(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】ローディング組立体
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20220829BHJP
H05K 13/00 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/00 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021123298
(22)【出願日】2021-07-28
【審査請求日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】10 2020 120 026.9
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514076766
【氏名又は名称】エーエスエム・アセンブリー・システムズ・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ブラフマン
(72)【発明者】
【氏名】ト・クエン・ホアン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ケーニヒ
(72)【発明者】
【氏名】フェルディナント・ミヒャルケ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ミッテンドルファー
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ・ウンブリア
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ヴィットムス
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-122753(JP,A)
【文献】特開昭63-060599(JP,A)
【文献】実開平03-107135(JP,U)
【文献】特開2019-204859(JP,A)
【文献】国際公開第2019/229786(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着機の動作高さに取り付けられた複数の供給ユニットからピックアップされた部品と共に、水平輸送経路に沿って移動するワークピースを装着するように、利用時に動作可能とされる装着機のためのローディング組立体において、
利用時に供給ユニットそれぞれを受容し、一時的に保管するための複数のマガジンポートを具備するマガジンであって、前記マガジンポートが、垂直方向において前記動作高さから離隔して配置されており、前記マガジンが、利用時に前記水平輸送経路に対して平行に駆動可能とされる、前記マガジンと、
供給ユニットと係合するように、且つ、前記マガジンの前記マガジンポートそれぞれと前記装着機の前記動作高さとの間に前記供給ユニットを移動させるように動作可能とされる揚重部材を具備する垂直作動機構と、
を備えていることを特徴とするローディング組立体。
【請求項2】
前記マガジンが、シャトルに取り付けられており、
前記シャトルが、前記水平輸送経路に対して垂直とされる方向に移動可能とされることを特徴とする請求項1に記載のローディング組立体。
【請求項3】
前記揚重部材が、前記水平輸送経路に対して平行に前記マガジンに対して相対的に移動可能とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のローディング組立体。
【請求項4】
前記揚重部材が、前記マガジンに移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のローディング組立体。
【請求項5】
前記揚重部材が、前記シャトルに移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のローディング組立体。
【請求項6】
前記垂直作動機構が、少なくとも1つのさらなる揚重部材を備えており、
少なくとも1つの前記さらなる揚重部材が、前記水平輸送経路に対して平行に前記マガジンに対して相対的に移動可能とされることを特徴とする請求項1に記載のローディング組立体。
【請求項7】
前記垂直作動機構が、マガジンに配設された複数の揚重部材を備えており、
前記揚重部材それぞれが、前記マガジンポートそれぞれと位置合わせされており、前記マガジンポートそれぞれに受容された供給ユニットと係合するように、且つ、前記供給ユニットを移動させるように動作可能とされることを特徴とする請求項1又は2に記載のローディング組立体。
【請求項8】
前記ローディング組立体が、水平アクチュエータを備えており、
前記水平アクチュエータが、フィーダローディング位置とカートリッジローディング位置との間において、前記水平輸送経路に対して垂直とされる水平ローディング経路に沿って、前記マガジンに受容された供給ユニットを移動させるように動作可能とされ、
前記フィーダローディング位置では、前記供給ユニットが、前記垂直作動機構によって、前記装着機と直接係合するように前記動作高さに至るまで移動可能とされ、
前記カートリッジローディング位置が、水平方向において前記フィーダローディング位置から離隔している位置とされ、前記カートリッジローディング位置では、前記供給ユニットが、前記垂直作動機構によって、前記動作高さに配置された供給ユニットと直接係合するように前記動作高さに至るまで移動可能とされることを特徴とする請求項1に記載のローディング組立体。
【請求項9】
前記水平アクチュエータが、前記フィーダローディング位置及び前記カートリッジローディング位置の両方から水平方向に離隔している搬送位置に至るまで前記マガジンに受容された供給ユニットを移動させるように動作可能とされ、
前記搬送位置では、前記供給ユニットが、前記ローディング組立体から取り外し可能とされることを特徴とする請求項8に記載のローディング組立体。
【請求項10】
前記水平アクチュエータが、前記マガジンを前記水平ローディング経路に沿って移動させるように動作可能とされることを特徴とする請求項8又は9に記載のローディング組立体。
【請求項11】
前記水平アクチュエータが、前記供給ユニットと前記供給ユニットの前記マガジンポートそれぞれとの距離を変化させるために、供給ユニットと係合するように、且つ、水平ローディング経路に沿って前記供給ユニットを移動させるように動作可能とされることを特徴とする請求項8又は9に記載のローディング組立体。
【請求項12】
前記ローディング組立体が、利用時に前記装着機から遠位の側に、前記供給ユニットを通過させるための開口部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のローディング組立体。
【請求項13】
