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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】基板作業システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020207279
(22)【出願日】2020-12-15
(62)【分割の表示】P 2018528185の分割
【原出願日】2016-07-22
(65)【公開番号】P2021052202
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2020-12-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 克明
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-094270(JP,A)
【文献】特開2012-230988(JP,A)
【文献】特開2003-078283(JP,A)
【文献】特開2015-173190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30、13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して所定の作業を行う作業機本体と、
前記作業機本体に設けられ、前記所定の作業を行うための前記作業機本体の制御に用いる制御データ、及び、前記制御データとは異なりユーザにより作成されたオリジナルデータを記憶する記憶装置と、
前記作業機本体とネットワークを介して接続され、前記作業機本体の外部で作成された前記オリジナルデータを前記記憶装置に転送するホストコンピュータと、
前記作業機本体に設けられ、前記ネットワークを介して前記ホストコンピュータから転送され前記記憶装置に記憶された前記オリジナルデータを表示する表示装置と、
を備え、
前記オリジナルデータは、前記作業機本体の製造業者が予め作成した前記作業機本体の使用方法および注意事項に関する情報を含む初期データと異なる、ユーザ特有の取扱事項、注意事項、および連絡事項の少なくとも一つに関する情報を含む、基板作業システム。
【請求項2】
基板に対して所定の作業を行う作業機本体と、
前記作業機本体に設けられ、前記所定の作業を行うための前記作業機本体の制御に用いる制御データを記憶する第1記憶装置と、
前記制御データとは異なりユーザにより前記作業機本体の外部で作成されたオリジナルデータを記憶する第2記憶装置を有し、前記作業機本体とネットワークを介して接続されたホストコンピュータと、
前記作業機本体に設けられ、前記ネットワークを介して前記第2記憶装置から取得された前記オリジナルデータを表示する表示装置と、
を備え、
前記オリジナルデータは、前記作業機本体の製造業者が予め作成した前記作業機本体の使用方法および注意事項に関する情報を含む初期データと異なる、ユーザ特有の取扱事項、注意事項、および連絡事項の少なくとも一つに関する情報を含む、基板作業システム。
【請求項3】
前記作業機本体に設けられ、前記ユーザの操作を入力する入力装置であって、前記制御データを編集する前記操作が可能であり、前記オリジナルデータを編集する前記操作が不能である前記入力装置を備える、請求項1または2に記載の基板作業システム。
【請求項4】
前記オリジナルデータは画像を含む、請求項1-の何れか一項に記載の基板作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、基板作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
使用方法に関するデータ等が予め記憶された記憶装置と、記憶装置に記憶されたデータを表示する表示装置とを備えた作業機が知られている。こうした作業機では、基板に対して所定の作業を行うための制御に用いる制御データについて、ユーザによる登録及び編集が許容される一方、使用方法に関するデータ等について、ユーザによる追加登録や編集が制限されることが一般的である。この点に関し、特許文献1には、装置の異常時に表示されるエラーメッセージについて、ユーザによる編集及び変更を可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-222633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、エラーメッセージは、主としてエラーの発生等を装置が検知した場合に表示されるものであり、表示されるタイミングや表示内容が限定される。よって、上記した従来技術は、ユーザの利便性向上を図るという点において不十分であった。
【0005】
