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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】位相追従参照信号送信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220829BHJP
   H04B 7/0413 20170101ALI20220829BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20220829BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04B7/0413 100
H04L27/26 420
H04W72/04 136
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2020526999
(86)(22)【出願日】2018-07-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 CN2018094478
(87)【国際公開番号】W WO2019095701
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-06-12
(31)【優先権主張番号】201711148028.X
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ルェン,ハイボ
(72)【発明者】
【氏名】チン,イ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シィ
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,Remaining details on PTRS design[online],3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1718449,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1718449.zip>,2017年10月03日
【文献】Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Discussion on PT-RS design for CP-OFDM[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1706 R1-1711308,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1711308.zip>,2017年06月16日
【文献】Huawei, HiSilicon,Further details of PTRS[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1709 R1-1715473,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1709/Docs/R1-1715473.zip>,2017年09月11日
【文献】Intel, Samsung, Huawei, HiSilicon, ZTE, Sanechips, IITH, CEWiT, IITM, Tejas Networks, Reliance Jio, Panasonic, InterDigital, Mitsubishi, National Inst,JOINT WF on PTRS[online],3GPP/RAN/WG1 #90b R1-1718998,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1718998.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 7/0413
H04W 72/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相追従参照信号(PTRS)送信方法であって、
端末デバイスによって、プリコーディングマトリクス情報を有するアップリンクグラント情報を取得することと、
前記端末デバイスによって、前記アップリンクグラント情報及び前もって設定された規則に基づいて、複数の利用可能なPTRSのうちの1つ以上である送信されるべきPTRSに関連したアンテナポートを決定することであり、前記送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートは、スケジューリングアンテナポートセットであるアンテナポートセットから選択され、前記前もって設定された規則は、前記プリコーディングマトリクス情報に対応するプリコーディングマトリクスの各列と、前記アンテナポートセットの中の各アンテナポートとが、一対一の対応にあり、前記プリコーディングマトリクスの同じ行の中の非ゼロ要素が位置している列に対応する前記アンテナポートセットの中のアンテナポートが、同じPTRSに対応することを有する、前記決定することと、
前記端末デバイスによって前記送信されるべきPTRSを送信することと
を有する方法。
【請求項2】
前記端末デバイスが、前記アップリンクグラント情報及び前記前もって設定された規則に基づいて、前記送信されるべきPTRS及び該送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートを決定する前に、前記端末デバイスは、全ての送信されるべきPTRSの数を決定する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プリコーディングマトリクスの同じ行の中の非ゼロ要素が位置している前記列は、同じグループに属し、該グループ及び前記送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記アップリンクグラント情報は、ランク情報を有し、該ランク情報におけるランクの値は、Rであり、
前記前もって設定された規則は、送信されるべきPTRSの数がmin(R,C)、min(S,C)、又はmin(Q,C)であることであり、
Cは、前記端末デバイスによってサポートされるPTRSの最大数、又は前記端末デバイスに対してネットワークデバイスによって設定されるPTRSの最大数であり、Sは、Rが与えられるときに前記端末デバイスによってサポートされるPTRSの最小数であり、Qは、Rが与えられるときに前記端末デバイスによってサポートされるPTRSの最大数であり、C、R、S及びQは、正の整数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSも、前記アンテナポートセットの中の1つ以上のアンテナポートに対応する、
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSも前記アンテナポートセットの中の1つ以上のアンテナポートに対応するという対応方法は、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される、
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
1つのPTSRが2つ以上のアンテナポートに対応する場合に、前記いずれかのPTRSを送信するよう構成される、該いずれかのPTRSに対応する前記アンテナポートセットの中のアンテナポートは、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される、
請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記アップリンクグラント情報は、X個のビットを有し、該X個のビットは、X個の送信されるべきPTRSに関連したアンテナポートの番号を示すために使用され、
前記Xビットの中のいずれのビットも、1つの送信されるべきPTRSのアンテナポートの番号を示すために使用され、前記1つの送信されるべきPTRSは、2つのアンテナポートに対応し、前記いずれのビットについても、0の値が前記2つのアンテナポートのうちの一方を示し、1の値が前記2つのアンテナポートのうちの他方を示す、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
X=2である、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記端末デバイスによって前記送信されるべきPTRSを送信することは、前記端末デバイスによって前記送信されるべきPTRSを、該送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートに置くことである、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記アンテナポートセットは、少なくとも4つのアンテナポートを有する、
請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
位相追従参照信号(PTRS)送信装置であって、
プリコーディングマトリクス情報を有するアップリンクグラント情報を取得するよう構成される取得モジュールと、
前記アップリンクグラント情報及び前もって設定された規則に基づいて、複数の利用可能なPTRSのうちの1つ以上である送信されるべきPTRSに関連したアンテナポートを決定するよう構成される決定モジュールであり、前記送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートは、スケジューリングアンテナポートセットであるアンテナポートセットから選択され、前記前もって設定された規則は、前記プリコーディングマトリクス情報に対応するプリコーディングマトリクスの各列と、前記アンテナポートセットの中の各アンテナポートとが、一対一の対応にあり、前記プリコーディングマトリクスの同じ行の中の非ゼロ要素が位置している列に対応する前記アンテナポートセットの中のアンテナポートが、同じPTRSに対応することを有する、前記決定モジュールと、
前記送信されるべきPTRSを送信するよう構成される送信モジュールと
を有する装置。
【請求項13】
前記アップリンクグラント情報及び前記前もって設定された規則に基づいて、前記送信されるべきPTRS及び該送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートを決定する前に、前記決定モジュールは、全ての送信されるべきPTRSの数を決定するよう更に構成される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プリコーディングマトリクスの同じ行の中の非ゼロ要素が位置している前記列は、同じグループに属し、該グループ及び前記送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記アップリンクグラント情報は、ランク情報を有し、該ランク情報におけるランクの値は、Rであり、
前記前もって設定された規則は、送信されるべきPTRSの数がmin(R,C)、min(S,C)、又はmin(Q,C)であることであり、
Cは、当該装置によってサポートされるPTRSの最大数、又は当該装置に対してネットワークデバイスによって設定されるPTRSの最大数であり、Sは、Rが与えられるときに当該装置によってサポートされるPTRSの最小数であり、Qは、Rが与えられるときに当該装置によってサポートされるPTRSの最大数であり、C、R、S及びQは、正の整数である、
