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特許7130858電極ユニットを支持するための電極支持装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】電極ユニットを支持するための電極支持装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1226 20160101AFI20220829BHJP
   H01M 8/1286 20160101ALI20220829BHJP
   H01M 8/1213 20160101ALI20220829BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20220829BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20220829BHJP
   C25B 9/63 20210101ALI20220829BHJP
【FI】
H01M8/1226
H01M8/1286
H01M8/1213
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
C25B9/23
C25B9/63
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021515652
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2019074974
(87)【国際公開番号】W WO2020058316
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】102018216100.3
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ クノイレ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘフェリン
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-181350(JP,A)
【文献】特開2016-066616(JP,A)
【文献】米国特許第05192334(US,A)
【文献】特開2009-087666(JP,A)
【文献】特開2013-168353(JP,A)
【文献】特開2015-195189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/12
C25B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット電極ユニット(12)を支持するための電極支持装置であって、前記電極ユニット(12)用の少なくとも1つの電極接触面(16)を備えた電極支持装置において、
前記電極ユニット(12)を前記電極接触面(16)に固定するための、当該電極接触面(16)に配置された少なくとも1つの形状接続ユニット(18)が設けられていることを特徴とする、
電極ユニットを支持するための電極支持装置。
【請求項2】
前記形状接続ユニット(18)に設けられた少なくとも1つの形状接続エレメント(20,22,24,26,28,30)が、前記電極接触面(16)と一体的に形成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の電極支持装置。
【請求項3】
前記形状接続ユニット(18)に設けられた少なくとも1つの形状接続エレメント(20,22,24,26,28)が、前記電極接触面(16)の、流体通路を有しない部分領域(32)に配置されていることを特徴とする、
請求項1に記載の電極支持装置。
【請求項4】
前記形状接続ユニット(18)に設けられた少なくとも1つの形状接続エレメント(30)が、前記電極接触面(16)の流体通路領域(34)に配置されていることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の電極支持装置。
【請求項5】
前記形状接続ユニット(18)に設けられた少なくとも1つの形状接続エレメント(20)が、アンダカット部(36)を有することを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電極支持装置。
【請求項6】
前記形状接続ユニット(18)は、前記電極ユニット(12)との噛合せ結合のための、微小歯として形成された少なくとも1つの形状接続エレメント(20,22,24,26,28,30)を有することを特徴とする、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電極支持装置。
【請求項7】
前記形状接続ユニット(18)は、前記電極ユニット(12)との噛合せ結合のための、微小歯として形成された多数の形状接続エレメント(20,22,24,26,28,30)を有することを特徴とする、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電極支持装置。
【請求項8】
前記燃料電池ユニット及び/又は前記電解槽ユニットは、固体酸化物燃料電池ユニット及び/又は高温電解槽ユニットである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電極支持装置。
【請求項9】
燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット製造するための方法であって、前記燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットが、少なくとも1つの電極ユニット(12)と、前記電極ユニット(12)を支持するための少なくとも1つの電極支持装置を含む、方法において、
少なくとも1つの方法ステップにおいて、前記電極ユニット(12)を少なくとも形状接続方式により前記電極支持装置に結合することを特徴とする、
燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット製造するための方法。
【請求項10】
少なくとも1つの方法ステップにおいて、前記電極支持装置に設けられた形状接続ユニット(18)の少なくとも1つの形状接続エレメント(20,22,24,26,28,30)を、前記電極支持装置に設けられた電極接触面(16)に成形することを特徴とする、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの形状接続エレメント(20,22,24,26,28,30)を前記電極接触面(16)に、材料除去プロセス及び/又は材料コーティングプロセスにより成形することを特徴とする、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの方法ステップにおいて、前記電極ユニット(12)を前記電極支持装置に被着させるために、前記電極ユニット(12)の形状を、前記電極支持装置に設けられた形状接続ユニット(18)の少なくとも1つの形状接続エレメント(20,22,24,26,28,30)に適合させることを特徴とする、
