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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】配車支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220829BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20220829BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q10/06 302
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021070685
(22)【出願日】2021-04-19
(62)【分割の表示】P 2019211545の分割
【原出願日】2019-11-22
(65)【公開番号】P2021108201
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】397077933
【氏名又は名称】株式会社バンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】今野 太佑
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-165510(JP,A)
【文献】特開2019-167188(JP,A)
【文献】特開平10-109584(JP,A)
【文献】特開2001-334864(JP,A)
【文献】特開2014-048683(JP,A)
【文献】国際公開第2019/216128(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0176754(US,A1)
【文献】特開2003-256511(JP,A)
【文献】特開2019-109618(JP,A)
【文献】特開2012-086940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役のタイミングを取得するタイミング取得手段と、
取得した前記タイミングに基づいて、荷室を撮影する撮影手段と、
撮影した荷室の撮影情報に基づく過去の配送記録から、荷姿及び配送場所を学習する第1学習手段と、
前記学習結果に基づいて、前記配送場所の荷姿を予測する第1予測手段と、
集荷依頼を受け付ける集荷依頼受付手段と、
予測した前記配送場所の荷姿に基づいて、受け付けた前記集荷依頼の積載可否を判定する積載可否判定手段と、
を備えることを特徴とする配車支援システム。
【請求項2】
撮影した荷室の撮影情報を解析し、当該荷室内の荷姿と積載量とを解析する荷室状態解析手段と、
運転中の車両の運行情報を取得する運行情報取得手段と、
取得した前記運行情報に基づいて、前記車両の車両位置毎に、解析した前記荷室内の荷姿と積載量を紐付けて出力する荷室状態出力手段と、
をさらに備え、
前記タイミング取得手段は、前記運行情報取得手段で取得した前記車両の位置情報が、納場の位置情報の所定範囲のエリアに位置する場合に荷役の開始のタイミングを取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の配車支援システム。
【請求項3】
前記タイミング取得手段は、さらに荷室の扉の開信号を検知することにより、荷役の開始のタイミングを取得し、
荷室の扉から閉信号を検知することにより、荷役の終了のタイミングを取得する、
ことを特徴とする請求項2に記載の配車支援システム。
【請求項4】
前記荷室内の荷姿の解析結果に基づいて、当該荷姿をモデル化するモデル化手段と、
をさらに備え、
前記荷室状態出力手段は、モデル化した荷姿を併せて出力する、
ことを特徴とする請求項に記載の配車支援システム。
【請求項5】
荷役のタイミングを取得するステップと、
取得した前記タイミングに基づいて、荷室を撮影するステップと、
撮影した荷室の撮影情報に基づく過去の配送記録から、荷姿及び配送場所を学習するステップと、
前記学習結果に基づいて、前記配送場所の荷姿を予測するステップと、
集荷依頼を受け付けるステップと、
予測した前記配送場所の荷姿に基づいて、受け付けた前記集荷依頼の積載可否を判定するステップと、
を備えることを特徴とする配車支援方法。
【請求項6】
コンピュータシステムに、
荷役のタイミングを取得するステップ、
取得した前記タイミングに基づいて、荷室を撮影するステップ、
撮影した荷室の撮影情報に基づく過去の配送記録から、荷姿及び配送場所を学習するステップ、
前記学習結果に基づいて、前記配送場所の荷姿を予測するステップ、
集荷依頼を受け付けるステップ、
予測した前記配送場所の荷姿に基づいて、受け付けた前記集荷依頼の積載可否を判定するステップ、
を実行させるためのコンピュータシステムで読取可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運行状況を管理する配車支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両(例えば、トラック)を動態管理するためのシステムが知られている。このようなシステムにおいて、管理者が、車両の位置等を把握できるように、地図上に車両の位置を可視化することが行われている。このようなシステムは、車両の運行計画を管理者と車両のドライバとの両者が共有しており、入力内容や更新された情報を、リアルタイムで双方ともに把握することが可能となっている。
【0003】
このようなシステムとして、車両が停止中且つ荷室の扉の開閉後に、車両が運行を開始したことを検知した際、荷役作業の終了を判定し、車両の現在地及び荷室の積載余力を管理者に出力する構成が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-109584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、荷姿等の荷室の状況を把握することができないため、段積みの可否を判定することができず、配車の判定が困難となっていた。
【0006】
また、ドライバが、積載率の入力や荷室の画像を撮影する必要があるため、ドライバの負担が増加しており、入力ミスや入力忘れが発生するおそれもあった。加えて、納場によっては、写真の撮影等が禁止されているため、正確な荷室の状況を把握することが困難であった。
【0007】
本発明は荷室の状況(例えば、写真、積載率、荷姿、積載量)を適切に把握することが容易であって、当該荷姿に基づいて、受け付けた集荷依頼の積載可否を判定する配車支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
本発明は、荷役のタイミングを取得するタイミング取得手段と、
取得した前記タイミングに基づいて、荷室を撮影する撮影手段と、
撮影した荷室の撮影情報に基づく過去の配送記録から、荷姿及び配送場所を学習する第1学習手段と、
前記学習結果に基づいて、前記配送場所の荷姿を予測する第1予測手段と、
