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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20220830BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20220830BHJP
【FI】
B62D25/20 G
B60K1/04 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018177348
(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2020045069
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】平野 清隆
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 元哉
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-002249(JP,A)
【文献】特開2007-015591(JP,A)
【文献】実開昭47-018226(JP,U)
【文献】特開2013-103635(JP,A)
【文献】特開2008-285149(JP,A)
【文献】実開平03-053384(JP,U)
【文献】特開2012-096789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0217297(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016212297(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/20
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に搭載されたバッテリユニットを備える車体構造であって、
当該車体構造はさらに、
車両の床面を構成するフロアパネルと、
前記フロアパネルの左右両側に沿って前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、
前記フロアパネルの下側で前記一対のフロアサイドメンバの間に差し渡されるクロスメンバとを備える車体構造において、
前記一対のフロアサイドメンバに接合され前記バッテリユニットの後端部の左右両側を把持し該バッテリユニットを前記クロスメンバの前方に支持する一対の支持ブラケットと、
前記クロスメンバと前記バッテリユニットの後端部とをつなぎあるいは前記クロスメンバと前記一対の支持ブラケットのいずれか一方とをつなぐラテラルロッドとを備え、
前記ラテラルロッドは、前記バッテリユニットの車幅方向中央を通って車両前後方向に延びる中心線を跨いでいることを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前記クロスメンバは、
車幅方向に延びる本体部と、該本体部の両端および前記一対のフロアサイドメンバにそれぞれ接合され該本体部を車幅方向外側に延長する該本体部よりも剛性の高い一対のエクステンションとを有し、
前記ラテラルロッドは、前記一対のエクステンションのいずれか一方に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
【請求項3】
前記一対のエクステンションのいずれか一方のうち前記ラテラルロッドが取付けられた箇所は、凹状に湾曲していることを特徴とする請求項2に記載の車体構造。
【請求項4】
当該車体構造はさらに、前記一対のフロアサイドメンバに接合され後輪を懸架する一対のリヤサスペンションブラケットを備え、
前記一対のリヤサスペンションブラケットは、前記一対の支持ブラケットそれぞれの車幅方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車体構造。
【請求項5】
車体に搭載されたバッテリユニットを備える車体構造であって、
当該車体構造はさらに、
車両の床面を構成するフロアパネルと、
前記フロアパネルの左右両側に沿って前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、
前記フロアパネルの下側で前記一対のフロアサイドメンバの間に差し渡されるクロスメンバとを備える車体構造において、
前記バッテリユニットの左右両側に設けられそれぞれ車幅方向外側に張り出している一対のフランジと、
前記一対のフロアサイドメンバおよび前記一対のフランジに接合され前記バッテリユニットの後端部の左右両側を前記一対のフランジを介して把持し該バッテリユニットを前記クロスメンバの前方に支持する一対の支持ブラケットと、
前記クロスメンバと前記一対のフランジのいずれか一方とをつなぐラテラルロッドとを備え、
前記ラテラルロッドは、前記バッテリユニットの車幅方向中央を通って車両前後方向に延びる中心線を跨いでいることを特徴とする車体構造。
【請求項6】
車体に搭載されたバッテリユニットを備える車体構造であって、
当該車体構造はさらに、
車両の床面を構成するフロアパネルと、
