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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 21/18 20060101AFI20220830BHJP
   B62K 21/04 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
B62K21/18
B62K21/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018236199
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2020097314
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100161953
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 敬直
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 慶
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186940(JP,A)
【文献】特開2003-267284(JP,A)
【文献】特開昭63-43884(JP,A)
【文献】国際公開第2012/085976(WO,A1)
【文献】特開2012-96616(JP,A)
【文献】特開2009-90696(JP,A)
【文献】特開2015-205610(JP,A)
【文献】特開昭62-34883(JP,A)
【文献】国際公開第2013/073566(WO,A1)
【文献】特開2005-96764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 21/00 - 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから左右に分岐して後方に延びる左右一対のメインフレームと、を有する車体フレームと、
前記車体フレームの前方に配置される前輪と、
前記ヘッドパイプに軸支され、前記前輪を回転可能に支持するステアリング機構と、を備え、
前記車体フレームの前面には、走行風を導入する吸気口が設けられ、
前記車体フレームの内部には、前記吸気口から導入された走行風を後方に導く導風通路が設けられ、
前記ステアリング機構は、
前記前輪が回転可能に取り付けられる左右一対のチューブと、
前記左右一対のチューブを繋ぐロアブリッジと、
前記ロアブリッジから上方に向かって延びており、前記ヘッドパイプに挿入されるステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトに取り付けられるトップブリッジと、
前記トップブリッジに取り付けられる左右一対のハンドルと、を備え、
前記トップブリッジは、
左右方向に沿って延びる上面部と、
前記上面部から前記吸気口の左右方向外側を通過して下方に延びる左右一対の側面部と、を備え、
前記上面部は、前記ステアリングシャフトに固定され、
前記各側面部は、前記ロアブリッジに固定されていることを特徴とする鞍乗型車両。
【請求項2】
前記トップブリッジは、前方に向かって湾曲する左右一対の湾曲部を有し、
前記各ハンドルは、前記各湾曲部の内面に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記各湾曲部の少なくとも一部は、前記吸気口よりも前方に配置され、
車両前面視で、前記各湾曲部の間に、前記吸気口が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記各側面部の下端部は、前記前輪の上端部よりも下方に位置していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
バッテリと、
前記ヘッドパイプの後方且つ前記各メインフレームの間に配置され、前記バッテリを収容するバッテリケースと、を備え、
前記バッテリケースには、前記導風通路から走行風を導入する導入口が設けられ、
前記導風通路には、走行風の流れ方向において前記導入口よりも上流側に、異物を除去するためのフィルタが配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記導風通路には、前記フィルタの下側か、又は、走行風の流れ方向において前記フィルタよりも上流側に、水抜き孔が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
バッテリと、
前記ヘッドパイプの後方且つ前記各メインフレームの間に配置され、前記バッテリを収容するバッテリケースと、を備え、
前記バッテリケースの前面及び両側面には、前記導風通路から走行風を導入する導入口が設けられていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記導風通路は、
前記バッテリケースの前記前面の前記導入口へと走行風を導く前方通路と、
走行風の流れ方向において前記前方通路よりも下流側に設けられ、前記バッテリケースの前記両側面の前記導入口へと走行風を導く左右一対の側方通路と、を有し、