請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記複数の利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSも、前記アンテナポートセットの中の1つ以上のアンテナポートに対応する、
請求項12乃至15のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSも前記アンテナポートセットの中の1つ以上のアンテナポートに対応するという対応方法は、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される、
請求項12乃至15のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
1つのPTSRが2つ以上のアンテナポートに対応する場合に、前記いずれかのPTRSを送信するよう構成される、該いずれかのPTRSに対応する前記アンテナポートセットの中のアンテナポートは、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される、
請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記アップリンクグラント情報は、X個のビットを有し、該X個のビットは、前記送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートの番号を示すために使用され、
前記Xビットの中のいずれのビットも、1つの送信されるべきPTRSのアンテナポートの番号を示すために使用され、前記1つの送信されるべきPTRSは、2つのアンテナポートに対応し、前記いずれのビットについても、0の値が前記2つのアンテナポートのうちの一方を示し、1の値が前記2つのアンテナポートのうちの他方を示す、
請求項12乃至18のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
X=2である、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記送信されるべきPTRSを送信することは、前記送信モジュールによって前記送信されるべきPTRSを、該送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートに置くことである、
請求項12乃至20のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記アンテナポートセットは、少なくとも4つのアンテナポートを有する、
請求項12乃至21のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
位相追従参照信号(PTRS)送信装置であって、
プロセッサを有し、該プロセッサは、
プリコーディングマトリクス情報を有するアップリンクグラント情報を取得し、
前記アップリンクグラント情報及び前もって設定された規則に基づいて、複数の利用可能なPTRSのうちの1つ以上である送信されるべきPTRSに関連したアンテナポートを決定する
よう構成され、
前記送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートは、スケジューリングアンテナポートセットであるアンテナポートセットから選択され、
前記前もって設定された規則は、前記プリコーディングマトリクス情報に対応するプリコーディングマトリクスの各列と、前記アンテナポートセットの中の各アンテナポートとが、一対一の対応にあり、前記プリコーディングマトリクスの同じ行の中の非ゼロ要素が位置している列に対応する前記アンテナポートセットの中のアンテナポートが、同じPTRSに対応することを有する、
装置。
【請求項24】
当該装置は、メモリを更に有し、該メモリは、前記プロセッサに実行されるプログラム命令を記憶するよう構成される、
請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記アップリンクグラント情報及び前記前もって設定された規則に基づいて、前記送信されるべきPTRS及び該送信されるべきPTRSに関連した前記アンテナポートを決定する前に、前記プロセッサは、全ての送信されるべきPTRSの数を決定するよう更に構成される、
請求項23又は24に記載の装置。
【請求項26】
前記プリコーディングマトリクスの同じ行の中の非ゼロ要素が位置している前記列は、同じグループに属し、該グループ及び前記送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある、
請求項23乃至25のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記アップリンクグラント情報は、ランク情報を有し、該ランク情報におけるランクの値は、Rであり、
前記前もって設定された規則は、送信されるべきPTRSの数がmin(R,C)、min(S,C)、又はmin(Q,C)であることであり、
Cは、当該装置によってサポートされるPTRSの最大数、又は当該装置に対してネットワークデバイスによって設定されるPTRSの最大数であり、Sは、Rが与えられるときに当該装置によってサポートされるPTRSの最小数であり、Qは、Rが与えられるときに当該装置によってサポートされるPTRSの最大数であり、C、R、S及びQは、正の整数である、
請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記複数の利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSも、前記アンテナポートセットの中の1つ以上のアンテナポートに対応する、
請求項23乃至27のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記複数の利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSも前記アンテナポートセットの中の1つ以上のアンテナポートに対応するという対応方法は、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される、
請求項23乃至28のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
1つのPTSRが2つ以上のアンテナポートに対応する場合に、前記いずれかのPTRSを送信するよう構成される、該いずれかのPTRSに対応する前記アンテナポートセットの中のアンテナポートは、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される、
請求項28又は29に記載の装置。
【請求項31】
前記アップリンクグラント情報は、X個のビットを有し、該X個のビットは、X個の送信されるべきPTRSに関連したアンテナポートの番号を示すために使用され、
前記Xビットの中のいずれのビットも、1つの送信されるべきPTRSのアンテナポートの番号を示すために使用され、前記1つの送信されるべきPTRSは、2つのアンテナポートに対応し、前記いずれのビットについても、0の値が前記2つのアンテナポートのうちの一方を示し、1の値が前記2つのアンテナポートのうちの他方を示す、
請求項23乃至30のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
X=2である、
請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記アンテナポートセットは、少なくとも4つのアンテナポートを有する、
請求項23乃至32のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
位相追従参照信号(PTRS)送信装置であって、
アップリンクグラント情報を取得するよう構成される入力インターフェイスと、
前記取得されたアップリンクグラント情報に基づいて請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載の方法を実行して、PTRSに関連したアンテナポートを決定するよう構成される論理回路と
前記PTRSを出力するよう構成される出力インターフェイスと
を有する装置。
【請求項35】
請求項23乃至34のうちいずれか一項に記載のPTRS送信装置と、トランシーバとを有し、
前記トランシーバは、前記送信されるべきPTRSを送信するよう構成される、
通信デバイス。
【請求項36】
前記送信されるべきPTRSを送信することは、前記トランシーバによって前記送信されるべきPTRSを、該送信されるべきPTRSに関連したアンテナポートに置くことである、
請求項35に記載の通信デバイス。
【請求項37】
コンピュータプログラムを有し、
前記コンピュータプログラムは、請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載のPTRS送信方法を実施するために使用される、
読み出し可能な記憶媒体。
【請求項38】
PTRSに関連したアンテナポートを決定するよう請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成される通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信技術の分野に、特に、位相追従参照信号(phase tracking reference signal,PTRS)送信方法及び装置に関係がある。
【背景技術】
【0002】
既存の無線通信ネットワーク(例えば、2G、3G、又は4Gネットワーク、ここで、Gはgenerationの略である)において、通信システムの動作周波数帯域は全て、6GHzを下回る周波数範囲の中にある。この周波数範囲内の利用可能な動作周波数帯域は逼迫しており、高まる通信要件は満足され得ない。他方で、6GHzを上回る周波数範囲で十分に利用されない多くの周波数帯域が存在する。従って、動作周波数帯域が6GHzを上回る将来の(例えば、5G)無線通信ネットワークが、超高速データ通信サービスを提供するために、業界で研究及び開発中である。6GHzを上回る周波数範囲で、28GHz、39GHz、60GHz、73GHz、などでの周波数帯域は、次世代の無線通信ネットワークのために利用可能である。次世代の無線通信ネットワークの動作周波数帯域は6GHzを上回るので、次世代無線通信ネットワークは、高い帯域幅及び高集積のアンテナアレイといった高周波通信システムの重要な特徴を備え、比較的に高いスループットは、達成するのが容易である。しかし、既存の無線通信ネットワークと比較して、6GHzを上回る範囲で動作する次世代の無線通信ネットワークは、中間無線周波数ひずみ、特に、位相ノイズ(phase noise,PHN)によって引き起こされる影響、がより厳しい。その上、ドップラー効果及び中央周波数オフセット(central frequency offset,CFO)は、周波数帯域が増大するにつれて、高周波通信システムの性能に対してより大きい影響を有する。位相ノイズ、ドップラー効果、及びCFOは、1つの共通点があり、すなわち、位相誤差が高周波通信システムにおけるデータ受信に導入され、従って、高周波通信システムは、性能が低下し、更には動作することができない可能性がある。
【0003】