請求項9乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの方法ステップにおいて、前記電極支持装置に設けられた形状接続ユニット(18)の少なくとも1つの形状接続エレメント(20,22,24,26,28,30)の寸法決めを、前記電極ユニット(12)の粒度に適合させることを特徴とする、
請求項乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの方法ステップにおいて、前記電極支持装置に設けられた形状接続ユニット(18)の少なくとも1つの形状接続エレメント(20,22,24,26,28,30)を、レーザテクスチャ構造化によって製作することを特徴とする、
請求項乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記燃料電池ユニット及び/又は前記電解槽ユニットは、固体酸化物燃料電池ユニット及び/又は高温電解槽ユニットである、請求項9乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの電極支持装置は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電極支持装置である、請求項9乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の電極支持装置を備えた燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット、特に固体酸化物燃料電池ユニットの電極ユニットを支持するための電極支持装置であって、電極ユニット用の少なくとも1つの電極接触面を備えた電極支持装置が既に提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
発明の開示
本発明は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット、特に固体酸化物燃料電池ユニットの電極ユニットを支持するための電極支持装置であって、電極ユニット用の少なくとも1つの電極接触面を備えた電極支持装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
電極支持装置が、電極ユニットを電極接触面に固定するための、電極接触面に配置された少なくとも1つの形状接続ユニットを含むことが提案される。これに関連して、「燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット」とは、特に、燃料電池、特に固体酸化物燃料電池及び/又は電解槽、特に高温電解槽の少なくとも一部、特に下部構造群、と解されるものとする。特に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、総ての燃料電池、特に総ての固体酸化物燃料電池、総ての電解槽、特に総ての高温電解槽、燃料電池及び/又は電解槽から成るスタック、及び/又は、燃料電池及び/又は電解槽から成る複数のスタックのアセンブリを含み得る。好ましくは、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、燃料を酸化剤の供給下に燃焼プロセスにおいて燃焼させて電気的なエネルギを取得するために設けられる。選択的に又は付加的に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、分離プロセスにおいて電気的なエネルギの供給下に流体を少なくとも2つの成分に分割するために設けられる。「設けられる」とは、特に「特別に調整される」、「特別に設計される」及び/又は「特別に装備される」と解されるものとする。「ある対象物が特定の機能のために設けられる」とは、特に「当該対象物がこの特定の機能を、少なくとも使用状態及び/又は動作状態において、満足し及び/又は実施する」と解されるものとする。
【0004】
好ましくは、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの「電極ユニット」とは、少なくとも1つの電極、特に電極層を含むユニットであって、この電極、特に電極層が、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットによって実施される燃焼プロセス及び/又は分離プロセスに直接関与しているようなユニット、と解されるものとする。好ましくは、電極ユニットは、特に電極に対して付加的に少なくとも1つの他の電極、特に他の電極層を含む。特に、この電極と他の電極とは、カソード・アノード対として使用するために設けられる。好ましくは、電極ユニットは、少なくとも1つの分離エレメント、特に電解質層を含む。好ましくは、この分離エレメントは、電極と他の電極との間に配置される。好ましくは、電極及び/又は他の電極は、酸化剤電極として、特に酸化剤及び/又は分解生成物との接触のために形成される。好ましくは、少なくとも電極及び/又は他の電極は、燃料電極として、特に燃料及び/又は他の分解生成物との接触のために形成される。特に、電極ユニットは、膜電極ユニット(英語:membrane electrode assembly MEA)として形成される。
【0005】
好ましくは、電極支持装置は、電極ユニットの機械的及び/又は熱的な安定化のために設けられる。好ましくは、電極接触面の最大延在長が、電極ユニットの最大延在長よりも大きい。特に、電極接触面の最大周長は、電極ユニットの最大周長よりも大きい。好ましくは、電極ユニットの、電極支持装置に配置された、特に固定された状態において、電極支持装置は、少なくとも電極接触面に対して垂直な方向において、電極接触面に対して垂直な方向における電極ユニットの最大延在長よりも大きい最大延在長を有し、好適にはこの最大延在長の2倍よりも大きい最大延在長を有し、特に好適にはこの最大延在長の5倍よりも大きい最大延在長を有する。
【0006】
好ましくは、電極支持装置は、少なくとも1つの基体を含む。好ましくは、電極接触面は、少なくとも基体の表面の部分領域として、特に基体の最大外面の部分領域として形成される。好ましくは、電極支持装置、特に基体は、扁平に形成される。特に、電極支持装置、特に基体は、少なくとも電極接触面、特に最大外面に対して垂直な方向において、電極接触面の最大延在長よりも小さい最大延在長を有し、好適には電極接触面の最大延在長の1/10よりも小さい最大延在長を有し、特に好適には電極接触面の最大延在長の1/30よりも小さい最大延在長を有する。好ましくは、特に少なくとも電極支持装置の基準状態において、最大外面、特に電極接触面の湾曲の最大曲率半径が、最大外面、特に電極接触面の最大延在長よりも大きく、特にこの最大延在長の3倍よりも大きく、特に好適にはこの最大延在長の5倍よりも大きい。好ましくは、基体は、シートとして、ディスクとして、織布として、プレートとして、又は、これらに類するものとして、形成される。特に、電極支持装置の最大延在長、特に基体の最大延在長は、電極接触面、特に最大外面に対して垂直な方向において、少なくとも1mmよりも小さく、好適には750μmよりも小さく、特に好適には500μmよりも小さい。
