(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】コア穿孔デバイス用の吸引デバイス
(51)【国際特許分類】
B28D 7/02 20060101AFI20220829BHJP
B28D 1/14 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
B28D7/02
B28D1/14
(21)【出願番号】P 2021517007
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(86)【国際出願番号】 EP2019075498
(87)【国際公開番号】W WO2020069893
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-03-25
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ホルツマイヤー, ゲオルグ
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第4423670(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第19543599(DE,A1)
【文献】特開2009-241234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 7/00 - 7/02
B28D 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのキャビティ(7)と、カバー(2)と、周縁部の周りで前記カバー(2)に接続される壁(3)とを有するハウジング(4)を備え、前記ハウジング(4)に接続される抜き取りノズル(5)が、抜き取りデバイス(1)を吸引デバイスに取り付けるために設計されて設けられる、コアドリル用の抜き取りデバイス(1)であって、
前記壁(3)は少なくとも1つの入口開口部(44、45)を有し、それを介して前記キャビティ(7)は周囲(U)に接続され、前記ハウジング(4)の前記壁(3)に対して略横たわる動作不能位置と、枢動軸(57、58)を中心として前記動作不能位置に対して枢動される動作位置との間で移動することができる封止デバイス(50、51)は、前記キャビティ(7)から離れて対向している前記壁(3)の側面で前記ハウジング(4)に接続さ
れ、
前記壁(3)は第1の略平面の壁領域(10)及び第2の略平面の壁領域(11)を有し、前記キャビティ(7)から離れて対向する前記第1の壁領域(10)の表面(14)は、前記キャビティ(7)から離れて対向する前記第2の壁領域(11)の表面(15)と鈍角(16)を形成し、
前記壁(3)は、前記第1の壁領域(10)及び前記第2の壁領域(11)に接続される第4の、特に三日月形又はU字形の壁領域(13)を有し、
少なくとも1つの抜き取りチャネル(30、31)は、前記第4の壁領域(13)と、前記第4の壁領域(13)と略平行に配置される第5の壁領域(32、33)とによって形成されて、設けられることを特徴とする、
抜き取りデバイス。
【請求項2】
前記封止デバイス(50、51)は、前記動作不能位置と前記動作位置との間で約180°の角度で枢動自在であることを特徴とする、
請求項1に記載の抜き取りデバイス。
【請求項3】
前記封止デバイス(50、51)は可撓性材料からできていることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の抜き取りデバイス。
【請求項4】
前記封止デバイス(50、51)は前記ハウジング(4)に固定して又は着脱自在に接続されることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載の抜き取りデバイス。
【請求項5】
前記ハウジング(4)は円筒形継手(53、54)を有し、前記封止デバイス(50、51)はそれに対応する円筒形凹部(55、56)を有し、前記凹部(55、56)の内径は前記継手(53、54)の外径よりも小さいこ
とを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載の抜き取りデバイス。
【請求項6】
前記抜き取りデバイス(1)の前記動作位置において壁又は床に対向する前記封止デバイス(50、51)の側面(52)は、前記継手(53、54)から離れて角度が付けられていることを特徴とする、