一例として位相ノイズを使用すると、周波数帯域の増大に伴って、位相ノイズレベルは20×log(f1/f2)ずつ増大する。一例として2G周波数帯域及び28G周波数帯域を使用すると、28G周波数帯域の位相ノイズレベルは、2G周波数帯域のそれよりも23dB高い。より高い位相ノイズレベルは、より大きい位相誤差を引き起こし、それから、信号に対してより大きい影響を有する。
【0004】
参照信号は、既知のパイロット信号が送信端によって加えられる送信されるべき信号であり、受信端は、既知のパイロット信号に関する情報に基づいて特定の機能を実行する。位相ノイズ推定のための最も一般的な方法は、挿入された位相追従参照信号(Phase Tracking Reference Signal,PRTS)を使用することによって位相誤差を推定することである。
【0005】
位相ノイズの物理的な特徴のために、PTRS設計は、通常、次の特徴を備える。
【0006】
位相ノイズは時間においてランダムに変化し、コヒーレンス時間は比較的に短い。位相ノイズ参照信号の設計において、コヒーレンス時間は、同じ位相ノイズを有している連続的な直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplex,OFDM)シンボルの数と理解され得る。従って、位相ノイズ推定のための参照信号は、通常、比較的に高い時間領域密度を有する必要がある。その上、異なる伝送条件下ではPTRSの時間領域密度について要件が異なる。
【0007】
位相ノイズは、局所発振器(略して局所発振器)の非理想性に起因して発生する。同じ局所発振器を有している異なるアンテナポートは、同じ位相ノイズを有する。同じ局所発振器へ物理的に接続されている復調参照信号(demodulation reference signal,DMRS)アンテナポートは、同じ位相ノイズを有する。1つのアンテナポートは、1つのDRMSポートに対応する。従って、ただ1つのPTRSアンテナポートが、PTRSを運ぶために、同じ局所発振器を有している複数のDMRSアンテナポートのために構成される必要がある。DMRSアンテナポートのこのグループでの位相ノイズは、PTRSアンテナポートで送信されるPTRSを使用することによって推定可能である。
【0008】
通信技術の発展とともに、複数の局所発振器が、アンテナポートセットを形成するために使用されてよい。これは、異なるPTRSが使用される必要があることを意味する。如何にして適切なPTRSを選択すべきかは、新しいタスクになる。
【発明の概要】
【0009】
本願は、位相追従参照信号(phase tracking reference signal,PTRS)送信方法及び装置を提供する。
【0010】
第1の態様に従って、本願は、
端末デバイスによってアップリンクグラント情報を取得することと、
端末デバイスによって、アップリンクグラント情報及び前もって設定された規則に基づいて、送信されるべきPTRS及び該送信されるべきPTRSを運ぶアンテナポートを決定し、アンテナポートは、アンテナポートセットから選択され、送信されるべきPTRSは、全ての利用可能なPTRSの中の1つ以上である、ことと、
端末デバイスによって、送信されるべきPTRSをアンテナポートに置き、該送信されるべきPTRSを送信することと
を有する位相追従参照信号PTRS送信方法を提供する。
【0011】
この態様における方法に従って、送信されるべきPTRSの数及びPTRSを運ぶアンテナポートは、前もって設定された規則と、アップリンクグラント情報内の、プリコーディング及び/又はランクのような制御情報とにのみ基づいて、暗黙的に取得され、明示的な指示シグナリングは不要である。これは、制御シグナリングオーバヘッドを有効に減らし、インターフェイス伝送効率を改善する。
【0012】
可能な設計において、端末デバイスが、アップリンクグラント情報及び前もって設定された規則に基づいて、送信されるべきPTRS及び該送信されるべきPTRSを運ぶアンテナポートを決定する前に、端末デバイスは、送信されるべきPTRSの数を決定する。
【0013】
可能な設計において、アンテナポートセットは、スケジューリングアンテナポートセットである。
【0014】
可能な設計において、アップリンクグラント情報は、プリコーディング符号語情報を含み、
前もって設定された規則は、次を含む:プリコーディング符号語情報に対応するプリコーディング符号語の各列と、アンテナポートセットの中の各アンテナポートとは、一対一の対応にあり、プリコーディング符号語の同じ行の中の非ゼロ要素が位置している列に対応するアンテナポートセットの中のアンテナポートは、同じ送信されるべきPTRSに対応する。
【0015】
可能な設計において、プリコーディング符号語の同じ行の中の非ゼロ要素が位置している列は、同じグループに属し、該グループ及び送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある。
【0016】
可能な設計において、アップリンクグラント情報は、プリコーディング符号語情報を含み、
前もって設定された規則は、次を含む:プリコーディング符号語情報に対応するプリコーディング符号語の各行と、アンテナポートセットの中の各アンテナポートとは、一対一の対応にあり、プリコーディング符号語の同じ行に1よりも多い非ゼロ要素がある場合には、1よりも多い非ゼロ要素の列の中の全ての非ゼロ要素が位置している行に対応する送信アンテナポートは、同じPTRSに対応する。
【0017】
可能な設計において、プリコーディング符号語の同じ列の中の非ゼロ要素が位置している行は、同じグループに属し、該グループ及び送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある。
【0018】
可能な設計において、プリコーディング符号語は、コードブックサブセット制限CBSRの中の1つの符号語である。
【0019】
可能な設計において、アップリンクグラント情報は、ランク情報を含み、ランクの値は、Rであり、
前もって設定された規則は、送信されるべきPTRSの数がmin(R,C)、min(S,C)、又はmin(Q,C)であることであり、
Cは、端末デバイスによってサポートされるPTRSの最大数、又は端末デバイスに対してネットワークデバイスによって設定されるPTRSの最大数であり、Sは、Rが与えられるときに端末デバイスによってサポートされるPTRSの最小数であり、Qは、Rが与えられるときに端末デバイスによってサポートされるPTRSの最大数であり、C、R、S及びQは、正の整数である。
【0020】
可能な設計において、全ての利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSも、アンテナポートセットの中の2つ以上のアンテナポートに対応し、いずれか2つの異なったPTRSに対応するアンテナポートは、完全に異なる。
【0021】
可能な設計において、全ての利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSもアンテナポートセットの中の2つ以上のアンテナポートに対応するという対応方法は、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される。
【0022】
可能な設計において、いずれかのPTRSを送信するよう構成される、いずれかのPTRSに対応するアンテナポートセットの中のアンテナポートは、上位レイヤシグナリング又は前記ダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される。
【0023】
可能な設計において、前もって設定された規則は、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される。
【0024】
可能な設計において、端末デバイスがアップリンクグラント情報を取得する前に、端末デバイスは、ネットワークデバイスに対して、全ての利用可能なPTRSとアンテナポートセットの中のアンテナポートとの間の対応を送る。
【0025】
可能な設計において、アップリンクグラント情報は、X個のビットを有し、X個のビットは、送信されるべきPTRSを運ぶアンテナポートの番号又はPTRSに関連したDMRSポートの番号を示すために使用される。指示方法は、送信されるべきPTRSの量が異なる場合に異なる。
【0026】
可能な設計において、PTRS送信方法は、ハードウェアを使用することによって実施され、例えば、回路又は1つ以上の集積回路を使用することによって実施されてよい。代替的に、PTRS送信方法は、ソフトウェアを使用することによって実施されてもよい。例えば、1つ以上のプロセッサは、メモリに記憶されている命令を読み出すことによってPTRS送信方法を実行する。1つ以上のプロセッサは、1つのチップに集積されてよく、あるいは、複数のチップに分配されてよい。代替的に、PTRS送信方法は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用することによって実施されてもよい。例えば、プロセッサは、メモリに記憶されている命令を読み出すことによって、「送信されるべきPTRSを決定する」ステップを実行し、一方、「送信されるべきPTRSを送信する」ステップは、論理回路又はアクセラレータを使用することによって実行される。確かに、具体的な実施中に、当業者は、上記の方法の組み合わせを使用してもよい。
【0027】
第2の態様に従って、本願は、
アップリンクグラント情報を取得するよう構成される取得モジュールと、
アップリンクグラント情報及び前もって設定された規則に基づいて、送信されるべきPTRS及び該送信されるべきPTRSを運ぶアンテナポートを決定するよう構成され、アンテナポートは、アンテナポートセットから選択され、送信されるべきPTRSは、全ての利用可能なPTRSの中の1つ以上である、決定モジュールと、
送信されるべきPTRSをアンテナポートに起き、該送信されるべきPTRSを送信するよう構成される送信モジュールと
を有するPTRS送信装置を提供する。
【0028】
可能な設計において、アップリンクグラント情報及び前もって設定された規則に基づいて、送信されるべきPTRS及び該送信されるべきPTRSを運ぶアンテナポートを決定する前に、決定モジュールは、送信されるべきPTRSの数を決定するよう更に構成される。
【0029】
可能な設計において、アンテナポートセットは、スケジューリングアンテナポートセットである。
【0030】
可能な設計において、アップリンクグラント情報は、プリコーディング符号語情報を含み、
前もって設定された規則は、次を含む:プリコーディング符号語情報に対応するプリコーディング符号語の各列と、アンテナポートセットの中の各アンテナポートとは、一対一の対応にあり、プリコーディング符号語の同じ行の中の非ゼロ要素が位置している列に対応するアンテナポートセットの中のアンテナポートは、同じ送信されるべきPTRSに対応する。
【0031】
可能な設計において、プリコーディング符号語の同じ行の中の非ゼロ要素が位置している列は、同じグループに属し、該グループ及び送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある。
【0032】
可能な設計において、アップリンクグラント情報は、プリコーディング符号語情報を含み、
前もって設定された規則は、次を含む:プリコーディング符号語情報に対応するプリコーディング符号語の各行と、アンテナポートセットの中の各アンテナポートとは、一対一の対応にあり、プリコーディング符号語の同じ行に1よりも多い非ゼロ要素がある場合には、1よりも多い非ゼロ要素の列の中の全ての非ゼロ要素が位置している行に対応する送信アンテナポートは、同じPTRSに対応する。