前記各側方通路は、前記各メインフレームの内面に設けられた凹部と前記バッテリケースの前記両側面の間に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗型車両。
【請求項9】
冷却液を冷却する熱交換器を更に備え、
前記熱交換器には、前面から後面まで延びる複数の貫通穴が設けられ、
前記バッテリケースの後面には、前記導入口から導入された走行風を排出する排出口が前記熱交換器の前方に設けられていることを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
前記トップブリッジは、前記各側面部と前記ロアブリッジを繋ぐ左右一対の接続部を備え、
前記各接続部は、前記吸気口の下方を通過していることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータやガソリンエンジンが発生させる駆動力によって走行する鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鞍乗型車両は、車体フレームの前面に吸気口を備えており、この吸気口から導入される走行風によって、バッテリの冷却やガソリンエンジンへの吸気が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、車体フレームを中空状としてその内部に走行風導入通路を形成し、走行風導入通路の前端を走行風導入口として開口せしめた自動二輪車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4083734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような鞍乗型車両において、車体フレームの内部に走行風を効率的に導入するためには、吸気口の開口面積を拡大するのが効果的である。しかしながら、このように吸気口の開口面積を拡大すると、ヘッドパイプの周囲において車体フレームが大型化し、車体フレームが左右のフロントフォークと干渉してしまい、ハンドルの切れ角を十分に確保することができなくなる恐れがある。
【0006】
なお、上記のようにヘッドパイプの周囲において車体フレームが大型化しても、左右のフロントフォークの配置間隔を広くすれば、車体フレームが左右のフロントフォークと干渉するのを抑制することができる。しかしながら、このように左右のフロントフォークの配置間隔を広くすると、左右のフロントフォークを含むステアリング機構の大型化を招いてしまう。その結果、鞍乗型車両の前面投影面積及び重量が増大し、鞍乗型車両の運動性能が低下する恐れがある。
【0007】
そこで、本発明は、鞍乗型車両の運動性能を向上させ、吸気口の開口面積を拡大しつつ、ハンドルの切れ角を十分に確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る鞍乗型車両は、ヘッドパイプと、前記ヘッドパイプから左右に分岐して後方に延びる左右一対のメインフレームと、を有する車体フレームと、前記車体フレームの前方に配置される前輪と、前記ヘッドパイプに軸支され、前記前輪を回転可能に支持するステアリング機構と、を備え、前記車体フレームの前面には、走行風を導入する吸気口が設けられ、前記車体フレームの内部には、前記吸気口から導入された走行風を後方に導く導風通路が設けられ、前記ステアリング機構は、前記前輪が回転可能に取り付けられる左右一対のチューブと、前記左右一対のチューブを繋ぐロアブリッジと、前記ロアブリッジから上方に向かって延びており、前記ヘッドパイプに挿入されるステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトに取り付けられるトップブリッジと、前記トップブリッジに取り付けられる左右一対のハンドルと、を備え、前記トップブリッジは、車幅方向に延びる上面部と、前記上面部から前記吸気口の左右方向外側を通過して下方に延びる左右一対の側面部と、を備え、前記上面部は、前記ステアリングシャフトに固定され、前記各側面部は、前記ロアブリッジに固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、鞍乗型車両の運動性能を向上させ、吸気口の開口面積を拡大しつつ、ハンドルの切れ角を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例に係る電動二輪車を示す左側面図である。
図2】本発明の一実施例に係る電動二輪車の前上部を示す断面図である。
図3】本発明の一実施例に係る電動二輪車において、ステアリング機構とその周辺部を示す断面図である。
図4】本発明の一実施例に係る電動二輪車において、車体フレームとバッテリケースを示す断面図である。
図5】本発明の一実施例に係る電動二輪車において、ステアリング機構とその周辺部を示す正面図である。
図6】本発明の一実施例に係る電動二輪車において、ステアリング機構とその周辺部を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施例に係る電動二輪車の後部を示す左側面図である。