請求項
5に記載の抜き取りデバイス。
【請求項7】
前記封止デバイス(50、51)は、前記抜き取りデバイス(1)の横方向範囲に関して、前記抜き取りデバイス(1)の外側周辺領域(37、38)において前記ハウジング(4)に取り付けられることを特徴とする、
請求項1~6のいずれか一項に記載の抜き取りデバイス。
【請求項8】
2つの封止デバイス(50、51)は、互いから離れて対向する前記抜き取りデバイス(1)の外側周辺領域(37、38)において前記ハウジング(4)に取り付けられて設けられることを特徴とする、
請求項1~7のいずれか一項に記載の抜き取りデバイス。
【請求項9】
前記第1の壁領域(10)及び前記第2の壁領域(11)は
、平面の第3の壁領域(12)によって互いに接続されることを特徴とする、
請求項
1~8のいずれか一項に記載の抜き取りデバイス。
【請求項10】
特に円筒形であり、それによって前記抜き取りノズル(5)が前記キャビティ(7)と接続する抜き取り領域(25)は前記キャビティ(7)内に配置されることを特徴とする、
請求項1~
9のいずれか一項に記載の抜き取りデバイス。
【請求項11】
前記ハウジング(4)は3つの入口開口部(44、45)を有し、1つの入口開口部(44)は前記第4の壁領域(13)への前記第1の壁領域(10)の接続領域内に配置され、1つの入口開口部は前記第4の壁領域(13)への前記第2の壁領域(11)の接続領域内に配置され、1つの入口開口部(45)は前記抜き取り領域(25)の前記領域内の前記壁(3)内に配置されることを特徴とする、
請求項1~
10のいずれか一項に記載の抜き取りデバイス。
【請求項12】
1つの封止要素又は多数の封止要素(20、21、22)は、前記カバー(2)から離れて対向する側の、特に前記周縁部の周りの前記壁(3)に接続されて設けられることを特徴とする、
請求項1~
11のいずれか一項に記載の抜き取りデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の前文の主題にかかるコアドリル用の抜き取りデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
実際には、機械加工作業中にコアドリルを円周方向に囲む抜き取りデバイスが公知であり、その結果、コア穿孔作業が行われている場合に生じる穿孔水を抜き取りデバイスを介して除去することができ、周囲の汚染を防ぐことができる。
【0003】
かかる抜き取りデバイスは、いずれの場合もコア穿孔ツールの直径よりも大きい円周を有するため、これは、例えば、コア穿孔されるボアホールを空間の角部の領域に作成することができるかどうかを制限し、抜き取りデバイスに応じた、かかる障害物からの最小距離を必要とする影響を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、コア穿孔されるボアホールの位置決めにおいて大きな自由度がある一方で、可能な限り多くの穿孔水を、様々な空間的制約の下でコア穿孔されるボアホールから抜き取りデバイスによって確実に除去することができる抜き取りデバイスを提供することである。
【0005】
目的は、特許請求項1にかかるコアドリル用抜き取りデバイスによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、コアドリル用の抜き取りデバイスは、少なくとも1つのキャビティと、カバーと、周縁部の周りでカバーに接続される壁とを有するハウジングを備えて設けられ、ハウジングに接続される抜き取りノズルは、抜き取りデバイスを吸引デバイス又は集塵機に取り付けるために設計されて設けられる。壁は少なくとも1つの入口開口部を有し、それを介してキャビティは周囲に接続され、ハウジングの壁に対して略横たわる動作不能位置と、枢動軸を中心として動作不能位置に対して枢動される動作位置との間で移動することができる封止デバイスは、キャビティから離れて対向している壁の側面でハウジングに接続されることが提案される。
【0007】