【0007】
好ましくは、電極支持装置、特に基体は、少なくとも実質的に、少なくとも1種の金属から製作される。対象物が「実質的に金属から」製作されるとは、特に、対象物の全容量に占める当該材料の容量割合が25%よりも多い、好適には50%よりも多い、特に好適には75%よりも多いと解されるものとする。選択的には、電極支持装置、特に基体は、少なくとも実質的にセラミック及び/又はプラスチックから製作される。好ましくは、電極支持装置は、少なくとも実質的に高温安定性の材料、特に金属から製作される。「高温安定性」とは、特に、少なくとも500℃の温度まで、好適には少なくとも850℃の温度まで、特に好適には少なくとも1200℃の温度まで、形状的な耐性を有し及び/又は化学的な耐性を有すると解されるものとする。電極支持装置が、例えば、電極支持装置及び/又は電極支持体の個々の構成エレメントの電気的及び/又は熱的に絶縁された固定のために、セラミック、プラスチック又は他の材料から製作される構成エレメントを含むことが考えられる。
【0008】
好ましくは、形状接続ユニット、特に形状接続ユニットの少なくとも1つの形状接続エレメントは、電極ユニット、特に電極ユニットに設けられた、前記形状接続エレメントに対して相補的な形状接続エレメントとの形状接続方式の結合又は形状・摩擦接続方式の結合を形成するために設けられる。特に、形状接続ユニットは、電極支持装置と電極ユニットとの、既存の摩擦接続方式及び/又は材料接続方式の結合を付加的に確保するために設けられる。好ましくは、形状接続ユニットは、電極支持装置と電極ユニットとの間に、電極接触面に対して実質的に平行な方向における形状接続方式の結合又は形状・摩擦接続方式の結合を形成するために設けられる。ここで、「実質的に平行」とは、特に、基準方向に対して相対的な1つの方向の整合度、特に1つの平面内における整合度であって、この方向が基準方向に対して特に8°よりも小さい偏差、有利には5°よりも小さい偏差、特に有利には2°よりも小さい偏差を有することと解されるものとする。好ましくは、形状接続ユニットは、少なくとも1つの形状接続エレメント、好ましくは多数の形状接続エレメントを含む。例えば、形状接続ユニットは、いぼ状突起として、ウェブとして、フックとして、ピンとして、円錐体として、畝間として、アイとして、ひだとして、膨出部として、枠体として、溝として、つばとして、又は、これらに類するものとして加工成形された少なくとも1つの形状接続エレメントを含む。好ましくは、少なくとも2つの形状接続エレメント、好ましくは少なくとも複数の形状接続エレメントが、少なくとも実質的に同一構造により形成される。「実質的に同一構造」とは、特に製作誤差を除いて、と解されるものとする。しかし、形状接続ユニットが、互いに異なって形成された少なくとも2つの形状接続エレメントを含むことも考えられる。好ましくは、形状接続ユニットの少なくとも1つの形状接続エレメント、好ましくは複数の形状接続エレメントが、電極接触面に配置される。好ましくは、形状接続ユニットの少なくとも1つの形状接続エレメント、好ましくは複数の形状接続エレメントが、電極支持装置の基体に固定される。
【0009】
電極支持装置の本発明における態様により、電極支持装置における電極ユニットの有利に確実な固定が達成され得る。特に、電極ユニットと電極支持装置との、例えば焼結により形成された摩擦接続方式及び/又は材料接続方式の結合が付加的に確保され得る。特に、電極支持装置は、電極ユニットに形状接続方式により結合された状態において、有利に迅速に調熱され、特に加熱され得る。特に、電極支持装置からの電極ユニットの剥離、特にデラミネーションが、特に迅速な調熱の際に阻止され得るので、有利である。
【0010】
さらに、形状接続ユニットに設けられた少なくとも1つの形状接続エレメントが、電極接触面と一体的に形成されることが提案される。好ましくは、形状接続ユニットは、少なくとも部分的に、好ましくは少なくとも実質的に、電極接触面、特に電極支持装置の基体と一体的に形成される。「一体的に」とは、特に、例えば、溶接プロセス、接着プロセス、一体射出成形プロセス、及び/又は、当業者にとって有用であると思われる他のプロセスにより、少なくとも材料接続方式により結合されると解されるものとし、及び/又は、有利には、例えば、鋳造による製造及び/又は1成分射出成形法又は多成分射出成形法による製造によって、有利には個々のブランクから、ワンピースに成形されると解されるものとする。好ましくは、少なくとも1つの形状接続エレメントが、電極接触面からの特に選択的な材料除去プロセス、例えば、切断プロセス、切削加工プロセス、エッチングプロセス、又は、これらに類するものによる製作エレメントとして形成される。選択的又は付加的には、少なくとも1つの形状接続エレメントが、電極接触面における材料コーティングプロセス、例えば、溶接プロセス、接着プロセス、一体射出成形プロセス、又は、これらに類するものによる製作エレメントとして形成される。形状接続ユニットが、電極接触面に被着される層として形成されることも考えられる。形状接続ユニットが、対象物と「実質的に一体的に」形成されるとは、特に、形状接続ユニットの少なくとも複数の形状接続エレメント、好ましくは総ての形状接続エレメントが、対象物と一体的に形成されると解されるものとする。形状接続ユニットが、独立して形成される少なくとも1つの構成エレメント、特に形状接続エレメント、例えば、ロックエレメント、ねじ込みエレメント、差込みエレメント、閉鎖エレメント、又は、これらに類するものを有することが考えられる。本発明における態様により、電極支持装置は、少数の個別部分しか有しないので、有利である。特に、電極支持装置への電極ユニットの被着、特に形状接続ユニットを用いた固定が、簡単に実施され得るので、有利である。
【0011】
さらに、形状接続ユニットに設けられた少なくとも1つの形状接続エレメントが、電極接触面の、流体通路を有しない部分領域に配置されることが提案される。好ましくは、電極支持装置は、少なくとも1つの流体通路を含む。好ましくは、電極支持装置は、特に少なくとも実質的に同一構造の多数の流体通路を含む。好ましくは、電極支持装置に設けられた少なくとも1つの流体通路が、電極支持装置の基体に加工成形される。好ましくは、電極支持装置に設けられた少なくとも1つの流体通路の出口開口が、電極接触面に配置される。好ましくは、電極接触面は、この少なくとも1つの流体通路の出口開口を完全に取り囲んでいる。好ましくは、電極接触面は、少なくとも1つの流体通路領域を有する。好ましくは、流体通路領域に、少なくとも1つの流体通路の出口開口が配置される。好ましくは、流体通路領域は、少なくとも1つの流体通路の出口開口を完全に取り囲んでいる。好適には、流体通路領域に、総ての流体通路の複数の出口開口及び/又は総ての出口開口が、規則的な相互間隔及び/又は不規則的な相互間隔をおいて配置される。好ましくは、流体通路領域は、繋がって形成される。電極接触面が、相互間隔をおいて配置される複数の流体通路領域を有することも考えられる。