IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社村田製作所の特許一覧

<>
  • 特許-モジュール 図1
  • 特許-モジュール 図2
  • 特許-モジュール 図3
  • 特許-モジュール 図4
  • 特許-モジュール 図5
  • 特許-モジュール 図6
  • 特許-モジュール 図7
  • 特許-モジュール 図8
  • 特許-モジュール 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/28 20060101AFI20220830BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220830BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20220830BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20220830BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H01L23/28 J
H05K7/20 D
H05K9/00 R
H01L23/00 C
H01L23/28 F
H01L23/36 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017251245
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019117866
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】大坪 喜人
(72)【発明者】
【氏名】森本 裕太
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-258776(JP,A)
【文献】特開2017-045931(JP,A)
【文献】特開2017-191835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/28
H05K 7/20
H05K 9/00
H01L 23/00
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一方主面に実装された第1部品及び第2部品と、
前記第1部品と前記第2部品を封止する封止樹脂層と、
を備え、
前記一方主面に垂直な方向から当該一方主面を平面視したとき、前記第1部品と前記第2部品との間において、前記封止樹脂層の上面から前記基板の一方主面にかけて、前記封止樹脂層を貫通するように設けられた空隙部が形成され、
前記空隙部の内部には導体が配置されておらず、
前記封止樹脂層には、前記平面視において、前記第1部品の周囲のうちの前記第2部品と向き合っている部分を除く部分の外側に、導電性部材が設けられていることを特徴とするモジュール。
【請求項2】
前記空隙部は、前記平面視において、略円形の形状をしていることを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記封止樹脂層の前記上面および周側面を被覆する第1シールド部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記第1部品の実装面側と反対面側に設けられた放熱部材をさらに備える請求項1ないしのいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項5】
前記放熱部材と前記導電性部材とが接触している
ことを特徴とする請求項に従属する請求項に記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装された部品間の熱の影響を抑える構造を有するモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
基板に複数の部品が実装されたモジュールとして、例えば、図9に示す特許文献1に記載の通信モジュール100がある。
【0003】
通信モジュール100は、回路基板110と、回路基板110の部品実装面に配置された表面実装部品120,125と、表面実装部品120,125を封止する封止部材130と、封止部材130の上面及び周側面を被覆するシールド層140とを備える。封止部材130には表面実装部品120,125間にトレンチ135が形成されており、トレンチ135にはシールド層140と一体となったシールド壁145がトレンチ135全体を埋めるように形成されている。シールド層140のシールド壁145により、表面実装部品120,125間のノイズによる干渉が防止でき、高周波特性の優れた通信モジュールを提供可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-111802号公報(段落0039-0041、図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、表面実装部品120,125間の狭ギャップ化、高密度実装化により、表面実装部品120,125とシールド壁145とは近接することになる。また、シールド壁145等を形成する導電性部材は、一般に熱伝導性が高く、封止部材130等の樹脂に比べて熱容量が小さく、導電性部材そのものが高温となりやすい。
【0006】