図8】本発明の一実施例に係る電動二輪車において、モータケースとその周辺部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両では、トップブリッジは、車幅方向に延びる上面部と、上面部から吸気口の左右方向外側を通過して下方に延びる左右一対の側面部と、を備え、上面部は、ステアリングシャフトに固定され、各側面部は、ロアブリッジに固定されている。このような構成を採用することで、ロアブリッジから直線的に延びてトップブリッジに接続されるフロントフォークを設けることなく、トップブリッジとロアブリッジを接続することができる。そのため、吸気口の開口面積を拡大することでヘッドパイプの周囲において車体フレームが大型化しても、ハンドルの切れ角を十分に確保することができる。また、上記のようにフロントフォークが不要となるため、鞍乗型車両の前面投影面積及び重量の増大を抑制することができ、鞍乗型車両の運動性能を向上させることができる。
【0012】
また、左右一対のハンドルが取り付けられるトップブリッジがステアリングシャフトとロアブリッジの両方に固定されることで、ハンドル操作によって生じるねじりトルクをステアリングシャフトとロアブリッジの両方で受けることができる。そのため、ハンドル操作によって生じるねじりトルクをステアリングシャフトのみで受ける場合と比較して、ステアリングシャフトに求められる剛性を低下させることができ、ステアリングシャフトの大径化を抑制することができる。そのため、ステアリングシャフトが挿入されるヘッドパイプの大径化も抑制することができ、導風通路の通路面積を確保しやすくなる。
【0013】
更に、上記のようにトップブリッジがステアリングシャフトとロアブリッジの両方に固定されることで、トップブリッジの強度が向上する。これに伴って、強度との兼ね合いでトップブリッジの形状が制約されにくくなり、トップブリッジの形状の自由度が向上する。そのため、吸気口の大きさや形状に合わせてトップブリッジの形状を自由に変更することができる。
【実施例
【0014】
(電動二輪車1)
以下、図1図8に基づき、本発明の一実施例に係る電動二輪車1(鞍乗型車両の一例)について説明する。以下、前後、左右、上下等の方向を示す語は、電動二輪車1のライダーから見た方向を基準として用いる。各図に適宜付される矢印Fr、Rr、L、R、U、Loは、それぞれ電動二輪車1の前方、後方、左方、右方、上方、下方を示している。各図に適宜付される二点鎖線Mは、電動二輪車1の左右方向の中央線を示している。
【0015】
図1を参照して、電動二輪車1は、車体フレーム2と、車体フレーム2の前方に配置されるステアリング機構3及び前輪4と、車体フレーム2の上方に配置されるカバー5と、車体フレーム2の後方に配置されるスイングアーム6、後輪7、ピボット軸8及び電動モータ9と、電動モータ9と後輪7を接続する接続機構13と、電動モータ9を収容するモータケース14と、モータケース14の前方に配置される制御装置15と、モータケース14の側方に配置される左右一対のフートレスト16と、モータケース14の左方に配置される冷却ポンプ17と、モータケース14の上方に配置されるリアサスペンション18及びリンク機構19と、リアサスペンション18及びリンク機構19の上方に配置されるシートレール21及び熱交換器22と、モータケース14及びシートレール21の前方に配置される複数のバッテリ23と、各バッテリ23を収容するバッテリケース24と、を主体として構成されている。なお、冷却ポンプ17と熱交換器22は、電動モータ9及び制御装置15を冷却する冷却機構25を構成している。以下、上記各構成要素について順番に説明する。
【0016】
(車体フレーム2)
図1図4を参照して、車体フレーム2は、例えば、ツインスパーフレームである。車体フレーム2は、ヘッドパイプ26と、ヘッドパイプ26から左右に分岐して後方に延びる左右一対のメインフレーム27と、を有する。
【0017】
車体フレーム2の前面には、ヘッドパイプ26よりも前方に、走行風を導入する吸気口31が設けられている。なお、図2の白抜き矢印及び点線矢印は、吸気口31から導入された走行風の流れ方向を示している。
【0018】
車体フレーム2の内部には、吸気口31から導入された走行風を後方に導く導風通路32が設けられている。以下、導風通路32の説明において「上流側」又は「下流側」と記載する場合には、走行風の流れ方向における「上流側」又は「下流側」を示す。
【0019】
車体フレーム2の導風通路32は、前方通路34と、前方通路34よりも後側(下流側)に設けられる左右一対の側方通路35と、を有している。前方通路34は、吸気口31から二股に分岐してヘッドパイプ26の左右両側を通過し、後方に向かって開放されている。各側方通路35は、各メインフレーム27の内面に設けられた凹部36とバッテリケース24の両側面の間に形成されている。
【0020】
車体フレーム2の導風通路32には、前方通路34と各側方通路35の間に、水や埃等の異物を走行風から除去するためのフィルタ37が配置されている。フィルタ37は、ヘッドパイプ26よりも後側(下流側)に配置されている。導風通路32には、フィルタ37の下側に、水抜き孔38が設けられている。
【0021】
(ステアリング機構3及び前輪4)
