(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】照明器具及びヒートシンク
(51)【国際特許分類】
F21V 29/77 20150101AFI20220829BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20220829BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20220829BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220829BHJP
【FI】
F21V29/77
F21S8/02 400
F21V29/503
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021119881
(22)【出願日】2021-07-20
(62)【分割の表示】P 2019014634の分割
【原出願日】2019-01-30
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】本木 直哉
(72)【発明者】
【氏名】青木 亮介
【審査官】上尾 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0025322(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/77
F21S 8/02
F21V 29/503
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱フィンを備える照明器具であって、
前記放熱フィンは、1枚の板金を折り曲げて形成した2枚のフィン部を有し、
前記2枚のフィン部は、各フィン部の立設方向の一方の辺にて
曲線的に連続し、他方の辺に向かうにつれて離れるよう対向する
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記放熱フィンは、さらに、前記1枚の板金を折り曲げて形成した2個の固定部を有し、
前記2個の固定部のうちの1個は、前記2枚のフィン部の間に位置するよう折り曲げら
れ、
前記2枚のフィン部の一方が前記2個の固定部の一方から立設し、
前記2枚のフィン部の他方が前記2個の固定部の他方から立設
し、
前記2個の固定部は被取付部に固定されている
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記2枚のフィン部の一方は、前記2個の固定部の他方とは連続せず、前記2個の固定
部の一方と連続し、
前記2枚のフィン部の他方は、前記2個の固定部の一方とは連続せず、前記2個の固定
部の他方と連続する
請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
放熱フィンを備えるヒートシンクであって、
前記放熱フィンは、1枚の板金を折り曲げて形成した2枚のフィン部を有し、
前記2枚のフィン部は、各フィン部の立設方向の一方の辺にて曲線的に連続し、他方の辺に向かうにつれて離れるよう対向する
ヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱部を有する照明器具及びヒートシンクに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、アルミ薄板を折り曲げて、丸穴を有する固定部(底板部)と、底板部の両端からそれぞれ起立するフィン(冷却リブ)とから成る断面コの字型形状の冷却フィンであって、その丸穴に、被取付部であるフレームに形成された凸状ボスが嵌め込まれてかしめられて密着することにより、冷却フィンとフレームとが一体構造をなす技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の冷却フィンでは、固定部と被取付部とが密着することで、被取付部と固定部との伝熱量を増大させているものの、被取付部に伝えられた熱がフィン2枚のそれぞれに同じ固定部を介して伝わるため、熱のフィンへの伝達が十分でない場合がありうる。
【0005】
そこで、本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、被取付部に伝えられた熱を従来よりも効率良くフィンに伝達することができる照明器具及びヒートシンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る照明器具は、放熱フィンを備える照明器具であって、前記放熱フィンは、1枚の板金を折り曲げて形成した2枚のフィン部と2個の固定部とを有し、前記2個の固定部が、それぞれ被取付部に固定される。
【発明の効果】
【0007】
上述の構成により、本発明に係る照明器具は、被取付部に伝えられた熱を従来よりも効率良くフィン部に伝達することができ、放熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具の外観を表す下方斜視図
【
図2】
図1の照明器具が備えるヒートシンクについて説明するための平面図
【
図3】
図2のヒートシンクが備える放熱フィンを形成する元となる1枚の板材について説明するための図
