(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】端末、通信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20220829BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220829BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/04 131
(21)【出願番号】P 2020072346
(22)【出願日】2020-04-14
(62)【分割の表示】P 2018538882の分割
【原出願日】2016-03-30
【審査請求日】2020-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ワン リレイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴリチェク エドラー フォン エルプバルド アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】星野 正幸
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-232132(JP,A)
【文献】特表2019-508911(JP,A)
【文献】Huawei, HiSilicon,Short TTI for DL transmissions[online], 3GPP TSG-RAN WG1#84 R1-160292,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84/Docs/R1-160292.zip>,2016年02月06日
【文献】Huawei, HiSilicon,Short TTI for UL transmissions[online], 3GPP TSG-RAN WG1#84 R1-160294,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84/Docs/R1-160294.zip>,2016年02月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1サブフレームよりも短い第1sTTI(short Transmission Time Interval)を用いて、基地局から送信された下り信号を受信する受信部と、
前記1サブフレームよりも短く、かつ、前記第1sTTIよりも長い第2sTTIを用いて、前記基地局に、前記下り信号に対する上り信号を送信する送信部と、
を具備し、
前記送信部は、前記下り信号の受信タイミングから、前記第1sTTIの所定数後の前記第2sTTIを用いて、前記上り信号を送信し、
前記下り信号の受信タイミングから、前記第1sTTIの所定数後のタイミングと、前記第2sTTIの境界とが一致しない場合、前記第1sTTIの所定数後の最初の前記第2sTTIを用いて、前記上り信号を送信し、
前記所定数は、前記1サブフレーム内のすべての前記第1sTTIに適用される、
端末。
【請求項2】
前記下り信号は、下りデータの割り当てを示す下り制御情報を含み、
前記上り信号は、前記下りデータに対するACK/NACK信号である、
請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記下り信号は、前記上り信号の割り当てを示す下り制御情報を含み、
前記受信部は、前記上り信号を送信した前記第2sTTIから前記第1sTTIの所定数後の前記第1sTTIを用いて、前記基地局から送信された、前記上り信号に対するACK/NACK信号を受信する、
請求項1に記載の端末。
【請求項4】
前記受信部は、前記ACK/NACK信号を、当該ACK/NACK信号のHARQ process IDと同一のHARQ process IDの前記下り制御情報が送信される前記第1sTTIの1つ前の前記第1sTTIで受信する、
請求項
3に記載の端末。
【請求項5】
前記送信部は、前記下り信号の受信タイミングから、前記所定数の前記第1sTTIに絶対時間を加えた後の最初の前記第2sTTIを用いて、前記上り信号を送信する、
請求項1に記載の端末。
【請求項6】
前記送信部は、前記下り信号の受信タイミングから、前記所定数の前記第1sTTI及び絶対時間のうち大きい方の後の最初の前記第2sTTIを用いて、前記上り信号を送信する、
請求項1に記載の端末。
【請求項7】
前記送信部及び前記受信部は、前記第1sTTI及び前記第2sTTIの使用と、前記1サブフレームのTTIの使用とを切り替える場合、共通のHARQ process IDを用いる、又は、HARQ process IDを継続する、
請求項1に記載の端末。
【請求項8】
前記所定数は、前記基地局と前記端末間において、可変パラメータとして設定される、
請求項1に記載の端末。
【請求項9】
1サブフレームよりも短い第1sTTI(short Transmission Time Interval)を用いて、基地局から送信された下り信号を受信する工程と、
前記1サブフレームよりも短く、かつ、前記第1sTTIよりも長い第2sTTIを用いて、前記基地局に、前記下り信号に対する上り信号を送信する工程と、
を具備し、
前記送信する工程は、前記下り信号の受信タイミングから、前記第1sTTIの所定数後の前記第2sTTIを用いて、前記上り信号を送信し、
前記下り信号の受信タイミングから、前記第1sTTIの所定数後のタイミングと、前記第2sTTIの境界とが一致しない場合、前記第1sTTIの所定数後の最初の前記第2sTTIを用いて、前記上り信号を送信し、
前記所定数は、前記1サブフレーム内のすべての前記第1sTTIに適用される、
通信方法。
【請求項10】
1サブフレームよりも短い第1sTTI(short Transmission Time Interval)を用いて、基地局から送信された下り信号を受信する処理と、
前記1サブフレームよりも短く、かつ、前記第1sTTIよりも長い第2sTTIを用いて、前記基地局に
、前記下り信号に対する上り信号を送信する処理と、
を制御し、
前記送信する処理は、前記下り信号の受信タイミングから、前記第1sTTIの所定数後の前記第2sTTIを用いて、前記上り信号を送信し、
前記下り信号の受信タイミングから、前記第1sTTIの所定数後のタイミングと、前記第2sTTIの境界とが一致しない場合、前記第1sTTIの所定数後の最初の前記第2sTTIを用いて、前記上り信号を送信し、
前記所定数は、前記1サブフレーム内のすべての前記第1sTTIに適用される、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、端末及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遅延時間の短縮(delay critical)が求められるアプリケーションの実現が考えられている。遅延時間の短縮が求められるアプリケーションの例として、車の自動運転、スマートグラスでの超リアリティアプリケーション、又は、機器間のコミュニケーションなどが挙げられる。
【0003】
3GPPでは、これらのアプリケーションを実現するために、パケットの遅延を低減するlatency reductionが検討されている(非特許文献1を参照)。Latency reductionでは、データを送受信する時間単位であるTTI(Transmission Time Interval)長を、0.5msecから1 OFDM symbolの間の長さに短縮することが考えられている。なお、従来のTTI長(TTI length)は1msecであり、サブフレームと呼ばれる単位と等しい。1subframeは2 slots(1 slotは0.5msec)で構成されている。1slotは、normal CP(Cyclic Prefix)の場合、7 OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)symbolsで構成され、extended CPの場合は6 OFDM symbolsで構成される。
【0004】
図1は、normal CPの場合の短縮TTIの例を示す。TTI長が0.5msec(=1slot)の場合、1msecあたり2TTIが配置される。また、1slotを 4OFDM symbolsのTTIと、3OFDM symbols のTTIとに分割する場合、1msecあたり4TTIが配置される。また、TTI長が1OFDM symbolの場合、1msecあたり14TTIが配置される。
【0005】
TTI長を短縮することで、CQI報告の遅延を短くでき、CQI報告の頻度を多くできるので、CQI報告と実際の回線品質とのずれが少なくなるという利点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】RP-150465, "New SI proposal: Study on Latency reduction techniques for LTE," Ericsson, Huawei, March 2015
【文献】3GPP TR 36.211 V13.0.0, “Physical channels and modulation (Release 13),” December 2015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
TTI長を短縮する際に、DL(Downlink)とUL(Uplink)とでは短縮TTI(sTTI: short TTI)の長さが異なることが考えらえる。しかしながら、従来のLTE/LTE-advancedでは、DLとULとは同一TTI長であり、データ割り当て、データ送信、フィードバックのタイミングは、同一のTTI長を基準として共通に規定されている。したがって、DL及びULのsTTI長が異なる場合におけるデータ割り当て、データ送受信信、フィードバックのタイミングを新たに規定する必要がある。
【0008】
本開示の一態様は、DLとULとでsTTI長が異なる場合のデータ割り当て、データ送受信信、フィードバックのタイミングを適切に設定することができる基地局、端末及び通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る基地局は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI)を用いて下り信号を送信する送信部と、前記TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTIを用いて上り信号を受信する受信部と、を具備し、前記第1sTTIの長さが前記第2sTTIよりも短い場合、前記受信部は、前記下り信号の送信タイミングから、前記第1sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後の前記第2sTTIで前記上り信号を受信する。
【0010】
本開示の一態様に係る端末は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI)を用いて下り信号を受信する受信部と、前記TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTIを用いて上り信号を送信する送信部と、を具備し、前記第1sTTIの長さが前記第2sTTIよりも短い場合、前記送信部は、前記下り信号の受信タイミングから、前記第1sTTIの長さを基準として設定される前記所定間隔後の前記第2sTTIで前記上り信号を送信する。
【0011】
本開示の一態様に係る通信方法は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI)を用いて下り信号を送信し、前記TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTIを用いて上り信号を受信し、前記第1sTTIの長さが前記第2sTTIよりも短い場合、前記上り信号は、前記下り信号の送信タイミングから、前記第1sTTIの長さを基準として設定される前記所定間隔後の前記第2sTTIで受信される。
【0012】
本開示の一態様に係る通信方法は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI)を用いて下り信号を受信し、前記TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTIを用いて上り信号を送信し、前記第1sTTIの長さが前記第2sTTIよりも短い場合、前記上り信号は、前記下り信号の受信タイミングから、前記第1sTTIの長さを基準として設定される前記所定間隔後の前記第2sTTIで送信される。
【0013】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一態様によれば、DLとULとでsTTI長が異なる場合のデータ割り当て、データ送受信信、フィードバックのタイミングを適切に設定することができる。
【0015】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】実施の形態1に係る基地局の要部構成を示すブロック図
【
図3】実施の形態1に係る端末の要部構成を示すブロック図
【
図4】実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
【
図5】実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
【
図6】実施の形態1に係るULデータ割当時の送受信タイミングの一例を示す図(動作例1-1)
【
図7】実施の形態1に係るULデータ割当時の送受信タイミングの一例を示す図(動作例1-2)
【
図8】実施の形態1に係るULデータ割当時の送受信タイミングの他の例を示す図(動作例1-2)
