(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】アーク炉密閉フィーディング装置
(51)【国際特許分類】
F27B 3/18 20060101AFI20220830BHJP
F27D 13/00 20060101ALI20220830BHJP
F27D 17/00 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
F27B3/18
F27D13/00 D
F27D17/00 101G
(21)【出願番号】P 2018560216
(86)(22)【出願日】2017-04-14
(86)【国際出願番号】 CN2017080517
(87)【国際公開番号】W WO2017206595
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2019-08-07
(31)【優先権主張番号】201610369480.8
(32)【優先日】2016-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201611110753.3
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518402727
【氏名又は名称】シーアイエスディーアイ エンジニアリング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CISDI ENGINEERING CO., LTD
【住所又は居所原語表記】YAN Bo No.1, Shuanggang Road, Yuzhong District Chongqing 400013 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ハン,キミン
(72)【発明者】
【氏名】タン,チュンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,チャン
(72)【発明者】
【氏名】シ,ウェイチ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ユチュアン
【審査官】宮脇 直也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102181601(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105202907(CN,A)
【文献】実開昭54-027105(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第102721274(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 3/00-3/28
F27D 11/08
F27D 13/00
F27D 17/00
C21C 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口がアーク炉側壁と密閉・連通される密閉フィーディング傾斜スロットと、前記密閉フ
ィーディング傾斜スロットの中に設置されるゲートシールドドアと、前記密閉フィーディ
ング傾斜スロットの落下点エリアに設置されるストリップ状の更換可能なライナーとを含
むアーク炉密閉フィーディング装置であって、
前記ゲートシールドドアは、外周にスモークシールドエッジが設置される平面
ボードまた
は曲面弧形
ボードであるドアプレートと、一端が前記ドアプレートに固定され、他端が、
回転軸によって密閉フィーディング傾斜スロットを回転することができるように固定され
、門形のフレーム構造となったスイングアームとを含むと共に、前記スイングアームによ
って拘束されるスイング式ゲートシールドドアであり、前記密閉フィーディング傾斜スロ
ットは、ゲートシールドドアにより、クールスクラップ貯蔵室とフィーディング除塵室に
分離され、
前記クールスクラップ貯蔵室には、外部と連通するための分流除塵管と、強制振動フィー
ディングに用いる励振装置とが設置され、
前記クールスクラップ貯蔵室の入り口には移動シールドドアが設置され、
前記フィーディング除塵室には、外部と連通するための除塵管が設置され、
前記フィーディング除塵室と前記アーク炉側壁が接続される箇所には、1区切りの伸縮可
能な傾斜スロットと、前記伸縮可能な傾斜スロットを駆動する駆動装置とが設置され、
前記クールスクラップ貯蔵室と前記フィーディング除塵室の両者は、駆動機構の作用で、
隔離または連通になるように構成され、
前記密閉フィーディング傾斜スロットと水平面との傾斜角は30~60°である、
ことを特徴とするアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項2】
出口がアーク炉側壁と密閉・連通される密閉フィーディング傾斜スロットと、前記密閉フ
ィーディング傾斜スロットの中に設置されるゲートシールドドアと、前記密閉フィーディ
ング傾斜スロットの落下点エリアに設置されるストリップ状の更換可能なライナーとを含
むアーク炉密閉フィーディング装置であって、
前記ゲートシールドドアは、平面
ボードまたは曲面弧形
ボードであって、ガイドプーリと
ガイドレールによって拘束されるスライドプレートゲートであり、前記密閉フィーディン
グ傾斜スロットは、ゲートシールドドアにより、クールスクラップ貯蔵室とフィーディン
グ除塵室に分離され、
前記クールスクラップ貯蔵室には、外部と連通するための分流除塵管と、強制振動フィー
ディングに用いる励振装置とが設置され、
前記クールスクラップ貯蔵室の入り口には移動シールドドアが設置され、
前記フィーディング除塵室には、外部と連通するための除塵管が設置され、
前記クールスクラップ貯蔵室と前記フィーディング除塵室の両者は、駆動機構の作用で、