集荷依頼を受け付ける集荷依頼受付手段と、
予測した前記配送場所の荷姿に基づいて、受け付けた前記集荷依頼の積載可否を判定する積載可否判定手段と、
を備えることを特徴とする配車支援システムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、荷役のタイミングを取得し、取得した前記タイミングに基づいて、荷室を撮影し、撮影した荷室の撮影情報に基づく過去の配送記録から、荷姿及び配送場所を学習し、前記学習結果に基づいて、前記配送場所の荷姿を予測し、受け付けた前記集荷依頼の積載可否を判定することができる配車支援システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、配車支援システム1の概要を示す図である。
図2図2は、配車支援システム1の全体構成図である。
図3図3は、コントローラ100、撮影装置200が実行する撮影情報出力処理のフローチャートを示す図である。
図4図4は、コンピュータ10が実行する撮影情報解析処理のフローチャートを示す図である。
図5図5は、コンピュータ10、管理者端末400が実行する荷室状態情報出力処理のフローチャートを示す図である。
図6図6は、コンピュータ10、管理者端末400が実行する配車予約処理のフローチャートを示す図である。
図7図7は、コンピュータ10が実行する予測処理のフローチャートを示す図である。
図8図8は、コンピュータ10、管理者端末400が実行する予測荷室状態出力処理のフローチャートを示す図である。
図9図9は、コンピュータ10が実行する積載可否判定処理のフローチャートを示す図である。
図10図10は、管理者端末400が出力する車両位置及び紐付けられた荷室状態情報の一例を模式的に示す図である。
図11図11は、管理者端末400が出力する車両位置及び紐付けられた荷室状態情報の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0013】
[配車支援システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の好適な実施形態である配車支援システム1の概要を説明するための図である。配車支援システム1は、コンピュータ10、コントローラ100、撮影装置200、ドライバ端末300、管理者端末400から構成され、車両の運行状況を管理するコンピュータシステムである。
【0014】
なお、配車支援システム1は、集荷や配送を所望する顧客が所持する顧客端末、荷室の扉の開閉を検知するスイッチやセンサ類、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。この場合、配車支援システム1は、後述する各処理を、コンピュータ10、コントローラ100、撮影装置200、ドライバ端末300、管理者端末400と含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組み合わせにより実行する事になる。
【0015】
コンピュータ10は、ドライバ端末300、管理者端末400、顧客端末と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。コンピュータ10は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。コンピュータ10は、データや情報の取得、解析及び判定等の処理及び処理結果の出力等の各種処理を実行する。
【0016】
コントローラ100は、車両に設けられ、撮影装置200、ドライバ端末300、スイッチやセンサ類と有線通信又は無線通信等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。また、コントローラ100は、荷室の扉に設けられた扉の開閉スイッチの操作検知、荷室に設けられた光センサ等のセンサ類の検知、撮影装置に対する撮影開始指示及び撮影終了指示、撮影装置200が撮影する撮影情報(例えば、撮影装置や車両の識別子、撮影装置200が荷室内を撮影した動画や静止画等の画像、撮影日時)の取得及び出力、GPS(Global Positioning System)等から自身の現在位置に関する位置情報の取得等の各種処理を実行する。
【0017】
撮影装置200は、車両に一又は複数設けられ、コントローラ100と有線通信又は無線通信等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。撮影装置200は、動画や静止画等の画像を撮影するカメラ等の撮影装置である。撮影装置200は、画像の撮影及び撮影情報の出力等の各種処理を実行する。
【0018】
ドライバ端末300は、車両を運転するドライバが所持する端末装置であり、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末である。ドライバ端末300は、コントローラ100、コンピュータ10と有線通信、無線通信又は公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。ドライバ端末300は、撮影情報の取得及び出力、GPS等から自身の現在位置に関する位置情報の取得、位置情報の出力及びコンピュータ10が実行した各種処理の処理結果の取得及び出力等の各種処理を実行する。
【0019】
管理者端末400は、ドライバや運行計画等を管理する管理者が所持する端末装置であり、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末、デスクトップ型やラップトップ型等のパーソナルコンピュータである。管理者端末400は、コンピュータ10と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。管理者端末400は、自身が記録する運行情報の出力、配車予約の受付、受け付けた配車予約に関する情報の出力、コンピュータ10が実行した各種処理の処理結果の取得及び出力等の各種処理を実行する。
【0020】
コントローラ100は、荷役のタイミングを取得する。荷役のタイミングとは、例えば、荷役を行う場所への到着や出発、荷室の扉の開閉による荷役の開始及び終了である。コントローラ100は、ドライバ端末300から取得するドライバ端末300の現在位置の位置情報に基づいて、荷役のタイミングを取得する。また、コントローラ100は、この扉に設けられたスイッチから取得する扉の開信号及び閉信号や光センサから取得する検知結果に基づいて、荷役のタイミングを取得する。
【0021】
これにより、配車支援システム1は、納場に到着し、且つ扉が開くことにより、荷役の開始を判定することが可能となる。このとき、扉の開閉が必要条件であり、納場への到着は、荷役の開始をより正確に判定するための条件である。
【0022】
