合可能な第1部分と、前記第2の側と係合可能な第2部分と、前記第1部分を前記第2部分に結合するロッキング機構とを含み、ロッキング部分が前記安定器を前記胸部バーに固定するために作動させられるようになっている、胸部バー集成体である。
【0038】
実施例33において、前記ロッキング機構がさらに、前記第1部分を前記ロッキング機構にカップリングする第1ヒンジと、前記第2部分を前記ロッキング機構にカップリングする第2ヒンジとを含むことが、実施例32に記載のものに任意に含まれる。
【0039】
実施例34において、前記ロッキング機構がさらに第1ポストと第2ポストとを含み、前記第1部分がさらに、前記第1部分を前記胸部バーに固定するために前記第1ポストに解離可能に固定され得る第1ロッキングフォークを含み、そして前記第2部分がさらに、前記第2部分を前記胸部バーに固定するために前記第2ポストに解離可能に固定され得る第2ロッキングフォークを含むことが、実施例32から33までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0040】
実施例35において、前記第1部分がさらに第1シェルフを含み、前記第1シェルフが前記第2部分へ向かって延びていて前記胸部バーと係合可能であり、そして前記第2部分がさらに第2シェルフを含み、前記第2シェルフが前記第1部分へ向かって延びていて前記胸部バーと係合可能であることが、実施例32から34までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0041】
実施例36は、胸部バー集成体であって、第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な安定器とを含み、前記安定器が、第1部分と、前記胸部バーを受容するように形成された凹部を含む、前記第1部分とは反対側の第2部分と、前記胸部バーと係合して前記胸部バーに対して前記安定器を固定するように、前記凹部内に並進可能なシェルフとを含む、胸部バー集成体である。
【0042】
実施例37において、前記胸部バーと係合し係合解除するために前記安定器に対して前記シェルフを並進させるように回転可能な駆動装置が、実施例36に記載のものに任意に含まれる。
【0043】
実施例38は、胸部バー集成体であって、当該胸部バーが第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含み、前記第1の側が溝を含む、胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な当該安定器が、前記胸部バーの前記溝と係合するように形成された凹部を含む、安定器とを含む、胸部バー集成体である。
【0044】
実施例39において、前記安定器がさらに第1部分と第2部分とを含み、前記第1部分と第2部分とが、リビングヒンジによってカップリングされ、前記リビングヒンジとは反対側に前記凹部を形成することが、実施例38に記載のものに任意に含まれる。
【0045】
実施例40において、前記凹部を開閉するために前記第1部分と前記第2部分とにカップリング可能なファスナが、実施例38から39までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0046】
実施例41において、前記胸部バーがさらに前記第2の側の第2溝と、前記第2溝と係合可能な第2安定器とを含むことが、実施例38から40までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0047】
実施例42は、胸部バー集成体であって、第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な安定器とを含み、前記安定器が、孔を含む第1部分と、前記胸部バーを受容するように形成された凹部を含む、前記第1部分とは反対側の第2部分と、前記第2部分と係合し、前記凹部内部に前記胸部バーを固定するように、前記孔を通るファスナとを含む、胸部バー集成体である。
【0048】
実施例43は、胸部バー集成体であって、細長い本体を含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な安定器とを含み、前記安定器が第1ピースと、前記胸部バーと係合するように前記第1ピースにカップリング可能な、前記第1ピースに対して対称的な第2ピースとを含む、胸部バー集成体である。
【0049】
実施例44は、胸部バー集成体であって、第1の側と第2の側とを有する細長い本体と、前記本体を通って延びるスロットとを含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な当該安定器が前記胸部バーを受容するように形成された凹部を含む、安定器と、当該ファスナが前記スロットを通り且つ前記スロットと係合し、前記安定器を前記胸部バーに解離可能にカップリングするように前記安定器凹部に固定されるようになっている、ファスナとを含む、胸部バー集成体である。
【0050】
実施例45において、前記安定器がさらに、前記凹部を取り囲む傾斜を含むことが、実施例44に記載のものに任意に含まれる。
【0051】
実施例46において、前記スロットが、前記スロット内部の任意の位置でファスナにカップリングするように形成された雌ねじ山を含むことが、実施例44から45までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0052】
実施例47は、胸部バー集成体であって、細長い本体を含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な当該安定器が、前記胸部バーを受容するように形成された凹部と、前記本体を通って延びて前記凹部と交差する孔とを含む、安定器と、前記孔を通り前記胸部バーと係合可能なファスナとを含む、胸部バー集成体である。
【0053】
実施例48は、胸部バー集成体であって、第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な安定器とを含み、前記安定器が、前記第1の側と係合可能な第1部分と、当該第2部分が前記第1部分にカップリングされており、開位置と閉位置との間で並進可能であり、前記第2部分が前記第2の側と前記閉位置で係合可能である、第2部分と、当該保持部材が前記第1部分を前記第2部分に結合し、そして前記開位置と前記閉位置との間で前記第2部分を並進させるように形成されている、保持部材とを含む、胸部バー集成体である。
【0054】
実施例49は、胸部バー集成体であって、第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、安定器とを含み、前記安定器が、前記胸部バーの第1の側と係合可能な第1部分と、前記第1部分に回転可能にカップリングされた当該第2部分が、開位置と閉位置との間で回転可能であり、そして前記胸部バーの第2の側と前記閉位置で係合可能である、第2部分とを含む、胸部バー集成体である。
【0055】
実施例50において、前記第1部分が切り欠きを含み、そして前記第2部分がタブを含み、前記第2部分が閉位置にあるときに、前記第1部分に対する前記第2部分の回転を防止するために、前記タブが前記切り欠きと係合可能であることが、実施例49に記載のものに任意に含まれる。
【0056】
実施例51において、前記第2部分がさらに、前記第2部分がロック位置にあるときに前記胸部バーと係合するように、前記第2部分と一緒に回転可能であるシェルフを含むことが、実施例50に記載のものに任意に含まれる。
【0057】
実施例52は、胸部バー集成体であって、第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、前記胸部バーと係合可能な安定器とを含み、前記安定器が、第1の側と係合可能な第1部分と、当該第2部分が前記第1部分にカップリングされており、開位置と閉位置との間で並進可能であり、前記第2部分が前記第2の側と前記閉位置で係合する、第2部分とを含む、胸部バー集成体である。
【0058】
実施例53において、前記第1部分がさらに、前記胸部バーと並進可能に係合され得る第1シェルフを含むことが、実施例52に記載のものに任意に含まれる。
【0059】
実施例54において、前記第2部分がさらに、前記第2部分がロック位置にあるときに前記胸部バーと係合するように前記第2部分と一緒に並進可能である第2シェルフを含むことが、実施例53に記載のものに任意に含まれる。
【0060】
実施例55において、前記第1部分がさらに、実質的に前記第2部分へ向かって延びる第1突起を含み、そして前記第2部分がさらに、それぞれが実質的に前記第1部分へ延びる第2突起と第3突起とを含み、前記第2突起及び第3突起がそれぞれ、前記第1部分に対する前記第2部分の回転を制限するために、前記第1突起と係合することが、実施例52から54までのいずれか1つ又は2つ以上に記載のものに任意に含まれる。
【0061】
実施例56において、前記第1部分がさらに、前記第1突起を通って延びる第1孔を含み、前記第2部分がさらに、前記第2突起を通って延びる第2孔を含み、前記第2部分が閉位置にあるときには前記第2孔が前記第1孔と整合可能であり、そして、前記第2孔を前記第1孔と整合させ、そして前記第2部分を閉位置に固定するために、ファスナが前記第1孔内部で並進可能であり、そして前記孔内へ延びることができることが、実施例55に記載のものに任意に含まれる。
【0062】
実施例57において、前記第2孔がさらに、前記第2部分が閉位置にあるときに前記ファスナを受容するように形成されたアンダーカットを含むことが、実施例56に記載のものに任意に含まれる。
【0063】
実施例58において、前記第2孔がさらに、前記第2孔の小径と前記アンダーカットとの間の結合部に面取り部を含み、前記ファスナが前記アンダーカットから前記小径内へ並進するのに伴って、前記面取り部が前記第2部分を前記第1部分と強制的に整合させることが、実施例57に記載のものに任意に含まれる。
【0064】
実施例59において、前記ファスナが末端でテーパされており、前記ファスナが前記アンダーカットから前記小径内へ並進するのに伴って、前記第2部分を前記第1部分と強制的に整合させるように、前記テーパが前記面取り部と係合可能であることが、実施例58に記載のものに任意に含まれる。
【0065】
実施例60において、前記ファスナがねじ山付きであり、そして前記第1孔が前記ファスナを受容するようにねじ山付きであることが、実施例59に記載のものに任意に含まれる。
【0066】
実施例61において、前記第1部分がさらに、前記第1孔に対する前記ファスナの並進を制限するために、前記第1孔を横切るピンを含むことが、実施例60に記載のものに任意に含まれる。
【0067】
実施例62において、挙げられた全てのエレメント又は選択肢が自由に使用され又は選択されるように、実施例1~62のいずれか1つ又は任意の組み合わせの装置又は方法を任意に形成することができる。
【0068】
本発明の装置及びシステムのこれらの、そしてその他の実施例及び態様の一部を以下の詳細な説明に記載する。この概要は、本発明のものの非制限的な実施例を提供しようとするものであって、排他的又は包括的な説明を提供しようとするものではない。下記詳細な説明は、本発明の装置及び方法に関するさらなる情報を提供するために含まれる。
【0069】
必ずしも一定の縮尺で示されているのではない図面において、同様の符号は異なる図面における類似の構成部分を示している。異なる添え字を有する類似の符号は、類似の構成部分の異なる事例を表すことができる。図面は概ね、本明細書中で論じられる種々の実施例を一例として示すものであって、限定を目的として示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく、患者の胸壁内に取り付けられた胸部バー集成体を示すX線画像である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す上面等角図である。
【
図3A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す底面等角図である。
【
図3B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バーを示す断面図である。
【
図4】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体の一部を示す等角図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体の一部を示す等角図である。
【
図6A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図6B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図7A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図7B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す断面図である。
【
図8A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す側面等角図である。
【
図8B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す側面等角図である。
【
図9】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図10】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図11A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第1の状態で示す等角図である。
【
図11B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第2の状態で示す等角図である。
【
図12A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器を示す分解部分図である。
【
図12B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器を上方斜めから示す等角図である。
【
図12C】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器を下方斜めから示す等角図である。
【
図13A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す上面等角図である。
【
図13B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す底面等角図である。
【
図14A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第1の状態で示す等角図である。
