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特許7130866ウェアラブルデバイスの自動殺菌及び充電
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイスの自動殺菌及び充電
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20220829BHJP
   G01N 21/00 20060101ALI20220829BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220829BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
A61L2/10
G01N21/00 Z
H02J50/10
H02J7/00 301D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021519812
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019053745
(87)【国際公開番号】W WO2020076532
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】62/743,702
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516064183
【氏名又は名称】サードウェイブ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー レントボルスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ カムケ
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0080251(US,A1)
【文献】特開2015-109785(JP,A)
【文献】特開平9-608(JP,A)
【文献】特開2018-68706(JP,A)
【文献】特開平5-212029(JP,A)
【文献】特開平3-86169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L2/00-2/28
A61L11/00-12/14
H02J7/00-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスを殺菌及び充電するための装置であって、
前記ウェアラブルデバイスを検出又は殺菌するように構成された一つ以上の光源と、
前記ウェアラブルデバイスを充電するように構成されたワイヤレス充電装置と、
前記一つ以上の光源及び前記ワイヤレス充電装置に結合されたコントローラであって、
前記一つ以上の光源を使用して、前記ウェアラブルデバイスが筐体内にあることを判断し、
前記一つ以上の光源を使用して、前記ウェアラブルデバイスを殺菌する、又は
前記ワイヤレス充電装置を使用して、前記ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するように構成されたコントローラと、
を備える装置。
【請求項2】
前記一つ以上の光源は、前記ウェアラブルデバイスを殺菌するために紫外(UV)光を発するように構成されたUV光源を有し、前記UV光は、複数の方向から前記ウェアラブルデバイスに向けられ、前記UV光は、連続的である又は時間的に変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記一つ以上の光源の電力若しくは強度のレベル又は前記ワイヤレス充電装置の電力のレベルを制御又は調整するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
異なるウェアラブルデバイスの複数のカテゴリーの各カテゴリーのプロファイルを格納するように構成されたメモリを更に備え、前記プロファイルは、前記一つ以上の光源の電力若しくは強度のレベル又は前記ワイヤレス充電装置の電力のレベルを表し、
前記コントローラは、
前記一つ以上の光源を使用して、前記ウェアラブルデバイスの光特性を判断し、
前記光特性に基づいて前記ウェアラブルデバイスに関連付けられたカテゴリーを判断し、
前記プロファイルに基づいて前記ウェアラブルデバイスを殺菌又はワイヤレス充電するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ウェアラブルデバイスの殺菌、充電又はデータ通信に関連するステータス情報を表示するように構成されたディスプレイを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
電力を供給するための電源を更に備え、前記ワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電信号をワイヤレスで送信するワイヤレス送信機であり、前記ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するために、前記コントローラは、
前記ワイヤレス充電信号の電力レベルを判断し、
前記ワイヤレス充電信号の向きを決定し、
前記ウェアラブルデバイスのバッテリをワイヤレスで充電するために又は前記ウェアラブルデバイスを操作するために前記ワイヤレス充電信号を発するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ワイヤレス充電信号の向きを決定するために、前記ワイヤレス送信機は、前記ワイヤレス充電信号が前記ウェアラブルデバイスを包囲するように前記ワイヤレス充電信号を発するように構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記ウェアラブルデバイスに接続し、
前記ウェアラブルデバイスのメモリからデータをダウンロードし、
前記ウェアラブルデバイスのメモリをリセット又は消去し、
ダウンロードしたデータを、ワイヤレス接続又は有線接続を介して、パーソナルデバイス、サーバ又はリモートストレージの少なくとも一つに供給又は送信するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記一つ以上の光源は、前記ウェアラブルデバイスを検出及び殺菌するように構成され、前記コントローラは、
前記筐体内の紫外線信号のベースラインレベルを判断し、
前記筐体内の紫外線信号の現在のレベルを判断し、
前記ウェアラブルデバイスの導入による前記筐体内の干渉により前記現在のレベルが前記ベースラインレベルと異なるときに、前記ウェアラブルデバイスが前記筐体内にあると判断するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