撮影装置200は、このタイミングに基づいて、荷室を撮影する。コントローラ100は、取得したタイミング、すなわち、荷役の開始のタイミング(扉の開信号を検知したタイミング)に基づいて、撮影装置200に撮影開始指示を出力する。撮影装置200は、この撮影開始指示を受信し、この撮影開始指示に従って、荷室内の画像の撮影を開始する。撮影装置200は、所定間隔連続で画像を撮影する。撮影装置200は、撮影した画像と、自身や自身が設けられた車両の識別子と、撮影日時とを撮影情報として、コントローラ100に出力する。
【0023】
コントローラ100は、取得したタイミング、すなわち、荷役の終了のタイミング(扉の閉信号を検知したタイミング)に基づいて、撮影装置200に、撮影終了指示を出力する。撮影装置200は、この撮影終了指示を受信し、この撮影終了指示に従って、荷室内の画像の撮影を終了する。
【0024】
コントローラ100は、撮影情報を受信し、コンピュータ10に出力する撮影情報の選定を行い、ドライバ端末300を介して、コンピュータ10に、選定した撮影情報を出力する。この撮影情報の選定は、例えば、撮影日時が、荷役の終了のタイミング、すなわち、荷室の扉から閉信号を検知したタイミングに近く、かつ荷室内に積み込まれた荷物が明瞭に写っているものを基準として行われる。
【0025】
なお、撮影情報の選定及びコンピュータ10への出力は、ドライバ端末300が実行する構成であってもよい。この場合、ドライバ端末3000は、撮影開始から撮影終了までの間の撮影情報を、コントローラ100を介して取得し、取得した撮影情報の選定及び選定した撮影情報の出力を実行することになる。
【0026】
また、撮影情報における画像は、動画でも可能であるが、データ量の抑制や切り出しのタイミングの制御等を理由として、静止画であることが好ましい。ただし、画像から、3次元化できるものであれば、その限りではない。
【0027】
コンピュータ10は、ドライバ端末300が出力した撮影情報を取得し、この撮影情報を解析する。コンピュータ10は、撮影情報における画像を、画像解析し、その特徴点(例えば、形状、輪郭、色相)や特徴量(例えば、画素値の平均、分散、ヒストグラム等の統計的な数値)を抽出する。コンピュータ10は、抽出した特徴点や特徴量に基づいて、荷室内の荷姿と積載量と積載率とを示す積載状態を解析する。例えば、コンピュータ10は、荷室内の荷物の外観、数量、配置、状態等に基づいて、この積載状態を解析する。
【0028】
なお、コンピュータ10は、積載状態の解析結果に基づいて、荷姿をモデル化(例えば、二次元モデル化や三次元モデル化)する構成であってもよい。また、コンピュータ10は、積載状態の解析結果に基づいて、荷室内における積載可能スペースの大きさ(空き床面積)を解析する構成であってもよい。このスペースの大きさは、例えば、パレット単位である。
【0029】
コンピュータ10は、運転中の車両の運行情報を取得する。運行情報は、例えば、納場に関する情報である納場情報(例えば、荷役(積込や荷下ろし)場所、発着時間、荷物の量)、車両に関する情報である車両情報(例えば、運行時刻、運行位置、運行ルート、識別子(例えば、車両ID、ドライバID)である。コンピュータ10は、予め管理者端末400から運行情報を取得し、自身に記録しておき、この記録した運行情報を取得する。管理者端末400は、入力を受け付けた運行情報を、コンピュータ10に出力する。コンピュータ10は、この運行情報を受信することにより、運行情報を取得し、自身に記録しておく。また、コンピュータ10は、コントローラ100やドライバ端末300が取得する車両の現在位置の位置情報を運行情報として取得することも可能である。コントローラ100は、GPS等から自身の現在位置の位置情報を取得し、この位置情報をドライバ端末300を介して、コンピュータ10に出力する。また、ドライバ端末300は、GPS等から自身の現在位置の位置情報を取得し、この位置情報をコンピュータ10に出力する。コンピュータ10は、この位置情報を受信することにより、車両の現在位置の位置情報を運行情報として取得することになる。コンピュータ10は、コントローラ100や管理者端末400やドライバ端末300から取得した運行情報に基づいて、運転中の車両の運行情報の入力や更新を行うことも可能である。
【0030】
コンピュータ10は、取得した運行情報に基づいて、車両の車両位置毎に、解析した積載状態を紐付けて出力させる。コンピュータ10は、車両の車両位置に該当する地図上の位置を、車両マークとして示し、この車両マーク(車両位置)に、積載状態を紐付ける。コンピュータ10は、車両が複数の場合、其々の車両の車両位置に該当する地図上の其々の位置を、車両マークとして示し、各車両マークに其々の積載状態を紐付ける。紐付けの方法としては、例えば、車両マークの色分け、画像やテキスト等を記載、表やグラフ等を記載が挙げられる。コンピュータ10は、こうして作成した地図(すなわち、各車両の車両位置及びこの車両の積載状態が紐づいたもの)を、管理者端末400に出力させる。コンピュータ10は、この地図を、管理者端末400に出力する。管理者端末400は、この地図を受信し、自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、車両位置毎に紐付けられた積載状態を出力することになる。この結果、配車支援システム1は、取得した運行情報に基づいて、車両の車両位置毎に、解析した積載状態を紐付けて出力することになる。
【0031】
なお、コンピュータ10は、この地図を、ドライバ端末300に出力する構成も可能である。
【0032】
また、この積載状態に、さらに、モデル化した荷姿又は積載可能スペースの大きさの何れか又は双方を紐付ける構成であってもよい。この場合、配車支援システム1は、積載状態に加えて、モデル化した荷姿又は積載可能スペースの大きさの何れか又は双方を出力することになる。
【0033】
また、コンピュータ10は、管理者からの配車予約を受け付け、この配車予約に基づいて、配車予約を受け付けた車両を車両マークにさらに紐付けて出力させる構成も可能である。
【0034】
また、コンピュータ10は、過去の配送記録から荷姿及び配送場所を学習し、この学習結果に基づいて、配送場所の荷姿を予測する構成も可能である。このとき、コンピュータ10は、予測した配送場所の荷姿を車両マークにさらに紐付けて出力させる構成も可能である。また、コンピュータ10は、集荷依頼を受け付け、予測した配送場所の荷姿に基づいて、集荷依頼の積載可否を判定する構成も可能である。
【0035】
次に、配車支援システム1が実行する処理の概要について説明する。
【0036】
はじめに、コントローラ100は、荷役のタイミングを取得する(ステップS01)。コントローラ100は、扉の開信号及び扉の閉信号を其々取得することにより、荷役の開始及び終了のタイミングを其々取得する。
【0037】
撮影装置200は、このタイミングに基づいて、荷室を撮影する(ステップS02)。撮影装置200は、コントローラ100からの撮影開始指示及び撮影終了指示に従って、荷室の画像を撮影する。撮影装置200は、荷役の開始のタイミングにおける撮影開始指示に従って画像の撮影を開始し、荷役の終了のタイミングにおける撮影終了指示に従って画像の撮影を終了する。撮影装置200は、撮影開始から撮影終了までの間、上述した撮影情報を、コントローラ100に出力する。コントローラ100は、この撮影情報を受信し取得することになる。