前記マガジンポートそれぞれが、利用時に前記供給ユニットそれぞれの相手側セクションと相互ロックして係合するための形状を有するセクションを備えており、
前記マガジンポートそれぞれの前記セクションが、前記セクションに受容された前記供給ユニットが前記マガジンポートに対して垂直に滑動するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のローディング組立体。
【請求項14】
装着機であって、前記装着機の動作高さに取り付けられている複数の供給ユニットからピックアップされた部品と共に、水平輸送経路に沿って移動するワークピースを装着するように、利用時に動作可能とされる前記装着機において、
前記装着機が、請求項1に記載のローディング組立体を備えていることを特徴とする装着機。
【請求項15】
前記装着機が、利用時に前記供給ユニットそれぞれと係合するように前記動作高さに配置されている複数の供給ポートを備えていることを特徴とする請求項14に記載の装着機。
【請求項16】
前記供給ポートそれぞれが、利用時に前記供給ユニットそれぞれの相手側セクションと相互ロックして係合するための形状を有するセクションを備えていることを特徴とする請求項15に記載の装着機。
【請求項17】
前記供給ポートそれぞれの前記セクションが、前記セクションに受容された供給ユニットが前記供給ポートに対して垂直に滑動するように形成されていることを特徴とする請求項16に記載の装着機。
【請求項18】
前記装着機が、供給ユニットを備えており、
前記供給ユニットが、部品ベルトから前記装着機の装着ヘッドに部品を供給するためのフィーダを備えていることを特徴とする請求項14に記載の装着機。
【請求項19】
前記装着機が、供給ユニットを備えており、
前記供給ユニットが、部品ベルトを収容するためのカートリッジを備えていることを特徴とする請求項14に記載の装着機。
【請求項20】
20. 請求項18及び19のいずれかに記載の装着機であって、供給ユニットは、利用時にシャトルポートの相手側セクションと連動係合するためのプロファイル部を備え、供給ユニットのプロファイル部は、シャトルポートに受け入れられたときに供給ユニットがシャトルポートに対して垂直方向にスライドすることを可能にするように形成されていることを特徴とする装着機。
【請求項21】
部品供給キットであって、
部品ベルトを収容するためのカートリッジと、
前記部品ベルトから装着機に至るまで部品を供給するためのフィーダと、
を備えている前記部品供給キットにおいて、
前記フィーダと前記カートリッジとがそれぞれ、前記装着機のローディング組立体に設けられている共通のマガジンポートにモジュール式で係合することができるインターフェースを備えていることを特徴とする部品供給キット。
【請求項22】
前記フィーダが、前記カートリッジの前記インターフェースとモジュール式で係合するように構成されているカートリッジインターフェースを備えていることを特徴とする請求項21に記載の部品供給キット。
【請求項23】
水平輸送経路に沿って移動するワークピースを装着するように、部品と共に装着機をローディングするための方法であって、前記部品が、前記装着機の動作高さで供給ポートそれぞれに取付可能とされる複数のフィーダのうち一のフィーダからピックアップされる、前記方法において、
i)第1のフィーダを前記装着機のローディング組立体にローディングするステップであって、前記第1のフィーダが、マガジンの複数のマガジンポートのうち一のマガジンポートに受容され、前記マガジンポートが、前記装着機の動作高さから垂直方向に離隔している、前記ステップと、
ii)前記第1のフィーダが前記水平輸送経路に沿って空の第1の供給ポートと位置合わせされるように、前記水平輸送経路に対して平行に前記マガジンを移動させるステップと、
iii)空の前記第1の供給ポートと係合するように前記第1のフィーダを揚重するステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項24】
前記方法が、
iv)部品ベルトを収容しているカートリッジを前記装着機の前記ローディング組立体にローディングするステップであって、前記カートリッジが、前記マガジンの複数の前記マガジンポートのうち第2のマガジンポートに受容される、前記ステップと、
v)前記カートリッジが、前記水平輸送経路に沿って前記第1の供給ポートの第1のフィーダと位置合わせされるように、シャトルを前記水平輸送経路に対して平行に移動させるステップと、
vi)前記第1のフィーダと係合するように前記カートリッジを揚重するステップと、
を備えていることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ステップv)が、前記カートリッジのインターフェースが前記第1のフィーダそれぞれのインターフェースと位置合わせされるまで、前記水平輸送経路に対して垂直とされる水平ローディング経路に沿って前記カートリッジを移動させるステップを備えていることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、前記第1のフィーダが前記マガジンポートに受容されている際に前記ローディング組立体が第1のフィーダと係合するように、部品ベルトを収容しているカートリッジを前記ローディング組立体にローディングするステップを備えており、
前記ステップii)において、前記マガジンが、前記カートリッジと前記第1のフィーダとが前記水平輸送経路に沿って空の前記第1の供給ポートと位置合わせされるように、前記水平輸送経路に対して平行に移動され、
前記ステップiii)において、前記カートリッジが、前記第1のフィーダと共に揚重されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記方法が、第1の供給ポートを空にする初期ステップを備えており、
前記第1の供給ポートが、
空のマガジンポートが前記水平輸送経路に沿って前記第1の供給ポートと位置合わせされるように、マガジンを移動させることによって、且つ、
前記供給ポートを空にするために、前記第1の供給ポートとの係合を解除するように第2のフィーダを降下させることによって、
第2のフィーダによって初期に占有されることを特徴とする請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローディング組立体、装着機(placement machine)、及び部品供給キット、並びに装着機に部品を積載するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に、いわゆる表面実装技術(SMT)プロセスにおいて、例えばプリント回路板(PCB)、基板やワークピースのような部品キャリア(component carrier)に電子部品を装着する技術分野に関する。
【0003】