【0033】
可能な設計において、プリコーディング符号語の同じ列の中の非ゼロ要素が位置している行は、同じグループに属し、該グループ及び送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある。
【0034】
可能な設計において、プリコーディング符号語は、コードブックサブセット制限CBSRの中の1つの符号語である。
【0035】
可能な設計において、アップリンクグラント情報は、ランク情報を有し、ランクの値は、Rであり、
前もって設定された規則は、送信されるべきPTRSの数がmin(R,C)、min(S,C)、又はmin(Q,C)であることであり、
Cは、装置によってサポートされるPTRSの最大数、又は装置に対してネットワークデバイスによって設定されるPTRSの最大数であり、Sは、Rが与えられるときに装置によってサポートされるPTRSの最小数であり、Qは、Rが与えられるときに装置によってサポートされるPTRSの最大数であり、C、R、S及びQは、正の整数である。
【0036】
可能な設計において、全ての利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSも、アンテナポートセットの中の2つ以上のアンテナポートに対応し、いずれか2つの異なるPTRSに対応するアンテナポートは、完全に異なる。
【0037】
可能な設計において、全ての利用可能なPTRSの中のいずれのPTRSもアンテナポートセットの中の2つ以上のアンテナポートに対応するという対応方法は、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される。
【0038】
可能な設計において、いずれかのPTRSを送信するよう構成される、いずれかのPTRSに対応するアンテナポートセットの中のアンテナポートは、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される。
【0039】
可能な設計において、前もって設定された規則は、上位レイヤシグナリング又はダウンリンク制御シグナリングを使用することによって通知されるか、あるいは、前もって設定される。
【0040】
取得モジュールがアップリンクグラント情報を取得する前に、送信モジュールは、ネットワークデバイスに対して、全ての利用可能なPTRSとアンテナポートセットの中のアンテナポートとの間の対応を送るよう更に構成される。
【0041】
可能な設計において、アップリンクグラント情報は、X個のビットを有し、X個のビットは、送信されるべきPTRSを運ぶアンテナポートの番号を示すために使用される。指示の方法は、送信されるべきPTRSの数が異なる場合に異なる。
【0042】
可能な設計において、装置は、端末デバイスである。
【0043】
第2の態様及び第2の態様の可能な設計で提供されるPTRS送信装置の有利な効果については、第1の態様及び第1の態様の可能な実施における有利な効果を参照されたい。詳細は、ここで再び記載されない。
【0044】
第3の態様に従って、本願は、
プロセッサを有し、該プロセッサは、メモリ内のプログラム命令を呼び出して、第1の態様及び第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つにおけるPTRS送信方法を実行するよう構成される、
PTRS送信装置を提供する。
【0045】
可能な設計において、装置は、メモリを更に含み、メモリは、プログラム命令を記憶するよう構成される。
【0046】
メモリは、プロセッサの中に又はプロセッサに外に位置してよい。プロセッサは、端末デバイス又は基地局に組み込まれてよい。
【0047】
プロセッサは、回路、1つ以上の集積回路、又は1つ以上の専用チップであってよく、あるいは、プロセッサは、汎用のチップであってよい。上記のPTRS送信機能は、PTRS送信方法を実施するために使用されるプログラム命令をプロセッサにロードすることによって、実装され得る。代替的に、プロセッサは、回路、集積回路、専用チップ、及び汎用チップの1つ又は組み合わせであってよい。
【0048】
可能な設計において、装置は、端末デバイスである。
【0049】
第4の態様に従って、本願は、
アップリンクグラント情報を取得するよう構成される入力インターフェイスと、
取得されたアップリンクグラント情報に基づいて第1の態様及び第1の態様の可能な設計における方法を実行して、送信されるべきPTRSを取得するよう構成される論理回路と
PTRSを出力するよう構成される出力インターフェイスと
を有するPTRS送信装置を提供する。
【0050】
可能な設計において、本願は、端末デバイスである。
【0051】
第5の態様に従って、本願は、第3の態様及び第3の態様の可能な設計で又は第4の態様及び第4の態様の可能な設計で提供されるPTRS送信装置と、トランシーバとを含む通信デバイスを提供する。
【0052】
トランシーバは、PTRSを送信するよう構成される。
【0053】
第6の態様に従って、本願は、コンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムが、第1の態様及び第1の態様の可能な設計で提供されるPTRS送信方法を実施するために使用される、読み出し可能な記憶媒体を提供する。
【0054】
第7の態様に従って、本願は、プログラム製品を提供し、プログラム製品はコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、読み出し可能な記憶媒体に記憶され、PTRS送信装置の少なくとも1つのプロセッサは、読み出し可能な記憶媒体からコンピュータプログラムを読み出してよく、少なくとも1つのプロセッサは、PTRS送信装置が第1の態様及び第1の態様の可能な設計におけるPTRS送信方法を実施するように、コンピュータプログラムを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1(a)】本願の実施形態で適用される通信システムの略アーキテクチャ図である。
図1(b)】本願の実施形態で適用される通信システムの略アーキテクチャ図である。
図2】PTRSアンテナポートとDMRSアンテナポートとの間の関連性の概略図である。
図3】本願に従うPTRS送信方法の実施形態のフローチャートである。
図4】本願に従うスケジューリングアンテナポート及び送信アンテナポートの概略図である。
図5】本願に従うPTRS受信方法の略フローチャートである。
図6】本願の実施形態に従うPTRS送信装置の略構造図1である。
図7】本願の実施形態に従うPTRS送信装置の略構造図2である。
図8】本願の実施形態に従うPTRS送信装置の略構造図3である。
図9】本願の実施形態に従うPTRS受信装置の略構造図1である。
図10】本願の実施形態に従うPTRS受信装置の略構造図2である。
図11】本願の実施形態に従うPTRS受信装置の略構造図3である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本願の実施形態は、無線通信システムに適用されてよい。本願の実施形態で言及されている無線通信システムは、制限なしに、ロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution,LTE)システム及び次世代の5G移動体通信システムの3つの主な適用シナリオ、すなわち、エンハンスド・モバイル・ブロードバンド(Enhanced Mobile Broad Band,eMBB)、超高信頼低遅延通信(Ultra-Reliable and Low Latency Communications,URLLC)、及び大容量マシンタイプ通信(Massive Machine-Type Communications,mMTC)を含む。代替的に、無線通信システムは、デバイス間(Device to Device,D2D)通信システム、他の通信システム、将来の通信システム、又はそのようなものであってもよい。
【0057】
本願における通信装置は、通信デバイスにおいて構成されてよく、通信デバイスは、主に、ネットワークデバイス又は端末デバイスを含む。本願における送信端がネットワークデバイスである場合に、受信端は端末デバイスであり、あるいは、本願における送信端が端末デバイスである場合に、受信端はネットワークデバイスである。
【0058】
本願の実施形態で、図1(a)に示されるように、通信システム100は、ネットワークデバイス110及び端末デバイス112を含む。無線通信ネットワーク100がコアネットワークを含む場合に、ネットワークデバイス110は更に、コアネットワークへ接続されてよい。ネットワークデバイス110は更に、インターネット(Internet)、プライベートIPネットワーク、又は他のデータネットワークのようなIPネットワーク200と通信してよい。ネットワークデバイスは、ネットワークデバイスのカバレッジエリア内にある端末デバイスにサービスを提供する。例えば、図1(a)を参照すると、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110のカバレッジエリア内の1つ以上の端末デバイスに無線アクセスを提供する。その上、ネットワークデバイス110及びネットワークデバイス120のようなネットワークデバイスのカバレッジエリアの間には重複エリアが存在することがある。ネットワークデバイスは更に、互いと通信してよい。例えば、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス120と通信してもよい。
【0059】
情報又はデータを送信するときに、ネットワークデバイス110及び端末デバイス112は両方とも、本願の実施形態で記載されるPTRS送信方法を使用することができる。説明しやすくするために、本願のこの実施形態では、通信システム100は、図1(b)では送信端102及び受信端101を含むシステムとして簡略化されている。送信端102は端末デバイス112であり、受信端101はネットワークデバイス110であってよく、送信端102はネットワークデバイス110であり、受信端101は端末デバイス112である。ネットワークデバイス110は、端末デバイスと通信するよう構成されたデバイスであってよい。例えば、ネットワークデバイス110は、LTEシステムにおけるエボルブド・ノードB(Evolved NodeB,eNB又はeNodeB)、5Gネットワークにおけるネットワーク側デバイス(gNodeB,gNB)、端末デバイスと通信する他のネットワーク内のネットワーク側デバイス、又は将来のネットワークにおけるネットワーク側デバイスであってよい。代替的に、ネットワークデバイスは中継局、アクセスポイント、車載デバイス、又はそのようなものであってよい。デバイス間(Device to Device,D2D)通信システムでは、ネットワークデバイスは、基地局の役割を担う端末デバイスであってもよい。端末デバイスは、無線モデムへ接続された様々な手持ち式デバイス、車載デバイス、装着型デバイス、コンピューティングデバイス、若しくは他の処理デバイス、様々な形をとるユーザ機器(user equipment,UE)及び移動局、などを含んでよく、ここで、上記のデバイスは無線通信機能を備える。
【0060】
通常、ネットワークデバイスによって送信されるダウンリンク制御情報(downlink control information,DCI)において、ネットワークデバイスは、端末デバイスがデータ及び制御情報をネットワークデバイスへ送信するアップリンク伝送で使用される時間周波数リソース、アンテナポート、プリコーディングスキーム、などを明示的に示す。