【
図14B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第2の状態で示す等角図である。
【
図15A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図15B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体の一部を示す上面図である。
【
図15C】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す側面図である。
【
図16A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第1の状態で示す底面等角図である。
【
図16B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第2の状態で示す底面等角図である。
【
図17A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第1の状態で示す上面等角図である。
【
図17B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第2の状態で示す上面等角図である。
【
図18】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す上面等角図である。
【
図19A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体の一部を第1の状態で示す上面等角図である。
【
図19B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体の一部を第2の状態で示す上面等角図である。
【
図20A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図20B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す部分分解等角図である。
【
図21】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図22】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器を示す等角図である。
【
図23】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器を示す等角図である。
【
図24】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図25】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図26】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す側方概略断面図である。
【
図27】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図28】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図29】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図30A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第1の状態で示す上面等角図である。
【
図30B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第2の状態で示す上面等角図である。
【
図31A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第1の状態で示す側面等角図である。
【
図31B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を第2の状態で示す側面等角図である。
【
図32A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器の一部を第1の状態で示す上方断面図である。
【
図32B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器の一部を第2の状態で示す上方断面図である。
【
図33】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく胸部バー集成体を示す等角図である。
【
図34A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく、安定器バー及びツールを示す上面等角図である。
【
図34B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく、安定器バー及びツールを示す底面等角図である。
【
図35】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器バーの一部を示す図である。
【
図36A】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器バーの一部を示す図である。
【
図36B】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器バーの一部を示す図である。
【
図37】本開示の少なくとも1つの実施例に基づく方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本出願は、胸壁矯正処置のためのデバイス及びシステムに関する。例えば、本出願は、漏斗胸又ははと胸を矯正するために、胸部バー及び安定器を患者の胸壁にカップリングする集成体を開示している。
【0072】
図1は、胸部バー集成体100のX線画像を示している。胸部バー集成体100は胸部バー102と安定器104A及び104Bとを含むことができる。胸部バー102はバー孔(
図1には示されていない)を含むことができる。また、
図1には胸壁90も示されている。胸壁は肋骨及び肋骨組織、例えば軟骨を含む。
【0073】
胸部バー102は、金属及びプラスチックのような材料から構成された剛性又は半剛性のバーであってよい。胸部バー102は、いくつかの実施例では曲線、例えばc字形状のような湾曲を形成する細長い本体を有することができる。胸部バー102の末端の近くにはバー孔が配置されていてよく、これらのバー孔は、胸部バー102を肋骨及び/又は胸壁90の軟組織に固定するために、いくつかの実施例では可撓性縫合糸又はワイヤ縫合糸のようなファスナを受容するように形成することができる。いくつかの実施例では、胸部バー102は1つのバー孔を含むことができ、そして他の実施例では、胸部バー102は2つ、3つ、4つ、又は5つ以上のバー孔を含むことができる。
【0074】
安定器104A及び104Bは、金属及びプラスチックのような材料から構成された剛性又は半剛性の構成部分であってよい。安定器104A及び104B、並びに胸部バー102は、バーの特徴、例えば強度及び摩擦係数を改善するために被覆体を受容するように形成することができる。このような被覆体により、バーが胸壁及び軟組織を通過するプロセスを改善することができる。いくつかの実施例では安定器104A及び104B、並びに胸部バー102に他の被覆体を被着することにより、ニッケル感受性を低減することができる。いくつかの実施例では、安定器104A及び104B、並びに胸部バー102は高度な仕上げ加工を施された表面、例えば研磨面を有することにより、安定器104A及び104B、並びに胸部バー102の摩擦を低減し、そして安定器104A及び104B、並びに胸部バー102の組織に対する接合の程度を最小限に抑えることができる。接合の程度が低減されると、変形を矯正するのに必要となる期間後に安定器を取り外すための後続の処置において、安定器104A及び104B、並びに胸部バー102を取り外すことができるようになる。
【0075】
安定器104A及び104Bは、胸部バー102の長さに沿った任意の場所で胸部バー102に係合して固定するように形成することができる。安定器104A及び104Bは孔(後述)を含むこともできる。これらの孔は、安定器104を肋骨及び/又は胸壁90の軟組織に固定するために使用することができる。安定器104A及び104Bはロッキング機構(下に示し論じる)を含むこともできる。ロッキング機構は胸部バー102に安定器104A及び104Bを固定するために使用することができる。
【0076】
いくつかの実施例の動作中、漏斗胸又ははと胸を矯正するための処置は、患者の胸壁のそれぞれの側に対向切開部を形成し、胸部バー102を1つの切開部内へ挿入することを含むことができる。次いで胸部バー102を患者の胸骨の下に通し、最終位置へフリップ(flip)させることができる。その後、安定器104A及び104Bを切開部内へ挿入し、そして最終的な調製が行われ切開部が閉じられる前に、胸部バー102及び患者の胸壁90に固定することができる。いくつかの処置ではただ1つの安定器を使用することができる。
【0077】
このプロセス中、医師は安定器104A及び104Bをバーの長さに沿って、所望の通りに位置決めすることができる。しかしながら、いくつかの処置では、切開部が外側に配置されているという理由から、そして安定器104A及び104Bの位置が内側にあることが望まれるときがあるという理由から、胸部バー102上へ安定器104A及び104Bを配置して安定器104A及び104Bを固定することが難しい場合がある。このような事例では、一体的なロッキング機構が安定器104A及び104Bを胸部バー102に固定するプロセスを単純化し、そして処置全体を通して必要とされる調節を行うための処置を改善することができる。
【0078】
図2は、胸部バー集成体200を示す上面等角図である。胸部バー集成体200は胸部バー202(
図2には胸部バー202の一部だけが示されている)と安定器204とを含むことができる。胸部バー202はバー孔206(
図2には1つだけが示されている)を含むことができる。安定器204は第1部分208と、第2部分210と、安定器孔212及び214と、ロッキングカム216と、カム孔218と、凹状部分220とを含むことができる。
図2には断面矢印3B及び3Bも示されている。
【0079】
胸部バー集成体200は胸部バー集成体100と関連させることができ、そしてこれと一致して動作することができる。しかしながら、胸部バー集成体200はさらなる詳細を示している。
【0080】
胸部バー202は、金属及びプラスチックのような材料から構成された剛性又は半剛性のバーであってよく、上述のように曲線、例えばc字形状のような湾曲を形成することができる。胸部バー202の末端の近くにはバー孔206が配置されていてよく、これらのバー孔は、胸部バー202を胸壁に固定するために、いくつかの実施例では可撓性縫合糸又はワイヤ縫合糸のようなファスナを受容するように形成することができる。バー孔206は、隣接する組織の刺激を低減し、バー孔206を通るファスナ、例えば縫合糸の摩耗を低減するために平滑であってよい。安定器204は生体適合性材料、例えばステンレス鋼合金、チタン合金、及びコバルト-クロム合金、及びこれに類するものから成る剛性又は半剛性構成部分であってよい。安定器204は、胸部バー202の上部、底部、及び端部位置を介して胸部バー202と係合するように形成することができ、胸部バー202の長さに沿った任意の場所で所望の通りに胸部バー202に固定するように形成することができる。
【0081】
安定器204は安定器孔212及び214を含むことができる。それぞれの安定器孔は凹状部分220から離隔しており、安定器204の本体を通って延びている。安定器孔212及び214は、いくつかの実施例では可撓性縫合糸又はワイヤ縫合糸のようなファスナを受容するように形成することができ、隣接する組織の刺激を低減し、安定器孔212及び214を通るファスナ、例えば縫合糸の摩耗を低減するために平滑であってよい。安定器204の第1部分(第1の側)208は第2部分(又は第2の側)210とは反対側にあってよい。第1部分208と第2部分210とは安定器204の本体を形成することができる。
【0082】
第1部分208から安定器204内へカム孔218が延びており、このカム孔は、安定器204を通って延びる前に終わることができる。カム孔208は凹状部分220と部分的に交差することができる。カム孔218は、ロッキングカム216を受容するように寸法設定することができる。ロッキングカムは、胸部バー202と係合し係合解除するようにカム孔218内部で回転可能であってよい。
【0083】
凹状部分220は、安定器204の第2部分210、又は安定器204の底部で開いている凹部であってよい。凹状部分220は、胸部バー202を受容するように寸法設定し、成形することができる。換言すれば、安定器204は胸部バー202に対して上部取り付け型である。いくつかの他の実施例では、凹状部分220は第1部分210に対して開いていてよく、或いは底部取り付け型であってよい。
図3において下述するように、ロッキングカム216は、安定器204を胸部バー202にロックするために、凹状部分220のところで胸部バー202と係合するように回転可能であってよい。
【0084】
いくつかの実施例の動作中、漏斗胸又ははと胸を矯正するための処置は、上述のように胸部バー202を患者の胸壁内へ挿入することを含むことができる。ここではバー孔206は、胸壁に胸部バー202を縫合糸、及びこれに類するもので固定するために使用することができる。このプロセス中、医師は、カムロック216が開位置にあるときに凹部220を胸部バー202と係合させることによって、胸部バー202の長さに沿って安定器204を所望の通りに位置決めすることができる。安定器204がひとたび胸部バー202の所望の場所に位置決めされたら、カムロック216を回転させることにより、胸部バー202と係合させ、カムロック216、ひいては安定器204を胸部バー202に固定することができる。その後、安定器孔212及び214を使用して安定器204を縫合糸及びこれに類するものによって胸壁に固定することができる。
【0085】
胸部バー200はこのように、医師が比較的素早く胸部バー202上に安定器204を配置して固定し、安定器202を固定するのを可能にする。従って安定器204は処置効率を高めることができる。これにより時間及びコストを節減することができる。また、胸部バー集成体200は、胸部バー202上の安定器204の内側配置を可能にするので、胸部バー集成体200は、胸部バー202によって安定器204に加えられるモーメント及び力を低減することにより、胸部バーの改善された安定をもたらすことができる。
【0086】