【
図9】実施の形態1に係るULデータ割当時の送受信タイミングの一例を示す図(動作例1-3)
【
図10】実施の形態1に係るULデータ割当時の送受信タイミングの他の例を示す図(動作例1-3)
【
図11】実施の形態1に係るDLデータ割当時の送受信タイミングの一例を示す図(動作例2-1)
【
図12】実施の形態1に係るDLデータ割当時の送受信タイミングの一例を示す図(動作例2-2)
【
図13A】実施の形態1に係るDLデータ割当時の送受信タイミングの他の例を示す図(動作例2-2)
【
図13B】実施の形態1に係るDLデータ割当時の送受信タイミングの他の例を示す図(動作例2-2)
【
図14】実施の形態1に係るDLデータ割当時の送受信タイミングの他の例を示す図(動作例2-3)
【
図15】実施の形態2に係るULデータ割当時の送受信タイミングの一例を示す図
【
図16】実施の形態2に係るDLデータ割当時の送受信タイミングの他の例を示す図
【
図17】実施の形態3に係るULデータ割当時の送受信タイミングの一例を示す図
【
図18】実施の形態3に係るULデータ割当時の送受信タイミングの他の例を示す図
【
図19】実施の形態4に係るULデータ割当時の送受信タイミングの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
[本開示の一態様に至る経緯]
3GPPは、DLではOFDMを用いて、ULではシングルキャリア送信を用いている。
【0018】
ULにおいて、シングルキャリア送信を維持するには、参照信号(DMRS:demodulation reference signal)とデータ信号(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)とを同一シンボルに配置できず、参照信号のオーバヘッドが大きくなるという課題がある。また、ULでは、端末(UE:User Equipment)が信号を送信するので、時間単位あたりの送信電力は、基地局(eNB)が信号を送信するDLと比較して低い。したがって、ULでは、UEは、所望の受信電力を確保するために時間軸上にリソースを広げて信号を送信する必要がある。
【0019】
一方、DLではOFDMを用いるので、参照信号とデータ信号(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)との周波数多重が容易であり、ULと比較してsTTI(TTI長の短縮)の導入が容易である。また、DLのトラフィック量は、ULのトラフィック量と比較して多いことが考えられ、Latency reductionがより求められている。
【0020】
以上より、TTI長を短縮する際、DLでは、ULよりも短い長さのsTTIを設定する可能性がある。
【0021】
そこで、本開示の一態様では、DLとULとでsTTI長が異なる場合、特に、DLのsTTI(以下、「DL sTTI」と表す)の長さがULのsTTI(以下、「UL sTTI」と表す)の長さよりも短い場合における、データ割り当て、データ送受信、フィードバックの送受信タイミングを適切に規定することを目的とする。
【0022】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、基地局100及び端末200を備える。
【0024】
図2は本開示の実施の形態に係る基地局100の要部構成を示すブロック図である。
図2に示す基地局100において、送信部106は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI。DL sTTI)を用いて下り信号を送信し、受信部107は、TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTI(UL sTTI)を用いて上り信号を受信する。受信部107は、第1sTTIの長さが第2sTTIよりも短い場合、下り信号の送信タイミングから、第1sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後の第2sTTIで上り信号を受信する。
【0025】
また、
図3は、本開示の各実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
図3に示す端末200において、受信部201は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI。DL sTTI)を用いて下り信号を受信し、送信部212は、TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTI(UL sTTI)を用いて上り信号を送信する。送信部212は、第1sTTIの長さが第2sTTIよりも短い場合、下り信号の受信タイミングから、第1sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後の第2sTTIで上り信号を送信する。
【0026】
また、以下では、sTTI(DL sTTI、UL sTTI)で割り当てられる、ULデータ信号を「sPUSCH」と表し、DLデータ信号を「sPDSCH」と表し、UL grant又はDL assignmentが配置される下り制御信号(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を「sPDCCH」と表す。
【0027】
(実施の形態1)
[基地局の構成]
図4は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図4において、基地局100は、sTTI決定部101と、sPDCCH生成部102と、誤り訂正符号化部103と、変調部104と、信号割当部105と、送信部106と、受信部107と、信号分離部108と、ACK/NACK受信部109と、復調部110と、誤り訂正復号部111と、ACK/NACK生成部112とを有する。
【0028】
sTTI決定部101は、DL及びULのsTTI長を決定する。sTTI決定部101は、決定したsTTI長を示すsTTI情報を、sPDCCH生成部102、信号割当部105及び信号分離部108に出力する。また、sTTI決定部101は、sTTI情報を上位レイヤのシグナリングとして誤り訂正符号化部103に出力する。
【0029】
sPDCCH生成部102は、sTTI決定部101から入力されるsTTI情報に基づいて、sTTIで送受信可能なデータサイズを決定する。sPDCCH生成部102は、DL又はULのリソース割当情報(例えば、DL assignment又はUL grant)を含むsPDCCHを生成する。sPDCCH生成部102は、生成したsPDCCHを端末200へ送信するために信号割当部105に出力する。また、sPDCCH生成部102は、DLのリソース割当情報を信号割当部105に出力し、ULのリソース割当情報を信号分離部108に出力する。
【0030】
また、sPDCCH生成部102は、ACK/NACK受信部109から入力されるACK/NACK信号(つまり、DLデータ信号(sPDSCH)に対するACK/NACK信号)の内容(ACK又はNACK)に基づいて、DLデータ信号の再送が必要か否かを判定し、判定結果に応じてsPDCCHを生成する。
【0031】
なお、基地局100におけるデータ割り当て(DL assignment、UL grant)、データ送受信(PDSCH、PUSCH)、フィードバック(ACK/NACK信号)の送受信タイミングの詳細については後述する。
【0032】
誤り訂正符号化部103は、送信データ信号(DLデータ信号)、及び、sTTI決定部101から入力される上位レイヤのシグナリングを誤り訂正符号化し、符号化後の信号を変調部104へ出力する。
【0033】
変調部104は、誤り訂正符号化部103から受け取る信号に対して変調処理を施し、変調後の信号を信号割当部105へ出力する。
【0034】
信号割当部105は、sTTI決定部101から入力されるsTTI情報に基づいて、変調部104から受け取る信号、sPDCCH生成部102から受け取る制御信号(sPDCCH)、又は、ACK/NACK生成部112から入力されるACK/NACK信号(つまり、ULデータ信号(sPDSCH)に対するACK/NACK信号)を、所定の下りリソースに割り当てる。このようにして制御信号(sPDCCH)又はデータ信号(sPDSCH)が所定のリソースに割り当てられることにより、送信信号が形成される。形成された送信信号は、送信部106へ出力される。
【0035】
送信部106は、信号割当部105から入力される送信信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、アンテナを介して端末200へ送信する。
【0036】
受信部107は、端末200から送信された信号をアンテナを介して受信し、受信信号に対してダウンコンバート等の無線受信処理を施し、信号分離部108へ出力する。
【0037】
信号分離部108は、sPDCCH生成部102から入力されるULのリソース割当情報及びsTTI決定部101から入力されるsTTI情報に基づいて、sPUSCH(ULデータ信号)及びACK/NACK信号の受信周波数及び時間タイミングを特定する。そして、信号分離部108は、受信信号からULデータ信号を分離して復調部110へ出力し、受信信号からACK/NACK信号を分離してACK/NACK受信部109へ出力する。
【0038】
ACK/NACK受信部109は、信号分離部108から入力される、DLデータ信号に対するACK/NACK信号の内容(ACK又はNACK)をsPDCCH生成部102に出力する。
【0039】
復調部110は、信号分離部108から入力される信号に対して復調処理を施し、得られた信号を誤り訂正復号部111へ出力する。
【0040】
誤り訂正復号部111は、復調部110から入力される信号を復号し、端末200からの受信データ信号(ULデータ信号)を得る。誤り訂正復号部111は、ULデータ信号をACK/NACK生成部112に出力する。
【0041】
ACK/NACK生成部112は、誤り訂正復号部111から入力されるULデータ信号に対して、CRC(Cyclic Redundancy Check)を用いて、誤りがあるか否かを判定し、判定結果をACK/NACK信号として信号割当部105に出力する。
【0042】
[端末の構成]
図5は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図5において、端末200は、受信部201と、信号分離部202と、復調部203と、誤り訂正復号部204と、sTTI設定部205と、誤り判定部206と、ACK/NACK生成部207と、sPDCCH受信部208と、誤り訂正符号化部209と、変調部210と、信号割当部211と、送信部212と、を有する。
【0043】
受信部201は、受信信号をアンテナを介して受信し、受信信号に対してダウンコンバート等の受信処理を施した後に信号分離部202へ出力する。
【0044】
信号分離部202は、sTTI設定部205から入力されるDL sTTI長に基づいて、sPDCCHが割り当てられる可能性のあるリソースに配置された信号(sPDCCH信号)を分離して、sPDCCH受信部208へ出力する。また、信号分離部202は、sPDCCH受信部208から入力されるDLのリソース割当情報に基づいて、受信信号からDLデータ信号(sPDSCH)を分離し、復調部203へ出力する。
【0045】
復調部203は、信号分離部202から受け取る信号を復調し、復調後の信号を誤り訂正復号部204へ出力する。
【0046】
誤り訂正復号部204は、復調部203から受け取る復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力する。また、誤り訂正復号部204は、受信データ信号を誤り判定部206へ出力する。また、誤り訂正復号部204は、復調部203から受け取る復調信号を復号し、得られた上位レイヤのシグナリング(sTTI情報を含む)をsTTI設定部205へ出力する。
【0047】
sTTI設定部205は、誤り訂正復号部204から入力されるsTTI情報に基づいて、DL及びULのsTTI長を設定し、設定したDL sTTI長を示す情報を信号分離部202に出力し、設定したUL sTTI長を示す情報を信号割当部211に出力する。
【0048】
誤り判定部206は、受信データ信号のCRCで誤りを検出し、検出結果をACK/NACK生成部207へ出力する。
【0049】
ACK/NACK生成部207は、誤り判定部206から入力される、受信データ信号の検出結果に基づいて、誤りが無ければACKを生成し、誤りが有ればNACKを生成し、生成したACK/NACK信号を信号割当部211へ出力する。
【0050】
sPDCCH受信部208は、信号分離部202から受け取るsPDCCHから、リソース割当情報(DLリソース割当情報、ULリソース割当情報)を抽出し、DLリソース割当情報を信号分離部202へ出力し、ULリソース割当情報を信号割当部211へ出力する。
【0051】
誤り訂正符号化部209は、送信データ信号(ULデータ信号)を誤り訂正符号化し、符号化後のデータ信号を変調部210へ出力する。
【0052】
変調部210は、誤り訂正符号化部209から受け取るデータ信号を変調し、変調後のデータ信号を信号割当部211へ出力する。
【0053】
信号割当部211は、sTTI設定部205から受け取るUL sTTI長を示す情報、及び、sPDCCH受信部208から受け取るULリソース割当情報に基づいて、変調部210から入力されたデータ信号をリソースに割り当て、送信部212へ出力する。また、信号割当部211は、ACK/NACK生成部207から入力されたACK/NACK信号をACK/NACK用リソースに割り当て、又は、ULデータ信号に多重して、送信部212へ出力する。
【0054】
なお、端末200におけるデータ割り当て(DL assignment、UL grant)の受信、データ送受信(PDSCH、PUSCH)、フィードバック(ACK/NACK信号)の送受信タイミングの詳細については後述する。
