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特許7130681空中ビークル、有利に揺動可能なアームマウントを有するマルチコプター
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  • 特許-空中ビークル、有利に揺動可能なアームマウントを有するマルチコプター 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】空中ビークル、有利に揺動可能なアームマウントを有するマルチコプター
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/08 20060101AFI20220829BHJP
   B64C 1/30 20060101ALI20220829BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
B64C27/08
B64C1/30
B64C39/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019570512
(86)(22)【出願日】2018-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 NO2018050190
(87)【国際公開番号】W WO2019017794
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】20171194
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】518269876
【氏名又は名称】グリフ アビエーション エーエス
【氏名又は名称原語表記】GRIFF AVIATION AS
【住所又は居所原語表記】Bakkedamsvegen 32, 6230 SYKKYLVEN, Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・マルティン・ニュセテル
(72)【発明者】
【氏名】ハンス・ペッテル・ホルデ
(72)【発明者】
【氏名】レイフ・ヨハン・ホランド
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205801495(CN,U)
【文献】中国実用新案第203593166(CN,U)
【文献】国際公開第2017/183551(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0034775(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0016435(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1527544(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/08
B64C 1/30
B64C 39/02
B64D 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(10)および複数の揚力発生手段(61A,61B,62A,62B)を備える空中ビークル(AV)であって、各前記揚力発生手段は、それぞれのアームアセンブリ(20A,20B)によって支持され、かつ前記本体(10)に接続され、前記アームアセンブリは、格納アーム位置と、ロックおよび解放可能な拡張アーム位置との間で移動可能であり、
前記アームアセンブリ(20A,20B)は、対で配置され
各アームアセンブリ対は、同じコーナー部分で前記本体(10)に取り付けられるとともに揺動スピンドル(30)によって互いに結合された上部アーム(20A)および下部アーム(20B)を形成し、
前記格納アーム位置において、各前記アームアセンブリ対の前記上部アーム(20A)および前記下部アーム(20B)の先端部は、前記空中ビークル(AV)の前記本体(10)を向くことを特徴とする、空中ビークル。
【請求項2】
揺動スピンドルは、上部アーム取付ブラケット(40A)および下部アーム取付ブラケット(40B)の各対に軸支され、それにより前記拡張アーム位置と前記格納アーム位置の間で揺動可能な、揺動可能アームアセンブリ対を形成する、請求項1に記載の空中ビークル。
【請求項3】
各前記コーナー部分で前記本体(10)に取り付け可能な各カバー(50)をさらに備え、前記揺動スピンドル(30)と、前記上部アーム取付ブラケット(40A)および前記下部アーム取付ブラケット(40B)の各対の軸支装置とを少なくとも保護する、請求項2に記載の空中ビークル。