隔離または連通になるように構成され、
前記密閉フィーディング傾斜スロットと水平面との傾斜角は30~60°である、
ことを特徴とするアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項3】
前記ドアプレートは歯状構造を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項4】
前記伸縮可能な傾斜スロットは、前記アーク炉側壁と一体となる傾斜区切りと、前記伸縮
可能な傾斜スロットを駆動する前記駆動装置に固定される伸縮区切りからなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項5】
前記伸縮可能な傾斜スロットを駆動する前記駆動装置は、ガイドカー、または油圧シリン
ダー、またはエアシリンダー、または電動プッシュロッドからなる、
ことを特徴とする請求項4に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項6】
さらに移動カーを含み、
前記移動カー上には固定フレームが設置され、
前記密閉フィーディング傾斜スロットは、前記固定フレームに固定される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項7】
前記クールスクラップ貯蔵室、前記フィーディング除塵室には凹み状のアーク形スロット
底がある、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項8】
前記クールスクラップ貯蔵室、前記フィーディング除塵室には凹み状のアーク形スロット
底があり、
前記スライドプレートゲートの底部端面は、前記アーク形スロット底とマッチングするア
ーク形にするように構成される、ことを特徴とする請求項
2に記載のアーク炉密閉フィー
ディング装置。
【請求項9】
前記スライドプレートゲートのアーク形の底面には間隔を以って複数の鋸歯が設置される
、
ことを特徴とする請求項8に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項10】
前記フィーディング除塵室と前記クールスクラップ貯蔵室は、煙道によって連通されるか
、或いは閉じる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項11】
前記フィーディング除塵室と前記
クールスクラップ貯蔵室は煙道によって、スモークの流
量が調節できるY型ジョイント連通構造に合流される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【請求項12】
前記Y型ジョイント連通構造にはスイングバルブプレートが設置され、
前記スイングバルブプレートは、前記フィーディング除塵室と前記
クールスクラップ貯蔵
室の出口およびY型ジョイント連通構造の他の通路入口の中部に制限され、前記フィーデ
ィング除塵室と前記
クールスクラップ貯蔵室のスモーク流量をコントロールするか、或い
は閉じる、
ことを特徴とする請求項11に記載のアーク炉密閉フィーディング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冶金技術分野に関するものであり、特にアーク炉の原料落下点が調節できる密閉快速フィーディング装置とスモーク温度の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アーク炉製鋼中の省エネ、環境保全、自動化は、いつでもアーク炉製鋼技術発展の核心技術の一つである。
【0003】
アーク炉製鋼における省エネ技術中の製錬時間短縮、蓋を開けない密閉フィーディング、フィーディング回数減少、スモークによるスクラップ予熱などは良く見られる生産工程上の省エネ技術である。そのうち、上世紀80年代から発展し始めたアーク炉のスモークによるスクラップ予熱技術は典型的な省エネ技術であり、その典型的な代表としては、シャフト炉(DE4025249A1-1992)、振動連続フィーディングのCONSTEEL(US5400358-1992)、シャフト炉サイドプッシュ・ディーディング(US2007/0013112A1)などがあり、これらのスクラップ予熱技術の使用によって、アーク炉製錬の電力消耗が低減された。しかし、スクラップ予熱はマイナスになる所もあり、その一つはスクラップ予熱装置は比較的多くの設備メンテナンスが必要であり、もう一つはスクラップ予熱技術の使用による付加の環境保全問題であり、スクラップ予熱型アーク炉は伝統的なアーク炉に比べて、大気中に排出するスモーク中のダイオキシン含有量が倍増するという点である。環境保全政策がますます厳しくなるにつれ、各国の新しい環境保全法はアーク炉製鋼中のダイオキシン排出に対して、本格的に制限するようになり、中国の新しい環境保全政策によって、アーク炉のスモークレス急冷処理によるスクラップ予熱技術はすでに制限を受けている。アーク炉のスクラップ予熱後スモークの急冷処理とは以下2つのステップを指し、つまり、スクラップ予熱後に排出される低温スモークのアフターバーナーにおいて、天然ガスまたは石炭ガスで再び温度を850~900℃に上げて、3秒以上維持して、ダイオキシンが高温下で十分分解されるようにすることと、スモークが急冷塔の中でスモークの温度が高温から急激(3秒)に200~250℃以下に冷却され、スモークの快速冷却はダイオキシンの再合成を抑制することである。しかし、アーク炉生産サイクルにおけるスモークの量とスモークの温度は不安定であり、スモークの再燃焼と急激な冷却による精確且つ同期制御はなかなか難しいので、環境保全の要求が厳しい地域におけるスクラップ予熱技術の使用は、もっと高い代価を払うことになり、水蒸気でスモーク中の余熱を回収するようになっている。勿論、ダイオキシンの環境保全処理中に払う代価を低下させることさえできれば、スクラップ予熱技術は依然として良き市場展望がある。