それゆえ、本明細書の一実施形態は、ユーザの利便性を向上させることができる基板作業システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、基板に対して所定の作業を行う作業機本体と、前記作業機本体に設けられる表示装置と、前記作業機本体に設けられ、ユーザの操作を入力する入力装置と、前記所定の作業を行うための前記作業機本体の制御に用いる制御データ、及び、前記制御データとは異なり、前記ユーザにより作成されたオリジナルデータであって画像およびテキストを含む前記オリジナルデータを記憶する記憶装置と、前記入力装置に対し、前記ユーザから表示要求操作が入力された場合に、前記表示装置に前記オリジナルデータを表示させる制御装置と、を備える基板作業システムを開示する。
【0007】
開示した基板作業システムによれば、ユーザにより表示要求操作が入力されることにより、ユーザの作成したオリジナルデータが表示装置に表示される。即ち、本発明の基板作業システムでは、ユーザが作成したデータを、ユーザの望むタイミングで表示させることができるので、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における基板作業システムの概略図である。
図2】選択画面の中から、制御データ選択ボタンを選択したときに表示装置に表示される画面を示す図である。
図3A】選択画面の中から、オリジナルデータ選択ボタンを選択したときに表示装置に表示される画面を示す図である。
図3B】メインデータが表示装置に表示された画面を示す図である。
図4】制御装置により実行されるオリジナルデータ表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、基板作業システムを適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図1において、基板PBの搬送方向をX軸方向、X軸方向と水平方向に直角な方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ方向とする。
【0010】
(1.基板作業システム100の構成)
まず、図1を参照して、基板作業システム100の概要について説明する。図1に示すように、基板作業システム100は、基板に対して所定の作業を行う作業機本体としての装着機本体10と、入力装置20と、記憶装置30と、表示装置40と、制御装置50と、を主に備える。装着機本体10は、基板PBに電子部品を装着する。装着機本体10は、基板搬送装置11と、部品供給装置12と、部品移載装置13とを主に備える。
【0011】
基板搬送装置11は、一対のガイドレール11aと、一対のコンベアベルト11bと、クランプ装置11cとを主に備える。ガイドレール11aは、X軸方向へ延びる部材であり、一対のガイドレール11aは、互いに平行に配置される。コンベアベルト11bは、基板PBを載置可能な無端状の部材であり、一対のコンベアベルト11bは、ガイドレール11aの互いに向かい合う内側に輪転可能に設けられる。クランプ装置11cは、一対のガイドレール11aの間であって、X軸方向における中央部分に設定された部品装着位置の下方に配置される。基板PBは、一対のガイドレール11aによって案内されつつ、一対のコンベアベルト11bにより部品装着位置まで搬送された後、クランプ装置11cにより部品装着位置に位置決め固定される。
【0012】
部品供給装置12は、フィーダ12aと、パレット12bとを主に備える。フィーダ12aは、その後部(図1下側)にリールRを交換可能に保持し、リールRには、複数の電子部品を収容したキャリアテープが巻回される。パレット12bは、略矩形状に形成される。パレット12bの上面には、Y軸方向に延びる複数のスロット12cが形成され、それら複数のスロット12cが形成される位置にフィーダ12aが装備される。部品供給装置12は、リールRからキャリアテープを所定のピッチで引き出し、電子部品をフィーダ12aの前方(図1上側)へ順次、送り込む。
【0013】
部品移載装置13は、一対の固定レール13aと、ヘッド移動レール13bと、装着ヘッド13cとを主に備える。固定レール13aは、Y軸方向に延びる部材であり、一対の固定レール13aは、基板搬送装置11の上方において互いに平行に配置される。ヘッド移動レール13bは、X軸方向に延びる部材であり、ヘッド移動レール13bのX軸方向両端が固定レール13aに移動可能に支持される。装着ヘッド13cは、ヘッド移動レール13bによりX軸方向へ移動可能に支持される一方、図示しないボールねじ送り機によりY軸方向へ駆動される。
【0014】
入力装置20は、装着機本体10に設けられ、装着機本体10を扱うユーザにより操作される。なお、入力装置20としては、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルや音声認識機能を有する装置等が例示される。
【0015】
記憶装置30は、装着機本体10に設けられる。記憶装置30は、制御データ記憶領域31と、自動表示データ記憶領域32と、初期データ記憶領域33と、オリジナルデータ記憶領域34と、を備える。
【0016】
制御データ記憶領域31は、電子部品を基板PBに装着するための装着機本体10の制御に用いる制御データを記憶する。制御データとしては、基板PBや部品の寸法、部品を装着する順序や位置等に関するデータ等が例示される。なお、ユーザは、制御データ記憶領域31に記憶される制御データの作成及び編集について、入力装置20を用いて行うことが可能である。