「流体通路を有しない部分領域」とは、特に、電極接触面の部分領域であって、この部分領域に属するあらゆる点が、1つの流体通路、特に総ての流体通路の出口開口に対して少なくとも所定の最小間隔を有する部分領域であると解されるものとする。好ましくは、この最小間隔は、特に最大の出口開口の最大延在長よりも大きい。好ましくは、この最小間隔は、特に隣接し合う2つの出口開口の間の最小間隔及び/又は最大間隔よりも大きい。好ましくは、流体通路領域は、流体通路を有しない1つの部分領域及び/又は流体通路を有しない複数の部分領域によって、少なくとも実質的に完全に取り囲まれている。これに関連して「実質的に完全に取り囲まれている」とは、特に、流体通路領域の最大周長の少なくとも50%にわたり、好適には75%よりも多い周長にわたり、特に好適には95%よりも多い周長にわたり、少なくとも1つの、特に単数の、流体通路を有しない部分領域が隣接していると解されるものとする。特に、流体通路領域は、電極接触面の輪郭を画定する外側の画定部から間隔をおいて配置される。特に、流体通路を有しない部分領域は、流体通路と、電極接触面の輪郭を画定する外側の画定部との間の縁領域を形成している。特に、流体通路を有しない部分領域は、電極ユニットの分離エレメントの接触のために、特に固定のために、設けられる。好ましくは、少なくとも1つの形状接続エレメント、好ましくは複数の形状接続エレメントが、流体通路を有しない部分領域に配置される。好ましくは、流体通路を有しない部分領域の少なくとも主要部分に、少なくとも1つの形状接続エレメントが配置される。好ましくは、領域の「主要部分」とは、この領域の面積の少なくとも10%、好適には少なくとも30%、特に好適には50%よりも多い部分と解されるものとする。本発明における態様により、電極ユニットによる電極接触面の流体通路領域の流体技術的なシールが確保され得るので、有利である。
【0012】
さらに、形状接続ユニットに設けられた少なくとも1つの形状接続エレメントが、電極接触面の流体通路領域に配置されることが提案される。特に、少なくとも1つの形状接続エレメントが、少なくとも2つの流体通路の間に配置される。好ましくは、流体通路領域の少なくとも主要部分に、少なくとも1つの形状接続エレメントが配置される。流体通路領域と、流体通路を有しない部分領域とに、互いに異なって加工成形された及び/又は少なくとも実質的に同一構造の形状接続エレメントが配置されることが考えられる。少なくとも1つの形状接続エレメントが、特に形状接続エレメントの廉価な製作を可能にするために、アンダカット部なしに形成されることが考えられる。好ましくは、全電極接触面の少なくとも主要部分に少なくとも1つの形状接続エレメントが配置される。選択的又は付加的に、流体通路領域は、形状接続エレメントを取り付けるための少なくとも1つの際立たされた支持個所を含む。特に、この際立たされた支持個所のところでは、出口開口の配置、特に支持個所がなければ規則的であった出口開口の配置が中断される。特に、流体通路領域は、複数の際立たされた支持個所を、規則的な相互間隔及び/又は不規則的な相互間隔をおいて含む。本発明における態様により、電極ユニットは、確実に電極支持装置に固定され得るので、有利である。特に、電極支持装置の部分剥離が回避され得るので、有利である。
【0013】
さらに、形状接続ユニットに設けられた少なくとも1つの形状接続エレメントが、アンダカット部を有することが提案される。特に、形状接続エレメントのプロファイル(断面形状)が、電極接触面に対して少なくとも実質的に垂直な少なくとも1つの切断平面内にアンダカット部を有する。ここで、「実質的に垂直」という表現は、特に基準方向に対して相対的な1つの方向の整合度を規定するものであって、この場合、当該方向と基準方向とは、特に1つの平面内において見て、90°の角度を成し、この角度は、特に8°よりも小さい最大偏差、有利には5°よりも小さい最大偏差、特に有利には2°よりも小さい最大偏差を有するものとする。好ましくは、形状接続エレメントは、電極接触面に対して平行な切断平面内に、電極支持装置、特に基体の、電極接触面とは反対の側に対してこの切断平面よりも近位に配置される、電極接触面に対して平行な他の切断平面内の他の切断面の面積よりも大きい面積を有する切断面を有する。好ましくは、形状接続エレメントは、電極接触面とは反対の側の方向に先細りになるように形成される。しかし、形状接続エレメントが、段部、特にT字形のプロファイルを有することも考えられる。本発明における態様により、電極接触面に対して少なくとも実質的に平行に延伸する方向への形状接続が、信頼性良く行われ得るので、有利である。特に、電極接触面に対して少なくとも実質的に垂直な方向及び/又は電極接触面に対して少なくとも実質的に直交する方向に延伸する方向における付加的な形状接続が達成され得る。
【0014】
さらに、形状接続ユニットが、電極ユニットとの噛合せ結合のための、微小歯として形成された少なくとも1つの形状接続エレメントを有することが提案される。「微小歯」とは、特に、歯形の形状接続エレメントであって、この歯形の形状接続エレメントを完全に取り囲む最小の仮想直方体が、マイクロメートル範囲にある、特に少なくとも3mmよりも小さく、好適には500μmよりも小さく、特に好適には100μmよりも小さく、及び/又は、好適には少なくとも500nmよりも大きい、特に好適には1μmよりも大きい、少なくとも1つの、好適には2つの、特に好適には3つの特徴的な辺長を有する形状接続エレメントと解されるものとする。「歯形の形状接続エレメント」とは、特に、少なくとも1つの歯面、好ましくは2つの歯面を有する、特に歯面に対して少なくとも実質的に垂直な方向における形状接続を形成するための構造エレメントと解されるものとする。好ましくは、歯面は、電極接触面に対して少なくとも実質的に垂直な平面に関して対称に形成及び/又は配置される。歯面が互いに異なるように形成されることも考えられる。例えば、微小歯は、電極接触面に対して少なくとも実質的に垂直な平面内に、方形状のプロファイル、台形状のプロファイル、三角形状のプロファイル及び/又は放物線状のプロファイルを有する。微小歯が、対称軸線に関して回動対称に及び/又は回転対称に形成されることが考えられる。選択的な他の構成においては、微小歯がウェブとして形成され、この場合、特に、ウェブの最大延在長は、プロファイルの最大延在長よりも大きい。好ましくは、電極ユニットは、この微小歯との噛合せ結合のための、特に相似的に及び/又は相補的に形成された他の形状接続エレメント、特に他の微小歯を有する。本発明における態様により、形状接続ユニットは、扁平に形成され得るので、有利である。特に、電極支持装置は、コンパクトに形成され得るので、有利である。特に、形状接続ユニットは、電極接触面のデザイン、特に流体通路領域のデザインをほとんど制限しないので、有利である。特に、形状接続ユニット、特に形状接続エレメントを配置するための、際立たされた支持個所の準備を不要にすることができる。
【0015】
