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特許7130859燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット用の電極担体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット用の電極担体装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1226 20160101AFI20220829BHJP
   H01M 8/1286 20160101ALI20220829BHJP
   H01M 8/1213 20160101ALI20220829BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20220829BHJP
   C25B 9/63 20210101ALI20220829BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20220829BHJP
【FI】
H01M8/1226
H01M8/1286
H01M8/1213
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
C25B9/63
C25B9/23
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021515654
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2019074979
(87)【国際公開番号】W WO2020058318
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】102018216099.6
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ クノイレ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘフェリン
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-317740(JP,A)
【文献】特開2004-127635(JP,A)
【文献】特開2008-251383(JP,A)
【文献】特開2011-054507(JP,A)
【文献】特開2014-123481(JP,A)
【文献】特開2018-163811(JP,A)
【文献】特開2000-306591(JP,A)
【文献】特表2005-536033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/12
C25B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット用電極担体装置であって、
前記燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの電極ユニット(16a)を支持するための少なくとも1つの電極担体要素(14a)を有し、かつ、前記電極担体要素(14a)内に配置された少なくとも1つの流体管路(18a)を有する電極担体装置において、
通流面の適合のために、少なくとも部分的に前記流体管路(18a)内に配置された少なくとも1つの充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)を有する、
ことを特徴とする電極担体装置。
【請求項2】
前記充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)は、前記流体管路(18a)と共に少なくとも1つの管路ギャップ(24a)を形成する、請求項1に記載の電極担体装置。
【請求項3】
前記充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)は、前記流体管路(18a)内に配置された、前記充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)の少なくとも1つの充填要素(30a;30b;30c;30d;30e)を支持するために、少なくとも1つの充填担体要素(28a;28b;28c;28d;28e)を含む、請求項1又は2に記載の電極担体装置。
【請求項4】
前記充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)は、前記流体管路(18a)内に充填要素(30a;30b;30c;30d;30e)を位置決めするために、少なくとも1つの位置決め要素(36a;36b;36c;36d;36e)を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電極担体装置。
【請求項5】
前記充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)と前記電極担体要素(14a)との電気的な接続のために、少なくとも1つのコンタクト要素(38a;38b;38c;38d;38e)を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電極担体装置。
【請求項6】
前記電極担体要素(14a)と前記充填ユニット(22a)の間の流体空間(42a)を密封するために、少なくとも1つの接続要素(40a)を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電極担体装置。
【請求項7】
前記流体空間(42a)は、前記電極担体要素(14a)と前記充填ユニット(22a)の充填担体要素(28a)との間の流体空間(42a)である、請求項6に記載の電極担体装置。
【請求項8】
前記充填ユニット(22a)配置された少なくとも1つの分離層(44a)を有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電極担体装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの分離層(44a)は、前記充填ユニット(22a)の充填要素(30a)に配置された少なくとも1つの分離層(44a)である、請求項8に記載の電極担体装置。
【請求項10】
前記充填ユニット(22a)は、少なくとも1つのエンボスシート(46a;46b;46c;46d;46e)を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電極担体装置。
【請求項11】
前記燃料電池ユニット及び/又は前記電解槽ユニットは、固体酸化物形燃料電池ユニット及び/又は高温電解槽ユニットである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電極担体装置。
【請求項12】
燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット製造方法であって、
前記燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、少なくとも1つの電極ユニット(16a)と、前記電極ユニット(16a)を支持するための少なくとも1つの電極担体装置を含む方法であって、