前記フロアパネルの左右両側に沿って前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、
前記フロアパネルの下側で前記一対のフロアサイドメンバの間に差し渡されるクロスメンバとを備える車体構造において、
前記一対のフロアサイドメンバに接合され前記バッテリユニットの後端部の左右両側を把持し該バッテリユニットを前記クロスメンバの前方に支持する一対の支持ブラケットと、
前記バッテリユニットの車幅方向中央を通って車両前後方向に延びる中心線よりも車幅方向右側で前記クロスメンバと前記バッテリユニットの後端部とをつなぎあるいは前記クロスメンバと前記一対の支持ブラケットのうち右側の右支持ブラケットとをつなぐ右連結バーと、
前記バッテリユニットの中心線よりも車幅方向左側で前記クロスメンバと前記バッテリユニットの後端部とをつなぎあるいは前記クロスメンバと前記一対の支持ブラケットのうち左側の左支持ブラケットとをつなぐ左連結バーとを備え、
前記右連結バーおよび左連結バーはいずれも、前記クロスメンバに近づくほど前記バッテリユニットの中心線に近づくように前記クロスメンバに対して傾斜していて、
前記右連結バーと前記クロスメンバとが成す角度のうち、車幅方向右側の角度は45度未満であり、
前記左連結バーと前記クロスメンバとが成す角度のうち、車幅方向左側の角度は45度未満であることを特徴とする車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV車)には、バッテリユニットが搭載されている。バッテリユニットは、車体骨格に接合されたブラケットなどによって支持され、例えば車両の床面を構成するフロアパネルの下方に配置されている。
【0003】
特許文献1に記載の電気自動車は、車体の下部に配置される左右一対のサイドメンバを含むフレーム構体と、車体の下方からフレーム構体に取付けられるバッテリユニットとを備える。バッテリユニットの下部には、複数の桁部材が設けられている。複数の桁部材は、車両前後方向に離間していて車体の幅方向に延び、一対のサイドメンバ間にわたって配置されている。これらの複数の桁部材は、バッテリユニットの荷重を支持可能な強度を有する金属材料(例えば鋼板)によって構成され、ボルトなどによりサイドメンバに固定されている。
【0004】
特許文献1では、バッテリユニットに設けられた桁部材がクロスメンバに相当する剛性部材として機能するため、車体の剛性を高めることができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-96789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし車体に搭載されるバッテリユニットは、慣性重量が大きい重量物である。このため、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニットは、振動(運動)する車体に追従せず、車体骨格とは異なる運動を行い、車体骨格との相対的な回転ずれを生じる可能性がある。したがって、バッテリユニットが搭載された車体構造では、車体に捩じれ振動が生じた場合、車体骨格に過剰な負荷(例えばせん断応力)がかかったり、室内に騒音が生じたり、操縦安定性が低下したりするなどの問題があった。
【0007】
特許文献1の電気自動車は、バッテリユニットの下部に設けた桁部材を、車体骨格としての一対のサイドメンバ間にわたって配置しているに過ぎず、車体に捩じれ振動が生じた場合の対策としては改善の余地がある。
【0008】
さらにこの電気自動車では、バッテリユニットと一対のサイドメンバとの間で桁部材が車幅方向に延びている。このため、この電気自動車では、バッテリユニットと一対のサイドメンバとの間に桁部材を配置するためのスペースを確保しなければならない。したがって、この電気自動車では、バッテリユニットの車幅方向の寸法を大きくすることが困難であり、バッテリ容量を増やすことができず、航続距離を長くすることができない。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み、バッテリ容量を確保しつつ、車体に捩じれ振動が生じた場合に、車体骨格に過剰な負荷がかかることを防止し、室内の騒音を低減し、さらに操縦安定性の低下を回避できる車体構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかる車体構造の代表的な構成は、車体に搭載されたバッテリユニットを備える車体構造であって、車体構造はさらに、車両の床面を構成するフロアパネルと、フロアパネルの左右両側に沿って前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、フロアパネルの下側で一対のフロアサイドメンバの間に差し渡されるクロスメンバとを備える車体構造において、一対のフロアサイドメンバに接合されバッテリユニットの後端部の左右両側を把持しバッテリユニットをクロスメンバの前方に支持する一対の支持ブラケットと、クロスメンバとバッテリユニットの後端部とをつなぎあるいはクロスメンバと一対の支持ブラケットのいずれか一方とをつなぐラテラルロッドとを備え、ラテラルロッドは、バッテリユニットの車幅方向中央を通って車両前後方向に延びる中心線を跨いでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バッテリ容量を確保しつつ、車体に捩じれ振動が生じた場合に、車体骨格に過剰な負荷がかかることを防止し、室内の騒音を低減し、さらに操縦安定性の低下を回避できる車体構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係る車体構造を概略的に示す図である。