複数の光検出器を更に備え、複数の光源又は前記複数の光検出器は、放出された光に対する前記ウェアラブルデバイスの曝露を最適化するために、前記ウェアラブルデバイスを包囲するように前記筐体の空洞の周囲及び空洞内に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記一つ以上の光源は、紫外光、無線周波数又は可視光を放出し、前記ウェアラブルデバイスを検出するとき及び前記ウェアラブルデバイスを殺菌するときに、異なるレベルの強度の紫外光、無線周波数又は可視光を発する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
ウェアラブルデバイスを封入又は包囲するように構成され、光を反射、屈折又は方向転換するコーティングが施された複数の壁を有する筐体と、
前記ウェアラブルデバイスを検出又は殺菌するために光を発するように構成された一つ以上の光源と、
前記ウェアラブルデバイスを充電するように構成されたワイヤレス充電装置と、
前記一つ以上の光源及び前記ワイヤレス充電装置に結合されたコントローラであって、
前記一つ以上の光源を使用して、前記ウェアラブルデバイスが筐体内にあることを判断し、
前記一つ以上の光源を使用して、前記ウェアラブルデバイスを殺菌する、又は
前記ワイヤレス充電装置を使用して、前記ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するように構成されたコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項13】
前記ウェアラブルデバイスと通信するように構成されたネットワークアクセス装置又は通信装置を更に備え、前記ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するために、前記コントローラは、
前記ウェアラブルデバイスとの通信チャネルを確立し、
通信チャネルを使用して、前記ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するように構成された、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
通信チャネルは、近距離無線通信又はブルートゥース(登録商標)を使用する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ウェアラブルデバイスは、身体ネットワークデバイスであり、前記身体ネットワークデバイスは、薬物又は治療送達装置、センサ、通信ゲートウェイ、インスリンポンプ、血圧計、血糖値測定器、心拍数モニタ、酸素濃度計、持続的気道陽圧法(CPAP)装置、整形外科用装具若しくは操作装置又は歯科用装具若しくは他の歯列矯正用装具若しくは装置のうちの一つである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
デバイスを殺菌又は充電するための方法であって、
光源からの第1の強度を有する光を使用して、筐体内のデバイスを検出することと、
前記光源からの第2の強度を有する光を使用して、前記デバイスを殺菌することと、
ワイヤレス充電信号を使用して、前記デバイスをワイヤレスで充電することと、
を備える方法。
【請求項17】
前記第1の強度及び前記第2の強度は、異なるレベルの光強度である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記デバイスのカテゴリー又は型に基づいて、前記光の前記第2の強度を決定することと、
殺菌前に、前記光の前記第1の強度を前記第2の強度に調整することと、
を更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記筐体内のデバイスを検出することは、
前記筐体内の紫外線信号のベースラインレベルを判断することと、
前記筐体内の紫外線信号の現在のレベルを判断することと、
前記デバイスの導入による前記筐体内の干渉により前記現在のレベルが前記ベースラインレベルと異なるときに、前記デバイスが前記筐体内にあると判断することと、
を更に有する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記デバイスのメモリからデータをダウンロードすることと、
前記デバイスのメモリをリセット又は消去することと、
ダウンロードしたデータを、ワイヤレス接続又は有線接続を介して、パーソナルデバイス、サーバ又はリモートストレージの少なくとも一つに提供又は送信することと、
を更に備える、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年10月10日に出願された表題が「ウェアラブルデバイスの自動殺菌及び充電」である米国仮特許出願第62/743,702号明細書の優先権及び利益を主張し、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、ウェアラブルデバイスを自動的に殺菌及び充電するためのシステム、機器及び/又は方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ウェアラブルデバイスは、かつてないほど普及している。ウェアラブルデバイスは、スマートフォン、携帯電話、他のパーソナルデバイス等のパーソナルデバイスと同様の様々な機能を提供するが、ユーザに結合することができる又はユーザに装着することができる。モバイル機器の全ての機能を実行する装置を人の身体に有することの利便性は、常に監視する必要があるユーザ及び/又は複数の物を携帯するユーザにとって有利である。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザが実行する運動の量、ユーザの心拍数又はユーザの健康、行動若しくは周辺環境の他の計量を追跡することがある。他の例では、病院の医師は、作業中に患者のカルテ、医薬品及び/又は医療機器のような複数のアイテム又は物を携帯する必要がある場合があり、したがって、ウェアラブルデバイスの使用により、医師は、モバイル機器を携帯することを必要とせずになく動き回ることができる。さらに、ウェアラブルデバイスが医師の身体に結合されているので、医師がウェアラブルデバイスを装着するときに医師の位置をより正確に特定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ウェアラブルデバイスが益々あちこちに現れるようになるとともに様々な環境に導入され、これによって、ウェアラブルデバイスが風雨(elements)にさらされるため、これらのウェアラブルデバイスは、使用の合間のメンテナンス及びクリーニングが必要になる。したがって、ウェアラブルデバイスを自動的に殺菌及び充電するためのシステム、装置、方法及び/又は機器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、本明細書に記載されている主題の一態様は、ウェアラブルデバイスを自動的に殺菌及び充電するための機器、システム及び/又は装置において具体化される。殺菌及び充填システムは、殺菌及び充填装置を有する。殺菌及び充電装置は、一つ以上の光源を有する。一つ以上の光源は、ウェアラブルデバイスを検出又は殺菌するように構成されている。殺菌及び充電装置は、ワイヤレス充電装置を有する。ワイヤレス充電装置は、ウェアラブルデバイスを充電するように構成されている。殺菌及び充電装置は、一つ以上の光源及びワイヤレス充電装置に結合されたコントローラを有する。コントローラは、一つ以上の光源を使用して、ウェアラブルデバイスが筐体(enclosure)内にあることを判断するように構成されている。コントローラは、一つ以上の光源を使用して、ウェアラブルデバイスを殺菌するように、及び/又は、ワイヤレス充電装置を使用して、ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するように構成されている。