図9に示す通信モジュール100において、仮に表面実装部品120を発熱部品、表面実装部品125を熱の影響を受け易い部品とし、表面実装部品120,125とシールド壁145とが近接しているとする。この場合、表面実装部品120が発する熱により表面実装部品120に近接するシールド壁145が高温となり、シールド壁145が高温となることによりシールド壁145に近接する表面実装部品125が熱による影響を受けて、安定した動作を行わなくなってしまう虞がある。
【0007】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、部品が他の部品から発生した熱による影響を受けにくくして、安定した動作を行うことを可能にするモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明のモジュールは、基板と、前記基板の一方主面に実装された第1部品及び第2部品と、前記第1部品と前記第2部品を封止する封止樹脂層とを備え、前記一方主面に垂直な方向から当該一方主面を平面視したとき、前記第1部品と前記第2部品との間において、前記封止樹脂層の上面から前記基板の一方主面にかけて、前記封止樹脂層を貫通するように設けられた空隙部が形成され、前記空隙部の内部には導体が配置されておらず、前記封止樹脂層には、前記平面視において、前記第1部品の周囲のうちの前記第2部品と向き合っている部分を除く部分の外側に、導電性部材が設けられていることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、封止樹脂層には第1部品と第2部品との間に空隙(空気の隙間)部が形成されている。空気は封止樹脂層を形成する樹脂に比べ熱が伝わりにくく、例えば、第1部品及び第2部品の一方の部品は、他方の部品により発せられた熱の影響を受けにくくなり、安定した動作を行うことが可能になる。また、第1部品により発せられた熱を第2部品から離れた導電性部材に逃がすことができるので、第2部品が第1部品により発せられた熱の影響をより受けにくくすることができる。
【0010】
また、前記空隙部は、前記平面視において、略円形の形状をしているようにしてもよい。この構成によれば、平面視での空隙部の面積を抑えることができるので、封止樹脂層の割れを起こりにくくすることができる。
【0011】
また、前記封止樹脂層の前記上面および周側面を被覆する第1シールド部をさらに備えるようにしてもよい。この構成によれば、第1部品及び第2部品が、第1シールド部により外部からのノイズによる干渉を受けにくくすることができるとともに、第1シールド部外の部品にノイズによる干渉を与えにくくすることができる。
【0014】
また、前記第1部品の実装面側と反対面側に設けられた放熱部材をさらに備えるようにしてもよい。この構成によれば、第1部品により発せられた熱を放熱部材から外部に逃がすことができるので、第2部品が第1部品により発せられた熱の影響をより受けにくくすることができる。
【0015】
また、前記放熱部材と前記導電性部材とが接触しているようにしてもよい。この構成によれば、第1部品により発せられた熱を放熱部材から外部に逃がしたり、第2部品から離れた導電性部材に逃がしたりすることができるので、第2部品が第1部品により発せられた熱の影響をより受けにくくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、封止樹脂層には第1部品と第2部品との間に空隙(空気の隙間)部が形成されている。空気は封止樹脂層を形成する樹脂に比べ熱が伝わりにくく、例えば、第1部品及び第2部品の一方の部品は、他方の部品により発せられた熱の影響を受けにくくなり、安定した動作を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本発明の第1実施形態に係るモジュールの平面図であり、(b)は(a)のA-A断面図である。
図2】本発明の第1実施形態の変形例1に係るモジュールの平面図である。
図3】(a)は本発明の第2実施形態に係るモジュールの平面図であり、(b)は(a)のB-B断面図である。
図4】(a)は本発明の第3実施形態に係るモジュールの平面図であり、(b)は(a)のC-C断面図である。
図5】(a)は本発明の第4実施形態に係るモジュールの平面図であり、(b)は(a)のD-D断面図である。
図6】(a)は本発明の第5実施形態に係るモジュールの平面図であり、(b)は(a)のE-E断面図である。
図7】(a)は本発明の第6実施形態に係るモジュールの平面図であり、(b)は(a)のF-F断面図である。
図8】本発明の第6実施形態の変形例1に係るモジュールの断面図である。
図9】従来のモジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るモジュール1について図1を参照して説明する。ただし、図1(a)は第1実施形態に係るモジュール1の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA-A断面図である。
【0019】
第1実施形態に係るモジュール1は、例えば、電子機器のマザー基板等に搭載されるものである。モジュール1は、基板2と、基板2の一方主面2aに実装された第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5と、第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5を封止する封止樹脂層6とを有している。
【0020】
基板2は、例えば低温同時焼成セラミックスやガラスエポキシ樹脂等で形成される。基板2の一方主面2aには複数のランド電極8が形成され、他方主面2bには複数の外部電極9が形成され、内部には複数の内部電極(配線電極、グランド電極)10及びビア導体11が形成されている。例えば、ランド電極8はビア導体11を介して内部電極(配線電極、グランド電極)10に接続され、外部電極9はビア導体11を介して内部電極(配線電極、グランド電極)10に接続されている。なお、基板2は多層基板であってもよく、単層基板であってもよい。