電子部品サブ組立体(electronic subassembly)は、典型的には、いわゆる装着機によって製造される。装着機は、部品供給装置から電子部品を自動化された態様で取り出し、取り出された電子部品を例えばプリント回路板のような部品キャリアに装着することができる。部品は、例えばいわゆる装着ヘッドのような部品ハンドリング装置によって、部品供給装置から装着位置に搬送される。
【0004】
小型電子部品のための最も一般的なパッケージは、小さいポケットが形成された“ベルト”と呼称される場合もあるテープを利用している。一の部品がポケットそれぞれに配設されているが、利用される装着ヘッド又は他の部品ハンドリング装置が複数の部品から一の部品を選定することができる場合には、複数の部品が一のポケットに配設されている場合もある。一のタイプの部品のみがベルトそれぞれの内部に配置されている。スペースを節約しつつ輸送を容易にするために、従来通り、テープは、スプールに巻回することによって、リールとして形成されている。一般に、テープリールは、供給装置モジュールの内部に装着されている。ここで、供給装置モジュールは、例えばテープの長さに沿って配設された穴と係合するモータ駆動式ピンホイールのような、テープを前方に駆動させるための駆動手段と、部品にアクセス可能とするためのピックアップ領域又はピックアップ窓とを含んでおり、供給装置モジュールは、装着機に取り外し可能に挿入されている。
【0005】
近年、比較的安価なプラスチック製容器とされるか又はロボットによって容易に保持される所定の形状の外装(envelope)とされる、受動的なカートリッジモジュール又はカセットにリールが装着されているカートリッジシステムが提案されている。カートリッジモジュール又はカセットは、中央ローディングステーションにローディングされた後に、供給装置に挿入可能とされる。代替的に装着機自体がテープ駆動機構を備えている場合には、カートリッジモジュールが装着機に直接挿入可能とされる。カートリッジ及び送給装置の一例は、特許文献1に開示されている。このようなシステムでは、ベルトのポケットに配置された部品が、装着機の装着ヘッドが部品にアクセス可能となるピックアップ領域に移動されるように、供給装置ユニットは、カートリッジユニットの内部に配置された部品ベルトを駆動するために利用される。ピックアップ領域は、具体的な構造に従ってカートリッジの内部又は供給装置の内部に配置されている。
【0006】
装着機を動作させるためには、供給装置(及び/又は設定次第ではカートリッジ)と部品ベルトとを供給可能であることが必要とされる。例えばスマートフォンの製造のように、部品の供給の大部分が動作中に高いスループット率で連続するが、他の電子部品の製造プロセスは、しばしばの設定変更によって特徴づけられているので、供給装置及び/又はカートリッジの交換又は入替が必要とされる。
【0007】
しかしながら、このような既知のシステムに関連して、様々な問題が存在する。
【0008】
ラインにおける材料(すなわち部品ベルト)の再充填は、設備の一新(retooling)(すなわち異なる供給装置/カートリッジの据付)と同様に、現時点では、作業員の高いレベルの技能を必要とする手作業による処理である。ここ数年の間、手作業による補充及び切替を自動化するために、莫大な努力が払われてきた。例えば改良されたシャトルテーブルの自動輸送のような、現在の手法についての一の問題は、材料補充ではなく迅速な設備の一新のみが予定されていること、又は切替プロセスに長時間を要する程に低速で材料が供給されることである。
【0009】
具体的な背景技術については、特許文献2に開示されている。特許文献2に開示されるように、外部交換装置は、供給能力と材料貯蔵との両方を含む供給装置を貯蔵位置と動作位置との間で搬送させるために配設されており、外部交換装置は、ワークピースの処理方向に対して平行に装着機に沿って移動するように動作可能とされる。上述のシステムは、フレキシビリティにかけており、例えばカートリッジベースの供給システムを管理することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】独国特許出願公開第102019127299号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3419402号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、これら問題を処理すること、並びに、設備の一新及び材料の切替の両方についての、迅速で信頼することができる効率的な自動化を可能とするシステムを提供することを目的としている。
【0012】
本発明では、このような目的は、供給装置を改良及び一新するために並びに部品カートリッジの形態をした材料を再充填するために利用可能とされる単一の供給システムを提供することによって達成される。当該システムによって、材料の連続的な補充と迅速な設定変更との両方が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明における第1の実施態様は、装着機の動作高さに取り付けられた複数の供給ユニットからピックアップされた部品と共に、水平輸送経路に沿って移動するワークピースを装着するように、利用時に動作可能とされる装着機のためのローディング組立体において、
利用時に供給ユニットそれぞれを受容し、一時的に保管するための複数のマガジンポートを具備するマガジンであって、マガジンポートが、垂直方向において動作高さから離隔して配置されており、マガジンが、利用時に水平輸送経路に対して平行に駆動可能とされる、マガジンと、
供給ユニットと係合するように、且つ、マガジンのマガジンポートそれぞれと装着機の動作高さとの間に供給ユニットを移動させるように動作可能とされる揚重部材を具備する垂直作動機構と、
を備えていることを特徴とするローディング組立体である。
【0014】
本発明における第2の実施態様は、装着機であって、装着機の動作高さに取り付けられている複数の供給ユニットからピックアップされた部品と共に、水平輸送経路に沿って移動するワークピースを装着するように、利用時に動作可能とされる装着機において、
装着機が、第1の実施態様におけるローディング組立体を備えていることを特徴とする装着機である。
【0015】
本発明における第3の実施態様は、部品供給キットであって、
部品ベルトを収容するためのカートリッジと、
部品ベルトから装着機に至るまで部品を供給するためのフィーダと、
を備えている部品供給キットにおいて、
フィーダとカートリッジとがそれぞれ、装着機のローディング組立体に設けられている共通のマガジンポートにモジュール式で係合することができるインターフェースを備えていることを特徴とする部品供給キットである。
【0016】