図1図2を参照して、ステアリング機構3は、左右一対のチューブ41と、左右一対のチューブ41を繋ぐロアブリッジ42と、ロアブリッジ42から上方に向かって延びるステアリングシャフト43と、ステアリングシャフト43の上端部に取り付けられるトップブリッジ44と、トップブリッジ44に取り付けられる左右一対のハンドル45と、を備えている。
【0022】
ステアリング機構3の各チューブ41は、上下方向に沿って直線状に延びている。各チューブ41の下端部には、前輪4が回転可能に取り付けられている。これにより、ステアリング機構3が前輪4を回転可能に支持している。
【0023】
図5図6を参照して、ステアリング機構3のロアブリッジ42は、車両正面視で略U字状を成している。ロアブリッジ42は、左右一対の挿入部47と、各挿入部47の上端部を繋ぐ連結部48と、を備えている。各挿入部47は、上下方向に沿って直線状に延びている。各挿入部47の内周には、各チューブ41の上部が挿入されている。連結部48は、上方に向かって円弧状に湾曲している。
【0024】
ステアリング機構3のステアリングシャフト43は、上下方向に沿って直線状に延びている。ステアリングシャフト43の下端部は、ロアブリッジ42の連結部48の上端部に固定されている。ステアリングシャフト43は、ヘッドパイプ26に挿入されている。これにより、ステアリング機構3がヘッドパイプ26に軸支されている。ステアリングシャフト43とヘッドパイプ26の間には、ベアリング(図示せず)が配置されている。
【0025】
ステアリング機構3のトップブリッジ44は、上面部50と、上面部50の右下方と左下方に設けられる左右一対の側面部51と、各側面部51とロアブリッジ42を繋ぐ左右一対の接続部52と、を備えている。
【0026】
トップブリッジ44の上面部50は、左右方向に沿って延びている。上面部50の左右方向中央部は、ボルト53を介してステアリングシャフト43の上端部に固定されている。
【0027】
トップブリッジ44の各側面部51は、上面部50から吸気口31の左右方向外側を通過して下方に延びている。各側面部51の上下方向中央部は、ロアブリッジ42の連結部48の左右方向外側を通過している。各側面部51の下端部は、前輪4の上端部よりも下方に位置している。
【0028】
トップブリッジ44の各接続部52は、各側面部51の上部から左右方向内側に向かって延びている。各接続部52は、吸気口31の下方を通過している。各接続部52の左右方向内側の端部は、ロアブリッジ42の連結部48の左右方向両側部に取り付けられている。これにより、各側面部51が各接続部52を介してロアブリッジ42に固定されている。
【0029】
図3図5図6を参照して、トップブリッジ44には、上面部50と各側面部51にわたって、前方に向かって湾曲する左右一対の湾曲部54が設けられている。各湾曲部54の前部は、吸気口31よりも前方に配置されており、各湾曲部54の後部は、吸気口31と前後方向の位置が重なっている。車両前面視で、各湾曲部54の間に、吸気口31が配置されている。各湾曲部54の内面には、ハンドル取付部55が突出している。
【0030】
図5図6を参照して、ステアリング機構3の各ハンドル45は、左右方向外側に向かって下方に傾斜している。各ハンドル45の左右方向内側の部分の前方は、トップブリッジ44の各湾曲部54によって覆われている。各ハンドル45の左右方向内側の端部は、トップブリッジ44の各湾曲部54の内面に設けられたハンドル取付部55に取り付けられている。
【0031】
(カバー5)
図1図2を参照して、カバー5は、車体フレーム2とは別体に設けられており、車体フレーム2に着脱可能に取り付けられている。カバー5は、バッテリケース24の上面を覆っており、カバー5を車体フレーム2から取り外すことで、バッテリケース24に収容された各バッテリ23を交換できるようになっている。
【0032】
カバー5は、バッテリケース24の上方からシートレール21の上方まで前後方向に沿って延びている。カバー5の後端部の上面には、ライダーが座るライダーシート57が固定されている。
【0033】
(スイングアーム6、後輪7及びピボット軸8)
図7図8を参照して、スイングアーム6は、左右方向に延びるベース部61と、ベース部61から後方に向かって延びる左右一対の後方アーム部62と、ベース部61から前方に向かって延びる左右一対の前方アーム部63と、を備えている。各後方アーム部62の後端部には、後輪7が回転可能に取り付けられている。これにより、スイングアーム6が後輪7を回転可能に支持している。各前方アーム部63の前端部は、ピボット軸8に取り付けられている。これにより、ピボット軸8がスイングアーム6を揺動可能に支持している。
【0034】
(電動モータ9)
図7を参照して、電動モータ9は、スイングアーム6の各前方アーム部63の左右方向内側に配置されている。そのため、電動モータ9の左右方向両側は、スイングアーム6の各前方アーム部63によって覆われており、電動モータ9の後側は、スイングアーム6のベース部61によって覆われている。
【0035】
電動モータ9は、車体フレーム2の各メインフレーム27の下端部よりも上方に配置されている。電動モータ9の前端部は、ピボット軸8の前端部よりも後方に位置している。電動モータ9の上端部は、ピボット軸8の上端部よりも下方に位置している。
【0036】
電動モータ9は、モータ軸65を備えている。モータ軸65は、左右方向に沿って延びている。モータ軸65は、ピボット軸8よりも下方且つ後方に配置されている。