【0021】
各ランド電極8、各外部電極9、各内部電極(配線電極、グランド電極)10は、それぞれ、CuやAg、Al等の電極として一般的に採用される金属で形成されている。また、各ビア導体11は、AgやCu等の金属で形成されている。
【0022】
各実施形態および各変形例等において、第1部品3は発熱する部品であり、第2部品4A,4Bは熱の影響を受け易い部品であり、第3部品5は熱の影響を受けにくい部品であるとする。このため、各実施形態および各変形例等では、第1部品3により発せられた熱を第2部品4A,4Bに伝わりにくくするモジュール構造となっている。なお、各実施形態および各変形例等では、第1部品3により発せられた熱を第3部品5に伝わりにくくするものではないが、第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5の配置関係により、一部の第3部品5では第1部品3により発せられた熱が伝わりにくくなっている。
【0023】
第1部品3及び第2部品4A,4Bは、接続端子が基板2の一方主面2aに形成されたランド電極8に、半田12を用いて接続されることによって、基板2の一方主面2aに実装されている。また、第3部品5は、接続端子が基板2の一方主面2aに形成されたランド電極8に接続されることによって、基板2の一方主面2aに実装されている。
【0024】
封止樹脂層6は、基板2の一方主面2aに積層され、基板2の一方主面2aの一部分並びに第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5を封止する。封止樹脂層6は、シリカフィラー入りのエポキシ樹脂等の封止樹脂として一般的に採用される樹脂で形成することができる。また、高熱伝導のため、封止樹脂層6にアルミナフィラー等の熱伝導率が高いフィラー入りのエポキシ樹脂等の樹脂を使用することもできる。
【0025】
封止樹脂層6には、基板2の一方主面2aに対して垂直な方向から当該一方主面2aを平面視(以下では、単に「平面視」と記載する。)したとき、第1部品3と第2部品4Aとの間に、封止樹脂層6の一方主面2aに対向する対向面(以下、「下面」と記載する。)6aと反対側の反対面(以下、「上面」と記載する。)6bから下面6aにかけて貫通したトレンチ7Aが形成されている。モジュール1では、封止樹脂層6に形成されたトレンチ7Aには部材が充填されておらず、第1部品3と第2部品4Aとの間には封止樹脂層6の上面6aから基板2の一方主面2aにかけて封止樹脂層6を貫通する空気の隙間(空隙)(本発明の「空隙部」に相当)が形成されていることになる。図1(a)では、トレンチ7Aは、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4Aと向き合っている部分の全てと、第2部品4Aの周囲のうちの第1部品3と向き合っている部分の全てとの間に形成されている。なお、例えば、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4Aと向き合っている部分の一部と、第2部品4Aの周囲のうちの第1部品3と向き合っている部分の一部との間にトレンチ7Aが形成されるようにしてもよい。
【0026】
また、封止樹脂層6には、平面視において、第1部品3と第2部品4Bとの間に、封止樹脂層6の上面6bから下面6aにかけて貫通したトレンチ7Bが形成されている。モジュール1では、封止樹脂層6に形成されたトレンチ7Bには部材が充填されておらず、第1部品3と第2部品4Bとの間には封止樹脂層6の上面6aから基板2の一方主面2aにかけて封止樹脂層6を貫通する空隙(本発明の「空隙部」に相当)が形成されていることになる。図1(a)では、トレンチ7Bは、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4Bと向き合っている部分の全てと、第2部品4Bの周囲のうちの第1部品3と向き合っている部分の全てとの間に形成されている。なお、例えば、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4Bと向き合っている部分の一部と、第2部品4Bの周囲のうちの第1部品3と向き合っている部分の一部との間にトレンチ7Bが形成されるようにしてもよい。
【0027】
(モジュールの製造方法)
次に、モジュール1の製造方法の一例について説明する。
【0028】
まず、低温同時焼成セラミックス基板の場合、一方主面2aに複数のランド電極8が形成され、他方主面2bに複数の外部電極9が形成されるとともに、内部に複数の内部電極(配線電極、グランド電極)10及び複数のビア導体11等が形成された基板2の集合体を用意する。各ランド電極8、各外部電極9、及び各内部電極(配線電極、グランド電極)10については、CuやAg、Al等の電極として一般的に採用される金属を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷するなどしてそれぞれ形成することができる。また、各ビア導体11については、レーザ等を用いてビアホールを形成した後、周知の方法により形成することができる。
【0029】
