(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
H05B 45/48 20200101AFI20220830BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H05B45/48
B60Q1/04 D
(21)【出願番号】P 2018083708
(22)【出願日】2018-04-25
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】丸山 友宏
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-054069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
B60Q 1/04
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子に入力電流を供給する電源部と、
前記複数の発光素子の少なくとも一部の発光素子に並列に接続され、前記入力電流のバイパス経路をオン状態及びオフ状態の何れか一方に形成するバイパス回路と、
前記バイパス回路により形成される前記バイパス経路をオン状態及びオフ状態の何れか一方に制御するバイパス駆動回路と、
前記複数の発光素子
のうち前記バイパス回路と並列に接続された発光素子の何れかがオフ状態であるか否かに応じて、前記バイパス駆動回路により前記バイパス経路をオン状態に維持する制御を停止させるフェールセーフ回路と、
を備え、
前記バイパス回路は、
前記フェールセーフ回路により前記バイパス経路をオン状態に維持する制御が停止する場合、前記バイパス経路をオフ状態に形成する、
車両用灯具。
【請求項2】
前記フェールセーフ回路は、
前記複数の発光素子のうち前記バイパス回路と並列に接続されている発光素子がオープン状態であるか否かを検出するオープン検出回路と、
前記オープン検出回路により前記オープン状態であると検出された場合、前記バイパス駆動回路が前記バイパス経路をオン状態に維持する制御を停止させるバイパス停止回路と、
を備える、
請求項1に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を光源とするランプユニットが車両用灯具に採用されている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-213663号公報
【文献】特開2015-110357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2に記載のような従来技術は、発光素子がオープン故障等した場合であっても、バイパス回路に電流が流れる。よって、入力電流が故障閾値以下にならないため、故障検出を確実に行うことができない恐れがある。
【0005】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、故障検出を確実に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面である車両用灯具は、直列接続された複数の発光素子と、前記複数の発光素子に入力電流を供給する電源部と、前記複数の発光素子の少なくとも一部の発光素子に並列に接続され、前記入力電流のバイパス経路をオン状態及びオフ状態の何れか一方に形成するバイパス回路と、前記バイパス回路により形成される前記バイパス経路をオン状態及びオフ状態の何れか一方に制御するバイパス駆動回路と、前記複数の発光素子のうち前記バイパス回路と並列に接続された発光素子の何れかがオフ状態であるか否かに応じて、前記バイパス駆動回路により前記バイパス経路をオン状態に維持する制御を停止させるフェールセーフ回路と、を備え、前記バイパス回路は、前記フェールセーフ回路により前記バイパス経路をオン状態に維持する制御が停止する場合、前記バイパス経路をオフ状態に形成する。
【0007】
また、本開示の一側面である車両用灯具においては、前記フェールセーフ回路は、前記複数の発光素子のうち前記バイパス回路と並列に接続されている発光素子がオープン状態であるか否かを検出するオープン検出回路と、前記オープン検出回路により前記オープン状態であると検出された場合、前記バイパス駆動回路が前記バイパス経路をオン状態に維持する制御を停止させるバイパス停止回路と、を備える、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、故障検出を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示を適用した実施形態に係る車両用灯具のブロック図である。