図2図1の車体構造を下方から見てその一部を拡大して示す図である。
図3図2の車体構造の矢視図である。
図4図2の車体構造の矢視図である。
図5】本発明の他の実施例に係る車体構造を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施の形態に係る車体構造の代表的な構成は、車体に搭載されたバッテリユニットを備える車体構造であって、車体構造はさらに、車両の床面を構成するフロアパネルと、フロアパネルの左右両側に沿って前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、フロアパネルの下側で一対のフロアサイドメンバの間に差し渡されるクロスメンバとを備える車体構造において、一対のフロアサイドメンバに接合されバッテリユニットの後端部の左右両側を把持しバッテリユニットをクロスメンバの前方に支持する一対の支持ブラケットと、クロスメンバとバッテリユニットの後端部とをつなぎあるいはクロスメンバと一対の支持ブラケットのいずれか一方とをつなぐラテラルロッドとを備え、ラテラルロッドは、バッテリユニットの車幅方向中央を通って車両前後方向に延びる中心線を跨いでいることを特徴とする。
【0014】
車体に搭載されるバッテリユニットは、慣性重量が大きい重量物である。このため、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニットは振動(運動)する車体に追従せず、車体骨格とは異なる運動を行い、結果的に車体骨格との相対的な回転ずれを生じてしまう。よってバッテリユニットが搭載された電気自動車などでは、車体に捩じれ振動が生じた場合、車体骨格に過剰な負荷がかかったり、室内に騒音が生じたり、操縦安定性が低下したりする可能性がある。
【0015】
そこで本発明では、車体骨格としてのフロアサイドメンバの間に差し渡された車体のクロスメンバと、バッテリユニットの後端部または一対の支持ブラケットのいずれか一方とをラテラルロッドでつなぐ構成を採用した。さらにラテラルロッドは、バッテリユニットの中心線を跨ぐように配置した。なお支持ブラケットは、バッテリユニットを支持しているため、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニットと一体的に動くことになる。
【0016】
このようにすれば、車体のクロスメンバでのラテラルロッドの取付部分は、車体の捩じれ振動に合わせてラテラルロッドを押したり引いたりする。それに応じてバッテリユニットの後端部または支持ブラケットがラテラルロッドによって押されたり引かれたりする。そのため、バッテリユニットは、振動する車体に追従してこれと相当程度に同じ動きをするようになる。
【0017】
つまり、ラテラルロッドは、バッテリユニットを支持しその支持荷重を車体骨格に確実に伝達することで、車体に捩じれ振動が生じた場合、車体骨格とバッテリユニットとの運動を相当程度に同調させる機能を有する。したがって本発明によれば、バッテリユニットが搭載された車体に捩じれ振動が生じた場合、車体骨格に過剰な負荷がかかることを防止し、室内の騒音を低減し、さらに操縦安定性が低下することも回避できる。
【0018】
また上記構成では、クロスメンバの前方に位置しクロスメンバに対向するバッテリユニットの後端部または支持ブラケットと、クロスメンバとの間をラテラルロッドでつないでいる。ラテラルロッドは、棒状の部材であるため、バッテリユニットの後端部または支持ブラケットと、クロスメンバとの車両前後方向の間隔を小さくしても取付け可能である。このため、上記構成によれば、バッテリユニットをクロスメンバ側すなわち車両後方に拡張してバッテリ容量を増やすこともでき、電気自動車の航続距離を長くできる。
【0019】
上記のクロスメンバは、車幅方向に延びる本体部と、本体部の両端および一対のフロアサイドメンバにそれぞれ接合され本体部を車幅方向外側に延長する本体部よりも剛性の高い一対のエクステンションとを有し、ラテラルロッドは、一対のエクステンションのいずれか一方に取付けられているとよい。
【0020】
ここでエクステンションは、例えば板厚を大きくするなどして、本体部よりも剛性を高めた部材である。またエクステンションは、クロスメンバの本体部よりも車幅方向外側に位置していて、車体骨格であるフロアサイドメンバにより近い位置にある。このため、エクステンションにラテラルロッドを取付けることにより、ラテラルロッドの長さをより長く設定でき、さらにラテラルロッドからの荷重を車体骨格に伝達し易くできる。したがって上記構成によれば、ラテラルロッドの機能を十分に発揮させて、車体骨格とバッテリユニットとの運動をより同調させることができる。
【0021】