従来技術のいくつかの実施例では、いくつかの安定器・胸部バー集成体が、バーに対して安定器の側方取り付けを必要とし、安定器の内側配置をより困難にする。本開示は、凹状部分220とロッキングカム216とを使用することによりこの問題に対処する。これらは安定器204が上側から、又は下側から、又は端部から胸部バー202上へ配置されるのを可能にする。このフレキシビリティは、胸部バー202上への安定器204の配置の処置効率を高めることができる。
【0087】
図3Aは胸部バー集成体200を示す底面等角図である。
図3Bは、
図2の断面3B-3Bを横切る胸部バー202を示す断面図である。
図3A及び3Bを同時に以下に論じる。
【0088】
胸部バー集成体200は胸部バー202(
図3Aには胸部バー202の一部だけ示されている)と安定器204とを含むことができる。胸部バー202はバー孔206(
図3Aには1つだけが示されている)を含むことができる。
図3Aに示されているように、安定器204は第1部分208と、第2部分210と、安定器孔212及び214と、ロッキングカム216と、凹状部分220と、カム孔突起222と、シェルフ224とを含むことができる。
【0089】
図3Bに示されているように、胸部バー202は上側226と、底側228と、上側面取り部230と、底側面取り部232と、左縁部234と、右縁部236とを有することができる。さらに
図3Bには配向指標「上」、「底」、「左」、及び「右」、「X軸線」、「Y軸線」、及び「Z軸線(頁内へ延びる)」が示されている。いくつかの実施例では、左縁部234及び隣接する面取り部は、胸部バーの第1部分と考えることができ、そして右縁部236及び隣接する面取り部は、胸部バーの第2部分と考えることができる。
【0090】
胸部バー202は、細長い本体を有する剛性又は半剛性のバーであってよく、金属及びプラスチックのような生体適合性材料、例えばステンレス鋼合金、チタン合金、及びコバルト-クロム合金、及びこれに類するものから構成されていてよい。
図3Bに示されているように、胸部バー202は、2つの対向する側、つまりほぼ平らであってよい上側226と底側228とを備えた、概ね平らなプロフィールを有することができる。上側226は面取り部230を含むことができる。面取り部230は上側226の周辺に延びている。底側228は面取り部232を含むことができる。面取り部232は底側228の周辺に延びている。面取り部230及び232は、
図3Bにおいて左縁部234及び右縁部236として示されている周縁部を形成するように一緒に合わさることができる。しかしながら左縁部234及び右縁部236は、いくつかの実施例では、胸部バー202の周辺で連続していてもよい。従って、胸部バー202は、曲げられる前は、X軸線、Y軸線、及びZ軸線を中心として対称的であり得る。胸部バー202は対称的なものとして示されてはいるものの、胸部バー202は他の実施例では、X軸線、Y軸線、及びZ軸線を中心として非対称的であり得る。
【0091】
胸部バー202は曲げられた後、いくつかの実施例では湾曲、例えばc字形状を形成することができる。いくつかの実施例では、胸部バー202は、患者に特異的な胸壁生体構造に合致させるように予め曲げることができる。いくつかの実施例では、胸部バー202は、処置中に曲げることによって、患者に特異的な生体構造に合致させることができる。いくつかの他の実施例では、胸部バー202は、平均的な患者又は患者タイプに対する最良の適合に基づく汎用の予曲げ部を含むことができる。
【0092】
左縁部234及び右縁部236は、
図3Bに示されているように、所定の半径を有することができ、或いは緩やかにすることができる。このことは、胸部バー202が胸壁に手繰り込まれるのに伴って、患者の胸壁を通す胸部バー202の操縦性を高めることができる。上側面取り部230と上側236との結合部における縁部231、及び底側面取り部242と底側228との間の縁部233は小さな半径を有することができる。小さな半径は鋭利な縁部を防止し、いくつかの実施例では、医師のハンドリングを改善し、そして触知可能性を低減することにより患者の快適さを改善することができる。上側面取り部230と及び底側面取り部232はまた、胸部バーが所定の位置へ挿入され、胸壁内部でフリップされるのに伴って、胸部バー202が患者の軟組織に引っかかる確率を低減する。さらに、左縁部234及び右縁部236の大きな半径は、胸壁内部の局所的な圧力を低減することができ、そして鋭利な縁部を減らすことにより、取り付けられた時に胸部バー202に隣接する組織の切断又は損傷を低減することができる。
【0093】
図3Aに示されているように、安定器204はシェルフ224を含むことができる。シェルフは凹部220の底部からロッキングカム216へ向かって延びている。同様に、ロッキングカム216はカム孔218(
図2)から、そしてカム突起222から突出することにより、シェルフ224へ向かって延びることができる。ロッキングカム216及びシェルフ224のそれぞれは、
図3Aに示されているように、胸部バー202の面取り部、例えば底側面取り部232と係合することができる。胸部バー202が凹部220内に位置し、そしてロッキングカム216及びシェルフ224の両方が面取り部232と係合しているときには、胸部バー202を安定器204から取り外すことはできない。
【0094】
或いは、ロッキングカム216が胸部バー202の底側面取り部232と係合していないときには、安定器204は胸部バー202に対して相対運動することができるが、しかし、安定器204の左部分が胸部バー202から上方へ向かって傾倒されない限り、胸部バー202に沿って並進させることしかできない。傾倒されると、安定器204を右へ動かすことにより、シェルフ224を胸部バー202から係合解除することができる。逆に(又は安定器204を胸部バー202上へ取り付ける場合)、ロッキングカム216が開位置にあるときには、安定器204を傾倒させて、胸部バー202上に配置することができる。すなわち、胸部バー202は、安定器204の凹部220内へ位置決めされるように、シェルフ224上にフック留めされなければならない。
【0095】
いくつかの実施例では、シェルフ224は、
図3Aに示されているように、安定器204の幅よりも短い幅を有することができる。シェルフ224の幅を小さくすることにより、胸部バー202の湾曲部分との固定を可能にし、そして胸部バー202の湾曲部分に沿った安定器204のスライド又は滑動を可能にする。
【0096】
安定器204がひとたび胸部バー202上に位置決めされたら、ロッキングカム216を回転させることにより、底側面取り部232と係合することができ、ロッキングカム216及びシェルフ224を面取り部232に固定し、ひいては安定器204を胸部バー202にロックする。こうして、安定器204を素早く且つ容易に胸部バー202にロックし、且つ胸部バー202からロック解除することができる。これにより外科的効率を高めることができる。
【0097】
図4は胸部バー集成体の一部を示す等角図である。
図5は胸部バー集成体の一部を示す等角図である。
図4及び5を同時に以下に論じる。
【0098】
胸部バー集成体200は胸部バー202(胸部バー202の一部だけが
図4及び5に示されている)と、安定器204とを含むことができる。安定器204は第1部分208と、ロッキングカム216と、凹状部分220(
図5に示されている)とを含むことができる。ロッキングカムはツールインターフェイス240と、アーム242と、タブ244と、リビングヒンジ224とを含むことができる。カム孔218は切り欠き248を含むことができる。切り欠きは傾斜250A及び250Bを含むことができる。
図5には断面矢印6B/7Bも示されている。
【0099】
胸部バー集成体200の構成部分は
図2~3に示されたものと一致していてよいが、しかし
図4及び5はロッキングカム216及びカム孔218のさらなる詳細を示している。例えば、ロッキングカム216はツールインターフェイス240を含むことができる。ツールインターフェイス240はいくつかの事例において六角インターフェイスであってよく、また他の実施例では星形、スロット付き(標準)、十字スロット付き、及びこれに類するものであってもよい。ツールインターフェイス240は、いくつかの実施例では、ドライバからロッキングカム216へトルクを伝達するためのドライバを受容するように形成することができる。
【0100】
ロッキングカム216はまたアーム242を含むことができる。アーム242は、ロッキングカム216の周囲でリビングヒンジ224から延びている。タブ244はアーム242の末端の近くに配置することができる。タブ244はロッキングカム216の直径を超えて半径方向に延びることができる。タブ244はほぼ台形の突起を有することができる。すなわち、半径方向延在部分は平行ではなく、タブ244の外面は、半径方向延在部分がアーム242と結合する地点間の距離よりも周方向で小さくなっている。
【0101】
アーム242はロッキングカム216の残りの部分(又は本体)から離隔させることができるので、リビングヒンジ224は、アーム242がロッキングカム216の本体に対して半径方向に撓む又は運動するのを可能にする。
【0102】
カム孔のスロット248はタブ244を受容するように直径方向に寸法設定することができるが、しかしいくつかの実施例では、タブ244の周方向長さよりも大きい周方向長さを有することができる。スロット248は傾斜250A及び250Bを含むこともできる。これらの傾斜はタブ244の側方又は半径方向の延びに対して相補的であってよい。
【0103】
1実施例の動作中、ロッキングカム216は、例えばツールインターフェイス240と係合する六角ツールによって、ロッキング孔218内部で回転可能であってよい。タブ244がカム孔218と係合すると、アーム242はリビングヒンジ224を介して半径方向内側へ向かって撓むことができ、ロッキングカム216がカム孔218内部で自由に回転するのを可能にする。タブ244がスロット248に達すると、アーム242はリビングヒンジ224を介して延びることができるので、タブ244はスロット248と係合する。タブ244がスロット248内部に係合されると、タブ244と傾斜250A及び250Bとが接触することにより、カム孔218内部のロッキングカム216の回転が制限される。タブ244がスロット248に達すると、タブ244はばね弾性的又はスナップ状に外方に向かって動くことができる。これにより、ロッキングカム216がロック位置にあることを触覚的且つ聴覚的なフィードバックを医師に提供することができる。
【0104】
タブ244及び傾斜250A及び250Bの所定の角度を成す相補的形状により、タブ244がスロット248内にあるときに(ロッキングカム216がロック位置にあるときに)、ロッキングカム216にトルクを加えることができ、これにより、傾斜250A及び250Bのいずれかがタブ244、ひいてはアーム242を半径方向内側へ向かって強制的に動かし、ロッキングカムがカム孔218内部で回転するのを可能にする。こうして、タブ244及びスロット248は可逆的なロッキング機構を提供する。このロッキング機構は安定器204が胸部バー202に固定されている間は偶発的なロック解除を防止することができ、しかも所望のときには安定器204が胸部バー202から素早く且つ容易にロック解除されるのを可能にする。ロッキングカム216の可逆性は、漏斗胸又ははと胸を矯正するための外科処置中に安定器を再位置決めするのに有用であり、また後続の処置又は補正の際に胸部バー集成体を取り外すときに有用であり得る。
【0105】
図6Aは、胸部バー集成体200を、安定器204が取り外されてロッキングカム216がロック解除位置にある状態で示す等角図である。
図6Bは、
図5の断面6B-6Bに沿った胸部バー集成体200を、ロッキングカム216がロック解除位置にある状態で示す断面図である。
図7Aは、胸部バー集成体200を、安定器204が取り外されてロッキングカム216がロック位置にある状態で示す等角図である。
図7Bは、
図5の断面7B-7Bに沿った胸部バー集成体200を、ロッキングカム216がロック位置にある状態で示す断面図である。
図6A,6B,7A及び7Bを同時に以下に論じる。
【0106】
胸部バー集成体200は胸部バー202(
図6A及び7Aには胸部バー202の一部だけが示されている)と、安定器204(
図6A及び7Aには示されていない)とを含むことができる。胸部バー202は上側226と、上側面取り部230と、底側面取り部232と、左縁部234と、右縁部236とを含むことができる。安定器204はロッキングカム216と、凹状部分220(
図5に示されている)とを含むことができる。ロッキングカム216はツールインターフェイス240と、アーム242と、タブ244と、リビングヒンジ224と、底部孔252と、カムシェルフ254と、バーストッパ256(
図7Aに示されている)を含むことができる。
【0107】
図6A,6B,7A及び7Bに示されている胸部バー集成体200は
図1~5の説明と関連させることができ、そしてこの説明と一致して動作することができる。しかしながら、
図6A,6B,7A及び7Bは、胸部バー集成体200のさらなる詳細を示している。例えば
図6B及び7Bは、安定器204の凹部220及びシェルフ224がどのように胸部バー202と係合し得るかを示している。
図6B及び7Bに示されているように、ひとたび胸部バー202がシェルフ224及び安定器204の凹部220と係合したら、安定器204は上側226、上側面取り部230、左縁部234、及び下側面取り部232と接触する。胸部バー202の多くの面と接触することにより、安定器204は胸部バー202との確実な係合を形成することができる。
【0108】
また、
図7A及び7Bには、ロッキングカム216がどのように胸部バー202と係合し得るかが示されている。より具体的には、ロッキングカム261のシェルフ254は、カム216の本体から半径方向に延びることができ、ロッキングカム216の凹部258によって形成されている。凹部258はロッキングカム216の非対称的なアンダーカットであり得る。シェルフ254は凹部258の下側部分から延びている。(
図6Bに示されているような)ロック解除位置では、シェルフ254はカム孔218内部に位置することができる。(
図7Bに示されているような)ロック位置では、シェルフ254は上方に向かって角度付けされて面取り部232に対して相補的であるので、ロッキングカム216が回転させられるのに伴ってシェルフ254は胸部バー202を上方へ向かって強制的に動かし、これによりシェルフ254は胸部バー202と接触する。加えて、ロッキングカム216の本体は胸部バー202の右縁部236と係合し、胸部バーを左に強制的に動かして安定器204に押し付ける。こうして、ロッキングカム216がロック位置にあるときには、ロッキングカム216は胸部バー202の運動を抑制することができる。
【0109】
図7Aにはバーストッパ256が示されている。バーストッパ256はロッキングカム216の本体の接線方向壁であってよい。接線方向壁はロッキングカム216の凹部258及びシェルフ254を部分的に形成している。バーストッパ256は、ロッキングカム216が完全ロック位置まで回転させられると、胸部バー202と接触することができる(