【0004】
アーク炉の生産工程から見れば、蓋を開ける回数を減らすか、蓋を開けずにフィーディングすることも一つの重要な省エネ・環境保全生産手段となる。蓋を開けてフィーディングすると、大量の熱損失(蓋を開ける度に10~15KWh/トン鋼のエネルギー消耗が発生し、伝統的なアーク炉は製鋼中2!3回蓋を開ける)が生じるだけでなく、蓋を開けてフィーディングする度に生産環境を汚染し、生産中の粉塵排出を増やし、職場全体の粉塵除去風量を増やさなければならず、フィーディングプロセスは製鋼中の補助時間を伸ばし、エネルギー消耗を増やすとともに、アーク炉設備(炉の蓋、電極など)の動作を増やし、対応するアーク炉設備のメンテナンスも多くなる。蓋を開ける回数を減らす典型的な例はアーク炉生産中のバスケットフィーディング技術であるが、バスケットフィーディング技術は炉のサイズ(スクラップを収容する容積)が大きくなる問題を招来し、電極昇降のストローク増加(横ビームシステムに影響があり)、クレーン標高、職場の高さなども影響を受けるようになり、投資とその他の効果にとってはマイナスになる。
【0005】
そのため、伝統的なアーク炉において蓋を開けずにフィーディングが実現できれば、スクラップを冷たい状態でフィーディングしてもアーク炉の生産に一定の省エネ作用があり、アーク炉職場の生産環境を改善すると同時に、スクラップの余熱によって生じる付加ダイオキシンの排出が倍増する問題を避けることができ(伝統的なアーク炉と同様)、炉内の製錬環境を改善し、鉄鋼の品質を改善することができる。
【0006】
さらに、アーク炉のスモーク温度は最高1800℃以上にも達し、スモークの熱量回収には、蒸気回収とスクラップ予熱など2種あるか、両者の両立が含まれる。アーク炉の蒸気余熱回収によって得られるのは低いレベルのエネルギー(アーク炉生産の不連続、スモーク温度の不安定、余熱回収の蒸気品質も不安定であり、発電に変わる原価が高くて効率も低い)であり、詳しく言うと、余熱の回収によって100kwh/t熱エネルギーの蒸気が得られるとすれば、回収される電気エネルギーに換算すると約20kwh/t(転換総効率を20%で計算)となり、発電設備の投資と運営・維持原価を考慮すると、アーク炉の余熱回収は今のところ理想的且つ高品質的なエネルギー回収方式ではない。ところが、スモークでスクラップを加熱すると電気エネルギーの入力を直接節減できるだけでなく、アーク炉システム自体の熱効率によって、スクラップ予熱に入力される熱エネルギーを電気エネルギーに換算する時にプラス効果が現れ、詳しく言うと、スクラップ予熱によってアーク炉に40kwh/tの熱量が入ったとすれば、アーク炉の電極に入力される電力が52~55kwh/t減ることに相当する。しかし、スクラップ予熱はダイオキシンの環境保全問題があり、スクラップ予熱によって節減できた一部のエネルギーを消耗することになる。
【0007】
アーク炉製錬周期の異なる段階において、スモークの量とスモークの温度は異なり、始めと終わりが低く中間が高いか、中間に低温エリアが挟まり、その温度変動範囲は400~1860℃(四つの孔の実際測定値、一部の溶銑)であり、スモークの温度がスクラップ層を通り抜けることができれば、スモークの温度を800℃以上に維持する場合、例えば、スモークの温度を900℃以上にコントロールすることができれば、スモーク中のダイオキシンは分解され、再び急速冷却装置に入る時に、スモーク中のダイオキシンの再合成は抑制される。中間段階の(1400~1800)-900=>500℃であるスモークの顕熱は、依然としてスクラップの余熱によって見事に回収することができ、これによって省エネと環境保全との矛盾を両方とも考慮することができる。しかし、スモークの温度、スモークの量は絶えず変化し、スクラップのサイズ、スクラップの温度、スクラップの透過性および設備による熱量損失などによって、直接アーク炉密閉フィーディング装置中のスクラップ層を通るスモークの温度を安定にコントロールすることはなかなか難しくなる。
【0008】
そのため、本発明はスクラップフィーディング装置中に一部のアーク炉スモーク予熱スクラップを分流し、高温スモークの通路を別途に設置し、さらに、高温スモークとスクラップ予熱後の低温スモークを合流させるとともに、合流・混合されたスモークの温度を900℃以上にコントロールし、このような技術手段装備は実施可能性が非常に高く、検知・コントロールも非常に便利である。この構想は伝統的なスクラップ予熱型アーク炉のような、スモークがスクラップによって冷却され、その後再燃焼される中間プロセスによるエネルギー損失と設備操作および投資が要らなくなるので、アーク炉密閉フィーディングにおける相対的に経済的なダイオキシン処理案である。
【0009】
本発明は、密閉状態で快速にアーク炉にフィーディングすることができ、大きな角度で傾いた密閉フィーディング傾斜スロットとシールドゲートを利用して、スクラップの落下をコントロールするとともに、炉内スモークと炉外空気を隔離することによって、アーク炉への密閉フィーディングを実現する。原料落下点に対するコントロールを通じて、密閉フィーディング中、原料が片側に堆積されて、製錬のクールエリアを形成する現象を改善し、アーク炉の加熱をより均一にさせるとともに、アーク炉操作中のスモーク密閉性を大きく改善する。フィーディング中の装置に対する衝撃を減らし、設備部品のスクラップ衝撃に対する耐性を向上することによって、設備の耐用年数を伸ばすことができる。もっと重要なのは、この手段を使用することによって、アーク炉自体が一定の省エネ効果を得ると同時に、外部にスモークを排出することによって高エネルギー消耗を補うための再燃焼を行う必要がない(または大量に減少)。この技術手段は古いアーク炉設備の改造に適合するだけでなく、新しいアーク炉設備にも適合し、アーク炉の密閉フィーディング技術への普及に最適な技術である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記問題を鑑みて、本発明はアーク炉の密封中のフィーディングが実現できる技術を提供して、電力消耗を低減し、製錬時間を短縮し、アーク炉の省エネン技術(スクラップフィーディングおよび予熱)によって生じるダイオキシン処理のエネルギー消耗の問題を避けるか、抑制し、アーク炉の生産操作における密閉性の改善を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
