(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】紫外LEDパッケージ構造
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20220829BHJP
【FI】
H01L33/48
(21)【出願番号】P 2020524643
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(86)【国際出願番号】 CN2018113516
(87)【国際公開番号】W WO2019091328
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】201711092487.0
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201721480082.X
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518281982
【氏名又は名称】廈門市三安光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN SAN’AN OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】5F., Zonghe Bldg., No.1721, Luling Rd., Siming Dist. Xiamen, Fujian 361009, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】時 軍朋
(72)【発明者】
【氏名】黄 永特
(72)【発明者】
【氏名】林 秋霞
(72)【発明者】
【氏名】李 興龍
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/190207(WO,A1)
【文献】特表2017-529254(JP,A)
【文献】特開2007-311707(JP,A)
【文献】特開2016-103636(JP,A)
【文献】特開2016-111085(JP,A)
【文献】特開2017-130587(JP,A)
【文献】特開2016-006832(JP,A)
【文献】特表2010-529689(JP,A)
【文献】特表2015-511332(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0234274(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0263833(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームと、チャンバーと、LEDチップと、充填材料層と、粘着層と、レンズとを備えており、前記チャンバーが前記支持フレームと前記レンズの間に位置し、前記LEDチップが前記チャンバー内に位置し、前記支持フレームと前記レンズとが前記粘着層を介してパッケージされ、前記充填材料層は前記チャンバーにおいて前記LEDチップを覆っている紫外LEDパッケージ構造であって、前記粘着層は
非連続層を含む多層構造であり、且つ前記粘着層の少なくとも一層の構造の材料は、
前記充填材料層の材料と同じである、ことを特徴とする紫外LEDパッケージ構造。
【請求項2】
前記粘着層は、少なくとも3層構造であって、前記レンズと接する第一層と、前記支持フレームと接する第二層と、前記第一層及び前記第二層の間にある第三層とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項3】
前記粘着層は、少なくとも5層構造であって、前記第一層と前記第三層との間にある第四層と、前記第二層と前記第三層との間にある第五層とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項4】
前記充填材料層は、フッ素、ケイ素-フッ素結合、炭素-フッ素結合、ケイ素-酸素結合、炭素-炭素結合、メチル基、又はフェニル基を含んでいる、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項5】
前記充填材料層は、液体である、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項6】
前記充填材料層の屈折率は1.3~1.6の間である、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項7】
前記充填材料層は、260~320nmの波長域の透過率が80%を超える、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項8】
前記支持フレームは、ボウルカップ構造を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項9】
前記ボウルカップ構造と支持フレームは一体成型か、或いは前記ボウルカップ構造と支持フレームは個別に成型される、ことを特徴とする請求項
8に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項10】