前記電極ユニット(16a)を前記電極担体装置上に被着する前の少なくとも1つのステップにおいて、前記電極担体装置の充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)を、通流面の適合のために、少なくとも部分的に、前記電極担体装置の流体管路(18a)に入れ込む、
ことを特徴とする製造方法。
【請求項13】
前記電極ユニット(16a)を前記電極担体装置上に被着する前の少なくとも1つのステップにおいて、前記充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)の少なくとも1つの充填要素(30a)を、前記電極担体装置の前記充填ユニット(22a;22b;22c;22d;22e)の充填担体要素(28a;28b;28c;28d;28e)に形成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記燃料電池ユニット及び/又は前記電解槽ユニットは、固体酸化物形燃料電池ユニット及び/又は高温電解槽ユニットである、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの電極担体装置は、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電極担体装置である、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電極担体装置を備える燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット
【請求項17】
固体酸化物形燃料電池ユニット及び/又は高温電解槽ユニットである、請求項16に記載の燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの電極ユニットを支持するための少なくとも1つの電極担体要素を有し、かつ、電極担体要素内に配置された少なくとも1つの流体管路を有する、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット用、特に固体酸化物形燃料電池ユニット用の電極担体装置は、既に提案されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の開示
本発明は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの電極ユニットを支持するための少なくとも1つの電極担体要素を有し、かつ、電極担体要素内に配置された少なくとも1つの流体管路を有する、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット用、特に固体酸化物形燃料電池ユニット用の電極担体装置に基づく。
【0003】
電極担体装置が、通流面の適合のために、少なくとも部分的に流体管路内に配置された少なくとも1つの充填ユニットを含むことが提案される。この関連において、「燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット」とは、特に、燃料電池、特に固体酸化物形燃料電池、及び/又は、電解槽、特に高温電解槽の少なくとも一部、特にサブアセンブリであると理解されるべきである。特に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、燃料電池全体、特に固体酸化物形燃料電池全体、電解槽全体、特に高温電解槽全体、燃料電池及び/又は電解槽のスタック、及び/又は、燃料電池及び/又は電解槽の複数のスタックの結合体も含み得る。有利には、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、電気エネルギーを生成するための燃焼プロセスにおいて、酸化剤を供給して、燃料を燃焼させるために設けられる。選択的又は付加的に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、分離プロセスにおいて、電気エネルギーを供給して、流体を少なくとも2つの構成部分に分けるために設けられる。「設けられる」とは、特に、特別に設定される、特別に設計される、及び/又は、特別に装備されることと理解されるべきである。ある対象物が特定の機能のために設けられるとは、特に、この対象物が、少なくとも使用状態及び/又は動作状態において、このような特定の機能を履行すること及び/又は実行することと理解されるべきである。
【0004】
有利には、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの「電極ユニット」とは、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットによって実行される燃焼プロセス及び/又は分離プロセスに直接的に関与する、少なくとも1つの電極、特に電極層を含むユニットと理解されるべきである。有利には、電極ユニットは、特に電極に加えて、少なくとも1つのさらなる電極、特にさらなる電極層を含む。特に、電極及びさらなる電極は、カソード-アノード対として使用されるために設けられる。有利には、電極ユニットは、少なくとも1つの分離要素、特に電解質層を含む。有利には、分離要素は、電極とさらなる電極との間に配置される。有利には、電極及び/又はさらなる電極は、特に酸化剤及び/又は核分裂生成物との接触のために、酸化剤電極として形成される。有利には、少なくとも電極及び/又はさらなる電極は、特に燃料及び/又はさらなる核分裂生成物との接触のために、燃料電極として形成される。特に、電極ユニットは膜/電極接合体(英語でmembrane electrode assembly,MEA)として形成される。
【0005】
有利には、電極担体要素は、電極担体装置に電極ユニットを配置するために設けられる。有利には、電極担体装置は少なくとも1つの電極接触面を含む。有利には電極接触面は、少なくとも、電極担体要素の表面の部分領域、特に最大の外面の部分領域として形成される。有利には電極担体要素は平坦に形成される。特に、電極担体要素は、電極接触面に垂直な方向において、最大の延在を有し、これは、電極接触面の最大の延在より小さく、有利には電極接触面の最大の延在の1/10より小さく、特に有利には電極接触面の最大の延在の1/30より小さい。有利には、特に、少なくとも、電極担体要素の基準状態において、電極接触面の曲率の最大の曲率半径は、電極接触面の最大の延在より大きく、特に3倍以上、特に有利には5倍以上である。有利には、電極担体要素は、フィルム、ディスク、ファブリック、プレート等として形成される。特に、電極担体要素の最大の延在、特に最大の材料の厚さは、電極接触面に垂直な方向において、少なくとも1mm以下、有利には750μm以下、特に有利には500μm以下である。
【0006】
有利には、電極接触面の最大の延在は、電極ユニットの最大の延在より大きい。特に、電極接触面の最大の外囲は、電極ユニットの最大の外囲よりも大きい。有利には、電極担体装置、特に電極担体要素は、少なくとも、電極接触面に垂直な方向において最大の延在を有し、この最大の延在は、電極接触面に垂直な方向において、電極担体装置に配置された、特に固定された、電極ユニットの状態において、電極ユニットの最大の延在より大きく、有利には2倍以上であり、特に有利には5倍以上である。
