(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】ブロック状で提供される冷凍食品を細断するための装置
(51)【国際特許分類】
A47J 43/08 20060101AFI20220829BHJP
A47J 43/044 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
A47J43/08
A47J43/044
(21)【出願番号】P 2021506020
(86)(22)【出願日】2018-04-20
(86)【国際出願番号】 CH2018000017
(87)【国際公開番号】W WO2019200491
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】520407839
【氏名又は名称】パコトレード アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Pacotrade AG
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】カイザー,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ファー,シュテファン,ルーカス
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-513211(JP,A)
【文献】特開2002-000469(JP,A)
【文献】特開2013-202208(JP,A)
【文献】特開昭56-036926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0227654(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/08
A47J 43/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック状で提供される冷凍食品を細断するため
の装置であって、
前記冷凍食品ブロックの少なくとも一部を細断するためのツール(2)を有し、前記ツールは回転可能なシャフト(6)の一方の端部(16)に結合され、それによって
、動作中に
、垂直回転軸(X)を中心に回転し、かつ、それによって、前記食品ブロックに向かって前記回転軸(X)に沿って方向(S)に前進し、それによって、前記食品ブロックから食品の層を削り取り、
前記シャフト(16)の前記端部での前記ツール(2)の前記結合は、
前記ツール(2)をツールなしで前記シャフト(16)の前記端部から取り外すことができ、か
つ前記シャフト(16)の前記端部に再結合することができ
、
前記シャフト(16)の前記端部に結合された前記ツール(2)が前記シャフト(16)の前記端部に軸方向に当接し、それによって前記シャフト(16)の前記端部にフォースロック方式で保持され
、
前記シャフト(16)の前記端部に結合された前記ツール(2)は、前記シャフト(6)から前記ツール(2)に駆動力を伝達するために、前記シャフト(16)の前記端部とそ
の駆動回転方向に回転フォームロックを形成するように、
設計され、
前記装置は、ツール検出装置(17、23、24)を含み、それによって、前記ツール(2)
が前記シャフト(16)の前記端部に配置されているかどうかを判定することがで
き、
前記シャフト(16)の前記端部での前記ツール(2)の前記結合は、前記シャフト(16)の前記端部に結合された前記ツール(2)が磁力によって前記シャフト(16)の前記端部で保持されるように設計され、
前記ツール(2)は強磁性材料で作られ、前記シャフト(6)は、前記シャフト(16)の前記端部に中央磁石(17)を含み、それによって前記ツール(2)が前記シャフト(16)の前記端部に保持され、そして
前記ツール検出装置(17、23、24)は、評価電子回路を有するホールセンサ(23)を含み、それによって、ツール(2)が前記シャフト(16)の前記端部に配置されているかどうかを判定するために、少なくとも前記シャフト(6)の特定の軸方向位置で、前記シャフト(16)の前記端部に結合された前記ツール(2)と前記シャフト(16)の前記端部に結合されていない前記ツール(2)との間で、それぞれ、異なる特性磁場強度を区別することができる、
装置。
【請求項2】
前記シャフトの前記端部での前記ツールの前記結合は