【0017】
自動表示データ記憶領域32は、エラーの発生やメンテナンス時期の到来等を契機として表示装置40に自動的に表示される自動表示データを記憶する。自動表示データとしては、エラーの発生やエラーの解消方法をユーザに知らせるためのデータや、各種部品の交換方法を知らせるためのデータ等が例示される。なお、ユーザは、自動表示データ記憶領域32に記憶される自動表示データについて、追加作成及び編集を行うことができない。
【0018】
初期データ記憶領域33は、制御データ及び自動表示データとは異なるデータであって、装着機本体10の製造業者が予め作成した初期データを記憶する。初期データとしては、装着機本体10の一般的な使用方法や注意事項に関する情報等が例示される。なお、ユーザは、初期データ記憶領域33に記憶される初期データについて、追加作成及び編集を行うことができない。
【0019】
オリジナルデータ記憶領域34は、制御データ及び自動表示データとは異なるデータであって、ユーザが作成したオリジナルデータを記憶する。オリジナルデータとしては、初期データ記憶領域にないユーザ特有の取扱事項や注意事項のほか、装着機本体10の使用とは直接的な関連性の低い連絡事項等が記載されたドキュメントファイルが例示される。また、ドキュメントファイルは、具体的に、PDFファイル、DOCファイル、PPTファイル、XLSファイル、HTMLファイル及びTXTファイルなどである。
【0020】
表示装置40は、装着機本体10に設けられ、記憶装置30に記憶されるデータを表示する。なお、表示装置40としては、液晶ディスプレイやCRT等が例示される。制御装置50は、ユーザからの求めに応じて、或いは、エラーの発生等を契機として、記憶装置30に記憶されるデータの中から該当するデータを表示装置40に表示させる。
【0021】
(2.データの表示態様)
次に、図2図3Bを参照して、表示装置40に表示するデータの表示態様について、例を挙げながら説明する。図2及び図3Aには、装着機本体10の立ち上げ時や、入力装置20により選択可能なホームボタン63(図3B参照)を選択した場合に表示されるホーム画面を、表示装置40に表示した状態が図示されている。
【0022】
図2及び図3Aに示すように、ホーム画面には、「Product」、「Setting」、「File」とタブ表示された4つの制御データ選択ボタン61、及び、「User」とタブ表示されたオリジナルデータ選択ボタン62が表示された選択画面60が表示される。ユーザは、入力装置20を操作し、4つの制御データ選択ボタン61及びオリジナルデータ選択ボタン62の中から1つを選択する。
【0023】
このように、ホーム画面には、選択画面60として制御データ選択ボタン61及びオリジナルデータ選択ボタン62が同時に表示されるので、ユーザがオリジナルデータを閲覧しようとした場合に、オリジナルデータを表示装置40に表示させるまでに要する操作回数を少なくすることができる。
【0024】
図2には、4つの制御データ選択ボタン61うち、「Product」が選択されたときの画面が図示されている。このとき、表示装置40には、制御データ記憶領域31に記憶された1つの制御データのタイトル『ABC123456』が表示される。表示された制御データがユーザにより選択されると、装着機本体10は、制御データの内容に基づき、部品の装着作業を開始する。
【0025】
図3Aには、ユーザによる入力装置20の操作により、オリジナルデータ選択ボタン62としての「User」が選択されたときに、表示装置40に表示される画面が図示されている。このとき、表示装置40には、オリジナルデータ記憶領域34に記憶された複数のオリジナルデータのうち、各々のオリジナルデータのタイトルを示すサブデータ71が一覧表示される。
【0026】
サブデータ71は、各々のオリジナルデータの主要部分であるメインデータ72に関連づけられたデータであり、例えば、データが作成又は更新された日時が新しいものから順に表示される。なお、サブデータ71は、オリジナルデータのタイトルに限られるものではない。例えば、オリジナルデータが文書等である場合には、文書等の一部や冒頭部分をサブデータ71としてもよく、オリジナルデータが画像等である場合には、画像等の一部や縮小図等をサブデータ71としてもよい。また、装着機本体10の使用時にユーザのIDが入力された場合に、入力されたIDを有するユーザが閲覧していない未読のオリジナルデータと、ユーザが既に閲覧した既読のオリジナルデータとの違いを把握できるような態様で、サブデータ71の一覧表示が表示されていてもよい。
【0027】
図3Aには、5つのサブデータ71が一覧表示されている。5つのサブデータ71のうち、最も上にあるサブデータ71は、『ID:****バーコード貼り付け位置.PDF』であり、部品又は基板等に対し、ユーザがバーコードを貼り付ける際の貼り付け位置を示すデータが、メインデータ72としてオリジナルデータ記憶領域34に記憶される。上から2番目のサブデータ71は、『操作モニタ回転時の注意事項』であり、表示装置40としての操作モニタを回転させる際の注意事項を示すデータが、メインデータ72としてオリジナルデータ記憶領域34に記憶される。上から3番目にあるサブデータ71は、『デバイス交換時注意事項.PDF』であり、デバイスの交換を行う際の注意事項を示すデータが、メインデータ72としてオリジナルデータ記憶領域34に記憶される。
