(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】ホールプラグ
(51)【国際特許分類】
B60J 5/00 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
B60J5/00 501E
B60J5/00 E
(21)【出願番号】P 2019053150
(22)【出願日】2019-03-20
【審査請求日】2020-12-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】壁谷 聖
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 剛裕
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3215198(JP,U)
【文献】特開2002-264651(JP,A)
【文献】特開2018-141526(JP,A)
【文献】特開2014-211224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアに形成された貫通孔へ挿入されて係止される脚部と、
前記脚部の挿入方向と反対側の端部に設けられ、少なくとも表層部が蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成され、前記貫通孔及び前記貫通孔の周辺部を覆うカバー部と、
を有し
、
前記カバー部は、全体が蛍光材又は蓄光材を含有した前記樹脂材料で形成され、
前記脚部は、前記カバー部と同じ前記樹脂材料で前記カバー部と一体に形成されている、ホールプラグ。
【請求項2】
前記カバー部の前記表層部には、光反射部が形成されている、請求項1に記載のホールプラグ。
【請求項3】
前記光反射部は、前記表層部に形成された凹部及び凸部の少なくとも一方である、請求項2に記載のホールプラグ。
【請求項4】
前記凹部は、前記挿入方向に沿った断面で見て、円弧状に湾曲する曲面部を有する、請求項3に記載のホールプラグ。
【請求項5】
前記凸部は、前記挿入方向に沿った断面で見て、円弧状に湾曲する曲面部を有する、請求項3に記載のホールプラグ。
【請求項6】
前記光反射部は、前記カバー部の中央を中心とした同一円周上に間隔をあけて複数形成されている、請求項2~5のいずれか1項に記載のホールプラグ。
【請求項7】
前記光反射部は、前記カバー部の中央に形成されている、請求項6に記載のホールプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアに用いられるホールプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両用ドアに貼り付けられる反射シールについて開示されている。この反射シールを車両用ドアに貼り付けることで、夜間における車両用ドアの開放状態を後方の車両から視認しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、反射シールを車両用ドアの下側で位置を合わせつつ、貼り付ける必要があるため、貼り付け作業が難しい。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両用ドアへの取り付けが容易で、夜間における視認性に優れるホールプラグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のホールプラグは、車両用ドアに形成された貫通孔へ挿入されて係止される脚部と、前記脚部の挿入方向と反対側の端部に設けられ、少なくとも表層部が蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成され、前記貫通孔及び前記貫通孔の周辺部を覆うカバー部と、を有している。
【0007】
第1態様のホールプラグは、車両用ドアの貫通孔に脚部を挿入して係止させる簡単な作業で車両用ドアに取り付けられる。すなわち、上記ホールプラグによれば、車両用ドアへの取り付けが容易になる。
【0008】
また、上記ホールプラグでは、脚部の挿入方向と反対側の端部に設けられたカバー部の少なくとも表層部を蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成していることから、夜間において表層部が発光する。このため、上記ホールプラグは、例えば、カバー部の少なくとも表層部を蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成しない構成と比べて、夜間における視認性に優れる。
【0009】
そして、車両用ドアへの取り付けが容易で、夜間における視認性に優れるホールプラグを車両用ドアへ取り付けることで、夜間における車両用ドアの開放状態を後方の車両から視認しやすくなる。
【0010】
第2態様のホールプラグは、第1態様のホールプラグにおいて、前記カバー部の前記表層部には、光反射部が形成されている。
【0011】
第2態様のホールプラグでは、カバー部の表層部に形成された光反射部で光が反射されるため、例えば、カバー部の表層部に光反射部が形成されていない構成と比べて、夜間における視認性が向上する。