上記の一対のエクステンションのいずれか一方のうちラテラルロッドが取付けられた箇所は、凹状に湾曲しているとよい。これにより、エクステンションの凹面がラテラルロッドからの荷重を受けるので、荷重が分散し易くなる。そのため、ラテラルロッドは、バッテリユニットの支持荷重を車体のクロスメンバに確実に伝達することができる。
【0022】
上記の車体構造はさらに、一対のフロアサイドメンバに接合され後輪を懸架する一対のリヤサスペンションブラケットを備え、一対のリヤサスペンションブラケットは、一対の支持ブラケットそれぞれの車幅方向外側に配置されているとよい。
【0023】
リヤサスペンションブラケットは、後輪を懸架するブラケットであるため、高い剛性でフロアサイドメンバに固定されている。このため、フロアサイドメンバのうちリヤサスペンションブラケットの周囲は特に剛性が高められている。また支持ブラケットは、フロアサイドメンバに固定されていて、さらにバッテリユニットを支持している。このため、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニットおよび支持ブラケットは一体的に動きつつ、ラテラルロッドの機能により車体の運動と同調しようとする。上記構成では、一対の支持ブラケットそれぞれの車幅方向外側に、リヤサスペンションブラケットが配置されている。このため、ラテラルロッドからの荷重は、バッテリユニットおよび支持ブラケットからリヤサスペンションブラケットを介して車体骨格として剛性の高いフロアサイドメンバに確実に伝達される。したがってラテラルロッドの機能が十分に発揮され、車体骨格とバッテリユニットとの運動をより同調させることができる。
【0024】
本発明の一実施の形態に係る車体構造の他の代表的な構成は、車体に搭載されたバッテリユニットを備える車体構造であって、車体構造はさらに、車両の床面を構成するフロアパネルと、フロアパネルの左右両側に沿って前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、フロアパネルの下側で一対のフロアサイドメンバの間に差し渡されるクロスメンバとを備える車体構造において、バッテリユニットの左右両側に設けられそれぞれ車幅方向外側に張り出している一対のフランジと、一対のフロアサイドメンバおよび一対のフランジに接合されバッテリユニットの後端部の左右両側を一対のフランジを介して把持しバッテリユニットをクロスメンバの前方に支持する一対の支持ブラケットと、クロスメンバと一対のフランジのいずれか一方とをつなぐラテラルロッドとを備え、ラテラルロッドは、バッテリユニットの車幅方向中央を通って車両前後方向に延びる中心線を跨いでいることを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、車体のクロスメンバと、バッテリユニットに設けられた一対のフランジのいずれか一方とをラテラルロッドでつなぎ、さらにラテラルロッドをバッテリユニットの中心線を跨ぐように配置した。このようにすれば、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニットに設けられたフランジがラテラルロッドによって押されたり引かれたりするため、バッテリユニットは、振動する車体と相当程度に同じ動きをするようになる。つまりラテラルロッドは、車体骨格とバッテリユニットとの運動を同調させる機能を有する。
【0026】
またバッテリユニットに設けられた一対のフランジは、車幅方向外側に張り出しているため、張り出した方向がラテラルロッドからの荷重の方向にほぼ一致していて、さらに車体骨格であるフロアサイドメンバにより近い位置にある。このため、ラテラルロッドからの荷重は、フランジから支持ブラケットに伝達され、さらに車体骨格としてのフロアサイドメンバにまで確実に伝達される。したがって本発明によれば、バッテリユニットが搭載された車体に捩じれ振動が生じた場合に、車体骨格に過剰な負荷がかかることを防止し、室内の騒音を低減し、操縦安定性が低下することも回避できる。
【0027】
さらにラテラルロッドは、棒状の部材であるため、車体のクロスメンバと、バッテリユニットに設けられた一対のフランジのいずれか一方との車両前後方向の間隔を小さくしても取付け可能である。このため、上記構成によれば、バッテリユニットをクロスメンバ側すなわち車両後方に拡張してバッテリ容量を増やすこともでき、電気自動車の航続距離を長くできる。
【0028】
本発明の一実施の形態に係る車体構造のさらに他の代表的な構成は、車体に搭載されたバッテリユニットを備える車体構造であって、車体構造はさらに、車両の床面を構成するフロアパネルと、フロアパネルの左右両側に沿って前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、フロアパネルの下側で一対のフロアサイドメンバの間に差し渡されるクロスメンバとを備える車体構造において、一対のフロアサイドメンバに接合されバッテリユニットの後端部の左右両側を把持しバッテリユニットをクロスメンバの前方に支持する一対の支持ブラケットと、バッテリユニットの車幅方向中央を通って車両前後方向に延びる中心線よりも車幅方向右側でクロスメンバとバッテリユニットの後端部とをつなぎあるいはクロスメンバと一対の支持ブラケットのうち右側の右支持