【
図4】(a)放熱フィンの平面図、(b)同正面図、(c)同側面図
【
図5】放熱フィンとベース部とのかしめによる固定について説明するための模式図
【
図6】
図2のA-A線における本発明の実施形態に係る照明器具の断面図
【
図7】(a)第2の実施形態に係る照明器具が備えるヒートシンクについて説明するための平面図、(b)
図7(a)における2つの放熱フィンの拡大図
【
図8】(a)
図7(b)の1つの放熱フィンの正面図、(b)同側面図
【
図9】本発明の一変形例に係るベース部を省略し器具本体に放熱フィンを固定した照明器具を表す図
【
図10】(a)本発明の一変形例に係る放熱フィンの平面図、(b)同正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.第1の実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る照明器具1について図面を参照しながら説明する。
【0010】
照明器具1は、
図1に示すように、器具本体11にヒートシンク13が取り付けられて成り、光源が発する光を開口部15から照射する、いわゆるダウンライトである。光源には、一例として、LED(Light Emitting Diode)が用いられている。ヒートシンク13は、ベース部131の表面にフィン部を形成したもので、
図6に示すように、ベース部131の裏面には、プリント基板113上に複数のLED111を搭載したLED基板115、及び、複数のレンズ117を備え各LED111の発光面側に各レンズ117が位置するレンズモジュール119が固定され、LED111が発する熱が伝達されると、その熱は周囲の大気中に放散される。
【0011】
ヒートシンク13は、一例として、
図2及び
図4(a)~
図4(c)に示すように、2枚のフィン部(133a、133b)と2個の固定部(135a、135b)とを有する放熱フィン132が、複数(一例として14個)、ベース部131上に円環状に並べられ、固定されて成る。
【0012】
<ベース部131>
ベース部131は、被取付部の一例であり、アルミニウム、アルミニウム合金、銅などの熱伝導率の高い金属により構成される。ベース部131は、一例として、平板状の部材であり、表面に放熱フィン132が固定される。ベース部131は、裏面からプレス加工されることにより、表面に凸状のボス139が複数形成されている(
図5参照)。ボス139は、放熱フィン132の固定部135a、135bを固定するために用いられる。ここで、ボス139は、ベース部131の表面において放熱フィン132が放射状に並ぶ位置に、円環状に配されている。なお、ベース部131と放熱フィン132との固定は、かしめ加工に限るものではなく、固定がされれば足り、例えば、接着、融着などによっても構わない。
【0013】
<放熱フィン132>
放熱フィン132は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅などの熱伝導率の高い材料により構成される。放熱フィン132は、1枚の薄い板金を切断及び穴あけ加工することで形成された1枚の板材MBを、折り曲げ加工するという簡易な作業によって形成することができる。また、押出法又はダイキャスト法の場合に必要な特別な加工設備は不要となり、所要設備費の低減が可能となる。
【0014】
板材MBは、一例として
図3に示すように、破線で模式的に表した中央部CLにて連続するフィン部133a及びフィン部133b、フィン部133aの下端の一部である折り曲げ部FP1にてフィン部133aに連続する台形状の固定部135a、フィン部133bの下端の一部である折り曲げ部FP2にてフィン部133bに連続する台形状の固定部135bを含み、フィン部133aとフィン部133bの境目である中央部CLの下端部分に切り欠きNPが設けられている。切り欠きNPは、フィン部133aとフィン部133bの境目の下端部分に設けることとしたが、これに限らず、例えば、境目の中央部分に設けてもよいし、上端部分に設けてもよい。また、切り欠きの大きさは、一例として、中央部CLの1/4程度としているが、これに限らず、例えば、1/3、1/2、2/3であってもよいし、中央部CLの大部分を占めてもよい。また、切り欠きの個数は、2個以上であってもよい。
【0015】
板材MBは、折り曲げ部FP1において、フィン部133aと固定部135aとが一例として直角を成すよう谷折りされ(
図3における紙面手前に向けて折られ)、折り曲げ部FP2において、フィン部133bと固定部135bとが一例として直角を成すよう山折りされ(
図3における紙面奥に向けて折られ)、中央部CLを中心に曲げられる。このように簡易な手順によって、一例として
図4(a)~
図4(c)に示す、固定部135aに対しフィン部133aが垂直に立設し、固定部135bに対しフィン部133bが垂直に立設し、フィン部133aとフィン部133bとが、それぞれの立設方向の一方の辺に相当する中央部CLにて連続し、中央部CLから離れてそれぞれの他方の辺に向かうにつれてフィン部133aとフィン部133bとの間隔が離れるよう対向し、中央部CL下端部分に切り欠きNPが設けられた放熱フィン132が形成される。