【0006】
これらの実施形態及び他の実施形態は、任意選択で、以下の特徴のうちの一つ以上を有してもよい。一つ以上の光源は、ウェアラブルデバイスを殺菌するために紫外(UV)光を発するように構成されたUV光源を有してもよい。UV光は、複数の方向からウェアラブルデバイスに向けてもよく、連続的であってもよい又は時間的に変化してもよい。コントローラは、一つ以上の光源の電力若しくは強度のレベル又はワイヤレス充電装置の電力のレベルを制御又は調整するように構成されてもよい。
【0007】
殺菌及び充電装置は、メモリを有してもよい。メモリは、異なるウェアラブルデバイスの複数のカテゴリーの各カテゴリーのプロファイルを格納するように構成されてもよい。プロファイルは、一つ以上の光源の電力若しくは強度のレベル又はワイヤレス充電装置の電力のレベルを示してもよい。コントローラは、一つ以上の光源を使用して、ウェアラブルデバイスの光特性を判断するように構成されてもよい。コントローラは、光特性に基づいてウェアラブルデバイスに関連付けられたカテゴリーを判断するように構成されてもよい。コントローラは、プロファイルに基づいてウェアラブルデバイスを殺菌又はワイヤレスで充電するように構成されてもよい。
【0008】
殺菌及び充電装置は、ディスプレイを有してもよい。ディスプレイは、ウェアラブルデバイスの殺菌、充電又はデータ通信に関連するステータス情報を表示するように構成されてもよい。殺菌及び充電装置は、電力を供給するための電源を有してもよい。ワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電信号をワイヤレスで送信するワイヤレス送信機であってもよい。ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するために、コントローラは、ワイヤレス充電信号の電力レベルを判断し、ワイヤレス充電信号の向きを決定し、ウェアラブルデバイスのバッテリをワイヤレスで充電するために又はウェアラブルデバイスを操作するためにワイヤレス充電信号を発するように構成されてもよい。ワイヤレス送信機は、ワイヤレス充電信号がウェアラブルデバイスを包囲するようにワイヤレス充電信号を発するように構成されてもよい。
【0009】
コントローラは、ウェアラブルデバイスに接続するように構成されてもよい。コントローラは、ウェアラブルデバイスのメモリからデータをダウンロードするように構成されてもよい。コントローラは、ダウンロードされたデータを、ワイヤレス接続又は有線接続を介して、パーソナルデバイス、サーバ又はリモートストレージのうちの少なくとも一つに供給又は送信するように構成されてもよい。
【0010】
一つ以上の光源は、ウェアラブルデバイスを検出及び殺菌するように構成されてもよい。コントローラは、筐体内の紫外線信号のベースラインレベルを判断するように構成されてもよい。コントローラは、筐体内のUV信号の現在のレベルを判断するように構成されてもよい。コントローラは、ウェアラブルデバイスの導入による筐体内の干渉のために現在のレベルがベースラインレベルと異なるときに、ウェアラブルデバイスが筐体内にあると判断するように構成されてもよい。
【0011】
殺菌及び充電装置は、複数の光検出器を有してもよい。複数の光源又は複数の光検出器は、放出された光に対するウェアラブルデバイスの曝露を最適化するために、ウェアラブルデバイスを包囲するように筐体の空洞の周囲及び空洞内に配置されてもよい。一つ以上の光源は、紫外光、無線周波数又は可視光を発し、ウェアラブルデバイスを検出するとき及びウェアラブルデバイスを殺菌するときに、異なるレベルの強度の紫外光、無線周波数又は可視光を発してもよい。
【0012】
他の態様では、主題は、殺菌及び充電システムで具体化される。殺菌及び充電システムは、筐体を有する。筐体は、ウェアラブルデバイスを包囲(surround)又は封入(enclose)するように構成されている。筐体は、光を反射、屈折又は方向転換するコーティングが施された複数の壁を有する。殺菌及び充電システムは、一つ以上の光源を有する。一つ以上の光源は、ウェアラブルデバイスを検出又は殺菌するために光を発するように構成されている。殺菌及び充電システムは、ワイヤレス充電装置を有する。ワイヤレス充電装置は、ウェアラブルデバイスを充電するように構成されている。殺菌及び充電システムは、コントローラを有する。コントローラは、一つ以上の光源及びワイヤレス充電装置に結合されている。コントローラは、一つ以上の光源を使用して、ウェアラブルデバイスが筐体内にあることを判断するように構成されている。コントローラは、一つ以上の光源を使用して、ウェアラブルデバイスを殺菌するように構成されている、又は、ワイヤレス充電装置を使用して、ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するように構成されている。
【0013】
他の態様では、主題は、デバイスを殺菌又は充電するための方法で具体化される。この方法は、光源からの第1の強度を有する光を使用して、筐体内のデバイスを検出することを有する。この方法は、光源からの第2の強度の光を使用して、デバイスを殺菌することを有する。この方法は、ワイヤレス充電信号を使用して、デバイスをワイヤレスで充電することを有する。
【0014】
図面の簡単な説明本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図及び詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになる又は明らかになるであろう。そのような全ての追加のシステム、方法、特徴及び利点は、本明細書に含まれ、本発明の範囲内にあり、付随する特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。図面に示されている部品は、必ずしも原寸に比例しておらず、本発明の重要な特徴を更によく説明するために誇張されている場合がある。図面中、同様な参照番号は、異なる図を通じて同様なパーツを表す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一態様による例示的な殺菌及び充電システムを示す。