ブラケットとをつなぐ右連結バーと、バッテリユニットの中心線よりも車幅方向左側でクロスメンバとバッテリユニットの後端部とをつなぎあるいはクロスメンバと一対の支持ブラケットのうち左側の左支持ブラケットとをつなぐ左連結バーとを備え、右連結バーおよび左連結バーはいずれも、クロスメンバに近づくほどバッテリユニットの中心線に近づくようにクロスメンバに対して傾斜していて、右連結バーとクロスメンバとが成す角度のうち、車幅方向右側の角度は45度未満であり、左連結バーとクロスメンバとが成す角度のうち、車幅方向左側の角度は45度未満であることを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、バッテリユニットの中心線の車幅方向右側では、右連結バーを用いて、クロスメンバとバッテリユニットの後端部とをつなぎあるいはクロスメンバと右支持ブラケットとをつないでいる。さらにバッテリユニットの中心線の車幅方向左側では、左連結バーを用いて、クロスメンバとバッテリユニットの後端部とをつなぎあるいはクロスメンバと左支持ブラケットとをつないでいる。そして、右連結バーおよび左連結バーはいずれも、クロスメンバに向かうほどバッテリユニットの中心線に近づくように傾斜していて、クロスメンバに対して45度未満の角度を成している。
【0030】
このようにすれば、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニットの後端部または一対の支持ブラケットが、右連結バーおよび左連結バーによって押されたり引かれたりする。このため、バッテリユニットは、振動する車体と相当程度に同じ動きをするようになる。つまり、右連結バーおよび左連結バーは、車体骨格とバッテリユニットとの運動を相当程度に同調させる機能を有する。しかも右連結バーおよび左連結バーは、バッテリユニットの中心線の車幅方向右側と車幅方向左側に配置され、さらにクロスメンバに対して45度未満の角度で傾斜しているため、その長さも長く設定できる。このため、右連結バーおよび左連結バーは、車体の捩じれ(回転)の2方向のうちいずれの方向に対しても機能を十分に発揮し、車体骨格とバッテリユニットとの運動をより同調させることができる。したがって本発明によれば、バッテリユニットが搭載された車体に捩じれ振動が生じた場合に、車体骨格に過剰な負荷がかかることを防止し、室内の騒音を低減し、操縦安定性が低下することも回避できる。
【0031】
さらに右連結バーおよび左連結バーは、クロスメンバに対して45度未満の角度で傾斜した棒状の部材であるため、クロスメンバとバッテリユニットの後端部あるいは一対の支持ブラケットとの車両前後方向の間隔を小さくしても取付け可能である。このため、上記構成によれば、バッテリユニットをクロスメンバ側すなわち車両後方に拡張してバッテリ容量を増やすこともでき、電気自動車の航続距離を長くできる。
【実施例
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0033】
図1は、本発明の実施例に係る車体構造100を概略的に示す図である。図2は、図1の車体構造100を下方から見てその一部を拡大して示す図である。なお以下各図において、車両前後方向をそれぞれ矢印Fr、Back、車幅方向の左右をそれぞれ矢印Left、Right、車両上下方向をそれぞれ矢印Up、Downで例示する。
【0034】
車体構造100は、図1に示すバッテリユニット102が搭載された車体すなわち電気自動車(EV車)に適用される。車体構造100は、車両の床面を構成するフロアパネル104と、一対のフロアサイドメンバ106、108と、クロスメンバ110とを備えている。フロアパネル104は、リヤフロアパネル112とメインフロアパネル114とを含んで構成されている。
【0035】
リヤフロアパネル112は、車体後部の床面を構成し、さらに不図示のスペアタイヤを収容する下方に凹んだスペアタイヤハウス116を形成している。メインフロアパネル114は、リヤフロアパネル112の車両前側に位置し、リヤフロアパネル112に接合されていて、スペアタイヤハウス116よりも車両前側の床面を構成している。
【0036】
一対のフロアサイドメンバ106、108は、車体骨格を構成する部材の一つであって、リヤフロアパネル112およびメインフロアパネル114の左右両側に沿って前後方向に延び、車幅方向に離間して配置されている。なお一対のフロアサイドメンバ106、108それぞれの車両外側には、車両前後方向に延びる一対のサイドシル118、120が配置されている。
【0037】
クロスメンバ110は、フロアパネル104の下側で一対のフロアサイドメンバ106、108の間に差し渡されていて、ここではリヤフロアパネル112とメインフロアパネル114との境界の下側に位置している。クロスメンバ110は、図2に示すように車幅方向に延びる本体部122と、一対のエクステンション124、126とを有する。
【0038】
一対のエクステンション124、126は、本体部122の両端および一対のフロアサイドメンバ106、108にそれぞれ接合され、本体部122を車幅方向外側に延長する。また、一対のエクステンション124、126は、例えば板厚を大きくするなどしてあるため、本体部122よりも剛性が高い。さらに、一対のエクステンション124、126は、クロスメンバ110の本体部122よりも車幅方向外側に位置しているため、車体骨格である一対のフロアサイドメンバ106、108により近い位置にある。