【請求項4】
前記上部アーム取付ブラケット(40A)および各前記下部アーム取付ブラケット(40B)において、前記揺動スピンドルが収容される大きい円形開口部の対向する側に配置された開口部をさらに備え、前記開口部は、前記カバーを前記上部アーム取付ブラケット(40A)および前記下部アーム取付ブラケット(40B)に取り付けるための前記カバー(50)の上端部および下端部の対応する開口部に適合するネジを収容し、それによって前記カバー(50)が前記上部アーム取付ブラケット(40A)および前記下部アーム取付ブラケット(40B)の関連部品の分離を維持および固定するよう機能する、請求項3に記載の空中ビークル。
【請求項5】
前記アームアセンブリ対を前記拡張アーム位置および前記格納アーム位置の少なくとも一方にロックした状態を維持するために各前記揺動スピンドル(30)に対して構成された揺動ロック装置(70)をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の空中ビークル。
【請求項6】
前記揺動スピンドル(30)が中空部分を備え、かつ前記揺動スピンドルと前記上部アーム(20A)および前記下部アーム(20B)のそれぞれの1つに取り付けられたアイテムの間の制御、電力、または燃料ライン用の上部開口部(32A)および下部開口部(32B)を前記中空部分に備え、前記揺動スピンドル前記本体(10)に配置された機器の間の制御、電力、または燃料ライン用の上部中央開口部(33A)および下部中央開口部(33B)を中空揺動スピンドルに備える、請求項~5のいずれか一項に記載の空中ビークル。
【請求項7】
前記揺動スピンドル(30)が管状揺動スピンドルであり、揺動スピンドル外周の少なくとも一部分にカム(34)を有し、第1アーム取付ブラケット(40A)および第2アーム取付ブラケット(40B)は、前記揺動スピンドルの各第1部分および第2部分を受容し、かつ軸支を提供する開口部を有し、前記揺動スピンドルは、前記揺動スピンドルを前記第1アーム取付ブラケットと前記第2アーム取付ブラケットの間の間隙の位置に維持するための第1手段および第2手段と、コッターピンが前記カムと面一になり前記カムのノッチまたは谷部に配置されるロック位置と、前記カムと面一ではない解放位置との間で移動可能となるよう構成された可動コッターピン(73)を含むロック装置とを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の空中ビークル。
【請求項8】
前記本体(10)が長方形の本体であり、前記アームアセンブリ対が前記本体の各前記コーナー部分に接続されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の空中ビークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中ビークル(AV)、より具体的には、請求項1の前文に明記されているような、遠隔制御ドローンとして動作可能なマルチコプターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、ドローンが使用されていないときにローターアームが折り畳まれている場合にそのサイズを縮小できる折り畳み式ドローンを開示する特許文献1を含む。機体の上板と底板の間には複数のアームが設けられており、各アームの自由端にはモーターによるプロペラを備えたローターが設けられている。上板および底板の前後に、1組の前部接続ユニットと1組の後部接続ユニットが設けられている。前部接続ユニットの幅は、後部接続ユニットの幅よりも大きいため、前アームと後アームは、互いに重ならないように並べて折り畳むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国特許第10-1527544号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ドローンとして有利に動作可能な複数のモーターを備えたローター翼マルチコプター型AVを提供することであり、固定され吊り下げられた重い積み荷、有利には約300kgから約500kgの範囲の重い積み荷を運ぶように設計されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者は、本発明の開発において、本明細書に図示および説明するブラケットアームの構成に上下のエンジンおよびプロペラを配置し、上下のエンジンおよびプロペラが反対方向に回転することにより、瞬間的な回転が有利に回避されることを発見した。「Switch-And-Lock」システムは、特に高速展開に対応するために、UAVの簡単で高速な変更を可能にするメカニズムである。ローターアームは、格納位置から飛行のための安全にロックされた拡張位置に揺動することで簡単に広げることができ、また、ローターアームをAVの機体に向けて揺動することで簡単にコンパクトに輸送できる。本発明のAVは、飛行時間の延長または最大リフト能力のために常に最適な数のローターを選択するオプションも可能にする。切替機構は、AVの機体に回転可能に取り付けられた中央スピンドルを有利に備える。ローターアームの対は、中央スピンドルのそれぞれの第1端部と第2端部に有利に取り付けられる。