出口がアーク炉側壁と密閉・連通される密閉フィーディング傾斜スロットと、密閉傾斜スロットの中に設置されるゲートシールドドアを含み、前記ゲートシールドドアは密閉フィーディング傾斜スロットをクールスクラップ貯蔵室とフィーディング除塵室に分離するとともに、駆動機構の作用によって、クールスクラップ貯蔵室とフィーディング除塵室を隔離または連通し、前記密閉フィーディング傾斜スロットと水平面との傾斜角は30~60°である。
【0012】
本発明中の密閉フィーディング傾斜スロットに傾斜角を設置することによって、フィーディングの際、落下点がゲートドアの傾斜スロットの底を衝撃しないようにし、ゲートドアの安全を保護する。設備のメンテナンス周期を伸ばし、メンテナンスの際、設備のメンテナンス難易度を下げるために、密閉フィーディング傾斜スロットの落下点エリアにはストリップ状の更換可能なライナーが設置される。
【0013】
さらに、前記ゲートシールドドアはスイングアームによって拘束されるスイング式ゲートシールドドアであり、ドアプレートとスイングアームを含み、前記スイングアームの一端はドアプレートに固定され、他の一端は回転軸によって密閉フィーディング傾斜スロットに回転できるように固定される。
【0014】
さらに、ドアプレートの両端にはそれぞれ一つの中間ビームと連結されるスイングアームが設置され、スイングアームは門形のフレーム構造となり、前記ドアプレートは中間ビームに固定される。
【0015】
さらに、前記スイングアームは門形のフレーム構造となり、前記ドアプレートは中間ビーム上に固定される。
【0016】
さらに、前記ゲートシールドドアはガイドプーリとガイドレールによって拘束されるスライドプレートゲートである。
【0017】
さらに、前記ドアプレート、スライドプレートゲートは平面プランクまたは曲面弧形プランクである。
【0018】
さらに、前記ドアプレート、スライドプレートゲートの外周にはスモークシールドエッジが設置される。
【0019】
さらに、前記フィーディング除塵室とアーク炉側壁が接続される所には1区切りの伸縮傾斜スロットと伸縮傾斜スロットの駆動装置が設置される。
【0020】
さらに、前記伸縮傾斜スロットはアーク炉の壁と一体となる傾斜区切りと伸縮傾斜スロットの駆動装置上に固定される伸縮区切りからなる。
【0021】
さらに、前記伸縮傾斜スロットの駆動装置はガイドカー、または油圧シリンダー、またはエアしリンダー、または電動プッシュロッドからなる。
【0022】
さらに、前記クールスクラップ貯蔵室内には強制振動フィーディングに用いる励振装置が設置される。
【0023】
さらに、また移動カーも含み、前記移動カー上には固定フレームが設置され、前記密閉フィーディングスロットは固定フレーム上に固定される。
【0024】
さらに、前記スクラップ貯蔵室、フィーディング除塵室には凹み状のアーク形スロット底がある。
【0025】
さらに、前記ドアプレート、スライドプレートゲートの底部端面にはアーク形スロット底とマッチングするアーク形からなる。
【0026】
さらに、前記ドアプレート、スライドプレートゲートのアーク形の底面には間隔を以って複数の鋸歯が設置される。
【0027】
さらに、前記スクラップ貯蔵室の入り口には移動シールドドアが設置される。
【0028】
さらに、前記フィーディング除塵室には外部と連通される除塵管が設置される。
【0029】
さらに、前記スクラップ貯蔵室には外部と連通される分流除塵管が設置される。
【0030】
本発明のさらに好ましい技術手段:アーク炉の密閉フィーディング装置のフィーディング除塵室と前記スクラップ貯蔵室は流量が調節できるT‐ジョイントによって連通され、T-ジョイント構造の他の通路は混合排煙通路であり、電気炉除塵通路でもある。
【0031】
さらに、前記T-ジョイント構造上にはスイングバルブプレートが設置され、前記スイングバルブプレートは前記フィーディング除塵室と前記スクラップ貯蔵室の出口およびT-ジョイント構造の他の通路入口の中部に制限され、前記フィーディング除塵室と前記スクラップ貯蔵室のスモーク流量をコントロールするか、或いは閉じる。
【0032】
なおさらに、スイングバルブプレートは回転軸によって、そして、駆動機構の駆動によって、回転軸の左右スイングにつれ、フィーディング除塵室とスクラップ貯蔵室出口のスモーク流量に対する調節を行うか、或いは閉じる。
【0033】
本発明の上記第2の目的を達成するための技術手段:
上記アーク炉の密閉フィーディング装置はアーク炉のスモークを2またに分けられるが、そのうち、アーク炉から近い高温スモークは除塵管から導出され、密閉フィーディング装置中のスクラップを通り抜ける低温スモークは分流除塵管から導出され、2またのスモークはパイプラインによって再び混合され、スモーク調節装置によって、それぞれ分流除塵管と除塵管のスモーク流量に対する比率をコントロールし、所要の混合スモーク温度を得る。
【0034】
さらに、2またのスモークはスクラップ貯蔵室の中で混合され、ゲートシールドドアとスモーク調節装置を通じて混合スモーク温度に対するコントロールを行い、バーナーを通じて予熱レベルに対するマイクロ調節とコントロールを行う。
【発明の効果】
【0035】