図7Aに示されている)。ロッキングカム216のバーストッパ256と胸部バー202との接触は、孔218内部のロッキングカム216の過剰回転を防止することができ、ひいてはロッキングカム216の胸部バー202からの偶発的な又は望まれないロック解除を防止することができる。また、バーストッパ256と胸部バー202との接触は、ロッキングカム216が完全ロック位置にあることを示す触覚的フィードバックを医師に提供することができる。
【0110】
ロッキングカム216の孔252は、ロッキングカム216の底部から内方にツールインターフェイス240へ向かって延び、ツールインターフェイス240の孔に達する前に止まる孔であってよい。製造中、孔252を変形させる(例えばフレア状にする)ことにより、安定器204内部にロッキングカム216を保持することができる。
【0111】
図8Aは胸部バー集成体200をロック位置で示す側面等角図である。
図8Bは胸部バー集成体200をロック解除位置で示す側面等角図である。胸部バー集成体は
図1~7Bのものと一致していてよい。
図8A及び8Bはさらに、
図8Aに示されているようにロッキングカム216がロック位置にあるときに、ロッキングカム216が安定器204の上面とほぼ面一になるように、ロッキングカム216が角度付きプロフィールを有し得る、その様子を示している。その結果として、
図8Bに示されているようにロッキングカム216がロック解除位置にあるときには、ロッキングカム216は安定器204の上面と面一となることはない。
【0112】
図9は胸部バー集成体900を示す等角図である。胸部バー集成体900は胸部バー902(胸部バー292の一部だけが
図9に示されている)と、安定器904とを含むことができる。胸部バー902は左縁部934を含むことができ、安定器904は輪郭加工部960を含むことができる。
【0113】
胸部バー集成体900は上述の胸部バー集成体100及び200と関連させることができ、そしてこれらと同様に動作することができる。しかしながら、胸部バー集成体900は左縁部934(及び
図9では見ることができない右縁部)が小さな半径及び/又は小さな厚さを含み得る点で異なっていてよい。このことは、いくつかの実施例では、胸部バー902に対する安定器904の固定を改善することができる。
【0114】
また
図9には、安定器904の輪郭加工部960も示されている。安定器904の縁部の輪郭加工部960は、安定器904の胸壁内への挿入中に安定器904と軟組織及び肋骨との摩擦を低減することができる。輪郭加工部960は安定器904の触知性を低減することもでき、患者の快適さを高めることができる。
【0115】
図10は胸部バー集成体1000を示す等角図である。胸部バー集成体1000は胸部バー1002(胸部バー292の一部だけが
図10に示されている)と、安定器1004とを含むことができる。安定器1004は輪郭加工ロッキングカム1060を含むことができる。
【0116】
胸部バー集成体1000は上述の胸部バー集成体100,200及び900と関連させることができ、そしてこれらと同様に動作することができる。しかしながら、胸部バー集成体1000は、ロッキングカム1016のロッキング構成部分、例えばタブ、アーム、及びヒンジを、ロッキング構成部分が露出しないように安定器1004内部に配置し得る点で異なっていてよい。このことは安定器1004の胸壁内への挿入中にロッキングカム1016と軟組織及び肋骨との摩擦を低減することができ、安定器1004の触知性を低減することもでき、そして患者の快適さを高めることができる。また、軟組織に晒される空洞の数を減らすことにより、ロッキングカム1016の内在ロッキング構成部分は内方成長を低減することができ、安定器1004及び胸部バー1002の取り外しをより容易に、そしてより迅速にする。
【0117】
図11Aは胸部バー集成体1100を、ロッキングカム1116がロック解除位置にある状態で示す等角図である。
図11Bは胸部バー集成体100を、ロッキングカム1116がロック解除位置にある状態で示す等角図である。
図11A及び11Bを同時に以下に論じる。
【0118】
胸部バー集成体1100は胸部バー1102(
図11A及び11Bには胸部バー1102の一部だけが示されている)と安定器1104とを含むことができる。安定器1104は第1部分1108と、第2部分1110と、ロッキングカム1116と、カム孔1118と、凹状部分1120と、シェルフ1124とを含むことができる。ロッキングカム1116はロック解除ストッパ1162と、ロックストッパ1164と、入れ子部分1166(
図11B)とを含むことができる。カム孔1118は安定器ストッパ1168を含むことができる。
【0119】
胸部バー集成体1100は上述の胸部バー集成体100,200,900及び1000と関連させることができ、そして胸部バー集成体100,200,900及び1000と同様に動作することができる。しかしながら、胸部バー集成体1100は、凹状部分1120が安定器1104の第1部分1108から開くか、又は安定器1104の上部に対して開く点で異なっている。換言すれば、安定器1104は胸部バー1102に対して底部取り付け型である。従って、シェルフ1124は第1部分1108からロッキングカム1116へ向かって延びている。
【0120】
胸部バー集成体1100はまた、ロッキングカム1116がロック解除ストッパ1162及びロックストッパ1164とを含み、そしてカム孔1118が安定器ストッパ1168を含む点でも異なっている。ロック解除ストッパ1162及びロックストッパ1164はロッキングカム1116のほぼ真っ直ぐな部分又は壁であってよい。同様に、安定器ストッパ1168もカム孔1118のほぼ真っ直ぐな部分であってよい。安定器ストッパ1168は、ロック解除位置でロッキングカム1116の過剰回転を防止するためにロック解除ストッパ1162と接触するように形成することができ、そして安定器ストッパは、ロック位置でロッキングカム1116の過剰回転を防止するためにロックストッパ1164と接触するように形成することができる。ロック解除ストッパ1162又はロックストッパ1164と安定器ストッパ1168との接触は、カム孔1118に対するロッキングカム1116の回転位置を示す触覚的且つ/又は聴覚的なフィードバックを医師に提供することができる。
【0121】
ロッキングカム1116はまた入れ子部分1166を含む。入れ子部分1166はロッキングカム1116の凹状部分又はアンダーカット部分であってよい。この凹状部分又はアンダーカット部分は、ロッキングカム1116の上面までは延びていない。入れ子部分1166は、
図11Aに示されているように、ロッキングカム1116がロック解除位置にあるときに安定器ストッパ1168の下側で安定器1104内部に入れ子状に位置することができる。入れ子部分1166は、
図11Bに示されているように、ロッキングカム1116がロック位置に位置するときには露出させることができる。
【0122】
上部取り付け型安定器と同様に、いくつかの実施例の動作中、ロッキングカム1116が(
図11Aに示されているような)ロック解除位置にあるときに、底部取り付け型安定器1104は、上側面取り部1132上へシェルフ1124をフック留めするために所定の角度で胸部バー1102と係合することができ、これにより胸部バー1102は安定器1104の凹状部分1120内へ挿入することができる。次いでロッキングカム1116を時計回り方向に回転させる(ロック解除ストッパ1162が安定器ストッパ1168から離反するように回転する)ことにより、上側面取り部1132と係合し、ロッキングカム1116、ひいては安定器1104を胸部バー1102に固定することができる。ロッキングカム1116の時計回り方向の回転は、
図11Bに示されているように、ロッキングカム1116のロックストッパ1164と安定器ストッパ1168との接触によって制限される。
【0123】
安定器1104から胸部バー1102をロック解除するために、ロッキングカム1116を反時計回り方向に回転させることにより、胸部バー1102を係合解除することができる。ロッキングカム1116の反時計回り方向の回転は、
図11Aに示されているように、ロッキングカム1116のロック解除ストッパ1166と安定器ストッパ1168との接触によって制限される。ロッキングカム1116がひとたび胸部バー1102からロック解除されると、胸部バー1102を傾倒させることにより、胸部バー1102をシェルフ1124からフック留め解除することができ、そして凹状部分1120から取り外すことができる。或いは、ロッキングカム1116がロック解除されている間、そして胸部バー1102が凹状部分1120内へ挿入されている間に、安定器1104を胸部バー1102の長さに沿って動かし又は再位置決めすることもできる。
【0124】
図12Aは安定器1104を示す分解部分図である。安定器1104は第1部分1108と、ロッキングカム1116と、凹状部分1120とを含むことができる。ロッキングカム1116はアーム1142と、タブ1144と、ロック解除ストッパ1162と、ロックストッパ1164と、凹状部分1166とを含むことができる。カム孔1118は安定器ストッパ1168と、支承孔1172と、ロック解除切り欠き1174と、部分ロック切り欠き1176と、ロック切り欠き1178と、アンダーカット1180と、ロッキング孔1182とを含むことができる。
【0125】
胸部バー集成体1100は上記
図11A及び11Bの説明と関連させることができ、これと一致して動作することができる。さらなる詳細が
図12に示されている。例えば、
図12Aはロッキングカム1116のロッキング構成部分、例えばアーム1142及びタブ1144を示している。アーム1142は上記のように、リビングヒンジを介してロッキングカム1116に固定することができる。
図12Aにはまた、ロッキングカム1116の凹状部分1166が、カム孔1118内部で回転するように形成されたプロフィールを有することができ、そしてロッキングカム1116の残りの部分から低減された高さを有することができ、ロッキングカム1116がロック位置にあるときに、凹状部分1166がカム孔1118のアンダーカット1180内部に入れ子状に位置するのを可能にする、その様子が示されている。
【0126】
カム孔1118のロッキング孔1182は、安定器1104内部及びカム孔1118内部に配置された、減径された孔であってよく、従ってカム孔1118はロッキング孔1182に対するより大きい座ぐり孔と類似している。
図12はまた、ロッキング孔1182内部の切り欠きを示している。これらの切り欠きは、ロッキングカム1116のタブ1144に係合するように形成されている。ロック解除切り欠き1174、部分ロック切り欠き1176、及びロック切り欠き1178のそれぞれはロッキング孔1182から半径方向に延びることができ、カム孔1118の直径のところで終わることができる。ロック解除切り欠き1174、部分ロック切り欠き1176、及びロック切り欠き1178のそれぞれは、タブ1144を保持するように形成された寸法及び形状を有することができる。
【0127】
いくつかの実施例の動作中、ロッキングカム1116をカム孔1118内部で回転させることができる。回転させると、タブ1144及びアーム1142は、タブ1144が切り欠きと整合するまで、ロッキング孔1182の壁によって強制的に半径方向内側に向かって撓まされる。切り欠きと整合すると、タブ1144はその切り欠き内へ延び、カム孔1118に対するロッキングカム1116の回転を制限することができる。タブ1144がロック解除切り欠き1174と係合すると、ロッキングカム1116は胸部バー1102に対するロック解除位置から外れるのを制限される。タブ1144が部分ロック切り欠き1176と係合すると、ロッキングカム1116は胸部バー1102に対する部分ロック位置から外れるのを制限される。すなわち、ロッキングカム1116は胸部バー1102と係合し得るものの、胸部バー1102に対して安定器1104をロックしてはいないので、安定器1104を胸部バー1102の長さに沿って動かすことはできるが、しかし安定器1104を胸部バー1102から取り外すことはできない。タブ1144がロック切り欠き1178と係合すると、ロッキングカム1116は胸部バー1102に対するロック位置から外れるのを制限される。
【0128】
図12Aはまた、支承孔1172を示している。支承孔1172はロッキングカム1116の一部を保持するように寸法設定することができ、そしてカム孔1118内部のロッキングカム1116の平滑な回転を保証するためにロッキングカム1116をともなう支承面として動作するようにプロフィール形成することができる。
【0129】
図12Bは、本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器1104を上方斜めから示す等角図である。
図12Cは、本開示の少なくとも1つの実施例に基づく安定器1104を下方斜めから示す等角図である。
図12B及び12Cを同時に以下に論じる。
【0130】
安定器1104は第1部分1108と、第2部分1110と、安定器孔1112及び1114と、ロッキングカム1116と、カム孔1118と、凹状部分3820と、シェルフ1124とを含むことができる。ロッキングカム1116はカムシェルフ1154を含むことができる。凹状部分1120はポケット1156を含むことができる。
【0131】
安定器1104は上述の安定器、特に
図12Aの安定器1104と類似していてよい。ロッキングカム1116のロッキング構成部分、例えばタブ、アーム、及びヒンジを、ロッキング構成部分が露出しないように安定器1104内部に配置することができる。このことは安定器1104の胸壁内への挿入中にロッキングカム1116と軟組織及び肋骨との摩擦を低減することができ、安定器1104の触知性を低減することもでき、そして患者の快適さを高めることができる。また、軟組織に晒される空洞の数を減らすことにより、ロッキングカム1116の内在ロッキング構成部分は内方成長を低減することができ、安定器3804の取り外しをより容易に、そしてより迅速にする。
図12B及び12Cのカム1116の上側プロフィールがタブ、アーム、及びヒンジを含まず、
図10のカム1016と同様にほぼ丸いという点で、
図12B及び12Cの安定器1104は
図12Aの安定器1104とは異なっていてよい。さらに、
図12B及び12Cのカム1116の角度付き面は、
図11Bのカム1116の面又はストッパ1162及び1164と類似していてよいが、しかしこれらは安定器1104内部に配置することができる。
【0132】
図12Cはまた、凹状部分1120がポケット1156を含むことができることを示している。ポケットは安定器1104の下側に設けられた開口であってよい。ロッキングカム1116が(胸部バーと係合するために)ロック位置まで回転させられると、この開口からカムシェルフ1154が延びることができる。