【0006】
ロック機構は、ローターアームの事前定義された回転角度で中央スピンドルにスライドするバネ付きロックコッターピンで構成されている。
【0007】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載の仕様に従って、揚力発生手段を有する空中ビークルのための揺動可能なアームマウントを提供し、この空中ビークルは有利にはマルチコプターである。
【0008】
したがって、本体と複数の揚力発生手段とを含む空中ビークルが提供され、前記各揚力発生手段は、それぞれのアームアセンブリによって支持されるとともに本体に接続され、アームアセンブリは、格納位置と拡張ロックおよび解除可能位置との間で移動可能であり、前記アームアセンブリは、対で配置され、各アームアセンブリの対は、本体に回転可能に取り付けられた中央スピンドルを介して相互接続されることを特徴とする。
【0009】
一実施形態では、各アームアセンブリ対は、同じコーナー部分で本体に取り付けられ、前記揺動スピンドルによって互いに結合される上部および下部アームを形成し、スピンドルは上部および下部アーム取付ブラケットのそれぞれの対で軸支され、それにより、前記拡張アーム位置と格納アーム位置との間で揺動可能な揺動可能アーム対を形成する。
【0010】
空中ビークルは、上部および下部アーム取付ブラケットのそれぞれの対における揺動スピンドルおよびそれらの軸支構成を少なくとも保護するために、各コーナー部分で本体に取り付けられるそれぞれのカバーをさらに含み得る。
【0011】
空中ビークルは、揺動スピンドルを受け入れる大きな円形の開口部の両側に位置する上部および下部アーム取付ブラケットのそれぞれに開口部をさらに備え、 カバーを上部および下部アーム取付ブラケットに取り付けるためにカバーの上端部および下端部の対応する開口部に適合するネジに対応し、これにより、カバーは、上部および下部アーム取付ブラケットの関連部分の分離を維持および固定する役割を果たす。
【0012】
空中ビークルはさらに、各スピンドルがアーム対を拡張位置と格納位置の少なくとも一方にロックした状態に保つように構成された揺動ロック機構を備えてもよい。
【0013】
一実施形態では、スピンドルは、中空部分を備え、揺動スピンドルと上部および下部アームのそれぞれに取り付けられたアイテムとの制御、動力、または燃料ライン用の上部および下部開口部を中空部分に備え、揺動スピンドルと本体に配置された機器との間の制御、動力、または燃料ライン用の上部および下部中央開口部を中空揺動スピンドルに備える。
【0014】
一実施形態では、スピンドルは、管状揺動スピンドルであり、揺動スピンドルの円周の少なくとも一部にカムを有し、揺動スピンドルのそれぞれの第1および第2部分を受け入れ、軸支を提供するための開口部を備えた第1および第2アーム取付ブラケットと、 揺動スピンドルを第1および第2アーム取付ブラケット間の隙間の位置に保持するための第1および第2手段と、コッターピンがカムと面一になり、カムのノッチまたは谷部に配置されるロック位置と、カムと面一ではない解放位置との間で移動可能に配置された可動コッターピンを含むロック装置と有する。
【0015】
空中ビークル本体は、長方形の本体であってもよく、アームアセンブリ対は、前記本体の各コーナー部分に接続される。
【0016】
以下において、本発明は、例として、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明によるマルチコプタードローンの一実施形態を示す第1の斜視図である。
図2A図1に示す本発明によるマルチコプタードローンの実施形態を示す第2の上面斜視図の写真である。
図2B図1および図2Aに示される本発明によるマルチコプタードローンの実施形態を示す第3の側面斜視写真である。
図3図1図2A、および図2Bに示される本発明によるマルチコプタードローンの実施形態に含まれるモーター/プロペラアームブラケット構成の実施形態の構成要素を示す分解図である。