【0061】
従来のシステムでは、端末デバイスはただ1つの局所発振器しか使用せず、アンテナが比較的に少数であるから、全てのDMRSアンテナポートはコヒーレントポートであり、ただ1つのPTRSしか必要とされない。従って、PTRSは、DCIにおいて区別される必要がなく、専用のフィールドはPTRSを許可するために必要とされない。
【0062】
しかし、通信技術の発展とともに、同じネットワークデバイス又は端末デバイスが使用するアンテナの数は増大する可能性がある。たとえ1つの局所発振器が使用されるとしても、局所発振器へ接続された全てのアンテナポートが必ずコヒーレントであることは、確かにされ得ない。代替的に、同じ端末デバイスは、複数(「複数」はここでは「2つ以上」を意味し、以下同じである)の局所発振器を使用する。全てのそのような場合に、1よりも多いPTRSが必要とされ、各PTRSはDMRSアンテナポートの1グループに対応し、いずれか2つの異なるPTRSポートに対応するDRMSアンテナポートは完全に異なる。
【0063】
PTRSアンテナポートとDRMSアンテナポートのグループ内の特定のDMRSアンテナポートとの間には、関連関係が更に確立される必要がある。関連関係にあるPTRSアンテナポート及びDMRSアンテナポートは同じ位相ノイズを有し、PTRSアンテナポート及びDMRSアンテナポートは伝送プロセスにおいて同じチャネルを経験すると更に考えられ得る。位相ノイズを推定するとき、受信端は、関連関係を使用することによって、位相ノイズ推定を支援するために使用される必要があるDRMSアンテナポートの推定されるチャネルを決定し得る。
【0064】
図2に示されるように、DMRSアンテナポート1及び2は、同じ(又は非常に近い、一般性を失うことなく、「同じ」と記載される)位相ノイズを有するアンテナポートのグループであり、DMRSアンテナポート3、4、及び5は、同じ位相ノイズを有するアンテナポートのグループである。DMRSアンテナポートのこれら2つのグループは、PTRSポート6及び7に夫々対応する。具体的に言えば、それは、PTRSポート6及びDMRSアンテナポートグループ{1,2}が同じ位相ノイズを有し、PTRSポート7及びDMRSアンテナポートグループ{3,4,5}が同じ位相ノイズを有することを意味する。DMRSアンテナポートグループ{1,2}において、PTRSポート6及びグループ内のDMRSアンテナポート1は関連関係を有し、同じチャネルを有する(又は同じプリコーディングを有する)。DMRSアンテナポートグループ{3,4,5}において、PTRSポート7及びDMRSアンテナポート3は関連関係を有し、同じチャネルを経験する。アンテナポート1及び2は、1つのコヒーレントアンテナポートセットに属し、アンテナポート3、4、及び5は、もう1つのコヒーレントアンテナポートセットに属すると考えられ得る。ここで、アンテナポートグループ番号及びPTRSポートは、一対一の対応にある。PTRSグループ1はPTRS#6に対応し、PTRSグループ2はPTRS#7に対応する。明瞭さに影響を及びさないことを前提として、PTRS#6は、PTRS#1により置き換えられてもよく、PTRS#7は、PTRS#2により置き換えられてもよい。
【0065】
コヒーレントアンテナポートセットは、コヒーレント伝送を実行することができるアンテナポートを含む組である。同じアンテナポートセットに属する全てのアンテナポートは、コヒーレント伝送を実行し得る。コヒーレント伝送は、如何なるジョイントプリコーディングも、サウンディング参照信号(Sounding reference signal,SRS)、物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel,PUSCH)、又は物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel,PUCCH)を送信するために、アンテナポート間で実行され得ることを意味する。如何なるジョイントプリコーディングとは、プリコーディングベクトル又はマトリクスにおいて、コヒーレント伝送のためのアンテナポートのグループに対応するプリコーディング係数が如何なる要素であってもよいことを意味する。
【0066】
コヒーレントアンテナポートセットは、コンフィグレーション情報を使用することによってネットワークによって設定されるSRSリソース又はリソースセット内の対応するコヒーレントアンテナポートセットであるか、あるいは、上位レイヤシグナリングを使用することによって端末デバイスによってネットワークデバイスへ報告されるコヒーレントアンテナポートセットであってよく、あるいは、上位レイヤシグナリングを使用することによって端末に対してネットワークデバイスによって設定されるコヒーレントアンテナポートセットであってよい。任意に、上位レイヤシグナリングの1タイプは、コードブックサブセット制限(codebook subset restriction,CBSR)シグナリングであってよい。コヒーレントアンテナポートセットは、CBSRにおいて示されるプリコーディング符号語情報を使用することによって決定される。上位レイヤシグナリングは、ラジオ・リソース・コントロール(Radio Resource Control,RRC)メッセージ、メディア・アクセス・コントロール制御要素(Media Access Control Control Element,MAC CE)メッセージ、それらの組み合わせ、又は他の制御シグナリングであってよい。これは、本願において制限されない。
【0067】
任意に、ネットワークデバイスによって端末デバイスへ送られるSRSリソースコンフィグレーション情報は、SRSポートコヒーレンス情報を含んでよい。ポートコヒーレンス情報は、複数の方法を使用することによって設定されてよい。1つの設定方法は、1つのSRSリソース内の複数のアンテナポート間のコヒーレンスに関する情報を示すことである。他の設定方法では、複数のSRSリソースが設定され、各SRSリソースは、1つ以上のアンテナポートを含み、複数のSRSリソースは、分割又はグループ化され、SRSリソースの同じグループ内のSRSアンテナポートがコヒーレント伝送アンテナポートである。確かに、他の設定方法が存在してもよい。これは、本願において制限されない。
【0068】
特に、通信デバイスの全てのアンテナポートがコヒーレントである場合には、通信デバイスは、完全にコヒーレントと見なされてよく、ただ1つのPTRSが存在する。通信デバイスの全てのアンテナポート対が相互にインコヒーレントである場合には、通信デバイスは、インコヒーレントと見なされてよく、PTRSの数はDMRSアンテナポートの数に等しい。通信デバイスのアンテナポート対の一部がコヒーレントである場合には、通信デバイスは、部分的にコヒーレントと見なされてよい。図2は、部分コヒーレンスの例を示す。
【0069】
その場合に、ネットワークデバイスが複数のPTRSをサポートするとき、ダウンリンク伝送では、ネットワークデバイスは、1つ以上のPTRSがダウンリンクで使用されるかどうか、どのPTRSが使用されるか、及びどのDMRSアンテナポートが各PTRSポートと関連するかをどのように端末デバイスに通知するのか?ネットワークデバイスは、ブロードキャストチャネル上で又は端末デバイスのアクセスプロセスで、ネットワークデバイスによってサポートされるPTRSに関する情報を端末デバイスに通知してよい。情報は、制限なしに、サポートされるPTRSの数、各PTRSに対応するDMRSアンテナポートグループ、及び各PTRSポートに関連したDMRSアンテナポートの番号を含む。
【0070】
端末デバイスが複数のPTRSをサポートするとき、アップリンク伝送では、ネットワークデバイスは、1つ以上のPTRSがアップリンク伝送で使用されるかどうか、どのPTRSが使用されるか、及びどのDMRSアンテナポートが各PTRSポートと関連するかをどのように端末デバイスに通知するのか?確かに、端末デバイスは、ネットワークデバイスにアクセスするときにPTRSサポート能力を基地局に通知してよい。PTRSサポート能力は、制限なしに、サポートされるPTRSの数、各PTRSに対応するDMRSアンテナポートグループ、及び各PTRSポートに関連したDMRSアンテナポートの番号を含む。
【0071】
上記2つの問題を解決するために、簡単な解決法が使用されてよい:フィールドが、ダウンリンクで使用されるPTRSの数及び/又はPTRSポート番号、又はアップリンク伝送で端末デバイスによって使用されるPTRSの数及び/又はPTRSポート番号を特に示すために、既存のDCIに加えられるか、あるいは、準静的な許諾が、上位レイヤシグナリングを使用することによって実行される。しかし、この方法は、オーバヘッドの増大を必然的に引き起こす。例えば、デバイスが2つのPTRSをサポートするとき、2つのビットが必要とされる。このようにして、PTRSに関連した情報が非常に明瞭に転送され得るが、オーバヘッドは間違いなく大きい。
【0072】
従って、オーバヘッドを有効に制御するために、暗黙的な方法が指示のために使用されてよい。この指示方法では、アップリンク伝送に含まれるプリコーディング情報及びランク(rank)情報などの情報が十分に利用される。このようにして、端末は、前もって設定された規則と、アップリンクグラント情報内のプリコーディング及び/又はランクなどの制御情報とにのみ基づいて、送信されるべきPTRSの数と、PTRSを運ぶアンテナポートとを暗黙的に取得し、明示的な指示シグナリングは必要とされない。これは、制御シグナリングオーバヘッドを有効に減らし、エアインターフェイス伝送効率を改善する。詳細な説明は、以下で与えられる。
【0073】
一例として端末デバイスのアップリンク伝送を使用すると、図3は、本願に従うPTRS送信方法の実施形態のフローチャートである。図3に示されるように、この実施形態は、端末デバイス(PTRS送信端)によって実行される。この実施形態における方法は、次のステップを含んでよい。
【0074】
S101.アップリンクグラント(uplink grant)情報を取得する。
【0075】
端末デバイスは、ネットワークデバイスによって送信されたアップリンクグラント情報を取得する。アップリンクグラント情報は、ネットワークデバイスによって通常は配信され、DCIに含まれてよく、あるいは、アップリンクグラント情報を運ぶことができる他のタイプの制御メッセージに含まれてもよい。
【0076】
ネットワークデバイスは、端末デバイスによってサポートされるPTRS、チャネル情報、及びシステム負荷などの因子に基づいて、端末デバイスに対応するアップリンクグラント情報を決定する。
【0077】
S102.送信されるべきPTRSの数を決定する。
【0078】
アップリンク送信されるべきPTRSの数は、アップリンクグラント情報内のプリコーディング符号語情報及び/又はランク情報に対応する伝送プリコーディングにおけるコヒーレントアンテナポートセットの数に基づいて決定される。
【0079】
例において、ここでのプリコーディング符号語情報は、LTEにおける伝送プリコーディングマトリクスインジケータ(transmission precoding matrix indicator,TPMI)、又は5G若しくは将来の通信技術においてプリコーディング符号語を示すために使用される情報であってよい。これは、ここで制限されない。
【0080】
例において、ここでのランク情報は、LTEにおける伝送ランクインジケータ(transmission rank indicator,TRI)、又は5G若しくは将来の通信技術においてランクを示すために使用される情報であってよい。これは、ここで制限されない。