図2】本発明の一態様による図1の殺菌及び充電システムの例示的な殺菌及び充電装置のブロック図である。
図3】本発明の一態様による図1の殺菌及び充電システムを使用してウェアラブルデバイスを殺菌するための例示的なプロセスの流れ図である。
図4】本発明の一態様による図1の殺菌及び充電システムを使用してウェアラブルデバイスを充電するための例示的なプロセスの流れ図である。
図5】本発明の一態様による図1の殺菌及び充電システムを使用してウェアラブルデバイスと通信するための例示的なプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここでは、ウェアラブルスマートデバイスのようなウェアラブルデバイスの自動的な消毒、充電及び/又は通信のためのシステム、装置、デバイス、及び方法を開示する。ウェアラブルスマートデバイス殺菌及び充電システム(「殺菌及び充電システム」)は、ウェアラブルスマートデバイス(「ウェアラブルデバイス」)をクリーニング、消毒、殺菌、充電及び/又はメンテナンスする。ウェアラブルデバイスは、医療機器、スマートデバイス又はユーザの身体に結合された若しくはユーザの身体に装着された他のパーソナルデバイスであってもよい。例えば、ウェアラブルデバイスを、薬物送達、持続的気道陽圧法(CPAP)療法、通信ゲートウェイ等に使用してもよい。他の例では、ウェアラブルデバイスを、インスリンポンプ、血圧計、血糖値測定器、心拍数モニタ、酸素濃度計、整形外科用装具若しくは操作装置及び/又は歯科用装具若しくは他の歯列矯正用装具若しくは装置のようなセンサ又は他の医療機器であってもよい。
【0017】
殺菌及び充電システムは、殺菌及び充電システムが異物粒子を低減又は排除するためにウェアラブルデバイスの表面を消毒、殺菌又はクリーニングするようにウェアラブルデバイスを封入又は包囲する。殺菌及び充電システムは、ウェアラブルデバイス表面及び/又はウェアラブルデバイス内に存在する真菌、細菌、ウイルス、胞子又は他の生物剤のような粒子、細菌及び他の微生物を排除、消去又は除去する。これは、例えば、病院又は研究施設での交差汚染を防止、低減又は排除するために特に重要である。
【0018】
他の利益及び利点は、殺菌及び充電システムがウェアラブルデバイスの充電及び/又はウェアラブルデバイスとの通信を行うためにウェアラブルデバイスとの接続を確立することができることを含む。殺菌及び充電システムは、ウェアラブルデバイスの蓄電装置を充電するためにウェアラブルデバイスに電力を供給することができる。殺菌及び充電システムは、ワイヤレス接続又は有線接続を介して電力を供給することができる。これによって、殺菌及び充電システムは、ウェアラブルデバイスの充電及び殺菌を同時に行うことができる。さらに、殺菌及び充電システムは、再利用のためにウェアラブルデバイスを初期化又は再初期化してもよい。殺菌及び充電システムは、ウェアラブルデバイスを再利用できるようにするためにウェアラブルデバイスからデータのアクセス、ダウンロード及び/又はパージを行ってもよい。
【0019】
図1は、殺菌及び充電システム100を示す。殺菌及び充電システム100は、殺菌及び充電装置122を有する。殺菌及び充電システム100は、ウェアラブルデバイス116を有してもよい。ウェアラブルデバイス116は、医療機器、スマートデバイス又はユーザの身体に結合された若しくはユーザの身体に装着された他のパーソナルデバイスであってもよい。殺菌及び充電システム100は、遠隔装置120、及び/又は、殺菌及び充電装置122、ウェアラブルデバイス116及び/又は遠隔装置120をリンクするネットワーク118を有してもよい。
【0020】
遠隔装置120は、ラップトップ、タブレット、スマートフォン又は他のコンピューティングデバイスのようなパーソナルデバイス、サーバ、データベース及び/又は他の記憶装置であってもよい。ネットワーク118は、殺菌及び充電装置122、ウェアラブルデバイス116及び/又は遠隔装置120の間の接続、結合及び/又は通信を行う狭域通信(DSRC)ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラーネットワーク、インターネット又はその組み合わせであってもよい。
【0021】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116が中に配置されるとともに殺菌の準備ができたときを検出する。殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116を殺菌又は充電するときにウェアラブルデバイス116に損傷が生じないようにウェアラブルデバイス116の殺菌及び/又は充電の量又はレベルの強度を設定してもよい。さらに、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116を殺菌、充電、クリーニング又は検出を行うために信号の相対方向の配置、移動、方向付け又は制御を行うことができる。
【0022】
殺菌及び充電装置122は、例えば、図1及び図2に示すように、筐体102又は他の容器、電源104、コンピュータ装置106又は他のコントローラ、及び/又は一つ以上の光源124を有する。殺菌及び充電装置122は、一つ以上のセンサ212を有してもよい。筐体102は、内部に空洞110を包囲、封入、形成及び/又は規定するように配置された複数の壁108を有する。筐体102は、筐体102内の空洞110へのアクセスを可能にするために開閉することができる蓋又はドア(「蓋」)112を有する。例えば、蓋112は、複数の壁108のうちの一つの縁部に結合することができるヒンジ128又は他の締結具に接続されてもよい。ヒンジ128は、筐体102内の空洞110へのアクセスを許可又は拒否するために蓋112を開位置又は閉位置に移動、配置又は位置決めできるようにしてもよい。蓋112が開いているとき、ウェアラブルデバイス116を筐体102の空洞110内に配置することができる。筐体102は、プラットフォーム114又は他のホルダーを有してもよい。プラットフォーム114を、空洞110内に配置してもよく、ウェアラブルデバイス116を保持するためにウェアラブルデバイス116を受け入れるように結合、固定又は構成してもよい。プラットフォーム114は、ウェアラブルデバイス116と通信及び/又は給電を行うためにウェアラブルデバイス116をコンピュータ装置106及び/又は電源104と結合することができるデータ/充電ポート126を有してもよい。例えば、ウェアラブルデバイス116は、プラットフォーム114を介した情報の送信又は受信及び/又は受電を行うためにプラットフォーム114のデータ/充電ポート126に接続してもよい。