図4図3に示されたモーター/プロペラアームブラケット構成の実施形態を示す部分斜視図である。
図5A図3および図4に示されるモーター/プロペラアームブラケット構成の実施形態におけるモーター/プロペラアームブラケット揺動およびロック/解放構成の実施形態を示す部分組立側面斜視図である。
図5B図5Aに示されたモーター/プロペラアームブラケット揺動およびロック/解放装置の実施形態を示す部分組立側面図である。
図6図5Aおよび図5Bに示されたモーター/プロペラアームブラケットのロック/解除構成の実施形態の構成要素を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
簡単にするため、以下では、モーター/プロペラアームブラケットをアームと呼び、シャーシまたはフレームを本体と呼ぶ。
【0019】
最初に図1の図面を参照すると、本発明による完全なローター翼マルチコプターが、アームが本体から外に揺動されてロックされ、飛行の準備が整った構成で示されている。この図では、略長方形の本体10、本体の長方形の上部コーナー部分を形成するように本体に取り付けられた複数の上部アーム取付ブラケット40A、本体の長方形の下部コーナー部分を形成するように本体に取り付けられた複数の下部アーム取付ブラケット40B、本体の長方形のコーナーのそれぞれの上部のそれぞれにヒンジ接続されて上方および外側に延びる複数の上部アーム20A、本体の長方形のコーナーの下部のそれぞれにヒンジ接続されて下方および外側に延びる複数の下部アーム20B、各上部アーム20Aのそれぞれの外端部に取り付けられた複数の上部モーターサポート60A、各下部アーム20Bのそれぞれの外端部に取り付けられた複数の下部モーターサポート60B、それぞれ上部モーター駆動プロペラまたはローター62Aを備え、上部モーターサポート60Aのそれぞれに取り付けられた複数の上部モーター61A、それぞれ下部モーター駆動プロペラまたはローター62Bを備え、下部モーターサポート60Bのそれぞれに取り付けられた複数の下部モーター61Bが確認される。本体は、プロペラの回転を駆動するために適用される電力を制御するために、少なくとも電力または燃料コントローラーを搭載するように構成されている。ワイヤレスの実施形態では、本体は、モーターおよびコントローラーの動力源または燃料を収容するようにもなっている。モーター61A、61Bは、有利には電気モーターであり、動力源は、バッテリー、ソーラーパネル、または本発明の空中ビークルに搭載された電力を提供または生成する他の手段である。上部アーム20Aと下部アーム20Bの各対は、本体の同じコーナー部分に取り付けられ、揺動スピンドル(図1には示されていない)によって互いに結合され、揺動スピンドルは、上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bの各対に軸支されており、これにより、拡張アーム位置と格納アーム位置の間で揺動可能な揺動可能なアームの対を形成する。本体に取り付け可能なカバー50が各コーナーに設けられており、揺動スピンドル(図1には示されていない)および上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bの各対における軸支構造を少なくとも保護する。
【0020】
図2Aを参照すると、本発明のAVの実施形態の上からの写真が斜視図で示されている。この図2Aでは、遠近法の視点が本体の中心に対してわずかに中心を外れて左にあるため、写真の右側では2対のアームの上部および下部アームの2セットが明確に区別できるのに対して、写真の左側では、上部アームのそれぞれは、各アームペアのそれぞれの下にあるアームのほとんどと実質的に重なって隠しており、モーターと各アームのそれぞれのプロペラまたはローターブレードの部分のみがはっきりと区別できる。
【0021】
図2Aと同様に、図2Bは、図2Aに示された本発明のAVの実施形態の側面からの写真を斜視図で示しており、本体と上部アームおよび下部アームのそれぞれがそれぞれ隣接する上下のアームの大部分と実質的に重って隠しており、カメラの位置に対して最も離れた位置にあるモーターとアームのそれぞれのプロペラまたはローターブレードのみがはっきりと区別できる。図3を参照すると、本発明によるAVの揺動アーム構成の構成要素の第1の分解斜視図が提供されている。この実施形態では、上部アーム20Aおよび下部アーム20Bのそれぞれは、図面のそれぞれの最も左側および右側に配置可能なそれぞれの第1および第2のアーム半体によって形成される。アーム半体の複数の円形の機構は、アームを形成するためにアーム半体を結合するための留め具の位置を示す。