【0081】
S103.アップリンクグラント情報及び前もって設定された規則に基づいて、送信されるべきPTRS及び送信されるべきPTRSを送信するアンテナポートを決定し、このとき、アンテナポートは、アンテナポートセットから選択され、送信されるべきPTRSは、全ての利用可能なPTRSの中の1つ以上である。
【0082】
任意に、ステップS102及びステップS103は、組み合わされてもよい。すなわち、送信されるべきPTRSを送信するアンテナポートが決定されるとき、アンテナポートの数は、送信されるべきPTRSの数である。従って、本願の記載では、S102及びS103は、明瞭に区別されない。
【0083】
例えば、PTRSポートとコヒーレントアンテナポートセットの中のアンテナポートとの間の対応、及びアップリンクグラント情報においてTPMIに対応する伝送プリコーディングマトリクスのコヒーレント伝送を実行可能なアンテナポートに関する情報に基づいて、端末デバイスは、PTRSポートがアップリンクDMRSポート(セット)の中の少なくとも1つのポートに対応することを決定する。コヒーレントアンテナポートセットは、コヒーレント伝送を実行することができるアンテナポートを含むセットである。同じアンテナポートセットに属する全てのアンテナポートは、コヒーレント伝送を実行し得る。コヒーレント伝送は、任意のジョイントプリコーディングが、サウンディング参照信号(Sounding reference signal,SRS)、物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel,PUSCH)、又は物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel,PUCCH)を送信するために、アンテナポート間で実行され得ることを意味する。任意のジョイントプリコーディングは、プリコーディングベクトル又はマトリクスにおいて、コヒーレント伝送のためのアンテナポートのグループに対応するプリコーディング係数がいかなる要素であってもよいことを意味する。コヒーレントアンテナポートセットは、端末デバイスのために設定されたSRSにおける対応するコヒーレントアンテナポートセットであるか、あるいは、上位レイヤシグナリングを使用することによって端末デバイスによってネットワークデバイスへ報告されるコヒーレントアンテナポートセットであってもよい。
【0084】
アップリンクグラント情報がプリコーディング符号語情報を含むとき、コヒーレント伝送を実行可能なアンテナポートに関する情報は、プリコーディング符号語情報に対応するプリコーディング符号語に基づいて決定されてよく、そして、コヒーレントアンテナポートの中のアンテナポートの対応に基づいて、PTRSポートが少なくとも1つのアップリンクDMRSポートに対応することが決定されてよい。プリコーディング符号語情報は、伝送プリコーディング符号語インデックス、ランクと連帯的に符号化されたプリコーディング符号語若しくはランクと連帯的に符号化されたプリコーディング符号語のインデックス、又は何らかの他の形態でのプリコーディング情報であってよい。
【0085】
図4に示されるように、アンテナポートが言及されるとき、実際には2つの異なった意味が存在し得る。一方は、スケジューリングアンテナポートとも呼ばれ得る、プリコーディング前のアンテナポートである。この場合に、DMRSアンテナポートの数はMであり、すなわち、アンテナポートセットはM個のスケジューリングアンテナポートを含む。他方は、送信アンテナポートとも呼ばれ得る、プリコーディング後のアンテナポートである。この場合に、DMRSアンテナポートの数はNであり、すなわち、アンテナポートセットはN個の送信アンテナポートを含む。しかし、スケジューリングアンテナポート及び送信アンテナポートは両方とも、実際には、最終的なエアインターフェイス伝送に対して同じ影響を有し、信号処理プロシージャにおける異なる表現にすぎないことが留意されるべきである。Xがプリコーディング前のベクトルを表し、Pがプリコーディング符号語を表し、Yがプリコーディング出力ベクトルを表し、Y=PXである場合に、プリコーディング符号語Pの次元はN×Mである。実際の用途では、図4における物理アンテナの数は必ずしもNではなく、必要に応じてNよりも大きくなることが留意されるべきである。
【0086】
適用シナリオが変わると、PTRSを運ぶスケジューリングアンテナポートが決定されてよく、あるいは、PTRSを運ぶ送信アンテナポートが決定されてよい。
【0087】
具体的に、前もって設定された規則1は、次のとおりに規定されてよい:プリコーディング符号語情報に対応するプリコーディング符号語の各列と、アンテナポートセットの中のM個のスケジューリングアンテナポートとは、一対一の対応にあり、プリコーディング符号語の同じ列の中に1よりも多い非ゼロ要素がある場合に、1よりも多い非ゼロ要素が位置している列に対応するスケジューリングアンテナポートは、コヒーレントアンテナポートであり、具体的に言えば、同じPTRSに対応する。すなわち、アンテナポートセットの中のコヒーレントアンテナポートに対応するプリコーディング符号語の列は、同じグループにあり、プリコーディング符号語の同じ行の中の非ゼロ要素が位置している列は、同じグループに属し、グループ及び送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある。任意に、グループは更に番号付けされてよく、グループ番号及びPTRSポート番号は、一対一の対応にある。
【0088】
同様に、前もって設定された規則2は、次のとおりに規定されてよい:プリコーディング符号語情報に対応するプリコーディング符号語の各行と、アンテナポートセットの中のN個の送信アンテナポートとは、一対一の対応にあり、プリコーディング符号語の同じ行の中に1よりも多い非ゼロ要素がある場合に、1よりも多い非ゼロ要素の列の中の全ての非ゼロ要素が位置している行に対応する送信アンテナポートは、コヒーレントアンテナポートであり、具体的に言えば、同じPTRSに対応する。すなわち、アンテナポートセットの中のコヒーレントアンテナポートに対応するプリコーディング符号語の行は、同じグループにあり、プリコーディング符号語の同じ列の中の非ゼロ要素が位置している行は、同じグループに属し、グループ及び送信されるべきPTRSは、一対一の対応にある。任意に、グループは更に番号付けされてよく、グループ番号及びPTRSポート番号は、一対一の対応にある。
【0089】
一例として4つのアンテナポートを備える端末デバイスを使用すると、データ伝送の最大4つのレイヤが同時にサポートされる(M及びNは両方とも4以下である)。4つのアンテナポートは2つのグループに分割されてよく、各グループは2つのアンテナポートを含み、2つのアンテナポートはコヒーレント伝送を実行することができると考えられる。例えば、2つのアンテナポートは、一対の交差偏波アンテナに対応するか、あるいは、2つのアンテナポートは、1つのアンテナパネルに対応する。上記の規則に従って、端末デバイスによって最終的に決定されるPTRSポートは、表1に示される。伝送プリコーディングベクトル又はマトリクスにおいて、対応するβ(ここで、i=0,1,2,・・・,6)は、パワー正規化係数であり、P(ここで、i=0,1,2,・・・,6)における全ての文字パラメータは、重み係数であり、通常は、モジュラス値が0から1の範囲(0及び1を含む)に及ぶ複素数である。ランク要件が満足されることを前提として、いくつかの重み係数は0であってよい。一般性を失うことなく、行番号又は列番号は、アンテナポート番号を表すために直接使用される。
【0090】
任意に、表1の全部又は一部及びテーブルルックアップ法を使用することによって、端末デバイスは、プリコーディング符号語に基づいて、PTRSを運ぶアンテナポートを直接探してよい。確かに、表1は一例にすぎない。
【表1】
【0091】
ここで、事前合意が存在するという条件で、*は、#1又は#2が代替的に、PTRS#2を運ぶために使用されてよく、#3又は#4が代替的に、PTRS#1を運ぶために使用されてよいことを意味する。これは、本願における方法の本質に影響を及ぼさない。残り2つのPTRS及びアンテナポートのためのマッピング方法は同様である。表1は一例にすぎない。
【0092】
表1に基づいて、制限なしに、次の推論が存在してよい。
【0093】
(1)同じプリコーディング符号語については、同じ数のPTRSが、前もって設定された異なる規則に従って取得される。
【0094】
(2)同じランクでさえ、前もって設定された同じ規則に従って、異なるプリコーディング符号語に対応するPTRSの数は、同じであってよく、あるいは、異なってもよい。例えば、P及びPについて、前もって設定された規則1に従って、Pに対応するPTRSの数、及びPに対応するPTRSの数は、2であり、前もって設定された規則2に従って、Pに対応するPTRSの数、及びPに対応するPTRSの数は、4である。
【0095】
(3)同数のPTRSでさえ、前もって設定された異なる規則に従って、PTRSを運ぶための選択されたアンテナポートは、同じであってよく、あるいは、異なってもよい。例えば、P及びPについて、前もって設定された規則1に従って、アンテナポート#1のみが選択され得るが、前もって設定された規則2に従って、P及びPに対応するアンテナポートはアンテナポート#1に制限されず、特に、アンテナポート#1は、Pに対応するPTRSを運ぶために選択され得ない。
【0096】
(4)所与のアンテナポートについて、複数のPTRSがサポートされる必要がある場合に、一部のプリコーディング符号語しか選択されなくてもよい。例えば、P及びPについて、PTRSは異なる様態でアンテナポートに対応するので、アンテナポートは、端末のアンテナグループ特徴に基づいて決定される必要がある。
【0097】
表1中の「又は」は、関連するアンテナポートがコヒーレントアンテナであり、同じコヒーレントアンテナポートセットに属することを示すことが留意されるべきである。同じPTRSに対応するコヒーレントアンテナポートセット内のどのアンテナポートがPTRSを運ぶために使用されるかは、本願において制限されない。任意に、1つのPTRSポートと、そのPTRSポートに対応する全てのコヒーレントアンテナポート内のアンテナポートとの間の対応は、制限なしに、PTRSポートの番号が最大アンテナポート番号、最小アンテナポート番号、奇数番号、偶数番号、又はコヒーレントアンテナポートセットにおいて事前に定義された規則に従って定義された任意のアンテナポート番号、に対応することを含む。対応は、事前に定義されるか、あるいは、上位レイヤシグナリング、DCI、又は任意の事前合意されたダウンリンクチャネルを使用することによって設定される。
【0098】