、前記シャフトの前記端部に結合された前記ツールが、摩擦係合によって、または特定の力に打ち勝つことによって解放され得るスナップイン接続によって、前記シャフトの前記端部に保持されるように設計される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記磁石(17)は、前記ツール(2)
が前記シャフト(16)の前記端部に結合されたときに、前記ツール(2)内に少なくとも部分的に配置される、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記ツールは磁性であり、かつ/または磁石を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ツールは磁性であり、かつ/または前記ツールの前記シャフトの前記端部への結合の前記領域に磁石を含み、それによって前記シャフトの前記端部に保持される、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記ツール
が前記シャフトの前記端部に結合されたときに、前記磁石は少なくとも部分的に前記シャフトの前記端部内に配置される、請求項
4又は
5に記載の装置。
【請求項7】
前記シャフト(16)の前記端部は非強磁性材料で作られている、請求項
1及び3~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも前記シャフト(6)の1つの軸方向位置で
、前記シャフト(16)の前記端部に結合された前記ツール(2)は、前記細断される冷凍食品ブロックまでの最大距離を有し、ツール(2)が前記シャフト(16)の前記端部
に配置されているかどうかを判定するために、前記シャフト(16)の前記端部に結合された前記ツール(2)と前記シャフト(16)の前記端部に結合されていない前記ツール(2)との間で、異なる特性磁場強度を区別することができる、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
前記ホールセンサ(
23)は前記装置の固定構成要素(22)上に配置される、請求項
1又は
8に記載の装置。
【請求項10】
前記ホールセンサは、前記シャフトに近い領
域に配置される、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記ホールセンサ(
23)は、前記シャフト(6)から離れた領域に配置され、フェライトロッド(24)が、前記ホールセンサ(
23)と前記シャフト(6)との間に
、配置される、請求項
9に記載の装置。
【請求項12】
実質的に非強磁性の構成要素が、前記フェライトロッド(24)と前記ツール(2)を保持する前記シャフト(6)の前記端部(16)との間に配置される、請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、前記ツール検出装置(17、23、24)が、ツール(2)
が前記シャフト(16)の前記端部に配置されているとそれぞれ判定するまたは判定した場合にのみ
、装置動作を許可する制御ユニットを含む、請求項1~
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
ブロック状で提供される冷凍食品を細断するための装置が、ピューレ化またはパコタイズするための装置である、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ホールセンサは、前記シャフトが完全に引き込まれた状態で、前記ツールを保持する前記シャフトの前記端部に近い領域に配置される、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記フェライトロッド(24)が、前記ホールセンサ(23)と、前記シャフト(6)が完全に引き込まれたときに、前記ツール(2)を保持する前記シャフト(6)の前記端部(16)に近い領域と、の間に配置される、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の前文によるブロック状で提供される冷凍食品の細断、特にピューレ化またはパコタイズのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロック状で提供される冷凍食品を細断するための一般的な装置は、例えばムース、茶碗蒸し、濃縮フレーバ、ペースト、ソース、スープ、アイスクリーム、またはシャーベットなどの、クリーム状または泡状の食品製品の製造に使用されており、今日では、プロの美食はそれらなしでは考えられないであろう。
【0003】