アームの内側部分にある円形の機構と併せて、留め具の位置を表す円形の機構を示す隣接する点線の第1の対も描かれ、内端部でアーム対のアームを揺動スピンドル30の上部および下部部分に取り付けるための留め具を収容し、アームの外側部分の円形の機構と併せて、留め具の位置を表す円形の機構を示す隣接する点線の第2の対も描かれ、外側アーム端部でアーム対のアームを上部および下部モーターサポート60A,60Bのそれぞれに取り付けるための留め具を収容する。中央に配置された揺動スピンドル30の上部および下部は、ほぼ管状で、上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bのそれぞれの大きな円形開口部の開口部に嵌合し、取付ブラケットは本体のコーナーの取付構造に嵌合する。揺動スピンドル30の縦方向の中心軸と、上部および下部のアーム取付ブラケットの大きな円形の開口部を通る点線は、これらが組み立てられる垂直線を示している。各上部Aおよび下部アーム取付ブラケットにある2つの小さな開口部は、揺動スピンドルが収容される開口部の対向する側に配置され、上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bにカバーを取り付けるために、カバー50の上下端部の対応する開口部に適合するネジを収容する。それにより、カバー50は、上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bの関連部品の分離を維持および固定するのにも役立つ。構成要素が数字70で集合的に示されている揺動ロック装置は、各揺動スピンドル30に対して設けられ、アーム対を拡張位置および格納位置の少なくとも一方にロックした状態を維持する。
【0022】
図4を参照すると、本発明によるAVを形成するために本体に取り付ける準備ができている揺動可能なアーム対システムに組み立てられた図3に示された構成要素の第1の斜視図が示されている。このアセンブリでは、上部および下部モーターサポート60A,60Bにそれぞれ上部モーター61Aと下部モーター61Bが装備されており、一対の揺動アーム20A、20Bは、上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bに対して格納位置に配置されている。揺動スピンドルロック装置70は、一対の上部および下部ガイドサポート71A,71B、上部および下部ガイドサポートと71A,71Bのそれぞれの端部の穴に保持されるように適合された第1および第2の端部を有する複数のガイドロッド72、平行に配置されたガイドロッド72の長手方向にコッターピン73が前後にスライドするように、ガイドロッド72のそれぞれを受け入れるように適合された複数の平行な貫通穴を有する板状コッターピン73、および細長い解放ボタン75を備える。一対の上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bの間の位置に組み立てて保持すると、スライドコッターピン73は、上部および下部ガイドサポート71A,71Bの間の間隙のガイドロッド上をロック位置と解放位置の間でスライド可能となり、コッターピンをロック位置に付勢するように配置されたバネによって一般にロック位置に保持される。上部および下部ガイドサポート71A,71B間の間隙のコッターピンのロック位置では、コッターピンは、揺動スピンドル30の中央部に配置されたカム34(図6参照)と面一であり、コッターピンの突出端部は、カムの側面に乗っているか、カムのノッチに配置されている。カムのノッチにある場合、カムの端部がコッターピンの縁部に当接するまでスピンドルが回転し、その時点でコッターピンによってそれ以上の回転が妨げられる。細長い解放ボタンは、戻しバネ74の位置を基準にして板状コッターピンの反対側にある上部および下部ガイドサポート71A,71Bの関連する1つに配置され、一端部がコッターピンの対向面に載置されるか隣接して配置され、反対の端部は、関連するガイドサポートから突出している。したがって、解放ボタン75の突出端部に、戻しバネ74の力に逆らう方向の押す力を加えることにより、コッターピンはガイドロッドに沿って、カムと面一ではない位置までスライドする。揺動スピンドルのカムと面一でない場合、カムとコッターピンの間に相互作用がなく、揺動スピンドルは、上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bの大きな開口部の軸支によって自由に回転する。カムの隆起部分がコッターピンの突出端部に面している場合に解放ボタン75を離すと、戻しバネ74によってコッターピンが静止し、コッターピンの突出端部が上部および下部ガイドサポート71A,71Bの間の間隙のロック位置に再び移動できるようにカムノッチが位置するよう揺動スピンドル30が十分に回転するまで、カムの側面に押し付けられる。