【0055】
送信部212は、信号割当部211から入力される信号に対してアップコンバート等の送信処理を施し、アンテナを介して送信する。
【0056】
また、端末200は、信号分離部202において受信信号から分離されたACK/NACK信号(つまり、ULデータ信号(sPUSCH)に対するACK/NACK信号)の内容(ACK又はNACK)に基づいて、ULデータ信号の再送が必要か否かを判定し、判定結果に応じてsPUSCHを再送する(図示せず)。
【0057】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200における動作について詳細に説明する。
【0058】
本実施の形態では、DL sTTI長とUL sTTI長とが異なり、DL sTTI長がUL sTTI長よりも短い場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として、データ割り当て(sPDCCH内のUL grant、DL assignment)、データ送受信(sPUSCH、sPDSCH)、フィードバック(ACK/NACK信号)の送受信タイミングを決定する。
【0059】
具体的には、DLデータに関して、端末200(送信部212)は、DL assignment を含むsPDCCHを受信するsTTIと、そのDL assignmetnで割り当てるsPDSCHとを同一DL sTTIとする。また、端末200は、sPDSCHを受信したDL sTTI(つまり、DL assignmentを受信したDL sTTI)のタイミングから、DL sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後のUL sTTIで当該sPDSCHに対するACK/NACK信号を送信する。つまり、基地局100(受信部107)は、sPDSCHを送信したDL sTTI(当該sPDSCHのDL assignmentを送信したDL sTTI)のタイミングから、DL sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後のUL sTTIで当該sPDSCHに対するACK/NACK信号を受信する。
【0060】
また、ULデータに関して、端末200(送信部212)は、UL grantを含むsPDCCHの受信タイミングから、DL sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後のUL sTTIでsPUSCHを送信する。つまり、基地局100(受信部107)は、UL grantを含むsPDCCHの送信タイミングから、DL sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後のUL sTTIでsPUSCHを受信する。
【0061】
また、基地局100(送信部106)は、sPUSCHを受信したUL sTTIのタイミングから、DL sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後のDL sTTIで当該sPUSCHに対するACK/NACK信号を送信する。つまり、端末200(受信部201)は、sPUSCHを送信したUL sTTIのタイミングから所定間隔後のDL sTTIで当該sPUSCHに対するACK/NACK信号を受信する。
【0062】
また、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として決定したULのタイミングがUL sTTIの境界と一致しない場合、UL信号(sPUSCH又はACK/NACK信号)の送受信をUL sTTIの境界と一致するタイミングまで遅延させる。
【0063】
例えば、基地局100及び端末200は、データ割り当て、データ送受信、フィードバックのタイミング(1つ目の信号に対する2つ目の信号の送信タイミング)を以下のように規定する。
DLデータに関するタイミング
DL assignment in sPDCCH - sPDSCH : same sTTI
sPDSCH - ACK/NACK feedback : 少なくとも X DL sTTIs 後
ULデータに関するタイミング
UL grant in sPDCCH - sPUSCH : 少なくとも X DL sTTIs 後
sPUSCH - ACK/NACK feedback : 少なくとも X DL sTTIs 後
【0064】
なお、「少なくとも X DL sTTIs」とは、1つ目の信号(上記DL assignment、sPDSCH、UL grant又はsPUSCH)の送受信が完了してから、2つ目の信号(上記sPDSCH、ACK/NACK feedback、sPUSCH又はACK/NACK feedback)の送受信を開始するまで、少なくとも(X-1)sTTIの間隔があり、その間隔の後の最初のsTTIに2つ目の信号を割り当てることを示す。
【0065】
以下、基地局100及び端末200におけるデータ割り当て、データ送受信、フィードバックの動作について詳細に説明する。
【0066】
まず、ULデータ割当時の動作例について説明する。ULデータ割り当てでは、synchronous HARQを前提とする。なお、以下の動作例では、説明のために、HARQ process IDを図示しているが、HARQ process IDは端末200へ通知されずに、基地局100と端末200でそれぞれUL sTTI番号と、HARQ process IDとが関連付けられている。
【0067】
<動作例1-1:ULデータ割り当て(UL 7 symbols sTTIs and DL 3/4 symbols sTTIs)>
図6は、動作例1-1における、ULデータ信号(sPUSCH)の送信を指示するUL grantが配置されるsPDCCHとsPUSCHとの送受信タイミング、及び、sPUSCHと当該sPUSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0068】
動作例1-1では、
図6に示すように、UL sTTI長を7symbolsとし、DL sTTI長を3/4 symbolsとし、X=4とする。3/4 symbolsのsTTIsでは、1スロット中の前半4symbolと後半3symbolとでsTTIをそれぞれ構成する(つまり、1スロットあたり2つのsTTI)(例えば、
図1を参照)。つまり、
図6では、DL sTTIは1サブフレームあたり4個であり、subframe #0からsubframe #4までDL sTTI#0~#19が割り当てられている。また、
図6では、UL sTTIは1サブフレームあたり2個であり、subframe #0からsubframe #4までUL sTTI#0~#9が割り当てられている。
【0069】
すなわち、動作例1-1では、DL sTTI数(1サブフレームあたり4個)はUL sTTI数(1サブフレームあたり2個)の2倍である。
【0070】
UL grantとsPUSCHとについて、X=4の場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として、UL grant(sPDCCH)の送受信から、少なくとも4 DL sTTIs後にsPUSCHの送受信を開始する。すなわち、UL grantの送受信が完了してから、sPUSCHの送受信を開始するまで、少なくとも3 DL sTTI(=X-1)の間隔がある。つまり、基地局100及び端末200は、UL grantの送受信タイミングから、3 DL sTTIの間隔後の最初のUL sTTIでsPUSCHを送受信する。
【0071】
例えば、基地局100がDL sTTI#0でHARQ process ID #0のUL grantを送信した場合、UL grantの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#0)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#4である。したがって、端末200は、DL sTTI#4と同一タイミングであるUL sTTI#2でHARQ process ID #0のsPUSCHを送信する。
【0072】
同様に、sPUSCHとACK/NACK信号とについて、X=4の場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として、sPUSCHの送受信から、少なくとも4 DL sTTIs後に当該sPUSCHに対するACK/NACK信号の送受信を開始する。すなわち、sPUSCHの送受信が完了してから、ACK/NACK信号の送受信を開始するまで、少なくとも3 DL sTTIの間隔がある。つまり、基地局100及び端末200は、sPUSCHの送受信タイミングから、3 DL sTTIの間隔後の最初のDL sTTIでACK/NACK信号を送受信する。
【0073】
例えば、端末200がUL sTTI#2でHARQ process ID#0のsPUSCHを送信した場合、sPUSCHの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#5)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#9である。したがって、基地局100は、DL sTTI#9でHARQ process ID#0のsPUSCHに対するACK/NACK信号を送信する。
【0074】
このように、基地局100及び端末200は、X=4の場合、3 DL sTTI以上の間隔を空けて、UL grantとsPUSCH、及び、sPUSCHとACK/NACK信号をそれぞれ割り当てる。
【0075】
なお、
図6では、3 DL sTTI間隔を構成するDL sTTIの組合せによって、3 DL sTTI間隔に対応するシンボル数が異なる。具体的には、DL sTTI#1,2,3の場合、3 DL sTTI間隔は10OFDM symbolであるが、DL sTTI#6,7,8の場合、3 DL sTTI間隔は11OFDM symbolとなる。これは、DL sTTIが4symbolで構成される場合と、3 symbolで構成される場合とがあるからである。
【0076】
また、動作例1-1では、UL grantは、UL sTTIの境界のタイミングから(X-1) DL sTTI(
図6では3 DL sTTI)以上前のタイミングで最も後方のDL sTTIのみに配置されると制限する。このようにすると、
図6に示すように、複数のDL sTTIのうち、半数のDL sTTIにはUL grantが配置され、残りの半数のDL sTTIにはUL grantが配置されない。これにより、端末200が全てのDL sTTIでUL grantをモニタする場合と比較して、誤ってUL grantを検出する確率(false alert)を低減することができる。
【0077】
また、動作例1-1では、ACK/NACK信号が送受信されるDL sTTIと、UL grantが送受信されるDL sTTIとは異なる。このように、UL grantに使用するリソースと、ACK/NACK信号に使用するリソースとが異なるので、制御信号が配置されるリソースの混雑度が緩和するという利点がある。これにより、DLにおいて制御信号のリソースが不足していることに起因して、ULのデータ割り当てが制限されてしまうことを回避できる。
【0078】
次に、
図6において端末200がDL sTTI#9でHARQ process ID#0のACK/NACK信号を受信した場合の動作について3通りの方法(オプション1~3)がある。
【0079】
オプション1:
端末200は、DL sTTI#9でACK/NACK信号を受信後、ACK/NACK信号がACK又はNACKであるかにかかわらず、同一HARQ process ID#0に対応するUL grantが送信されるDL sTTI#10でUL grantの検出を試みる。DL sTTI#10でUL grantを検出した場合、端末200は、ACK/NACK信号を破棄し、UL grantの指示に従ってsPUSCHを送信する。一方、DL sTTI#10でUL grantを検出しなかった場合、端末200は、DL sTTI#9で受信したACK/NACK信号がACKである場合にはHARQ process ID#0のULデータ信号(sPUSCH)を送信せず、DL sTTI#9で受信したACK/NACK信号がNACKである場合にはHARQ process ID #0の再送信号をUL sTTI#7で送信する。
【0080】
オプション2:
端末200は、DL sTTI#9で受信したACK/NACK信号がACKである場合、同一HARQ process ID#0に対応するUL grantが送信されるDL sTTI#10でUL grantの検出を試みる。UL grantを検出した場合、端末200は、UL grantの指示に従ってsPUSCHを送信する。一方、UL grantを検出しなかった場合、端末200は、HARQ process ID#0のULデータ信号(sPUSCH)を送信しない。また、端末200は、DL sTTI#9で受信したACK/NACK信号がNACKである場合、同一HARQ process ID#0に対応するUL grantが送信されるDL sTTI#10でUL grantの検出を行わずに、HARQ process ID #0の再送信号をUL sTTI#7で送信する。
【0081】
オプション3:
端末200は、DL sTTI#9でNACKの検出を試みる。DL sTTI#9でNACKを検出しなかった場合、端末200は、同一HARQ process ID#0に対応するUL grantが送信されるDL sTTI#10でUL grantの検出を試みる。DL sTTI#10でUL grantを検出した場合、端末200は、UL grantの指示に従ってsPUSCHを送信する。一方、DL sTTI#10でUL grantを検出しなかった場合、端末200は、HARQ process ID#0のULデータ信号(sPUSCH)を送信しない。また、DL sTTI#9でNACKを検出した場合、端末200は、同一HARQ process ID#0に対応するUL grantが送信されるDL sTTI#10でUL grantの検出を行わずに、HARQ process ID #0の再送信号をUL sTTI#7で送信する。