前記レンズの外表面は、曲面部を有しており、且つ前記曲面部は球面の一部であり、即ち、表面の何れの点からも該球面の球心までの距離は同じである、ことを特徴とする請求項1に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項11】
前記レンズの球心は、支持フレームの上表面の中心位置において法線方向にある、ことを特徴とする請求項
10に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項12】
前記レンズの球心は、前記チャンバーの内部に位置する、ことを特徴とする請求項
10に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項13】
前記レンズの球心は、前記レンズの下表面に位置する、ことを特徴とする請求項
10に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項14】
前記レンズの球心は、前記支持フレームの上表面に位置する、ことを特徴とする請求項
10に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項15】
前記レンズの球心は、前記LEDチップの上表面、下表面又は内部に位置する、ことを特徴とする請求項
10に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項16】
前記レンズの球心は、前記充填材料層の上表面、下表面又は内部に位置する、ことを特徴とする請求項
10に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【請求項17】
前記レンズは下平面層を含む、ことを特徴とする請求項
10に記載の紫外LEDパッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体技術に関し、特に、紫外LEDパッケージ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、固体半導体発光素子である。LED技術の発達に伴って、LEDモジュールの波長域が徐々に近紫外の方向へ、更には遠紫外の方向に発展している。紫外LEDは新たな緑光源として発光効果が高く、寿命が長く、省エネ、環境保護等多くの利点を有していることが知られており、例えば、室内外の消毒、バックライト、UV印刷、医療、飲食、植物の成長等、その応用分野はますます幅広くなっている。しかし現段階の紫外(UV)LEDパッケージ構造、特に遠紫外(DUV)LEDパッケージ構造は一般的に完全無機パッケージを用い、このようなパッケージ構造の光はLEDチップから大気中に放射され、その後さらに、石英ガラス等の材質を通って外部へ伝達する。光路全体において光密媒質から光疎媒質を数回経る上、さらに境界面は平面構造であるため、大きな全反射現象が存在し、発光効率に大きな影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の不足を解決するため、本発明は、紫外LEDパッケージ構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一の態様によれば、紫外LEDパッケージ構造は、支持フレームと、チャンバーと、LEDチップと、充填材料層と、粘着層と、レンズとを備えており、前記チャンバーが前記支持フレームと前記レンズの間に位置し、前記LEDチップが前記チャンバー内に位置し、前記支持フレームと前記レンズとが前記粘着層を介してパッケージされている紫外LEDパッケージ構造であって、前記粘着層は多層構造であり、且つ前記粘着層の少なくとも一層の構造の材料は、充填材料層の材料と同じである。
【0005】
好ましくは、前記粘着層は少なくとも3層構造であって、前記レンズと接する第一層と、前記支持フレームと接する第二層と、第一層及び第二層の間にある第三層とを含む。
【0006】
好ましくは、前記粘着層は少なくとも5層構造であって、第一層と第三層との間にある第四層と、第二層と第三層との間にある第五層とを含む。
【0007】
好ましくは、前記粘着層は、非連続層を含む。
【0008】
好ましくは、前記充填材料層は、フッ素、ケイ素-フッ素結合、炭素-フッ素結合、ケイ素-酸素結合、炭素-炭素結合、メチル基、又はフェニル基を含んでいる。
【0009】
好ましくは、前記充填材料層は、液体である。
【0010】
好ましくは、前記充填材料層の屈折率は1.3~1.6の間である。
【0011】
好ましくは、前記充填材料層は、260~320nmの波長域の透過率が80%を超える。
【0012】
好ましくは、前記充填材料層は前記LEDチップを覆っている。
【0013】
好ましくは、前記支持フレームは、ボウルカップ構造を含む。
【0014】
好ましくは、前記ボウルカップ構造と支持フレームは一体成型か、或いは前記ボウルカップ構造と支持フレームは個別に成型される。
【0015】
好ましくは、前記レンズの球心は、支持フレームの上表面の中心位置において法線方向に移動する。
【0016】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記チャンバーの内部に位置する。
【0017】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記レンズの下表面に位置する。