さらに、形状接続ユニットが、電極ユニットとの噛合せ結合のための、微小歯として形成された多数の形状接続エレメントを有することが提案される。好ましくは、微小歯は、規則的な相互間隔をおいて電極接触面に配置される。特に、ウェブとして形成された微小歯は、少なくとも実質的に互いに平行に配置される。微小歯が、不規則的に電極接触面に分配されることも考えられる。特に、形状接続ユニットが、少なくとも2種類に形成された微小歯を含むことが考えられる。特に、種々の微小歯は、電極接触面の種々の部分領域に、例えば、流体通路領域及び/又は流体通路を有しない領域に配置される。電極接触面が、少なくとも部分的に互いにオーバラップした少なくとも2つの部分領域を有し、これらの部分領域に少なくとも2種類の微小歯が配置されることも考えられる。好ましくは、流体通路を有しない部分領域、流体通路領域及び/又は全電極接触面の少なくとも主要部分が微小歯を備える。本発明における態様により、電極接触面の有利に大きい部分領域に微小歯を備えることができる。特に、形状接続ユニットは、有利に高い有効な作用面を有することができる。特に、電極ユニットと電極支持装置との間の、有利に確実な形状接続又は形状・摩擦接続が達成され得る。
【0016】
さらに、本発明は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット、特に固体酸化物燃料電池ユニットを製造するための方法であって、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットが、少なくとも1つの電極ユニットと、この電極ユニットを支持するための少なくとも1つの電極支持装置、特に本発明に係る電極支持装置とを含む、方法に関する。少なくとも1つの方法ステップにおいて、電極ユニットを少なくとも形状接続方式により電極支持装置に結合することが提案される。好ましくは、少なくとも1つの電極支持体製造ステップにおいて、電極支持装置が製造される。好ましくは、電極支持体製造ステップにおいて、電極支持装置の少なくとも1つの基体、特に金属薄板が、構造化される。特に、電極支持体製造ステップにおいては、少なくとも1つの流体通路が基体に加工成形される。好ましくは、この少なくとも1つの流体通路は、変形加工プロセスにより、特に、打抜き加工、押込み加工、フライス削り、レーザ穿孔、レーザ切断、又は、これらに類するものによって、電極支持装置の基体に加工成形される。好ましくは、電極支持体製造ステップの間、電極支持装置の形状接続ユニットが、電極接触面に配置され、特に成形される。好ましくは、少なくとも1つの電極製造ステップにおいて、電極ユニットが製造され、特に少なくとも前成形される。好ましくは、電極製造ステップにおいて、電極ユニットの少なくとも1つのブランク、プレス加工品、グリーン体(未焼結の生成形体)、ホワイト体(前焼結体)、又は、これらに類するものが製造される。好ましくは、電極ユニットは、搬送エレメント上において製造される。好ましくは、少なくとも1つの合流ステップにおいて、特に前成形された電極ユニットが、電極支持装置に被着される。選択的な他の態様においては、電極ユニットが、直接的に電極支持装置上に、特に層状に製造される。好ましくは、電極ユニットは、電極支持装置への被着の後の少なくとも1つの方法ステップにおいて、前成形された状態から、特に焼結及び/又は硬化により最終状態へ変化させられる。好ましくは、電極ユニットは、合流ステップにおいて、及び/又は、電極支持装置上における直接の製造の間、形状接続方式又は形状・摩擦接続方式により、電極支持装置に結合される。好ましくは、電極ユニットは、少なくとも1つの方法ステップにおいて、電極接触面に対して少なくとも実質的に平行な方向において形状接続方式又は形状・摩擦接続方式により電極支持装置に結合される。特に、電極ユニットは、前成形された状態で形状接続方式又は形状・摩擦接続方式により電極支持装置に結合される。方法の本発明における態様により、電極支持装置における電極ユニットの有利に確実な固定が達成され得る。特に、例えば焼結により形成された、電極ユニットと電極支持装置との摩擦接続方式及び/又は材料接続方式の結合が付加的に確保され得る。特に、電極支持装置は、電極ユニットに形状接続方式により結合された状態において、有利に迅速に調熱され、特に加熱され得る。特に、プロセス時間が短く保持され得るので、有利である。
【0017】
さらに、少なくとも1つの方法ステップにおいて、電極支持装置に設けられた形状接続ユニットの少なくとも1つの形状接続エレメントを、電極支持装置の電極接触面に、特に材料除去プロセス及び/又は材料コーティングプロセスにより、成形することが提案される。好ましくは、電極支持体製造ステップの間、形状接続ユニットが製造される。特に、電極支持体製造ステップの間、形状接続ユニットの少なくとも1つの形状接続エレメントが製造される。好ましくは、形状接続エレメントは、電極接触面に配置される。特に、形状接続エレメントは、電極接触面に成形される。好ましくは、形状接続エレメントは、特に選択的な少なくとも1つの材料除去プロセスにより、例えば、切削加工プロセスにより、レーザ切断プロセス及び/又はレーザ穿孔プロセスにより、エッチングプロセスにより、又は、これらに類するプロセスにより、成形される。好ましくは、少なくとも1つの方法ステップにおいて、形状接続エレメントを成形するために電極支持装置の基体から材料が除去される。特に、形状接続エレメントを成形するために、電極接触面から材料が除去される。選択的又は付加的には、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に少なくとも1つの形状接続エレメントを成形するために、例えば、溶接プロセス、接着プロセス及び/又は一体射出成形プロセスによって、好適には付加製造方法の使用によって、基体、特に電極接触面に、材料が被着される。本発明における態様により、有利にコンパクトな燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットが製造され得る。
【0018】
さらに、少なくとも1つの方法ステップにおいて、電極ユニットを電極支持装置に被着させるために、電極ユニットの形状を、電極支持装置に設けられた形状接続ユニットの少なくとも1つの形状接続エレメントに適合させることが提案される。特に、形状接続エレメントに対して相似的又は相補的な他の形状接続エレメントが、電極ユニット、特に分離エレメントに、一体成形される。好ましくは、電極ユニットは、特に前成形された状態で、電極接触面に被着される。特に、電極ユニットは形状接続エレメントに配置される。好ましくは、少なくとも1つの方法ステップにおいて、特に電極ユニットを形状接続エレメントにより塑性変形させるために、電極ユニットが形状接続エレメントに押し被される。特に、電極ユニットは、形状接続エレメントに貼り付けられる。選択的な他の態様においては、電極ユニットは、例えば、スクリーン印刷法、吹付けプロセス、気相析出法、又は、これらに類するものによって、直接的に形状接続エレメントに塗布される。選択的なさらに他の態様においては、この形状接続エレメントに対して相補的な、電極ユニットに設けられた少なくとも1つの形状接続エレメントが、電極接触面への電極ユニットの被着の前に少なくとも前成形され及び/又は完成される。本発明における態様により、形状接続エレメントに対応する、電極ユニットに設けられた形状接続エレメントが、形状接続エレメントに対して相補的に形成され得るので、有利である。特に、対応する形状接続エレメントは、正確に嵌合するように製造され得るので、有利である。特に、対応する形状接続エレメントは、簡単に製造され得るので、有利である。特に、製造精度の管理を不要にすることができる。