抜き取りデバイスは、コアドリルの外側に完全に径方向に配置されるために設計されており、その結果、コア穿孔ボアホールの位置決めに大きな自由度があり、コア穿孔ボアホールを先端近くの領域、例えば空間の角部の領域、又は障害物の近くでも作成することができる。したがって、コアドリルの位置決めは、抜き取りデバイスによって制限されない。抜き取りデバイスが吸引デバイス又は集塵機に結合されている抜き取りデバイスの動作状態において、抜き取りデバイスは、吸引デバイスによってキャビティ内に生成される負圧によって壁に対して又は床において、特に、作成されるコア穿孔ボアホール近傍の領域で吸引され、好ましくは、それ以上の力が印加されることなく所定位置に留まる。これを簡単な方法で達成するために、カバーから離れて対向する壁の側面は、その周縁部の周りで完全に一面に略横たわるのが好ましい。
【0008】
コア穿孔中に生じる穿孔水は、少なくとも1つの入口開口部を通って抜き取りデバイスのキャビティ内に導入され、抜き取りノズルを介して吸引デバイスによってそこから除去される。特に封止パネル又は封止ストリップとして設計される少なくとも1つの封止デバイスを設けることにより、構造的に容易な方法で穿孔水の捕捉領域の大きさを大きくすることが可能になり、その結果、穿孔水の大部分を少なくとも1つの入口開口部を通して吸引デバイスのキャビティに供給することができる。
【0009】
封止デバイスが、ハウジングの壁に対して略横たわる動作不能位置と、枢動軸を中心として動作不能位置に対して枢動される動作位置との間で移動することができるという事実は、コアドリルに関する位置決めに応じて、及び使用するコア穿孔径の大きさに応じて、封止デバイスは、可能な限り多くの穿孔水が捕捉され、少なくとも1つの入口開口部に供給することができるようなそれぞれの用途における方法でのそれぞれの場合において容易に設定することができることを意味する。提案された抜き取りデバイスにより、その結果、可能な限り多くの穿孔水を、様々な空間的制約の下で、コア穿孔ボアホールから確実に除去することができる。封止デバイスにより、例えば、穿孔水を捕捉するのに効果的な抜き取りデバイスの幅を、封止デバイスを設けない又は封止デバイスが動作不能位置にある設計と比較して大きくすることができる。コア穿孔ボアホールが、例えば壁の領域に作成された場合、側壁に対する封止は、例えば封止デバイスによって可能であり、穿孔水は側壁に流れ落ちること及び抜き取りデバイスによって収集されないことを防ぐことができる。
【0010】
封止デバイスは略矩形断面を有するのが好ましく、ここで特に、封止デバイスの長手方向範囲は、用途に応じて変化してもよい。
【0011】
封止デバイスは、動作不能位置と動作位置との間で約180°の角度で枢動自在であるのが好ましい。結果として、抜き取りデバイスは、様々な空間的制約の下で、異なるコア穿孔径を有するコアドリルのために簡単に用いることができる。
【0012】
穿孔水が封止デバイスと、抜き取りデバイスが動作状態で配置される壁又は床との間を通過することを容易に防止するために、封止デバイスは、例えばゴム、特に、ニトリルゴム又はエチレンプロピレンジエンゴム、好ましくはショア硬度が70を超えるものの可撓性及び/又は弾性材料から作成されるのが好ましい。また、封止デバイスが、特に、ゴムが好ましい軟質構成部品によって囲まれるか又はカプセル化されるプラスチック部分を有することも、提供されてもよい。
【0013】
封止デバイスは、固定的に、即ち、着脱不能に、及び着脱自在の両方でハウジングに接続されてもよく、ここで着脱自在な配置は、封止デバイスが容易に交換可能であるか、又は異なる寸法形状で設計された封止デバイスと容易に交換できるという利点を有している。
【0014】
封止デバイスの容易な取り付けのために、ハウジングが円筒形継手を有し、封止デバイスがそれに対応する円筒形凹部を有することが提供されてもよく、ここで凹部の内径は、継手の外径よりも小さいことが好ましい。小型の接続の提供は、例えばゴムに提供される張力によって、使用のためにそれぞれ選択された位置に封止デバイスの確実な保持を保証することを容易に可能にする。円筒形継手は、ハウジングの外側周辺領域に配置されるのが好ましく、その結果、封止デバイスにより、穿孔水を捕捉するための領域の大きさを容易に大きくすることができる。
【0015】
抜き取りデバイスの動作位置で壁又は床に対向している封止デバイスの側面が継手から離れて角度が付けられている場合、基材、即ち床又は壁に対して封止デバイスの要望通りの大きさの表面圧力を、構造的に簡単な方法で達成することができ、その結果、基材に対して良好な封止を達成することができる。このようにして、有利に大きな割合の穿孔水を捕捉することができる。
【0016】