【0018】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記支持フレームの上表面に位置する。
【0019】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記LEDチップの上表面、下表面又は内部に位置する。
【0020】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記充填材料層の上表面、下表面又は内部に位置する。
【0021】
好ましくは、前記レンズは、凹陥したキャビティを有する。
【0022】
好ましくは、前記レンズの外表面は、曲面部を有しており、且つ前記曲面部は、球面の一部である。
【0023】
好ましくは、前記レンズは下平面層を含む。
【0024】
本発明の第二の態様によれば、紫外LEDパッケージ構造は、支持フレームと、チャンバーと、LEDチップと、充填材料層と、粘着層と、レンズとを備えており、前記チャンバーが前記支持フレームと前記レンズの間に位置し、前記LEDチップが前記チャンバー内に位置し、前記支持フレームと前記レンズとが前記粘着層を介してパッケージされている紫外LEDパッケージ構造であって、前記レンズの球心が、前記支持フレームの上表面の中心位置において法線方向に移動する。
【0025】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記チャンバーの内部に位置する。
【0026】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記レンズの下表面又は内部に位置する。
【0027】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記支持フレームの上表面に位置する。
【0028】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記LEDチップの上表面、下表面又は内部に位置する。
【0029】
好ましくは、前記レンズの球心は、前記充填材料層の上表面、下表面又は内部に位置する。
【0030】
好ましくは、前記レンズは、凹陥したキャビティを有する。
【0031】
好ましくは、前記レンズの外表面は、曲面部を有しており、且つ前記曲面部は、球面の一部である。
【0032】
好ましくは、前記レンズは下平面層を含む。
【0033】
好ましくは、前記充填材料層は前記LEDチップを覆っている。
【0034】
好ましくは、前記粘着層は多層構造である。
【発明の効果】
【0035】
従来の技術と比べて、本発明による紫外LEDパッケージ構造は、少なくとも以下の技術的効果を有する。
【0036】
(1)凹陥したキャビティを有するレンズにより、且つレンズとLEDチップの間に充填材料層を設けることで、光取り出し効率を大幅に向上させ、従来の紫外LEDパッケージ構造に比べて、発光効率を30%以上向上させる。
【0037】
(2)レンズと支持フレームの間の粘着層が多層構造であるので、粘着力と密封性を高め、パッケージ構造の信頼性を向上することができる。
【0038】
(3)前記レンズの球心の位置は、前記支持フレームの上表面の中心位置の法線上において移動可能であり、前記球心の位置を調整することにより、発光角度を一定に保つことができ、パッケージ構造の一致性を保つことができる。パッケージ空間が小さめである場合、球心が下側にあるレンズを用いることができ、パッケージ空間が十分である場合、球心が高いレンズを用いることで、高い輝度を得ることができる。
【0039】
本発明の他の特徴および利点は、以下の説明において陳述するが、一部は明細書から明白なものであり、或いは本発明を実施することにより理解される。本発明の目的及びその他の利点は、明細書、特許請求の範囲、添付の図面により特に示される構造によって実現し獲得される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図面は本発明のより一層の理解のために供するものであり、また明細書の一部を構成するものであり、本発明の実施例と共に本発明の解釈に用いられ得るが、本発明の限定するものではない。また、図面における数値は概要を示すにすぎず、比率に応じて描かれたものではない。
【0041】
【
図1】実施例1の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【
図2】
図1における粘着層50を示す部分拡大図である。
【
図3】
図2における粘着層50構造の別の変形である。
【
図4】
図2における粘着層50構造の更に別の変形である。
【
図5】実施例2の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【
図6】実施例3の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【
図7】実施例4の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【
図8】実施例5の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【
図9】実施例6の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【