【0037】
(接続機構13)
図7を参照して、接続機構13は、ドライブスプロケット81と、ドライブスプロケット81の後方に配置されるドリブンスプロケット82と、ドライブスプロケット81とドリブンスプロケット82に巻き掛けられるチェーン83と、を備えている。ドライブスプロケット81は、変速ギア(図示せず)を介して電動モータ9のモータ軸65に接続されている。ドリブンスプロケット82は、後輪7に固定されている。
【0038】
(モータケース14)
図7図8を参照して、モータケース14の全体は、アルミニウム等の金属によって一体的に形成されている。モータケース14は、車体フレーム2の各メインフレーム27の後方に配置されている。
【0039】
モータケース14の下部には、電動モータ9が収容されている。モータケース14には開閉可能な蓋(図示せず)が取り付けられており、この蓋を開放することで、電動モータ9をモータケース14から取り出せるようになっている。
【0040】
モータケース14の前部には、スイングアーム取付穴91が設けられている。スイングアーム取付穴91は、モータケース14の右側面から左側面まで延びている。スイングアーム取付穴91には、ピボット軸8が左右方向に貫通している。これにより、スイングアーム6がピボット軸8を介してモータケース14の前部に取り付けられている。スイングアーム取付穴91は、電動モータ9のモータ軸65よりも前方に配置されている。
【0041】
モータケース14の前面の4隅には、前方に向かって突出する4個の突出部92が設けられている。各突出部92の前面には、車体フレーム取付穴93が前後方向に沿って設けられている。即ち、モータケース14には、車体フレーム取付穴93が計4個設けられている。各突出部92は、各車体フレーム取付穴93に挿入されたボルト(図示せず)によって、車体フレーム2の各メインフレーム27の後面に取り付けられている。各車体フレーム取付穴93は、スイングアーム取付穴91よりも前方に配置されている。各車体フレーム取付穴93は、制御装置15の前面と前後方向の位置が略一致している。
【0042】
モータケース14の前部の内部には、冷却液(例えば、水又はオイル)が流れる冷却通路(図示せず)が設けられている。冷却通路は、電動モータ9及び制御装置15と接続されている。
【0043】
(制御装置15)
図7図8を参照して、制御装置15は、例えば、PDU(Power Drive Unit)によって構成されているか、又は、PDU(Power Drive Unit)とECU(Electrical Control Unit)が一体化されたものによって構成されている。制御装置15は、配線(図示せず)を介して電動モータ9に接続されており、電動モータ9を制御している。
【0044】
制御装置15は、モータケース14とバッテリケース24の間に配置されている。制御装置15は、モータケース14の各車体フレーム取付穴93よりも左右方向内側且つ上下方向内側に配置されている。
【0045】
制御装置15の両側面の下部には、左右一対の取付片136が突出している。制御装置15の上部中央、下部中央及び各取付片136は、ボルト(図示せず)によってモータケース14の前面に取り付けられている。
【0046】
(各フートレスト16)
図7図8を参照して、各フートレスト16は、前後方向に延びるブラケット137と、ブラケット137の後端部に取り付けられるステップ138と、を備えている。
【0047】
各フートレスト16のブラケット137は、ベース片139と、ベース片139から前方に向かって延びる上下一対のアーム片140と、を備えている。車両側面視で、各アーム片140は、ピボット軸8の上方と下方を通過している。各アーム片140の前端部は、左右方向内側に向かって曲げられており、制御装置15の左右方向外側に配置されている。各アーム片140の前端部は、ボルト(図示せず)によってモータケース14の前面に取り付けられている。
【0048】
各フートレスト16のステップ138は、ライダーの足を載せる部分である。ステップ138は、ブラケット137のベース片139から左右方向外側に向かって突出しており、モータケース14の左右方向外側に配置されている。
【0049】
(冷却ポンプ17)
図7を参照して、冷却ポンプ17は、例えば、電動式である。冷却ポンプ17は、モータケース14の冷却通路(図示せず)と電動モータ9と制御装置15と熱交換器22とによって構成される循環経路内において冷却液を循環させる。冷却ポンプ17は、ピボット軸8及びモータケース14のスイングアーム取付穴91の下方に配置されている。冷却ポンプ17は、モータケース14の左側面に沿って配置されている。
【0050】
冷却ポンプ17は、ポンプ軸144と、ポンプ軸144の外周に設けられるファン145と、ポンプ軸144及びファン145を収容するポンプケース146と、ポンプケース146から前方に向かって延びる吸込管147と、ポンプケース146から上方に向かって延びる吐出管148と、吐出管148から前方に向かって突出する取付プレート149と、を備えている。
【0051】
冷却ポンプ17のポンプ軸144は、左右方向に沿って延びている。ポンプ軸144は、ピボット軸8よりも後方に配置されている。冷却ポンプ17の吸込管147及び吐出管148は、モータケース14の冷却通路(図示せず)に接続されている。冷却ポンプ17の取付プレート149は、ボルト(図示せず)によってモータケース14の左側面に取り付けられている。