【0023】
図5Aを参照すると、図3に示されたアームおよびアーム関連コンポーネントを含まない部分的なアセンブリを示す第2の斜視組立図が提供される。この図には、揺動スピンドルと、上部および下部アーム20A,20Bのそれぞれに取り付けられたアイテムとの間の制御、動力、または燃料ライン用の中空揺動スピンドルの上部および下部開口部32A,32Bと、揺動スピンドルと本発明のAVの本体に配置された機器との間の制御、動力、または燃料ライン用の中空揺動スピンドルの上部および下部中央開口部33A,33Bとが示されている。この図に示されている他のコンポーネントと要素は、図4に示されているものに対応している。
【0024】
図5Bを参照すると、図5Aに示される部分アセンブリを示す第2の側面図が提供され、この実施形態の戻しバネおよび上部ガイドサポート71Aに配置される細長い解放のより明確な図が示されている。コッターピンは揺動スピンドル30のカム部分34と明らかに面一になっているため、コッターピンは、ロック位置にあり、コッターピンの突出端部は、カム34のノッチまたは「谷」に配置されている。
【0025】
図6を参照すると、揺動スピンドルの回転をロックし、関連する一対のアーム20A、20Bを所定の揺動位置、格納位置または拡張位置の少なくとも一方にロックするロック装置70の有利な実施形態を構成する構成要素を示す第3の斜視分解図が提供される。この実施形態では、ロック装置70は、三角形の断面を有し、3つのガイドロッドのうちの1つの下部を受け入れて保持するための3つのコーナーのそれぞれの上部にある穴を有する下部ガイドサポート71Bと、戻しバネ74と、3本のガイドロッド72と、ガイドロッド72上をスライドするための三角形のコーナーの3つの平行な穴を有するコッターピン73と、三角形の断面を有し、3本のガイドロッドの1つの上部を受け入れて保持するための3つのコーナーそれぞれの下部にある穴、および解放ボタンを収容する中央穴を有するガイドサポート71Aと、上端が上部ガイドサポート71Aの上部から突出し、下端がコッターピン73の上面に載置されるような細長い解放ボタンとを備える。参照のために、この図に示されている揺動スピンドル30も、揺動スピンドル30の方向に突出しているコッターピンの端部が、カム34のノッチまたは「谷」がコッターピンに面している場合に揺動スピンドル30のカム部分34と面一になる様子を示しており、この実施形態のカム34のノッチまたは「谷」は、揺動スピンドル30の約180度の回転角にわたって延びているように見える。上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bの大きな円形の開口部で揺動スピンドル30を軸支するための手段の説明のために、揺動スピンドル30の半径方向外側に突出する上部および下部フランジ31A,31Bの詳細が示され、揺動スピンドル30を保持するための手段を提供し、それにより、上部および下部アーム取付ブラケット40A,40Bの間の位置にカム部分34を保持する。
【0026】
本発明は、例として、本発明の実施形態を参照して説明されており、本発明の発明原理および態様を実施する他の実施形態も特許請求の範囲内で企図されることを理解されたい。一例として、発明を実施するAVは、本発明を説明するために本明細書に開示したもの以外に、上部アーム20Aのみまたは下部アーム20Bのみが含まれる実施形態、または上部アーム20Aまたは下部アーム20Bのみの他の組み合わせでさえあり得る。同様に、本発明を例示および説明するために1つの設計のみが示されているが、モーターサポートは本明細書に開示されているものとは異なる方向に向けることができ、アームは異なる設計のものであり得る。
【符号の説明】
【0027】
10 本体
20A 上部アーム
20B 下部アーム
30 揺動スピンドル
31A 上部フランジ
31B 下部フランジ
32A 上部開口部
32B 下部開口部
33A 上部中央開口部
33B 下部中央開口部
34 カム
40A 上部アーム取付ブラケット
40B 下部アーム取付ブラケット
50 カバー
60A 上部モーターサポート
60B 下部モーターサポート
61A 上部モーター
61B 下部モーター
62A 上部ローター
62B 下部ローター
70 ロック装置
71A 上部ガイドサポート
71B 下部ガイドサポート
72 ガイドロッド
73 板状コッターピン
74 戻しバネ
75 解放ボタン
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6