図2に示すように、ベース部131に放熱フィン132を円環状に並べることにより、放熱フィン132が放射状となり、ヒートシンク13の外周、放熱フィン132の外周側から中心方向に向けて流入する空気によって、ヒートシンク13の中央部分、ひいてはヒートシンク13全体を冷却でき、冷却効果が高まる。なお、フィン部133a及びフィン部133bは、固定部135a及び固定部135bに対して必ずしも垂直に立設する必要はなく、固定部135a及び固定部135bに対して鋭角又は鈍角を成す態様で立設していてもよい。また、フィン部133aとフィン部133bとは、平面視にて中央部CL近傍で曲線的につながっているが、これに限らず、鋭角、鈍角を成してつながってもよい。
【0016】
ここで、固定部135aには、
図3及び
図4(a)に示すように、孔部136a及び孔部137aが設けられており、固定部135bには、孔部136b及び孔部137bが設けられている。そして、
図5に示すように、孔部137aにはボス139が貫通されて、ボス139の先端がかしめられる。孔部136a、136b及び137bについても、孔部137aの場合と同様に、ベース部131におけるボス139が貫通されて、ボス139の先端がかしめられる。これにより、ベース部131と放熱フィン132とが密着し固定されて、LED111からベース部131に伝わる熱が、放熱フィン132へと伝わりやすくなる。
【0017】
放熱フィン132では、2枚のフィン部の一方であるフィン部133aが、2個の固定部の一方である固定部135aに連続し、2個の固定部の他方である固定部135bとは連続しない。また、2枚のフィン部の他方であるフィン部133bが、2個の固定部の一方である固定部135aとは連続せず、2個の固定部の他方である固定部135bに連続する。このように、1つのフィン部に1つの固定部が連続しているため、ベース部131からフィン部に対して従来よりも熱が伝わりやすくなる。すなわち、1つの固定部の両端それぞれからフィンがそれぞれ立設するような従来の構成に比べ、LED111からベース部131に伝わった熱が、フィン部(133a、133b)に伝わりやすく放熱性能に優れる。
【0018】
また、
図4(a)に示すように、固定部135aにおける孔部136aの位置は、固定部135bにおける孔部136bの位置と比べ、中央部CLから離れた位置に配されている。孔部136aは、孔部136bとは異なりフィン部133a及びフィン部133bに挟まれており、フィン部133a及びフィン部133bが孔部136aに近接するほど、孔部136aに貫通させたボス139をかしめるために冶具を差し込むなどの作業スペースが狭くなり、作業性が低下してしまう。このため、孔部136aは、作業スペースが確保できる程度にフィン部133a及びフィン部133bの間隔が広くなる位置に設けている。
【0019】
また、切り欠きNPは、
図4(a)に模式的に示すように、ヒートシンク13の外周からヒートシンク13の中心に向けて流入する空気(一例として
図4(a)中にWDとして表記)を全てせき止めてしまわずに、空気の一部をヒートシンク13の中央へ通す通気口としての機能を有する。これにより、切り欠きNPを有さない場合に比べて、空気の流れが滞るのを防ぎ、冷却効果を高めることができる。
【0020】
<2.第2の実施形態>
第1の実施形態では、放熱フィン132に関し、フィン部133a及びフィン部133bが中央部CLにて連続していたが、第2の実施形態では、フィン部133a及びフィン部133bが連続せずに分離する構成としている。
【0021】
放熱フィン132を中央部CLにて分離する構成の場合、固定部(135a、135b)とボス139とをかしめるまではフィン部(133a、133b)が倒れやすくなるため、固定部とボスをかしめる際の作業性が低下する。本実施形態に係る照明器具では、1枚のフィン部と1個の固定部とで構成される放熱フィンを、隣に配される放熱フィンに連結して倒れにくくすることで、放熱フィンの固定部とベース部とを固定する際の作業性を向上させている。
【0022】
本実施形態に係る照明装置におけるヒートシンクは、
図7(a)に示すように、ベース部331上に、放熱フィン(332a、332b、・・・)が複数(一例として28個)円環状に並べられて成る。複数の放熱フィン332a、332b、・・・は、材料、形状、機能などが同じなので、以下では、特に必要な場合を除き放熱フィン332aについて説明する。
【0023】
ベース部331は、ベース部131と同様の部材であり、ベース部131とは設けられたボスの位置が異なる。
【0024】
放熱フィン332aは、
図7(a)、
図7(b)、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、平板状の固定部335aに対し、フィン部333aが垂直に立設し、フィン部333aの上端中央から固定部335aと対向し平行になるよう突設する連結部337aを備えて成る。
【0025】
固定部335aは、台形状の薄板部材であり、孔部343a及び孔部345aが設けられている。孔部343a及び孔部345aのそれぞれに、ベース部331に設けられているボスが貫通され、ボスの先端がかしめられることにより、固定部335aとベース部331とが固定される。これにより、ベース部331と放熱フィン332aとが密着して、LED111からベース部331に伝わる熱が放熱フィン332aへと伝わりやすくなる。