そのような装置の始まりは、スイスのエンジニアWilhelm Maurerに遡り、1980年代に究極のアイスクリームマシンを探して、冷凍食品を処理するための新しいプロセスを発明した。それは、回転ナイフを使用して、-22℃に冷凍された食品のブロックから、削り取られた材料を解凍せずに、食品の最も細かい層を削り取る。今日、このプロセスは「パコタイズ」としても知られている。スイスのPacojet AG,Zug社によってその実行のために特別に開発された「パコジェット」装置に言及している。
【0004】
製品交換の合間に製品と接触する部分を徹底的に洗浄することなく、短時間で異なる製品を処理できるようにするために、冷凍食品は、このような装置の交換可能な容器に入れられ、ツールを使用せずに簡単に交換できるナイフを使用して細断される。
【0005】
EP 0 062 805 A2は、Wilhelm Maurerによって開発されたソフトアイスクリームメーカーのオリジナルバージョンを示しており、このバージョンでは、回転ナイフを使用してブロック状の冷凍アイスクリームの基材から細かい層を削り取り、ホイップして過圧下で空気と混ぜる。ナイフは、バヨネットのような接続によって、支持体および駆動ブレードシャフトに接続される。
【0006】
ES 1 071 424 Uから、ブロック状の食品基材からクリーム状または泡状の食品を製造するための装置が知られており、回転ナイフによって食品ブロックの層が削り取られる。ここでも、ナイフは、それを運んで駆動するブレードシャフトへのバヨネットのような接続によって接続されている。
【0007】
WO97/36498A1は、ムースのような稠度の食品を製造するための装置を示しており、これは、EP0 062 805からのソフトアイスクリーム機械と同様の設計を有する。この装置では、ナイフはヘリカルギヤリングを介してブレードシャフトに接続され、ブレードシャフトに配置された永久磁石によってシャフトの端部でフォースロック方式で保持される。
【0008】
最初に述べた2つの装置には、ナイフをブレードシャフトに、またはブレードシャフトからそれぞれ自動的に連結および分離することが実質的に不可能であるという欠点があり、そのため、例えばWO97/36498 A1に記載されているように、ナイフを食品ブロックを含む容器と一緒に提供することはできないが、最初に手でブレードシャフトに結合し、後で再び手で切り離す必要がある。これは時間がかかり、衛生的に最適ではないという事実とは別に、けがのかなりの可能性があるという欠点もあり、装置に特別な安全装置を必要とする。
【0009】
WO97/36498A1に示されている装置は、上述の欠点を回避する。しかし、ここでの問題は、自動結合動作中の特定の状況下で、ブレードシャフトがナイフを最後まで結合するのではなく、容器に押し込む可能性があることであり、その結果、ナイフは容器内の未定義の位置に配置され、ブレードシャフトが前方に移動し続けると、ナイフとブレードシャフトとの間でクラッシュが発生する可能性がある。
【0010】
上記のすべての装置では、特定の条件下で、例えば速度や負荷に急激な変化があった場合、ナイフは気付かれないままブレードシャフトから外れ、上記の結果になる可能性がある。
【0011】
また、最新技術から知られている装置は、手動でロック解除装置を操作するためにキャンセルが必要となる可能性がある接続を介してナイフがブレードシャフトに取り付けられている。しかし、上記の最初の2つのような装置には、ナイフをブレードシャフトに自動的に結合したり、ブレードシャフトから結合解除したりすることができないという欠点がある。
【発明の概要】
【0012】
したがって、目的は、上記の最新技術の欠点を持たない、または少なくとも部分的にそれらを回避する技術的解決策を提供することである。
【0013】
この目的は、特許請求項1の主題によって達成される。
【0014】
これは、ブロック状で提供される冷凍食品を、例えば、ピューレ化またはパコタイズするための細断装置に関する。この装置は、冷凍食品ブロックの少なくとも一部を細断するためのシングルまたはマルチナイフツールを備えている。これを行うには、装置の意図された動作で、ツールを、できれば垂直回転軸を中心に回転させ、それによって食品ブロックに向かって回転軸に沿って前進させて、食品ブロックから食品の層を削り取りながら、食品ブロックに浸透するようにする。それによって、ツールは、好ましくは1000rpm~3000rpmの速度で、好ましくは毎秒0.5mm~5mmの送り速度で回転する。
【0015】