【0052】
(リアサスペンション18及びリンク機構19)
図7を参照して、リアサスペンション18は、電動モータ9の上方且つシートレール21の下方に配置されている。即ち、リアサスペンション18は、電動モータ9とシートレール21の間に配置されている。リアサスペンション18の下端部は、ボルトとナット(いずれも図示せず)によってモータケース14の上面に取り付けられている。
【0053】
リンク機構19は、リンクブラケット151と、リンクブラケット151から下方に延びるリンクアーム152と、を備えている。
【0054】
リンク機構19のリンクブラケット151の前端部は、ボルトとナット(いずれも図示せず)によってリアサスペンション18の上端部に取り付けられている。リンクブラケット151の後端部は、ボルトとナット(いずれも図示せず)によってスイングアーム6のベース部61の上端部に取り付けられている。
【0055】
リンク機構19のリンクアーム152の上端部は、ボルトとナット(いずれも図示せず)によってリンクブラケット151の下部に取り付けられている。リンクアーム152の下端部は、ボルトとナット(いずれも図示せず)によってモータケース14の上面に取り付けられている。
【0056】
(シートレール21及び熱交換器22)
図2図7図8を参照して、シートレール21及び熱交換器22は、モータケース14の上方に配置されている。シートレール21及び熱交換器22は、バッテリケース24の後方且つ後輪7の前方に配置されている。
【0057】
シートレール21の上端部は、カバー5の後端部の下面に接触している。これにより、シートレール21の上端部がカバー5の後端部を介してライダーシート57を支持している。
【0058】
シートレール21の前下部には、左右一対の前側アーム154が設けられている。各前側アーム154の下端部は、ボルト(図示せず)によってモータケース14の上面に取り付けられている。シートレール21の後下部には、略U字状の後側アーム155が設けられている。後側アーム155の下端部は、ボルト(図示せず)によってモータケース14の上面に取り付けられている。
【0059】
熱交換器22は、シートレール21と一体に設けられている。熱交換器22の内部には、冷却液が流れる冷却空間156が設けられており、この冷却空間156を冷却液が通過することで冷却液が冷却される。なお、図8の一点鎖線矢印は、冷却液の流れ方向を示している。以下、冷却空間156の説明において「上流側」又は「下流側」と記載する場合には、冷却液の流れ方向における「上流側」又は「下流側」を示す。
【0060】
冷却空間156は、熱交換器22の左側部に設けられる上流室157と、熱交換器22の右側部に設けられる下流室158と、を有する。上流室157の下端部(上流側の端部)は、モータケース14の冷却通路(図示せず)に接続されている。上流室157の上端部(下流側の端部)と下流室158の上端部(上流側の端部)は、連通口159を介して連通している。下流室158の下端部(下流側の端部)は、モータケース14の冷却通路(図示せず)に接続されている。
【0061】
熱交換器22には、複数の貫通穴163が設けられている。各貫通穴163は、熱交換器22の前面から後面まで延びており、冷却空間156の上流室157と下流室158を貫通している。
【0062】
(各バッテリ23及びバッテリケース24)
図1図2を参照して、各バッテリ23は、略直方体形状を成している。各バッテリ23は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池によって構成されている。各バッテリ23は、バッテリケース24に取り外し可能に収容されている。各バッテリ23は、配線(図示せず)を介して電動モータ9に接続されており、電動モータ9に電力を供給する。
【0063】
図1図2を参照して、バッテリケース24は、車体フレーム2のヘッドパイプ26の後方で、車体フレーム2の各メインフレーム27の間に配置されている。即ち、バッテリケース24は、車体フレーム2の各メインフレーム27の左右方向内側に配置されている。バッテリケース24は、ピボット軸8よりも前方に配置されている。バッテリケース24は、前輪4とモータケース14の間の空間の大部分を占めている。
【0064】
バッテリケース24の上面は、車体フレーム2の各メインフレーム27よりも上方に配置されており、ライダーシート57と略同じ高さに位置している。バッテリケース24の下面は、車体フレーム2の各メインフレーム27よりも下方に配置されており、電動二輪車1の最低地上高と略同じ高さに位置している。バッテリケース24の前面の下部は、前輪4を避けるように円弧状に湾曲している。
【0065】
図2図4を参照して、バッテリケース24の前面の上部には、車体フレーム2の導風通路32の前方通路34からバッテリケース24の内部空間に走行風を導入する前方導入口164が設けられている。バッテリケース24の両側面には、前方導入口164よりも後方且つ下方に、車体フレーム2の導風通路32の各側方通路35からバッテリケース24の内部空間に走行風を導入する左右一対の側方導入口165が設けられている。
【0066】