【0082】
このように、オプション1及びオプション2では、ACK/NACK信号は従来のPHICH(Physical HARQ Indicator Channel)のように、ACK又はNACKが必ず送信され、端末200は、ACK又はNACKの何れであるかを判定することを前提としている。オプション3では、ACK/NACK信号は、NACK(誤り有り)の場合のみ送信され、端末200は、ACK/NACK信号が存在するか否かを検出することを前提としている。
【0083】
オプション1では、端末200は、UL grantの検出を必ず試みるので、ACKをNACKと誤って判定した場合でも、UL grantが検出されれば、誤ったタイミングで再送信号を送信することを防ぐことができる。また、オプション2及びオプション3では、端末200は、NACKを検出した場合にUL grantの検出を行わないので、端末200の消費電力を抑えることができる。
【0084】
なお、UL HARQ process数の最小値は、同一UL HARQ process IDのsPUSCHの送信間隔から決定される。
図6では、UL HARQ process ID#0のsPUSCHがUL sTTI#2で送信され、それに対するACK/NACKがDL sTTI#9で送信される。したがって、DL sTTI#9で再送が必要であるか否かが確定するので、DL sTTI#9以降で、基地局100は、同一UL HARQ ID#0のUL grant を送信できる。基地局100がDL sTTI#9(
図10ではDL sTTI#10。詳細は後述する)でUL grantを送信すると、端末200でsPUSCHが送信されるのは3 DL sTTI間隔後の最初のUL sTTIであるUL sTTI #7となる。したがって、同一UL HARQ process ID#0のsPUSCHを送信できるのは、5 UL sTTI間隔となる。同一UL HARQ processの送信間隔が5 UL sTTIである場合、5 UL sTTIの間に5個のUL HARQ processを送信できるので、UL HARQ process 数の最小値は5と決定できる。
【0085】
なお、UL HARQ process 数は5より大きい値に設定することも可能である。その場合、再送間隔が長くなるので、遅延時間が増大する。また、UL HARQ process数が大きくなると、その分、必要となるバッファも大きくなるので、UL HARQ prosess数は、とり得る最小値に設定することが望ましい。
【0086】
なお、
図6では、基地局100は、DL sTTI#9でUL grantを送信せずに、UL sTTI#7の3 DL sTTI間隔前のDL sTTI#10でUL grantを送信する。これは、DL sTTI#10でUL grantを送信しても、全体の遅延量に影響がないからである。なお、UL HARQ process数は、事前にDL sTTI長およびUL sTTI長から定めてもよく、上記のように、とり得る最少の値を特定し、基地局100と端末200とでそれぞれ設定してもよい。
【0087】
また、ここでは、HARQ process ID#0に着目したが、他のHARQ process ID#2~#4についても同様である。
【0088】
<動作例1-2:ULデータ割り当て(UL 3/4 symbols sTTIs and DL 2 symbols sTTIs)>
図7は、動作例1-2における、ULデータ信号(sPUSCH)の送信を指示するUL grantが配置されるsPDCCHとsPUSCHとの送受信タイミング、及び、sPUSCHと当該sPUSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0089】
動作例1-2では、
図7に示すように、UL sTTI長を3/4 symbolsとし、DL sTTI長を2 symbolsとし、X=4とする。つまり、
図7では、DL sTTIは1サブフレームあたり7個であり、subframe #0からsubframe #3までDL sTTI#0~#27が割り当てられている。また、
図7では、UL sTTIは1サブフレームあたり4個であり、subframe #0からsubframe #3までUL sTTI#0~#15が割り当てられている。
【0090】
すなわち、動作例1-2では、DL sTTIs数(1サブフレームあたり7個)はUL sTTI数(1サブフレームあたり4個)の7/4倍である。
【0091】
X=4の場合、動作例1-1と同様、基地局100及び端末200は、3 DL sTTI以上の間隔を空けて、UL grantとsPUSCH、及び、sPUSCHとACK/NACK信号をそれぞれ割り当てる。
【0092】
例えば、UL grantとsPUSCHとについて、基地局100がDL sTTI#1でHARQ process ID #0のUL grantを送信した場合、UL grantの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#1)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#5である。端末200は、DL sTTI#5のタイミングがUL sTTIの境界と一致しないので、DL sTTI#5のタイミングより後方の最初のUL TTIであるUL sTTI#3までsPUSCHの送信を遅延させて、UL sTTI#3でHARQ process ID #0のsPUSCHを送信する。
【0093】
同様に、sPUSCHとACK/NACK信号とについて、端末200がUL sTTI#3でHARQ process ID#0のsPUSCHを送信した場合、sPUSCHの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#6)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#10である。したがって、基地局100は、DL sTTI#10でHARQ process ID#0のsPUSCHに対するACK/NACK信号を送信する。
【0094】
また、動作例1-2では、動作例1-1と同様、UL grantは、UL sTTIの境界のタイミングから(X-1) DL sTTI(
図7では3 DL sTTI)以上前のタイミングで最も後方のDL sTTIのみに配置されると制限する。このようにすると、
図7に示すように、1サブフレーム内のDL sTTIのうち、4つのDL sTTIにはUL grantが配置され、残りの3つのDL sTTIにはUL grantが配置されない。これにより、端末200が全てのDL sTTIでUL grantをモニタする場合と比較して、誤ってUL grantを検出する確率(false alert)を低減することができる。
【0095】
また、動作例1-2では、動作例1-1と同様、ACK/NACK信号が送受信されるDL sTTIと、UL grantが送受信されるDL sTTIとは異なる。このように、UL grantに使用するリソースと、ACK/NACK信号に使用するリソースとが異なるので、制御信号が配置されるリソースの混雑度が緩和するという利点がある。これにより、DLにおいて制御信号のリソースが不足していることに起因して、ULのデータ割り当てが制限されてしまうことを回避できる。
【0096】
ただし、動作例1-2では、動作例1-1と異なり、DL sTTIs数はUL sTTI数の7/4倍であるので、ACK/NACK信号とUL grantとを全て異なるDL sTTIに配置することはできない。
【0097】
図7のsTTI配置では、DL sTTI#11及びDL sTTI#18には、UL grantもACK/NACK信号も配置されていないのに対して、DL sTTI #10及びDL sTTI#17には、UL grant及びACK/NACK信号の双方が配置されている。
【0098】
そこで、基地局100は、制御信号のリソースを分散させるために、ACK/NACK信号を、当該ACK/NACK信号のHARQ process IDと同一HARQ process IDのUL grantが送信されるDL sTTIの1つ前のDL sTTIで送信されるように調整してもよい。
図8は、ACK/NACK信号が配置されるDL sTTIを調整する動作例を示す。
【0099】
図8では、
図7においてDL sTTI#10に配置されたHARQ process ID#0のACK/NACK信号が、HARQ process ID#0のUL grantが配置されるDL sTTI#12の1つ前のDL sTTI#11に配置される。同様に、
図8では、
図7においてDL sTTI#17に配置されていたHARQ process ID#4のACK/NACK信号が、HARQ process ID#4のUL grantが配置されるDL sTTI#19の1つ前のDL sTTI#18に配置される。これにより、制御信号(UL grant及びACK/NACK信号)が分散して配置される。
【0100】
なお、遅延の観点から、ACK/NACK信号の配置は、同一HARQ process IDのsPUSCHから3 DL sTTI間隔あり、同一HARQ process IDの再送する可能性のある次のsPUSCHとも3 DL sTTI間隔あればよい。したがって、DL sTTI#10に配置されていたHARQ process ID#0のACK/NACK信号がDL sTTI#11に配置され、DL sTTI#17に配置されていたHARQ process ID#4のACK/NACK信号がDL sTTI#18に配置されても、遅延の観点から何ら問題はない。
【0101】
図8のようにACK/NACK信号を後方に遅延させることで、基地局100は、Adaptive再送とするか、Non-adaptive再送とするかを、後方のスケジューリングの状態から判断することができ、基地局100のスケジューラのフレキシビリティを向上させることができる。
【0102】
<動作例1-3:ULデータ割り当て(UL 7 symbols sTTIs and DL 2 symbols sTTIs)>
図9は、動作例1-3における、ULデータ信号(sPUSCH)の送信を指示するUL grantが配置されるsPDCCHとsPUSCHとの送受信タイミング、及び、sPUSCHと当該sPUSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0103】
動作例1-3では、
図9に示すように、UL sTTI長を7 symbolsとし、DL sTTI長を2 symbolsとし、X=4とする。つまり、
図9では、DL sTTIは1サブフレームあたり7個であり、subframe #0からsubframe #3までDL sTTI#0~#27が割り当てられている。また、
図9では、UL sTTIは1サブフレームあたり2個であり、subframe #0からsubframe #3までUL sTTI#0~#7が割り当てられている。
【0104】
すなわち、動作例1-3では、DL sTTIs数(1サブフレームあたり7個)はUL sTTI数(1サブフレームあたり2個)の7/2倍である。
【0105】
X=4の場合、動作例1-1と同様、基地局100及び端末200は、3 DL sTTI以上の間隔を空けて、UL grantとsPUSCH、及び、sPUSCHとACK/NACK信号をそれぞれ割り当てる。
【0106】
例えば、UL grantとsPUSCHとについて、基地局100がDL sTTI#3でHARQ process ID #0のUL grantを送信した場合、UL grantの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#3)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#7である。端末200は、DL sTTI#7と同一タイミングであるUL sTTI#2でHARQ process ID #0のsPUSCHを送信する。
【0107】
同様に、sPUSCHとACK/NACK信号とについて、端末200がUL sTTI#2でHARQ process ID#0のsPUSCHを送信した場合、sPUSCHの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#10)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#14である。したがって、基地局100は、DL sTTI#14でHARQ process ID#0のsPUSCHに対するACK/NACK信号を送信する。
【0108】
また、動作例1-3では、動作例1-1と同様、UL grantは、UL sTTIの境界のタイミングから(X-1) DL sTTI(
図9では3 DL sTTI)以上前のタイミングで最も後方のDL sTTIのみに配置されると制限する。このようにすると、
図9に示すように、1サブフレーム内のDL sTTIのうち、2つのDL sTTIにはUL grantが配置され、残りの5つのDL sTTIにはUL grantが配置されない。これにより、端末200が全てのDL sTTIでUL grantをモニタする場合と比較して、誤ってUL grantを検出する確率(false alert)を低減することができる。
【0109】