【0039】
ここで電気自動車においては、バッテリユニット102の設置スペースを十分に確保することで、バッテリ容量を増やして航続距離を長くできる。その一方で、バッテリユニット102を搭載した車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニット102は慣性重量が大きい重量物であるため、振動(運動)する車体に追従せず、車体骨格とは異なる運動を行う。その結果として、車体においてバッテリユニット102と車体骨格との相対的な回転ずれを生じ、車体骨格に過剰な負荷(例えばせん断応力)がかかったり、室内に騒音が生じたり、操縦安定性が低下したりする可能性があった。
【0040】
そこで車体構造100では、車体に捩じれ振動が生じた場合に、車体骨格とバッテリユニット102との運動を相当程度に同調させることができる構成を採用した。すなわち車体構造100は、ラテラルロッド128をさらに備える。ラテラルロッド128は、図2に示すように、車体骨格としての一対のフロアサイドメンバ106、108の間に差し渡されたクロスメンバ110と、バッテリユニット102の後端部130とをつないでいる。またラテラルロッド128は、クロスメンバ110とバッテリユニット102の後端部130とをつないだ状態で、バッテリユニット102の中心線Aを跨いでいる。中心線Aは、バッテリユニット102の車幅方向中央を通って車両前後方向に延びている。
【0041】
車体構造100はさらに、図2に示す一対のフランジ132、134と、一対の支持ブラケット136、138と、一対のリヤサスペンションブラケット140、142とを備える。一対のフランジ132、134は、バッテリユニット102の左右両側に設けられそれぞれ車幅方向外側に張り出していて、車体骨格である一対のフロアサイドメンバ106、108により近い位置にある。また一対のフランジ132、134は、バッテリユニット102に設けられているため、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニット102と一体的に動くことになる。
【0042】
一対の支持ブラケット136、138は、一対のフロアサイドメンバ106、108および一対のフランジ132、134に接合されている。そして一対の支持ブラケット136、138は、バッテリユニット102の後端部130の左右両側を一対のフランジ132、134を介して把持し、バッテリユニット102をメインフロアパネル114の下方かつクロスメンバ110の前方に支持する。また一対の支持ブラケット136、138は、バッテリユニット102を支持しているため、車体に捩じれ振動が生じた場合、一対のフランジ132、134とともにバッテリユニット102と一体的に動くことになる。
【0043】
一対のリヤサスペンションブラケット140、142は、不図示の後輪を懸架するブラケットであり、一対のフロアサイドメンバ106、108に高い剛性で固定されている。
このため、一対のフロアサイドメンバ106、108のうち一対のリヤサスペンションブラケット140、142の周囲は、特に剛性が高められている。また、一対のリヤサスペンションブラケット140、142は、図2に示すように一対の支持ブラケット136、138それぞれの車幅方向外側、すなわちバッテリユニット102の後端部130の車幅方向外側に配置されている。
【0044】
図3は、図2の車体構造100のB矢視図である。図4は、図2の車体構造100のC矢視図である。ラテラルロッド128は、棒状の部材であり、その両端には取付ブラケット144、146がそれぞれ取付けられている(図2参照)。
【0045】
図3に示すラテラルロッド128の取付ブラケット144は、バッテリユニット102の後端部130のうちフランジ132に近い角部148に下方からボルトなどによって取付けられ固定される。図4に示すラテラルロッド128の取付ブラケット146は、クロスメンバ110のうちフロアサイドメンバ108により近い位置にあるエクステンション126に下方からボルトなどによって取付けられ固定される。エクステンション126は、図4に示すように凹状すなわち車両上方に向かって凸形状に湾曲している。
【0046】
このようにラテラルロッド128は、バッテリユニット102の後端部130およびクロスメンバ110のエクステンション126に下方からアクセスしてボルトなどによって容易に固定できる。さらに、棒状の部材であるラテラルロッド128は、バッテリユニット102の後端部130とクロスメンバ110のエクステンション126との車両前後方向の間隔を小さくしても取付け可能である。したがって車体構造100では、バッテリユニット102をクロスメンバ110側すなわち車両後方に拡張してバッテリ容量を増やすことができ、電気自動車の航続距離を長くできる。
【0047】
また車体構造100では、バッテリユニット102と一対のフロアサイドメンバ106、108との間を車幅方向に延びる適宜の部材でつなぐような構成を採用していない。よって車体構造100では、車幅方向に延びる部材を配置するためのスペースを確保する必要がないため、バッテリユニット102の車幅方向の寸法を小さくする必要もなく、バッテリ容量を確保できる。