バッテリケース24の後面の上部には、前方導入口164と略同じ高さに、各導入口164、165から導入された走行風を排出する排出口166が設けられている。排出口166は、熱交換器22の前方に配置されている。
【0067】
(電動二輪車1の走行)
電動二輪車1の走行時には、各バッテリ23から電動モータ9に供給される電力により、電動モータ9のモータ軸65が回転する。このように電動モータ9のモータ軸65が回転すると、この回転が変速ギア(図示せず)を介してドライブスプロケット81に伝達され、ドライブスプロケット81が回転する。このようにドライブスプロケット81が回転すると、この回転がチェーン83を介してドリブンスプロケット82に伝達され、ドリブンスプロケット82と後輪7が一体に回転する。以上のようにして、電動モータ9が後輪7を駆動する。
【0068】
(熱交換器22及び各バッテリ23の冷却)
図2を参照して、電動二輪車1の走行時には、吸気口31から走行風が導入される。吸気口31から導入された走行風は、導風通路32の前方通路34によって後方へと導かれ、フィルタ37を通過する。これにより、水や埃等の異物が走行風から除去される。
【0069】
フィルタ37を通過した走行風の一部は、前方導入口164を介してバッテリケース24の内部空間に導入される。一方で、フィルタ37を通過した走行風の別の一部は、導風通路32の各側方通路35に流れ込み、導風通路32の各側方通路35によって更に後方へと導かれ、各側方導入口165を介してバッテリケース24の内部空間に導入される。
【0070】
バッテリケース24の内部空間に導入された走行風は、バッテリケース24の内部空間を前方から後方に向かって通過することで、各バッテリ23を冷却する。各バッテリ23を冷却した走行風は、排出口166を介してバッテリケース24の後方に排出される。
【0071】
バッテリケース24の後方に排出された走行風の一部は、熱交換器22の前面に当たり、熱交換器22の各貫通穴163を通過して、電動二輪車1の後方に排出される。これにより、熱交換器22が走行風によって冷却される。
【0072】
(効果)
本実施例では、トップブリッジ44は、左右方向に沿って延びる上面部50と、上面部50から吸気口31の左右方向外側を通過して下方に延びる左右一対の側面部51と、を備え、上面部50は、ステアリングシャフト43に固定され、各側面部51は、ロアブリッジ42に固定されている。このような構成を採用することで、ロアブリッジ42から直線的に延びてトップブリッジ44に接続されるフロントフォークを設けることなく、トップブリッジ44とロアブリッジ42を接続することができる。そのため、吸気口31の開口面積を拡大することでヘッドパイプ26の周囲において車体フレーム2が大型化しても、各ハンドル45の切れ角を十分に確保することができる。また、上記のようにフロントフォークが不要となるため、電動二輪車1の前面投影面積及び重量の増大を抑制することができ、電動二輪車1の運動性能を向上させることができる。
【0073】
また、各ハンドル45が取り付けられるトップブリッジ44がステアリングシャフト43とロアブリッジ42の両方に固定されることで、ハンドル操作によって生じるねじりトルクをステアリングシャフト43とロアブリッジ42の両方で受けることができる。そのため、ハンドル操作によって生じるねじりトルクをステアリングシャフト43のみで受ける場合と比較して、ステアリングシャフト43に求められる剛性を低下させることができ、ステアリングシャフト43の大径化を抑制することができる。そのため、ステアリングシャフト43が挿入されるヘッドパイプ26の大径化も抑制することができ、導風通路32の前方通路34の通路面積を確保しやすくなる。
【0074】
更に、上記のようにトップブリッジ44がステアリングシャフト43とロアブリッジ42の両方に固定されることで、トップブリッジ44の強度が向上する。これに伴って、強度との兼ね合いでトップブリッジ44の形状が制約されにくくなり、トップブリッジ44の形状の自由度が向上する。そのため、吸気口31の大きさや形状に合わせてトップブリッジ44の形状を自由に変更することができる。
【0075】
また、トップブリッジ44は、前方に向かって湾曲する左右一対の湾曲部54を有している。このような構成を採用することで、車体フレーム2とトップブリッジ44の距離を十分に取ることができる。そのため、吸気口31の開口面積を拡大することでヘッドパイプ26の周囲において車体フレーム2が大型化しても、車体フレーム2とトップブリッジ44が干渉しにくくなり、各ハンドル45の切れ角を十分に確保することができる。また、トップブリッジ44に各湾曲部54を設けることで、電動二輪車1の走行時の空気抵抗を低減させることが可能となる。
【0076】
また、各ハンドル45は、各湾曲部54の内面に取り付けられている。このような構成を採用することで、各湾曲部54によってライダーの手を保護することができる。
【0077】
また、各湾曲部54の前部は、吸気口31よりも前方に配置され、車両前面視で、各湾曲部54の間に吸気口31が配置されている。このような配置を採用することで、電動二輪車1の走行時における空気抵抗を低減させつつ、吸気口31に走行風をスムーズに導くことができる。
【0078】