【0133】
ポケット1156は組み立て中にこれを通るロッキングカム1116を受容するように寸法設定することもできる。すなわち、ロッキングカム1116はポケット1156から挿入することができ、そしてポケット1156を通してカム孔1118内へ位置決めすることができる。ポケットは、組み立てを単純化し得る一方、ロッキングカム1116のロッキング構成部分が安定器1104の内部に配置されるのを可能にする。
【0134】
図13Aは、胸部バー集成体1300を示す上面等角図である。
図13Bは、胸部バー集成体1300を示す底面等角図である。
図13A及び13Bを同時に以下に論じる。
【0135】
胸部バー集成体1300は胸部バー1302と、安定器1304A及び1304Bとを含むことができる。
図13A及び13Bには、配向指標「左」及び「右」も示されている。
【0136】
胸部バー集成体1300は上記胸部バー集成体100と関連させることができ、そしてこれらと同様に動作することができる。しかしながら、胸部バー集成体1300は、これが安定器1304A及び1304Bを含み、それぞれの安定器が、それぞれの安定器のロッキングカムと同じ側に位置決めされたただ1つの孔だけを含む点で異なっている。安定器1304A及び1304Bは同一であり得るので、胸部バー集成体1300において、安定器1304A及び1304Bを胸部バー1302上にいずれの配向でも配置することができる(胸部バー1302の左側の孔、又は胸部バー1302の右側の孔)。
図13A及び13Bでは、安定器1304A及び1304Bは、胸部バー1302から反対側(1つは左、1つは右)に延びているものとして示されている。安定器1304A及び1304Bは、胸部バー1302の一方の側だけに延びることができるので、安定器1304A及び1304Bは、触知性を低減するという利点を患者に提供することができる。
【0137】
安定器1304A及び1304Bは同一であり得るので、安定器1304A及び1304Bは同じ側に取り付けることもできる(両方とも胸部バー1302の左に延びるか、又は両方とも胸部バー1302の右に延びる)。また、安定器1304A及び1304Bはただ1つの孔を含むので、肋骨及び胸壁の肋骨組織に安定器1304A及び1304Bをより迅速に固定することができる。
【0138】
図14Aは、胸部バー集成体1400を、ロッキングカムがロック位置にある状態で示す等角図である。
図14Aは、胸部バー集成体1400を、ロッキングカムがロック解除位置にある状態で示す等角図である。
図14A及び14Bを同時に以下に論じる。
【0139】
胸部バー集成体1400は胸部バー1402と、安定器1404とを含むことができる。安定器1404はロッキングカム1416A及び1416Bと、カム孔1418A及び1418Bとを含むことができる。
図14A及び14Bには、配向指標「左」及び「右」も示されている。
【0140】
胸部バー集成体1400は上述の胸部バー集成体と関連させることができ、そしてこれらと同様に動作することができる。しかしながら、胸部バー集成体1400は、安定器1400がロッキングカム1416A及び1416Bを含む点で異なっている。ロッキングカム1416A及び1416Bはそれぞれカム孔1418A及び1418B内に配置することができる。ロッキングカム1416A及び1416Bは、上記のようにカム孔1418A及び1418B内部で回転可能であり、カム孔1418A及び1418Bに対してロックしロック解除することができ、そして胸部バー1402にロックすることができる。
【0141】
いくつかの実施例の動作中、胸部バー1402を安定器の凹状部分と整合させ、そしてロッキングカム1416A及び1416Bがロック解除位置にあるときに凹状部分内へ底部取り付け様式で挿入することができる。ひとたび胸部バー1402が凹状部分内へ挿入されると、ロッキングカム1416A及び1416Bをロック位置まで回転させることにより、胸部バー1402と係合させ、そして胸部バー1402を安定器1404に固定することができる。上述のように、このプロセスは可逆的であってよい。
【0142】
ロッキングカム1416A及び1416Bを含むことにより、安定器1404又は胸部バー1402を傾倒させることなしに、安定器1404の凹状部分内へ胸部バー1402を直接に挿入し得るという利点が提供される。すなわち、安定器1404は胸部バー1402上へフック留めされる必要がない。しかしながら、フック留めが望まれる場合には、いくつかの実施例では、ロッキングカム1416A及び1416Bのうちの一方をロック位置まで回転させることができるので、安定器1404を胸部バー1402上へフック留めすることができる。その後、ロッキングカム1416A及び1416Bのうちの他方をロック位置まで回転させることができる。
【0143】
図15Aは、胸部バー集成体1500を示す等角図である。
図15Bは、胸部バー集成体1500の一部を示す上面図である。
図15Cは、胸部バー集成体1500を示す側面図である。
図16Aは、胸部バー集成体1500をロック解除状態で示す底面等角図である。
図16Bは、胸部バー集成体1500をロック状態で示す底面等角図である。
図15A~15C、並びに
図16A及び16Bを同時に以下に論じる。
【0144】
胸部バー集成体1500は胸部バー1502と、安定器1504とを含むことができる。安定器1504はロッキングカム1516と、カム孔1518と、凹状部分1520と、上部フック1584(
図15C)と、爪1588とを含むことができる。ロッキングカム1516は歯列1590を含むことができる。
【0145】
胸部バー集成体は上記胸部バー集成体と関連させることができ、そしてこれらと同様に動作することができる。しかしながら、安定器1504は上記安定器とは異なっていてよい。例えば、安定器1504は上部フック1584を含むことができる。上部フック1584は、胸部バー1502の一部をフック留めするように形成することができる。また、安定器1504は爪1588を含むことができ、ロッキングカム1516は歯列1590を含むことができる。歯列1590は爪1588と係合可能である。
【0146】
いくつかの実施例の動作中、ロッキングカム1516を回転させることにより、カムシェルフ1554が胸部バー1502に係合し固定するようにすることができる。ロッキングカム1516が回転するのに伴って、歯列1590が回転して爪1588と係合する。爪1588はリビングヒンジを介して撓むことができ、ロッキングカム1516が時計回り方向で回転するのに伴って、歯列1590がラチェット式に通過するのを可能にする。爪1588が歯列1590と係合するのに伴って、爪1588はロッキングカム1516の回転に抵抗することができ、ロッキングカム1516が反時計回り方向で回転するのを防止する。こうして、爪1588及び歯列1518は、シェルフ1554が胸部バー1502から偶発的にロック解除されるのを防止することができる。いくつかの実施例では、ツールを使用して、歯列1590から爪1588を係合解除することができ、ロッキングカム1516がいずれの方向にも自由に回転するのを可能にする。いくつかの実施例では、ツール又はドライバが反時計回り方向にトルクを加えることにより、爪1588を永久に変形させ、これにより胸部バー1502からロッキングカム1516をロック解除することができるので、安定器1504を取り外すことができる。
【0147】
図17Aは、胸部バー集成体1700をロック解除位置で示す上面等角図である。
図17Bは、胸部バー集成体1700をロック解除位置で示す上面等角図である。
図17A及び17Bを同時に以下に論じる。
【0148】
胸部バー集成体1700は胸部バー1702と、安定器1704とを含むことができる。安定器1704は第1部分1708と、第2部分1710と、ロッキング部分1792とを含むことができる。
図17A及び17Bには、配向指標「左」及び「右」も示されている。
【0149】
安定器1704が第1部分1708(左部分)と第2部分1710(右部分)とを含み得ることを除いて、胸部バー集成体1700は上記胸部バー集成体と類似していてよい。第1部分1708及び第2部分1710のそれぞれはフック又はシェルフを含むことにより、胸部バー1702を安定器1704に係合させ固定することができる。第1部分1708及び第2部分1710はロッキング部分1792を形成することもできる。ロッキング部分1792は、第1部分1708及び第2部分1710が互いに向かって並進するのに伴ってロック式に係合することができる。ロッキング部分1782が係合するのに伴って、第1部分1708と第2部分1710とは互いに、そしてこれらのフックと一緒に固定され、胸部バー1702を保持し固定する。胸部バー1702に対する並進式のロックによって、安定器1704は、胸部バー1702を傾倒又は方向転換させることなしに、胸部バーにロックするという利点をもたらす。
【0150】
図18は、胸部バー集成体1800を示す上面等角図である。
図19Aは、胸部バー集成体1800の一部をロック解除位置で示す上面等角図である。
図19Bは、胸部バー集成体1800の一部をロック位置で示す上面等角図である。
図18,19A及び19Bを同時に以下に論じる。
【0151】
胸部バー集成体1800は胸部バー1802と安定器1804とを含むことができる。安定器1804は、第1部分1808と、第2部分1810と、ロッキング部分1892とを含むことができる。
図18には、配向指標「左」及び「右」も示されている。
【0152】
胸部バー集成体1800は上述の胸部バー集成体と類似していてよい。しかしながら、胸部バー集成体1800は、安定器1804が胸部バー1802と係合可能であり、第1部分1808が胸部バー1802の第1の側と係合可能であり、そして第2部分1810が胸部バー1802の第2の側と係合可能である点で異なっていてよい。ロッキング部分(又は機構)1892は第1部分1808を第2部分1810に結合することができる。安定器を胸部バーに固定するためにロッキング部分1892を作動させることができる。
【0153】
ロッキング部分はさらに、第1部分1808をロッキング機構1892にカップリングする第1ヒンジと、第2部分1810をロッキング機構にカップリングする第2ヒンジとを含むことができる。ロッキング機構1892はさらに、第1ポストと第2ポストとを含むことができる。第1部分1808はまた第1ロッキングフォークを含むことができ、第1ロッキングフォークは、第1部分1808を胸部バー1802に固定するために第1ポストに解離可能に固定されるようになっている。第2部分1810はさらに第2ロッキングフォークを含むことができ、第2ロッキングフォークは、第2部分1810を胸部バー1802に固定するために第2ポストに解離可能に固定されるようになっている。
【0154】
第1部分1808はさらに第1シェルフを含むことができる。第1シェルフは第2部分1810へ向かって延び、胸部バー1802と係合可能である。第2部分1810はさらに第2シェルフを含むことができる。第2シェルフは第1部分1810へ向かって延び、胸部バー1802と係合可能である。
【0155】
図20Aは、胸部バー集成体2000を示す等角図である。
図20Bは、胸部バー集成体2000を示す部分分解等角図である。
図20A及び20Bを同時に以下に論じる。
【0156】
胸部バー集成体2000は胸部バー2002と安定器2004とを含むことができる。安定器2004は、第1部分2008と、第2部分2010と、ロッキング部分2092とを含むことができる。ロッキング部分2092はドライバ2094とシェルフ2096と含むことができる。
【0157】
胸部バー集成体2000は上述の胸部バー集成体と類似していてよい。しかしながら、安定器2004は、第2部分(底部)2010が第1部分(上部)2008とは反対側にあってよく、第2部分2010が胸部バー2002を受容するように形成された凹状部分を含むことができる点で異なっている。第2部分2010はまたシェルフ2096を含むことができる。シェルフは凹部内へ並進可能であることにより、胸部バー2002と係合し、胸部バー2002に対して安定器2004を固定することができる。胸部バー2002と係合し係合解除するために胸部バー2002及び安定器2004に対してシェルフ2096を並進させるように、ドライバ2094は回転可能であってよい。安定器2004は、側方からアクセス可能且つ操作可能なロッキング機構を有するという利点をもたらすことができる。
【0158】
図21は、胸部バー集成体2100を示す等角図である。胸部バー集成体2100は胸部バー2102と、安定器2104A及び2104Bを含むことができる。安定器2104A及び2104Bのそれぞれは、第1部分2108と、第2部分2110と、リビングヒンジ2198と、ファスナ2199とを含むことができる。胸部バー2102は第1溝2181と第2溝2183とを含むことができる。
【0159】
安定器2104Aは胸部バー2102と係合可能であってよく、胸部バーの第1溝2181と係合するように形成された凹部を含むことができる。第1部分2108と第2部分2110とはリビングヒンジ2198によってカップリングすることができ、リビングヒンジ2198とは反対側に凹部を形成することができる。ファスナ2199は、凹部を開閉するために第1部分2108及び第2部分2110にカップリング可能であってよい。凹部を開くと安定器2104Aが胸部バー2102から解放され、凹部を閉じると安定器2104Aが胸部バー2102に固定される。
【0160】
安定器2104Aだけについて上述したが、安定器2104Aの各特徴は安定器2104Bに適用することができる。安定器2104Bは溝2181とは反対側の溝2183と係合可能であってよい。いくつかの実施例では、図示はしていないものの、安定器2104A及び2104Bは突起を含むことができる。これらの突起は胸部バー2102へ向かって延びることにより、胸部バーの周方向溝と係合し、胸部バーに対する安定器の回転を防止する。
【0161】
図22は、安定器2204を示す等角図である。安定器2204は第1部分2208と、第2部分2210と、孔2285と、ファスナ2299とを含むことができる。安定器2204は胸部バー、例えば
図21の胸部バー2102と係合可能であってよい。第1部分2108は孔2285を有することができる。この孔は平滑であってもねじ山付きであってもよい。第2部分2110は第1部分2108とは反対側にあってもよい。第2部分2110は、胸部バーを受容するように形成された凹部を含むことができる。ファスナ2299は孔2285を通ることにより、第2部分と係合し、そして凹部内部に胸部バーを固定することができる。
【0162】
図23は安定器2304を示す等角図である。安定器2304は第1部分2308と、第2部分2310と、凹部2320とを含むことができる。第2部分2310は第1部分2308に対して対称的であってよい。第1部分2308は第2部分2310にカップリング可能であることによって、凹部2320のところで胸部バーと係合し、胸部バーを安定器2304に固定することができる。