次に、基板2の一方主面2aに、周知の表面実装技術を用いて第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5を実装する。例えば、基板2のランド電極8のうち所望のランド電極8上に半田12を形成しておき、半田12が形成されているランド電極8のうちの対応するランド電極8に第1部品3、第2部品4A,4Bを実装し、または、ランド電極8のうちの対応するランド電極8に各第3部品5を実装し、実装後、リフロー処理を行う。なお、リフロー処理後に必要に応じて基板2の集合体の洗浄を行う。
【0030】
次に、基板2の一方主面2aとこの一方主面2aに実装された第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5とを封止する封止樹脂層6を形成する。この段階では、封止樹脂層6にはトレンチ7A,7Bは形成されていない。トレンチ7A,7B形成前の封止樹脂層6の形成に、例えば、トランスファーモールド方式、コンプレッションモールド方式、液状樹脂工法、シート樹脂工法等を用いることができる。ここで、トレンチ7A,7B形成前の封止樹脂層6に、一般的なシリカフィラー入りのエポキシ樹脂等の封止樹脂として一般的に採用されている樹脂を用いることができる。なお、トレンチ7A,7B形成前の封止樹脂層6に高い熱伝導性を持たせるために、アルミナフィラー等の熱伝導率が高いフィラー入りのエポキシ樹脂等の樹脂を用いることができる。なお、トレンチ7A,7B形成前の封止樹脂層6の形成前に、必要に応じて基板2の集合体のプラズマ洗浄を行う。
【0031】
次に、トレンチ7A,7B形成前の封止樹脂層6の上面6bでの、平面視における第1部品3と第2部品4Aとの間及び第1部品3と第2部品4Bとの間のそれぞれに、レーザを照射して上面6bから下面6aにかけて貫通するように封止樹脂層6から樹脂を除去する。これにより封止樹脂層6の上面6bから下面6aにかけて貫通したトレンチ7A及びトレンチ7Bが形成される。ここで、レーザとして、例えば、UVレーザ、COレーザ、Greenレーザなどを使用することができる。
【0032】
次に、ダイサーまたはレーザ加工により、モジュール1を個片化し、モジュール1の製造工程が終了する。
【0033】
上記した第1実施形態に係るモジュール1によれば、封止樹脂層6には第1部品3と第2部品4Aとの間にトレンチ7Aが形成され、第1部品3と第2部品4Bとの間にトレンチ7Bが形成されており、トレンチ7A,7Bには部材が充填されていない。このため、モジュール1では、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間に、封止樹脂層6を形成する封止樹脂に比べて熱を伝えにくい空気の隙間(空隙)が存在することになる。したがって、第1部品3により発せられた熱が第2部品4A,4Bに伝わりにくくなる。これにより、第2部品4A,4Bは第1部品3により発せられた熱の影響を受けにくくなり、安定した動作を行うことが可能になる。
【0034】
<第1実施形態の変形例1>
本発明の第1実施形態の変形例1に係るモジュール1Aについて図2を参照して説明する。ただし、図2は第1実施形態の変形例1に係るモジュール1Aの平面図である。なお、第1実施形態の変形例1に係るモジュール1Aでは、第1実施形態に係るモジュール1と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
第1実施形態の変形例1に係るモジュール1Aが第1実施形態に係るモジュール1と異なる点は、モジュール1の封止樹脂層6には平面視において第1部品3と第2部品4A,4Bとの間に長方形をしたトレンチ7A,7Bが形成されているのに対して、モジュール1Aの封止樹脂層6Aには平面視において第1部品3と第2部品4A,4Bとの間に略円形をした複数の貫通孔7Cが形成されていることである。
【0036】
封止樹脂層6Aには、平面視において、第1部品3と第2部品4A,4Bの間に、封止樹脂層6Aの基板2の一方主面2aに対向する対向面(以下、「下面」と記載する。)と反対側の反対面(以下、「上面」と記載する。)から下面にかけて貫通した複数の貫通孔7Cが形成されている。各貫通孔7Cは平面視において略円形をしている。モジュール1Aでは、封止樹脂層6Aに形成された各貫通孔7Cには部材が充填されておらず、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間には空隙が存在する。
【0037】
第1実施形態の変形例1に係るモジュール1Aによれば、第1実施形態に係るモジュール1と同様の効果が得られる。また、モジュール1Aによれば、平面視での空隙の面積を抑えることができるので、封止樹脂層の割れを起こりにくくすることができる。
【0038】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るモジュール1Bについて図3を参照して説明する。ただし、図3(a)は第2実施形態に係るモジュール1Bの平面図であり、図3(b)は図3(a)のB-B断面図である。なお、第2実施形態に係るモジュール1Bでは、第1実施形態に係るモジュール1と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
第2実施形態に係るモジュール1Bが第1実施形態に係るモジュール1と異なる点は、モジュール1にはシールド層が設けられていないのに対して、モジュール1Bにはシールド層21が設けられていることである。
【0040】
シールド層21は、封止樹脂層6の上面6b及び側面6c並びに基板2の側面2cを被覆している。但し、封止樹脂層6のトレンチ7A,7Bの壁面にはシールド層21が設けられていない。
【0041】