【0028】
上から4番目にあるサブデータ71は、『*月**日生産スケジュール』であり、*月**日の生産スケジュールを示すデータが、メインデータ72としてオリジナルデータ記憶領域34に記憶される。上から5番目にある(最も下にある)サブデータ71は、『7号ライン電源投入時注意事項』であり、生産ラインの一つである7号ラインにおいて電源を投入する際の注意事項を示すデータが、メインデータ72としてオリジナルデータ記憶領域34に記憶される。このように、オリジナルデータ記憶領域34に記憶されるオリジナルデータは、装着機本体10により部品を基板に装着する際の命令となる制御データとは性質が異なるデータである。
【0029】
図3Bに示すように、例えば、ユーザが、一覧表示されたサブデータ71の1つである『操作モニタ回転時の注意事項』を選択した場合、選択したサブデータ71に関連づけられたメインデータ72が、表示装置40に表示される。
【0030】
このようにして、基板作業システム100では、オリジナルデータ選択ボタンが選択された場合に、オリジナルデータ記憶領域34に記憶されたオリジナルデータのサブデータ71を一覧表示する。そして、一覧表示されたサブデータ71の中から一つのサブデータ71が選択された場合に、その選択されたサブデータ71に関連づけられるメインデータ72が表示される。従って、基板作業システム100では、オリジナルデータ選択ボタン62を選択した際に複数のオリジナルデータの内容を全て表示する場合と比べて、表示が完了するまでに要する時間を短縮できると共に、ユーザが求めるデータを見つけやすくすることができる。
【0031】
また、ユーザがオリジナルデータを閲覧しようとしたときに、ユーザは、ホーム画面に表示される選択画面60の中からオリジナルデータ選択ボタン62を選択し、閲覧しようとするオリジナルデータを表示装置40に表示させることができる。即ち、ユーザは、ユーザの任意のタイミングで、オリジナルデータを閲覧することができる。またその結果として、オリジナルデータは、エラーの発生やメンテナンス時期の到来等を契機として表示装置40に表示される自動表示データのように、表示装置40に表示されるタイミングや内容が拘束されないので、オリジナルデータの内容に自由度を持たせることができる。
【0032】
なお、オリジナルデータ記憶領域34に記憶されるオリジナルデータは、複数の装着機本体10とネットワークを介して接続されるホストコンピュータ80で一般的な文書作成ソフトによって作成され、作成されたオリジナルデータは、ネットワークを介して記憶装置30に転送される。その一方、オリジナルデータの作成及び編集は、装着機本体10に設けられた入力装置20を用いて行うことができない。即ち、基板作業システム100では、オリジナルデータについて、入力装置20により入力可能な操作が、閲覧するオリジナルデータを選択するための操作に限定されている。これにより、ユーザの不慣れな操作により、予期せぬ変更が制御データに加えられることを未然に回避できるので、基板作業システム100は、装着機本体10による部品の装着作業に関し、不具合が発生することを防止できる。
【0033】
(3.オリジナルデータ表示処理)
次に、図4を参照して、制御装置50により実行されるオリジナルデータ表示処理について説明する。
【0034】
図4に示すように、オリジナルデータ表示処理において、制御装置50は、最初に、選択画面60が表示されるホーム画面を表示装置40に表示中であるか否かを判定する(S1)。そして、ホーム画面を表示中であれば(S1:Yes)、制御装置50は、続いて、選択画面60として表示される4つの制御データ選択ボタン61及びオリジナルデータ選択ボタン62のうち、オリジナルデータ選択ボタン62が選択されたか否かを判定する(S2)。具体的には、制御装置50は、入力装置20に対して行うユーザの操作として、オリジナルデータ選択ボタン62の選択が実行されたか否かの判定を行う。
【0035】
そして、オリジナルデータ選択ボタン62が選択された場合には(S2:Yes)、制御装置50は、サブデータ71を表示装置40に一覧表示し(S3)、本処理を終了する。一方、オリジナルデータ選択ボタン62が選択されていない場合には(S2:No)、制御装置50は、S3の処理をスキップし、そのまま処理を終了する。
【0036】
また、制御装置50は、S1の処理において、表示装置40にホーム画面を表示中でないと判定した場合には(S1:No)、表示装置40にサブデータ71を一覧表示中であるか否かを判定する(S4)。そして、サブデータ71を一覧表示中であれば(S4:Yes)、制御装置50は、続いて、一覧表示されたサブデータ71の中から一つのサブデータ71が選択されたか否かを判定する(S5)。具体的には、制御装置50は、入力装置20に対して行うユーザの操作として、1つのサブデータ71の選択が実行されたか否かの判定を行う。