1.蓋を開けずにフィーディングを実現し、蓋を開けることによる熱喪失を防ぎ、省エネ効果は15~30kwh/tに評価され、生産操作モードは伝統的なアーク炉と同様(湯残し10~15%)であり、大量湯残し連続生産操作(湯残し40~70%)、または一部の溶銑を入れ替える生産操作を使用することができる。
【0036】
2.全密封生産であるので、熱い金属と空気中のNの接触を減らし、湯中のNの含油量を減らすことができ、さらに鉄鋼の品質を向上する。
【0037】
3.クールフィーディングであるので、スモークの再燃焼および急冷などのスモーク環境保全処理装置を付加する必要がなく、アーク炉の生産が十分な経済的価値があれば、スモークに蒸気余熱回収技術を採用することができ、スクラップ予熱によって生じる有害物質の発生がなくなる(伝統的なアーク炉と同様)。炉蓋、フィーディング除塵室のトップ、後続の煙道などはいずれも余熱蒸気の回収点とすることができる。
【0038】
4.分流式スクラップ予熱を選択することによって、予熱後の混合スモークに対して正確にコントロールをし、スモークの再燃焼をしなくても(または少量のスモークの再燃焼)急冷の目的を達成し、ダイオキシン再合成のスモーク温度を抑制することができ、当該省エネ効果は40~60kwh/tに評価され、ダイオキシン処理による運営費用も低くなる。
【0039】
5.傾斜角の大きい傾斜スロットによる快速フィーディングによって、原料の落下がわずか数秒しかかからず、電極リフティング時間およびアーク形ドアを開ける時間を考慮しても蓋開けフィーディング、リフティングなどの補助時間を短縮することができ、炉ごとに3~5minの製錬周期を短縮することができる。
【0040】
6.密閉フィーディング傾斜スロットとスイング式ゲートシールドドアによって構成されるクールスクラップ貯蔵室は、衝撃耐性が良く、原料サイズなどに対する適応性が伝統的なバスケットフィーディングとあまり変わらなく、既存アーク炉の密閉フィーディング方法中、比較的優れた方法である。
【0041】
7.傾斜スロット側壁フィーディングによって、原料を炉の中心に近い位置までフィーディングすることができ、側壁フィーディングの炉内クールエリア問題を解決し、アーク炉の加熱効率を向上し、省エネ目的を達成する。
【0042】
8.フィーディング除塵室と炉本体が接続する所に伸縮傾斜スロットを設置することは、本発明一つのポイントである。
【0043】
当該スロットは下炉本体からやや後退されていて、炉本体がフィーディング装置に対し、比較的大きなスイング操作スペース(例えば、湯出し際、炉本体は15°傾ける)があり、この面ではフィーディング装置全体の水平移動動作を省くことができ、操作効率の向上に有利であり、もう一つの面ではフィーディング装置の上部は依然として炉本体と接続されているので、スモークの外部への漏洩を良く防げる。
【0044】
それと同時に、伸縮傾斜スロットはフィーディング原料落下点を調節することができ、必要に応じてフィーディングエリアに側壁原料堆積が発生した場合には、伸縮傾斜スロットの複数回の伸縮動作によって、原料出口上部の原料を炉の中心に近い位置に移動させることができる。
【0045】
要するに、本発明はアーク炉生産をより省エネ化、環境に優しくすることができ、設備がシンプルで、メンテナンスが便利になり、大きな投資おとび建設の優位を持ち、古いアーク炉の改造に適するだけでなく、新規建設アーク炉にも適合し、適応性が広い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は本発明のアーク炉密閉フィーディング装置における第一実施例の構造略図である。
【
図2】
図2は伸縮傾斜スロットのアーク炉から外部に後退された略図である。
【
図3】
図3は本発明とアーク炉が完全に離れている略図である。
【
図4】
図4はゲートシールドドアがスイング式ゲートシールドドアからなる略図である。
【
図5】
図5はゲートシールドドアが改良のスイング式ゲートシールドドアからなる略図である。
【
図6】
図6はゲートシールドドアがスライドプレート式ゲートシールドドアからなる略図である。
【
図7】
図7は本発明のアーク炉密閉フィーディング装置における第二実施例の構造略図である。
【
図8】
図8は本発明のアーク炉密閉フィーディング装置における第三実施例の構造略図である。
【
図9】
図9は本発明のアーク炉密閉フィーディングのスモーク温度制御方法における第一実施例のシステム図である。
【
図10】
図10は本発明のアーク炉密閉フィーディング装置における第四実施例の構造略図およびスモーク温度制御方法のシステム図である。
【符号の説明】
【0047】
図の中、1-アーク炉、2-フィーディング除塵室、3-スイング式ゲートシールドドア、31-ドアプレート、32-スイングアーム、33-回転軸、34-駆動機構、35-スモークシールドエッジ、36-ガイドプーリ、4-除塵管、5-密閉フィーディング傾斜スロット、6-移動式シールドドア、7-伸縮傾斜スロット、7a-傾斜区切り、7b-伸縮区切り、8-ガイドカー、9-移動カー、10-外部フィーディング装置、11-分流除塵管、12-分流除スモーク調節弁、13-温度測定素子、14-スモーク保持容器、15-スモーク急冷装置、16-ホットスモーク調節装置、17-固定フレーム、18-スクラップ貯蔵室、19-励振器、20-歯状構造、21-バーナー、22-Tジョイント構造、23-フィーディング装置原料落下点のストリップ状の耐熱ライナー、24-スイングバルブプレート、25-予熱室吸気口、f1-低温スモーク、f2-高温スモーク、f1+f2ー混合済みスモーク。
【発明を実施するための形態】
【0048】
発明の一:アーク炉密閉フィーディング装置
実施例1