【0048】
さらにバッテリユニット102は、ラテラルロッド128の取付ブラケット144を角部148に予め取付けた後、車体に搭載される。そしてバッテリユニット102を車体に搭載した後、ラテラルロッド128の取付ブラケット146をエクステンション126に取付ける。このようにして車体構造100では、バッテリユニット102を車体に搭載しつつ、バッテリユニット102の後端部130およびクロスメンバ110のエクステンション126にラテラルロッド128を取付けることができる。
【0049】
つぎに車体に捩じれ振動が生じた場合での、車体構造100の挙動について説明する。車体に捩じれ振動が生じると、車体のクロスメンバ110のうちラテラルロッド128が取付けられたエクステンション126は、車体の捩じれ振動に合わせてラテラルロッド128を押したり引いたりする。それに応じてバッテリユニット102の後端部130がラテラルロッド128によって押されたり引かれたりするため、バッテリユニット102は、振動する車体と相当程度に同じ動きをするようになる。
【0050】
つまり、ラテラルロッド128は、バッテリユニット102を支持しその支持荷重を車体骨格に確実に伝達することで、車体に捩じれ振動が生じた場合、車体骨格とバッテリユニット102との運動を相当程度に同調させる機能を有する。またフロアサイドメンバ108により近い位置にあるエクステンション126にラテラルロッド128を取付けることにより、ラテラルロッド128の長さをより長く設定できる。さらにエクステンション126は、本体部122よりも剛性が高く、さらに車体骨格であるフロアサイドメンバ108に接合されている。このため、ラテラルロッド128からの荷重がエクステンション126を介して車体骨格に伝達され易くなり、車体骨格とバッテリユニット102との運動をより同調させることができる。
【0051】
また、エクステンション126が凹状に湾曲しているため、ラテラルロッド128からの荷重をエクステンション126の凹面で受けることになり、荷重が分散され易い。このため、ラテラルロッド128は、バッテリユニット102の支持荷重を車体のクロスメンバ110に確実に伝達できる。
【0052】
さらに車体構造100では、バッテリユニット102の後端部130の車幅方向外側であって支持ブラケット136、138それぞれの車幅方向外側に、剛性の高いリヤサスペンションブラケット140、142が配置されている。このため、ラテラルロッド128からの荷重は、支持ブラケット136、138およびリヤサスペンションブラケット140、142を介して車体骨格としてのフロアサイドメンバ106、108に確実に伝達される。
【0053】
したがって車体構造100では、ラテラルロッド128の機能が十分に発揮されるため、車体に捩じれ振動が生じた場合、車体骨格とバッテリユニット102との運動をより同調させることができる。その結果、車体構造100では、車体骨格に過剰な負荷がかかることを防止し、室内の騒音を低減し、さらに操縦安定性が低下することも回避できる。
【0054】
なお車体構造100では、クロスメンバ110とバッテリユニット102の後端部130とをラテラルロッド128でつなぐようにしたが、これに限定されない。一例として図3の仮想線Dに示すように、ラテラルロッド128を車幅方向右側に延長し、バッテリユニット102の後端部130に代え、フランジ132または支持ブラケット136にラテラルロッド128を取付けるようにしてもよい。
【0055】
フランジ132は、バッテリユニット102に設けられていて、さらに支持ブラケット136に接合されている。このため、フランジ132および支持ブラケット136は、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニット102と一体的に動くことになる。さらにフランジ132は、車幅方向外側に張り出しているため、張り出した方向がラテラルロッド128からの荷重の方向にほぼ一致している。
【0056】
このため、車体に捩じれ振動が生じた場合、フランジ132または支持ブラケット136がラテラルロッドによって押されたり引かれたりするため、バッテリユニット102は、振動する車体と相当程度に同じ動きをするようになる。つまりラテラルロッド128は、フランジ132または支持ブラケット136に取付けられた場合であっても、車体骨格とバッテリユニット102との運動を同調させることができる。
【0057】
他の例として、クロスメンバ110のエクステンション124(図3参照)とバッテリユニット102の後端部130の角部149(図4参照)とをラテラルロッド128でつなぐようにしてもよい。エクステンション124は、クロスメンバ110のうちフロアサイドメンバ106により近い位置にある。またバッテリユニット102の後端部130の角部149は、フランジ134に近い位置にある。このため、ラテラルロッド128では、取付ブラケット144をエクステンション124に取付けて、取付ブラケット146をバッテリユニット102の後端部130の角部149に取付ければよい。さらに他の例として、クロスメンバ110のエクステンション124とバッテリユニット102の角部149とをつなぐラテラルロッド128を車幅方向左側に延長してもよい。そしてバッテリユニット102の後端部130に代え、フランジ134または支持ブラケット138にラテラルロッド128を取付けるようにしてもよい。このような他の例によるラテラルロッド128であっても、車体に捩じれ振動が生じると、車体骨格とバッテリユニット102との運動を同調させることができる。