可能な限り大きい穿孔水用の捕捉領域を設けるために、封止デバイスは、抜き取りデバイスの横方向範囲に関して、抜き取りデバイスの外側周辺領域においてハウジングに取り付けられてもよい。
【0017】
2つの封止デバイスは、互いから離れて対向する抜き取りデバイスの外側周辺領域においてハウジングに取り付けられて設けられるのが好ましい。このように、穿孔水用の捕捉領域は、封止デバイスによって特に正確に設定することができ、抜き取りデバイスの大きな捕捉幅を達成することができる。
【0018】
有利な設計において、壁が第1の略平面の壁領域及び第2の略平面の壁領域を有することを提供し、ここでキャビティから離れて対向する第1の壁領域の表面は、キャビティから離れて対向する第2の壁領域の表面と鈍角を形成する。コア穿孔中に生じる穿孔水は、少なくとも1つの入口開口部を通って抜き取りデバイスのキャビティ内に導入され、抜き取りノズルを介して吸引デバイスによってそこから除去される。例えば120°~160°の間にあり、特に約140°である鈍角を提供することにより、作成されるコア穿孔ボアホールの極めて近傍に抜き取りデバイスを配置し、ドリルビットを少なくとも部分的に囲むことが可能になる。このようにして、コア穿孔ボアホールを作成する場合に生じる穿孔水の大部分を抜き取ることが可能である。抜き取りデバイスは、特に、第1の壁領域及び第2の壁領域がそれぞれ、水平に対して上向きに、それに対して反対方向に相互に対向する領域から通るような方法で、使用中に壁上に位置決めされ、その結果、重力により、穿孔水が第1の壁領域及び第2の壁領域の相互に対向する領域に集められる。
【0019】
第1の壁領域及び第2の壁領域が、好ましくは平面の第3の壁領域によって互いに接続されている場合に有利であることが判明した。
【0020】
抜き取りデバイスは、壁が第1の壁領域及び第2の壁領域に接続される第4の、特に三日月形又はU字形の壁領域を有する場合、キャビティから大量の穿孔水を除去する助けとなる形態を有する。
【0021】
キャビティに導入された穿孔水の好ましい抜き取りを達成するために、特に円筒形であり、それによって抜き取りノズルがキャビティと連通する抜き取り領域は、キャビティ内に配置されてもよい。抜き取り領域は、抜き取り領域に対して鏡面対称に設計されるのが好ましいハウジングの中央に特に配置される。抜き取り領域は、吸引取り付けデバイスの動作中に、カバーから壁又は床に対して横たわる平面に延在する壁を有するのが好ましい。
【0022】
穿孔水が動作中に重力によって抜き取り領域近傍の領域に運ばれない場合に、キャビティから穿孔水の完全な抜き取りを可能な限り達成するために、少なくとも1つの抜き取りチャネルが、第4の壁領域及び第4の壁領域と略平行に配置される第5の壁領域によって形成されて設けられてもよく、ここで第5の壁領域は、抜き取り領域から、特に抜き取り領域から離れて対向する壁の外側周辺領域まで延在する。第5の壁領域は、カバーに接続され、特に、吸引取り付けデバイスの動作中に壁又は床に対して横たわる平面まで延在するのが好ましい。結果として、穿孔水が、達成された流動効果によって、抜き取り領域から離れた領域から抜き取り領域の方向に確実に移送される抜き取りチャネルは、第5の壁領域及び第4の壁領域によって形成される。キャビティからの穿孔水の好ましい抜き取りを達成できるようにするために、抜き取りチャネルは、抜き取り領域に直接接続されるのが好ましい。
【0023】
キャビティからの穿孔水の抜き取りは、動作中の任意のスプリアス空気流が可能な限り少なく、可能な限り小さい場合、特に良好である。これは、抜き取りデバイスの動作中に特に基材上に横たわる抜き取り領域の壁の可能な限り閉じた輪郭によって達成することができる。
【0024】
キャビティからの穿孔水の良好な抜き取りに必要な、所望レベルの速度の空気流を達成するために、抜き取りチャネルは、抜き取りチャネルの流れ断面を狭める少なくとも1つの要素を有していてもよい。
【0025】
結果として、高速の空気流が、吸引デバイスが抜き取りノズルに接続されている場合の抜き取りチャネルにおいて達成できるため、抜き取りチャネルが可能な限り小さい最小断面を有する場合、望む限り良好にキャビティからの穿孔水の除去が達成されることが判明した。この高速の空気流は、キャビティ内に存在する穿孔水がベンチュリ効果のために同伴され、適切な設計が与えられれば、重力に対して同伴される可能性があるという結果を有する。抜き取りチャネルの最小断面は、例えば、30mm2~45mm2の間にあり、好ましくは約37.5mm2である。