図1のとおり、本発明の一つの実施例において、移動カー9、移動カー9上の固定フレーム17と固定フレーム17上に固定される密閉フィーディング傾斜スロット5を含み、密閉フィーディング傾斜スロット5の出口はアーク炉の側壁と密閉連通され、密閉フィーディング傾斜スロット5内にはゲートシールドドア3が設置され、ゲートシールドドア3はスイング式ゲートシールドドア構造からなり、密閉フィーディング傾斜スロットをクールスクラップ貯蔵室18とフィーディング除塵室2に隔てるとともに、駆動機構の作用によって、クールスクラップ貯蔵室18とフィーディング除塵室2を隔てるか、或いは連通させ、本実施例ではスクラップ貯蔵室の入り口に移動シールドドア6を設置して、外部フィーディング装置10の隔てまたはオープンに使用すると同時に、スモークの除塵のために、フィーデング除塵室2内には除塵管4が設置され、この方式によって、アーク炉は全密閉フィーディング生産を実現することができる。
【0049】
密閉フィーディング傾斜スロットの傾斜角は装置フィーディング際の自然原料落下点を傾斜スロット底であることを保証するとともに、ゲートドア(またはハロー)に直接衝撃を与えず、原料落下点エリアに脱着可能な耐熱ライナー23を装着することによって、装置の最も弱い所ゲートドア3に対する衝撃を低減し、設備のメンテナンス周期を伸ばすとともに、メンテナンス際のメンテナンス難易度(耐熱ライナー23だけを交換すれば良い)を低減することができる。
【0050】
アーク炉の生産において、移動シールドドア6を開き、外部フィーディング装置10はクールスクラップ貯蔵室18へのフィーディングを行い、閉じられたゲートシールドドア3はスクラップの落下を阻み且つコントロールするとともに、アーク炉のスモークと熱放射の外部への漏れを遮断し、外部空気が除塵管4に吸い込まれないようにし、スクラップ貯蔵室18内の原料とホットスモークもアーク式ゲートシールドドア3によって阻まれ、フィーディング装置によるフィーディングの際、アーク炉は密閉状態を維持するとともにアーク炉自体の生産に支障がなく、除塵管4はアーク炉内の高温スモークを吸い取る。伸縮傾斜スロット7のアーク炉中での位置をコントロールすることによって、原料落下点位置を適当にコントロールすることができる。
【0051】
外部フィーディングに対する予熱を便利に行うために、スクラップ貯蔵室18の上方に予熱室吸気口25を設置し、予熱室吸気口25と分流除塵管11を連通する。
【0052】
図2のとおり、伸縮傾斜スロット7はややアーク炉の外壁からやや外部に後退され、アーク炉は生産操作の必要に応じて小さな角度で傾けることができ、アーク炉は良好な密閉状態となる。
【0053】
図3のとおり、アーク炉蓋を開けてフィーディングする必要(ある特に重い材料のフィーディング)がある場合やアーク炉またはフィーディング装置のメンテナンスが必要である場合には、移動カーを用いてフィーディング装置全体をアーク炉から離脱させ、各種操作と設備のメンテナンスが便利になる。
【0054】
本実施例において、
図4のとおり、ゲートシールドドア3はスイング式ゲートシールドドアであり、ドアプレート31とスイングアーム32を含み、スイングアーム32の一端はドアプレート31に固定され、他の一端は回転軸33によって密閉傾斜フィーディング傾斜スロットに回転できるように固定され、駆動機構34はスイングアーム32の中部あたりに設置され、駆動機構34の作用によってスイングアーム32は回転軸を中心として回転し、ドアプレート31を駆動してクールスクラップ貯蔵室の底部に接近または離れる重複の運動をし、さらに、フィーディング除塵室を遮断または連通し、スクラップを阻むたまたは運送する。具体的にはスイングアーム32を2つ設置し、それぞれドアプレート31の長さの両端に固定して、ドアプレートの支え能力を増加させる。
【0055】
本実施例の改良型として、
図5のとおり、スイングアームは中間梁で接続して、スイングアームを門型のフレーム構造を形成させるが、この時、ドアプレートの上端は中間梁に固定して、ドアプレート全体の分解メンテナンスを便利にさせる。
【0056】
ドアプレートの外周にはスモークシールドエッジ35が一側または複数側に設置されるが、本実施例では上方の一側だけに設置され、外部のスモークをより良く密封する。それと同時に、ドアプレートの底部端面には間隔を以ってクールスクラップ貯蔵室の底部に伸ばされる歯状構造20が設置され、ゲート機能を改善させるとともに、優れたガス透過性を持たせる。歯形構造が伸びるにつれ、ドアプレートは収縮され、ハローとなる。
【0057】
本実施例の誘導形式として、
図6のとおり、ゲートシールドドア3はスライドプレートゲートであり、ドアプレート31は平面プランクであり、その上には複数のガイドプーリ36が設置され、機械中に良く見られるガイドプーリ・ガイドレール構造を用い、ガイドプーリ・ガイドレールは高温を避けて設置し、この時スイング式ゲートシールドドアはゲートスライドプレートとなる。勿論、必要に応じては、密封性を高めるために、スモークシールドエッジ35を設置することもでき、若しくは下に鋸歯を増やして、ガス透過性とゲート役割を増強することもできる。
【0058】
本実施例の改良型として、
図1のフィーディング除塵室とアーク炉側壁が接続する所には1区切りの伸縮傾斜スロット7と伸縮傾斜スロット駆動装置が設置され、伸縮傾斜傾斜スロット駆動装置はガイドカーまたは油圧シリンダーまたはエアシリンダーまたは電動プッシュロッドを使用することができ、本実施例ではガイドカー8を使用するが、ガイドカー8は移動カー上に設置することができ、具体的に、伸縮傾斜スロット7は以下機能を有する。