【0163】
図24は胸部バー集成体2400を示す等角図である。胸部バー集成体2400は、胸部バー2402と、安定器2404と、ファスナ2499とを含むことができる。胸部バー2402はスロット2487を含むことができる。安定器2404は傾斜2489を含むことができる。
【0164】
いくつかの実施例では、スロット2487はねじ山付きであってよく、そして胸部バー2402の本体を通って延びることができる。安定器2404は傾斜2489によって形成された凹部を含むことができる。凹部は、胸部バー2402を受容するように形成することができる。ファスナ2499はスロット2487及び安定器2404の凹部を通過してこれと螺合可能に係合することにより、胸部バー2402を安定器2404に固定することができる。スロット2487が細長いので、スロット2487の長さによって制限された、胸部バー2402に沿った多くの位置で、安定器2404を胸部バー2402に固定することができる。
【0165】
図25は胸部バー集成体2500を示す等角図である。胸部バー集成体2500は、胸部バー2502と、安定器2504と含むことができる。安定器2504は、胸部バーと、安定器2504の本体を通って延びる孔2593とを受容するように形成された凹部を含むことができる。孔2593は所定の角度を成して安定器2504を通って延び、安定器2504の凹部と交差している。胸部バー集成体はまたファスナ2591を含むことができる。ファスナ2591は、孔2593を螺合可能に通過するようになっており、そして胸部バー2502の底側面取り部と係合可能であることによって、胸部バー2502を安定器2504の凹状部分内へ引き込み、安定器2504を胸部バー2502に固定することができる。ドライバ2595は、胸部バー2502と係合し係合解除するために、ファスナ2591を回すように形成することができる。
【0166】
図26は、胸部バー集成体2600を示す側方概略断面図である。胸部バー集成体2600は、胸部バー2602と安定器2604とを含むことができる。安定器2604はカム2616を含むことができる。胸部バー2602が、安定器2604を胸部バー2602に解離可能にロックするために、カム2616から延びることができる突起を受容するように形成されたネガティブなジオメトリを含み得ることを除けば、胸部バー集成体2600は上記胸部バー集成体と同様であってよい。
【0167】
図27は、胸部バー集成体2700を示す等角図である。胸部バー集成体2700は、胸部バー2702と安定器2704とを含むことができる。安定器2704は第1部分2708と、第2部分2710と、保持部材2799とを含むことができる。
【0168】
第1部分2708は胸部バー2702の第1の側と係合可能であってよい。第2部分2710は第1部分2708に並進可能にカップリングすることができるので、第2部分2710が閉位置にあるときに、第1部分2708及び第2部分2710は安定器2704を胸部バー2710に固定する。保持部材2799は、第2部分2710をそれぞれロック解除しロックするために開位置と閉位置との間で第2部分2710を並進させるように調節することができる。
【0169】
図28は、胸部バー集成体2800を示す等角図である。胸部バー集成体2800は胸部バー2802と安定器2804とを含むことができる。安定器2804は第1部分2808と第2部分2810とを含むことができる。第1部分2808は傾斜2871とストッパ2875とを含むことができる。第2部分2810はタブ2873を含むことができる。
【0170】
第1部分2808は胸部バー2802の第1の側と係合可能であってよい。第2部分2810は第1部分2808に回転可能にカップリングすることができる。第1部分2808は開位置と閉位置との間で回転可能であり、そして閉位置において胸部バー2802の第2の側と係合可能である。
【0171】
タブ2873は、第1部分2808の傾斜2871とストッパ2875との間に形成された切り欠きと係合可能であってよい。これにより、第2部分2810が閉位置にあるときに、第1部分2808に対する第2部分2810の回転を制限し、安定器2804を胸部バー2802にロックすることができる。第2部分2810は第2部分2810と一緒に回転可能なシェルフを含むことにより、第2部分2810がロック位置にあるときに胸部バー2802と係合することができる。
【0172】
胸部バー集成体2800は、安定器2804を胸部バー2802にツールなしでロックするという利点をもたらす。これにより外科的効率を高めることができ、特殊な取り付けツールの必要がなくなり、時間及びコストを節減することができる。
【0173】
図29は、胸部バー集成体2900を示す等角図である。胸部バー集成体2900は、胸部バー2902(
図29には胸部バー2902の一部だけが示されている)と、安定器2904と、ドライバ2905とを含むことができる。安定器2904は第1部分2908と第2部分2910とを含むことができる。第1部分2908は嵌合凹部2907と、嵌合凹部2909と、第1ドライバ孔2911と、嵌合延長部2913と、第1延長部2915と、凹状部分2920とを含むことができる。第2部分2910は第2延長部2917と、第3延長部2919とを含むことができる。
【0174】
安定器2904は凹状部分2920を含むことができる。凹状部分2920は、上述の安定器と同様に胸部バー2902を受容するように形成することができるので、第1部分2908は、安定器2904の凹状部分2920内部に胸部バー2902を保持するために胸部バー2902をフック留めすることができる。第2部分2910が開位置から第1部分2908へ向かって並進可能であることにより、閉位置において胸部バー2902と係合し、そして胸部バー2902を安定器2904に固定し、ドライバ2905が第2部分2910を開位置と閉位置との間で強制的に並進させるという点で、安定器2904は異なっている。
【0175】
より具体的には、第1部分2908の嵌合凹部2907は第2部分2910の第2延長部2917を受容することができる。また、第1部分2908の嵌合凹部2909は第1部分2910の第3延長部2919を受容することができる。第3延長部2919は第1部分2908の嵌合延長部2913とオーバーラップする。そして第1部分2908の第1延長部2915は、第2延長部2917と第3延長部2919との間に形成された凹部内へ延びることができる。閉位置において、第1部分2908及び第2部分2910の延長部及び凹部は、第1部分2908と第2部分2910との相対回転に抵抗することができ、ドライバ2905は第2部分2910に対する第1部分2908の並進を防止する。
【0176】
いくつかの実施例では、安定器2904が開位置にあるときには、胸部バー2902上へ第1部分2908をフック留めするように安定器2904を位置決めすることができるので、胸部バー2902は安定器2904の凹状部分2920内に位置する。ドライバ2905を次いで時計回り方向に回転させることにより、ドライバ2905を安定器2904内へ押し込み、第2部分2910を第1部分2908に向かって閉位置へ強制的に並進させることができる。閉位置では第2部分2910は胸部バー2902と接触し、そして第1部分2908と一緒に安定器2904の凹状部分2920内に胸部バー2902を保持する。所望の場合には、ドライバ2905を反時計回り方向に回転させることにより、第1部分2908を開位置へ並進させ、第1部分2908を胸部バー2902から係合解除するので、第2部分2910を胸部バー2902からフック留め解除することができ、ひいては胸部バー2902から取り外すことができる。ドライバ2905は側方から係合可能であるので、安定器2904は、安定器2904へ上方からアクセスできない空洞内で、胸部バー2902に固定可能であるという利点をもたらす。
【0177】
第1部分2908をフック留め解除する前に、第2部分2908が開位置にあるとき、そして第1部分2910が胸部バー2902上へフック留めされていると安定器2904を胸部バー2902の長さに沿って位置決めすることができる。安定器2904のこのような調節可能性は処置効率を高め、時間及びコストを節減することができる。
【0178】
図30Aは、胸部バー集成体2900をロック解除位置で示す上面等角図である。
図30Bは、胸部バー集成体2900をロック位置で示す上面等角図である。
図30A及び30Bを同時に以下に論じる。
【0179】
胸部バー集成体2900は、胸部バー2902と、安定器2904と、ドライバ2905とを含むことができる。安定器2904は第1部分2908と第2部分2910とを含むことができる。第1部分2908は嵌合凹部2907と、嵌合凹部2909と、第1ドライバ孔2911と、嵌合延長部2913と、第1延長部2915と、凹状部分2920とを含むことができる。第2部分2910は第2延長部2917と、第3延長部2919とを含むことができる。
【0180】
図30Aは、第2部分2910が第1部分2908から離れて開位置へどのように並進するかを示している。
図30Aに示されているように、第2部分2910が開位置にあるとき、嵌合凹部2907は第2延長部2917から分離され、嵌合凹部2909は第3延長部2919から分離され、嵌合延長部2913は第2部分2910から分離され、そして第1延長部2915は第2部分2910から部分的に分離されている。また開位置では、ドライバ2905はドライバ孔2911から延びている。
【0181】
図30Bに示されているように、第2部分2910が閉位置にあるときには、嵌合凹部2907は第2延長部2917と接触し、嵌合凹部2909は第3延長部2919と接触し、嵌合延長部2913は第2部分2910と接触し、そして第1延長部2915の各表面は第2部分2910と接触している。また、閉位置では、ドライバ2905はドライバ孔2911内へ完全にねじ込まれる。
【0182】
図31Aは、胸部バー集成体2900をロック解除位置で示す側面等角図である。
図31Bは、胸部バー集成体2900をロック位置で示す側面等角図である。
図31A及び31Bを同時に以下に論じる。
【0183】
胸部バー集成体2900は、胸部バー2902と、安定器2904と、ドライバ2905とを含むことができる。安定器2904は第1部分2908と第2部分2910とを含むことができる。第1部分2908は凹状部分2920と、シェルフ2924とを含むことができる。第2部分2910は並進シェルフ2921を含むことができる。
【0184】
図31Aに示されているように、安定器2904の第2部分2910が開位置にあるときには、シェルフ2924は胸部バー2902の左側の底側面取り部、左縁部、及び左の上側面取り部と接触してこれらを支持することができ、そして胸部バー2902の上部は凹状部分2920と接触することができる。しかしながら、右の上側面取り部、右縁部、及び右の下面取り部は安定器2904によって接触されていない。
【0185】
図31Bに示されているように、安定器2904の第2部分2910が閉位置にあるときには、右の下側面取り部は安定器2904によって接触されている。並進シェルフ2921と右の下側面取り部とが接触することによって、胸部バー2902が左及び上へ強制的に動かされる。また、閉位置では、胸部バー2902の右の下側面取り部及び右縁部は第2部分2910によって接触され、胸部バー2902が安定器2904に対して任意の方向に動くのを防止する。
【0186】
図32Aは、安定器2904の一部をロック解除位置で示す上方断面図である。
図32Bは、安定器2904の一部をロック位置で示す上方断面図である。
図32A及び32Bを同時に以下に論じる。
【0187】
安定器2904は第1部分2908と第2部分2910とを含むことができる。第1部分2908は嵌合凹部2907と、嵌合凹部2909と、ドライバ孔2911と、嵌合延長部2913と、第1延長部2915と、保持ピン2923と、ねじ山付き孔2925とを含むことができる。第2部分2910は第2延長部2917と、第3延長部2919と、ドライバ孔2927とを含むことができる。ドライバ孔2927は座ぐり孔2929と、面取り部2931とを含むことができる。ドライバ2905はヘッド2933と、ねじ山付き部分2935と、テーパ部分2937とを含むことができる。
【0188】
図32A及び32Bの安定器2904は、
図29~31Bと一致して関連させることができる。しかしながら、
図32A及び32Bは、安定器2904のさらなる詳細、例えば第2部分2910を閉位置へ並進させるために、ドライバを第1部分2908及び第2部分2910内にどのようにねじ込むことができるかを示している。
【0189】
ドライバ2905は、一方の端部に配置されたヘッド2933と、反対側の端部に配置されたテーパ部分2937とを含んでいる。ねじ山付き部分2935はその間に配置されている。ドライバ2905は第1部分2908のドライバ孔2911を通過することができる。ドライバ孔2911は、ねじ山付き部分2935よりも大きい直径を有するねじ山なしの孔であってよく、これによりドライバが制限されることなしにドライバ孔2911を通って動くことが可能になる。第1部分2908はさらにねじ山付き孔2925を含むことができる。ねじ山付き孔はドライバ孔2911と同軸的であってよく、ドライバ2905に対して相補的なねじ山を備えることができる。ピン2923はドライバ孔2911の壁の近くでドライバ孔2911をほぼ横方向に通ることができる。ドライバ2905をドライバ孔2911内及びねじ山付き孔2925内に挿入することによりドライバ2905のねじ山付き部分2935と接触させた後で、ピン2923を取り付けることができる。ピン2923とねじ山付き部分2935との接触は、ドライバ2905がドライバ孔2911から外部へ並進するのを制限する。
【0190】
第2部分2908はドライバ孔2927を含むことができる。ドライバ孔2927は、第2部分2908が閉位置にあるときにはドライバ孔2911と同軸的であることが可能であり、第2部分2908が開位置にあるときにはドライバ孔2911からオフセットされることが可能である。ドライバ孔2927は座ぐり孔2929を含むことができる。座ぐり孔はドライバ孔2927から第1部分2908へ向かってオフセットすることができる。ドライバ孔2927と座ぐり孔2929との間には、面取り部2931を形成することができる。
【0191】
いくつかの実施例の動作中、第2部分2910が開位置にあるときには、ドライバ2905は