本発明における第4の実施態様は、水平輸送経路に沿って移動するワークピースを装着するように、部品と共に装着機をローディングするための方法であって、部品が、装着機の動作高さで供給ポートそれぞれに取付可能とされる複数のフィーダのうち一のフィーダからピックアップされる、方法において、
i)第1のフィーダを装着機のローディング組立体にローディングするステップであって、第1のフィーダが、マガジンの複数のマガジンポートのうち一のマガジンポートに受容され、マガジンポートが、装着機の動作高さから垂直方向に離隔している、ステップと、
ii)第1のフィーダが水平輸送経路に沿って空の第1の供給ポートと位置合わせされるように、水平輸送経路に対して平行にマガジンを移動させるステップと、
iii)空の第1の供給ポートと係合するように第1のフィーダを揚重するステップと、
を備えていることを特徴とする方法である。
【0017】
本発明の他の実施態様及び特徴は、特許請求の範囲に記載されている。
【0018】
本発明について、添付図面(正確な縮尺ではない)を参照しつつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】本発明の一の実施例における、独立した供給ユニットを具備するモジュール式部品供給キットの概略的な斜視図である。
【
図1B】部分的に接続された供給ユニットを具備する、
図1Aに表わす供給キットの概略図である。
【
図1C】係合された供給ユニットを具備する、
図1Aに表わす供給キットの概略図である。
【
図2】本発明の第2の実施例における、独立した供給ユニットを具備するモジュール式部品供給キットの概略的な斜視図である。
【
図3】本発明におけるローディング組立体の主要部品の斜視図である。
【
図4】動作高さに2つのフィーダを含んでいる、
図3に表わすローディング組立体の概略図である。
【
図5】ローディング動作の開始時における、
図3に表わすローディング組立体の概略的な正面図である。
【
図6】ローディング動作の割り出しステップの後における、
図5に表わすローディング組立体の概略的な正面図である。
【
図7】
図5に表わすローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図8】フィーダの揚重の際における、
図5に表わすローディング組立体の概略的な正面図である。
【
図9】
図8に表わすローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図10】ローディング動作の後における、
図9に表わすローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図11】カートリッジのためのローディング動作における概略的な断面側面図である。
【
図12】カートリッジのためのローディング動作における概略的な断面側面図である。
【
図13】カートリッジのためのローディング動作における概略的な断面側面図である。
【
図14】カートリッジのためのローディング動作における概略的な断面側面図である。
【
図15】供給ユニット搬送位置における、
図5に表わすローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図16】既にカートリッジがローディングされたフィーダをローディングするための方法における、概略的な断面側面図である。
【
図17】既にカートリッジがローディングされたフィーダをローディングするための方法における、概略的な断面側面図である。
【
図18】既にカートリッジがローディングされたフィーダをローディングするための方法における、概略的な断面側面図である。
【
図19】代替的なローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図20】代替的なローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図21】
図2に表わす供給ユニットと共に利用するための、さらなる代替的なローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図22】
図2に表わす供給ユニットと共に利用するための、さらなる代替的なローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図23】
図2に表わす供給ユニットと共に利用するための、さらなる代替的なローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図24】
図2に表わす供給ユニットと共に利用するための、さらなる代替的なローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【
図25】
図2に表わす供給ユニットと共に利用するための、さらなる代替的なローディング組立体の概略的な断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
類似する要素については、参照符号が可能な限り維持される。
【0021】
上述のように、本発明は、フィーダとカートリッジとの両方を臨機応変にロードすることができる供給システムを提供する。本発明では、
図1A~
図1Cそれぞれが、部品ベルト(図示しない)から装着機に部品を供給するためのフィーダ1の形態をした第1の供給ユニットと、部品ベルト(図示しない)を収容するためのカートリッジ2の形態をした第2の供給ユニットと、を備えているモジュール部品供給キットの概略的な斜視図である。実際には、多数のフィーダ及びカートリッジが、装着機によって必要とされるが、本明細書では、供給ユニットそれぞれのうち一の供給ユニットのみについて説明することに留意すべきである。このようなキットは、完全にモジュラー式であるので、以下の説明するように、様々なカートリッジを様々なフィーダに取り外し可能に装着することができる。
図1Aに表わすように、フィーダ1とカートリッジ2とは分離している。フィーダ1とカートリッジ2とがそれぞれ、自身の前方端部に、メス型インターフェース3,4を含んでいる。図示の如く、メス型インターフェース3,4は、オメガ“Ω”状の断面を有するポートの形態をしている。オメガ“Ω”状の断面は、当該メス型インターフェースの長さに沿って略一定とされる。ここで、“前方(front)”との用語は、利用時に装着機に最も近接した供給ユニットの端部を説明するために利用されている。フィーダ1の後方端部は、オメガ“Ω”状の断面を有する対応するオス型インターフェースとして形成されたカートリッジインターフェース5を含んでいる。
オメガ“Ω”状の断面は、当該オス型インターフェースの長さに沿って略一定とされ、利用時にカートリッジ2のメス型インターフェース4に嵌入されるような大きさとされる。