【0023】
いくつかの実装では、プラットフォーム114は、筐体102の空洞110内で回転可能又は移動可能であってもよい。プラットフォーム114は、プラットフォーム114に固定することができるウェアラブルデバイス116を回転又は移動させるために回転可能又は移動可能であってもよい。これは、空洞110内で発された光又は他の信号に対するウェアラブルデバイス116の表面の更なる曝露を提供する又はウェアラブルデバイス116によって受信されるワイヤレス充電信号を更に効率的に方向付け又は配置することができる。
【0024】
図2は、殺菌及び充電装置122のブロック図を示す。筐体102は、コーティング214を有してもよい。コーリング214は、複数の壁108の内面に配置、成形又は被覆されるコーティング214の層又は薄膜であってもよい。コーティング214は、空洞110内に配置又は位置決めされたウェアラブルデバイス116を包囲するために、発された信号、光又は他の放射を空洞110内に反射、屈折又は方向転換することができる。
【0025】
殺菌及び充電装置122は、一つ以上のセンサ212を有してもよい。一つ以上のセンサは、紫外(UV)光検出器、無線周波数(RF)検出器又はカメラを有してもよい。一つ以上のセンサ212は、UV環境の変化を検出するために筐体102の壁全体に配置された複数のセンサを有してもよい。一つ以上のセンサ212は、発された光又はワイヤレス充電信号の量又は強度を検出してもよい、及び/又は、ウェアラブルデバイス116の存在又は不存在を検出してもよい。さらに、一つ以上のセンサ212は、空洞110内に配置されたウェアラブルデバイス116の型又はカテゴリー及び/又は蓋112が開いているか閉じているかの識別を行ってもよい。
【0026】
殺菌及び充電装置122は、一つ以上の光源124を有する。一つ以上の光源124は、光又は他の信号が一つ以上の光源124から発されるときに光又は他の信号がウェアラブルデバイス116を包囲できるように複数の壁108内に配置されてもよい。一つ以上の光源124は、複数の光源124を有してもよい。複数の光源124を、ウェアラブルデバイス116を包囲するように配置してもよい。これは、発された光に対するウェアラブルデバイス116の表面の曝露を最適化する。
【0027】
一つ以上の光源124は、ウェアラブルデバイス116を検出及び/又は殺菌するために紫外(UV)光、無線周波数、可視光又は他の信号(以下、言い換え可能で「光」又は「信号」と称する)を発してもよい。発される光は、連続的であってもよい又は時間的に変化してもよい。殺菌及び充電装置は、発された光に対するウェアラブルデバイス116の曝露を最適化するために、ウェアラブルデバイス116を検出及び/又は殺菌するときに発された光の向き及び/又は強度を制御してもよい。
【0028】
殺菌及び充電装置122は、コンピュータ装置106を有する。コンピュータ装置106は、プロセッサ202、ネットワークアクセス装置204、ユーザインターフェース206及び/又はメモリ208を有する。コンピュータ装置106は、ワイヤレス送信機210を有してもよい、又は、ワイヤレス送信機210は、別個の装置であってもよい。
【0029】
プロセッサ202は、単一のプロセッサ若しくはコントローラとして又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラとして実装されてもよい。プロセッサ202は、他の構成要素に電気的に結合してもよく、一つ以上の光源124、ワイヤレス送信機210及び/又は電源104を制御するように設計してもよい。プロセッサ202は、一つ以上の光源124及び/又はワイヤレス送信機210から発された信号又は光の強度及び/又は向きを制御してもよい。プロセッサ202は、ウェアラブルデバイス16の殺菌及び/又は充電のステータスをユーザに通知、注意喚起又は情報提供するために通知又は注意喚起をユーザインターフェース206に表示してもよい。プロセッサ202は、メモリ208に結合されてもよく、メモリ208に格納された命令を実行してもよい。
【0030】
メモリ208は、プロセッサ202に結合されてもよく、プロセッサ202が実行する命令を格納してもよい。メモリ208は、ウェアラブルデバイスの異なる型又はカテゴリーのプロファイルを格納してもよい。プロファイルは、電力伝達の速度(rates of power transfer)を含むウェアラブルデバイス116のハードウェア制限のようなウェアラブルデバイス116の種々の構成又は要件を表してもよい。メモリ208は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)又は他の揮発性若しくは不揮発性メモリの一つ以上を有してもよい。メモリ208は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ、ハイブリッドディスクドライブ又は他の適切なデータストレージのような非一時的メモリ又はデータ記憶装置であってもよく、プロセッサ202によってロード及び実行することができる機械可読命令を更に格納してもよい。
【0031】
コンピュータ装置106は、ユーザインターフェース206を有する。殺菌及び充電装置122は、ユーザインターフェース206を介してユーザ入力を受け取ってもよい。ユーザ入力は、ワイヤレス充電信号又は一つ以上の光源124から放出された光のレベル又は強度を有してもよい。ユーザ入力は、殺菌及び/又はワイヤレス充電を開始するときの表示を有してもよい。
【0032】
ユーザインターフェース206は、ユーザインターフェース素子、ボタン、ダイヤル、マイクロフォン、キーボード又はタッチスクリーンからユーザ入力を受け取る入力/出力装置を有してもよい。ユーザインターフェース206は、ディスプレイ、スピーカー、音響及び/又は可視的表示器又は更新可能な点字ディスプレイのような出力装置への出力を供給してもよい。出力装置は、ユーザに注意喚起又は通知を表示してもよい。
【0033】
コンピュータ装置106は、ネットワークアクセス装置204を有する。ネットワークアクセス装置204は、狭域通信(DSRC)装置、Wi-Fi(登録商標)装置、ブルートゥース(登録商標)装置、無線自動識別(RFID)タグ若しくはリーダー又は(3G、4G又は5Gのような)セルラーネットワークにアクセスするためのセルラーネットワーク装置のうちの一つ以上のような通信ポート又はチャネルを有してもよい。ネットワークアクセス装置204は、データ/充電ポート126、ウェアラブルデバイス116及び/又は遠隔装置120を介して、プラットフォーム114を含む殺菌及び充電システム100の異なる構成要素とのデータの送信及び受信を行ってもよい。例えば、プロセッサ202は、ワイヤレスで又はプラットフォーム114及びデータ/充電ポート126を介して、ウェアラブルデバイス116からデータをダウンロードしてもよく、ダウンロードしたデータを格納のために遠隔装置120にアップロードしてもよい。他の例では、コンピュータ装置106は、一つ以上の光源124を制御するためにコマンドを送信してもよい、及び/又は、ウェアラブルデバイス116を検出するために一つ以上のセンサ212からセンサデータを受信してもよい。