例えば、X個のビットが、PTRSを運ぶアンテナポートの番号を示すためにDCIに加えられてよい。次いで、PTRSの特定の数に依存して、X個のビットが、前もって設定された異なる規則を使用することによって解釈及びマッピングされる必要がある。通常、アンテナポートの数がZである場合に、X=logZ又はX=Z/2が成立し得る。例えば、Zは、表1の例では2であってよい。端末デバイスが1つのPTRSしかサポートしないとき、2つのビットは、4つのアンテナポートのうちのどの1つがPTRSを送信するために使用されるかを示す。端末デバイスが最大2つのPTRSをサポートすることができるとき、2つのビットは夫々、PTRSに対応するアンテナポートを示し得る。例えば、プリコーディング符号語がPである場合に、第1ビットは、PTRS#1がアンテナポート#1又はアンテナポート#2によって運ばれるかどうかを示すために使用される。例えば、第1ビットが0であるとき、それは、PTRS#1がアンテナポート#1によって運ばれることを示し、あるいは、第1ビットが1であるとき、それは、PTRS#1がアンテナポート#2によって運ばれることを示し、その逆も同じである。前もって設定された規則1が使用されるとき、第2ビットは冗長である。しかし、前もって設定された規則2が使用されるとき、第2ビットは、PTRS#2がアンテナポート#3又はアンテナポート#4によって運ばれるかどうかを示すために使用されてよい。プリコーディング符号語がPである場合に、前もって設定された規則1又は前もって設定された規則2が使用されるかどうかにかかわらず、第1ビットは、PTRS#1がアンテナポート#1又はアンテナポート#3によって運ばれるかどうか示すために使用され、第2ビットは、PTRS#2がアンテナポート#2又はアンテナポート#4によって運ばれるかどうかを示すために使用される。この方法に従って、PTRSの数は上記の方法で取得され、それから、異なるマッピング指示が、PTRSの異なる数に基づいてX個のビットに対して実行される。そのような方法はまた、暗黙的な指示と見なされ得る。
【0099】
任意に、X個のビットは、X個のPTRSのために選択されたアンテナポートの番号を示すために使用されてよい。各PTRSは2つのアンテナポートに対応する。PTRSに対応するビットごとに、0の値は、2つのアンテナポートのうちの一方を示し、1の値は、2つのポートのうちの他方を示す。
【0100】
任意に、プリコーディング符号語は、CPSRにおける1つの符号語であってよい。
【0101】
送信されるべきPTRSの数及び送信されるべきPTRSを運ぶアンテナポートを決定するための前もって設定された規則が更に簡単にされる必要がある場合に、ランク情報しか使用されなくてもよい。このようにして、端末デバイスは、ランクの値に基づいてPTRSの数を決定し、それから、前もって決定されたPTRSの数とPTRSを運ぶアンテナポートとの間の一対一の対応に基づいて、送信されるべきPTRSを送信するDMRSアンテナポートを決定する。
【0102】
例えば、アップリンクグラント情報がランク情報を含み、ランクの値がRである場合に、送信されるべきPTRSの数Aは、min(R,C)、min(S,C)、min(Q,C)、又は任意の事前合意された値であり、このとき、Cは、端末デバイスによってサポートされるPTRSの最大数、又は端末デバイスのためにネットワークデバイスによって設定されるPTRSの最大数であり、Sは、Rが与えられるときに端末デバイスによってサポートされるPTRSの最小数であり、Qは、Rが与えられるときに端末デバイスによってサポートされるPTRSの最大数であり、C、R、S及びQは、正の整数であり、min()は、カッコ内の最小数を求める演算である。Aが決定された後、任意に、A個のPTRSは、全ての利用可能なPTRSのポート番号の昇順に、送信されるべきPTRSとして逐次選択されるか、あるいは、A個のPTRSは、全ての利用可能なPTRSのポート番号の降順に、送信されるべきPTRSとして逐次選択されるか、あるいは、A個のPTRSは、任意の前もって設定された規則に従って、送信されるべきPTRSとして、全ての利用可能なPTRSから選択される。例えば、表1に従って、PTRSポート番号の昇順における逐次選択の方法が、実際にはデフォルトで使用される。
【0103】
このマッピング方法は簡単であるが、比較的に多くの量の内容が、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間で事前合意される必要があることが分かる。例えば、R=2のとき、プリコーディング符号語情報は使用されず、PTRSポートとアンテナポートとの間の対応は比較的に一定であるから、実際に利用可能なプリコーディング符号語は、P及びPのうちのただ1つであってよい。表1の例では、C=2であるから、R=2のとき、S=1かつQ=2。PTRSの数Aがmin(R,C)=2又はmin(Q,C)=2であるとき、Pしか使用され得ず、PTRSを運ぶアンテナポートは、表1の対応に基づいて決定される。PTRSの数Aがmin(S,C)=1であるとき、Pしか使用され得ず、PTRSを運ぶアンテナポートは、表1の対応に基づいて決定される。
【0104】
確かに、ここで、PTRSの数を決定するプロセスは直接スキップされてもよく、一対一の対応は、ランク情報と、PTRSポートを運ぶアンテナポートとの間で確立されてもよい。例えば、表1の一部の行及び列のみが、表2を形成するために選択される。表2は、一例にすぎないことが留意されるべきである。選択規則は、A=min(Q,C)である。
【表2】
【0105】
同じく、X個のビットが、PTRSを運ぶアンテナポートを示すために使用される場合に、X個のビットはまた、上記の方法を使用することによって解釈及びマッピングされても良い。詳細は、ここで再び記載されない。
【0106】
同様に、端末デバイスは、アップリンクスケジューリンググラント情報においてSRIに対応するSRSリソース情報に基づいて、アップリンクPTRSポートに関する情報を更に決定してよい。PTRSポートに関する情報は、PTRSポートの数に関する情報と、PTRSポートとDMRSポートとの間の対応に関する情報とを含む。
【0107】
S104.送信されるべきPTRSをアンテナポートで送信する。
【0108】
図は、送信されるべきPTRS及び時間周波数リソースを端末デバイスによって決定するプロセス、並びにリソースマッピング、変調、デジタル-アナログ変換、及び周波数変換などの具体的な処理ステップを示さないことが留意されるべきである。それらは全て先行技術に属するので、詳細は記載されない。
【0109】
図3に示される例は、アップリンク伝送についての例である。実際に、それらの前もって設定された規則は、ダウンリンクPTRS受信にも適用可能である。具体的に言えば、データ又は制御情報のダウンリンク伝送において、ネットワークデバイス側で使用されるPTRSの数、及びPTRSを運ぶアンテナポートは、同様に、DCIで運ばれるダウンリンク伝送プリコーディング符号語又はランク情報に基づいて、暗黙的な方法又は部分的に暗黙的な方法でX個の追加ビットにより端末デバイスへ通知されてよい。図5は、PTRS受信の実施形態である。
【0110】
S201.端末デバイスはダウンリンクグラントメッセージを取得する。
【0111】
S202.端末デバイスは、受信されるべきPTRSの数を決定する。
【0112】
S203.端末デバイスは、ダウンリンクグラントメッセージ及び前もって設定された規則に基づいて、受信されるべきPTRS及び受信されるべきPTRSを運ぶアンテナポートを決定し、このとき、アンテナポートは、アンテナポートセットから選択され、受信されるべきPTRSは、全ての利用可能なPTRSのうちの1つ以上である。
【0113】
ステップS202及びS203の方法は、ステップS102及びS103と一致する。詳細は、ここで再び記載されない。
【0114】
S204.端末デバイスは、受信されるべきPTRSをアンテナポートで検出する。
【0115】
上記のステップは、必ずしも順に実行される必要がなく、ステップS102及びステップS202などのいくつかのステップは、任意であることが留意されるべきである。
【0116】
全ての上記方法は、単一のTPMIに関係があることが更に留意されるべきである。通常、1つのTPMIは少なくとも1つのPTRSに対応する。従って、1つのDCI又は他のアップリンクグラント情報が2つ以上のTPMIを含むとき、それは、端末デバイスが少なくとも2つのPTRSをサポートすることを意味する。この能力、及びPTRSとアンテナポートとの間の対応は、端末デバイスがネットワークにアクセスするときにネットワークデバイスに通知されてよい。具体的に、上記の方法は、各TPMIに対応するPTRSを決定するために使用されてよい。
【0117】
図3に示されるPTRS送信方法のそれと同じ発明概念に基づいて、図6に示されるように、本願の実施形態は、PTRS送信装置700を更に提供する。PTRS送信装置700は、図3に示されるPTRS送信方法を実行するよう構成される。図3に示されるPTRS送信方法におけるステップのうちの一部又は全ては、ハードウェア又はソフトウェアによって実施されてよい。ステップがハードウェアを使用することによって実施される場合に、PTRS送信装置700は、アップリンクグラント情報を取得するよう構成される入力インターフェイス701と、図3に示されるPTRS送信方法を実行するよう構成され、詳細については、上記の方法実施形態における記載が参照されてよく、詳細はここで再び記載されない論理回路702と、PTRSを出力するよう構成される出力インターフェイス703とを含む。
【0118】
任意に、具体的な実施中に、PTRS送信装置700は、チップ又は集積回路であって良い。
【0119】
任意に、上記の実施形態におけるPTRS送信方法のステップのうちの一部又は全てがソフトウェアを使用することによって実施される場合に、図7に示されるように、PTRS送信装置800は、プログラムを記憶するよう構成されるメモリ801と、メモリ801に記憶されているプログラムを実行するよう構成されるプロセッサ802とを含む。プログラムが実行されるとき、PTRS送信装置800は、図3に対応する実施形態で提供されるPTRS送信方法を実施してよい。
【0120】
任意に、メモリ801は、物理的に独立したユニットであってよく、あるいは、プロセッサ802と集積されてもよい。
【0121】
任意に、図3に対応する実施形態におけるPTRS送信方法におけるステップのうちの一部又は全てがソフトウェアを使用することによって実施される場合に、PTRS送信装置800は、プロセッサ802しか含まなくてもよい。プログラムを記憶するよう構成されたメモリ801は、PTRS送信装置800の外に位置する。プロセッサ802は、メモリ801に記憶されたプログラムを読み出して実行するように、回路又は配線を使用することによってメモリ801へ接続される。
【0122】
プロセッサ802は、中央演算処理装置(central processing unit,CPU)、ネットワーク・プロセッサ(network processor,NP)、又はCPU及びNPの組み合わせであってよい。
【0123】
プロセッサ802は、ハードウェアチップを更に含んでもよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、プログラム可能論理デバイス(programmable logic device,PLD)、又はそれらの組み合わせであってよい。PLDは、複合プログラム可能論理デバイス(complex programmable logic device,CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field-programmable gate array,FPGA)、汎用アレイロジック(generic array logic,GAL)、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。
【0124】
メモリ801は、ランダム・アクセス・メモリ(random-access memory,RAM)などの揮発性メモリ(volatile memory)を含んでよい。代替的に、メモリ801は、フラッシュメモリ(flash memory)、ハード・ディスク・ドライブ(hard disk drive,HDD)、又はソリッド・ステート・ドライブ(sold-state drive,SSD)などの不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含んでもよい。代替的に、メモリ801は、上記のタイプのメモリ組み合わせを含んでもよい。