【
図2】本開示を適用した実施形態に係る車両用灯具の回路図である。
【
図3】本開示を適用した実施形態に係る電圧波形のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を適用した車両用灯具の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。
【0011】
(概略構成)
図1は、本開示を適用した実施形態に係る車両用灯具のブロック図である。車両用灯具は、例えば前照灯(ヘッドランプ)であって、ヘッドランプユニットが車両の前部の左右両端部に搭載されている。車両用灯具は、バイパス回路21、バイパス駆動回路22、フェールセーフ回路23、電流制御回路24、及び発光素子31A~31Cを備えている。なお、
図1においては、ダイオードD1、電源部11、点灯スイッチ2、車載バッテリー1、制御部3、及びECU4も併せて示している。また、発光素子31A~31Cについては、特に個々を区別する必要がない場合、発光素子31と称する。発光素子31は、例えば、LED又はOEL(有機EL)を用いたOLED(有機発光ダイオード)等の自発光半導体光源である。
【0012】
車両用灯具では、発光素子31として、LEDが直列接続されている。車両用灯具は、点灯スイッチ2がオン状態に操作された場合、車載バッテリー1から印加される直流電圧を用いて電源部11が発光素子31に入力電流I_inを流し、発光素子31を発光させる。電源部11は、例えば不図示のスイッチングレギュレータとして、DC-DCコンバータにより構成されている。電源部11は、制御部3から供給されるオン/オフ制御信号により、コンバータ動作時にスイッチングレギュレータのスイッチング制御が行われる。なお、制御部3はECU4からの制御指令により動作する。電源部11の入力側は端子11a,11bを介して車載バッテリー1の正極と負極(グランド)に接続されている。電源部11の出力側は端子11c,11dを介して光源を構成する発光素子31A~31Cと接続されている。つまり、電源部11は、端子11a,11b間の直流電圧を昇圧又は降圧して発光素子31A~31Cの発光駆動のための入力電圧V_inを生成し、端子11c,11dから出力する。よって、電源部11が複数の発光素子31に入力電流I_inを供給する。
【0013】
バイパス回路21は、複数の発光素子31の少なくとも一部の発光素子31に並列に接続され、入力電流I_inのバイパス経路をオン状態及びオフ状態の何れか一方に形成する。
図1の一例においては、バイパス回路21は、複数の発光素子31のうち発光素子31Aに並列に接続されている。つまり、バイパス回路21は、発光素子31B,31Cに直列に接続されている。バイパス駆動回路22は、バイパス回路21により形成されるバイパス経路をオン状態及びオフ状態の何れか一方に制御する。フェールセーフ回路23は、オープン検出回路231及びバイパス停止回路232を備え、複数の発光素子31の何れかがオフ状態であるか否かに応じて、バイパス駆動回路22によりバイパス経路をオン状態に維持する制御を停止させる。
【0014】
オープン検出回路231は、複数の発光素子31のうちバイパス回路21と並列に接続されている発光素子31Aがオープン状態であるか否かを検出する。発光素子31は、ショート(短絡)状態又はオープン(断線)状態である場合、異常状態である。よって、オープン検出回路231は、発光素子31Aがオープン状態であるか否かを検出することで、発光素子31Aの故障検出を行う。バイパス停止回路232は、オープン検出回路231により発光素子31Aがオープン状態であると検出された場合、バイパス駆動回路22によりバイパス経路をオン状態に維持する制御を停止させる。電流制御回路24は、入力電流I_inのような直流電流を限流制御するものである。
【0015】
ところで、車両用灯具を点灯させる場合、車両側で入力電流I_inをモニターし、入力電流I_inが故障閾値以下と判定された場合、ドライバーに故障を報知する。