【0026】
フィン部333aは、薄板状の放熱板である。
【0027】
連結部337aは、フィン部333a側である基端部に孔部341aを備え、先端部に引っ掛け部339aを備える。
【0028】
孔部341aは、他の放熱フィンの引っ掛け部(339bなど)が引っ掛かるように形成された孔である。
【0029】
引っ掛け部339aは、鉤状の部分であり、他の放熱フィンの孔部(341bなど)に引っ掛け可能となっている。
【0030】
放熱フィン332bは、
図7(a)、
図7(b)、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、平板状の固定部335bに対し、フィン部333bが垂直に立設し、フィン部333bの上端中央から固定部335bと対向し平行になるよう突設する連結部337bを備えて成る。放熱フィン332bは、放熱フィン332aと同様の構成を有する。
【0031】
放熱フィン(332a、332b、・・・)を、ベース部331に固定する場合、まず、放熱フィンが円環状に並ぶよう連結させながらベース部331上に配置する。具体的には、ベース部331に設けられたボスに、放熱フィン332aの固定部335aに設けられた孔部343a及び孔部345aを貫通させる。そして、
図7(b)に示すように、孔部343a及び孔部345aを貫通させたボスの隣のボスに、放熱フィン332bの固定部335bに設けられた孔部343b及び孔部345bを貫通させる。固定部(335a、335b・・・)は、台形状を有しており、このため密接させて円環状に配列可能である。このとき、放熱フィン332aが備える連結部337aの引っ掛け部339aを、放熱フィン332bが備える連結部337bの孔部341bに引っ掛けて連結部337a及び連結部337bを係合する。これにより、放熱フィン332a及び放熱フィン332bは、係合し、ベース部331上において、ボスがかしめ加工される前であっても、相互に支えあう状態となり倒れにくくなる。
【0032】
他の放熱フィンについても同様に、固定部に設けられた孔部にボスを貫通させるとともに、引っかけ部を隣の放熱フィンが備える孔部には引掛けていく。これにより、放熱フィン(332a、332b、・・・)は、連結された状態で相互に支えつつベース部331上に円環状に並び、倒れにくい状態になる。
【0033】
この状態であれば、作業者は、放熱フィンを手で抑え続けることなく、ボスを順にかしめていくことができるので、ベース部331に放熱フィン(332a、332b、・・・)を固定する際の作業性は向上する。また、ベース部331に放熱フィン(332a、332b、・・・)が固定された後も、放熱フィンが相互に支えあい倒れにくくなっているので、ヒートシンク全体として外力等に対する強度は強くなる。
<3.変形例>
以上、本発明に係る照明器具の実施形態を説明したが、例示した照明器具を以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0034】
(1)上述の実施形態では、照明器具1がダウンライトである例について説明したが、これに限らず、放熱フィンを備える照明器具であれば足りる。例えば、照明器具が、スポットライト、施設照明など形状の全く異なる器具である場合にも本発明は適用可能である。
【0035】
(2)上述の実施形態では、ベース部131は、板状部材であるとしたが、ベース部131を必ずしも備える必要はなく、
図9に示すように、器具本体11の上面に放熱フィン132を固定することとしてもよい。
【0036】
(3)第2の実施形態において、フィン部133a及びフィン部133bが分離する構成とし、連結部(337aなど)を用いて放熱フィンを倒れにくくしたが、連結部を用いない構成により倒れにくくしてもよい。
【0037】
例えば、
図10(a)及び
図10(b)に示すフィン部133aa及びフィン部133baのように、各フィン部の近接する側(中央部CLa側、円環状に並べられる場合の円環中心側)を曲げて曲部141及び142を設け、フィン部133aa及びフィン部133baが相互に支えあうように構成してもよい。
【0038】
この場合に、曲部141及び142の双方に切り欠きNPaを設け、両切り欠きNPaが重なり合うように配置してもよい。これにより、切り欠きNPと同様、切り欠きNPaが通気口となり、空気の流れが滞るのを防ぎ、冷却効果を高めることができる。
【0039】
(4)放熱フィンについては、以下のような構成により倒れにくくすることも可能である。
【0040】
例えば、
図11に示す照明器具では、ヒートシンク13において、複数の放熱フィン171が円環状に並べられ、各放熱フィン171はフィン部173及び固定部175を備えており、各フィン部173は隣接するフィン部173とは連結していない。
【0041】
しかしながら、本変形例に係る照明器具では、円環状に並べられた複数の放熱フィン171の円中心に支持部材151が配されている。支持部材151は、中空又は中実の略円筒状の部材であり、円筒側面部分に溝部が設けられている。これら溝部のそれぞれに、フィン部173の一短辺が入り込むように各放熱フィン171が配されている。よって、溝部の内面にフィン部173が支持されるので、各フィン部173が倒れにくくなっている。