【0026】
ハウジングは3つの入口開口部を有するのが好ましく、それを介して穿孔水を周囲からキャビティに供給することができ、1つの入口開口部は第4の壁領域への第1の壁領域の接続領域内に配置され、1つの入口開口部は第4の壁領域への第2の壁領域の接続領域内に配置され、1つの入口開口部は抜き取り領域の領域内の壁内に配置される。
【0027】
構造的に容易な方法で壁又は床への吸引取り付けデバイスの有利な吸引取り付けを達成するために、1つの封止要素又は多数の封止要素は、カバーから離れて対向する側の、特に周縁部の周りの壁に接続されて設けられてもよい。封止要素又は複数の封止要素は、壁又は床に対して吸引される吸引取り付けデバイスの位置において、それらが壁又は床に対して抜き取りチャネルを封止するように設計されるのが好ましい。
【0028】
抜き取りデバイスの好ましい取り扱いを達成するために、ハウジングは、抜き取りデバイスのための保持デバイスの取り付けのための接続デバイスを有していてもよい。保持デバイス、例えばハンドルによって、抜き取りデバイスは、例えば穿孔水を受けるために手動で動かすことができる。
【0029】
更なる利点は、以下の図の説明から明らかになるであろう。本発明の例示的な実施形態を図に示す。図、説明、及び特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。当業者もまた、有用な更なる組み合わせを形成するために、適宜、特徴を個別に検討し、それらを組み合わせるであろう。
【0030】
図面において、同一の構成要素及び同一種類の構成要素は、同一の参照符号によって指定される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、抜き取りデバイスの立体図を示し、ここで基材と相互作用するために設けられる封止要素を詳細な形態で見て取ることができる。
【
図2】
図2は、
図1による抜き取りデバイスの平面図を示し、ここで封止デバイスは、動作不能位置に対して部分的に枢動する動作位置に配置されている。
【
図3】
図3は、
図1による抜き取りデバイスの平面図を示し、ここで封止デバイスは、動作不能位置に対して完全に枢動する動作位置に配置されている。
【
図4】
図4は、
図1による抜き取りデバイスを下から見た立体図であり、ここで封止デバイスは動作不能位置に配置されている。
【
図5】
図5は、
図1による抜き取りデバイスの
図4に対応する図を示し、ここで封止デバイスは、部分的に枢動した動作位置に配置されている。
【
図6】
図6は、
図1による抜き取りデバイスの
図4に対応する図を示し、ここで封止デバイスは、完全に枢動した動作位置に配置されている。
【
図7】
図7は、
図1による抜き取りデバイスを下から見た図であり、ここで封止デバイスは動作不能位置に配置されている。
【
図8】
図8は、
図1による抜き取りデバイスの
図7に対応する図を示し、ここで封止デバイスは図示されていない。
【
図9】
図9は、
図1による抜き取りデバイスを下から見た立体図であり、ここで封止デバイスは図示されていない。
【
図10】
図10は、封止要素を有する
図1による抜き取りデバイスの断面図を示し、ここで抜き取りチャネルをより詳細に見て取ることができる。
【
図11】
図11は、封止要素を有していない
図1による抜き取りデバイスの詳細の立体図を示し、ここでハウジングの壁に配置された入口開口部をより詳細に見て取ることができる。
【
図13】
図13は、封止要素を有していない
図1による抜き取りデバイスの詳細の立体図を示し、ここでハウジングの壁に配置された追加入口開口部をより詳細に見て取ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1~
図14は、これ以上詳細に見ることができないコアドリルと相互作用することを目的とする抜き取りデバイス1を示している。抜き取りデバイス1は、カバー2及び壁3を有して設計され、全体としてV字形状を有するハウジング4を有する。抜き取りデバイス1は、本件において、長手方向中心面6に対して略対称として設計されており、ここで抜き取りノズル5は、中央領域においてカバー2に接続されている。接続ノズルは、抜き取りデバイス1を吸引デバイス又は集塵機に接続するために設けられており、これによって、例えば