【0125】
図3に対応する実施形態で示されるPTRS送信方法のそれと同じ発明概念に基づいて、図8に示されるように、本願の実施形態は、PTRS送信装置の実施形態の略構造図を更に提供する。PTRS送信装置は、取得モジュール901、決定モジュール902、及び送信モジュール903を含んでよい。取得モジュール901は、ステップS101に対応する方法を実行するよう構成され、決定モジュール902は、ステップS102及びS103に対応する方法を実行するよう構成され、送信モジュール903は、ステップS104に対応する方法を実行するよう構成される。装置は、端末デバイスである。
【0126】
この実施形態における装置は、図3に対応する方法実施形態における技術的解決法を実行するよう構成されてよい。装置の実施原理及び技術的効果は、方法実施形態のそれらと同様である。詳細は、ここで再び記載されない。
【0127】
図8は、制限なしに、PTRSシーケンス生成、時間周波数リソース決定モジュール、変調モジュール、デジタル-アナログ変換モジュール、周波数変換モジュール、及び送信モジュールを含む先行技術における共通モジュールのうちの一部又は全部を示していないことが留意されるべきである。送信モジュールは、PTRSを送信するよう構成される。PTRSが送信される前に、変調及びデジタル-アナログ変換などの動作が、更に実行される必要がある。
【0128】
図5に示されるPTRS受信方法のそれと同じ発明概念に基づいて、図9に示されるように、本願の実施形態は、PTRS受信装置1100を更に提供する。PTRS受信装置1100は、図5に示されるPTRS受信方法を実行するよう構成される。図5に示されるPTRS受信方法におけるステップのうちの一部又は全ては、ハードウェア又はソフトウェアによって実施されてよい。ステップがハードウェアを使用することによって実施される場合に、PTRS受信装置1100は、ダウンリンクグラント情報を取得するよう構成される入力インターフェイス1101と、図5に示されるPTRS受信方法を実行するよう構成され、詳細については、上記の方法実施形態における記載が参照されてよく、詳細はここで再び記載されない論理回路1102と、検出後に取得されたPTRSを出力するよう構成される出力インターフェイス1103とを含む。
【0129】
任意に、具体的な実施中に、PTRS受信装置1100は、チップ又は集積回路であって良い。
【0130】
任意に、上記の実施形態におけるPTRS受信方法のステップのうちの一部又は全てがソフトウェアを使用することによって実施される場合に、図10に示されるように、PTRS受信装置1200は、プログラムを記憶するよう構成されるメモリ1201と、メモリ1201に記憶されているプログラムを実行するよう構成されるプロセッサ1202とを含む。プログラムが実行されるとき、PTRS受信装置1200は、図5に対応する実施形態で提供されるPTRS受信方法を実施してよい。
【0131】
任意に、メモリ1201は、物理的に独立したユニットであってよく、あるいは、プロセッサ1202と集積されてもよい。
【0132】
任意に、図5に対応する実施形態におけるPTRS受信方法におけるステップのうちの一部又は全てがソフトウェアを使用することによって実施される場合に、PTRS受信装置1200は、プロセッサ1202しか含まなくてもよい。プログラムを記憶するよう構成されたメモリ1201は、PTRS受信装置1200の外に位置する。プロセッサ1202は、メモリ1201に記憶されたプログラムを読み出して実行するように、回路又は配線を使用することによってメモリ1201へ接続される。
【0133】
プロセッサ1202は、中央演算処理装置(central processing unit,CPU)、ネットワーク・プロセッサ(network processor,NP)、又はCPU及びNPの組み合わせであってよい。
【0134】
プロセッサ1202は、ハードウェアチップを更に含んでもよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、プログラム可能論理デバイス(programmable logic device,PLD)、又はそれらの組み合わせであってよい。PLDは、複合プログラム可能論理デバイス(complex programmable logic device,CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field-programmable gate array,FPGA)、汎用アレイロジック(generic array logic,GAL)、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。
【0135】
メモリ1201は、ランダム・アクセス・メモリ(random-access memory,RAM)などの揮発性メモリ(volatile memory)を含んでよい。代替的に、メモリ1201は、フラッシュメモリ(flash memory)、ハード・ディスク・ドライブ(hard disk drive,HDD)、又はソリッド・ステート・ドライブ(sold-state drive,SSD)などの不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含んでもよい。代替的に、メモリ1201は、上記のタイプのメモリ組み合わせを含んでもよい。
【0136】
図5に対応する実施形態で示されるPTRS受信方法のそれと同じ発明概念に基づいて、図11に示されるように、本願の実施形態は、PTRS受信装置の実施形態の略構造図を更に提供する。PTRS受信装置は、取得モジュール1301、決定モジュール1302、及び検出モジュール1303を含んでよい。取得モジュール1301は、ステップS201に対応する方法を実行するよう構成され、決定モジュール1302は、ステップS202及びS203に対応する方法を実行するよう構成され、検出モジュール1303は、ステップS204に対応する方法を実行するよう構成される。装置は、端末デバイスである。
【0137】
この実施形態における装置は、図5に対応する方法実施形態における技術的解決法を実行するよう構成されてよい。装置の実施原理及び技術的効果は、方法実施形態のそれらと同様である。詳細は、ここで再び記載されない。
【0138】
図11は、制限なしに、PTRSシーケンス決定モジュール、時間周波数リソース決定モジュール、復調モジュール、アナログ-デジタル変換モジュール、及び周波数変換モジュールを含む先行技術における共通モジュールのうちの一部又は全部を示していないことが留意されるべきである。検出モジュールは、PTRSを検出するよう構成される。検出前に、復調、アナログ-デジタル変換、PTRSシーケンスマッピング、及び時間周波数リソースマッピングなどの動作が、更に実行される必要がある。
【0139】
当業者であれば、本願の実施形態は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ると理解するはずである。従って、本願は、ハードウェアのみ実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによる実施形態の形を使用してよい。更には、本願は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ使用可能記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、及び光学メモリを含むが限られない)で実装されるコンピュータプログラム製品の形を使用してもよい。コンピュータ命令は更に、コンピュータ可読記憶媒体から他のコンピュータ可読記憶媒体へ伝送されてよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターへ有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、若しくはデジタル加入者回線(DSL))又は無線(例えば、赤外線、電波、若しくはマイクロ波)方式で伝送され得る。
【0140】
本願は、本願の実施形態に従う方法、デバイス(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して記載される。コンピュータプログラム命令は、フローチャート及び/又はブロック図における各プロセス及び/又は各ブロック並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるプロセス及び/又はブロックの組み合わせを実施するために使用されてよいことが理解されるべきである。そのようなコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋め込みプロセッサ、又はあらゆる他のプログラム可能データ処理デバイスのプロセッサがマシンを発生させるために提供されてよく、それにより、コンピュータ又はあらゆる他のプログラム可能データ処理デバイスのプロセッサによって実行される命令は、フローチャート内の1つ以上のプロセスで及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックで特定の機能を実施するための装置を発生させる。
【0141】
そのようなコンピュータプログラム命令は、特定の方法で作動するようにコンピュータ又はあらゆる他のプログラム可能データ処理デバイスに指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてよく、それにより、コンピュータ可読メモリに記憶されている命令は、指示装置を含むアーチファクトを発生させる。指示装置は、フローチャート内の1つ以上のプロセスで及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックで特定の機能を実施する。
【0142】
そのようなコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスにロードされてよく、それにより、一連の動作及びステップは、コンピュータ又は他のプログラム可能なデバイスで実行されて、コンピュータ実装処理を発生させる。従って、コンピュータ又は他のプログラム可能なデバイスで実行される命令は、フローチャート内の1つ以上のプロセスで及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックで特定の機能を実施するためのステップを提供する。
【0143】
本願のいくつかの好適な実施形態が記載されているが、当業者であれば、彼らが基本的な発明概念を学ぶと、それらの実施形態に対して変更及び改良を行うことができる。従って、続く特許請求の範囲は、本願の適用範囲内にある好適な実施形態並びに全ての変更及び改良をカバーするように解釈されるべきである。
【0144】
明らかに、当業者であれば、本願の実施形態の精神及び適用範囲から外れることなしに、本願の実施形態に対して様々な変更及び変形を行うことができる。本願は、本願の特許請求の範囲及びそれら均等の技術の範囲内にあるという条件で、それらの変更及び変形をカバーするよう意図される。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11