シールド層21は、例えば封止樹脂層6の上面6b及び側面6c並びに基板2の側面2cに積層された密着層と、密着層に積層された導電層と、導電層に積層された耐食層とを有する多層構造で形成することができる。密着層は、導電層と封止樹脂層6等との密着強度を高めるために設けられるものであり、例えば、SUS等の金属で形成することができる。導電層は、シールド層21の実質的なシールド機能を担う層であり、例えば、Cu、Ag、Alのうちのいずれかの金属で形成することができる。耐食層は、導電層が腐食したり、傷が付いたりするのを防止するために設けられるものであり、例えば、SUSで形成することができる。シールド層21の形成に、例えば、スパッタ方式、蒸着方式、ペースト塗布方式等を用いることができる。なお、シールド層21は本発明の「第1シールド部」に相当する。
【0042】
なお、基板2の内部に形成された内部電極10の一つであるグランド電極は基板2の側面2cから露出してシールド層21と接触している。
【0043】
モジュール1Bでは、封止樹脂層6に形成されたトレンチ7A,7Bには部材が充填されておらず、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間には空隙が存在する。
【0044】
(モジュールの製造方法)
次に、モジュール1Bの製造方法の一例について説明する。第1実施形態で説明したモジュール1の製造方法と同様に、基板2の集合体の用意から封止樹脂層6の形成までが行われる。この後、シールド層21が、封止樹脂層6の上面6b及び側面6c並びに基板2の側面2cを被覆するように、例えば、スパッタ方式、蒸着方式、ペースト塗布方式等を用いて、形成される。その後、トレンチ7A及びトレンチ7Bが形成される。つぎに、ダイサーまたはレーザ加工により、モジュール1Bを個片化して、モジュール1Bの製造工程が終了する。
【0045】
第2実施形態に係るモジュール1Bによれば、第1実施形態に係るモジュール1と同様の効果が得られる。また、モジュール1Bによれば、第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5が、シールド層21により外部からのノイズによる干渉を受けにくくすることができるとともに、シールド層21外の部品にノイズによる干渉を与えにくくすることができる。
【0046】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係るモジュール1Cについて図4を参照して説明する。ただし、図4(a)は第3実施形態に係るモジュール1Cの平面図であり、図4(b)は図4(a)のC-C断面図である。なお、第3実施形態に係るモジュール1Cでは、第2実施形態に係るモジュール1Bと同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
第3実施形態に係るモジュール1Cが第2実施形態に係るモジュール1Bと異なる点は、モジュール1Bではシールド層21がトレンチ7A,7Bの側壁を被覆していないのに対して、モジュール1Cではシールド層31がトレンチ7A,7Bの側壁を被覆していることである。
【0048】
シールド層31は、封止樹脂層6の上面6b及び側面6c、封止樹脂層6に形成されるトレンチ7A,7Bの壁面、並びに、基板2の側面2cを被覆しており、一方主面2aに形成された金属膜32に接触している。シールド層31は、例えば、シールド層21と同様に、密着層と導電層と耐食層とを有する多層構造で形成することができる。なお、シールド層31のうちの、封止樹脂層6の上面6b及び側面6c並びに基板2の側面2cを被覆する第1シールド部31Aが本発明の「第1シールド部」に相当し、封止樹脂層6に形成されるトレンチ7A,7Bの壁面を被覆する第2シールド部31Bが本発明の「第2シールド部」に相当する。
【0049】
なお、例えば、トレンチ7Aの側壁のうちの一部(例えば、第2部品4A側のみ)に第2シールド部31Bが形成されるようにしてもよく、トレンチ7Bの側壁のうちの一部(例えば、第2部品4B側のみ)に第2シールド部31Bが形成されるようにしてもよい。
【0050】
モジュール1Cでは、封止樹脂層6に形成されたトレンチ7A,7Bの壁面がシールド層31の第2シールド部31Bで被覆されているが、トレンチ7A,7B全体を埋めるようには部材が充填されておらず、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間には空隙が存在する。
【0051】
第3実施形態に係るモジュール1Cによれば、第2実施形態に係るモジュール1Bと同様の効果が得られる。また、モジュール1Cによれば、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間に設けられたシールド層31の第2シールド部31Bにより、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間でノイズによる干渉を防止することができる。
【0052】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係るモジュール1Dについて図5を参照して説明する。ただし、図5(a)は第4実施形態に係るモジュール1Dの平面図であり、図5(b)は図5(a)のD-D断面図である。なお、第4実施形態に係るモジュール1Dでは、第3実施形態に係るモジュール1Cと同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
第4実施形態に係るモジュール1Dが第3実施形態に係るモジュール1Cと異なる点は、モジュール1Dの封止樹脂層41には、モジュール1Cの封止樹脂層6には形成されていない、第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側に封止樹脂層41の後述する上面41bから後述する下面41aにかけて貫通したトレンチ42A,42Bが形成され、トレンチ42A,42Bに導電性部材43A,43Bが充填され、導電性部材43A,43Bがシールド層31と基板2の一方主面2aに形成された金属膜44とのそれぞれに接触していることである。