【0034】
殺菌及び充電装置122は、電源104及び/又はワイヤレス送信機210を有する。電源104は、電池のような携帯型電源装置であってもよい、又は、電気ソケットのような固定電源装置であってもよい。電源104は、殺菌及び充電装置122に電力を供給する。ウェアラブルデバイス116がプラットフォーム114に固定されるとともにデータ/充電ポート126に接続されているとき、電源104を、ウェアラブルデバイス116に電力を供給又は充電するためにデータ/充電ポート126に結合してもよい。さらに、電源104は、ワイヤレス充電信号を送信するためにワイヤレス送信機210に電力を供給してもよい。
【0035】
ワイヤレス送信機210は、ウェアラブルデバイス116にワイヤレス充電信号を送信又は発してもよい。ワイヤレス充電信号は、電荷によるウェアラブルデバイス116の充電又は電力供給を行うことができる。ワイヤレス充電信号は、ウェアラブルデバイス116に送信されるとともに直流電流(DC)のような電荷に変換される交流電流(AC)を使用して生成される磁場のような交流電磁場であってもよく、そのような電荷は、ウェアラブルデバイス116の蓄電装置を充電、給電及び/又は蓄積するために使用される。
【0036】
図3は、ウェアラブルデバイス116を殺菌するための例示的なプロセス300の流れ図である。一つ以上のコンピュータ又は一つ以上のデータ処理装置、例えば、適切にプログラムされた図1の殺菌及び充電システム100のプロセッサ202は、プロセス300を実施してもよい。
【0037】
殺菌及び充電装置122は、筐体102の空洞110内の紫外(UV)光のベースラインレベルを判断してもよい(302)。ウェアラブルデバイス116を検出及び/又は殺菌するために、UV光の代わりに異なる信号を使用してもよい。例えば、使用してもよい他の信号は、無線周波数信号、可視光又は他のタイプ若しくは種類の信号を含む。
【0038】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116が筐体102の空洞110内にないときのUV光のベースラインレベルをキャプチャ又は判断するためにUV光検出器のような一つ以上のセンサ212を使用してもよい。一つ以上の光源124は、ウェアラブルデバイス116が空洞110内にないことが知られているときに筐体102の空洞110全体にUV光を伝達するように作動させてもよく、一つ以上のセンサ212は、UV光のベースラインレベルを確立するために筐体110内のUV光の量を測定してもよい。ウェアラブルデバイス116の存在又は不存在を決定するためにUV光の測定されたレベルと比較するためのUV光のベースラインレベルをメモリ208に格納してもよい。
【0039】
殺菌及び充電装置122は、殺菌及び/又はワイヤレス充電の前に筐体102の蓋112が閉められたことを決定してもよい(304)。殺菌及び充電装置122は、蓋112が半開きであるか否か、すなわち、開いた位置又は部分的に開いた位置にあるか否かを判断するために一つ以上のセンサ212を使用してもよい。蓋112が半開きであり、閉位置にないとき、殺菌及び充電装置122は、一つ以上の光源124及び/又はワイヤレス送信機210への電力の電気的な切り離し又は減結合のようにウェアラブルデバイス116のワイヤレス充電及び/又は殺菌を行うのを防止してもよい。これは、UV光及び/又はワイヤレス充電信号のような意図しない信号が筐体102から意図せずに発されるとともにユーザに暴露することを防止する。蓋112が閉位置にあるとき、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116のワイヤレス充電及び/又は殺菌を行うことができるようにしてもよい。
【0040】
蓋112が閉じられると、殺菌及び充電装置122は、UV光を発してもよい(306)。発されたUV光を、筐体102の空洞110内のウェアラブルデバイス116を検出するために使用してもよい。ウェアラブルデバイスの検出に使用される発されたUV光は、ウェアラブルデバイスの殺菌に使用される発されたUV光とは異なる強度を有してもよい。
【0041】
殺菌及び充電装置122は、筐体102の空洞110内のUV光の電流レベルを測定してもよい(308)。殺菌及び充電装置122は、空洞110内のUV光の電流レベルを測定するために一つ以上のセンサ212を使用する。例えば、UV光検出器は、空洞110内のUV光のレベルを測定してもよい。
【0042】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116が筐体102内にあるか否かを判断する(310)。殺菌及び充電装置122は、UV光の電流レベルをUV光のベースラインレベルと比較するとともに電流レベルとベースラインレベルとの間の差を判断することができる。電流レベルとベースラインレベルとの間の差が閾値量よりも大きい場合、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116が筐体102内に存在すると判断することができる。電流レベルとベースラインレベルとの間の差が閾値量以下である場合、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイスが筐体102内に存在しないと判断することができる。
【0043】
いくつかの実装では、殺菌及び充電装置122は、筐体102の空洞110内の画像データをキャプチャするためにカメラのような他のセンサを使用してもよい。殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116が筐体102の空洞110内にあるか否かを判断するために、キャプチャされた画像データを分析してもよい。
【0044】
殺菌及び充電装置122が筐体102内のウェアラブルデバイス116を検出しないとき、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116について筐体102の空洞110を監視し続ける。殺菌及び充電装置122が筐体内のウェアラブルデバイス116を検出すると、殺菌及び充電装置122は殺菌プロセスに進む。
【0045】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116の型、種類又はカテゴリーを判断してもよい(312)。殺菌及び充電装置122は、筐体102の空洞110内に配置又は位置決めされたウェアラブルデバイス116の型、種類又はカテゴリーを示すユーザ入力を、ユーザインターフェース206を介して受け取ってもよい。ウェアラブルデバイス116の型、種類又はカテゴリーは、ウェアラブルデバイス116を検出、充電及び/又は殺菌する発された信号の速度又は強度のような充電及び/又は殺菌特性に影響を及ぼすことがある。