【0007】
有利には、電極担体装置、特に電極担体要素は、少なくとも実質的に、少なくとも1つの金属から製造されている。対象物が「実質的に、ある材料から」製造されるとは、特に、この対象物の総体積に占めるこの材料の体積割合が25%以上、有利には50%以上、特に有利には75%以上であると理解されるべきである。選択的に、電極担体要素は、少なくとも実質的に、セラミック及び/又はプラスチックから製造されている。有利には、電極担体装置は、少なくとも実質的に、高温安定材料、特に金属から製造される。「高温安定」とは、特に、少なくとも500℃の温度まで、有利には少なくとも850℃の温度まで、特に有利には少なくとも1200℃の温度まで、形状的に安定している、及び/又は、化学的に安定していることと理解されるべきである。電極担体装置が、例えば、電極担体要素の電気的及び/又は熱的に絶縁された固定のために、セラミック、プラスチック又は他の何らかの材料から製造されている構成要素を含むことが考えられる。
【0008】
有利には、流体管路は、流体、特に酸化剤及び/又は燃料を、電極担体要素を通して誘導するために設けられる。有利には、流体管路は、電極接触面において、少なくとも1つの合流開口部を含む。有利には、流体管路は、電極接触面とは反対側に面する側を向いている、電極担体要素のベース面に少なくとも1つの入口開口部を含む。有利には、流体管路は、入口開口部から合流開口部まで、少なくとも実質的に電極接触面に垂直に延在している。「実質的に垂直」という表現は、ここでは、特に、基準方向に対する方向の配向を規定するべきであり、ここで、この方向と基準方向とは、特に面において見て、90°の角度を成し、この角度は、特に8°以下、有利には5°以下、特に有利には2°以下の最大偏差を有する。有利には、電極担体装置は、多数の流体管路を含む。有利には、流体管路は、少なくとも実質的に同一の構造を有する。有利には、流体管路は、互いに、少なくとも実質的に平行に、特に、互いに規則的な間隔で及び/又は不規則な間隔で配置される。「実質的に平行」とは、ここでは、特に、特に面における、基準方向に対する方向の配向と理解されるべきであり、ここで、この方向は、基準方向に対して、特に8°以下、有利には5°以下、特に有利には2°以下の偏差を有する。有利には、合流開口部の最大の延在は、ウェブ幅より大きい。「ウェブ幅」とは、特に、隣接する2つの流体管路間、特に2つの合流開口部間の電極担体要素の最大の延在と理解されるべきである。有利には、流体管路は、大面積に形成される。有利には「大面積」とは、電極接触面に平行な、流体管路、特に合流開口部の横断面が、少なくとも、電極接触面の最大面積の0.1%より大きい、有利には0.5%より大きい、特に有利には1%より大きい最大面積を有することと理解されるべきである。
【0009】
有利には、充填ユニットは、少なくとも1つの充填要素を含む。有利には、充填ユニットは、複数の充填要素を含む。有利には、充填ユニットは、複数の流体管路に対して、少なくとも1つの充填要素を含む。特に有利には、充填ユニットは、総ての流体管路に対して、少なくとも1つの、特に厳密に1つの充填要素を含む。「充填要素」とは、特に、流体管路内に少なくとも部分的に配置可能な構造要素と理解されるべきである。充填要素が、少なくとも1つの係留領域を含むことが考えられ、これは特に、少なくとも最大の延在に基づいて、特に、充填要素を電極担体要素に固定するために、流体管路の外側にのみ配置可能である。有利には、充填ユニットは、電極接触面と少なくとも実質的に同一平面に配置される少なくとも1つの外面を有する。2つの面が「実質的に同一平面」に配置されるとは、特に、これらの面が少なくとも実質的に平行に配置され、かつ、少なくとも1つの面に垂直な方向において許容値以下だけ互いに間隔を空けて配置されることと理解されるべきである。有利には、実質的に同一平面の外面は、充填要素によって、特に有利には少なくとも、総ての充填要素の大部分によって形成される。有利には、同一平面の配置に対する許容値は、有利には、電極接触面に垂直な方向における流体管路の最大の延在の30%以下、有利には20%以下、特に有利には10%以下である。特に、充填ユニットの実質的に同一平面の外面は、特に流体管路に電極ユニットを支持するために、特に流体管路の合流開口部に電極ユニットを支持するために、電極接触面の拡張を形成する。
【0010】
有利には、充填要素は、包囲している流体管路の管路壁とは異なって形成される。有利には、充填要素は、流体を通さないように形成される。特に、充填要素は中実に形成される。有利には「通流面」とは、特に、流体管路の、包囲している管路壁に垂直に延在しており、特に燃料電池ユニット及び/又は電極ユニットの動作中に、流体、特に酸化剤及び/又は燃料が、電極ユニットの流体供給のために通流する、流体管路内の仮想の面と理解されるべきである。有利には、電極接触面は、通流面に対して少なくとも実質的に平行に配置される。有利には、充填ユニット、特に充填要素は、少なくとも1つの流体管路の少なくとも最大の通流面を有効な通流面に低減させる。特に、充填ユニットは、流体パラメータ、例えば、流体管路を通流する際の流体の圧力損失、例えば、流体管路を通る流体の体積流量及び/又は流体管路を通流する間の流体に関する数値を定めるために設けられる。付加的又は選択的に、充填ユニットは、特に流体管路内における流体誘導及び/又は流体分配のために設けられる。有利には、充填ユニット、特に充填要素は、流体管路の管路壁によって区切られている、流体管路の内部空間を構造化する。例えば、少なくとも1つの充填要素は、ピンとして、円錐として、格子として、ねじとして、円筒として、特に星形の底面を備える円筒として形成され、又は、当業者には合理的と思われる他の形状により形成される。
【0011】
本発明に係る電極担体装置のこの構成によって、流体管路の通流面の形状を有利には柔軟に変更することが可能になる。特に、電極担体要素を有利には低コストの変形プロセス、特にパンチングプロセス等で製造することが可能になる。
【0012】