【0054】
封止樹脂層41は、基板2の一方主面2aに積層され、基板2の一方主面2aの一部分並びに第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5を封止する。封止樹脂層41は、封止樹脂層6と同様の樹脂で形成することができる。
【0055】
封止樹脂層41には、封止樹脂層6と同様の位置および形状のトレンチ7A,7Bが形成されている。モジュール1Dでは、封止樹脂層41に形成されたトレンチ7A,7Bの壁面がシールド層31の第2シールド部31Bで被覆されているが、トレンチ7A,7B全体を埋めるようには部材が充填されておらず、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間には空隙が存在する。
【0056】
また、封止樹脂層41には、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側に、封止樹脂層41の一方主面2aに対向する対向面(以下、「下面」と記載する。)41aと反対側の反対面(以下、「上面」と記載する。)41bから下面41aにかけて貫通したトレンチ42A,42Aが形成されている。例えば、トレンチ42Aと第1部品3との距離をトレンチ7Aと第1部品3との距離よりも小さくし、トレンチ42Bと第1部品3との距離をトレンチ7Bと第1部品3との距離よりも小さくする。なお、図5(a)では、トレンチ42Aは、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4Aと向き合っている対向部分と反対側の反対部分の全ての外側に形成されているが、例えば、当該反対部分の一部の外側に形成されるようにしてもよい。また、トレンチ42Bは、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4Bと向き合っている対向部分と反対側の反対部分の全ての外側に形成されているが、例えば、当該反対部分の一部の外側に形成されるようにしてもよい。
【0057】
トレンチ42A,42Bにはトレンチ42A,42Bの全体を埋めるように導電性部材(本発明の「導電性部材」に相当)43A,43Bが充填されており、導電性部材43A,43Bは一方主面2aに形成された金属膜44に接触している。なお、導電性部材としてCu、Ag、Alなどの金属がある。
【0058】
シールド層31は、封止樹脂層41の上面41b及び側面41c、封止樹脂層41に形成されるトレンチ7A,7Bの壁面、並びに、基板2の側面2cを被覆している。シールド層31は、一方主面2aに形成された金属膜32に接触するとともに、トレンチ42A,42全体を埋めるように充填された導電性部材43A,43Bに接触する。なお、シールド層31のうちの、封止樹脂層41の上面41b及び側面41c並びに基板2の側面2cを被覆する第1シールド部31Aが本発明の「第1シールド部」に相当し、封止樹脂層41に形成されるトレンチ7A,7Bの壁面を被覆する第2シールド部31Bが本発明の「第2シールド部」に相当する。
【0059】
(モジュールの製造方法)
次に、モジュール1Dの製造方法の一例について説明する。第1実施形態で説明したモジュール1の製造方法と同様に、基板2の集合体の用意からトレンチ7A,7B,42A,42B形成前の封止樹脂層41の形成までが行われる。この後、トレンチ7A,7B,42A,42B形成前の封止樹脂層41の上面41bにおける、平面視での第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側の2箇所それぞれに、レーザを照射して上面41bから下面41aにかけて貫通するように樹脂を除去する。これにより封止樹脂層41の上面41bから下面41aにかけて貫通したトレンチ42A及びトレンチ42Bが形成される。ここで、レーザとして、例えば、UVレーザ、CO、Greenレーザなどを使用することができる。
【0060】
次に、封止樹脂層41に形成されたトレンチ42A,42B全体を埋めるようにトレンチ42A,42Bに導電性部材43A,43Bを充填する。
【0061】
次に、トレンチ42A,42Bが形成され、トレンチ42A,42Bに導電性部材43A,43Bが充填された後の封止樹脂層41の上面41bにおける、第1部品3と第2部品4Aとの間及び第1部品3と第2部品4Bとの間のそれぞれに、レーザを照射して上面41bから下面41aにかけて貫通するように封止樹脂層41から樹脂を除去する。これにより封止樹脂層41の上面41bから下面41aにかけて貫通したトレンチ7A及びトレンチ7Bが形成される。ここで、レーザとして、例えば、UVレーザ、COレーザ、Greenレーザなどを使用することができる。
【0062】
ダイサーまたはレーザ加工により、シールド層31形成前のモジュール1Dを個片化する。
【0063】
次に、シールド層31形成前のモジュール1Dに対して、封止樹脂層41の上面41b及び側面41c、封止樹脂層41に形成されるトレンチ7A,7Bの壁面、並びに、基板2の側面2cを被覆するシールド層31を形成し、モジュール1Dの製造工程が終了する。なお、例えば、スパッタ方式、蒸着方式、ペースト塗布方式等を用いてシールド層31を形成する。
【0064】