また、各側面部51の下端部は、前輪4の上端部よりも下方に位置している。このような配置を採用することで、トップブリッジ44によって電動二輪車1の前面を広範囲にわたって覆うことができる。そのため、電動二輪車1の走行時の空気抵抗を低減させることができると共に、電動二輪車1の外観が向上する。
【0079】
また、導風通路32には、異物を除去するためのフィルタ37が配置されている。このようにフィルタ37を配置することで、水や埃等の異物がバッテリケース24に侵入するのを抑制することができる。
【0080】
また、フィルタ37は、各導入口164、165よりも前側(上流側)に配置されている。このような配置を採用することで、各導入口164、165からの異物の侵入を1個のフィルタ37のみによって防ぐことができる。そのため、各導入口164、165に対応して複数のフィルタ37を配置する場合と比較して、フィルタ37の配置スペースを削減することができ、その分バッテリケース24の配置スペースを増大させることができる。
【0081】
また、導風通路32には、フィルタ37の下側に水抜き孔38が設けられている。このような構成を採用することで、フィルタ37よりも後側(下流側)に水が浸入するのを防止することができる。
【0082】
また、バッテリケース24の前面及び両側面には、導風通路32から走行風を導入する各導入口164、165が設けられている。このような構成を採用することで、各導入口164、165から導入される走行風によってバッテリケース24内の各バッテリ23をムラなく均等に冷却することができ、各バッテリ23の冷却効率が向上する。
【0083】
また、導風通路32は、前方導入口164へと走行風を導く前方通路34と、各側方導入口165へと走行風を導く左右一対の側方通路35と、を有し、各側方通路35は、各メインフレーム27の内面に設けられた凹部36とバッテリケース24の両側面の間に形成されている。このような構成を採用することで、各メインフレーム27の断面形状がコ字状になるため、各メインフレーム27の剛性や強度を保ちつつ、各側方通路35を形成することができる。また、各メインフレーム27の凹部36を利用して各側方通路35を形成することで、車体フレーム2の大型化を抑制することができると共に、車体フレーム2の軽量化を図ることができる。
【0084】
また、熱交換器22には、前面から後面まで延びる複数の貫通穴163が設けられ、バッテリケース24の後面には、各導入口164、165から導入された走行風を排出する排出口166が熱交換器22の前方に設けられている。このような構成を採用することで、排出口166から排出された走行風の一部が熱交換器22の前面に当たり、熱交換器22の各貫通穴163を通過することになる。そのため、走行風によって熱交換器22を効率的に冷却することができ、冷却液に対する熱交換器22の冷却性能を高めることができる。
【0085】
また、トップブリッジ44は、各側面部51とロアブリッジ42を繋ぐ左右一対の接続部52を備え、各接続部52は、吸気口31の下方を通過している。このような構成を採用することで、吸気口31の開口面積を拡大することでヘッドパイプ26の周囲において車体フレーム2が大型化しても、車体フレーム2と各接続部52を干渉させることなく、各接続部52によって各側面部51とロアブリッジ42を繋ぐことができる。
【0086】
(変形例)
本実施例では、各湾曲部54の前部が吸気口31よりも前方に配置されている。一方で、他の異なる実施例では、各湾曲部54の全体が吸気口31よりも前方に配置されていても良い。
【0087】
本実施例では、フィルタ37の下側に水抜き孔38が設けられている。一方で、他の異なる実施例では、フィルタ37よりも前側(上流側)に水抜き孔38が設けられていても良い。
【0088】
本実施例では、バッテリケース24の上面は、ライダーシート57と略同じ高さに位置している。一方で、他の異なる実施例では、バッテリケース24の上面を本実施例よりも一段低くしてバッテリケース24の上面とカバー5の下面の間に大きな隙間を形成し、この隙間を走行風が通過するようにしても良い。
【0089】
本実施例では、電動二輪車1に本発明の構成を適用している。一方で、他の異なる実施例では、電動三輪車や電動不整地走行車等の電動二輪車1以外の電動鞍乗型車両に本発明の構成を適用しても良い。
【0090】
本実施例では、電動モータ9を駆動源とする電動鞍乗型車両に本発明の構成を適用している。一方で、他の異なる実施例では、ガソリンエンジンを駆動源とする鞍乗型車両に本発明の構成を適用しても良い。この場合、吸気口31や導風通路32は、ガソリンエンジンの吸気のために用いることができる。
【符号の説明】
【0091】
1 電動二輪車(鞍乗型車両の一例)
2 車体フレーム
3 ステアリング機構
4 前輪
22 熱交換器
23 バッテリ
24 バッテリケース
26 ヘッドパイプ
27 メインフレーム
31 吸気口
32 導風通路
34 前方通路
35 側方通路
36 凹部
37 フィルタ
38 水抜き孔
41 チューブ
42 ロアブリッジ
43 ステアリングシャフト
44 トップブリッジ
45 ハンドル
50 上面部
51 側面部
52 接続部
54 湾曲部
163 貫通穴
164 前方導入口
165 側方導入口
166 排出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8