【0038】
コンピュータ10は、この撮影情報を取得し、撮影情報を解析し、積載状態を解析する(ステップS03)。コンピュータ10は、コントローラ100がドライバ端末300を介して出力した撮影情報を取得する。コンピュータ10は、撮影情報における画像を画像解析し、積載状態を解析する。
【0039】
コンピュータ10は、運転中の車両の運行情報を取得する(ステップS04)。コンピュータ10は、自身が記録する運行情報を取得する。
【0040】
コンピュータ10は、取得した運行情報に基づいて、車両の車両位置毎に、解析した積載状態を紐付けて出力させる(ステップS05)。コンピュータ10は、地図上に、車両位置として車両マークを示し、この車両マークに、積載状態を紐付ける。コンピュータ10は、この地図を、管理者端末400に出力させる。コンピュータ10は、この地図を管理者端末400に出力する。管理者端末400は、この地図を受信し、自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、車両位置毎に紐付けられた積載状態を出力することになる。
【0041】
以上が、配車支援システム1が実行する処理の概要である。
【0042】
[配車支援システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である配車支援システム1のシステム構成について説明する。図2は、本発明の好適な実施形態である配車支援システム1のシステム構成を示す図である。図2において、配車支援システム1は、コンピュータ10、コントローラ100、撮影装置200、ドライバ端末300、管理者端末400から構成され、車両の運行状況を管理するコンピュータシステムである。
【0043】
コンピュータ10は、ドライバ端末300、管理者端末400、顧客端末等と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。コンピュータ10は、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0044】
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、コンピュータ10は、記録部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
【0045】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、撮影情報取得モジュール20、荷室状態情報出力モジュール21、集荷依頼情報受付モジュール22、集荷通知モジュール23を実現する。また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記録部と協働して、記録モジュール30を実現する。また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、撮影情報解析モジュール40、モデル化モジュール41、スペース解析モジュール42、運行情報取得モジュール43、紐付モジュール44、学習モジュール45、予測モジュール46、積載可否判定モジュール47を実現する。
【0046】
コントローラ100は、撮影装置200、ドライバ端末300、スイッチやセンサ類等と、公衆回線網や有線接続や無線接続等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0047】
コントローラ100は、コンピュータ10と同様に、制御部、通信部、処理部を備える。
【0048】
コントローラ100において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、タイミング取得モジュール120、撮影開始指示モジュール121、撮影終了指示モジュール122、撮影情報出力モジュール123を実現する。また、コントローラ100において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、撮影情報選定モジュール140を実現する。
【0049】
撮影装置200は、コントローラ100と、有線接続や無線接続等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0050】
撮影装置200は、コントローラ100と同様に、制御部、通信部、処理部を備える。
【0051】
撮影装置200において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、撮影情報出力モジュール220を実現する。また、撮影装置200において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、撮影モジュール240を実現する。
【0052】
ドライバ端末300は、コントローラ100、コンピュータ10と公衆回線網や有線接続や無線接続等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0053】
ドライバ端末300は、コンピュータ10と同様に、制御部、通信部、処理部を備える。
【0054】
ドライバ端末300において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、荷室状態情報取得モジュール320を実現する。また、ドライバ端末300において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、荷室状態情報出力モジュール340を実現する。
【0055】
管理者端末400は、コンピュータ10と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0056】
管理者端末400は、コンピュータ10と同様に、制御部、通信部、処理部を備える。
【0057】
管理者端末400において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、荷室状態情報取得モジュール420、配車予約情報出力モジュール421を実現する。また、管理者端末400において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、荷室状態情報出力モジュール440、配車予約情報受付モジュール441を実現する。
【0058】
[撮影情報出力処理]
図3に基づいて、配車支援システム1が実行する撮影情報出力処理について説明する。図3は、コントローラ100、撮影装置200が実行する撮影情報出力処理のフローチャートを示す図である。上述した各装置のモジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0059】