【0037】
そして、1つのサブデータ71の選択が実行された場合には(S5:Yes)、制御装置50は、選択された1つのサブデータ71に関連付けられるメインデータ72を表示装置40に表示し(S6)、本処理を終了する。このとき、制御装置50は、選択されたサブデータ71に関連付けられるメインデータ72をオリジナルデータ記憶領域34から取り込み、取り込んだメインデータ72を表示装置40に表示する。
【0038】
一方、1つのサブデータ71の選択が実行されていない場合には(S5:No)、制御装置50は、S3の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。即ち、制御装置50は、1つのサブデータ71が選択されるまで、サブデータ71を表示装置40に一覧表示する。
【0039】
また、制御装置50は、S4の処理において、表示装置40にサブデータ71を一覧表示中でないと判定した場合(S4:No)、表示装置40にメインデータ72を表示中であるか否かを判定する(S7)。そして、メインデータ72を一覧表示中でなければ(S7:No)、制御装置50は、そのまま本処理を終了する。
【0040】
一方、メインデータ72を一覧表示中であれば(S7:Yes)、制御装置50は、続いて、表示装置40に表示されたホームボタン63が選択されたか否かを判定する(S8)。具体的には、制御装置50は、入力装置20に対して行うユーザの操作として、ホームボタン63の選択が実行されたか否かの判定を行う。そして、ホームボタン63の選択が実行されていない場合(S8:No)、制御装置50は、そのまま本処理を終了する。一方、ホームボタン63の選択が実行された場合(S8:Yes)、制御装置50は、表示装置40にホーム画面を表示する(S9)。
【0041】
このとき、制御装置50は、ホーム画面に表示される選択画面60として、オリジナルデータ選択ボタン62が選択された状態、つまり、表示装置40にサブデータ71が一覧表示された状態を表示装置40に表示する。よって、例えば、一覧表示されたサブデータ71の中から1つのサブデータ71を選択した結果、表示されたメインデータ72が、ユーザが閲覧しようとしていたメインデータ72とは異なっていた場合に、ユーザは、ホームボタン63を選択することにより、1つ前の画面(サブデータ71が一覧表示された状態)に戻すことができる。そして、ユーザは、表示装置40に一覧表示されたサブデータ71の中から、再度1つのサブデータ71を選択することで、その選択したサブデータ71に関連付けられたメインデータ72を表示画面に表示させることができる。従って、基板作業システム100では、先に表示されたメインデータ72とは異なるメインデータ72を表示させるまでに要する操作回数を少なくすることができる。
【0042】
一方、ホームボタン63の選択が実行されていない場合には(S8:No)、制御装置50は、制御装置50は、S9の処理をスキップし、そのまま処理を終了する。即ち、制御装置50は、ホームボタン63が選択されるまで、メインデータ72を表示装置40に表示する。
【0043】
以上説明したように、基板作業システム100によれば、ユーザは、入力装置20に対し、閲覧しようとするオリジナルデータの表示要求操作を入力することにより、表示装置40に該当するオリジナルデータを表示させることができる。即ち、ユーザは、オリジナルデータを任意のタイミングで閲覧することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0044】
さらに、ユーザがオリジナルデータ選択ボタン62を選択した場合、表示装置40にはメインデータ72に関連付けられたサブデータ71が一覧表示されるので、ユーザは、一覧表示されたサブデータ71の中から、ユーザが閲覧しようとするメインデータ72を含むオリジナルデータを容易に見つけることができる。
【0045】
(4.その他)
以上、実施形態に基づき説明したが、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0046】
例えば、上記実施形態では、ホストコンピュータ80により作成したオリジナルデータが、装着機本体10に設けられた記憶装置30に転送される場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、記憶装置30が装着機本体10に設けられる場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、ホストコンピュータ80により作成したオリジナルデータが、USBメモリ等の装着機本体10に接続可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。また、オリジナルデータが、ネットワークを介して装着機本体10に接続されたホストコンピュータ80の記憶装置に記憶され、ユーザの表示要求操作があった場合に、制御装置50が、ホストコンピュータ80の記憶装置に記憶されたオリジナルデータを、ネットワークを介して取得し、表示装置40に表示させてもよい。