図4において見て取ることができる抜き取りデバイス1のキャビティ7に負圧を生成することができる。
【0033】
例えば
図8においてより詳細に見て取ることができるように、壁3は、本件において、カバー2に対して略垂直に配置され、周縁部の周りでカバー2に接続されている。壁3は、この場合、第1の壁領域10、第2の壁領域11、第3の壁領域12、及び第4の壁領域13を有している。第1の壁領域10、第2の壁領域11、及び第3の壁領域12は、本件において略平面であり、ここで第1の壁領域10は第3の壁領域12に接続され、第2の壁領域11は、第3の壁領域12に対する第1の壁領域10の取り付け領域から離れて対向する第3の壁領域12の周辺領域内の第3の壁領域12に接続される。キャビティ7から離れて対向する第1の壁領域10の表面14は、キャビティ7から離れて対向する第2の壁領域11の表面15と、本件において約140°である鈍角16を形成する。
【0034】
第4の壁領域13はU字形又は三日月形であり、ここで第4の壁領域13は、第1の壁領域10、第2の壁領域11、及び第3の壁領域12に略平行に通るそれぞれ略平面部分17、18、19を有する。第4の壁領域13は、第3の壁領域12から離れて対向する第1の壁領域10の周辺領域に対して周辺領域において接続され、第3の壁領域12から離れて対向する第2の壁領域11の周辺領域に対して更なる周辺領域において接続されている。
【0035】
例えば
図7において見て取ることができるように、本件においてカバー2から離れて対向する壁3の周辺領域に配置されるのは、3つの封止要素20、21、22であり、これらは略完全に周縁部の周りで壁3に接続され、壁3のそれぞれの領域10、11、12、又は13に取り付けることができる。第1の封止要素20は、この場合、第1の壁領域10に接続され、第1の壁領域10に匹敵する略長手方向範囲を有している。第2の封止要素21は、第2の壁領域11に接続され、第2の壁領域11に匹敵する略長手方向範囲を有している。対照的に、第3の封止要素22は、第4の壁要素13に接続され、第3の壁領域13に匹敵する略長手方向範囲を有している。
【0036】
キャビティ7には、抜き取り領域25も配置され、これは、ここではある特定の領域において円筒形である壁26と共に形成され、ここで壁26はカバー2に接続されている。壁26は、抜き取りデバイス1が基材上に保持されている動作状態において、壁26が基材と直接接触するのが好ましいような高さによる範囲を有する。その結果、特に抜き取りデバイス1の動作状態において、基材に面する側では、全ての封止要素20、21、22及び抜き取り領域25の壁26は略1つの平面内に位置する。抜き取りデバイス1の動作状態において、抜き取りデバイス1は、好ましくはそれ以上の保持デバイスを用いることなく、吸引デバイスによってキャビティ7内に生成される負圧によって基材、例えば床又は壁に対して保持される。
【0037】
また、本件において提供されるのは2つの抜き取りチャネル30、31であり、これらは、第4の壁領域13と、それぞれ、第4の壁領域13と略平行に通る第5の壁領域32と、第4の壁領域13と略平行に通る第6の壁領域33とによって形成される。第4の壁領域13と第5の壁領域32との間の距離、及び第4の壁領域13と第6の壁領域33との間の距離は、特に抜き取りチャネル30、31の略全範囲にわたって一定であり、本件においては約6mmである。第5の壁領域32及び第6の壁領域33は、この場合、パネルの形態で設計され、それぞれカバー2に接続される。これらの壁領域32及び33は、抜き取りデバイス1の動作状態において、それらが封止要素22と当接し、その結果、それぞれの抜き取りチャネル30又は32が、カバー2から離れて対向する側で封止要素22によって封止されるように、高さに関して範囲を有する。
【0038】
例えば
図8において見て取ることができるように、第5の壁領域32及び第6の壁領域33は、それぞれ、長手方向中心面6の領域に間隙35を有する抜き取り領域25の壁26に接続されており、その結果、それぞれの抜き取りチャネル30、31は、抜き取り領域25と直接当接する。第5の壁領域32は、第4の壁領域13と略平行な抜き取り領域25から、長手方向中心面6から離れて対向するハウジング4の第1の周辺領域37まで延在している。同様に、第6の壁領域33は、第4の壁領域13と略平行な抜き取り領域25から、長手方向中心面6に関して第1の周辺領域37とは反対側のハウジングの第2の周辺領域38まで延在している。