タイミング取得モジュール120は、荷役の開始のタイミングを取得する(ステップS10)。ステップS10において、タイミング取得モジュール120は、荷室の扉に設けられたスイッチから、扉の開信号を検知することにより、このタイミングを取得する。タイミング取得モジュール120は、この開信号を検知したことを契機として、荷役の開始を判定することになる。
【0060】
なお、タイミング取得モジュール120は、車両の位置情報に基づいて、荷役の開始のタイミングをさらに取得する構成も可能である。この場合、車両の位置情報が納場の位置情報の所定範囲のエリアに位置することが条件となる。この場合について説明する。
【0061】
コンピュータ10は、コントローラ100やドライバ端末300がGPS等から取得する車両の現在位置を示す車両位置情報を取得する。コントローラ100は、自身が取得した車両位置情報を、ドライバ端末300を介してコンピュータ10に出力する。ドライバ端末300は、自身が取得した車両位置情報を、コンピュータ10に出力する。コンピュータ10は、この車両位置情報を受信することにより、車両位置情報を取得することになる。このとき、コンピュータ10は、この車両位置情報を所定時間毎(例えば、5秒毎)に取得する。
【0062】
コンピュータ10は、予め自身が記録する納場のマスター情報(納場として登録された位置情報)と、今回取得した車両位置情報とを比較する。コンピュータ10は、車両位置情報が、マスター情報における位置情報の所定範囲のエリアに位置するか否かを判定する。コンピュータ10は、位置する場合、車両が、所定時間以上(例えば、5分以上)このエリアに留まっているか否かを判定する。コンピュータ10は、車両が留まっていると判定した場合、予め自身が記録する運行情報の納場に到着したと判定し、この時の時間を、納場への到着時間として判定する。コンピュータ10は、自身が記録する運行情報におけるこの車両の位置をこの納場に更新する。
【0063】
タイミング取得モジュール120は、この判定結果を、ドライバ端末300を介して取得することにより、荷役の開始を判定する。
【0064】
これにより、配車支援システム1は、納場に到着し、且つ扉が開くことにより、荷役の開始を判定することが可能となる。このとき、扉の開閉が必要条件であり、納場への到着は、荷役の開始をより正確に判定するための条件である。
【0065】
撮影開始指示モジュール121は、撮影装置200に、荷室の画像の撮影開始を指示する撮影開始指示を出力する(ステップS11)。ステップS11において、撮影開始指示モジュール121は、撮影装置200に、画像の撮影開始を指示する。
【0066】
撮影モジュール240は、この撮影開始指示に従って、荷室の撮影を開始する(ステップS12)。ステップS12において、撮影モジュール240は、所定時間間隔連続で、荷室を撮影する。
【0067】
撮影情報出力モジュール220は、撮影した荷室の画像と、車両の識別子と、撮影日時とを、撮影情報としてコントローラ100に出力する(ステップS13)。ステップS13において、コントローラ100は、この撮影情報を受信することにより、撮影情報を取得することになる。
【0068】
なお、撮影情報出力モジュール220は、この撮影情報を、コントローラ100を介して、ドライバ端末300に出力する構成も可能である。この場合、撮影情報出力モジュール220は、撮影情報をコントローラ100に出力し、コントローラ100は、この出力された撮影情報を、ドライバ端末300に出力する。ドライバ端末300は、この撮影情報を受信することにより、撮影情報を取得することになる。
【0069】
タイミング取得モジュール120は、荷役の終了のタイミングを取得したか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14において、タイミング取得モジュール120は、荷室の扉に設けられたスイッチから、扉の閉信号を検知することにより、このタイミングを取得する。タイミング取得モジュール120は、この閉信号を検知したことを契機として、荷役の終了を判定することになる。
【0070】
なお、タイミング取得モジュール120は、車両の位置情報に基づいて、荷役の終了のタイミングをさらに取得する構成も可能である。この場合、車両の位置情報が納場の位置情報の所定範囲のエリアから離れることが条件となる。この場合について説明する。
【0071】
コンピュータ10は、コントローラ100やドライバ端末300から上述した車両位置情報を取得する。
【0072】
コンピュータ10は、予め自身が記録する納場のマスター情報と、今回取得した車両位置情報とを比較する。コンピュータ10は、車両位置情報が、マスター情報における位置情報の所定範囲のエリアに位置するか否かを判定する。コンピュータ10は、位置しない場合、予め自身が記録する運行情報の納場から出発したと判定し、この時の時間を、納場からの出発時間として判定する。コンピュータ10は、自身が記録する運行情報におけるこの車両の位置をこの納場から運行ルート上に更新する。
【0073】
タイミング取得モジュール120は、この判定結果を、ドライバ端末300を介して取得することにより、荷役の終了を判定する。
【0074】
これにより、配車支援システム1は、扉が閉まり、かつ納場から出発したことにより、荷役の終了を判定することが可能となる。このとき、扉の開閉が必要条件であり、納場からの出発は、荷役の終了をより正確に判定するための条件である。
【0075】
ステップS14において、タイミング取得モジュール120は、取得していないと判定した場合(ステップS14 NO)、コントローラ100は、取得するまで、本処理を繰り返す。この間、コントローラ100は、撮影情報を取得し続けることになる。
【0076】
一方、ステップS14において、タイミング取得モジュール120は、取得したと判定した場合(ステップS14 YES)、撮影終了指示モジュール122は、撮影装置200に、荷室の画像の撮影終了を指示する撮影終了指示を出力する(ステップS15)。ステップS15において、撮影終了指示モジュール122は、撮影装置200に、画像の撮影終了を指示する。撮影装置200は、この指示に従って、画像の撮影を終了する。
【0077】
撮影モジュール240は、この撮影終了指示に従って、荷室の撮影を終了する(ステップS16)。
【0078】
撮影情報選定モジュール140は、コンピュータ10に出力する撮影情報を選定する(ステップS17)。ステップS17において、撮影情報選定モジュール140は、画像及び撮影日時と、荷役の終了のタイミングとに基づいて、撮影情報を選定する。撮影情報選定モジュール140は、撮影日時が、荷役の終了のタイミングに近く、かつ画像が、荷室内に積み込まれた荷物が明瞭に写っているものを基準として、撮影情報を選定する。
【0079】
なお、上述したステップS13の処理において、撮影装置200が、ドライバ端末300に撮影情報を出力する場合、ステップS17の処理は、ドライバ端末300が実行する事になる。
【0080】
撮影情報出力モジュール123は、選定した撮影情報を、コンピュータ10に出力する(ステップS18)。ステップS18において、撮影情報出力モジュール123は、ドライバ端末300を介して、撮影情報をコンピュータ10に出力する。
【0081】