また、動作例1-3では、動作例1-1と同様、ACK/NACK信号が送受信されるDL sTTIと、UL grantが送受信されるDL sTTIとは異なる。このように、UL grantに使用するリソースと、ACK/NACK信号に使用するリソースとが異なるので、制御信号が配置されるリソースの混雑度が緩和するという利点がある。これにより、DLにおいて制御信号のリソースが不足していることに起因して、ULのデータ割り当てが制限されてしまうことを回避できる。
【0110】
ただし、動作例1-3では、DL sTTIs数はUL sTTI数の7/2倍であるので、動作例1-2と同様、ACK/NACK信号とUL grantとを全て異なるDL sTTIに配置することはできない。
【0111】
そこで、基地局100は、制御信号のリソースを分散させるために、ACK/NACK信号を、当該ACK/NACK信号のHARQ process IDと同一HARQ process IDのUL grantが送信されるDL sTTIの1つ前のDL sTTIで送信されるように調整してもよい。
図10は、ACK/NACK信号が配置されるDL sTTIを調整する動作例を示す。
【0112】
図10では、
図9においてDL sTTI#14に配置されたHARQ process ID#0のACK/NACK信号が、HARQ process ID#0のUL grantが配置されるDL sTTI#17の1つ前のDL sTTI#16(DL sTTI#14の2つ後方のDL sTTI)に配置される。同様に、
図10では、
図9においてDL sTTI#17に配置されていたHARQ process ID#1のACK/NACK信号が、HARQ process ID#1のUL grantが配置されるDL sTTI#20の1つ前のDL sTTI#19(DL sTTI#17の2つ後方のDL sTTI)に配置される。これにより、制御信号(UL grant及びACK/NACK信号)が分散して配置される。
【0113】
動作例1-2と同様、遅延の観点から、ACK/NACK信号の配置は、同一HARQ process IDのsPUSCHから3 DL sTTI間隔あり、同一HARQ process IDの再送する可能性のある次のsPUSCHとも3 DL sTTI間隔あればよい。したがって、DL sTTI#14に配置されていたHARQ process ID#0のACK/NACK信号がDL sTTI#16に配置され、DL sTTI#17に配置されていたHARQ process ID#1のACK/NACK信号がDL sTTI#19に配置されても、遅延の観点から何ら問題はない。
【0114】
また、
図10のようにACK/NACK信号を後方に遅延させることで、基地局100は、Adaptive再送とするか、Non-adaptive再送とするかを、後方のスケジューリングの状態から判断することができ、基地局100のスケジューラのフレキシビリティを向上させることができる。
【0115】
以上、ULデータ割り当て時の動作例1-1~動作例1-3について説明した。
【0116】
次に、DLデータ割当時の動作例について説明する。DLデータ割り当てでは、Asynchronous HARQを前提とする。また、HARQ process IDは、DL assignmentによって端末200へ通知される。
【0117】
なお、以下の動作例では、連続するDL sTTIに連続するHARQ process IDが割り当てら得る場合について説明するが、これに限定されるものではない。
【0118】
<動作例2-1:DLデータ割り当て(UL 7 symbols sTTIs and DL 3/4 symbols sTTIs)>
図11は、動作例2-1における、DLデータ信号(sPDSCH)の送信を指示するDL assignmentが配置されるsPDCCHとsPDSCHとの送受信タイミング、及び、sPDSCHと当該sPDSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0119】
動作例2-1では、
図11に示すように、UL sTTI長を7symbolsとし、DL sTTI長を3/4 symbolsとし、X=4とする。つまり、
図11では、DL sTTIは1サブフレームあたり4個であり、subframe #0からsubframe #2までDL sTTI#0~#11が割り当てられている。また、
図11では、UL sTTIは1サブフレームあたり2個であり、subframe #0からsubframe #2までUL sTTI#0~#5が割り当てられている。
【0120】
すなわち、動作例2-1では、動作例1-1と同様、DL sTTI数(1サブフレームあたり4個)はUL sTTI数(1サブフレームあたり2個)の2倍である。
【0121】
DL assignmentとsPDSCHとについて、基地局100は、DL assignmentの送受信を行うDL sTTIと同一DL sTTIで当該DL assignmentによって指示されるsPDSCHを送信する。例えば、基地局100は、DL sTTI#0でHARQ process ID #0のDL assignmentを送信する場合、同一のDL sTTI#0でsPDSCHを送信する。
【0122】
また、sPDSCHとACK/NACK信号とについて、X=4の場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として、sPDSCHの送受信から、少なくとも4 DL sTTIs後に当該sPDSCHに対するACK/NACK信号の送受信を開始する。すなわち、sPDSCHの送受信が完了してから、ACK/NACK信号の送受信を開始するまで、少なくとも3 DL sTTI(=X-1)の間隔がある。つまり、基地局100及び端末200は、sPDSCHの送受信タイミングから、3 DL sTTIの間隔後の最初のUL sTTIでACK/NACK信号を送受信する。
【0123】
例えば、基地局100がDL sTTI#0でHARQ process ID#0のsPDSCHを送信した場合、sPDSCHの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#0)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#4である。したがって、端末200は、DL sTTI#4と同一タイミングであるUL sTTI#2でHARQ process ID#0のsPDSCHに対するACK/NACK信号を送信する。
【0124】
なお、ここでは、HARQ process ID#0に着目したが、他のHARQ process ID#2~#4についても同様である。
【0125】
図11では、DL sTTI数はUL sTTI数の2倍であるので、端末200は、UL sTTIあたり、2つのDL sTTIでそれぞれ受信したsPDSCHに対する2つのACK/NACK信号を送信する。その際、端末200は、複数のACK/NACKを、例えば、multiplexing又はbundlingしてULリソースで送信する。
【0126】
LTE/LTE-Advancedでは、UEがACK/NACK信号を送信するULリソースは、N1_PUCCHという上位レイヤのパラメータによってスタート位置が指示され、スタート位置からのオフセット量が(E)CCE番号から求められる。
【0127】
これに対して、動作例2-1では、端末200は、sPDSUCとACK/NACK信号とについて、対応するACK/NACK信号が同一UL sTTIで送信されるsPDSCHの受信に使用される複数のDL sTTIのうち、DL sTTI番号が大きいDL sTTI(つまり、より後方のDL sTTI)で受信したDL assignmentから、ACK/NACK信号の送信位置を特定してもよい。これは、後半のDL sTTIの方が、スケジューラが後からACK/NACK用リソースを鑑みてリソースの割り当てを変更することができ、スケジューリングの柔軟度が上がるからである。例えば、
図11において、端末200は、UL sTTI#3で送信されるACK/NACK信号にそれぞれ対応するsPDSCHの受信に使用されたDL sTTI#1、DL sTTI#2のうち、DL sTTI番号が大きいDL sTTI#2のsPDCCHで受信したDL assignmentから、ACK/NACK信号の送信位置を特定する。
【0128】
また、端末200は、sPDSCHとACK/NACK信号とについて、対応するACK/NACK信号が同一UL sTTIで送信されるsPDSCHの受信に使用される複数のDL sTTIのうち、実際に1つのDL sTTIでsPDSCHを受信した場合、当該DL sTTIで受信したDL assignmentから、ACK/NACK信号の送信位置を特定する。
【0129】
なお、ACK/NACK信号の送信位置は、上位レイヤで通知されるN1_PUCCHから、DL sTTIに基づくシフト量と、DL assignmentのCCE番号から基づくシフト量とから決定する。DL sTTIに基づくシフト量は予め定められているとする。また、DL sTTI毎に、上位レイヤでN1_PUCCHが通知されることも考えられる。
【0130】
<動作例2-2:DLデータ割り当て(UL 3/4 symbols sTTIs and DL 2 symbols sTTIs)>
図12は、動作例2-2における、DLデータ信号(sPDSCH)の送信を指示するDL assignmentが配置されるsPDCCHとsPDSCHとの送受信タイミング、及び、sPDSCHと当該sPDSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0131】
動作例2-2では、
図12に示すように、UL sTTI長を3/4symbolsとし、DL sTTI長を2 symbolsとし、X=4とする。つまり、
図12では、DL sTTIは1サブフレームあたり7個であり、subframe #0からsubframe #1までDL sTTI#0~#13が割り当てられている。また、
図12では、UL sTTIは1サブフレームあたり4個であり、subframe #0からsubframe #1までUL sTTI#0~#7が割り当てられている。
【0132】
すなわち、動作例2-2では、動作例1-2と同様、DL sTTI数(1サブフレームあたり7個)はUL sTTI数(1サブフレームあたり4個)の7/4倍である。
【0133】
DL assignmentとsPDSCHとについて、基地局100は、DL assignmentの送受信を行うDL sTTIと同一DL sTTIで当該DL assignmentによって指示されるsPDSCHを送信する。例えば、基地局100は、DL sTTI#0でHARQ process ID #0のDL assignmentを送信する場合、同一のDL sTTI#0でsPDSCHを送信する。
【0134】
また、sPDSCHとACK/NACK信号とについて、X=4の場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として、sPDSCHの送受信から、少なくとも4 DL sTTIs 後に当該sPDSCHに対するACK/NACK信号の送受信を開始する。すなわち、sPDSCHの送受信が完了してから、ACK/NACK信号の送受信を開始するまで、少なくとも3 DL sTTI(=X-1)の間隔がある。つまり、基地局100及び端末200は、sPDSCHの送受信タイミングから、3 DL sTTIの間隔後の最初のUL sTTIでACK/NACK信号を送受信する。
【0135】
例えば、基地局100がDL sTTI#0でHARQ process ID#0のsPDSCHを送信した場合、sPDSCHの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#0)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#4である。端末200は、DL sTTI#4のタイミングがUL sTTIの境界と一致しないので、DL sTTI#4のタイミングより後方の最初のUL sTTIであるUL sTTI#3までACK/NACK信号の送信を遅延させて、UL sTTI#3でHARQ process ID#0のsPDSCHに対するACK/NACK信号を送信する。
【0136】
また、
図12では、DL sTTI数はUL sTTI数の7/4倍であるので、端末200が、UL sTTIあたり2つのDL sTTIのACK/NACK信号を送信する場合と、UL sTTIあたり1つのDL sTTIのACK/NACK信号を送信する場合とがある。
図12では、UL sTTI #3, #4,#5ではそれぞれ2つのDL sTTIのACK/NACK信号が送信され、UL sTTI #6では1つのDL sTTIのACK/NACK信号が送信される。このように、UL sTTI毎に、送信されるACK/NACK信号数の最大値が異なるので、端末200は、UL sTTI毎にACK/NACK信号の送信に使用するフォーマットをそれぞれ変えることができる。
【0137】
また、
図12では、同一のsubframe#0に割り当てられたDLデータ信号(sPDSCH)に対する一部のACK/NACK信号が、sPDSCHと同一のsubframe#0で送信され、残りのACK/NACK信号がsubframe#1で送信されている。つまり、同一のsubframe#0に割り当てられたsPDSCHに対するACK/NACK信号が、異なるsubframe#0、#1で送信されている。このことにより、DLデータ信号に対するフィードバック遅延を短縮し、Latency reduction がより効率的になっている。
【0138】
なお、例えば、干渉制御、CoMP、D2Dなどの用途をsubframe 単位で決定して使用する場合、subframe単位での使用方法が定まっていることが望ましい。そこで、
図13A又は
図13Bに示すように、同一のsubframeに割り当てられたDLデータ信号(sPDSCH)に対する全てのACK/NACK信号は、同一subframeで送信されてもよい。つまり、基地局100及び端末200は、同一サブフレームで送受信された複数のsPDSCHの各々に対するACK/NACK信号を、1つのサブフレーム内の複数のUL sTTIで送受信する。