【0039】
第1の抜き取りチャネル30及び第2の抜き取りチャネル31の両方において、要素40又は41の領域内のそれぞれの抜き取りチャネル30又は31の流れ断面の大きさを狭めるか又は縮小する要素40又は41は、本件において、それぞれ第1の周辺領域37又は第2の周辺領域38に面しているそれぞれの抜き取りチャネル30又は31の領域内に配置される。要素40又は41の領域において、抜き取りチャネル30又は31は、好ましくは2mm~3mm、特に約2.5mmの幅と、好ましくは10mm~20mm、特に約15mmの高さとを有し、その結果、抜き取りチャネル30又は31は、この領域において、20mm2~60mm2、特に約37.5mm2の断面を有する。抜き取りデバイス1の動作位置において、流れが通過することができる抜き取りチャネル30又は31の断面は、それぞれの要素40又は41の領域において、それぞれ第5の壁要素32又は第6の壁要素33、及び第3の封止要素22によって外側が境界される。他方では、流れが通過することができる抜き取りチャネル30又は31の断面は、一方ではそれぞれの要素40又は41によって、及び他方では、反対側の抜き取りデバイス1の動作位置において抜き取りチャネル30又は31を封止する第3の封止要素3によって、垂直方向にそれらに対して垂直に境界される。例えば、キャビティ7に位置する穿孔水が、抜き取りチャネル30又は31及び抜き取り領域25を介して、特に完全にキャビティ7から除去されることを、抜き取りチャネル30又は31の適切な断面設計によって容易に保証することができる。
【0040】
図11及び
図12においてより詳細に見て取ることができるように、それを介して穿孔水を周囲Uから抜き取りデバイス1の動作位置にあるキャビティ7に供給することができる入口開口部44は、第1の壁領域10における間隙43によって第1の壁領域10に隣接する第4の壁領域13の当接領域に形成される。
図12において、入口開口部44は、第1の封止要素20の略下に配置されていることを見て取ることができる。入口開口部44と同様に、第2の壁領域11における間隙によって形成される入口開口部が、ハウジング4の反対側の周辺領域に設けられている。
【0041】
図13及び
図14に示すのは、第1の封止要素20と第2の封止要素21との間の距離における抜き取り領域25の壁26の2つの略平行な壁領域47及び48によって形成される追加入口開口部45である。追加入口開口部45を通って、例えば周囲Uから供給される穿孔水は、抜き取り領域25に直接通過させることができる。
【0042】
抜き取りデバイス1の動作位置において、入口開口部44及び追加入口開口部45の両方が特に基材に直接隣接しており、その結果、穿孔水は、入口開口部44、45を介してキャビティ7内に容易に導入することができる。
【0043】
例えば
図2~
図6においてより詳細に示すように、抜き取りデバイス1は、本件において、2つの封止デバイス50、51を有し、これらは、それぞれ枢動軸57又は58を中心として枢動可能にそれぞれの場合においてハウジング4に取り付けられる。例えば封止ストリップとして設計される封止デバイス50、51は、本件において、パネルの形態であり、例えばゴムの弾性及び可撓性材料からできており、キャビティ7から離れて対向する第1の壁領域10又は第2の壁領域11の側面にそれぞれ取り付けられる。この目的のために、円筒形継手54又は55は、それぞれの封止デバイス50、51が対応する円筒形凹部56又は57によってその上に嵌合される保持ピンの形態でハウジング4上にそれぞれ配置される。凹部56又は57の内径は、この場合、継手54又は55の外径よりも小さいことが好ましく、その結果、封止デバイス50又は51は、それぞれの場合における時点で適用可能な位置に堅固に保持される。
【0044】
それぞれの封止デバイス50又は51は、例えば
図4に示し、封止デバイス50又は51が壁領域10又は11と略平行に配置されている動作不能位置と、
図2及び
図3に従う様々な動作位置との間で調整することができる。封止デバイス50又は51は、この場合、枢動軸57又は58を中心として約180°の角度で、本件において、動作不能位置に関して、互いに独立して枢動することができる。動作不能位置において、抜き取りデバイス1は有利に小さい設置スペースを占める。
【0045】