さらに、充填ユニットが流体管路と共に少なくとも1つの管路ギャップを形成することが提案される。特に、充填要素は、流体管路に対して少なくとも実質的に相補的に形成された部分領域を有する。「実質的に相補的」とは、特に、充填要素が、電極接触面に平行な横断面において、この管路壁より小さい外囲を有する、流体管路の、包囲している管路壁と同様の輪郭プロファイルを有することと理解されるべきである。特に、充填要素の輪郭プロファイルは、包囲している流体管路の管路壁の輪郭プロファイルのスケーリングされたバージョンである。有利には、充填要素は、包囲している流体管路の管路壁から間隔を空けて配置される。有利には、充填要素は、流体管路内に同心円状に配置される。特に、充填要素と流体管路とは、流体管路の管路壁と充填要素の外面との間に管路ギャップを形成する。例えば、管路ギャップは環状ギャップとして形成される。しかし、管路ギャップがスリット状、矩形、卵形等に形成されることも考えられる。有利には、「管路ギャップの幅」とは、電極接触面に平行な面における、充填要素と、充填要素を包囲している、流体管路の管路壁との間の最小間隔と理解されるべきである。有利には、管路ギャップの幅は、少なくとも実質的に均一である。「実質的に均一」な変数とは、特に、その極値が平均値から50%以下、有利には25%以下、特に有利には10%以下だけ偏差する変数と理解されるべきである。有利には、管路ギャップの幅は、電極接触面に平行な面における充填要素の最大の延在より小さい。特に、異なる幅を有する管路ギャップを実現するために、異なって形成された充填要素が異なる流体管路内に配置されることが考えられる。有利には、充填要素、特に実質的に相補的な部分領域は、特に円形、卵形、矩形、多角形等の底面を備える一般的な円筒として形成される。特に、充填要素、特に、少なくとも実質的に相補的な部分領域は、突起、ピン、ウェブ等として形成される。しかし、充填要素が、特に電極接触面とは反対側に面する方向及び/又は電極接触面に面する方向において、先細になるように形成されることも考えられる。選択的な構成においては、充填要素は、電極接触面に平行な横断面において、包囲している管路壁の輪郭プロファイルとは異なって形成された輪郭プロファイルを有する。さらなる選択的な構成においては、充填要素は、流体管路内に偏心して配置され、及び/又は、流体管路の管路壁に直接的に配置される。本発明に係る電極担体装置のこの構成によって、電極ユニットの流体供給のために、有利には細い管路ギャップを実現することができる。特に、管路ギャップの幅を、特に、有利には容易な製造プロセスにより充填要素の横断面を適合させることによって、有利には容易に変更することができる。特に、特に燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの一部としての電極担体装置の動作中に、電極担体要素を通る流体の流れを有利には正確に制御することができる。
【0013】
さらに、流体管路内に配置された、充填ユニットの少なくとも1つの充填要素を支持するために、少なくとも1つの充填担体要素を充填ユニットが含むことが提案される。有利には、充填担体要素は、流体管路内に充填要素を固定するために設けられる。特に、充填担体要素は、電極担体要素に直接的に、及び/又は、共通のフレーム、共通のハウジング、共通の保持装置等を介して配置され、特に固定される。有利には、充填担体要素の最大の外面は、電極接触面に少なくとも実質的に平行に配置される。有利には電極担体要素のベース面は、充填担体要素に対向する。有利には、充填担体要素は、プレートとして、特に金属シートとして形成される。しかし、充填担体要素がバー、格子、らせん等として形成されることも考えられる。有利には充填要素は、充填担体要素に配置される。特に、充填要素は、充填担体要素に固定される。有利には、充填要素は、充填担体要素に一体的に形成される。「一体的」とは、特に、例えば、溶接プロセス、接着プロセス、吹き付けプロセス、及び/又は、当業者には合理的と思われる他のプロセスによって、少なくとも材料接続により接続されること、及び/又は、有利には、例えば、鋳造からの製造及び/又は単独コンポーネント射出方法又はマルチコンポーネント射出方法による製造によって、有利には個々のブランクから、一部分で形成されることと理解されるべきである。しかし、充填要素が充填担体要素に摩擦接続により及び/又は形状接続により固定されることも考えられる。有利には、少なくとも2つの充填要素、特に、相互に間隔が空けられた2つの充填要素が、同一の充填担体要素に配置される。有利には、複数の充填要素、有利には充填要素の大部分、特に有利には総ての充填要素が、同一の充填担体要素に配置される。しかし、これらの充填要素が、充填ユニットの複数の充填担体要素上に、特に均等に分散していることも考えられる。本発明によるこの構成によって、充填要素を、流体管路内に有利には迅速に及び/又は有利には容易に配置することができる。特に、流体管路内の充填要素の固定を、有利には容易に行うことができる。特に、流体管路内の充填要素の配置を、有利には確実に、かつ、有利には再現可能にすることができる。特に、充填要素の配置の個々の偏差を小さく保持することができる。
【0014】
さらに、充填ユニットが、流体管路内に充填要素を位置決めするために、少なくとも1つの位置決め要素を含むことが提案される。有利には、「位置決め要素」とは、少なくとも1つの充填要素を所定の正確さで流体管路内に位置決めすることを可能にする構造要素と理解されるべきである。特に、位置決め要素は、流体管路への充填要素の侵入深さを定めるために設けられる。有利には、位置決め要素は、充填要素の少なくとも1つの外面を、電極接触面と少なくとも実質的に同一平面に配置するために設けられる。有利には、位置決め要素は、充填要素が電極接触面を越えて、特にベース面から電極接触面に向かう方向において突出することを阻止するために設けられる。特に、電極接触面に少なくとも実質的に平行である、特に電極接触面に面する、充填要素の外面は、電極接触面とベース面との間に配置される。有利には、位置決め要素は、電極担体要素、特に電極担体要素のベース面と、充填ユニットの充填担体要素との間に配置される。有利には、充填ユニットは、複数の位置決め要素を含む。有利には、位置決め要素は、充填要素とは異なって形成される。有利には、位置決め要素は、充填担体要素に固定されており、特に、充填担体要素と一体的に形成される。しかし、位置決め要素が独立して形成され、特に電極担体要素と充填担体要素との間に挟まれることも考えられる。有利には、電極接触面に平行な横断面における位置決め要素の面積は、電極接触面に平行な、さらなる横断面における充填担体要素の面積より小さい。有利には、異なる位置決め要素が、互いに間隔を空けて形成され、及び/又は、少なくとも部分的に流体を通すように形成される。特に、位置決め要素は、スペーサとして形成される。特に、充填担体要素は、位置決め要素によって、電極担体要素から間隔を空けて配置される。特に、充填担体要素、位置決め要素及び電極担体要素、特にベース面は、電極担体要素における流体管路の流体供給のために、少なくとも1つの流体供給管路を形成する。本発明によるこの構成によって、電極担体要素に充填ユニットを有利には確実に配置することができる。特に、充填ユニットを、電極接触面と有利には同一平面に配置することができる。特に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの電極ユニットを、電極接触面上に有利には平坦に被着することができる。特に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの電極ユニットを、充填ユニットによる機械的負荷から有利には確実に保護することができる。
【0015】