【0139】
図13A及び
図13Bでは、DL subframe #0の最終のDL sTTI#6で送信されるsPDSCHに対するACK/NACK信号が送信されるsubframeがsubfraem#1であるので、DL subframe #0の他のDL sTTIで送信されるsPDSCHに対するACK/NACK信号も含めて全てsubframe #1で送信されるようにする。
【0140】
第1の実現方法として、
図12に示すACK/NACK信号のタイミングを1 UL sTTI後方にシフトする。また、第2の実現方法として、X=4をX=6に変更する。Xの値は、同一のsubframeに割り当てられたDLデータ信号(sPDSCH)に対するACK/NACK信号を同一subframeで送信できるように設定される。このようにすると、UL subframeの干渉制御、CoMP、D2Dなどをサブフレーム単位で割り当てやすくなるという利点がある。
【0141】
なお、第1の実現方法と第2の実現方法とでは、UL sTTIにおいて送信されるACK/NACK信号数に違いが生じるが、ACK/NACK信号数の最大値及び最小値は同じである。
【0142】
<動作例2-3:DLデータ割り当て(UL 7 symbols sTTIs and DL 2 symbols sTTIs)>
図14は、動作例2-3における、DLデータ信号(sPDSCH)の送信を指示するDL assignmentが配置されるsPDCCHとsPDSCHとの送受信タイミング、及び、sPDSCHと当該sPDSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0143】
動作例2-3では、
図14に示すように、UL sTTI長を7symbolsとし、DL sTTI長を2 symbolsとし、X=4とする。つまり、
図14では、DL sTTIは1サブフレームあたり7個であり、subframe #0からsubframe #1までDL sTTI#0~#13が割り当てられている。また、
図14では、UL sTTIは1サブフレームあたり2個であり、subframe #0からsubframe #1までUL sTTI#0~#3が割り当てられている。
【0144】
すなわち、動作例2-3では、動作例1-3と同様、DL sTTI数(1サブフレームあたり7個)はUL sTTI数(1サブフレームあたり2個)の7/2倍である。
【0145】
DL assignmentとsPDSCHとについて、基地局100は、DL assignmentの送受信を行うDL sTTIと同一DL sTTIに当該DL assignmentによって指示されるsPDSCHを割り当てる。例えば、基地局100は、DL sTTI#0でHARQ process ID #0のDL assignmentを送信する場合、同一のDL sTTI#0でsPDSCHを送信する。
【0146】
また、sPDSCHとACK/NACK信号とについて、X=4の場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として、sPDSCHの送受信から、少なくとも4 DL sTTIs 後に当該sPDSCHに対するACK/NACK信号の送受信を開始する。すなわち、sPDSCHの送受信が完了してから、ACK/NACK信号の送受信を開始するまで、少なくとも3 DL sTTI(=X-1)の間隔がある。つまり、基地局100及び端末200は、sPDSCHの送受信タイミングから、3 DL sTTIの間隔後の最初のUL sTTIでACK/NACK信号を送受信する。
【0147】
例えば、基地局100がDL sTTI#0でHARQ process ID#0のsPDSCHを送信した場合、sPDSCHの送受信が完了したタイミング(DL sTTI#0)から3DL sTTIの間隔後のタイミングは、DL sTTI#4である。端末200は、DL sTTI#4のタイミングがUL sTTIの境界と一致しないので、DL sTTI#4のタイミングより後方の最初のUL sTTIであるUL sTTI#2までACK/NACK信号の送信を遅延させて、UL sTTI#2でHARQ process ID#0のsPDSCHに対するACK/NACK信号を送信する。
【0148】
また、
図14では、DL sTTI数はUL sTTI数の7/2倍であるので、端末200が、UL sTTIあたり4つのDL sTTIのACK/NACK信号を送信する場合と、UL sTTIあたり3つのDL sTTIのACK/NACK信号を送信する場合とがある。
図14では、UL sTTI #2では4つのDL sTTIのACK/NACK信号が送信され、UL sTTI #3では3つのDL sTTIのACK/NACK信号が送信される。このように、UL sTTI毎に、送信されるACK/NACK信号数の最大値が異なるので、端末200は、UL sTTI毎にACK/NACK信号の送信に使用するフォーマットをそれぞれ変えることができる。
【0149】
以上、DLデータ割り当て時の動作例2-1~動作例2-3について説明した。
【0150】
このようにして、本実施の形態では、基地局100及び端末200は、TTIよりもTTI長を短縮したDL sTTIを用いて下り信号(sPDCCH、sPDSCH、ACK/NACK信号)を送受信し、TTIよりもTTI長を短縮したUL sTTIを用いて上り信号(sPUSCH、ACK/NACK信号)を送受信する。その際、DL sTTI長がUL sTTI長よりも短い場合、基地局100及び端末200は、下り信号の送信タイミングから、DL sTTI長を基準として設定される所定間隔後のUL sTTIで上り信号を送受信する。また、基地局100及び端末200は、決定した送受信タイミングがUL sTTIの境界と一致しない場合には、UL sTTIの境界と一致するタイミングまで送受信タイミングを遅延させる。
【0151】
これにより、DL sTTI長とUL sTTI長とが異なる場合でも、基地局100及び端末200は、DL sTTI及びUL sTTIのそれぞれの境界から信号の送受信を開始することができる。よって、本実施の形態によれば、DLとULとでsTTI長が異なる場合のデータ割り当て、データ送受信信、フィードバックのタイミングを適切に設定することができる。
【0152】
なお、本実施の形態では、ACK/NACK信号をACK/NACK用リソースに割り当てる例を示しているが、ACK/NACK用リソースは、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)リソースでもよい。また、ULデータ信号が割り当てられている場合、ULデータ信号にACK/NACK信号を多重して送信する方法もある。この場合、端末200は、複数のUL sTTIのうち、一つでもULデータ信号の割り当てがあれば、そのUL sTTIで、複数のDL sTTIで送信されたsPDSCHに対するACK/NACK信号を送信してもよい。このようにすると、subframe内で、PUCCHフォーマットとPUSCHフォーマットとが混在することがなくなり、端末200は、1つのフォーマットでsubframe内の信号を送信できるという利点がある。
【0153】
また、DL sTTI長とUL sTTI長との組み合わせは、本実施の形態の動作例で示した以外の組合せにも、本開示の動作を適用可能である。
【0154】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4及び
図5を援用して説明する。
【0155】
本実施の形態では、DL sTTI長とUL sTTI長とが異なり、DL sTTI長がUL sTTI長よりも短い場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長及び絶対時間を基準として、データ割り当て(sPDCCH内のUL grant、DL assignment)、データ送受信(sPUSCH、sPDSCH)、フィードバック(ACK/NACK信号)の送受信タイミングを決定する。
【0156】
絶対時間は、処理遅延又は上位レイヤとの通信に必要となる時間を考慮した固定長の時間である。
【0157】
また、実施の形態1と同様、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として決定したULのタイミングがUL sTTIの境界と一致しない場合、UL sTTIの境界と一致するタイミングまで遅延させる。
【0158】
具体的には、DLデータに関して、基地局100及び端末200は、sPDSCHの送受信タイミングから、DL sTTI長及び絶対時間を基準として設定される所定間隔後のUL sTTIで当該sPDSCHに対するACK/NACK信号を送受信する。
【0159】
また、ULデータに関して、基地局100及び端末200は、UL grantを含むsPDCCHの送受信タイミングから、DL sTTI長及び絶対時間を基準として設定される所定間隔後のUL sTTIで当該UL grantで割り当てられたsPUSCHを送受信する。また、基地局100及び端末200は、sPUSCHの送受信タイミングから、DL sTTI長及び絶対時間を基準として設定される所定間隔後のDL sTTIで当該sPUSCHに対するACK/NACK信号を送受信する。
【0160】
例えば、基地局100及び端末200は、1つ目の信号の送受信タイミングから、所定数(X)のDL sTTIの間隔に絶対時間(Y)を加えた時間経過後のタイミングで2つ目の信号を送受信してもよい。具体的には、基地局100及び端末200は、データ割り当て、データ送受信、フィードバックのタイミング(1つ目の信号に対する2つ目の信号の送信タイミング)を以下のように規定する。ここでは、絶対時間をY msecと表す。
DLデータに関するタイミング
DL assignment in sPDCCH - sPDSCH : same sTTI
sPDSCH - ACK/NACK feedback : 少なくとも X DL sTTIs + Y msec 後
ULデータに関するタイミング
UL grant in sPDCCH - sPUSCH : 少なくとも X DL sTTIs + Y msec 後
sPUSCH - ACK/NACK feedback : 少なくとも X DL sTTIs + Y msec 後
【0161】
なお、「少なくとも X DL sTTIs + Y msec」とは、1つ目の信号(上記DL assignment、sPDSCH、UL grant又はsPUSCH)の送受信が完了してから、2つ目の信号(上記sPDSCH、ACK/NACK feedback、sPUSCH又はACK/NACK feedback)の送受信を開始するまで、少なくとも(X-1)sTTI + Y msecの間隔があり、その間隔の後の最初のsTTIに2つ目の信号を割り当てることを示す。
【0162】
以下、基地局100及び端末200におけるデータ割り当て、データ送受信、フィードバックの動作について詳細に説明する。
【0163】
以下では、実施の形態1の動作例1-1及び動作例2-1と同様、UL sTTI長を7symbolsとし、DL sTTI長を3/4 symbolsとし、X=4とする。また、絶対時間Y=0.5 msecとする。
【0164】
図15は、ULデータ信号(sPUSCH)の送信を指示するUL grantが配置されるsPDCCHとsPUSCHとの送受信タイミング、及び、sPUSCHと当該sPUSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0165】
UL grantとsPUSCHとについて、X=4の場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長及び絶対時間Yを基準として、UL grant(sPDCCH)の送受信から、少なくとも4 DL sTTIs+0.5msec後にsPUSCHの送受信を開始する。すなわち、UL grantの送受信が完了してから、sPUSCHの送受信を開始するまで、少なくとも3 DL sTTI(=X-1)+0.5msecの間隔がある。つまり、基地局100及び端末200は、3 DL sTTI+0.5msecの間隔後の最初のUL sTTIでsPUSCHを送受信する。
【0166】
同様に、sPUSCHとACK/NACK信号とについて、X=4の場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長及び絶対時間Yを基準として、sPUSCHの送受信から、少なくとも4 DL sTTIs+0.5msec後に当該sPUSCHに対するACK/NACK信号の送受信を開始する。すなわち、sPUSCHの送受信が完了してから、ACK/NACK信号の送受信を開始するまで、少なくとも3 DL sTTI+0.5msecの間隔がある。つまり、基地局100及び端末200は、sPUSCHの送受信タイミングから、3 DL sTTI+0.5msecの間隔後の最初のDL sTTIでACK/NACK信号を送受信する。
【0167】
また、
図16は、DLデータ信号(sPDSCH)の送信を指示するDL assignmentが配置されるsPDCCHとsPDSCHとの送受信タイミング、及び、sPDSCHと当該sPDSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0168】
DL assignmentとsPDSCHとについて、基地局100は、DL assignmentの送受信を行うDL sTTIと同一DL sTTIで当該DL assignmentによって指示されるsPDSCHを送信する。
【0169】