【0019】
さらに、少なくとも1つの方法ステップにおいて、電極支持装置の形状接続ユニットに設けられた少なくとも1つの形状接続エレメントの寸法決めを、電極ユニットの粒度に適合させることが提案される。好ましくは、電極ユニットは、少なくとも1種の顆粒、特に結合材、及び/又は、ペースト、特に粒子を有するペーストから、前成形される。好ましくは、「電極ユニットの粒度」とは、特に、電極ユニットを前成形する原料となるペースト及び/又は顆粒の個々の粒子の平均的な最大延在長と解されるものとする。好ましくは、形状接続エレメントは、形状接続エレメントを完全に取り囲む最小の直方体の、特に電極接触面に対して少なくとも実質的に垂直な少なくとも1つの特徴的な辺長が、電極ユニットの粒度よりも大きくなるように成形される。特に好適には、直接隣接し合う2つの形状接続エレメントが、電極ユニットの粒度よりも大きい最小相互間隔を持って製造される。本発明における態様により、形状接続エレメントに、形状接続エレメントを取り囲むように、かつ、形状接続エレメントの間に、電極ユニット、特に電極ユニットの粒子を、有利に信頼性良く分配することが達成され得る。特に、形状接続エレメントに対応する、電極ユニットに設けられた形状接続エレメントが、形状接続エレメントの形状に正確に適合させられ得るので、有利である。特に、空隙の発生が少なく保持され得るので、有利である。
【0020】
さらに、少なくとも1つの方法ステップにおいて、電極支持装置の形状接続ユニットの少なくとも1つの形状接続エレメントを、レーザテクスチャ構造化、又は、付加製造ステップ(additiv. Fertigungsschritt)、例えば、粉末床方法ステップ(Pulverbettverfahrensschritt)、自由立体方法ステップ(Freiraumverfahrensschritt)、液状材料方法ステップ(Fluessigmaterialverfahrensschritt)、若しくは、これらに類するものによって製作することが提案される。好ましくは、形状接続ユニット、特に少なくとも1つの形状接続エレメントは、電極接触面のレーザ加工により製作される。特に、電極接触面は、レーザ加工によってテクスチャ構造化される。特に、形状接続エレメントを形成するための規則的及び/又は不規則的な構造が電極接触面に導入される。選択的又は付加的に、少なくとも1つの形状接続エレメントが、エッチングプロセス及び/又は切削加工プロセス、特に穿孔プロセス、フライス加工プロセス及び/又はやすりがけプロセスにより、成形される。本発明における態様により、有利に精密に、有利に規則的に配置され及び/又は有利に小さい形状接続エレメントが実現され得る。
【0021】
さらに、本発明に係る方法により製造された及び/又は本発明に係る電極支持装置を含む燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットが提案される。好ましくは、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、金属支持型の燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットとして形成される。本発明における態様により、電極ユニットと電極支持装置との有利に確実な機械的結合を有する燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットが提供され得る。特に、温度勾配及び/又は熱機械的な応力に対する有利に高い許容度を有する燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットが提供され得る。特に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、有利に迅速に破壊なしに調熱され、特に加熱され得る。特に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、有利に長い寿命を有する。
【0022】
本発明に係る電極支持装置、本発明に係る方法及び/又は本発明に係る燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、上記において説明した用途及び実施態様に限定されるものではない。特に、本発明に係る電極支持装置、本発明に係る方法及び/又は本発明に係る燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、本明細書中に記載された機能態様を満足するために、本明細書において挙げられた個々の構成要素数、構成部分数及びユニット数並びに方法ステップ数とは異なる数を有することができる。さらに、本明細書中に開示されている値範囲について、挙げられた限界値の間の範囲内にある値も、開示されかつ任意に使用可能であるものとみなす。
【0023】
図面
他の利点は、以下の図面の説明から得られる。図面には、本発明の実施形態が図示されている。図面、明細書及び特許請求の範囲には、複数の特徴が組み合わせられた形態において含まれている。当業者は、これらの特徴を合目的的に個別に考察して、他の好都合な組合せに統合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットを概略的に示す図である。
図2】本発明に係る電極支持装置を概略的に示す図である。
図3】本発明に係る電極支持装置の形状接続エレメントを概略的に示す図である。
図4】本発明に係る電極支持装置の他の形状接続エレメントを概略的に示す図である。
図5】本発明に係る電極支持装置の付加的な形状接続エレメントを概略的に示す図である。
図6】本発明に係る電極支持装置のさらに他の形状接続エレメントを概略的に示す図である。
図7】本発明に係る方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態の説明