ツールは、ツールなしでシャフトの端部から切り離すことができ、ツールなしで意図したようにシャフトの端部に再結合できるように、それを支持および駆動するシャフトの一方の端部に結合される。ツールの結合は、意図したようにシャフトの端部に連結されたツールがシャフトの端部に軸方向に当接するように設計されており、シャフトの端部でフォースロック方式で保持され、シャフトからツールへの駆動力の伝達のために、シャフトの端部と意図した駆動回転方向に回転フォームロックを形成する。
【0016】
さらに、この装置は、ツールが意図したようにシャフトの端部に配置されているかどうかを判定することができるツール検出装置を含む。
【0017】
本発明によるそのような装置を用いて、ナイフとブレードシャフトとの自動連結および連結解除を実現することができ、それによって、ナイフを食品ブロックを含む容器と一緒に提供することができ、同時に、意図したとおりにツールを結合した場合にのみ、動作が実行されるか、または可能であることがそれぞれ保証される。これにより、高速で衛生的でありながら非常に安全な動作が可能になる。
【0018】
利点として、意図したとおりにシャフトの端部に結合されたツールは、摩擦係合によって、特定の力を克服することによって解放できるスナップイン接続によって、または磁気力によって、シャフトの端部に保持される。このような結合解決策は、ナイフとシャフトとの間の接続を作成および/または解除するための作動機構を必要とせず、特に磁気バージョンの場合、シャフトの端部でのツールの単純で衛生的な観点からの有利な結合に特に適しており、なぜなら、結合要素は隙間なく設計でき、それらの間に摩耗を引き起こす可能性がある激しい摩擦が不要だからである。
【0019】
ツールが磁力によってシャフトの端部に保持されている場合、ツールは強磁性材料でできており、シャフトは、シャフトの端部に中央磁石を有していることが好ましく、それによってツールはシャフトの端部に保持される。これにより、このタイプの解決策では特に低コストでツールを提供することができる。
【0020】
ツールが意図したようにシャフトの端部に結合されているときに、磁石が少なくとも部分的にツールに配置されている場合には、特に、磁石がシャフトの端部に配置され、この端部がツールに囲まれている、単純で機械的に安定した解決策が可能になる。
【0021】
装置の別の好ましい、代替的なまたは相補的な実施形態では、ツールは磁性であり、および/またはツールは磁石を含む。この磁気設計またはこの磁石はそれぞれ、ツールがシャフトの端部に意図したとおりに配置されているかどうかを検出するために使用することができ、かつ/またはそれは、シャフトの端部にツールを保持するために、その磁力によってのみ、またはシャフトの端部に提供される追加の磁力と組み合わせて使用することができる。
【0022】
後者の場合、ツールは、少なくともシャフトの端部への結合の領域で磁性であるか、および/またはこの領域に磁石を有する。すでに述べたように、この磁気設計またはこの磁石は、それぞれ、単独で、またはシャフトの端部にある追加の磁石と組み合わせて、シャフトの端部にフォースロック方式でツールを保持することができる。
【0023】
ツールが意図したようにシャフトの端部に結合されているときに磁石が少なくとも部分的にシャフトの端部に配置されている場合には、磁石がツールのシャフト端部に配置され、このツールの端部がシャフトに囲まれている、特に単純で機械的に安定した解決策が可能になる。
【0024】
好ましくは、ツールが磁力によってシャフトの端部に保持されるこれらのタイプの実施形態では、シャフトの端部は非強磁性材料のものである。
【0025】
また、ツールが磁力によってシャフトの端部に保持される装置のこれらの実施形態の場合、ツール検出装置は、関連する評価電子回路を有するホールセンサを含むことが好ましく、これにより、ツールがシャフトの端部に意図したとおりに配置されているかどうかを判定するために、少なくともシャフトの特定の軸方向位置において、意図したようにシャフトの端部に結合されているツールと、シャフトの端部に結合されていない、または意図されたようにシャフトの端部に結合されていないツールとの間で、それぞれ、異なる特性磁場強度を区別することができる。このようにして、装置の適切な動作または安全装置によって、動作が行われるだけか、または意図したとおりに結合されたツールでのみ可能であることが保証される。
【0026】