図10】実施例7の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【
図11】実施例8の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【
図12】実施例9の紫外LEDパッケージ構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明に係る紫外LEDパッケージ構造の詳細について説明する。本発明を説明する前に、特定の実施例を変更でき、下記の特定の実施例に制限されないことを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲だけに限定され、用いられる実施例は説明のために例示されるがこれに制限されないことを理解されたい。
【0043】
本発明に用いられる技術用語は具体的な実施方式を記述する目的で使われ、本発明に制限されないことを理解されたい。本発明に使われる技術用語は、文脈において明確に示されない限り、「一」、「一つの」及び「該」等の奇数記述方式には複数記述方式も含む。本発明において技術用語の「包含」、「含む」、「含有」が使われているのは、記述の特徴、全体、ステップ、操作、素子、及び/又はパッケージの存在を説明するためであって、一つ又は複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、素子、パッケージ、及び/又はそれらの組み合わせの存在や増加を除外するのではないことを更に理解されたい。
【0044】
特に定義されていない限り、本発明に用いられるあらゆる用語(技術的用語及び科学用語)は、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が通常理解される意味と同様の意味を持つことを理解されたい。そして、本発明において明確に定義するもの以外、本発明に使われる用語はこれらの用語が当該明細書の文脈と関わる分野の意味と一致する意味を有すること、且つ理想化したり正式過ぎる意味で捉えないようにすることを更に理解されたい。
【0045】
<実施例1>
図1と
図2に示されるように、本実施例では、支持フレーム10と、チャンバー20と、LEDチップ30と、充填材料層40と、粘着層50と、レンズ60とを備えている紫外LEDパッケージ構造を提供する。前記チャンバー20は前記支持フレーム10とレンズ60の間に位置し、前記LEDチップ30は前記チャンバー20の内部に位置し、前記支持フレーム10とレンズ60とは粘着層50を介してパッケージされ、前記粘着層は多層構造であり、且つ前記粘着層の少なくとも一層の構造材料は充填材料層のものと同様である。
【0046】
前記支持フレーム10は、例えばセラミック材料等の絶縁材料を含むものを用いることができる。セラミック材料は、例えば、同時焼成される低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics/LTCC)又は高温同時焼成セラミックス(High Temperature Co-fired Ceramic/HTCC)である。支持フレーム10の主成分は窒化アルミニウム(AlN)でも良く、又は140W/(m・K)或いは更に高い熱伝達性を有する金属窒化物でも構わない。
【0047】
前記LEDチップ30は、支持フレーム10上に設置し、その波長が200~380nmの範囲内であり、具体的には、長波(UV-A、315~380nm)、中波(UV-B、280~315nm)、短波(UV-C、200~280nm)である。発光波長は実際の用途に応じて決められ、例えば表面の殺菌、表面の硬化などに使用する。紫外LEDチップの数は、出力などの要素に応じて決められる。また、用途に応じて、同じ紫外LEDパッケージ構造において異なる波長の紫外LEDチップを用いても良く、少なくとも一つの紫外LEDチップ及びその他の波長のチップを組み合わせても構わない。
【0048】
前記充填材料層40は、LEDチップ30を覆っており、充填材料層は、フッ素、又はケイ素-フッ素結合(Si-F)、又は炭素-フッ素結合(C-F)、又はケイ素-酸素結合(Si-O)、又は炭素-炭素結合(C-C)、又はメチル基又はフェニル基を含んでおり、好ましくは、フッ素を含んでいる。充填材料層は例えば、水や液体シリコーン等であり、充填材料層の屈折率は1.3~1.6の間であり、好ましくは、260~320nm波長域での透過率が80%以上である。
【0049】
前記レンズ60は、好ましくは、260~320nm間の透過率が80%以上であり、充填材料層40の上に位置する。レンズは、凹陥したキャビティを有し、LEDチップを放置する空間を設けている。レンズの外表面は、曲面部を有しており、且つ該曲面部は球面の一部であり、即ち、表面の何れの点からも球心61までの距離は同じであり、例えば半球面である。レンズの球心61は、前記チャンバー20の上表面に位置し、具体的には、前記レンズの下表面に位置し、充填材料層40の上表面にも位置する。
【0050】