1)アーク炉工程操作を満たし、スモークを密封する。側壁フィーディングはフィーディングの原料がアーク炉に入れることを保証するために、炉の下部はフィーディング装置と重ね接続しなければならないが、このような構造は工程操作と矛盾している。工程上ではアーク炉の製錬中原料の落下方向と垂直する傾ける操作が必要であるが、この時、この重ね接続の立て面は相対運動し合う密封面となり、重ね接続の水平面は傾き運動操作の干渉面となり、本発明の解決案としてはフィーディング除塵室2のフロント下端の伸縮傾斜スロット7が後退されてアーク炉1の下部と重ね接続され、このような重ね接続による傾き操作の際、干渉面に十分なスペースが釈放され、重ね接続面のスイングスペースは伸縮傾斜スロット7によって釈放され、アーク炉1は傾き運動操作が実施できる。この時、フィーディング除塵室2の上方の大部のエリアは依然としてアーク炉と接続され、除塵管4はアーク炉のスモークを吸い取り、アーク炉1は依然として優れたスモーク密閉状態を維持する(熱いスモークは上に舞い上がるので、スモークはアーク炉から漏れない)。
2)原料落下の調整:伸縮傾斜スロット7は炉内の異なる位置に設置され、原料の炉内での落下点を調整できる。
3)鉄鋼材料の押入れ:フィーディング側に原料が積んでいたら、伸縮傾斜スロット7を複数回往復運動させて、堆積された原料をアーク炉の中心あたりに押し入れることができ、図の中ではXXと表記されている。
【0059】
これから見れば、伸縮傾斜スロット7は、アーク炉の工程操作要求を満たすだけでなく、スモークの密封、原料落下点の調整、原料の押入れなど3つの機能を実現できる重要な構造物である。
【0060】
本実施例の改良型として、
図2のとおり、クールスクラップ貯蔵室中には強制振動フィーディングに用いる励振装置19が設置され、励振装置19によって、傾斜角が小さくデザインされた場合に原料の引っ掛かりまたは詰まりが発生した時に、スクラップに対する初期始動、またはスクラップに対する強制振動をかけて輸送することができ、装備のフィーディングの信頼性を向上する。一般的に、クールスクラップは引っ掛かり発生の確率が低く、温度の高いスクラップは引っ掛かり発生の確率が高いので、励振気が作動する確率も高くなる。
【0061】
本実施例の改良型として、スクラップ貯蔵室やフィーディング除塵室には凹んだアーク形スロット底(図には示されておらず)となっていて、原料スロットのフィーディング衝撃耐性を向上し、アーチ形スロット底とドアプレート底部の間隔を減らすために、ドアプレートまたはスライドプレートゲートの底部端面上にはアーチ形のスロット底とマッチングする適当なアーチ形が設置され、間隔を非常に小さくすることができ、スイング式シールドドアの阻み効果をより一層増加することができる。
図4、5、6を参照。
【0062】
本実施例の改良型として、フィーディング速度を増やすために、密閉フィーディング傾斜スロットと水平面との傾斜角αを30~60℃に設定する。
図1のとおり、実験によれば、傾斜角が30~35℃である場合、クール原料の落下は般的に約1~2秒かかるが、より大きな傾斜角ならより速くなる。
【0063】
実施例2
図7のとおり、実施例1との相違点は本実施例の伸縮傾斜スロット7がシールドプッシュヘッドに代わることで、EEは後退後のアーク炉の傾け操作のストローク、XXは鉄鋼材料のプッシュストロークであり、伸縮傾斜スロットの原料ガイド機能はなくなるので、メンテナンスが簡単になり、動作の信頼性が高くなる。外部フィーディング装置10は傾斜レール式自動フィーディング装置を使用する。
【0064】
実施例3
図8のとおり、伸縮傾斜スロット7がアーク炉の壁体と一体となる傾斜区切り7aと伸縮傾斜スロット駆動装置上に固定される伸縮区切り7bに代わることである。この機構によって、過渡エリアの隙間がなくなる。隙間の生産中の危害性:フィーディングの際、原料が中に落ちるか詰りが発生し、操作中空気が漏れ込み、スラグが溢れ、スクラップが挟まれるとアーク炉も傾き運動ができなくなり、ひいては設備故障の原因にもなる。この機構はより安全且つ操作の信頼性を向上させるが、伸縮傾斜スロット7の原料プッシュと原料落下点調整機能がなくなる。
【0065】
それと同時に、当該機構の長所としては、伸縮傾斜スロット7のストロークが短縮されることであり、使用の信頼性がより向上され、メンテナンスが簡単になる。外部フィーディング装置10は、やはり傾斜レール式自動フィーディング装置を使用する。
【0066】
実施例4
図10のとおり、本実施例はフィーディング除塵室とスクラップ貯蔵室をT-ジョイントで連通させるとともに、T-ジョイント構造22上にスイングバルブプレート24を設置して、スイングバルブプレート24をフィーディング除塵室とスクラップ貯蔵室の出口およびT-ジョイント構造の他の通路(混合スモーク通路またはアーク炉除塵通路とも呼ぶ)入口の中部に制限して、フィーディング室とスクラップ貯蔵室出口のスモークの流量をコントロールするか或いは閉じる。
【0067】
熱の損失を防ぎ、設備の安全を保証するために、T-ジョイント構造22はスモーク調節T-ジョイントバルブであり、スイングバルブプレート24の表面は耐用材をコーティングすることができ、外部金属ケーシングは水で冷却する。ぞれと同時に、回転軸は水で冷却するとともに、スイングバルブプレート24の冷却水通路となり、回転軸の両端はT-ジョイント構造22から伸び出され、駆動軸と接続されるとともに、位置センサーなどを設置し、さらにPLCに接続してバルブプレートのスイング位置に対するコントロールを行う(良く見られる機構としてこれらの要素は詳しく記載しなく、図面を提供しない)。
【0068】
本実施例のT-ジョイント22は好ましくてY型構造であり、スイングバルブプレートは混合スモーク排出通路中部の回転軸を中心としてスイング運動(Y形の中心点あたり)をするが、T-ジョイント構造22はT形構造にすることもできる。
【0069】
発明2:アーク炉密閉フィーディングのスモーク温度の制御方法
実施例1
図9は本実施例のアーク炉密閉フィーディングのスモーク温度制御方法のシステム図であり、図に示すとおり、アーク炉密閉フィーディング装置はアーク炉のスモークを2またに分けて、1または高温スモークであり、アーク炉と近い除塵管から導出され、他の1またはアーク炉フィーディング装置中のスクラップを通り抜けた後、分流除塵管から導出され、2またのスモークは混合され、除塵管と分流除塵管上のスモーク調節装置によって、分流除塵管とメインン除塵管の流量比をコントロールすることによって、所要の混合スモーク温度を獲得して、ダイオキシンの発生を抑制する。