抜き取りデバイス1の動作位置において基材に対向する側52では、封止デバイス50又は51は角度が付けられており、ここでそれぞれの継手53又は54から離れて対向する周辺領域60は、抜き取りデバイス1の動作不能位置において、継手53又は54に対向する領域よりも、動作位置において基材と相互作用する方向のうちの方向において大きな範囲を有する。結果として、基材に対する封止デバイス50又は51の封止接触は、達成可能な大きな表面圧力によって、抜き取りデバイスの動作位置において確保される。更に、封止デバイス50又は51のかかる設計は、基材の不均一性及び公差のばらつきを補償することを可能にする。
【0046】
抜き取りデバイス1は、コアドリル、例えば、ダイヤモンドドリルと相互作用することを目的としており、ここで抜き取りデバイス1は、抜き取りデバイス1のための保持補助具として設計されてもよい。第2の壁領域11に対する第1の壁領域10のV字形設計は、抜き取りデバイス1を、好ましくは、コア穿孔中に振り落とされた穿孔水を、特に完全に抜き取りデバイス1によって受け取ることができるように、コアドリルのドリルビットの下、特にドリルビットに直接隣接して配置することができるという効果を有する。封止デバイス50又は51の適切な設定は、ドリルから振り落とされた穿孔水の特に大部分を抜き取りデバイス1に供給することを容易に達成可能にする。抜き取りデバイス1の有効幅は、動作位置にある封止デバイス50又は51によって容易に増加させることができる。更に、封止は、好ましくは機械加工される壁に対して垂直に配置された側壁に関して、動作位置にある封止デバイス50又は51によって得ることができる。
【0047】
抜き取りデバイス1が抜き取りノズル5によって吸引デバイス又は集塵機に接続されている場合、抜き取りデバイス1が基材、特に壁に配置されると、キャビティ7内に負圧が生成され、これによって、抜き取りデバイス1が基材に対して堅固且つ確実に保持される。キャビティ7内の負圧及び重力は、穿孔水が入口開口部44又は追加入口開口部45を通ってキャビティ7内に吸引され、抜き取り領域25及び抜き取りノズル5を介してキャビティ7から除去されるという効果を有する。
【0048】
抜き取りデバイス1のハウジング4の浅いV字形状は、第3の壁領域が第1の壁領域10及び第2の壁領域11よりも低い水準に配置されている壁上の抜き取りデバイス1の配置における抜き取りデバイス1の角度範囲が、比較的小さいという効果を有する。この場合、穿孔水は、追加入口開口部44を通って抜き取り領域25に直接供給されるか、又は、抜き取り領域25の方向への重力により、第1の壁領域10及び第2の壁領域11と略平行になるよう設計された第4の壁領域13の部分17及び18を通過する。
【0049】
抜き取りデバイス1の動作位置において、第1の壁領域10又は第2の壁領域11が、長手方向中心面6に対向している領域よりも低いハウジング4の周辺領域37又は38に対向している領域と配置されるように、抜き取りデバイスが斜めに配置されることが提供されてもよい。この場合、穿孔水は、重力のみの影響下で、キャビティ7の外側周辺領域に集まるであろう。抜き取りチャネル30、31の提供は、この場合でさえ、穿孔水がキャビティ7から、特に略完全に除去されることを確実にする。その結果、壁からの抜き取りデバイス1の取り外し後の壁の汚染を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0050】
1 抜き取りデバイス
2 カバー
3 壁
4 ハウジング
5 抜き取りノズル
6 長手方向中心面
7 キャビティ
10 第1の壁領域
11 第2の壁領域
12 第3の壁領域
13 第4の壁領域
14 第1の壁領域の表面
15 第2の壁領域の表面
16 角度
17 第4の壁領域の部分
18 第4の壁領域の部分
19 第4の壁領域の部分
20 第1の封止要素
21 第2の封止要素
22 第3の封止要素
25 抜き取り領域
26 壁
30 第1の抜き取りチャネル
31 第2の抜き取りチャネル
32 第5の壁領域
33 第6の壁領域
35 間隙
37 ハウジングの第1の周辺領域
38 ハウジングの第2の周辺領域
40 要素
41 要素
43 間隙
44 入口開口部
45 追加入口開口部
47 壁領域
48 壁領域
50 第1の封止デバイス
51 第2の封止デバイス
52 側面
53 継手
54 継手
55 凹部
56 凹部
57 枢動軸
58 枢動軸
60 周辺領域
U 周囲