なお、上述した撮影情報における画像は、動画でも可能であるが、データ量の抑制や切り出しのタイミングの制御等を理由として、静止画であることが好ましい。ただし、画像から、3次元化できるものであれば、その限りではない。
【0082】
以上が、撮影情報出力処理である。
【0083】
[撮影情報解析処理]
図4に基づいて、配車支援システム1が実行する撮影情報解析処理について説明する。図4は、コンピュータ10が実行する撮影情報解析処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。なお、本処理は、コンピュータ10が実行するものに限らず、コンピュータ10、コントローラ100、撮影装置200、ドライバ端末300、管理者端末400の何れか又は複数の構成により実行される構成であってもよい。
【0084】
撮影情報取得モジュール20は、コントローラ100が出力した撮影情報を取得する(ステップS20)。ステップS20において、撮影情報取得モジュール20は、上述したステップS18の処理により、出力された撮影情報を受信することにより、撮影情報を取得することになる。
【0085】
撮影情報解析モジュール40は、取得した撮影情報を解析する(ステップS21)。ステップS21において、撮影情報解析モジュール40は、撮影情報における画像を画像解析する。撮影情報解析モジュール40は、画像解析した結果として、この画像の特徴点や特徴量を抽出する。撮影情報解析モジュール40は、抽出した特徴点や特徴量に基づいて、荷室内の荷物の荷姿と積載量と積載率とを示す積載状態を解析する。撮影情報解析モジュール40は、画像における荷室内の荷物の外観、数量、配置、状態等に基づいて、この積載状態を解析する。
【0086】
モデル化モジュール41は、積載状態の解析結果に基づいて、荷姿をモデル化する(ステップS22)。ステップS22において、モデル化モジュール41は、解析した荷姿に基づいて、この荷姿の二次元モデルや三次元モデルを作成する。
【0087】
スペース解析モジュール42は、積載状態の解析結果に基づいて、荷室内における積載可能スペースの大きさを解析する(ステップS23)。ステップS23において、積載可能スペースは、例えば、荷室内における空き床面積であり、大きさは、例えば、パレット単位である。スペース解析モジュール42は、解析した荷姿、積載量及び積載率の何れか又は複数の組み合わせに基づいて、この積載可能スペースの大きさを解析する。
【0088】
以上が、撮影情報解析処理である。
【0089】
[荷室状態情報出力処理]
図5に基づいて、配車支援システム1が実行する荷室状態情報出力処理について説明する。図5は、コンピュータ10、管理者端末400が実行する荷室状態情報出力処理のフローチャートを示す図である。上述した各装置のモジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。なお、管理者端末400が実行する各処理を、ドライバ端末300が実行する構成であってもよい。
【0090】
運行情報取得モジュール43は、運転中の車両の運行情報を取得する(ステップS30)。ステップS30において、運行情報は、上述した通り、納場情報及び車両情報である。運行情報取得モジュール43は、記録モジュール30が、予め記録したドライバ端末300や管理者端末400から取得した運行情報を取得する。
【0091】
コンピュータ10は、コントローラ100やドライバ端末300がGPS等から取得する車両の現在位置を示す車両位置情報を取得する。記録モジュール30は、この車両位置情報を運行情報として記録する。また、コンピュータ10は、管理者端末400が入力を受け付けた運行情報を取得する。記録モジュール30は、この運行情報を記録する。記録モジュール30は、これまでに記録した運行情報に、今回取得した運行情報を追加又は更新等行うことになる。
【0092】
運行情報取得モジュール43は、このようにして記録された運行情報を取得することになる。
【0093】
なお、コンピュータ10は、管理者端末400が記録する運行情報を取得する構成であってもよい。
【0094】
紐付モジュール44は、取得した運行情報に基づいて、車両の車両位置毎に、解析した積載状態、取得した撮影情報における画像、モデル化した荷姿及び積載可能スペースの大きさを荷室状態情報として紐付ける(ステップS31)。紐付モジュール44は、取得した車両位置情報に基づいて、車両の車両位置を特定する。紐付モジュール44は、この車両位置に、荷室状態情報を紐付ける。紐付の方法は、例えば、上述した通り、例えば、車両マークの色分け、画像やテキスト等を記載、表やグラフ等を記載である。
【0095】
具体的には、紐付モジュール44は、地図上における車両位置に該当する場所に、車両マークを重畳させる。この結果、紐付モジュール44は、地図上に車両の位置を示すことになる。紐付モジュール44は、この車両マークに、荷室状態情報を対応付ける。この結果、紐付モジュール44は、荷室状態情報を紐付けることになる。
【0096】
また、紐付モジュール44は、運行情報の表における車両位置に該当する箇所に、荷室状態情報を追加する。この結果、紐付モジュール44は、車両位置に、荷室状態情報を紐付けることになる。
【0097】
なお、紐付モジュール44は、荷室状態情報として、積載状態、画像、モデル化した荷姿又は積載可能スペースの何れか又は複数の組み合わせを紐付ける構成であってもよい。
【0098】
荷室状態情報出力モジュール21は、車両位置及び紐付けた荷室状態情報を出力する(ステップS32)。ステップS32において、荷室状態情報出力モジュール21は、この車両位置及び荷室状態情報を、管理者端末400に出力する。荷室状態情報取得モジュール420は、この車両位置及び荷室状態情報を受信することにより、車両位置及び荷室状態情報を取得することになる。
【0099】
荷室状態情報出力モジュール440は、取得した車両位置及び荷室状態情報を、出力する(ステップS33)。ステップS33において、荷室状態情報出力モジュール440は、取得した車両位置及び荷室状態情報を自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、出力することになる。
【0100】
この結果、コンピュータ10は、車両位置及び荷室状態情報を、管理者端末400に出力させることになる。
【0101】
なお、荷室状態情報出力モジュール21は、車両位置及び紐付けた荷室状態情報を、ドライバ端末300に出力させる構成であってもよい。荷室状態情報出力モジュール21は、この車両位置及び荷室状態情報を、ドライバ端末300に出力する。荷室状態情報取得モジュール320は、この車両位置及び荷室状態情報を受信することにより、車両位置及び荷室状態情報を取得することになる。荷室状態情報出力モジュール340は、取得した車両位置及び荷室状態情報を自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、出力することになる。
【0102】
この結果、コンピュータ10は、荷室状態情報を、ドライバ端末300に出力させることになる。