図1に示すように、発光素子31を3個直列に接続した状態で、制御部3が定電流駆動で電源部11を制御する場合、入力電流I_inは、入力電圧V_inが低いときには発光素子31の順方向電圧Vfに大きく依存する。周囲温度が通常温度であれば車両用灯具に使用される発光素子31の順方向電圧Vfは約3.0Vである。しかし、周囲温度が低温であれば発光素子31の順方向電圧Vfは約3.3Vである。よって、発光素子31が3個直列に接続されている場合、入力電圧V_inが故障検出の動作電圧範囲内である10V以上になっても、入力電流I_inは発光素子31のそれぞれにほとんど流れない。したがって、発光素子31のそれぞれが正常であるにもかかわらず、入力電流I_inが故障閾値以下となるため、発光素子31の何れかが故障であると検出する。つまり、故障検出が誤作動する。
【0016】
そこで、入力電圧V_inが低いときには、1個以上の発光素子31をバイパスさせる回路構成により、直列接続されている発光素子31を2個以下とする。このような接続構成により、発光素子31のトータルの順方向電圧Vfを下げることができるので、故障検出の最低動作電圧であっても、入力電流I_inが故障閾値を超えることができる。よって、故障検出が誤作動する状況を回避することができる。
【0017】
なお、バイパスさせる回路構成でなければ、複数の発光素子31の何れかがオープン故障したときには、直列接続された発光素子31がオープンしているため入力電流I_inが流れることがない。よって、入力電流I_inが故障閾値以下と判定され、故障検出される。しかし、バイパスさせる回路構成であれば、複数の発光素子31の何れかがオープン故障したときには、入力電圧V_inが後述するブレークダウン電圧VBのようなバイパス切替電圧になるまではバイパスさせる回路構成に入力電流I_inが流れる。この結果、入力電圧V_inが故障検出の動作電圧範囲内であっても入力電流I_inが故障閾値以下にならないため、入力電流I_inが故障閾値以下と判定されることがない。したがって、故障検出が作動しない恐れがある。そこで、バイパスさせる回路構成と並列に接続されている発光素子31がオープン故障したときには、バイパスさせる回路構成をキャンセルさせる。このような制御により、発光素子31がオープン故障時であっても入力電流I_inが故障閾値を確実に下回る。具体的には、バイパス回路21は、フェールセーフ回路23によりバイパス経路をオン状態に維持する制御が停止する場合、バイパス経路をオフ状態に形成する。
【0018】
(回路構成)
図2は、本開示を適用した実施形態に係る車両用灯具の回路図である。電源部11から供給される電流は、アノード側が端子11cに接続されているダイオードD1により一方向に制御され、端子11cと端子11dとの間に並列に接続されているコンデンサC1,C2により高調波等のノイズ成分が除去される。発光素子31A~31Cに流れる入力電流I_inは、発光素子31A~31Cと並列に接続されたコンデンサC3によりノイズ成分が除去される。また、端子11cと端子11dとの間には、過渡電圧抑制ダイオードTVS1が並列に接続され、車両用灯具の各種素子が保護されている。バイパス回路21は、スイッチング素子Q4を備えている。スイッチング素子Q4は、PNP型のトランジスタである。スイッチング素子Q4は、コレクタ側が発光素子31Aのカソード側と発光素子31Bのアノード側との間の接続点に接続され、エミッタ側が端子11c側に接続されている。つまり、バイパス経路は、スイッチング素子Q4を含む経路であり、且つ発光素子31Aと並列に接続されている経路となる。
【0019】
オープン検出回路231は、スイッチング素子Q5及び抵抗R8,R10を備えている。バイパス停止回路232は、スイッチング素子Q6及び抵抗R9を備えている。バイパス駆動回路22は、スイッチング素子Q3、抵抗R6,R7、及びツェナーダイオードZD1を備えている。スイッチング素子Q5は、NPN型のトランジスタである。スイッチング素子Q5は、コレクタ側がスイッチング素子Q6のベース側に接続され、エミッタ側がグランドに接続され、ベース側が抵抗R8の一端と抵抗R10の一端との接続点に接続されている。抵抗R8の他端は発光素子31Aのカソード側と発光素子31Bのアノード側との間に接続されている。なお、抵抗R10の他端はグランドに接続されている。スイッチング素子Q6は、NPN型のトランジスタである。スイッチング素子Q6は、コレクタ側が抵抗R6の一端とツェナーダイオードZD1のカソード側との接続点に接続され、エミッタ側がグランドに接続され、ベース側がスイッチング素子Q5のコレクタ側に接続されている。なお、抵抗R9は、一端が端子11c側に接続され、他端がスイッチング素子Q6のベース側に接続されている。