図32Aに示されているように、ドライバ孔2911から伸長位置にあってよい。この位置において、テーパ部分2937は座ぐり孔2929内に位置することができ、そしてねじ山付き部分2935はピン2923と接触することができる。第2部分2910を閉位置に動かすことが望まれる場合、ドライバ2905を回転させ、ねじ山付き部分2925内へねじ込むことができる。テーパ部分2937が座ぐり孔2929を通って延びるのに伴って、テーパ部分2937は面取り部2931と接触することができる。面取り部は第2部分2910に力を加えることができ、これにより、第2部分2910は第1部分2908へ向かって並進するようになる。テーパ部分2910はテーパされたプロフィールであるので、第1部分2908へ向かう第2部分2910の運動は、上で詳細に説明したように、ドライバ2905のヘッド2933が安定器2004の側方と係合し、その時点で第1嵌合凹部2907が第2延長部2917と接触するようになるまで、ドライバ2905が回転させられてドライバ孔2927へ向かって並進されるのに伴って漸次的に生じることができる。このプロセスはドライバ2905を反対方向に回転させることにより反転することができる。
【0192】
図33は、胸部バー集成体3300を示す等角図である。胸部バー集成体3300は、胸部バー3302と、安定器3304と、ドライバ3305とを含むことができる。安定器3304は第1部分3308と、第2部分3310とを含むことができる。第1部分3308は第1シェルフ3324を含むことができる。第2部分3310は第1延長部3317を含むことができる。第1延長部3317は第2シェルフ3341を含むことができる。
【0193】
胸部バー集成体3300が底部取り付け型であり、又は凹部3320が安定器3304の上側で露出していることを除けば、胸部バー集成体3300は胸部バー集成体2900と同様であってよい。このような理由から、第2延長部3317は第2シェルフ3341を含み、第2シェルフは、第2部分3310が閉位置にあるときに胸部バー3302と係合しこれを保持することができる。
【0194】
図34Aは、胸部安定器バー及びツールを示す上面等角図である。
図34Bは、安定器バー及びツールを示す底面等角図である。
図35は、安定器バーの一部を示す図である。
図34A,34B及び35を以下に同時に論じる。
【0195】
胸部バーは胸部バーを複数の肋骨に取り付けるための孔を含む複数のアームを含むことができる。アームは所望の通りに、種々異なる位置に分離することができる。いくつかの実施例では、胸部バーは、トルクツールを受容するように形成された孔及びチャネルを含むことができる。トルクツールは、安定器バーにトルクを送達するための1つ又は2つ以上のハンドルを含むことができる。
【0196】
いくつかの実施例の動作中、医師はツールにトルクを加えることができる。ツールが孔の周りで回転するのに伴って、ツールはアームの1つにトルクを伝達し、所望の通りにアームを互いに分離することができる。1つのアームが動かされると、ツールを再び使用して、第1アームから他のアームを強制的にさらに引き離すことができる。アームが(
図35に示されているように)所望の通り分離されたら、例えば縫合糸を使用して、アームを人間の胸壁の肋骨に固定することができる。安定器バーの孔は、アームが広がっているときには、安定器穴があるはずの位置に類似する相対位置、又はその位置と同様の位置に類似する相対位置を有することができる。これらの安定器バーは、胸部バーのいずれかの端部における第2安定器の必要性をなくする。これにより矯正処置中に時間を節約し、そしてハードウェアを節減することができる。
【0197】
図36Aは安定器バーの一部を示す図である。
図36Aの安定器バーは
図34A及び34Bのものと同様であってよいが、しかし非直線状、うねり状、又は波状の周囲を有するアームを含むことができる。
図36Bは胸部安定器バーの他の実施例の一部を示す図である。ここでは胸部安定器バーのそれぞれのアームは、複数の孔を含むことができる。これにより、胸部安定器バーを胸壁に固定するための比較的多くの選択肢を提供することができる。
【0198】
図37は、本開示の少なくとも1つの実施例に基づく、上記デバイス及びシステムを使用するフローチャートを示している。
図37の方法のステップ又は動作は便宜上、そして明確にするために特定の順番で示されている。論じられた動作の多くは異なる順序で、又は並行して実施することができ、そしていくつかの動作は、他の動作に著しい影響を及ぼすことなしに排除されてよい。論じられる
図37の方法は、複数の異なるアクチュエータ、デバイス、及び/又はシステムによって実施され得る動作を含む。言うまでもなく、単独のアクチュエータ、デバイス、又はシステムに帰属させることのできる、
図37の方法において論じられる動作の部分集合は、別個の独立したプロセス又は方法と考えることもできる。
【0199】
1実施例の動作中、ステップ3702において医師は患者の胸壁に1つ又は2つ以上の切開部を形成することができる。ステップ3702において、いくつかの実施例では、他の準備、例えば軟組織の剥離、及び肋骨の切除又は除去を行うこともできる。ステップ3704において、胸部バー、例えば胸部バー202を胸壁内へ挿入し、患者の肋骨及び軟骨に手繰り込むことができる。完全に挿入されたら、適切な胸壁形状又は形態を支持する配向に胸部バーをフリップすることができる。ステップ3704の後、且つステップ3712の前の任意の時点において、必要に応じて、胸部バーの孔を通る、又は孔の周りを通る縫合糸及び/又はファスナを使用して、胸部バーを患者の肋骨に直接に固定することができる。
【0200】
ステップ3706において、安定器を胸部バーに取り付けることができ、次いでステップ3708において、胸部バーに対して位置決めすることができる。次いでステップ3710において、安定器ツール、ドライバ、又は付属品を使用して、安定器のロッキング機構をロックすることにより、安定器を胸部バーに固定することができる。ステップ3710に続いて、必要ならば、安定器をロック解除することができ、そして安定器を胸部バー上に再位置決めすることができる。従って、ステップ3706~3710を必要に応じて繰り返すことにより、安定器を胸部バーに所望の場所でロックすることができる。加えて、ステップ3706~3710を繰り返すことにより、第2安定器、第3安定器、及びこれに類する安定器を胸部バー上に取り付けることができる。いくつかの実施例では、ステップ3704を繰り返すことができ、第2胸部バー、第3胸部バー、およびこれに類する胸部バーを取り付けることができる。各安定器は1つ又は2つ以上の安定器を受容することができる。
【0201】
安定器が所望の場所で胸部バーにロックされたら、ステップ3712において処置を完了することができる。このステップ3712は、軟組織、例えば筋肉、靱帯、軟骨、腱、及び骨を結合することを含むことができ、また切開部を閉じることを含むこともできる。
【0202】
付記
上記詳細な説明は添付の図面の参照を含む。図面は詳細な説明の一部を成している。図面は例証として、開示内容を実施し得る特定の実施態様を示している。これらの実施態様は「実施例」とも呼ぶ。このような実施例は図示又は記載したものに加えたエレメントを含むことができる。しかしながら、本発明者は、図示又は記載されたエレメントだけが設けられた実施例をも考える。さらに、本発明者は、特定の実施例(又はその1つ又は2つ以上の特徴)に関して、或いはここに図示又は記載された他の実施例(又はそれらの1つ又は2つ以上の特徴)に関して、図示又は記載されたエレメント(又はそれらの1つ又は2つ以上の特徴)の任意の組み合わせ又は置換を用いた実施例をも考える。
【0203】
この文書において、「a」又は「an」という用語は、特許文献では普通のことであるが、任意の他の事例、又は「少なくとも1つ」又は「1つ又は2つ以上」という用語の使用とは独立して、1つ又は1つよりも多いことを含むように使用される。この文書では「又は」という用語は、非排他的であることを意味するために使用され、或いは特に断りがない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BではあるがAではない」、及び「A及びB」を含むように使用される。この文書では、「including」及び「in which」という用語はそれぞれ「comprising」及び「wherein」という用語の平易な英語の同等物として使用される。また、下記請求項において、「including」及び「comprising」は無制限であり、すなわち、請求項におけるこのような用語の後に挙げられたエレメントに加えられたエレメントを含むシステム、デバイス、物品、組成、製剤、又はプロセスもその請求項の範囲内に含まれるものと見なされる。さらに、下記請求項において、「第1」、「第2」、及び「第3」などという用語は標識として使用されるにすぎず、これらの対象に数的な要件を課そうとするものではない。
【0204】
上記説明は、例示的であるように、そして非制限的であるように意図される。例えば、上記実施例(又はこれらの1つ又は2つ以上の特徴)は互いに組み合わせて用いることができる。例えば当業者であれば上記説明を検討すれば、他の実施例を用いることもできる。要約書は、技術的開示内容の性質を読者が素早く確認するのを可能にするために37C.F.R.§1.72(b)に準拠するように提供されている。要約書は、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されることはないという理解をもって提出される。また、上記詳細な説明において、種々の特徴をまとめることにより、開示内容を簡素化することもできる。このことは、請求項で主張されていない開示された特徴が任意の請求項にとって本質的であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の対象は、特定の開示された実施例の全ての特徴よりも少ない特徴にあり得る。従って、下記請求項は実施例又は実施態様として詳細な説明に組み込まれる。各請求項は別々の実施例として独立しており、このような実施例を種々の組み合わせ又は置換において互いに組み合わせることができると考えられる。発明の範囲は、添付の請求項に与えられる同等物の全範囲と一緒にこのような請求項を参照しながら見極められるべきである。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
胸部バー集成体であって、
第1周囲を含む第1部分、及び、前記第1部分とは反対側の第2部分を含む胸部バーと、
安定器であって、前記第2部分と係合可能な凹部を含む安定器本体、及び、前記第1部分に該安定器を固定するために本体内部で回転可能なロッキングカムを含む安定器と、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様2〕
前記凹部は、前記本体の第2の側に対して開いており、前記ロッキングカムは、前記本体の第1の側で係合可能である、態様1に記載の集成体。
〔態様3〕
前記凹部は、前記本体の第1の側に対して開いており、前記ロッキングカムは、前記本体の第1の側で係合可能である、態様1又は2に記載の集成体。
〔態様4〕
前記本体はさらに、
前記凹部と交差するカム孔を含み、前記ロッキングカムがカム孔内部で回転可能である、態様1から3のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様5〕
前記カム孔はさらに第1切り欠きを含み、
前記ロッキングカムはタブを含み、前記タブは前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第1切り欠きと係合して、前記ロッキングカムをロック位置に維持する、態様1から4のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様6〕
前記カム孔はさらに第2切り欠きを含み、前記タブが前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第2切り欠きと係合して、前記ロッキングカムを部分係合位置に維持する、態様1から5のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様7〕
前記カム孔はさらに第3切り欠きを含み、前記タブは前記カム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第2切り欠きと係合して、前記ロッキングカムを開位置に維持する、態様1から6のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様8〕
前記ロッキングカムはさらに、
前記ロッキングカムの周囲に近接して配置された、前記タブを含むアームと、
前記アームを支持するリビングヒンジであって、前記アームが伸長位置と圧縮位置との間で動くのを可能にするように可撓性であり、前記伸長位置では前記タブが前記ロッキングカムをロックするように切り欠きと係合し、前記圧縮位置では前記タブが前記切り欠きと係合解除して、前記ロッキングカムが前記孔内部で回転するのを可能にする、リビングヒンジと、
を含む、態様1から5のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様9〕
前記孔はさらに傾斜エッジを含み、前記傾斜エッジは、前記ロッキングカムが前記カム孔及び前記胸部バーからロック解除されるのを可能にする圧縮位置へ前記アームを動かすように、前記切り欠きと係合されるようになっている、態様1から8のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様10〕
前記孔はさらに孔ストッパを含み、
前記孔ストッパは、カム孔内部の前記ロッキングカムの回転限界を設定するために前記ロッキングカムと係合するように形成されている、態様1から5のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様11〕
前記第1切り欠きは前記本体内部に配置されており、前記アームは前記切り欠きと内部で係合する、態様1から5のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様12〕
前記安定器はさらに、前記開口に近接して前記凹部から、前記ロッキングカムへ向かって延びる安定器シェルフを含み、前記安定器シェルフは前記第2部分と係合可能であり、 前記ロッキングカムはさらに、前記胸部バーと係合可能なカムシェルフを含む、
態様1から11のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様13〕
前記安定器は前記胸部バーの長さに沿った任意の地点で前記胸部バーと係合可能である、態様1から12のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様14〕
第1カム孔内部で前記ロッキングカムが回転可能な、前記凹部と交差する第1カム孔と、
前記第1カム孔とは反対側で前記凹部と交差する第2カム孔と、
前記胸部バーと係合するように第2カム孔内部で回転可能な第2ロッキングカムと、をさらに含む、態様1から13のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様15〕
前記ロッキングカムはさらに、
ツールと係合可能な外側部分を含み、前記外側部分が、前記ロッキングカムがロック位置にあるときに前記安定器の前記本体と面一になるように角度付けされている、態様1から14のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様16〕