それによって、装置は、好ましくは、少なくともシャフトの1つの軸方向位置で、意図したようにシャフトの端部に結合されたツールは、細断される冷凍食品ブロックまでの最大距離を有し、すなわち、通常、ツールの結合直後の開始位置にあり、異なる特性磁場強度は、意図したようにシャフトの端部に結合されているツールと、シャフトの端部に結合されていない、または意図されたようにシャフトの端部に結合されていないツールと、の間でそれぞれ区別することができるように設計される。これは、装置が実際に動作する前に、ツールが意図したようにシャフトの端部に配置されているかどうかを判定することができるという利点をもたらす。
【0027】
利点として、ホールセンサは装置の固定構成要素に配置される。これにより、信号伝送装置を固定構成要素に対して回転させる必要がなくなる。
【0028】
第1の好ましい実施形態では、それによって、ホールセンサは、シャフトに近い領域、好ましくはシャフトの端部に近い領域に配置され、シャフトが完全に引き込まれると、意図したとおりにツールを保持するシャフトの端部の近くになるこの実施形態では、異なる特性磁場強度の検出が特に容易である。
【0029】
第2の好ましい実施形態では、ホールセンサは、シャフトから離れた領域に配置される。ここで、フェライトロッドは、ホールセンサとシャフトとの間に、好ましくはホールセンサとシャフトの端部に近い領域との間に配置され、シャフトが完全に引き込まれたときに、ツールを意図したとおりに保持する。この実施形態は、装置内のホールセンサの配置について比較的大きな自由度を生み出す。
【0030】
それによって、特性磁場強度を容易に区別できることを確実にするために、フェライトロッドとツールを支持するシャフトの端部との間に本質的に非強磁性の構成要素が配置されることが好ましい。
【0031】
さらに別の好ましい実施形態では、装置は、ツールが意図されたようにシャフトの端部に配置されているとツール検出装置が判定する限り、装置の意図された動作のみを許可する、あるいはツール検出装置が、ツールがシャフトの少なくとも特定の位置に意図したとおりにシャフトの端部に配置されていると判定した場合にのみ許可する、制御ユニットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明のさらなる利点および用途は、図面に基づいた以下の説明から生じる。図面は以下のとおり。
【
図1】本発明による装置の主要な機械的構成要素の部分的に切り取られた斜視図である。
【
図2】ブレードシャフトの下端部が支持されている、
図1の装置の領域を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明による装置の主要な機械的構成要素1の部分的に切り取られた斜視図を示し、容器12が意図された場所に配置され、それによって意図された動作中に、冷凍食品が食品の冷凍ブロックとして容器12内に提供され、意図された動作中に、冷凍食品ブロックの少なくとも一部の細断、特にピューレ化またはパコタイズが実行される。
【0034】
この装置では、ブロック状で提供される冷凍食品(図示せず)の細断は、垂直回転軸Xを中心に多翼ナイフ2(請求項によればツール)を回転させ、それによって、この回転軸Xに沿って食品ブロックに向かってS方向に前進し、それによって、冷凍食品ブロックから微細な層を削り取ることにより実行される。
【0035】
図から分かるように、装置は、ナイフ2の回転運動を生成し、送り運動を生成するための第1の電気駆動モータ3および第2の電気駆動モータ4を含む。両方のモータ3、4は、別々に制御可能であり、可変速度であり、装置の固定支持構造(図示せず)に結合されている。さらに、この装置は、ギヤ装置5を含み、これは、2つの駆動モータ3、4と結合され、そして、第1の駆動モータ3のみがナイフ2を回転するように機能し、両方の駆動モータ3、4が一緒になってナイフを送るように機能するように設計される。
【0036】
この目的のために、ギヤ装置5は、軸方向に変位可能な方法で取り付けられたナイフ2を担持する回転可能な中空シャフト6を有する。
【0037】
この中空シャフト6は、軸方向に静止し、回転可能に取り付けられた、長手方向に歯のある駆動スリーブ13に同心円状に、かつ軸方向に変位可能な方法で配置され、その長手方向の歯が回転フォームロックを形成し、それによって、中空シャフト6は、第1の駆動モータ3を備えた駆動スリーブ13を介して回転軸Xを中心に回転することができる。このため、駆動スリーブ13は、その外周にベルトホイール14を有し、ベルトホイール14は、歯付きベルト8を介して第1の駆動モータ3で駆動することができる。
【0038】