図1には表わさないが、装着機のためのローディング組立体は、以下に詳述するが、メス型インターフェース3,4それぞれを介してフィーダ1又はカートリッジ2に係合する同様のオス型インターフェースを共通マガジンポートに含んでいる。また、フィーダ1は、フィーダ1の前方端部と頂端部との接合部において、装着機に配設された関連するインターフェースと機能的に係合するための(以下に詳述するような)機械インターフェースを含んでいる。このようなタイプのオス型/メス型インターフェースによって、図示の如く、フィーダ1とカートリッジ2とが、オス型インターフェース及びメス型インターフェースの長さに対して平行な軸線に沿って係合方向Dに(
図1B参照)、すなわち図示の如く垂直方向にカートリッジ2を揚重することによって、カートリッジインターフェース5とメス型インターフェース4とを一体化させ、これにより、相互にロックされた態様で係合可能とされる。フィーダ1は、供給ポート5の上方に配置されている突起7を含んでいる。突起7は、カートリッジインターフェース5の上方端部を覆っている。カートリッジ2は、メス型インターフェース4の上方端部に、対応して形成されている凹所8を有している。
【0022】
図1Bは、部分的に接続されている場合のフィーダ1及びカートリッジ2を表わす。
図1Cは、完全に接続され且つ係合されているフィーダ1及びカートリッジ2を表わす。このような構成では、突起7と凹所8とが適合するので、フィーダ1とカートリッジ2とのさらなる相対移動が防止される。このように係合された構成の場合には、フィーダ1は、カートリッジ2の内部に配置された部品ベルトを駆動するために利用される。これにより、部品ベルトのポケットに配設された部品は、装着機の装着ヘッドが部品にアクセス可能となるピックアップ領域(図示しない)に移動される。ピックアップ領域は、具体的な構造に従って、例えばカートリッジ2の内部に又はフィーダ1の内部に配置されている。ピックアップ領域がカートリッジ2の内部及びフィーダ1の内部それぞれに配置されている構成であっても、本発明の技術的範囲に属している。このようなシステムは従来技術として知られているので、本明細書において詳細には説明しない。
【0023】
相互ロック可能なインターフェースの他の形態が、例えば異なる断面の形状を有していても、インターフェースのオスとメスとが逆転されていても、同様に実施可能であることは、当業者にとって明らかである。
【0024】
図2は、代替的な実施例のおける、独立した供給ユニットを具備するモジュール式部品供給キットの概略的な斜視図である。ここで、フィーダ11とカートリッジ12とは、
図1Bに表わす係合方向Dに対して横方向の且つ利用時の輸送経路に対して横方向の係合方向Dにおいて、カートリッジ2をフィーダ1に向かって移動させることによって係合するように構成されている。フィーダ11は、フィーダ11の後方端部に、ピン13を備えており、カートリッジ12は、カートリッジ12の前方端部に、対応する大きさの穴(図示しない)を備えているので、当該穴は、フィーダ11とカートリッジ12とが係合された場合にピン13を収容することができ、例えば締まり嵌めやボールラッチ等によって、フィーダ11とカートリッジ12とを共に解除可能にロックすることができる。このような実施例では、ローディング組立体は、マガジンポートに、ピンによって同様に付与されており、フィーダ11は、フィーダ11の前方端部に、ピンに係合するための穴(図示しない)を含んでいる。
【0025】
図3及び
図4は、本発明におけるローディング組立体20の第1の実施例の斜視図を概略的に表わす。
図3及び
図4は、
図4が装着機(図示しない)の動作高さ(operative level)に配置された2つのフィーダ21を表わす一方、明確にするために
図3がそのようなフィーダ21を省略していることを除いて、同一である。明確にするために、
図3及び
図4はいずれも、垂直動作機構(後述する)を表わしていないが、実際には、当該垂直動作機構が存在することに留意すべきである。可能であれば、従前の図面で利用される参照符号は、同様の形体についても同様に付されている。当該実施例は、
図2に表わす供給ユニットではなく、
図1A~
図1Cに表わす供給ユニットと同一又は類似の供給ユニットと共に利用するように構成されている。
【0026】
ローディング組立体20は、利用時に装着機の側面に配置されており、装着機を通過するワークピースの輸送経路Tの方向が
図4に示している。利用される装着機のタイプに依存して、付加的なローディング組立体が、装着機の反対側の側面に、若しくは同一の装着機における少なくとも1つの他のローディング組立体に隣接して配置されているので、又は代替的には、単一のローディング組立体が、輸送経路Tの方向において比較的長いので、輸送経路Tは、ワークピース製造ラインにおいて複数の隣り合う装着機を横断して延在している。
【0027】
サポート22は、装着機に対する接続部を備えている。任意には、サポート22は、装着機の一体部分として、又は利用時に装着機に取り付けるための別部品として形成されている場合がある。サポート22は、自身の上側部分に、連続する列で配置されている複数の供給ポート24を備えているギャラリー23を含んでいる。供給ポート24はそれぞれ、利用時に供給ユニットそれぞれと、特にフィーダ1,21それぞれと係合するように構成されている。ギャラリー23ひいては供給ポート24は、利用時に装着機の動作高さに配置されているので、装着機の装着ヘッド(図示しない)は、装着動作の際に、フィーダ1,21それぞれから電気部品等をピックアップすることができる。供給ポート24それぞれが、利用時に供給ユニットそれぞれの相手側セクション、例えばメス型インターフェース3、4と相互ロックして係合するための形状を有する突出端部セクションを含んでいる。従って、供給ポート24それぞれの端部セクションは、カートリッジインターフェース5と同一の断面形状、例えばΩ状の形状を有している。供給ポートそれぞれの突出端部セクションは、当該突出端部セクションに受容された供給ユニットが供給ポートに対して垂直に滑動することができるように垂直に配置されている。供給ユニットが、
図4に表わすフィーダ21のように、垂直方向最上部に至るまで滑動された場合には、当該供給ユニットが、当該供給ユニットの機械インターフェース6がサポート22の頂部の近傍でフィーダインターフェース29と機能的に係合された状態で、その係合位置にロックされるので、電力又はデータが、サポート22を介して、供給ユニットと装着機との間で伝送可能となる。平坦なベースプレート25が、サポート22の下側端部に配設されており、ベースプレート25は、利用時に水平面内において装着機の外部に突出している。ベースプレート25は、ローディング組立体に配置された供給ユニットを水平方向の衝撃から保護するように機能し、シャトルを支持している(後述する)。利用時に装着機から最も遠位の側であるローディング組立体20の遠位側26は、開放されている。すなわち、ベースプレート25の上方には障害物が存在しないので、利用時に供給ユニットをローディング組立体に挿入したり、ローディング組立体から取り外すことができる。このことについては、以下に詳述する。