図1には、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14が示されている。燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14は、方法38を用いて製造される(図7参照)。燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14は、電極支持装置10を含む。好ましくは、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14は、少なくとも1つの電極ユニット12を含む。好ましくは、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14は、特に金属支持型の固体酸化物燃料電池ユニットとして構成される。好ましくは、電極ユニット12は、少なくとも1つの電極40を含む。好ましくは、電極ユニット12は、少なくとも1つの他の電極42を含む。好ましくは、電極40及び/又は他の電極42は、それぞれ電極層として形成される。好ましくは、電極40は、酸化剤電極材料から成形される。好ましくは、他の電極42は、燃料電極材料から成形される。しかし、電極40が燃料電極材料から成形され、及び/又は、他の電極42が酸化剤電極材料から成形されることも考えられる。好ましくは、電極ユニット12は、少なくとも1つの分離エレメント44、特に分離層を含む。好ましくは、分離エレメント44は、電解質層として形成される。好ましくは、分離エレメント44は、電極40と他の電極42との間に配置される。好ましくは、電極ユニット12は、電極支持装置10に配置される。
【0026】
電極支持装置10は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14の電極ユニット12を支持するために設けられている。電極支持装置10は、電極ユニット12のための少なくとも1つの電極接触面16を含む。特に、電極接触面16は、電極ユニット12に接触している。好ましくは、電極支持装置10は、少なくとも1つの、特に扁平の基体46を含む。好ましくは、基体46は、シート、ディスク及び/又はプレートとして、特に金属薄板として形成される。好ましくは、電極支持装置10は、少なくとも1つの流体通路48を含む。好ましくは、電極支持装置10は、特に流体通路48に対して相似的に形成されかつ特に少なくとも実質的に平行に配置された多数の他の流体通路を含む。好ましくは、流体通路48は、基体46に加工成形される。特に、流体通路48は、基体46を貫通している。好ましくは、流体通路48の少なくとも1つの出口開口50が、電極接触面16に開口している。好ましくは、電極接触面16は、出口開口50を、少なくとも1つの平面内において完全に取り囲んでいる。電極接触面16は、少なくとも1つの流体通路領域34を有する。特に、流体通路48、及び、特に電極支持装置10の総ての他の流体通路は、流体通路領域34に配置される。好ましくは、電極接触面16は、少なくとも1つの、流体通路を有しない部分領域32を含む。好ましくは、他の電極ユニット12が、流体通路領域34に接触している。好ましくは、分離エレメント44は、流体通路を有しない部分領域32に接触している。特に、流体通路を有しない部分領域32は、流体通路領域34を少なくとも1つの平面内において完全に取り囲んでいる。特に、分離エレメント44は、流体通路を有しない部分領域32に対して、及び/又は、電極40に対して、流体通路領域34を流体密にシールしている。好ましくは、電極支持装置10は、少なくとも1つの流体室閉鎖エレメント51を含む。特に、流体室閉鎖エレメント51は、金属薄板として形成される。特に、流体室閉鎖エレメント51は、基体46に、特に基体46の、電極接触面16とは反対の側の外面に配置される。好ましくは、流体室閉鎖エレメント51と基体とは、流体、特に酸化剤及び/又は燃料を、流体通路48及び/又は他の流体通路に分配するための流体室53を形成している。
【0027】
図2には、電極支持装置10の詳細図が図示されている。電極支持装置10は、少なくとも1つの形状接続ユニット18を含む。形状接続ユニット18は、電極接触面16に配置される。形状接続ユニット18は、電極ユニット12を電極接触面16に固定するために設けられている。好ましくは、形状接続ユニット18は、少なくとも1つの形状接続エレメント20,22,24,26,28,30を含む。図3乃至図6には、形状接続エレメント22,24,26,28,30の詳細図が示されている。形状接続ユニット18は、電極ユニット12との噛合せ結合のための、微小歯として形成された少なくとも1つの形状接続エレメント20,22,24,26,28,30を有する。形状接続ユニット18は、電極ユニット12との噛合せ結合のための、微小歯として形成された多数の形状接続エレメント20,22,24,26,28,30を含む。形状接続ユニット18の形状接続エレメント20,22,24,26,28,30は、電極接触面16と一体的に形成される。特に、形状接続エレメント20,22,24,26,28,30は、基体46と一体的に形成される。
【0028】
好ましくは、形状接続ユニット18は、少なくとも台形状の形状接続エレメント20を有する。特に、台形状の形状接続エレメント20は、電極接触面16に対して少なくとも実質的に垂直な少なくとも1つの切断平面内に、台形状のプロファイル(断面形状)を有する。特に、台形状の形状接続エレメント20は、この切断平面と電極接触面16とに対して少なくとも実質的に垂直な他の切断平面内に、方形状及び/又は台形状のプロファイルを有する。特に、台形状の形状接続エレメント20は、円錐台形体、切頭ピラミッド体及び/又は台形状のウェブとして形成される。特に、形状接続ユニット18の台形状の形状接続エレメント20は、アンダカット部36を有する。特に、台形を特徴付ける長辺が、電極接触面16を形成している。特に、台形を特徴付ける短辺は、電極接触面16とは反対の側に配置される。
【0029】
好ましくは、形状接続ユニット18は、少なくとも直方体状の形状接続エレメント22を含む(図3参照)。好ましくは、形状接続ユニット18は、少なくとも円筒状の形状接続エレメント24を含む(図4参照)。好ましくは、形状接続ユニット18は、少なくとも円錐状の形状接続エレメント26を含む(図5参照)。好ましくは、形状接続ユニット18は、少なくともピラミッド状の形状接続エレメント28を含む(図5参照)。好ましくは、形状接続ユニット18は、少なくとも他のピラミッド状の形状接続エレメント30を含む(図6参照)。
【0030】
好ましくは、形状接続ユニット18は、少なくとも実質的に同一構造の多数の形状接続エレメントを有する。形状接続ユニット18が、単一の種類の構造しか有しない形状接続エレメントを有することが考えられる。また、電極接触面16の種々の部分領域において、形状接続エレメントの種々異なる構造が使用されることも考えられる。さらに、少なくとも1つの部分領域において、形状接続エレメントの少なくとも2種類の構造が、特に交互に使用されることも考えられる(図5参照)。
【0031】
形状接続ユニット18の形状接続エレメント20,22,24,26,28,30のうちの少なくとも1つは、電極接触面16の流体通路を有しない部分領域32に配置される。特に、形状接続ユニット18の形状接続エレメント20,22,24,26,28,30は、流体通路領域34をシールするために設けられており、特に分離エレメント44及び/又は他の電極42を基体46に固定するために設けられている。特に、台形状の形状接続エレメント20、直方体状の形状接続エレメント22、円筒状の形状接続エレメント24、円錐状の形状接続エレメント26及び/又はピラミッド状の形状接続エレメント28は、流体通路を有しない部分領域32に配置される。しかし、他のピラミッド状の形状接続エレメント30が、流体通路を有しない部分領域32に配置されることも考えられる。形状接続ユニット18の形状接続エレメント20,22,24,26,28,30のうちの少なくとも1つは、電極接触面16の流体通路領域34に配置される。特に、他のピラミッド状の形状接続エレメント30は、流体通路領域34に配置される。しかし、台形状の形状接続エレメント20、直方体状の形状接続エレメント22、円筒状の形状接続エレメント24、円錐状の形状接続エレメント26及び/又はピラミッド状の形状接続エレメント28が、流体通路領域34に配置されることも考えられる。