また、sPDSCHとACK/NACK信号とについて、X=4の場合、基地局100及び端末200は、DL sTTI長及び絶対時間Yを基準として、sPDSCHの送受信から、少なくとも4 DL sTTIs+0.5msec後に当該sPDSCHに対するACK/NACK信号の送受信を開始する。すなわち、sPDSCHの送受信が完了してから、ACK/NACK信号の送受信を開始するまで、少なくとも3 DL sTTI(=X-1)+0.5msecの間隔がある。つまり、基地局100及び端末200は、sPDSCHの送受信タイミングから、3 DL sTTI+0.5msecの間隔後の最初のUL sTTIでACK/NACK信号を送受信する。
【0170】
こうすることで、基地局100及び端末200は、各装置での処理遅延又は上位レイヤとの通信に必要となる時間を確保することができる。
【0171】
[バリエーション]
基地局100及び端末200は、データ割り当て、データ送受信、フィードバックのタイミング(1つ目の信号に対する2つ目の信号の送信タイミング)を以下のように規定してもよい。
【0172】
DLデータに関するタイミング:
DL assignment in sPDCCH - sPDSCH : same sTTI
sPDSCH - ACK/NACK feedback : 少なくとも Max(X-1 DL sTTIs, Y msec)間隔
ULデータに関するタイミング
UL grant in sPDCCH - sPUSCH : 少なくとも Max(X-1 DL sTTIs, Y msec)間隔
sPUSCH - ACK/NACK feedback : 少なくとも Max(X-1 DL sTTIs, Y msec)間隔
【0173】
なお、Max(X-1 DL sTTIs, Y msec)は、X-1 DL sTTIsと、Ymsecのうち、大きい方を選択する。
【0174】
すなわち、基地局100及び端末200は、1つ目の信号の送受信タイミングから、所定数のDL sTTIの間隔(X-1)及び絶対時間Yのうち大きい時間の経過後の最初のUL sTTIで2つ目の信号を送受信する。
【0175】
このようにすると、sTTI長が絶対時間Yよりも長い場合には、sTTI長のみで各装置での処理遅延又は上位レイヤとの通信に必要となる時間を確保でき、絶対時間Yを設定しないでsTTI長のみで間隔を設定できるので、余分に遅延を設定することを回避できる。また、sTTI長が絶対時間Yよりも短い場合には、各装置での処理遅延又は上位レイヤとの通信に必要となる時間を十分に確保できる。
【0176】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4及び
図5を援用して説明する。
【0177】
実施の形態1及び2では、基地局100及び端末200が全てのsTTIを使用できることを前提とした。しかし、従来端末(sTTIをサポートしていない端末)に使用される領域、共通サーチスペースに使用されるPDCCH領域、又は、CRS(Cell-specific Reference Signal)、DMRS(Demodulation Reference Signal)、CSI-RS(Channel State Information Reference Signal)、SRS(Sounding Reference Signal)などの参照信号の配置によって、sTTIの領域のうち、データ及び制御信号の送受信に使用できるリソースが少なくなる。このため、当該sTTIがデータ及び制御信号の送受信に使用されないこと、又は、隣接するsTTIを合わせて1つのsTTIとして使用されることが考えられる。また、DLとULとでは、制御信号及び参照信号の量が異なるのでsTTI数が異なることが考えられる。
【0178】
そこで、本実施の形態では、使用可能なsTTIがsubframe毎に異なる場合の、データ割り当て、データ送受信信、フィードバックのタイミングを設定する方法について説明する。
【0179】
基地局100及び端末200は、サブフレーム内のsTTIがすべて使用可であり、隣接するsTTIを合わせて1つのsTTIとすることがない、sTTI数が最も多いサブフレームをDLの基準サブフレームとする。DLの基準サブフレームでのDL sTTI長を基準として、データ割り当て(sPDCCH内のUL grant、DL assignment)、データ送受信(sPUSCH、sPDSCH)、フィードバック(ACK/NACK信号)の送受信タイミングを決定する。
【0180】
また、実施の形態1と同様、基地局100及び端末200は、DL sTTI長を基準として決定したULのタイミングがUL sTTIの境界と一致しない場合、UL sTTIの境界と一致するタイミングまで遅延させる。
【0181】
具体的には、基地局100及び端末200は、実施の形態1と同様、データ割り当て、データ送受信、フィードバックのタイミング(1つ目の信号に対する2つ目の信号の送信タイミング)を以下のように規定する。
DLデータに関するタイミング
DL assignment in sPDCCH - sPDSCH : same sTTI
sPDSCH - ACK/NACK feedback : 少なくとも X DL sTTIs 後
ULデータに関するタイミング
UL grant in sPDCCH - sPUSCH : 少なくとも X DL sTTIs 後
sPUSCH - ACK/NACK feedback : 少なくとも X DL sTTIs 後
【0182】
なお、「少なくとも X DL sTTIs」とは、1つ目の信号(上記DL assignment、sPDSCH、UL grant又はsPUSCH)の送受信が完了してから、2つ目の信号(上記sPDSCH、ACK/NACK feedback、sPUSCH又はACK/NACK feedback)の送受信を開始するまで、少なくとも(X-1)sTTIの間隔があり、その間隔の後の最初のsTTIに2つ目の信号を割り当てることを示す。
【0183】
また、本実施の形態では、基地局100は、信号の割り当てに使用できるDL sTTIの数がDLの基準となるsubframeよりも少ないsubframeにおいて、上り信号(sPUSCH)を受信するタイミングから所定間隔前のDL sTTI(上記規定されるタイミング)が信号の割り当てに使用できない場合、当該信号の割り当てに使用できないDL sTTIより前の最も後方のDL sTTIで下り信号(sPDCCH)を送信する。同様に、基地局100は、信号の割り当てに使用できるDL sTTIの数が基準となるsubframeよりも少ないsubframeにおいて、上り信号(sPUSCH)を受信したUL sTTIのタイミングから所定間隔後のDL sTTI(上記規定されるタイミング)が信号の割り当てに使用できない場合、当該信号の割り当てに使用できないDL sTTIより後の最初のDL sTTIで上り信号に対するACK/NACK信号を送信する。
【0184】
以下、基地局100及び端末200におけるデータ割り当て、データ送受信、フィードバックの動作について詳細に説明する。
【0185】
[動作例3-1]
図17は、ULデータ信号(sPUSCH)の送信を指示するUL grantが配置されるsPDCCHとsPUSCHとの送受信タイミング、及び、sPUSCHと当該sPUSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0186】
図17に示すように、実施の形態1の動作例1-2(
図7を参照)と同様、UL sTTI長を3/4 symbolsとし、DL sTTI長を2 symbolsとし、X=4とする。また、基地局100及び端末200は、全てのsubframeの6番目のDL sTTI(DL sTTI#5, #12, #19, #26)を使用できない。
【0187】
UL grantとsPUSCHとについて、X=4の場合、動作例1-2に示すsubframe(DLの基準となるsubframe)では、UL sTTI#5で送信されるsPUSCHは、UL sTTI#5と同一タイミングのDL sTTI#9から3DL sTTI間隔前のDL sTTI#5で送信されるUL grantで割り当てられていた。しかし、
図17では、DLs TTI#5が使用できない。そこで、基地局100は、DL sTTI#5の1つ前のDL sTTI#4でUL grantを送信する。同様に、基地局100は、
図17に示すDL sTTI#12, #19で送信予定であった、UL sTTI #9及びUL sTTI#13のsPUSCHに対する割り当てを指示するUL grantを、DL sTTI#11, #18で送信する。
【0188】
また、sPUSCHとACK/NACK信号とについて、X=4の場合、動作例1-2に示すsubframe(DLの基準となるsubframe)では、UL sTTI#4のsPUSCHに対するACK/NACK信号は、UL sTTI#4と同一タイミングのDL sTTI#8から3DL sTTI間隔後のDL sTTI#12で送信されていた。しかし、
図17では、DL sTTI #12が使用できない。そこで、基地局100は、ACK/NACK信号の送信タイミングを遅延させてDL sTTI#13で送信する。同様に、X=4の場合、動作例1-2では、UL sTTI#8, #12のsPUSCHに対するACK/NACK信号は、UL sTTI#8, #12と同一タイミングのDL sTTI#15, #22から3DL sTTI 間隔後のDL sTTI #19,#26で送信されていた。しかし、
図17では、DL sTTI #19,#26が使用できない。そこで、基地局100は、ACK/NACK信号の送信タイミングを遅延させてDL sTTI#20、#27で送信する。
【0189】
また、
図17では、DL sTTI数がUL sTTI数よりも多いので、一部のDL sTTIが使用できなくても、UL HARQ process数には影響はない。ただし、使用できないDL sTTIが多い場合、又は、連続するDL sTTIが使用できない場合には、遅延量が増えるので、UL HARQ process数を増やす必要がある。
【0190】
[動作例3-2]
動作例3-2では、UL sTTI長とDL sTTI長とが同一の場合の動作について説明する。
【0191】
図18は、ULデータ信号(sPUSCH)の送信を指示するUL grantが配置されるsPDCCHとsPUSCHとの送受信タイミング、及び、sPUSCHと当該sPUSCHに対するACK/NACK信号との送受信タイミングの一例を示す。
【0192】
図18に示すように、UL sTTI長及びDL sTTI長の双方を3/4 symbolsとし、X=4とする。すなわち、1subframeは4sTTIに分割されている。また、基地局100及び端末200は、偶数番目のsubframeの3番目のDL sTTI(DL sTTI#2, #10, #18)を使用できない。つまり、奇数番目のsubframe(DLの基準となるsubframe)と比較して、偶数番目のsubframeでsTTIを用いた信号の割り当てに使用できるDL sTTIの数は少ない。
【0193】
全てのDL sTTIを使用できる場合、X=4では、最少のUL HARQ process ID数は8である。しかし、動作例3-2では、一部のDL sTTIが使用できないため、UL割り当ておよびACK/NACKフィードバックの遅延が長くなるので、最少のHARQ process ID数は9となる。
【0194】
UL grantとsPUSCHとについて、X=4の場合、全てのDL sTTIを使用できる場合には、UL sTTI#6で送信されるsPUSCHは、UL sTTI#6と同一タイミングのDL sTTI#6から3DL sTTI間隔前のDL sTTI#2で送信されるUL grantで割り当てられる。しかし、
図18では、subframe#0のDLs TTI#2が使用できない。そこで、基地局100は、DL sTTI#2の1つ前のDL sTTI#1でUL grantを送信する。同様に、基地局100は、
図18に示すDL sTTI#10, #18で送信予定であった、UL sTTI #14及びUL sTTI#22のsPUSCHに対する割り当てを指示するUL grantを、DL sTTI#9, #17で送信する。
【0195】
また、sPUSCHとACK/NACK信号とについて、X=4の場合、全てのDL sTTIを使用できる場合には、UL sTTI#6のsPUSCHに対するACK/NACK信号は、UL sTTI#6と同一タイミングのDL sTTI#6から3DL sTTI 間隔後のDL sTTI #10で送信されていた。しかし、
図18では、DL sTTI #10が使用できない。そこで、基地局100は、ACK/NACK信号の送信タイミングを遅延させてDL sTTI#11で送信する。同様に、X=4の場合、全てのDL sTTIを使用できる場合には、UL sTTI#14のsPUSCHに対するACK/NACK信号は、UL sTTI#14と同一タイミングのDL sTTI#14から3DL sTTI 間隔後のDL sTTI #18で送信されていた。しかし、
図18では、DL sTTI #18が使用できない。そこで、基地局100は、ACK/NACK信号の送信タイミングを遅延させてDL sTTI#19で送信する。
【0196】
以上、動作例3-1及び動作例3-2について説明した。
【0197】
このようにして、本実施の形態では、基地局100及び端末200は、DLのsubframe内に信号を割り当てられないDL sTTIが存在する場合でも、実施の形態1と同様にして、DL sTTIを基準としてデータ割り当て、データ送受信信、フィードバックのタイミングを決定する。また、基地局100及び端末200は、決定したDLのタイミングが上記信号を割り当てられないDL sTTIである場合には、当該タイミングの前又は後ろのタイミングでDL信号(データ信号又はACK/NACK信号)を送信する。
【0198】
これにより、基地局100及び端末200は、DL sTTI数がsubframe間で異なる場合でも、実施の形態1と同様にして、DL sTTI及びUL sTTIのそれぞれの境界から信号の送受信を開始することができる。よって、本実施の形態によれば、TTI長を短縮する場合のデータ割り当て、データ送受信信、フィードバックのタイミングを適切に設定することができる。