前記ロッキングカムはさらに、
前記胸部バーに対して前記ロッキングカムの回転を制限するために、前記胸部バーと係合可能なバーストッパを含む、態様11から15のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様17〕
胸部バー安定器であって、
人間の胸壁に固定可能な本体と、
安定器を胸部バーに固定するように動作可能な、本体内部で回転可能なロッキングカムと、
を含む、胸部バー安定器。
〔態様18〕
前記本体はさらに、前記胸部バーと係合可能な凹部を含む、態様17に記載の安定器。
〔態様19〕
前記本体はさらに、
前記凹部と交差するカム孔を含み、前記ロッキングカムは前記カム孔内部で回転可能である、態様17又は18に記載の集成体。
〔態様20〕
前記カム孔はさらに第1切り欠きを含み、
前記ロッキングカムはタブを含み、前記タブはカム孔内部の前記ロッキングカムの回転を制限するように前記第1切り欠きと係合して、前記ロッキングカムをロック位置に維持する、態様19に記載の集成体。
〔態様21〕
前記ロッキングカムはさらに、
前記ロッキングカムの周囲に近接して配置された、前記タブを含むアームと、
前記アームを支持するリビングヒンジであって、前記アームが伸長位置と圧縮位置との間で動くのを可能にするように可撓性であり、前記伸長位置では前記タブが前記ロッキングカムをロックするように切り欠きと係合し、前記圧縮位置では前記タブが前記切り欠きと係合解除して、前記ロッキングカムが前記孔内部で回転するのを可能にする、リビングヒンジと、
を含む、態様20に記載の集成体。
〔態様22〕
胸部バーに安定器を固定する方法であって、前記方法が、
胸部バーの上に安定器を置き、
前記安定器のロッキングカムを回転させることにより、前記胸部バーと係合させ、前記胸部バーに前記安定器を固定する、
ことを含む、胸部バーに安定器を固定する方法。
〔態様23〕
胸部バーの下に安定器を置き、
前記安定器のロッキングカムを回転させることにより、前記胸部バーと係合させ、前記胸部バーに前記安定器を固定する、
ことをさらに含む、態様22に記載の方法。
〔態様24〕
胸部バーであって、
第1部分であって、該第1部分の第1周囲を画定する第1面取り部を含む、第1部分と、
第2部分であって、該第2部分の第2周囲を画定する第2面取り部を含む、前記第1部分とは反対側の第2部分と、
前記第1面取り部と前記第2面取り部とを分離する、所定の半径を有する周辺と、
を含む、胸部バー。
〔態様25〕
前記胸部バーの第1端部に近接する、前記胸部バーを通って延びる縫合孔をさらに含む、態様24に記載の胸部バー。
〔態様26〕
前記胸部バーは、患者の生体構造及び平均的患者の生体構造のうちの1つに適合するように予め湾曲させられている、態様24又は25に記載の胸部バー。
〔態様27〕
前記第1面取り部及び第2面取り部は、安定器ロッキング機構と係合するように形成されている、態様24から26のいずれか1項に記載の胸部バー。
〔態様28〕
前記胸部バーは、縦断面、横断面、及び前頭面のうちの1つ又は2つ以上に関して対称的である、態様24から27のいずれか1項に記載の胸部バー。
〔態様29〕
胸部バー集成体であって、
第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器と、
を含み、前記安定器は、
前記第1の側と係合可能な第1部分と、
前記第2の側と係合可能であり且つ前記第1部分に並進可能にカップリングされ得る第2部分と、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様30〕
前記第1部分はさらに、前記第2部分に向かって延びて前記胸部バーと係合可能な第1シェルフを含み、
前記第2部分はさらに、前記第1部分に向かって延びて前記胸部バーと係合可能な第2シェルフを含む、態様29に記載の集成体。
〔態様31〕
前記第1部分はさらに第1孔を含み、前記第2部分がさらに第2孔を含む、
態様29又は30に記載の集成体。
〔態様32〕
胸部バー集成体であって、
第1の側及び第2の側を有する細長い本体を含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器と
を含み、前記安定器が、
前記第1の側と係合可能な第1部分と、
前記第2の側と係合可能な第2部分と、
前記第1部分を前記第2部分に結合するロッキング機構と
を含み、
ロッキング部分が前記安定器を前記胸部バーに固定するために作動させられうるようになっている、胸部バー集成体。
〔態様33〕
前記ロッキング機構がさらに、
前記第1部分を前記ロッキング機構にカップリングする第1ヒンジと、
前記第2部分を前記ロッキング機構にカップリングする第2ヒンジと
を含む、態様31又は32に記載の集成体。
〔態様34〕
前記ロッキング機構がさらに第1ポストと第2ポストとを含み、
前記第1部分がさらに、前記第1部分を前記胸部バーに固定するために前記第1ポストに解離可能に固定され得る第1ロッキングフォークを含み、
前記第2部分がさらに、前記第2部分を前記胸部バーに固定するために前記第2ポストに解離可能に固定され得る第2ロッキングフォークを含む、
態様31から33のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様35〕
前記第1部分はさらに第1シェルフを含み、前記第1シェルフは前記第2部分へ向かって延びていて前記胸部バーと係合可能であり、
前記第2部分はさらに第2シェルフを含み、前記第2シェルフは前記第1部分へ向かって延びていて前記胸部バーと係合可能である、
態様32から34までのいずれか1項に記載の集成体。
〔態様36〕
胸部バー集成体であって、
第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器とを含み、
前記安定器が、
第1部分と、
前記胸部バーを受容するように形成された凹部を含む、前記第1部分とは反対側の第2部分と、
前記胸部バーと係合して前記胸部バーに対して前記安定器を固定するように、前記凹部内に並進可能なシェルフと、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様37〕
前記胸部バーと係合し係合解除するために前記安定器に対して前記シェルフを並進させるように回転可能な駆動装置をさらに含む、態様36に記載の集成体。
〔態様38〕
胸部バー集成体であって、
胸部バーであって、第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含み、前記第1の側が溝を含む、胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器であって、前記胸部バーの前記溝と係合するように形成された凹部を含む、安定器と
を含む、胸部バー集成体。
〔態様39〕
前記安定器がさらに、第1部分と第2部分とを含み、前記第1部分と第2部分とが、リビングヒンジによってカップリングされ、前記リビングヒンジとは反対側に前記凹部を形成する、態様38に記載の集成体。
〔態様40〕
前記凹部を開閉するために前記第1部分と前記第2部分とにカップリング可能なファスナをさらに含む、態様38又は39に記載の集成体。
〔態様41〕
前記胸部バーがさらに前記第2の側の第2溝と、前記第2溝と係合可能な第2安定器とを含む、態様38から40のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様42〕
胸部バー集成体であって、
第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器と、
を含み、前記安定器が、
孔を含む第1部分と、
前記胸部バーを受容するように形成された凹部を含む、前記第1部分とは反対側の第2部分と、
前記第2部分と係合し、凹部内部に前記胸部バーを固定するように、前記孔を通るファスナと、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様43〕
胸部バー集成体であって、
細長い本体を含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器と、
を含み、前記安定器が
第1ピースと、
前記胸部バーと係合するように前記第1ピースにカップリング可能な、前記第1ピースに対して対称的な第2ピースと、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様44〕
胸部バー集成体であって、
第1の側と第2の側とを有する細長い本体と、前記本体を通って延びるスロットとを含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器であって、前記胸部バーを受容するように形成された凹部を含む、安定器と、
ファスナであって、前記スロットを通り且つ前記スロットと係合し、前記安定器を前記胸部バーに解離可能にカップリングするように前記安定器の凹部に固定されるようになっている、ファスナと、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様45〕
前記安定器がさらに、前記凹部を取り囲む傾斜を含む、態様44に記載の集成体。
〔態様46〕
前記スロットが、スロット内部の任意の位置でファスナにカップリングするように形成された雌ねじ部を含む、態様44又は45に記載の集成体。
〔態様47〕
胸部バー集成体であって、
細長い本体を含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器であって、
前記胸部バーを受容するように形成された凹部と、
前記本体を通って延びて前記凹部と交差する孔と
を含む、安定器と、
前記孔を通り前記胸部バーと係合可能なファスナと、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様48〕
胸部バー集成体であって、
第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器と、
を含み、前記安定器が、
前記第1の側と係合可能な第1部分と、
第2部分であって、前記第1部分にカップリングされており、開位置と閉位置との間で並進可能であり、前記第2部分が前記第2の側と前記閉位置で係合する、第2部分と、
保持部材であって、前記第1部分を前記第2部分に結合し、前記開位置と前記閉位置との間で前記第2部分を並進させるように形成されている、保持部材と、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様49〕
胸部バー集成体であって、
第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、
安定器と、
を含み、前記安定器が、
前記胸部バーの第1の側と係合可能な第1部分と、
前記第1部分に回転可能にカップリングされた第2部分であって、開位置と閉位置との間で回転可能であり、前記胸部バーの第2の側と前記閉位置で係合可能である、第2部分と、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様50〕
前記第1部分は切り欠きを含み、
前記第2部分はタブを含み、前記第2部分が閉位置にあるときに、前記第1部分に対する前記第2部分の回転を防止するために、前記タブが前記切り欠きと係合可能である、
態様49に記載の集成体。
〔態様51〕
前記第2部分がさらに、前記第2部分がロック位置にあるときに前記胸部バーと係合するように、前記第2部分と回転可能であるシェルフを含む、態様48から50のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様52〕
胸部バー集成体であって、
第1の側と第2の側とを有する細長い本体を含む胸部バーと、
前記胸部バーと係合可能な安定器と
を含み、前記安定器が、
第1の側と係合可能な第1部分と、
第2部分であって、前記第1部分にカップリングされており、開位置と閉位置との間で並進可能であり、前記第2部分が前記第2の側と前記閉位置で係合する、第2部分と、
を含む、胸部バー集成体。
〔態様53〕
前記第1部分はさらに、前記胸部バーと並進可能に係合され得る第1シェルフを含む、態様52に記載の集成体。
〔態様54〕
前記第2部分がさらに、
前記第2部分がロック位置にあるときに前記胸部バーと係合するように前記第2部分と並進可能である第2シェルフを含む、
態様52又は53に記載の集成体。
〔態様55〕
前記第1部分はさらに、実質的に前記第2部分へ向かって延びる第1突起を含み、
前記第2部分はさらに、それぞれが実質的に前記第1部分へ向かって延びる第2突起と第3突起とを含み、前記第2突起及び第3突起がそれぞれ、前記第1部分に対する前記第2部分の回転を制限するために、前記第1突起と係合する、
態様52から54のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様56〕
前記第1部分はさらに、前記第1突起を通って延びる第1孔を含み、
前記第2部分はさらに、前記第2突起を通って延びる第2孔を含み、前記第2部分が閉位置にあるときには前記第2孔が前記第1孔と整合可能であり、
前記第2孔を前記第1孔と整合させ、前記第2部分を閉位置に固定するために、ファスナが第1孔内部で並進可能であり、前記第2孔内へ延びることができる、
態様52から55のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様57〕
前記第2孔はさらに、前記第2部分が閉位置にあるときに前記ファスナを受容するように形成されたアンダーカットを含む、態様52から56のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様58〕
前記第2孔はさらに、前記第2孔の小径と前記アンダーカットとの結合部に面取り部を含み、前記ファスナが前記アンダーカットから前記小径内へ並進するのに伴って、前記面取り部が前記第2部分を前記第1部分と強制的に整合させる、態様52から57のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様59〕
前記ファスナは末端でテーパされており、前記ファスナが前記アンダーカットから小径内へ並進するのに伴って、前記第2部分を前記第1部分と強制的に整合させるように、前記テーパが前記面取り部と係合可能である、態様52から58のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様60〕
前記ファスナはねじ部付きであり、前記第1孔は前記ファスナを受容するようにねじ部付きである、態様52から59のいずれか1項に記載の集成体。
〔態様61〕
前記第1部分はさらに、前記第1孔に対する前記ファスナの並進を制限するために、前記第1孔を横切るピンを含む、態様52から60のいずれか1項に記載の集成体。