さらに、電極担体装置が、充填ユニットと電極担体要素との電気的な接続のために、少なくとも1つのコンタクト要素を含むことが提案される。有利には、充填ユニットは、少なくとも実質的に金属から製造される。有利には、充填ユニットは、電極担体要素と少なくとも実質的に同一の材料、特に同一の金属から製造される。有利には、コンタクト要素は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの動作中に、充填ユニットと電極担体要素との間の電位差を平準化するために設けられる。有利には、コンタクト要素は、位置決め要素と一体的に形成される。しかし、電極担体装置が、位置決め要素に加えて、コンタクト要素を有することも考えられる。例えば、コンタクト要素は、ワイヤとして、金属ストリップとして、充填ユニット及び電極担体要素に対する共通の保持部等として形成される。コンタクト要素がコーティングとして、特に充填ユニットのコーティング及び/又は電極担体要素のベース面のコーティングとして形成されることも考えられる。有利には、コンタクト要素は、例えば、溶接プロセス、特に抵抗溶接プロセス及び/又はレーザ溶接プロセスを介して、充填ユニット及び/又は電極担体要素と材料接続により接続されている。本発明によるこの構成によって、充填ユニットと電極担体要素との間の移行抵抗を有利には低く保持することが可能になる。特に、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットが、有利には効率的に動作可能になる。
【0016】
さらに、電極担体装置が、電極担体要素と充填ユニット、特に充填ユニットの充填担体要素との間の流体空間を密封するために、少なくとも1つの接続要素を有することが提案される。有利には、接続要素は、少なくとも、電極接触面に少なくとも実質的に平行な面において、流体空間を包囲する。例えば、接続要素は、カラー(周縁部)として形成される。有利には、接続要素、特にカラーは、充填担体要素に固定されており、及び/又は、充填担体要素と一体的に形成される。有利には、接続要素、特にカラーは、電極担体要素、特にベース面に固定されており、及び/又は、電極担体要素と一体的に形成される。例えば、接続要素は、充填担体要素及び/又は電極担体要素と一体的に、例えば、溶接面、合わせ目、フランジ面、接着面等として形成される。本発明によるこの構成によって、特に複数の流体管路における流体の均一な分布のために、流体空間を、有利にはわずかな構成部分により、電極担体要素のベース面に実現することが可能になる。
【0017】
さらに、電極担体装置が、充填ユニット、特に充填ユニットの充填要素に配置された少なくとも1つの分離層を有することが提案される。特に、分離層は、電極担体装置に面する、充填ユニット、特に充填要素の外面に被着されている。有利には、分離層は、少なくとも、電極接触面と少なくとも実質的に同一平面に配置された、充填要素の外面上に被着されている。選択的に、分離層は、充填ユニット全体にわたって被着されている。特に、分離層は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの製造中に、電極ユニットと充填ユニットとの間の材料接続を阻止するために設けられる。しかし、電極担体装置、特に充填ユニットが、特に電極ユニットの付加的な機械的安定化のために、分離層なしに形成されることも考えられる。本発明によるこの構成によって、充填要素と電極ユニットとの間の有利には高い流体通過性を得ることが可能になる。特に、流体管路の合流開口部に、有利には大面積の流体分布を実現することができる。特に、電極ユニット内のクロスフロー損失を有利には低く保持することができる。
【0018】
さらに、充填ユニットが少なくとも1つのエンボスシートを有することが提案される。特に、エンボスシートは、少なくとも充填担体要素を含む。特に、エンボスシートは、少なくとも1つの充填要素を含む。有利には、エンボスシートは、多数の充填要素を含む。特に、充填要素は、充填担体要素上に規則的に及び/又は不規則に分布する。有利には、エンボスシートは、突起を有するシートとして形成される。しかし、エンボスシートが、充填要素として、丸形エンボス、正方形エンボス、ピラミッド形エンボス、菱形エンボス等を有することも考えられる。本発明によるこの構成によって、充填ユニットを、有利には容易に、有利には正確に、及び/又は、有利には低コストに、製造することが可能になる。
【0019】
さらに、本発明は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット、特に固体酸化物形燃料電池ユニットの製造方法に基づいており、ここで、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、少なくとも1つの電極ユニットと、電極ユニットを支持するための少なくとも1つの電極担体装置、特に本発明に係る電極担体装置とを含む。電極ユニットが電極担体装置上に被着される前の少なくとも1つのステップにおいて、電極担体装置の充填ユニットが、管路ギャップを形成するために、電極担体装置の流体管路に少なくとも部分的に入れ込まれることが提案される。有利には、電極担体要素は、少なくとも1つの電極担体製造ステップにおいて製造される。特に、電極担体製造ステップにおいて、少なくとも1つの流体管路が電極担体要素に入れ込まれる。有利には、流体管路は、変形プロセス、特にパンチングロセス、機械加工プロセス及び/又はレーザ切断プロセスによって形成される。有利には、少なくとも1つの充填ユニット製造ステップにおいて、充填ユニットが製造される。特に、充填ユニットは、少なくとも1つのステップにおいて、ベース面に配向される。特に、充填担体要素は、電極担体要素の電極接触面に少なくとも実質的に平行に配置される。有利には、充填ユニットは、ベース面から流体管路に入れ込まれる。特に、充填要素は、少なくとも1つの流体管路に入れ込まれる。特に、少なくとも1つの充填要素が、少なくとも、流体管路の大部分に入れ込まれる。有利には、充填ユニットの位置決め要素は、少なくとも1つのステップにおいて、充填担体要素に配置される。特に、少なくとも1つのステップにおいて、充填ユニットの少なくとも1つの充填要素が、電極接触面と少なくとも実質的に同一平面に配置される。特に、少なくとも1つのステップにおいて、充填ユニットは、電極担体要素に直接的に、及び/又は、電極担体装置の接続要素を介して固定される。有利には、少なくとも1つのステップにおいて、充填ユニットと電極担体要素とが、特に電極担体装置のコンタクト要素によって、電気的に接続される。本発明に係る方法のこの構成によって、有利には、電極ユニットの流体供給のために、細い管路ギャップを実現することができる。特に、管路ギャップの幅を、有利には容易に、充填要素の横断面の適合を介して変更することができ、特に任意に選択することができる。特に、管路ギャップの形状を有利には柔軟に変更することができる。
【0020】
さらに、電極ユニットが電極担体装置上に被着される前の少なくとも1つのステップにおいて、充填ユニットの少なくとも1つの充填要素が、電極担体装置の充填ユニットの充填担体要素に形成されることが提案される。有利には、充填ユニット製造ステップにおいて、少なくとも1つの充填要素、有利には複数の充填要素が、充填担体要素に当接して形成される。有利には、充填要素は、ストレッチドローイングプロセス、特にエンボス加工プロセスによって充填担体要素に当接して形成される。特に、少なくとも1つのステップにおいて、少なくとも1つの充填要素に、流体管路に対して少なくとも実質的に相補的な形状が与えられる。有利には、多数の充填要素が、規則的なパターンで及び/又は不規則に、充填担体要素に当接して形成される。有利には、特に、位置決め要素の配置のために、少なくとも1つの支持点が充填担体要素にマークされる。特に、充填要素の規則的なパターンは、マークされた支持点において中断される。有利には、充填ユニットは、充填ユニット製造ステップにおいて、少なくとも片側が分離層によって被覆される。充填ユニットが電極担体要素内に配置された後、分離層が充填要素上に選択的に被着されることも考えられる。本発明によるこの構成によって、充填ユニットを、有利には低コストに製造することが可能になる。特に、管路ギャップの幅を、有利には正確に実現することが可能になる。