【0103】
図10に基づいて、管理者端末400が出力する車両位置及び紐付けた荷室状態情報について説明する。図10は、管理者端末400が出力する車両位置及び紐付けられた荷室状態情報の一例を模式的に示す図である。図10において、荷室状態情報出力モジュール440は、動態管理画面500として、車両位置及び荷室状態情報を出力した状態である。荷室状態情報出力モジュール440は、動態管理画面500として、車両の位置情報に基づいて、車両マーク510及び地図520を表示する。この車両マーク510の其々は、荷室状態情報530が示す内容に従って、色分けがなされている。ここでは、積載率によって車両マーク510の色分けが行われているが、これ以外、例えば、積載状態、画像、モデル化した荷姿又は積載可能スペースの何れか又は複数の組み合わせに従って、色付け等が行われていてもよい。車両マーク510は、地図520上における、車両の位置情報に該当するに重畳して表示される。荷室状態情報出力モジュール440は、管理者が、各車両マーク510の選択入力や、ドライバID、車両ID、運行ルート等の入力を行うことにより、動態管理画面500に、検索結果表示欄540として運行情報や荷室状態情報の一部又は全部を表示する。
【0104】
図11に基づいて、管理者端末400が出力する車両位置及び紐付けた荷室状態情報について説明する。図11は、管理者端末400が出力する車両位置及び紐付けられた荷室状態情報の一例を模式的に示す図である。図11において、荷室状態情報出力モジュール440は、管理画面600として、車両位置及び荷室状態情報を出力した状態である。荷室状態情報出力モジュール440は、管理画面600として、様々な項目を記載した表を表示する。荷室状態情報出力モジュール440は、車両の位置情報に該当する項目にその旨を記載し(積卸区分における「発」や「―」や、「着」)、この車両位置毎に、画像610や積載率や荷姿等を紐付けて出力する。この画像610は、管理者からの選択入力を受け付けることにより、拡大表示が可能となっている。ここでは、積載率によって車両マーク510の色分けが行われているが、これ以外、例えば、モデル化した荷姿又は積載可能スペースの何れか又は複数の組み合わせに従って、項目に追加することが行われていてもよい。
【0105】
以上が、荷室状態情報出力処理である。
【0106】
[配車予約処理]
図6に基づいて、配車支援システム1が実行する配車予約処理について説明する。図6は、コンピュータ10、管理者端末400が実行する配車予約処理のフローチャートを示す図である。上述した各装置のモジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0107】
配車予約情報受付モジュール441は、管理者から車両の配車予約に関する情報である配車予約情報の入力を受け付ける(ステップS40)。ステップS40において、配車予約情報は、例えば、顧客の識別子、納場、荷役日時、車種である。配車予約情報受付モジュール441は、直接入力又は選択入力により、この配車予約情報を受け付ける。
【0108】
配車予約情報出力モジュール421は、受け付けた配車予約情報を、コンピュータ10に出力する(ステップS41)。ステップS41において、配車予約情報出力モジュール421は、配車予約情報を、コンピュータ10に出力する。コンピュータ10は、この配車予約情報を受信することにより、配車予約情報を取得し、配車予約情報を受け付けることになる。
【0109】
紐付モジュール44は、上述したステップS30の処理において取得した運行情報と、受け付けた配車予約情報とに基づいて、この配車予約が行われた車両の車両位置に、予約マークを付与し、上述した荷室状態情報に、更に配車予約情報を紐付ける(ステップS42)。ステップS42において、紐付モジュール44は、受け付けた配車予約に基づいて、配車予約が行われた車両を特定し、この車両の位置情報を、運行情報に基づいて特定する。紐付モジュール44は、この車両位置に、積載状態、画像、モデル化した荷姿、積載可能スペースの大きさ及び配車予約情報を、荷室状態情報として紐付ける。紐付の方法は、上述したステップS31の処理と同様である。
【0110】
荷室状態情報出力モジュール21は、予約車両の車両位置及び紐付けた荷室状態情報を出力する(ステップS43)。ステップS43において、荷室状態情報出力モジュール21は、この予約車両の車両位置及び荷室状態情報を、管理者端末400に出力する。荷室状態情報取得モジュール420は、この予約車両の車両位置及び荷室状態情報を受信することにより、予約車両の車両位置及び荷室状態情報を取得することになる。
【0111】
荷室状態情報出力モジュール440は、取得した予約車両の車両位置及び荷室状態情報を、出力する(ステップS44)。ステップS44において、荷室状態情報出力モジュール440は、取得した予約車両の車両位置及び荷室状態情報を自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、出力することになる。
【0112】
この結果、コンピュータ10は、予約車両の車両位置及び荷室状態情報を、管理者端末400に出力させることになる。
【0113】
なお、荷室状態情報出力モジュール21は、予約車両の車両位置及び紐付けた荷室状態情報を、ドライバ端末300に出力させる構成であってもよい。荷室状態情報出力モジュール21は、この予約車両の車両位置及び荷室状態情報を、ドライバ端末300に出力する。荷室状態情報取得モジュール320は、この予約車両の車両位置及び荷室状態情報を受信することにより、予約車両の車両位置及び荷室状態情報を取得することになる。荷室状態情報出力モジュール340は、予約車両の取得した車両位置及び荷室状態情報を自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、出力することになる。
【0114】
以上が、配車予約処理である。
【0115】
[予測処理]
図7に基づいて、配車支援システム1が実行する予測処理について説明する。図7は、コンピュータ10が実行する予測処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0116】
学習モジュール45は、過去の配送記録から、荷姿及び配送場所を学習する(ステップS50)。ステップS50において、過去の配送記録は、例えば、配送場所(顧客)の識別子、配送場所(顧客)における積載状態、画像、モデル化した荷姿、積載可能スペースの大きさである。学習モジュール45は、過去の配送記録に基づいて、配送場所における荷姿(積載状態、画像、モデル化した荷姿、積載可能スペースの大きさ)を学習する。
【0117】
なお、学習モジュール45は、次回以降の配送の結果得られた配送記録を、さらに学習に利用する構成であってもよい。
【0118】
記録モジュール30は、学習結果を、記録する(ステップS51)。
【0119】
予測モジュール46は、学習結果に基づいて、配送場所の荷姿を予測する(ステップS52)。ステップS52において、予測モジュール46は、学習結果に基づいて、配送場所での荷姿を予測し、この配送場所での集荷後の荷室状態を予測する。