【0028】
サポート22は、ギャラリー23の下方にマガジン27を保持しており、マガジン27は、水平輸送経路Tに対して平行とされる方向MXにおいてサポート22に対して相対的に駆動可能とされる。このことについては、以下に詳述する。当該実施例では、マガジン27は、水平輸送経路T及び垂直軸の両方に対して直角とされる水平ローディング経路Lに沿った方向SYにおいてシャトル及びマガジンを移動させるように動作可能とされる、水平アクチュエータ(
図3及び
図4には図示しない)によって駆動可能とされるシャトル(34;以下参照)にも取り付けられている。マガジン27は、輸送方向Tに対して平行に位置合わせされた連続する列に配置されている複数のマガジンポート28を含んでおり、マガジンポート28はそれぞれ、利用時に供給ユニットそれぞれと係合するように構成されている。マガジンポート28は、利用時に装着機の動作高さより低い保管レベルに配置されている。マガジンポート28はそれぞれ、利用時に供給ユニットそれぞれの相手側セクション、例えばメス型インターフェース3、4と相互ロックして係合するための形状を有する突出端部セクションを含んでいる。従って、マガジンポート28それぞれの突出端部セクションは、カートリッジインターフェース5と同一の断面形状、例えばΩ状の形状を有している。マガジンポート28それぞれの突出端部セクションは、当該突出端部セクションに受容された供給ユニットがマガジンポートに対して垂直に滑動することができるように垂直に配置されている。供給ユニットが垂直方向に最下部に至るまで滑動された場合には、マガジン27の移動の際にマガジン27の内部に安全に留められるように、その位置でロックされる。供給ユニットがマガジンポート28から垂直上方に滑動された場合には、当該供給ユニットが、マガジンポートと供給ポートが位置合わせされている限り、ギャラリー23の内部において供給ポート24に向かって滑動する。
すなわち、マガジン27は、当該マガジンのマガジンポート28がギャラリー23の下方に直接配置されるように水平ローディング経路Lに沿って方向SYに移動され、且つ、マガジンポート28が選択された空の供給ポート24の下方に配置されるように方向MXに移動される。マガジンを方向MXに移動させることによって、マガジンポート28それぞれが供給ポート24それぞれと位置合わせされる。ギャラリー23に配設される供給ポート24の数量、及びマガジン27に配設されるマガジンポート28の数量は柔軟に変更可能であるが、好ましい実施例では、マガジンポート28の数量は、供給ポート24の数量より幾らか多い。
【0029】
ローディング組立体20のローディング動作について、
図5から
図10を参照して説明する。
図5及び
図6は、ローディング組立体20を正面から模式的に示している。
図5及び
図6は、マガジン27とギャラリー23との位置合わせ又は割り出しを示す、ローディング組立体20の概略的な正面図である。
図5は、マガジン27のマガジンポート28Aからギャラリー23の内部の空の供給スロット24Aにフィーダ1Aを移動させるためのローディング動作を開始する前のローディング組立体20を表わす。当該実施例に表わすように、ギャラリー23は、合計で10個の供給ポート24を含んでおり、最も右側の3つの供給ポート24A、24B、24Cが空であり、残りの7つの供給ポートはフィーダ21それぞれを保持している。一方、マガジン27は、供給ポート24から垂直方向に離隔している合計で12個のマガジンポート28を有している。マガジン27の右端にあるマガジンポート28Aを含む3つのマガジンポートを除いて、すべて空である。図示の如く、インデックス動作の開始時に、マガジンポート28Aひいてはフィーダ1Aは、所望の供給ポート24Aとは位置合わせされず、代わりに供給ポート24Bと位置合わせされるので、マガジン27を左側に一の位置だけずらす(index)する必要がある。マガジン27は、サポート22とシャトルとの両方に対して相対的にマガジンレール30に沿ってMX方向に移動可能とされるように、シャトル(後述する)に固定されていると共に水平方向に延在しているマガジンレール30に取り付けられている。このような水平方向移動を実現するために、例えばリニアモータのような水平駆動機構(図示しない)が設けられている。代替的には、当業者であれば理解可能なように、リードスクリュー又は類する機構を介してマガジンに接続されている回転式アクチュエータが利用される。水平駆動機構は、例えば装着機に設けられたコンピュータ、プロセッサのような別体の制御手段(図示しない)によって制御される。
【0030】
垂直作動機構は、マガジン27の下方においてシャトルに設けられており、揚重部材、当該実施例では揚重プラットフォーム32を具備するリフターキャリッジ31と、垂直方向において揚重プラットフォーム32を移動させる用に動作可能とされる垂直アクチュエータ(明確にするために図示しない)とを備えている。リフターキャリッジ31は、MX方向に対して平行に移動可能とされるように、シャトルに取り付けられていると共に水平方向に延在しているリフターレール33に取り付けられている。マガジンと同様に、このような水平方向移動を実現するために、例えばリニアモータのような水平駆動機構(図示しない)が設けられている。代替的には、当業者であれば理解可能であるように、例えばリードスクリュー又は類する機構を介してリフターキャリッジ31に接続されている回転式アクチュエータが利用される。同様に、垂直方向のアクチュエータは、例えば、リードスクリュー等を介して動作するリニアモータ又は回転式アクチュエータを備えている。作動機構又は駆動機構はそれぞれ、例えば装着機に配設されたコンピュータやプロセッサ等の別体の制御手段(図示しない)によって制御される。揚重プラットフォーム32は、供給ユニットと係合し、マガジン27のマガジンポート28それぞれと装着機の動作高さとの間において供給ユニットを移動させるように動作可能とされる。
【0031】
図6は、インデックス動作後のローディング組立体20を表わす。これにより、マガジンの水平駆動機構の適切な動作によって、マガジン27が、隣接する供給ポート24同士のピッチに等しい距離だけ左側に移動される。これにより、フィーダ1Aが、空の供給ポート28Aと位置合わせされる。一方、リフターキャリッジ31は、水平駆動機構の適切な動作によって、揚重プラットフォーム32がフィーダ1Aの下面と位置合わせされるように右側に移動される。
【0032】
図7は、ローディング組立体20の、
図5に表わす断面A-Aに沿った概略的な断面側面図である。