【0020】
スイッチング素子Q3は、PNP型のトランジスタである。スイッチング素子Q3は、コレクタ側がスイッチング素子Q4のベース側と抵抗R7の一端との接続点に接続され、エミッタ側が端子11c側に接続され、ベース側が抵抗R6の他端と接続されている。ツェナーダイオードZD1は、ブレークダウン電圧VBが、発光素子31Aの順方向電圧Vfよりも大きいものが使用され、例えば約12Vである。なお、ツェナーダイオードZD1のアノード側及び抵抗R7の他端はグランドに接続されている。
【0021】
電流制御回路24は、抵抗R1~R5及びスイッチング素子Q1,Q2を備えている。スイッチング素子Q1は、NPN型のトランジスタである。スイッチング素子Q2は、NチャネルのMOS-FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)である。スイッチング素子Q1は、コレクタ側が抵抗R1の一端に接続され、エミッタ側がグランドに接続され、ベース側がスイッチング素子Q2のソース側に接続されている。抵抗R1の他端は端子11c側に接続されている。スイッチング素子Q2は、ゲート側がスイッチング素子Q1のコレクタ側に接続され、ドレイン側が発光素子31Cのカソード側に接続され、ソース側がスイッチング素子Q1のベース側及び抵抗R3~R5の一端に接続されている。抵抗R3~R5は並列に接続され、一端がスイッチング素子Q2のソース側に接続され、他端がグランドに接続されている。抵抗R2は、一端がスイッチング素子Q2のゲート側に接続され、他端がグランドに接続されている。
【0022】
(回路動作)
図3は、本開示を適用した実施形態に係る電圧波形のタイミングチャートである。
図3(A)は、正常時の入力電圧V_inの電圧波形である。
図3(B)は、発光素子31Aがオープン故障時の入力電圧V_inの電圧波形である。点灯スイッチ2が操作され、車載バッテリー1の電圧が電源部11を介してバイパス回路21、バイパス駆動回路22、フェールセーフ回路23、発光素子31、及び電流制御回路24に印加されるような電源投入時、スイッチング素子Q6がオン状態になり、同時にスイッチング素子Q3もオン状態になる。このとき、スイッチング素子Q4はオフ状態となるため、電源投入直後は、発光素子31が3個直列接続されている回路構成となる。発光素子31Aが正常時であれば、入力電圧V_inが上昇し、発光素子31Aのカソード側の電圧がスイッチング素子Q5の飽和領域になるようなベース電流を流すと、スイッチング素子Q5がオン状態になる。スイッチング素子Q5がオン状態になると、スイッチング素子Q6はオフ状態になる。スイッチング素子Q6がオフ状態になると、ツェナーダイオードZD1のカソード側に係る電圧がブレークダウン電圧VBに到達してツェナー電流がツェナーダイオードZD1に流れるまではスイッチング素子Q3はオフ状態である。スイッチング素子Q3がオフ状態になると、スイッチング素子Q4はオン状態になる。スイッチング素子Q4がオン状態になると、発光素子31Aはバイパスされるので、発光素子31B及び発光素子31Cが2個直列接続される回路構成となる。入力電圧V_inが約12Vになると、ツェナーダイオードZD1のカソード側に係る電圧がブレークダウン電圧VBに十分に到達するので、ツェナー電流がツェナーダイオードZD1に十分に流れ、スイッチング素子Q3が完全にオン状態になる。スイッチング素子Q3が完全にオン状態になると、スイッチング素子Q4はオフ状態となるので、発光素子31が再度3個直列接続される回路構成となる。
【0023】
しかし、発光素子31Aがオープン故障を起こした場合は上記とは異なる回路動作となる。電源投入直後は、上記と同様に、スイッチング素子Q6がオン状態になり、同時にスイッチング素子Q3もオン状態になる。このとき、スイッチング素子Q4はオフ状態となる。発光素子31Aはオープン故障しているため、入力電圧V_inが上昇しても、発光素子31Aのカソード側の電圧は上昇しない。よって、発光素子31Aのカソード側の電圧がスイッチング素子Q5の飽和領域になるようなベース電流を流すことはないため、スイッチング素子Q5はオン状態にはならない。よって、スイッチング素子Q6はオン状態を維持するため、バイパス回路21が作動しない。この結果、電流は、スイッチング素子Q6に流れ、発光素子31A~31Cには流れないため、入力電流I_inは大幅に減少する。したがって、入力電流I_inは、故障閾値以下となり、確実に故障検出される。