【0046】
いくつかの実装では、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116の光特性を測定する。殺菌及び充電装置122は、光特性を測定するために一つ以上のセンサ212を使用してもよい。光特性は、ウェアラブルデバイス116の表面から離れるように反射、屈折又は方向転換される光の向き又は量を有してもよい。殺菌及び充電装置122は、光特性からウェアラブルデバイス116の型、種類又はカテゴリーを判断してもよい。その理由は、ウェアラブルデバイス116のそれぞれの異なる型、種類又はカテゴリーは異なる光特性を有するからである。いくつかの実装では、殺菌及び充電装置122は、画像データをキャプチャするためにカメラのような一つ以上のセンサ212を使用し、ウェアラブルデバイス116の型、種類又はカテゴリーを判断するためにキャプチャした画像データを分析する。
【0047】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116のプロファイルを取得してもよい(314)。殺菌及び充電装置122は、メモリ208からプロファイルを取得してもよい。取得されるプロファイルは、ウェアラブルデバイス116の型、種類又はカテゴリーに基づくとともに特有なものであってもよい。例えば、ウェアラブルデバイス116が医療機器である場合、プロファイルは、医療機器に特有なものであってもよい。他の例では、ウェアラブルデバイス116がスマートウォッチである場合、プロファイルは、スマートウォッチに特有なものであってもよい。
【0048】
特定のウェアラブルデバイスのプロファイルは、ウェアラブルデバイス116の様々な充電特性、データ通信特性及び/又は殺菌特性を示す。充電特性は、充電率、ウェアラブルデバイス116を充電するための電流及び/又は電圧、及び/又は、ウェアラブルデバイス116が蓄積することができる全体の電荷量を有してもよい。データ通信特性は、ウェアラブルデバイス116との間でデータをアップロード及び/又はダウンロードするためのデータレートを有してもよい。殺菌特性は、ウェアラブルデバイス116を殺菌するために使用されるUV光又は他の信号によって影響が及ぼされることがあるウェアラブルデバイスの構成要素のハードウェア制限を有してもよい。さらに、殺菌特性は、殺菌される必要があるウェアラブルデバイス116の表面の領域及び/又は形状を示すことができるウェアラブルデバイス116の表面の形状を有してもよい。
【0049】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116を殺菌するために発するUV光の量又は強度のレベルを決定してもよい(316)。UV光の量又は強度のレベルは、予め設定されてもよい又はウェアラブルデバイス116の型、種類又はカテゴリーのプロファイルに基づいてもよい。例えば、プロファイルが、ウェアラブルデバイスがスマートネックレスと比較してスマートウォッチであることを示しているとき、スマートウォッチを殺菌するために発されるUV光の量又は強度のレベルは、スマートネックレスを殺菌するために発されるUV光の量又は強度のレベルよりも小さくてもよい。
【0050】
殺菌及び充電装置122は、異なる機能のために異なるレベルの強度のUV光を発してもよい。例えば、ウェアラブルデバイス116を検出するとき、殺菌及び充電装置122は、殺菌及び充電装置122がウェアラブルデバイス116を殺菌するUV光を発するときよりも低い強度のUV光を発する。
【0051】
いくつかの実装では、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116の表面上の粒子の量に基づいて、UV光の量又は強度のレベルを変えてもよい。殺菌及び充電装置122は、光特性に基づいて様々な表面上の粒子の量を判断するためにウェアラブルデバイス116の様々な表面の光特性を測定してもよい。例えば、ある表面が別の表面よりも多くの光を反射又は屈折する場合、その表面は他の表面よりも粒子が少ない可能性がある。
【0052】
次に、殺菌及び充電装置122は、粒子の量に基づいて、UV光の量又は強度のレベルを調整又は決定することができる。比較的多い粒子が存在する場合、殺菌及び充電装置122は、信号の量又は強度のレベルを増大してもよい。同様に、比較的少ない粒子が存在する場合、殺菌及び充電装置122は、UV光の量又は強度のレベルを低下させてもよい。
【0053】
UV光の量又は強度のレベルは、発された光が集束されるウェアラブルデバイス116の表面の部分に基づいて更に変化する可能性がある。例えば、ウェアラブルデバイス116の第1の部分では、殺菌及び充電装置122は、少量又は低レベルの強度のUV光を使用してもよく、多量又は高レベルの強度のUV光を第2の部分で使用してもよい。
【0054】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116を殺菌する(318)。殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116を殺菌するために一つ以上の光源を作動させるとともにUV光又は他の信号を発してもよい。一つ以上の光源124は、決定された量又はレベルの強度のUV光を発するように調整されてもよい。
【0055】
殺菌及び充電装置122は、充電及び/又はデータ通信等の他の機能を実行してもよい(320)。図4及び図5は、ウェアラブルデバイス116の充電及び/又は通信のためのプロセス400及び500を更に説明する。
【0056】
殺菌、充電及び/又はデータ通信の前、殺菌、充電及び/又はデータ通信の間又は殺菌、充電及び/又はデータ通信の後に、殺菌及び充電装置122は、監視情報を表示してもよい(322)。殺菌及び充電装置122は、ユーザインターフェース206上に監視情報を表示してもよい。監視情報は、殺菌、充電及び/又はデータ通信に関するステータス情報を有してもよい。
【0057】
例えば、殺菌中のステータス情報は、殺菌された又はUV光に曝露されたウェアラブルデバイス116の全表面の割合若しくは量、殺菌手順の現在の進行状況、発されたUV光の強度のレベル又は殺菌手順に関する他の関連情報を有してもよい。他の例では、ウェアラブルデバイス116の充電に関連するステータス情報は、ウェアラブルデバイス116の現在の充電状態、ウェアラブルデバイスを最大限の充電を完了するための推定時間及び/又は充電手順の現在の進行を有してもよい。他の例では、ウェアラブルデバイス116とのデータ通信のステータス情報は、現在のダウンロード/アップロード速度、ウェアラブルデバイス116からのデータのダウンロードの現在の進行状況及び/又はデータがウェアラブルデバイス116からパージ又は削除されたときの表示を有してもよい。表示することができる他の情報は、ウェアラブルデバイス116からダウンロードされたデータを有する。