【0120】
以上が、予測処理である。
【0121】
[予測荷室状態出力処理]
図8に基づいて、配車支援システム1が実行する予測荷室状態出力処理について説明する。図8は、コンピュータ10、管理者端末400が実行する予測荷室状態出力処理のフローチャートを示す図である。上述した各装置のモジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0122】
紐付モジュール44は、上述したステップS30の処理において取得した運行情報と、上述したステップS52の処理において予測した荷室状態を示す予測荷室状態情報とに基づいて、この予測が行われた車両の車両位置に、予測マークを付与し、上述した荷室状態情報に、更に予測荷室状態情報を紐付ける(ステップS60)。ステップS60において、紐付モジュール44は、予測した予測荷室状態情報に基づいて、予測が行われた車両を特定し、この車両の位置情報を、運行情報に基づいて特定する。紐付モジュール44は、この車両位置に、積載状態、画像、モデル化した荷姿、積載可能スペースの大きさ及び予測荷室状態情報を、荷室状態情報として紐付ける。紐付の方法は、上述したステップS31の処理と同様である。
【0123】
荷室状態情報出力モジュール21は、予測が行われた車両の車両位置及び紐付けた荷室状態情報を出力する(ステップS61)。ステップS61において、荷室状態情報出力モジュール21は、この予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を、管理者端末400に出力する。荷室状態情報取得モジュール420は、この予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を受信することにより、予約車両の車両位置及び荷室状態情報を取得することになる。
【0124】
荷室状態情報出力モジュール440は、取得した予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を、出力する(ステップS62)。ステップS62において、荷室状態情報出力モジュール440は、取得した予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、出力することになる。
【0125】
この結果、コンピュータ10は、予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を、管理者端末400に出力させることになる。
【0126】
なお、荷室状態情報出力モジュール21は、予測が行われた車両の車両位置及び紐付けた荷室状態情報を、ドライバ端末300に出力させる構成であってもよい。荷室状態情報出力モジュール21は、この予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を、ドライバ端末300に出力する。荷室状態情報取得モジュール320は、この予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を受信することにより、予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を取得することになる。荷室状態情報出力モジュール340は、取得した予測が行われた車両の車両位置及び荷室状態情報を自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、出力することになる。
【0127】
以上が、予測荷室状態出力処理である
【0128】
[積載可否判定処理]
図9に基づいて、配車支援システム1が実行する積載可否判定処理について説明する。図9は、コンピュータ10が実行する積載可否判定処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0129】
集荷依頼情報受付モジュール22は、顧客端末から、集荷依頼情報を受け付ける(ステップS70)。ステップS70において、顧客端末は、荷物の集荷に必要な情報である集荷依頼情報(例えば、顧客の識別子、集荷内容、集荷場所、集荷日時、車種)の入力を受け付ける。顧客端末は、受け付けた集荷依頼情報を、コンピュータ10に出力する。集荷依頼情報受付モジュール22は、集荷依頼情報を受信することにより、集荷依頼情報を受け付けることになる。
【0130】
積載可否判定モジュール47は、上述したステップS52の処理において予測した配送場所の荷姿に基づいて、受け付けた集荷依頼情報における集荷依頼の積載可否を判定する(ステップS71)。ステップS71において、積載可否判定モジュール47は、集荷依頼情報における集荷場所及び集荷内容と、予測した配送場所における荷室状態と比較し、予測した荷室状態が、集荷依頼情報における集荷内容を満たすものであるか否かを判定する。すなわち、積載可否判定モジュール47は、集荷依頼における荷物の数量が、予測した荷室状態に積載可能なものであるか否かを判定する。
【0131】
積載可否判定モジュール47は、積載できないと判定した場合(ステップS71 NO)、コンピュータ10は、本処理を終了する。このとき、コンピュータ10は、顧客端末に、集荷できない旨を示す通知を出力させる構成であってもよい。また、コンピュータ10は、上述した予測荷室状態出力処理において紐付けた他の積載可能な車両に、今回積載可能な車両がある場合、これを顧客端末に出力させる構成であってもよい。
【0132】
一方、ステップS71において、積載可能と判定した場合(ステップS71 YES)、集荷通知モジュール23は、集荷依頼を受け付け、集荷を行うことを示す集荷通知を、顧客端末に出力させる(ステップS72)。ステップS72において、集荷通知モジュール23は、この集荷通知を、顧客端末に出力する。顧客端末は、この集荷通知を受信し、自身の表示部に表示や音声部から放音することにより、集荷通知を出力する。この結果、コンピュータ10は、集荷通知を、顧客端末に出力させることになる。
【0133】
なお、コンピュータ10は、管理者端末400に積載可能な集荷依頼を受け付けた旨の通知を出力するとともに、管理者端末400から、配車予約を受け付けることにより、上述した配車予約処理を実行する構成も可能である。
【0134】
以上が、積載可否判定処理である。
【0135】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD-ROMなど)、DVD(DVD-ROM、DVD-RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0136】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0137】
1 配車支援システム、10 コンピュータ、100 コントローラ、200 撮影装置、300 ドライバ端末、400 管理者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11