【0032】
図7には、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14、特に固体酸化物燃料電池ユニットを製造するための方法38が示されている。燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14は、少なくとも電極ユニット12と、少なくとも、電極ユニット12を支持するための電極支持装置10とを含む。少なくとも1つの方法ステップにおいて、電極ユニット12は、少なくとも形状接続方式により電極支持装置10に結合される。好ましくは、方法38は電極製造ステップ52を含む。好ましくは、電極製造ステップ52において、電極ユニット12が製造される。好ましくは、少なくとも1つの電極製造ステップ52において、電極ユニット12が製造され、特に少なくとも前成形される。好ましくは、電極製造ステップ52において、電極ユニット12の少なくとも1つのブランク、プレス加工品、グリーン体(未焼結の生成形体)、ホワイト体(前焼結体)、又は、これらに類するものが製造される。好ましくは、電極ユニット12は、搬送エレメント54上に製造され、特に層状にコーティングされる。
【0033】
好ましくは、方法38は、少なくとも1つの電極支持体製造ステップ56を含む。好ましくは、電極支持体製造ステップ56において、電極支持装置10が製造される。好ましくは、電極支持装置10、特に基体46は、少なくとも実質的にチタン、Crofer(登録商標)22H/APU、Inconel(登録商標)600、又は、これらに類するものから製作される。好ましくは、流体通路形成ステップ58の間、電極支持装置10の少なくとも基体46は、構造化される。特に、流体通路形成ステップ58においては、少なくとも1つの流体通路48が基体46に加工成形される。好ましくは、この少なくとも1つの流体通路48は、変形加工プロセスにより、特に打抜き加工、押込み加工、フライス削り、レーザ穿孔、レーザ切断、エッチング、又は、これらに類するものによって、電極支持装置10の基体46に加工成形される。好ましくは、流体通路形成ステップ58において、電極支持装置10はバリ取りされる。好ましくは、流体通路形成ステップ58において、電極支持装置10はクリーニングされる。好ましくは、テクスチャ構造化ステップ60において、電極接触面16は、形状接続ユニット18を形成するために構造化される。テクスチャ構造化ステップ60は、流体通路形成ステップ58の前、後及び/又は流体通路形成ステップ58と同時に、実施され得る。テクスチャ構造化ステップ60においては、電極支持装置10の形状接続ユニット18の形状接続エレメント20,22,24,26,28,30のうちの少なくとも1つが、電極支持装置10の電極接触面16に、特に材料除去プロセス及び/又は材料コーティングプロセスにより成形される。テクスチャ構造化ステップ60においては、形状接続エレメント20,22,24,26,28,30のうちの少なくとも1つの形状接続エレメントの寸法決めが、電極ユニット12の粒度に適合させられる。テクスチャ構造化ステップ60においては、形状接続エレメント20,22,24,26,28,30のうちの少なくとも1つが、レーザテクスチャ構造化によって製作される。特に、テクスチャ構造化ステップ60においては、電極支持装置10、特に基体46から、材料が除去される。特に、テクスチャ構造化ステップ60においては、電極接触面16において材料が除去される。特に、テクスチャ構造化ステップ60においては、形状接続エレメント20,22,24,26,28,30が成形され、特に、形状接続エレメント20,22,24,26,28,30が残存するように、余分な材料が切抜き加工される。好ましくは、電極支持体製造ステップ56において、電極支持装置10は熱により後処理される。好ましくは、電極支持体製造ステップ56において、電極支持装置10は、搬送及び/又は貯蔵のために巻き上げられ及び/又は積み重ねられる。電極支持装置10が、例えば搬送設備を介して、直接的に後処理へ搬送されることも考えられる。
【0034】
好ましくは、少なくとも1つの合流ステップ62において、特に前成形された電極ユニット12が、電極支持装置10、特に電極接触面16に被着される。好ましくは、合流ステップ62において、電極ユニット12を備えた搬送エレメント54が電極支持装置10に配置される。特に、電極ユニット12は、電極支持装置10に面した側に、特に電極接触面16に面した側に、向けられる。好ましくは、合流ステップ62は、特に電極ユニット12を電極支持装置10、特に電極接触面16に貼り付けるための加熱プロセス及び/又はプレスプロセスを含む。合流ステップ62においては、電極ユニット12が電極支持装置10に被着される際に、電極ユニット12の形状が、少なくとも1つの形状接続エレメント20,22,24,26,28,30に適合させられる。特に、前成形された電極ユニット12は、特に電極ユニット12を変形させるために、形状接続ユニット18に押し被される。特に、電極ユニット12の形状が、合流ステップ62において、少なくとも1つの形状接続エレメント20,22,24,26,28,30に対して相補的に変形させられる。特に、電極ユニット12は顆粒及び/又はペーストから形成され、この顆粒及び/又はペーストは、形状接続エレメント20,22,24,26,28,30に接するように、形状接続エレメント20,22,24,26,28,30を取り囲むように、及び/又は、形状接続エレメント20,22,24,26,28,30の間に、分配される。電極ユニット12が電極支持装置10に被着された後に、特に水溶性の搬送エレメント54は、電極ユニット12から、特に湿潤によって除去される。好ましくは、方法38は、焼結ステップ64を含む。好ましくは、電極ユニット12は、特に電極支持装置10に被着された状態で、焼結ステップ64において焼結される。遅くとも焼結ステップ64の後及び/又は前成形された電極ユニット12の少なくとも硬化の後に、電極ユニット12は、形状接続方式により電極支持装置10に結合される。好ましくは、電極ユニット12は、特に電極支持装置10に被着された状態で、焼結ステップ64において、600℃よりも高い温度、好適には800℃よりも高い温度、特に好適には1000℃よりも高い温度にもたらされる。好ましくは、個別化ステップ66において、電極支持装置10は電極ユニット12と共に、金属支持型の個々の燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット14に分割される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7