図7は、マガジン27、垂直作動機構、及びシャトル34の相対的な配置を明確に表わす。図示の如く、シャトル34は、最も右側の位置(以下において、フィーダローディング位置と呼称する)に位置しており、フィーダローディング位置では、フィーダ1は、垂直作動機構によって、装着機と直接係合するために、動作高さに至るまで移動可能とされる。シャトル34の下面には、ローラ35が設けられており、これにより、シャトルは、例えば装着機に配設されたコンピュータ、プロセッサ等のような別体の制御手段(図示しない)によって制御されるシャトル作動機構(図示しない)の制御下において、水平ローディング経路Lに沿って図示の如く左側にベースプレート25を転がることができる。揚重プラットフォーム32は、利用時に揚重プラットフォーム32とフィーダ1とを確実に正しく位置合わせするために、フィーダ1のベースプレートの対応する形体と係合するための任意の係合形体36を備えている。
【0033】
インデックス動作が終了した場合に、フィーダ1を動作高さのギャラリー23に至るまで揚重することによって、ローディング動作が継続する。
図8及び
図9はそれぞれ、フィーダ1の揚重する際におけるローディング組立体20の概略的な正面図及び断面側面図である。図示の如く、揚重プラットフォーム32は、当該揚重プラットフォームと共にフィーダ1を運搬するために、リフターキャリッジ31から離隔するように持ち上げられる。
【0034】
図10は、フィーダ1が動作高さに至るまで完全に持ち上げられると、フィーダ1のマシンインターフェース6がフィーダインターフェース29と機能的に係合するように移動される、ローディング組立体20を表わす。その後に、フィーダ1は、例えばサポート22に収容されたロックボルト37のようなロック手段によってその位置でロックされる。当該ロック手段は、フィーダ1の相補的な凹所に延伸可能とされる。例えば締まり嵌めを利用した他のロック機構であっても利用可能とされる。ロックされると、揚重プラットフォーム32は、フィーダ1が動作高さに維持された状態で、リフティングキャリッジ31に戻るまで降下させることができる。
【0035】
動作高さに配置された例えばフィーダ21のような供給ユニットは、動作高さから取り外すことができ、基本的に上述の手順を逆順で実行することによって、マガジンに至るまで降下させることができることに留意すべきである。このためには、揚重プラットフォームは、例えば専用の係合形体36を利用することによって、供給ユニットを揚重プラットフォームの供給ポートからロック解除することができる。
【0036】
フィーダが動作高さに配置されている場合には、装着作業で当該フィーダを使用するために、カートリッジをフィーダと機能的に係合するようにローディングする必要がある。
図11~
図14は、カートリッジのローディング動作を概略的に表わす。
図11に表わすように、フィーダ21は供給ポート24に配置されている。マガジン27は、メス型インターフェース4を介してマガジンポート28に取り付けられているカートリッジ2を有している。カートリッジ5がフィーダ21と搬送経路5に対して平行に位置合わせされていることが必要である。従って、
図5~
図8を参照しつつ上述したインデックス動作は、必要に応じて実施可能である。インデックス動作は、後続のローディング動作の前に実施され、より効率的には、
図12に表わすローディング動作のステップの最中に実施される場合がある。
【0037】
図12に表わすように、シャトル34は、カートリッジがカートリッジローディング位置に到達するまでSY方向に移動される。カートリッジローディング位置では、取付ポート28がフィーダ21のカートリッジインターフェース5と垂直に位置合わせされている。
【0038】
その後に、
図13に表わすように、揚重プラットフォーム32が上昇され、これにより、揚重プラットフォーム32がカートリッジ2と係合し、カートリッジ2を垂直方向FZにおいて上方に運搬する。カートリッジ2のメス型インターフェース4は、フィーダ21のカートリッジインターフェース5と相互ロックする。
【0039】
図 14は、カートリッジ2が動作高さに至るまで、ひいてはフィーダ21と機能的に係合するように完全に引き上げられたカートリッジ21を表わす。このように係合した場合、カートリッジ2は、例えば延伸ボルト、締まり嵌め、及びボールラッチ等によってフィーダ21にロックされる。その後に、揚重プラットフォーム32は、カートリッジ2から離隔するように安全に降下させることができる。
【0040】
上述のプロセスは、供給ユニットが既にローディング組立体に配置されている場合を説明している。言うまでも無く、例えば自律走行型インテリジェントビークル(“AIV”)からローディング組立体に少なくとも1つの供給ユニットを最初に搬送することが必要とされる。自律動作のためには、例えばカートリッジに電気部品が無い場合、又は故障したフィーダを取り外す必要がある場合に、ローディング組立体から供給ユニットを取り外し可能であることも必要とされる。
図15は、そのような移送を実現するための方法を示す。
図15は、揚重プラットフォーム32に配置された供給ユニットがマガジンポート28それぞれと相互ロックして係合する、ひいては移送に適していない、中間垂直位置における揚重プラットフォーム32を表わすことに留意すべきである。図示の如く、シャトル34は、搬入経路Lの全長に亘って方向SYに移動され、搬送位置に至る。当該搬送位置では、揚重プラットフォームは、動作高さに位置する供給ユニットに影響を与えることなく、供給ユニットを上昇又は下降させるように動作することに留意すべきである。供給ユニットは、様々な方法でローディング組立体に又はローディング組立体から移送される。例えば、AIVは、揚重プラットフォーム32の垂直方向移動を必要としないで、1つ以上の供給ユニットが、ローディング組立体に移送される場合にマガジンポート28それぞれと係合するようにマガジンに降下されるように、又は、1つ以上の供給ユニットが、取り外される場合にマガジンポート28それぞれから持ち上げられるように構成されている。代替的には、AIVは、揚重プラットフォーム32を最大限度まで上昇させた後に、供給ユニットを揚重プラットフォーム32の頂部に搬送し、又は供給ユニットを揚重プラットフォーム32の頂部から取り外すことができるので、これにより、供給ユニットとマガジンポート28それぞれとが係合しなくなる。
【0041】
図16~
図18は、カートリッジを動作高さに至るまでローディングするための代替的な方法を概略的に表わす。
図16に表わすように、初期段階では、フィーダ1がマガジンポート28それぞれに取り付けられており、カートリッジ2がフィーダ1に取り付けられている。
図17及び
図18に表わすように、その後に、揚重プラットフォーム32が、フィーダ1及びカートリッジ2を同時に動作高さに移動させるために上昇させる。当該方法は、動作高さにおいてギャラリーの内部に位置する接続されたフィーダとカートリッジとが、同時にマガジンに向かって下方に移動され、
図16に表わす状態になる場合に特に利用される。
【0042】