【0021】
さらに、本発明に係る方法により製造された及び/又は本発明に係る電極担体装置を備える燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット、特に固体酸化物形燃料電池ユニットが提案される。本発明によるこの構成によって、電極ユニットの有利には大面積のガス供給を可能にする燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットを利用することが可能になる。特に、燃料電池ユニット及び/又は電解質ユニットを有利には低コストに製造することが可能になる。特に、プロセス流体、特に燃焼ガス及び/又は酸化剤に対して有利には高い浸透性を有する燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットを提供することが可能になる。特に、有利には高い燃料ガス利用率を有する燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットを提供することが可能になる。特に、有利には高い出力密度を有する燃料ガスユニット及び/又は電解質ユニットを実現することが可能になる。
【0022】
本発明に係る電極担体装置、本発明に係る方法及び/又は本発明に係る燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、上述の用途及び実施形態に限定されるべきではない。特に、本発明に係る電極担体装置、本発明に係る方法及び/又は本発明に係る燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットは、本明細書に記載されている作用を満たすために、本明細書において挙げられた個々の要素、構成部分及びユニット並びにステップの数とは異なる数を有し得る。さらに、本開示において指定された値の範囲においては、挙げられた境界内にある値も、開示され、任意に使用可能であるとみなされるべきである。
【0023】
図面
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかになる。図面には、本発明の6つの実施例が示されている。図面、説明及び特許請求の範囲には、多数の特徴が組み合わせられて含まれている。当業者はまた、これらの特徴を合目的に個別に検討し、それらを有用なさらなる組合せに統合するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る電極担体装置を備える本発明に係る燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニットの長手断面の概略図である。
図2】本発明に係る電極担体装置の概略的な平面図である。
図3】本発明に係る電極担体装置の充填ユニットの概略的な平面図である。
図4】充填ユニットの長手断面の概略図である。
図5】充填ユニットのさらなる長手断面の概略図である。
図6】本発明に係る方法の概略図である。
図7】さらなる本発明に係る電極担体装置の充填ユニットの概略的な平面図である。
図8】選択的な本発明に係る電極担体装置の充填ユニットの概略的な平面図である。
図9】さらなる選択的な本発明に係る電極担体装置の充填ユニットの概略的な平面図である。
図10】他の本発明に係る電極担体装置の充填ユニットの概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施例の説明
図1及び図2は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aを示している。燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aは、方法48aを使用して製造される(図6を参照)。燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aは、電極担体装置10aを含む。有利には、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aは、特に、金属支持型固体酸化物形燃料電池ユニットとして形成される。有利には、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aは、少なくとも1つの電極ユニット16aを含む。有利には、電極ユニット16aは、少なくとも1つの電極50aを含む。有利には、電極ユニット16aは、少なくとも1つのさらなる電極52aを含む。有利には、電極50a及び/又はさらなる電極52aは、それぞれ電極層として形成される。有利には、電極50aは、酸化剤電極材料から形成される。有利には、さらなる電極52aは、燃料電極材料から形成される。しかし、電極50aは、燃料電極材料から形成され、及び/又は、さらなる電極52aが酸化剤電極材料から形成されることも考えられる。有利には、電極ユニット16aは、少なくとも1つの分離要素54aを含む。有利には、分離要素54aは、電解質層として形成される。有利には、分離要素54aは、電極50aとさらなる電極52aとの間に配置される。有利には、電極ユニット16aは、電極担体装置10aに配置される。
【0026】
燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12a用の電極担体装置10aは、少なくとも1つの電極担体要素14aを含む。電極担体要素14aは、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aの電極ユニット16aを支持するために設けられる。有利には、電極担体要素14aは、少なくとも1つの電極接触面56aを含む。有利には、電極接触面56aは、電極担体要素14aの最大の外面の部分領域として形成される。有利には、電極ユニット16aは、電極接触面56aに配置される。有利には、電極担体要素14aは、少なくとも1つのベース面58aを含む。有利には、ベース面58aは、電極接触面56aとは反対側に面する、電極担体要素14aの外面に配置される。有利には、電極接触面56aは、ベース面58aに少なくとも実質的に平行に配置される。特に、ベース面58aと電極接触面56aとの間の最大の間隔は、ベース面58a及び/又は電極接触面56aの最大の延在より小さい。特に、電極担体要素14aは、シートとして形成される。
【0027】