図2に示されるように、前記基板とレンズの間には粘着層50があり、該層は3層構造であり、それぞれレンズ又は支持フレームとの接着性が良い第一材料層51と第二材料層52、及びキャビティ内の充填材料層の材料と同様の第三材料層53を有する。そして、それぞれレンズ又は支持フレームに接する第一材料層51と第二材料層52の付着力は、2MPa以上であることが好ましく、第三材料層53の厚さは、5μm超えないことが好ましい。第一材料層51と第二材料層52の材質は、シリコーンゴムを含んでいる材料であることが好ましく、且つその分子構造の末端には、例えば下塗り塗料のような極性基と非極性基が混在している。第三材料層53の材質は、充填材料層40と同様であることが好ましく、例えばフッ素含有のフッ素樹脂又は水や液体シリコーン等である。
【0051】
図3に示されるように、粘着層50は五層構造であってもよく、第一材料層51と第三材料層53の間にある第四材料層54、及び第二材料層52と第三材料層53の間にある第五材料層55を含む。第四材料層54は主に、第一材料層と第三材料層の粘着力を高める役割を果たす。第五材料層55は、主に第二材料層と第三材料層の粘着力を高める役割を果たす。第四材料層54と第五材料層55は、例えばNusil社のSP-120のように、その分子末端にカルボキシ基(-COOH)、水素原子(-H)、不飽和結合を含有するフッ素樹脂又は油脂類材料であっても良い。該材料は、第一材料層51と第二材料層52に用いられても良い。
【0052】
図4に示されるように、粘着層50内には非連続層が含まれても良く、例えば第三材料層53は非連続層である。
【0053】
本実施例による紫外LEDパッケージ構造は、凹陥したキャビティを有するレンズによって、且つレンズとLEDチップの間に充填材料層を設けているので、光取り出し効率が大幅に向上し、一般の構造に比べて30%以上向上する。レンズと支持フレームの間の粘着層に多層構造を用いており、更に粘着力と密封性を高め、パッケージ構造の信頼性が向上する。
【0054】
<実施例2>
図5に示されるように、実施例1と異なるのは、本実施例におけるレンズ60の凹陥したキャビティは、その下表面がほぼ半球面であり、光取り出し効率向上につながる。そして、本実施例のレンズの球心61は、前記チャンバー20の内部に位置し、具体的には、充填材料層50の内部に位置する。
【0055】
<実施例3>
図6に示されるように、実施例1と異なるのは、本実施例のレンズの球心61は、前記チャンバー20の下表面に位置し、具体的には、LEDチップ30の下表面に位置する点である。
【0056】
<実施例4>
図7に示されるように、実施例1と異なるのは、本実施例のレンズの球心61は、前記チャンバー20の下表面に位置し、具体的には、LEDチップ30の上表面に位置し、且つ充填材料層50の下表面に位置する点である。
【0057】
<実施例5>
図8に示されるように、実施例1と異なるのは、本実施例のレンズの球心61は、前記レンズ60の内部に位置する点である。
【0058】
実施例1~5からわかるように、レンズの球心61の位置は、支持フレーム10の上表面の中心位置において法線方向に移動可能である。球心61の位置は異なるが、紫外LEDパッケージ構造の発光角度は変わらず一定に保つことができるので、パッケージ構造の一致性を保つことができる。パッケージスペースが小さめである場合、球心が下側に位置するレンズを用いることができる。パッケージスペースが十分である場合、高い輝度を得るために、球心が上側に位置するレンズを用いることができる。なお、レンズの球心は、LEDチップの上表面又は下表面に位置する他、LEDチップの内部に位置してもよい。
【0059】
<実施例6>
図9に示されるように、実施例1と異なるのは、本実施例の支持フレームはボウルカップ構造11を含む点である。該ボウルカップ構造11と支持フレーム10はプレス等の工法で一体成型とすることができ、ボウルカップが囲んでいる空間はキャビティ20を構成し、LEDチップ30を放置したり、充填材料層40を含むのに用いる。ボウルカップ内表面には所定の傾斜角度があり、LEDが発した光を反射する機能を有し、LEDパッケージ構造の光取り出し率の向上を図る。
【0060】
<実施例7>
図10に示されるように、実施例6と異なるのは、本実施例のレンズ60には下平面層62が設けられ、且つ好ましくは、レンズ60の球心61が下平面層62に位置する点である。下平面層62を更に設けることで、パッケージ工程においてノズルが該層を吸着することに有利となり、レンズの取り外しが更に容易になり、工法が更に簡易になる。
【0061】
<実施例8>
図11に示されるように、実施例7と異なるのは、本実施例のレンズの球心61は、支持フレーム10の上表面に位置し、且つLEDチップの下表面に位置する点である。
【0062】
<実施例9>
図12に示されるように、実施例9と異なり、本実施例のボウルカップ構造11と支持フレーム10は個別に成型される。ボウルカップ構造の傾斜角度は、発光角度の需要に応じて調整を行え、そして、ボウルカップ構造の内表面に更に高反射塗布層等を設けることにより、パッケージ構造の発光効率をより一層高めることができる。
【0063】
上述の具体的な実施方式は本発明の部分的な好ましい実施例に過ぎず、以上の実施例は更にあらゆる組み合わせや変形を行える。本発明の範囲は以上の実施例に限定されるものではなく、本発明のあらゆる変更も本発明の保護の範囲内にあることを理解されたい。
【符号の説明】
【0064】
10 支持フレーム
11 ボウルカップ構造
20 チャンバー
30 LEDチップ
40 充填材料層
50 粘着層
51 第一材料層
52 第二材料層
53 第三材料層
54 第四材料層
55 第五材料層
60 レンズ
61 球心
62 下平面層