中空シャフト6内に同心円状に配置されているのは、第2の駆動モータ4で回転軸Xの周りを回転できる軸方向に固定されたねじ付きスピンドル7である。このために、ねじ付きスピンドル7は、その自由端部にベルトホイール10を有し、これは、第2の駆動モータ4を備えた歯付きベルト9を介して駆動することができる。
【0039】
中空シャフト6は、ねじ付きスピンドル7の雄ねじに係合する雌ねじセクション15を有する。これにより、中空シャフト6およびねじ付きスピンドル7は、中空シャフト6に対するねじ付きスピンドル7の回転が、軸方向に固定されたねじ付きスピンドル7に対する中空シャフト6の軸方向変位を引き起こすように結合される。言い換えれば、中空シャフト6とねじ付きスピンドル7との間の回転速度の差により、中空シャフト6が回転軸Xに沿って下降または上昇し、それによってナイフ2が細断される食品ブロックとの関係でそれぞれ前進または後退する。中空シャフト6とねじ付きスピンドル7の同一の回転速度で、ナイフ2は、回転軸Xに沿った軸方向移動を実行することなく回転する。
【0040】
言い換えれば、2つの駆動モータ3、4の設定された回転方向が同じである場合、および2つの駆動モータ3、4の回転数が特定の比率である場合には、中空シャフト6とねじ付きスピンドル7の回転速度は同一であり、ナイフ2は、回転軸Xに沿って軸方向の動きを実行することなく回転される。この特定の回転速度比がそれぞれ超過またはアンダーカットされた場合、ナイフ2は、回転軸Xに沿ってそれぞれさらに前進または後退し、回転速度比が超過またはアンダーカットされると、それぞれ速度が増加または減少する。
【0041】
ブレードシャフト6の下端が支持されている
図1の装置の領域の断面図を示す
図2から分かるように、強磁性ステンレス鋼でできており、意図したようにシャフト16の端部に結合されたツール2は、シャフト6の端部16に対して軸方向に当接し、それによって、シャフト16の端部の中央に配置された磁石17によってフォースロック方式でシャフトの端部に保持される。小さいステンレス鋼プレート25でその前面が覆われている磁石17は、それによって完全にツール2の内部に配置される。駆動力は、ツール2とシャフト16の端部との間のヘリカルギヤリング18を介してシャフト6からツール2に伝達され、それらの間で回転トルク形式のロックを形成する。
【0042】
見て分かるように、容器12は、ブレードシャフト6が貫通するカバー19を含み、シャフト6の端部16をツール2のハブ20に挿入することによってシャフト6をナイフ2に結合する前に、カバー19の下側に保持ラグ21でツール2を保持する。
【0043】
さらに見ることができるように、カバー19は、装置の底部ハウジング22に対して容器12を密封し、底部ハウジング22は、アルミニウム射出成形またはプラスチック射出成形によって形成される。
【0044】
シャフト6またはシャフト16の端部からそれぞれ離れた領域に、関連する評価電子回路を有するホールセンサ23が配置され、磁場を検出する。フェライトロッド24は、ホールセンサ23と、シャフトが完全に引き込まれた状態でシャフト6の端部16に近い領域との間に配置され、ツール2を意図したように保持し、フェライトロッドは、この領域からホールセンサ23に磁場を導く。ツール2が意図したようにシャフト16の端部に結合されているかどうかに応じて、磁石17によって放出され、フェライトロッド24を介してホールセンサ23に伝達される磁場は、異なる特性を有する。
【0045】
磁石17、フェライトロッド24およびホールセンサ23は、本発明による装置の特許請求の範囲によるツール検出装置の一部であり、これにより、ツール2が意図したようにシャフト16の端部に配置されているかどうかを判定するために、ツール2が意図したようにシャフト16の端部に結合されている場合、およびツール2がシャフト16の端部に結合されていないか、または意図されたようにシャフト16の端部に結合されていない場合に、それぞれ、シャフト6の示された軸方向位置において、異なる特性磁場強度を区別することができる。
【0046】
ツール検出装置は、シャフト6の示された軸方向位置で、ツール2がシャフト16の端部に結合されていないこと、または少なくとも意図されたツール2として結合されていないことを検出した場合には、装置のさらなる動作をブロックする。
【0047】
本出願において、本発明の好ましい実施形態が示されているが、本発明はそれに限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲内で他の方法で実行できることを明確に述べる。