電極担体装置10aは、少なくとも1つの流体管路18aを含む。流体管路18aは、電極担体要素14a内に配置される。有利には、電極担体装置10aは、少なくとも1つのさらなる流体管路20aを含む。有利には、さらなる流体管路20aは、流体管路18aと同様に形成される。有利には、電極担体装置10aは、複数の流体管路、特に流体管路18aと同様に形成された流体管路を含み、見易くするために、ここでは、これらに参照番号は付されていない。有利には、流体管路18aは、ベース面58aから電極接触面56aまで延在する。有利には、流体管路18aは、電極接触面56aに合流開口部を有する。有利には、流体管路18aは、ベース面58aに入口開口部を有する。有利には、電極接触面56aに平行な、流体管路18aの横断面は、電極接触面56aに垂直な方向における流体管路18aの最大の延在より大きい最大の延在を有する。有利には、流体管路18aとさらなる流体管路20aとの間のウェブ幅は、特に電極接触面56aに平行な方向及び/又は電極接触面56aに垂直な方向における、流体管路18a及び/又はさらなる流体管路20aの最大の延在より小さい。特に、特に流体管路18a及び/又はさらなる流体管路20aを実現するために、電極担体要素14aは、有孔シートとして形成される。
【0028】
電極担体装置10aは、少なくとも1つの充填ユニット22aを含む。充填ユニット22aは、少なくとも部分的に、流体管路18a内に配置される。有利には、充填ユニット22aは、少なくとも1つの充填要素30aを含む。有利には、充填ユニット22aは、少なくとも1つのさらなる充填要素32aを含む。有利には、さらなる充填要素32aは、充填要素30aと同様に形成される。有利には、充填ユニット22aは、複数の充填要素、特に充填要素30aと同様に形成された複数の充填要素を含み、見易くするために、ここでは、これらに参照番号は付されていない。有利には、充填要素30aは、円筒形の凸部として、特に突起として形成される。特に、充填要素30aは、流体管路18aに対して少なくとも実質的に相補的に形成される。特に、少なくとも1つの面、特に電極接触面56aに平行な面において、充填要素30aの外囲は、流体管路18aの管路壁の外囲より小さい。充填ユニット22aは、通流面を適合させるために流体管路18aに配置される。特に、充填要素30aは、流体管路18a内に同心円状に配置される。充填ユニット22aは、流体管路18aと共に、特に流体管路18aの管路壁と充填要素30aの外面との間に、少なくとも1つの管路ギャップ24aを形成する。特に、充填ユニット22aは、さらなる流体管路20aと共に、少なくとも1つのさらなる管路ギャップ26aを形成する。特に、さらなる管路ギャップ26aは、管路ギャップ24aと同様に形成される。特に、充填ユニット22aは、総ての流体管路と共に、見易くするためにここでは参照番号が付されていない各管路ギャップを形成する。有利には、管路ギャップ24aは、有利には環状ギャップとして形成される。
【0029】
充填ユニット22aは、流体管路18a内に配置された、充填ユニット22aの少なくとも1つの充填要素30aを支持するために、少なくとも1つの充填担体要素28aを含む。有利には、充填担体要素28aは、プレートとして、特にシートとして形成される。有利には、充填要素30a及び/又はさらなる充填要素32a、特に総ての充填要素は、充填担体要素28aに当接して形成される。充填ユニット22aは、流体管路18a内に充填要素30aを位置決めするために、少なくとも1つの位置決め要素36aを含む。特に、位置決め要素36aは、ベース面58aに対する、充填担体要素28a用のスペーサとして形成される。特に、位置決め要素36aは、充填担体要素28aと一体的に形成される。特に、位置決め要素36aは、充填担体要素28aに垂直な方向において、充填要素30aより小さい最大の延在を有する。特に、位置決め要素36aは、ベース面58aに配置される。特に、位置決め要素36aは、マークされた支持点60aに配置される。有利には、充填ユニット22aは、マークされた支持点60aにおいて、充填要素を含まない。特に、マークされた支持点60aに対応する、電極担体要素14aの支持点60a’は、流体管路を含まない。特に、位置決め要素36aは、充填要素の規則的な配置において、充填要素の代わりとなる。電極担体装置10aは、充填ユニット22aと電極担体要素14aとの電気的な接続のために、少なくとも1つのコンタクト要素38aを含む。有利には、位置決め要素36aは、コンタクト要素38aとして形成される。電極担体装置10aは、少なくとも1つの接続要素40aを含む。接続要素40aは、電極担体要素14aと充填ユニット22a、特に充填ユニット22aの充填担体要素28aとの間の流体空間42aを密封するために設けられる。有利には、接続要素40aは、カラーとして形成される。有利には、接続要素40aは、流体空間42aへの流体の流入のために、少なくとも1つの流体流入管路62aを有する。選択的に、充填担体要素28aが、流体流入管路を有する。有利には、接続要素40aは、充填ユニット22aと電極担体要素14aとの電気的な接続のためのさらなるコンタクト要素として形成される。電極担体装置10aは、充填ユニット22a、特に充填ユニット22aの充填要素30aに配置される少なくとも1つの分離層44aを含む。特に、分離層44aは、充填ユニット22a、特に充填要素30aと電極ユニット16aとの間に配置される。
【0030】
図3乃至図5は、充填ユニット22aの種々の図を示している。充填ユニット22aは、少なくとも1つのエンボスシート46aを含む。特に、エンボスシート46aは、充填担体要素28a、充填要素30a及び/又はさらなる充填要素32aを形成する。特に、充填要素30aは、充填担体要素28a内にエンボス加工されて形成される。特に、総ての充填要素の大部分は、特に充填要素30a及び/又はさらなる充填要素32aを含めて、規則的なパターンで配置され、特にエンボス加工されている。特に、総ての充填要素の大部分は、特に充填要素30a及び/又はさらなる充填要素32aを含めて、規則的な間隔で配置される。特に、位置決め要素36aは、充填担体要素28a内に、特に、パターンを中断する、マークされた支持点60aにエンボス加工されている。
【0031】
図6は、燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aの製造方法48aを示している。燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aは、少なくとも電極ユニット16aと、少なくとも、電極ユニット16aを支持するための電極担体装置10aとを含む。電極ユニット16aが電極担体装置10a上に被着される前の少なくとも1つのステップにおいて、電極担体装置10aの充填ユニット22aが、通流面を適合させるために、特に管路ギャップ24aを形成するために、少なくとも部分的に電極担体装置10aの流体管路18aに入れ込まれる。有利には、方法48aは、電極製造ステップ64aを含む。有利には、電極ユニット16aは、電極製造ステップ64aにおいて製造され、特に少なくとも予備成形される。有利には、電極製造ステップ64aにおいて、電極ユニット16aの少なくとも1つのブランク(未加工体)、プレス体、グリーン体、ホワイト体等が製造される。有利には、電極ユニット16aは、搬送要素66a上に製造され、特に層状に被着される。有利には、方法48aは、少なくとも1つの電極担体製造段階68aを含む。有利には、電極担体装置10aは、電極担体製造段階68aにおいて製造される。