【0070】
具体的な実施形態:図の中の密封面6によつて閉じられるフィーディング傾斜スロット5には互いに絡み合い且つ隙間のあるスクラップが入っており、一部開けられたスイング式ゲートシールドドア3はスクラップを密閉フィーディング傾斜スロット5内に阻み(フィーディングの際はまず閉じて、フィーディングが終わると適度に開く。実験によれば、スクラップの間は互いに絡み合い且つ架橋されているので、適当なスロット底傾斜角を選択することによって、ゲートシールドドア3の一部が密閉フィーディング傾斜スロット5中に挿し込まれるさえすれば、類シールド構造はスロット内のスクラップの全体を阻むことができ、ゲートドアを引きだすと全体が滑り落ちる)アーク炉のスモークは2またに分けられ、1またf1はフィーディング除塵室上方のメイン除塵管11から導出され、他の1またf2はスイング式ゲートシールドドア3の開けられた隙間を通じて、予熱スクラップを通り抜けて分流除塵管11から導出され、2またのスモークは再び混合される。温度測定素子13は混合後のスモーク温度を測定して、測定された温度が高すぎると(1100℃)、分流スモーク調節弁12の開きを大きくして、f2のスモーク量を増やし、f1のスモーク量を減らす。測定された温度が低すぎると(650℃)、分流スモーク調節弁12の開きを小さくして(スモーク調節弁12は除塵口およびダクト上の任意スモーク調節装置であり、例えば除塵口を開きが調節でき、閉じられるドアにするか、或いはスモーク調節弁12にすることができる)、f2のスモーク量を減らし、f1のスモーク量を増やす。ある段階において、スモーク量が小さく、スモーク温度が低ければ、分流スモーク調節弁12を閉じることができる。また、ホットスモーク調節装置もホットスモーク補助調節を提供することができ、このように、分流除塵管とメイン除塵管の流量比をコントロールすることによって、所要の混合スモークを温度を獲得する。スモークの温度が800℃以上になると、スモーク中のダイオキシンは分解され、熱の損失と安全の余裕度を考慮して温度コントロール値は取得値より高くすべきで、スモークコントロール温度を900℃にすると同時に、本実施例ではフィーディング除塵室にバーナー21を増設して、スクラップとスモークに補助的な温度を加え、所要の温度に精確にコントロールする。
【0071】
混合スモーク温度を約900℃にコントロール(ダイオキシン分解温度より高い)するとともに、3秒以上十分分解させる。そのため、急冷装置に入る前に、スモーク留まり容器14がなければならず、スモーク留まり容器14はダクト、燃焼集塵室、熱貯蔵装置などにすることができるが、スモーク留まり容器14は少なくとも優れた密封性と低い放熱性がなければならない。
【0072】
その後、スモークは急冷装置15に入るが、急冷装置15は送風、シャワーまたは熱交換装置にすることができるが、急冷速度は300℃/S以上でなければならず、これによって、スモーク冷却中におけるダイオキシンの再合成を抑制することができる。
【0073】
本実施例ではホットスモークダクト上にスモーク調節装置16を設置するとともに、PCLでシステムに対するコントロールを行い、本装置の予熱とフィーディングの2種の機能を実現させ、スクラップ予熱装置と密閉フィーディング装置となる。
【0074】
本実施例ではホットスモークダクト上に送風口を設置することもでき、空気を吹き入れて混合スモーク中のCO、NOなどを燃やして、スモーク中の低酸化物を減らす。
【0075】
本実施例において、PLCコントロールシステムは、それぞれ分流スモーク調節弁や温度測定素子およびスイング式ゲートシールドドアの駆動機構に接続してコントロールすることによって、システム全体のフィーディングおよび予熱の自動化および知能化を実現する。
【0076】
実施例2
図10本実施例のアーク炉密閉フィーディング装置のスモーク温度コントロール方法を改良したものであり、実施例1との相違点としては、分流管から導出される高温スモークとスクラップ貯蔵室かから導出される低温スモークをスモークの流量が調節できるT-ジョイント構造22の中で混合(実施例1中の調節弁12、調節装置16などバルブの一部の機能を代替)させるとともに、スイングバルブプレート24の左右側の開きを調節することによって、それぞれ分流除塵管と除塵管のスモーク流量に対する比例コントロールを行い、所要の混合スモーク温度を獲得するとともに、必要に応じてはシステム中にバーナーを増設して、スモーク温度に対する比較的精確なコントロールを行う。その他は実施例1と同等である。
【0077】
本実施例では分流調節弁を減らし、バルブの作業温度を低減し、メンテナンスが便利になり、装備の原価がさらに低くなり、システムの信頼性が高くなる。
【0078】
本発明はアーク炉から出るスモークを利用してスクラップの予熱・吸熱におけるアーク炉全体のスモーク温度に対するコントロールを実現し、スモーク中のダイオキシンの再合成を抑制する。それと同時に、アーク炉の製錬周期内のスクラップ予熱が不適合である時間帯において、スクラップの予熱を便利に中断することができ、これによってダイオキシンの発生を低減し、省エネと環境保全の両立を実現する。特にスモークの予熱を利用してスクラップに対する予熱を行うことによって、余熱のリサイクルを実現し、本装置にフィーディングと予熱の2重の機能を持たせる。
【0079】
最後に説明して置きたいことは、上記好ましい実施例はただ本発明の技術手段を説明するだけのものであり、本発明を制限するものではない。上記好ましい実施例によってすでに本発明について詳しく説明したけれど、本分野の技術者なら、形式と詳しいプロセス上それに対する様々な変動は、依然として本発明の特許請求範囲に限定されるということを十分理解するはずである。