【0058】
図4は、ウェアラブルデバイス116を充電するための例示的なプロセス400の流れ図である。一つ以上のコンピュータ又は一つ以上のデータ処理装置、例えば、適切にプログラムされた図1の殺菌及び充電システム100のプロセッサ202は、プロセス400を実施してもよい。
【0059】
殺菌及び充電装置122が、筐体102の蓋112が閉じていること及びウェアラブルデバイス116が筐体102内にあると判断すると、殺菌及び充電装置122は、充電状態又は電力レベルを判断してもよい(402)。殺菌及び充電装置122は、データ/充電ポートを介して、及び/又は、ネットワークアクセス装置204を介してワイヤレスで、ウェアラブルデバイス116から充電状態又は電力レベルの表示を受信してもよい。
【0060】
充電状態又は電力レベルが最大でない又はしきい値を超えていないとき、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116に伝送又は供給する電力の量を決定してもよい(404)。電力の量は、ウェアラブルデバイス116のプロファイル、デフォルト設定又は設定及び/又はユーザ設定量に基づいてもよい。例えば、スマートウォッチ、スマートネックレス、医療機器又は他のウェアラブルデバイスは全て、ウェアラブルデバイス116のプロファイルから決定してもよいボルト数、アンペア数又は他の電気特性のような互いに異なる充電特性を有する。
【0061】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116がデータ/充電ポート126に取り付けられていない又は結合されていないときにワイヤレス充電信号をウェアラブルデバイス116にワイヤレスで送信する向きを決定してもよい(406)。殺菌及び充電装置122は、ワイヤレス充電信号を発し、ワイヤレス充電信号がウェアラブルデバイス116によって最も効率的に受信される場所、例えば、ウェアラブルデバイス116への給電又は充電を行うためにワイヤレス充電信号が最も効率的に電気エネルギーに変換される場所を決定してもよい。
【0062】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116への給電又は電力の伝送を行う(408)。殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116が筐体102内のプラットフォーム114に取り付けられているときに電源104から有線接続を介してデータ/充電ポート126に電力を伝送してもよい。殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116がプラットフォーム114に取り付けられていないとき又はデータ/充電ポート126がないときにワイヤレス接続を介して電力を伝送してもよい。伝送される電力は、伝送する決定された電力の量に基づいてもよい。
【0063】
殺菌及び充電装置122は、ワイヤレス送信機210を使用して、ワイヤレス充電信号をウェアラブルデバイス116にワイヤレスで送信してもよい。ワイヤレス充電信号は、ウェアラブルデバイス116を最も効率的に充電する向きに向けられるとともに決定された電力の量で向けられてもよい。いくつかの実施形態では、殺菌及び充電装置122は、ワイヤレス充電信号を最も効率的に電気エネルギーに変換できるようにウェアラブルデバイス116が保持又は配置されるプラットフォーム114を移動、操縦又は位置決めしてもよい。他の実装では、殺菌及び充電装置122は、ワイヤレス充電信号を最も効率的に電気エネルギーに変換できるようにワイヤレス送信機210を移動、操縦又は位置決めしてもよい。
【0064】
図5は、ウェアラブルデバイス116と通信するための例示的なプロセス500の流れ図である。一つ以上のコンピュータ又は一つ以上のデータ処理装置、例えば、適切にプログラムされた図1の殺菌及び充電システム100のプロセッサ202は、プロセス500を実施してもよい。
【0065】
殺菌及び充電装置122が、筐体102の蓋112が閉じていること及びウェアラブルデバイス116が筐体102内にあると判断すると、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116との接続を確立してもよい(502)。殺菌及び充電装置122は、データ/充電ポート126が存在しないときにウェアラブルデバイス116とのワイヤレス接続を自動的に確立してもよい。ウェアラブルデバイス116とワイヤレスで接続するために使用されるデータ接続信号は、ワイヤレス充電信号と同一であってもよい又はワイヤレス充電信号と異なっていてもよい。データ/充電ポート126が存在するときに、殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116がデータ/充電ポート126に接続されたという表示を受け取るとともにこの表示を受け取った後にウェアラブルデバイス116の接続を確立してもよい。
【0066】
殺菌及び充電装置122は、ウェアラブルデバイス116のメモリからデータを取得又はダウンロードする(504)。殺菌及び充電装置は、殺菌プロセスの一部及び/又は別個のプロセスとしてデータをダウンロードしてもよい。殺菌及び充電装置122は、有線又はワイヤレス接続を介して、データをダウンロードし、ダウンロードされたデータをメモリ208に格納してもよい。
【0067】
殺菌及び充電装置122は、データがダウンロードされた後にウェアラブルデバイス116のメモリからデータをリセット、消去、パージ又は削除してもよい(506)。これにより、ウェアラブルデバイス116を完全にリセットして、他のユーザによる再利用を可能にすることができる。次に、殺菌及び充電装置122は、ダウンロードされたデータを遠隔装置120に伝送又は送信してもよい(508)。遠隔装置は、リモート若しくはクラウドストレージデバイス又はパーソナルデバイスのようなユーザの他の装置であってもよい。ダウンロードされたデータは、ネットワークアクセス装置204を使用して、ネットワーク118を介して送信されてもよい。
【0068】
明細書及び特許請求の範囲の全体を通じて使用される場合、「A又はBの少なくとも一つ」は、「A」のみ、「B」のみ又は「A及びB」を含む。方法/システムの例示的な実施形態を、例示的なスタイルで開示した。したがって、全体を通じて使用される用語を、非限定的に解釈する必要がある。ここでの教示に対するわずかな変更が生じたとしても、当業者は、ここで許可された特許の範囲内で限定されることを意図しているものは従来技術に貢献した進歩の範囲内に理想的に存在する全ての実施の形態であること及び添付した特許請求の範囲及びその等価物の考慮を除いて範囲を制限すべきでないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5