【0047】
本実施形態では、オリジナルデータがホストコンピュータ80で作成される場合について説明したが、オリジナルデータが、装着機本体10の外部に設けられたホストコンピュータ80以外のコンピュータにより作成されたものであってもよい。
【0048】
本実施形態では、装着機本体10及び入力装置20によるオリジナルデータの作成及び編集が不能である場合について説明したが、装着機本体10及び入力装置20によるオリジナルデータの作成及び編集が可能な構成を採用してもよい。
【0049】
本実施形態では、基板に対して所定の作業を行う作業機として装着機本体10を例示して説明したが、作業機としては、例えば、基板にクリーム半田を印刷する半田印刷機、基板に接着剤を塗布する接着剤塗布機、基板の検査を行う検査機等であってもよい。
【0050】
(5.効果)
以上説明したように、実施形態における基板作業システム100は、基板PBに対して所定の作業を行う装着機本体10としての作業機本体と、作業機本体に設けられる表示装置40と、作業機本体に設けられ、ユーザの操作を入力する入力装置20と、所定の作業を行うための作業機本体の制御に用いる制御データ、及び、制御データとは異なり、ユーザにより作成されたオリジナルデータを記憶する記憶装置30と、入力装置20に対し、ユーザから表示要求操作が入力された場合に、表示装置40にオリジナルデータを表示させる制御装置50と、を備える。
【0051】
この基板作業システム100によれば、ユーザにより表示要求操作が入力されることにより、ユーザの作成したオリジナルデータが表示装置に表示される。即ち、基板作業システム100では、ユーザが作成したデータを、ユーザの望むタイミングで表示させることができるので、利便性を向上させることができる。
【0052】
上記した基板作業システム100において、表示装置40は、制御データを画面上に表示するための制御データ選択ボタン61及びオリジナルデータを画面上に表示するためのオリジナルデータ選択ボタン62を含む選択画面60を表示し、制御装置50は、入力装置20に対し、表示要求操作としてのオリジナルデータ選択ボタン62に対する操作が入力された場合に、表示装置40にオリジナルデータを表示させる。この基板作業システム100によれば、ユーザは、任意のタイミングでオリジナルデータを表示装置40に表示させることができるので、利便性を向上させることができる。
【0053】
上記した基板作業システム100において、選択画面60は、ホーム画面に表示される。これによれば、基板作業システム100は、ユーザが閲覧しようとするオリジナルデータが表示装置40に表示されるまでに要する操作の回数を少なくすることができる。
【0054】
上記した基板作業システム100において、オリジナルデータは、主要部分となるメインデータ72と、メインデータ72に関連付けられたサブデータ71とを備え、制御装置50は、記憶装置30に記憶されたサブデータ71を表示装置40に一覧表示し、入力装置20により選択されたサブデータ71に関連付けられたメインデータ72を表示装置40に表示する。
【0055】
この基板作業システム100によれば、ユーザが特定のオリジナルデータを表示装置40に表示させたい場合に、ユーザは、一覧表示されたサブデータ71の中からユーザが求めるオリジナルデータを容易に見つけ出すことができる。
【0056】
上記した基板作業システム100において、記憶装置30は、装着機本体10としての作業機本体に設けられる。これによれば、基板作業システム100は、入力装置20が表示要求操作を受け付けた場合に、表示要求操作を受けたオリジナルデータを短時間で表示装置40に表示させることができる。
【0057】
また、上記した基板作業システム100は、装着機本体10としての作業機本体にネットワークを介して接続された記憶装置を有するホストコンピュータ80をさらに備え、制御装置50は、入力装置20に表示要求操作が入力された場合に、記憶装置30に記憶されるオリジナルデータをネットワークを介して取得し、表示装置40に表示させる。
【0058】
これによれば、基板作業システム100は、装着機本体10としての作業機本体に設けられる記憶装置30において、オリジナルデータを表示装置40に表示させるために必要とされる記憶容量を少なくすることができる。
【0059】
上記した基板作業システム100において、オリジナルデータは、装着機本体10としての作業機本体の外部で作成され、入力装置20は、オリジナルデータの作成及び編集が不能である。これによれば、基板作業システム100は、オリジナルデータの作成及び編集機能を装着機本体10としての作業機本体に持たせることに起因し、装着機本体10による部品の装着作業に支障が生じることを防止できる。
【符号の説明】
【0060】
10:装着機本体(作業機本体)、 20:入力装置、 30:記憶装置、 40:表示装置、 50:制御装置、 60:選択画面、 61:制御データ選択ボタン、 62:オリジナルデータ選択ボタン、 71:サブデータ、 72:メインデータ、 80:ホストコンピュータ、 100:基板作業システム
図1
図2
図3A
図3B
図4