【0024】
換言すれば、従来の回路構成であれば、スイッチング素子Q5,Q6、抵抗R8,R9,R10が設けられていないため、入力電圧V_inがブレークダウン電圧VBに到達するまでは、バイパス回路21に電流が流れるため、正常時の入力電流I_inと同様の電流が流れてしまうが、本実施形態のように、スイッチング素子Q5,Q6、抵抗R8,R9,R10が設けられていれば、発光素子31Aがオープン故障した際、スイッチング素子Q4を含むバイパス回路21の作動がキャンセルされ、故障検出の動作範囲例えば10V~16Vでは、入力電流I_inを故障閾値以下とすることが可能である。
【0025】
以上の説明から、本実施形態において、バイパス経路をオフ状態に維持させる制御が停止する場合、バイパス経路がオフ状態に形成される。よって、複数の発光素子31の何れかがオフ状態であれば、複数の発光素子31のそれぞれに流れる入力電流I_inは大幅に減少する。したがって、複数の発光素子31の何れかがオフ状態であれば、入力電流I_inが故障閾値以下となるため、故障検出を確実に行うことができる。
【0026】
また、本実施形態において、複数の発光素子31のうちバイパス回路21と並列に接続されている発光素子31がオープン状態であると検出された場合、バイパス経路をオン状態に維持する制御が停止される。よって、発光素子31がオープン故障している場合にはバイパス回路21には入力電流I_inが流れず、且つ複数の発光素子31のそれぞれにも入力電流I_inが流れない。したがって、入力電流I_inが増加する回路要素がないため、入力電流I_inを確実に故障閾値以下とすることができる。
【0027】
以上、本開示を適用した車両用灯具を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0028】
例えば、オープン検出回路231はトランジスタをバイパススイッチとして機能させる回路構成の一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、オープン検出回路231はMOS-FETをバイパススイッチとして機能させる回路構成であってもよい。
【0029】
また、例えば、車両用灯具が前照灯として組み込まれている一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、車両用灯具が尾灯として組み込まれるものであってもよい。
【0030】
また、例えば、発光素子31が、LEDからなる一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、発光素子31が半導体レーザーからなるものであってもよい。この場合、ヘッドランプユニットは、擬似白色を形成するために、例えば、青色レーザーダイオードと、黄色蛍光体と、が設けられ、青色光と、黄色光とを凸レンズで集光し、集光させた光を凹レンズで拡散して出射させればよい。
【0031】
また、例えば、3個の発光素子31が直列に接続され、3個の発光素子31のうち発光素子31Aにバイパス回路21が並列に接続されている一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、4個以上の複数の発光素子31が直列に接続され、4個以上の複数の発光素子31のうち2個の発光素子31にバイパス回路21が並列に接続されていてもよい。つまり、バイパス回路21は、複数の発光素子31の少なくとも一部の発光素子31に並列に接続されていればよい。
【符号の説明】
【0032】
1 車載バッテリー
2 点灯スイッチ
3 制御部
4 ECU
11 電源部
11a~11d 端子
21 バイパス回路
22 バイパス駆動回路
23 フェールセーフ回路、231 オープン検出回路、232 バイパス停止回路
24 電流制御回路
31,31A~31C 発光素子
I_in 入力電流
V_in 入力電圧
Vf 順方向電圧
VB ブレークダウン電圧
D1 ダイオード
TVS1 過渡電圧抑制ダイオード
ZD1 ツェナーダイオード
Q1~Q6 スイッチング素子
C1~C3 コンデンサ
R1~R10 抵抗