図19及び
図20は、代替的な実施例を表わす。当該実施例では、シャトル27は、シャトル27の前面から上向きに延在している壁38を備えており、これにより、凹所39がシャトル27の内部に形成される。凹所39は、揚重プラットフォーム32を具備する揚重機構を収容するように大きさとされる。壁38は、マガジンポートに取り付けられた場合に、覆っている供給ユニットを支持するのに有効であるので、壁38は、片持ち支持されている訳ではない。さもなければ、
図20に表わすように、ローディング組立体の動作は、上述の実施例と同一である。
【0043】
図21~
図25は、代替的なの実施例を概略的に表わす。
図21~25は、
図2を参照して上述した供給ユニットをローディングするためのローディング動作の段階それぞれを表わす。
図21は、一対の垂直に位置合わせされたマガジンピン44(
図22参照)によって形成されたマガジンポートでマガジン47に取り付けられているフィーダ11を表わす。当該実施例では、揚重機構は、フィーダ11をマガジンポートから係合解除させるように構成されているので、さらなる移動機構が、揚重プラットフォーム42に設けられている。当該さらなる移動機構は、複数のプラットフォームローラ41を介して揚重プラットフォーム42に載置されている移動プラットフォームを含んでいる。移動プラットフォーム40は、揚重プラットフォーム42に取り付けられた係合アクチュエータ(図示しない)によって、SY方向に対して平行に駆動される。
【0044】
図22に表わすように、揚重プラットフォーム42は、マジックハンド(lazy tongs)すなわちハサミ機構43によって僅かに上昇され、フィーダ11の底部に係合する。当該垂直位置では、移動プラットフォーム40が左側に移動され、フィーダ11がマガジンピン44から係合解除される。
【0045】
揚重プラットフォーム42は、
図23に表わすように、ハサミ機構43によってさらに上昇され、
図24に表わすように、フィーダ11を動作高さに至るまで持ち上げる。
【0046】
図25に表わすように、その後に、移動プラットフォーム40が、ギャラリーに配置されると共に供給ポートを形成する一対のギャラリーピン45とフィーダ11を係合させるように、右側に移動される。その後に、揚重プラットフォーム42が、必要に応じて下降される。
【0047】
カートリッジ12は、実質的に同様の方法で接続され、供給ユニットは、当該手順を逆順で実施することによって接続解除される。
【0048】
上述した実施例は例示にすぎず、本発明の技術的範囲内であれば、他の可能性や置換も当業者にとって明白である。例えば、上述の実施例では、選択された供給ユニットと係合するように搬送経路に対して平行に移動可能とされる単一の揚重機構が利用されるが、複数の供給ユニットが同時に供給ポートそれぞれにローディングされるように、それぞれ搬送経路に対して平行に移動可能とされる少なくとも1つのさらなる揚重機構が利用される場合がある。このような揚重機構は、(衝突しないように)独立又は半独立して動作可能とされ、例えば、一のこのような揚重機構が供給ユニットをローディングする一方、他方のこのような揚重機構が他の供給ポートから供給ユニットをアンローディングする。代替的には、マガジンは、マガジンポートそれぞれと係合された供給ユニットを持ち上げるために、マガジンポートごとに一の専用の揚重機構を備えている。この場合には、リフティング機構は、搬送経路に対して平行に移動可能である必要はないが、その代わりにマガジンに固定されている。
【0049】
ギャラリー又はマガジンの内部の予備ポートは、材料又は予備のフィーダを確実に装着機に供給するために、いずれかのタイプの供給ユニットを一時的又は半永続的に保管するために利用される。
【0050】
上述の実施例では、マガジンは、係合された供給ユニットを装備した状態でSY方向に移動可能である。代替的な実施例では、マガジンはSY方向に移動可能ではなく、その代わりに供給ユニットそれぞれをマガジンに対して相対的に且つSY方向に対して平行に移動させるように動作可能とされるプッシュ機構が設けられている。このような実施例では、AIVが隣り合うポートの隣接するマガジンポートに取り付けられた供給ユニットと衝突するリスクが低減されるという利点がある。このような実施例については、
図2を参照して説明した供給ユニットの配置が好ましいことに留意すべきである。
【0051】
他の実施例では、複数のマガジンがサポートごとに設けられている。例えばギャラリーの様々な端部に供給ユニットを同時にローディングすることができるように、搬送経路に対して平行に独立又は半独立して移動可能とされる。このような概念の拡張として、例えばマガジンごとに1つ又は2つのマガジンポートのみを有するように、マガジンを小型化することができる。
【0052】
揚重機構に揚重プラットフォームの垂直位置を決定するためのセンサー及び/又はアクチュエータを設けられており、供給ユニットと供給ポート又はマガジンポートを堅牢に係合させる係合操作を行い、供給ユニットのロックを有効又は無効にすることができる。
【0053】
上述の供給ユニットはΩ状の形状を利用するが、他の形状であっても同様に可能である。
【0054】
供給ユニットは、図示の幅に限定されない。例えば、フィーダの前方端部が、隣り合う供給ポート又はマガジンポートと係合するための2つのインターフェースを備えている場合に、約2倍の幅を有する供給ユニットを利用することができる。また、カートリッジが、隣り合う供給ポート又はマガジンポートと係合するための2つのインターフェースと、フィーダの遠位端部に配設された対応するカートリッジインターフェースとを備えている場合がある。同様に、利用時に3つ、4つ、又はそれ以上の供給ポート又はマガジンポートと係合するように構成されている、幅広の供給ユニットが利用される場合がある。
【符号の説明】
【0055】
1,11 フィーダ
2,12 カートリッジ
3 メス型インターフェース
4 メス型インターフェース
5 カートリッジインターフェース
6 マシンインターフェース
7 突起
8 凹所
13 ピン
20 ローディング組立体
21 動作高さにおけるフィーダ
22 サポート
23 ギャラリー
24 供給ポート
25 ベースプレート
26 遠位側
27,47 マガジン
28 マガジンポート
29 供給インターフェース
30 マガジンレール
31 揚重キャリッジ
32,42 揚重プラットフォーム
33 揚重レール
34 シャトル
35 ローラ
36 係合形体
37 ロッキングボルト
38 壁
39 凹所
40 移動プラットフォーム
41 プラットフォームローラ
43 ハサミ機構
44 マガジンピン
45 ギャラリーピン
D 係合方向
T 搬送経路
MX 搬送経路に対して平行なマガジンの移動
SY 搬送経路に対して垂直なシャトルの移動
FZ 垂直方向における供給ユニットの移動
L 水平ローディング経路