【0199】
なお、DL subframe内の先頭のDL sTTIを使用できない場合、PDCCHで代用することができる。基地局100は、PDCCHでsTTIに割り当てる制御信号およびACK/NACK信号を送信することで、遅延が生じないので、HARQ process ID 数に影響がないという利点がある。
【0200】
(実施の形態4)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4及び
図5を援用して説明する。
【0201】
sTTI長で運用している場合に、回線品質が悪い又はLatency reductionが不要になるなどの理由により、通常のTTI長に戻すことが考えらえる。そこで、本実施の形態では、sTTI長から通常のTTI長(1 subframe)に切り替わる際の動作について説明する。
【0202】
通常のTTIに戻す方法として、CSS(Common search space)で通常のTTI長で割り当てを行う方法、又は、MACレイヤで通常のTTI長への変更を指示する方法などが考えらえる。このとき、sTTIで使用していたHARQ process IDについて、通常のTTIでも継続させる方法と継続しない方法とがある。
【0203】
HARQ process IDを継続しない場合、基地局100及び端末200は、HARQバッファの信号を消去し、全て新規データとして通信を新たに開始する。
【0204】
一方、HARQ process IDを継続させる場合、DLでは、基地局100は、端末200に対して、継続するHARQ process IDを、通常のTTI長のDL assignmentで指示する。
【0205】
また、ULの場合、HARQ process IDは端末200へ通知されないので、基地局100及び端末200は、sTTIと通常のTTIとの間でUL HARQ process IDを予め共有する仕組みが必要である。UL HARQ process IDを共有する仕組みとして、端末200は、TTI長の切り替えを受信したサブフレームを基準として、sTTIとTTIとを対応付ける。
【0206】
図19は、subframe #1でsTTIとTTIとを切り替える動作例を示す。
【0207】
図19では、subframe #0はsTTIが適用され、端末200は、HARQ process ID #0,#1,#2,#3のUL grantを検出している。また、端末200は、subframe #1のPDCCHで通常のTTIのUL grantを検出したとする。
【0208】
この場合、端末200は、sTTIでの動作となるHARQ process ID #0,#1,#2,#3に関しては、subframe #1のULでもsTTIの動作でsPUSCHの送信処理を行う。この際、基地局100がsTTIで送信されたsPUSCHに対するACK/NACK信号をsubframe#2で送信するようにしてもよい。また、subframe#1でNACKが送信された場合、端末200は、subframe #3でsPUSCHを再送することができる(図示せず)。こうすることで、PUSCHの送信が通常のTTIに切り替わるまでの間のリソースを有効に活用することができる。
【0209】
なお、基地局100は、subframe#2でのACK/NACK信号の送信を取りやめ、端末200に対して全てをACKと認識させて、通常のTTIを使用したAdaptive 再送のみを許可するようにしてもよい。
【0210】
Subframe #1の先頭DL sTTIでは、sTTIでの運用が継続されていれば、UL HARQ process ID #4が送信可能である。そこで、端末200は、subframe #1を基準として、subframe #1のPDCCHでUL HARQ process ID #4のUL grantが送信されたと認識し、LTE/LTE-Advanced の規定に従い、4subframe後(3 DL subframe間隔後)のsubframe #5でHARQ process ID #4のPUSCHを送信する。また、端末200は、次のsubframe#2のPDCCHでは、HARQ process ID #5のUL grantが送信されたと認識する。
【0211】
このように、基地局100及び端末200は、HARQ process ID#0~#3ではsTTIを使用し、UL HARQ process ID#4以降、sTTIからTTIへ切り替える。つまり、基地局100及び端末200は、sTTI(DL sTTI及びUL sTTI)の使用時と、TTIの使用時とで、共通のHARQ process IDを用いる。
【0212】
こうすることで、sTTIから通常のTTIに切り替わっても、基地局100及び端末200は、ULデータ信号の再送処理を継続することができる。また、基地局100及び端末200は、sTTI及びTTIのためのHARQのバッファを2重に持たなくてよいため、バッファ量を低減できる。
【0213】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0214】
なお、上記実施の形態ではFDDに基づくHARQのタイミングについて説明したが、TDDに基づくHARQのタイミングについても適用できる。TDDに基づくHARQのタイミングに本開示を適用する場合、subframe間のbundlingをさらに適用すればよい。
【0215】
また、上記実施の形態では、DL sTTI長を基準として信号の送受信タイミングを決定する場合について説明したが、ULsTTI長を基準として信号の送受信タイミングを決定してもよい。
【0216】
また、上記実施の形態では、X=4として説明したが、Xの値は他の値でもよい。
【0217】
また、上記実施の形態において、ULでの送信タイミングは、Timing Advanced (TA)によっても調整される。したがって、実際のULの送信タイミングは、上記実施の形態で規定したタイミングに加えて、予め定められたTA分早く送信開始されるように決定されてもよい。
【0218】
また、実施の形態1では、UL grantが特定のDL sTTIのみから送信されると限定したが、他の実施の形態ではそれに限定されない。UL grantの送信は、PUSCH を送信できるUL sTTIの少なくともX DL sTTI以上前で行われればよく、複数のDL sTTIから1つのUL sTTIに対するUL grantが送信されてもよい。この場合、端末200でUL grantをモニタするDL sTTIが増えるが、制御信号の分散が容易にできるという利点がある。
【0219】
また、TTI長の短縮は、LTEを拡張するシステムのみならず、New RAT(Radio Access Technology)とよばれる新しいフレームフォーマットで実現されるシステムにも適用できる。
【0220】
また、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0221】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には、入力端子および出力端子を有する集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力端子と出力端子を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0222】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0223】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0224】
本開示の基地局は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI)を用いて下り信号を送信する送信部と、TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTIを用いて上り信号を受信する受信部と、を具備し、第1sTTIの長さが第2sTTIよりも短い場合、受信部は、下り信号の送信タイミングから、第1sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後の第2sTTIで上り信号を受信する。
【0225】
本開示の基地局において、受信部は、下り信号の送信タイミングから、所定数の第1sTTIの間隔後の最初の第2sTTIで上り信号を受信する。
【0226】
本開示の基地局において、受信部は、下り信号の送信タイミングから、所定数の第1sTTIの間隔後のタイミングと同一タイミングが第2sTTIの境界と一致しない場合、上り信号の受信タイミングを遅延させる。
【0227】
本開示の基地局において、下り信号は、下りデータ信号の割り当てを示す下り割当制御情報を含み、受信部は、下りデータ信号を送信した第1sTTIのタイミングから、所定間隔後の第2sTTIで下りデータ信号に対するACK/NACK信号を受信する。
【0228】
本開示の基地局において、下り信号は、上り信号の割り当てを示す上り割当制御情報を含み、送信部は、上り信号を受信した第2sTTIのタイミングから所定間隔後の第1sTTIで上り信号に対するACK/NACK信号を送信する。
【0229】
本開示の基地局において、上り割当制御情報が送信される第1sTTIと、ACK/NACK信号が送信される第1sTTIとは異なる。
【0230】
本開示の基地局において、送信部は、ACK/NACK信号を、当該ACK/NACK信号のHARQ process IDと同一のHARQ process IDの上り割当制御情報が送信される第1sTTIの1つ前の第1sTTIで送信する。
【0231】
本開示の基地局において、受信部は、同一サブフレームで送信した複数の下り信号の各々に対するACK/NACK信号を、1つのサブフレーム内の複数の第2sTTIで受信する。
【0232】
本開示の基地局において、受信部は、下り信号の送信タイミングから、所定数の第1sTTIの間隔に絶対時間を加えた時間経過後の最初の第2sTTIで上り信号を受信する。
【0233】
本開示の基地局において、受信部は、下り信号の送信タイミングから、所定数の第1sTTIの間隔及び絶対時間のうち大きい時間の経過後の最初の第2sTTIで上り信号を受信する。
【0234】
本開示の基地局において、送信部は、基準サブフレームを構成する第1sTTIの長さを基準として所定間隔を設定し、送信部は、信号の割り当てに使用できる第1sTTIの数が基準サブフレームよりも少ないサブフレームにおいて、上り信号を受信するタイミングから所定間隔前の第1sTTIが信号の割り当てに使用できない場合、信号の割り当てに使用できない第1sTTIより前の最も後方の第1sTTIで下り信号を送信する。
【0235】
本開示の基地局において、下り信号は、上り信号の割り当てを示す上り割当制御情報を含み、送信部は、基準サブフレームを構成する第1sTTIの長さを基準として所定間隔を設定し、送信部は、信号の割り当てに使用できる第1sTTIの数が基準サブフレームよりも少ないサブフレームにおいて、上り信号を受信した第2sTTIのタイミングから所定間隔後の第1sTTIが信号の割り当てに使用できない場合、信号の割り当てに使用できない第1sTTIより後の最初の第1sTTIで上り信号に対するACK/NACK信号を送信する。
【0236】
本開示の基地局において、送信部及び受信部は、第1sTTI及び第2sTTIの使用から、TTIの使用へ切り替える場合、共通のHARQ process IDを用いる。
【0237】
本開示の端末は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI)を用いて下り信号を受信する受信部と、TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTIを用いて上り信号を送信する送信部と、を具備し、第1sTTIの長さが第2sTTIよりも短い場合、送信部は、下り信号の受信タイミングから、第1sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後の第2sTTIで上り信号を送信する。
【0238】
本開示の通信方法は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI)を用いて下り信号を送信し、TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTIを用いて上り信号を受信し、第1sTTIの長さが第2sTTIよりも短い場合、上り信号は、下り信号の送信タイミングから、第1sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後の第2sTTIで受信される。
【0239】
本開示の通信方法は、TTI(Transmission Time Interval)よりもTTI長を短縮した下り回線の第1sTTI(short TTI)を用いて下り信号を受信し、TTIよりもTTI長を短縮した上り回線の第2sTTIを用いて上り信号を送信し、第1sTTIの長さが第2sTTIよりも短い場合、上り信号は、下り信号の受信タイミングから、第1sTTIの長さを基準として設定される所定間隔後の第2sTTIで送信される。
【産業上の利用可能性】
【0240】
本開示の一態様は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0241】
100 基地局
101 sTTI決定部
102 sPDCCH生成部
103,209 誤り訂正符号化部
104,210 変調部
105,211 信号割当部
106,212 送信部
107,201 受信部
108,202 信号分離部
109 ACK/NACK受信部
110,203 復調部
111,204 誤り訂正復号部
112 ACK/NACK生成部
200 端末
205 sTTI設定部
206 誤り判定部
207 ACK/NACK生成部
208 sPDCCH受信部