なお、トレンチ7Aの幅を大きくすることによりトレンチ7Aの側壁のうちの一部(例えば、第2部品4A側のみ)に第2シールド部31Bを形成することができ、また、トレンチ7Bの幅を大きくすることによりトレンチ7Bの側壁のうちの一部(例えば、第2部品4B側のみ)に第2シールド部31Bを形成することができる。
【0065】
第4実施形態に係るモジュール1Dによれば、第3実施形態に係るモジュール1Cと同様の効果が得られる。また、モジュール1Dによれば、第1部品3により発せられた熱を第2部品4A,4Bから離れた導電性部材43A,43Bに逃がすことができるので、第2部品4A,4Bは第1部品3により発せられた熱の影響をより受けにくくなり、より安定した動作を行うことが可能になる。
【0066】
なお、第4実施形態では、第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側にトレンチ42A,42Bを形成し、このトレンチ42A,42Bを埋めるように導電性部材43A,43Bを充填するようにしているが、例えば、第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側、すなわちトレンチ42A,42Bが形成されていた箇所に、金属ワイヤ(本発明の「導電性部材」に相当)を設けるようにしてもよい。
【0067】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係るモジュール1Eについて図6を参照して説明する。ただし、図6(a)は第5実施形態に係るモジュール1Eの平面図であり、図6(b)は図6(a)のE-E断面図である。なお、第5実施形態に係るモジュール1Eでは、第2実施形態に係るモジュール1Bと同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
第5実施形態に係るモジュール1Eが第2実施形態に係るモジュール1Bと異なる点は、モジュール1Bが放熱部材を有していないのに対して、モジュール1Eは第1部品3の一方主面2aの対向する対向面(以下、「下面」と記載する。)3aと反対側の反対面(以下、「上面」と記載する。)3b側に放熱部材51を備えていることである。なお、第1部品3の下面3aが本発明の「第1部品の実装面」に相当する。
【0069】
モジュール1Eでは、第1部品3の上面3bは封止樹脂層6から露出しており、第1部品3の上面3bに接触するように放熱部材51が設けられている。なお、放熱部材は、封止樹脂層内に設けられていてもよい。
【0070】
シールド層21は、封止樹脂層6の上面6b及び側面6c並びに基板2の側面2cを被覆しており、トレンチ7A,7Bの壁面を被覆していない。なお、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間には空気の隙間(空隙)が存在する。
【0071】
第5実施形態に係るモジュール1Eによれば、第2実施形態に係るモジュール1Bと同様の効果が得られる。また、モジュール1Bによれば、第1部品3により発せられた熱は放熱部材51を介して外部に放熱されるので、第2部品4A,4Bは第1部品3により発せられた熱の影響をより受けにくくなり、より安定した動作を行うことが可能になる。
【0072】
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態に係るモジュール1Fについて図7を参照して説明する。ただし、図7(a)は第6実施形態に係るモジュール1Fの平面図であり、図7(b)は図7(a)のF-F断面図である。なお、第6実施形態に係るモジュール1Fでは、第2実施形態に係るモジュール1Bと同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
第6実施形態に係るモジュール1Fが第2実施形態に係るモジュール1Bと異なる点は、モジュール1Fは、モジュール1Bが備えていない、第1部品3の上面3b側に放熱部材63を備え、封止樹脂層61に埋められた金属ワイヤ62が放熱部材63と基板2の一方主面2aに形成された金属膜64とのそれぞれに接触していることである。
【0074】
封止樹脂層61は、基板2の一方主面2aに積層され、基板2の一方主面2aの一部分並びに第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5を封止する。封止樹脂層61は、封止樹脂層6と同様の樹脂で形成することができる。
【0075】
封止樹脂層61には、封止樹脂層6と同様の位置および形状のトレンチ7A,7Bが形成されている。
【0076】
また、封止樹脂層61には、平面視において、第1部品3の上面3b及びその周囲を含む所定領域に、封止樹脂層61の一方主面2aに対向する対向面(以下、「下面」と記載する。)61aと反対側の反対面(以下、「上面」と記載する。)61bから第1部品3の上面3bを含む平面にかけて凹部65が形成されている。
【0077】
また、封止樹脂層61には、平面視において、封止樹脂層61の凹部65の底面65a内であって第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側に、基板2の一方主面2aに形成された金属膜64と接触する金属ワイヤ(本発明の「導電性部材」に相当)62が複数埋め込まれている。なお、図7(a)では、金属ワイヤ62は、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4Aと向き合っている対向部分と反対側の反対部分の略全ての外側に形成されているが、例えば、当該反対部分の一部の外側に形成されるようにしてもよい。また、金属ワイヤ62は、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4Bと向き合っている対向部分と反対側の反対部分の略全ての外側に形成されているが、例えば、当該反対部分の一部の外側に形成されるようにしてもよい。