【0058】
図5は、本発明の他の実施例に係る車体構造100Aを模式的に示す図である。車体構造100Aでは、図示のように2本の連結バーすなわち右連結バー150および左連結バー152を用いて、クロスメンバ110とバッテリユニット102の後端部130とをそれぞれつないでいる。
【0059】
右連結バー150は、バッテリユニット102の中心線Aの車幅方向右側に位置する取付点Eでバッテリユニット102の後端部130に取付けられている。また、右連結バー150は、中心線Aの車幅方向右側に位置する取付点Fでクロスメンバ110に取付けられている。さらに右連結バー150は、クロスメンバ110に近づくほどバッテリユニット102の中心線Aに近づくようにクロスメンバ110に対して傾斜している。そして、右連結バー150とクロスメンバ110とが成す角度のうち、車幅方向右側の角度θaは45度未満となっている。
【0060】
左連結バー152は、バッテリユニット102の中心線Aの車幅方向左側に位置する取付点Gでバッテリユニット102の後端部130に取付けられている。また、左連結バー152は、中心線Aの車幅方向左側に位置する取付点Hでクロスメンバ110に取付けられている。さらに左連結バー152は、クロスメンバ110に近づくほどバッテリユニット102の中心線Aに近づくようにクロスメンバ110に対して傾斜している。そして、左連結バー152とクロスメンバ110とが成す角度のうち、車幅方向左側の角度θbは45度未満となっている。
【0061】
このような車体構造100Aでは、車体に捩じれ振動が生じた場合、バッテリユニット102の後端部130が右連結バー150および左連結バー152によって押されたり引かれたりする。このため、バッテリユニット102は、振動する車体と相当程度に同じ動きをするようになる。つまり、右連結バー150および左連結バー152は、車体骨格とバッテリユニット102との運動を相当程度に同調させる機能を有する。しかも右連結バー150および左連結バー152は、バッテリユニット102の中心線Aの車幅方向右側と車幅方向左側に配置され、さらにクロスメンバ110に対して45度未満の角度θa、角度θbで傾斜しているため、その長さも長く設定できる。
【0062】
このため、右連結バー150および左連結バー152は、車体の捩じれ(回転)の2方向のうちいずれの方向に対しても機能を十分に発揮し、車体骨格とバッテリユニット102との運動をより同調させることができる。したがって車体構造100Aによれば、車体に捩じれ振動が生じた場合に、車体骨格に過剰な負荷がかかることを防止し、室内の騒音を低減し、操縦安定性が低下することも回避できる。
【0063】
さらに右連結バー150および左連結バー152は、クロスメンバ110に対して45度未満の角度で傾斜した棒状の部材である。このため、右連結バー150および左連結バー152は、クロスメンバ110とバッテリユニット102の後端部130との車両前後方向の間隔を小さくしても取付け可能である。したがって車体構造100Aによれば、バッテリユニット102をクロスメンバ110側すなわち車両後方に拡張してバッテリ容量を増やすこともでき、電気自動車の航続距離を長くできる。
【0064】
なお一例として、右連結バー150は、車幅方向右側に延長することで、バッテリユニット102の後端部130に代え、図2に示す中心線Aよりも車幅方向右側に位置するフランジ132または支持ブラケット136に取付けるようにしてもよい。また左連結バー152は、車幅方向左側に延長することで、バッテリユニット102の後端部130に代え、図2に示す中心線Aよりも車幅方向左側に位置するフランジ134または支持ブラケット138に取付けるようにしてもよい。このような場合であっても、右連結バー150および左連結バー152は、車体骨格とバッテリユニット102との運動を同調させることができる。
【0065】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、車体構造に利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
100、100A…車体構造、102…バッテリユニット、104…フロアパネル、106、108…フロアサイドメンバ、110…クロスメンバ、112…リヤフロアパネル、114…メインフロアパネル、116…スペアタイヤハウス、118、120…サイドシル、122…クロスメンバの本体部、124、126…エクステンション、128…ラテラルロッド、130…バッテリユニットの後端部、132、134…フランジ、136、138…支持ブラケット、140、142…リヤサスペンションブラケット、144、146…ラテラルロッドの取付ブラケット、148、149…バッテリユニットの角部、150、152…連結バー
図1
図2
図3
図4
図5