【0042】
なお、支持部材151の高さは、各フィン部173を支持できれば足りる。
【0043】
また、支持部材151は、ベース部131と一体的に形成することとしてもよい。一体的に形成することで、ベース部131と支持部材151の熱伝導が良好になるので、ヒートシンク13における放熱効率がさらに高まり得る。
【0044】
(5)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
<4.補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての照明器具の構成及びその変形例と効果について説明する。
【0045】
(1)本発明の一実施形態に係る照明器具は、放熱フィンを備える照明器具であって、前記放熱フィンは、1枚の板金を折り曲げて形成した2枚のフィン部と2個の固定部とを有し、前記2個の固定部が、それぞれ被取付部に固定される。
【0046】
この構成により、被取付部に伝えられた熱を従来よりも効率良くフィン部に伝達することができ、放熱性を向上した照明器具を提供することができる。
【0047】
(2)また、前記2枚のフィン部の一方が前記2個の固定部の一方から立設し、前記2枚のフィン部の他方が前記2個の固定部の他方から立設することとしてもよい。
【0048】
この構成により、被取付部より固定部に伝わった熱が、固定部に一対一に対応するフィン部により放熱されるので、従来よりも放熱性を向上させることができる。
【0049】
(3)また、前記2枚のフィン部の一方は、前記2個の固定部の他方とは連続せず、前記2個の固定部の一方と連続し、前記2枚のフィン部の他方は、前記2個の固定部の一方とは連続せず、前記2個の固定部の他方と連続することとしてもよい。
【0050】
この構成により、1個の固定部にはフィンが1枚のみ連続するので、被取付部より固定部に伝わった熱が、固定部に連続するフィン部により放熱されるので、従来よりも放熱性を向上させることができる。
【0051】
(4)また、前記2枚のフィン部は、各フィン部の立設方向の一方の辺にて連続し、他方の辺に向かうにつれて離れるよう対向することとしてもよい。
【0052】
この構成により、被取付部に放熱フィンを円環状に並べることにより、放熱フィンが放射状となり、フィンの外周から中心方向に向けて流入する空気により冷却効果を高めることができる。
【0053】
(5)また、前記2枚のフィン部の境目に、切り欠きが設けられることとしてもよい。
【0054】
この構成により、空気の流れが滞るのを防ぎ、冷却効果を高めることができる。
【0055】
(6)本発明の一実施形態に係る照明器具は、放熱フィンを備える照明器具であって、前記放熱フィンは、1枚の板金を折り曲げて形成した、フィン部と、固定部と、連結部とを有し、前記固定部は、密接させて円環状に配列可能であり、前記連結部が、隣接する放熱フィンが備える連結部と係合する。
【0056】
この構成により、フィン部の倒れにくい放熱フィンを備えた照明器具を実現できる。
【0057】
(7)また、前記連結部は、孔部と、隣接する放熱フィンが備える孔部に係合する引っ掛け部とを備えることとしてもよい。
【0058】
この構成により、フィン部の倒れにくい放熱フィンを備えた照明器具を実現できる。
【0059】
(8)また、前記フィン部は、円環中心側が曲げられており、隣接するフィン部を支えることとしてもよい。
【0060】
この構成により、フィン部の倒れにくい放熱フィンを備えた照明器具を実現できる。
【0061】
(9)本発明の一実施形態に係る照明器具は、1枚の板金を折り曲げて形成した、フィン部と、固定部とを有する放熱フィンを備え、前記固定部は、密接させて円環状に配列可能であり、円筒状を有し、円筒側面部分に、前記フィン部の円環中心側を支持する支持部材を備えることとしてもよい。
【0062】
この構成により、フィン部の倒れにくい放熱フィンを備えた照明器具を実現できる。
【0063】
(10)本発明の一実施形態に係るヒートシンクは、放熱フィンを備えるヒートシンクであって、前記放熱フィンは、1枚の板金を折り曲げて形成した2枚のフィン部と2個の固定部とを有し、前記2個の固定部が、それぞれ被取付部に固定される。
【0064】
この構成により、被取付部に伝えられた熱を従来よりも効率良くフィン部に伝達することができ、放熱性を向上したヒートシンクを提供することができる。
【0065】
(11)また、前記被取付部を備えることとしてもよい。
【0066】
この構成により、放熱フィンと被取付部とを一体構成とすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 照明器具
2 フィン
11 器具本体
13 ヒートシンク
15 開口部
131、331 ベース部
132、332a、332b 放熱フィン
133a、133b、333a、333b フィン部
135a、135b、335a、335b 固定部
136a、136b、137a、137b、341a、341b、343a、343b、345a、345b 孔部
139 ボス
337a、337b 連結部
339a、339b 引っ掛け部
CL 中央部
FP1、FP2 折り曲げ部
MB 板材
NP 切り欠き