【0078】
第1部品3の上面3b側に形成された封止樹脂層61の凹部65には、放熱部材63が配置されている。放熱部材63は金属ワイヤ62に接触している。なお、例えば、封止樹脂層61を形成する前に、金属ワイヤ62が、第1部品3の上面3bから突出するようにしていれば、放熱部材63を封止樹脂層61の凹部65に配置した場合に放熱部材63と金属ワイヤ62との接触が良くなる。
【0079】
シールド層21は、封止樹脂層61の上面61b及び側面61c、放熱部材63の第1部品3の上面3bと対向する対向面と反対側の反対面並びに基板2の側面2cを被覆しており、トレンチ7A,7Bの壁面を被覆していない。なお、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間には空気の隙間(空隙)が存在する。
【0080】
第6実施形態に係るモジュール1Fによれば、第2実施形態に係るモジュール1Bと同様の効果が得られる。また、モジュール1Fによれば、第1部品3により発せられた熱は、放熱部材63を介して外部に放熱され、また、封止樹脂層61又は放熱部材63を介して第2部品4A,4Bから離れた金属ワイヤ62に逃がすことができるので、第2部品4A,4Bは第1部品3により発せられた熱の影響をより受けにくくなり、より安定した動作を行うことが可能になる。
【0081】
<第6実施形態の変形例1>
本発明の第6実施形態の変形例1に係るモジュール1Gについて図8を参照して説明する。ただし、図8は第6実施形態の変形例1に係るモジュール1Gの断面図である。なお、第6実施形態の変形例1に係るモジュール1Gでは、第6実施形態に係るモジュール1Fと同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0082】
第6実施形態の変形例1に係るモジュール1Gが第6実施形態に係るモジュール1Fと異なる点は、モジュール1Fでは封止樹脂層61に第1部品3の上面3a側で形成された凹部65に放熱部材63が配置されて放熱部材63が封止樹脂層61に設けられた金属ワイヤ62と接触するようになっているのに対し、モジュール1Gでは封止樹脂層71の一方主面2aに対向する対向面(以下、「下面」と記載する。)71aと反対側の反対面(以下、「上面」と記載する。)71bから露出した第1部品3の上面3aに放熱部材72が配置されて放熱部材72が金属ワイヤ62に接触していることである。
【0083】
封止樹脂層71は、基板2の一方主面2aに積層され、基板2の一方主面2aの一部分並びに第1部品3、第2部品4A,4B及び第3部品5を封止する。封止樹脂層71は、封止樹脂層6と同様の樹脂で形成することができる。
【0084】
封止樹脂層71には、封止樹脂層6と同様の位置および形状のトレンチ7A,7Bが形成されている。
【0085】
また、封止樹脂層71には、平面視において、第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側に、基板2の一方主面2aに形成された金属膜64と接触する金属ワイヤ62が複数埋め込まれている。
【0086】
第1部品3の上面3b側には、放熱部材72が配置されている。放熱部材72は金属ワイヤ62に接触している。なお、例えば、封止樹脂層71を形成する前に、金属ワイヤ62が、第1部品3の上面3bから突出するようにしておき、樹脂モールドする際に、金属ワイヤ62と封止樹脂層71の表面が、面一となるようにモールドすれば、放熱部材72を第1部品3の上面3b側に配置した場合に放熱部材72と金属ワイヤ62との接触が良くなる。
【0087】
シールド層21は、封止樹脂層71の上面71b及び側面71c並びに基板2の側面2cを被覆しており、トレンチ7A,7Bの壁面を被覆していない。なお、第1部品3と第2部品4A,4Bとの間には空気の隙間(空隙)が存在する。
【0088】
第6実施形態の変形例1に係るモジュール1Gによれば、第6実施形態に係るモジュール1Fと同様の効果が得られる。
【0089】
なお、第6実施形態及び第6実施形態の変形例1では、第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側に金属ワイヤ62を配置するようにしているが、例えば、封止樹脂層61,71に対して第1部品3の周囲のうちの第2部品4A,4Bと向き合っている部分を除く部分の外側に上下方向に貫通したトレンチを形成し、トレンチに導電性部材を充填し、トレンチに充填された導電性部材が放熱部材63,72と金属膜64とのそれぞれに接触するようにしてもよい。
【0090】
なお、本発明は上記した各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことができる。例えば、上記した各実施形態の内容および各変形例の内容を組み合わせてもよい。
【0091】
また、本発明は、基板に実装された部品間の熱の影響を抑える構造を有するモジュールに適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1,1A~1G モジュール
2 基板
3 第1部品
4A,4B 第2部品
5 第3部品
6,6A,41,61,71 封止樹脂層
7A,7B トレンチ
21,31 シールド層
31A 第1シールド部
31B 第2シールド部
43A,43B 導電性部材
51,63,72 放熱部材
62 金属ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9