有利には、電極担体装置10a、特に電極担体要素14a及び/又は充填ユニット22aは、少なくとも実質的にチタン、Crofer(登録商標)22H/APU、Inconel(登録商標)600等から製造される。有利には、充填ユニット22aは、少なくとも1つの充填製造ステップ70aにおいて製造される。電極ユニット16aが電極担体装置10a上に被着される前の少なくとも1つのステップにおいて、少なくとも、充填ユニット22aの充填要素30aが、電極担体装置10aの充填ユニット22aの充填担体要素28aに形成される。特に、充填要素30a及び/又はさらなる充填要素32aは、ストレッチドローイング及び/又はパンチングによって、充填担体要素28a内にエンボス加工される。有利には、電極担体要素14aは、担体製造ステップ72aにおいて製造される。特に、担体製造ステップ72aにおいて、流体管路18a及び/又はさらなる流体管路20aが、電極担体要素14aに入れ込まれる。有利には、流体管路18a及び/又はさらなる流体管路20aが、変形プロセスによって、特にパンチング、機械加工、レーザ切断等によって、電極担体要素14aに入れ込まれる。有利には、電極担体要素14aは、バリ取りされる。有利には、少なくとも1つの組み立てステップ74aにおいて、電極担体装置10aの充填ユニット22aが、少なくとも部分的に、電極担体装置10aの流体管路18aに入れ込まれる。特に、充填要素30aは、組み立てステップ74aにおいて流体管路18aに入れ込まれる。特に、さらなる充填要素32aは、組み立てステップ74aにおいて、さらなる流体管路20aに入れ込まれる。特に、管路ギャップ24a及び/又はさらなる管路ギャップ26aが、組み立てステップ74aにおいて形成される。特に、組み立てステップ74aにおいて、位置決め要素36aが、電極担体要素14a、特にベース面58aに配置される。有利には、電極担体装置10aは、電極担体製造段階68aにおいて洗浄される。有利には、電極担体装置10aは、電極担体製造段階68aにおいて熱的に後処理される。有利には、電極担体製造段階68aにおいて、電極担体装置10aは、搬送及び/又は保管のために、巻き上げられ及び/又は積み重ねられる。電極担体装置10aが、例えば、コンベヤシステムを介して、さらなる処理へ直接搬送されることも考えられる。
【0032】
有利には、合併ステップ76において、特に予備成形された電極ユニット16aが、電極担体装置10a、特に電極接触面56a上に被着される。有利には、合併ステップ76aにおいて、電極ユニット16aを備える搬送要素66aが、電極担体装置10aに配置される。特に、電極ユニット16aは、電極担体装置10a、特に電極接触面56aに対向する。有利には、合併ステップ76aは、特に電極ユニット16aを電極担体装置10a、特に電極接触面56a上にラミネート加工するためのホットプロセス及び/又はプレスプロセスを含む。選択的に、電極ユニット16aは、電極担体装置10a上に直接的に被着され、特に層状に印刷される。電極ユニット16aが電極担体装置10a上に被着された後、特に水溶性の搬送要素66aが、特に湿らすことによって、電極ユニット16aから除去される。有利には、方法48aは、焼結ステップ78aを含む。有利には、電極ユニット16aは、特に電極担体装置10a上に被着された状態で、焼結ステップ78aにおいて焼結される。有利には、電極ユニット16aは、特に電極担体装置10a上に被着された状態で、焼結ステップ78aにおいて、600℃以上、有利には850℃以上、特に有利には1000℃以上の温度に加熱される。有利には、個別化ステップ80aにおいて、電極担体装置10aは、電極ユニット16aと共に、個々の金属支持型燃料電池ユニット及び/又は電解槽ユニット12aに分割される。
【0033】
図7乃至図10には、本発明のさらなる実施例が示されている。以下の説明及び図面は、実質的に、実施例間の差異に限定される。ここで、同一の名称の構成部分に関して、特に同一の参照番号を有する構成部分に関しては、基本的には、他の実施例、特に図1乃至図6の図面及び/又は説明も参照することができる。これらの実施例を区別するために、図1乃至図6においては、アルファベットaが、実施例の参照番号の後に配置される。図7乃至図10の実施例においては、アルファベットaは、アルファベットb乃至eによって置き換えられている。
【0034】
図7乃至図10は、電極担体装置10b~10dの選択的な構成をそれぞれ示している。特に、図7乃至図10はそれぞれ、電極担体装置10b~10dの充填ユニット22b~22dの平面図を示している。充填ユニット22b~22dはそれぞれ、少なくとも1つの充填要素30b~30dを含む。
【0035】
図7は、充填ユニット22bを示している。充填要素30bは、電極担体装置10bの電極接触面に平行な面において矩形、特に正方形の横断面を有する。特に、充填要素30bは、対応する流体管路と共に、矩形の管路ギャップを形成している。特に、充填ユニット22bは、矩形のパターンに配置された複数のさらなる充填要素32bを有し、ここでは、見易くするために、これらの総てには参照番号は付されていない。電極担体装置10bのさらなる特徴に関しては、特に、図1乃至図6及びそれらの説明を参照することもできる。
【0036】
図8は、充填ユニット22cを示している。充填要素30cは、電極担体装置10cの電極接触面に平行な面において、矩形の横断面を有する。特に、充填要素30cはウェブとして形成される。特に、充填要素30cは、少なくとも一方向に沿って、充填ユニット22cの実質的に全体的な最大の延在にわたって、特に、この方向において、充填ユニット22cの最大の延在の少なくとも50%にわたって延在している。特に、充填要素30cは、対応する流体管路と共に、矩形の管路ギャップを形成する。特に、充填ユニット22cは、少なくとも実質的に平行に配置された、複数のさらなる充填要素32cを有し、ここでは、見易くするために、これらの総てには参照番号は付されていない。電極担体装置10cのさらなる特徴に関しては、特に、図1乃至図6及びそれらの説明を参照することもできる。
【0037】
図9は、充填ユニット22dを示している。充填要素30dは、電極担体装置10dの電極接触面に平行な面において、多角形、特に八角形の横断面を有する。特に、充填要素30dは、対応する流体管路と共に、多角形、特に八角形の管路ギャップを形成する。特に、充填ユニット22dは、矩形のパターンに配置された複数のさらなる充填要素32dを有し、ここでは、見易くするために、これらの総てには参照番号は付されていない。電極担体装置10dのさらなる特徴に関しては、特に図1乃至図6及びそれらの説明を参照することもできる。
【0038】
図10は、充填ユニット22eを示している。充填要素30eは、電極担体装置10eの電極接触面に平行な面において、楕円形又は卵形の横断面を有する。特に、充填要素30eは、対応する流体管路と共に、楕円形又は卵形の管路ギャップを形成する。特に、充填ユニット22eは、矩形のパターン、特に二列に配置された複数のさらなる充填要素32eを有し、ここでは、見易くするために、これらの総てには参照番号は付されていない。電極担体装置10eのさらなる特徴に関しては、特に図1乃至図6及びそれらの説明を参照することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10