【0012】
第3態様のホールプラグは、第2態様のホールプラグにおいて、前記光反射部は、前記表層部に形成された凹部及び凸部の少なくとも一方である。
【0013】
第3態様のホールプラグでは、表層部に形成された凹部及び凸部の少なくとも一方が光反射部とされている。ここで、上記ホールプラグでは、凹部の凹壁、凸部の凸壁に当たった光が入射方向と逆向きではなく、角度を付けて反射されるため、例えば、入射方向と逆向きに反射される構成と比べて、夜間における視認性が向上する。
【0014】
第4態様のホールプラグは、第3態様のホールプラグにおいて、前記凹部は、前記挿入方向に沿った断面で見て、円弧状に湾曲する曲面部を有する。
【0015】
第4態様のホールプラグでは、脚部の挿入方向に沿った断面で見て、凹部が円弧状に湾曲する曲面部を有していることから、光の入射方向に対する反射方向を制御しやすい。
【0016】
第5態様のホールプラグは、第3態様のホールプラグにおいて、前記凸部は、前記挿入方向に沿った断面で見て、円弧状に湾曲する曲面部を有する。
【0017】
第5態様のホールプラグでは、脚部の挿入方向に沿った断面で見て、凸部が円弧状に湾曲する曲面部を有していることから、光の入射方向に対する反射方向を制御しやすい。
【0018】
第6態様のホールプラグは、第2態様~第5態様のいずれか一態様のホールプラグにおいて、前記光反射部は、前記カバー部の中央を中心とした同一円周上に間隔をあけて複数形成されている。
【0019】
第6態様のホールプラグでは、光反射部を、カバー部の中央を中心とした同一円周上に間隔をあけて複数形成していることから、例えば、同一円周上に複数形成しない構成と比べて、夜間における視認性が向上する。
【0020】
第7態様のホールプラグは、第1態様~第6態様のいずれか一態様のホールプラグにおいて、前記カバー部は、全体が蛍光材又は蓄光材を含有した前記樹脂材料で形成され、前記脚部は、前記カバー部と同じ前記樹脂材料で前記カバー部と一体に形成されている。
【0021】
第7態様のホールプラグでは、カバー部の全体を蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成し、脚部をカバー部と同じ樹脂材料でカバー部と一体に形成していることから、ホールプラグを製造する際の製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、車両用ドアへの取り付けが容易で、夜間における視認性に優れるホールプラグを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係るホールプラグを斜め上方から見た斜視図である。
【
図2】
図1に示されるホールプラグの上面図である。
【
図3A】
図2に示されるホールプラグの3-3線断面図である。
【
図3B】
図3Aに示されるホールプラグを貫通孔に挿入した状態を示す断面図(
図3Aに対応する断面図)である。
【
図4】
図3Bの矢印4で示される部分の拡大図である。
【
図5】ホールプラグを車両用ドアに取り付けた状態を示す図である。
【
図6】本発明のその他の実施形態に係るホールプラグの光反射部である凹部の断面図(
図4に対応する断面図)である。
【
図7】本発明のその他の実施形態に係るホールプラグの光反射部である凸部の断面図(
図4に対応する断面図)である。
【
図8】本発明のその他の実施形態に係るホールプラグの光反射部である凸部の断面図(
図4に対応する断面図)である。
【
図9】本発明のその他の実施形態に係るホールプラグの光反射部である凸部及び凹部の断面図(
図4に対応する断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の一実施形態に係るホールプラグ20を
図1~
図5を用いて説明する。
本実施形態のホールプラグ20は、車両用ドア(サイドドア)50に形成された内部作業用の貫通孔52を塞ぐための栓部材である。具体的には、車両用ドア50の車室内側を構成するドアインナパネル54の車両後方側端部54Aに形成された貫通孔52を塞ぐようになっている。
なお、
図1~
図5の一部の図面に示す矢印Xはホールプラグ20の軸方向の一方、ここでは、挿入方向(以下、適宜「プラグ挿入方向」と記載する。)を示し、矢印Yはホールプラグ20の径方向(以下、適宜「プラグ径方向」と記載する。)を示し、矢印Zはホールプラグ20の周方向(以下、適宜「プラグ周方向」と記載する。)を示している。また、符号CLは、ホールプラグ20の中心軸を示している。なお、プラグ径方向内側とは、プラグ径方向に沿って中心軸CLに近い側を指しており、プラグ径方向外側とは、プラグ径方向に沿って中心軸CLから遠い側を指している。
【0025】
図1~
図3A及び
図3Bに示されるように、ホールプラグ20は、脚部22と、カバー部24と、を備えている。なお、本実施形態のホールプラグ20は、弾性変形可能な樹脂で形成された樹脂の一体成型品である。
【0026】
(脚部)
図3Bに示されるように、脚部22は、車両用ドア50に形成された貫通孔52へ挿入されて、貫通孔52(ドアインナパネル54の貫通孔52を形成する部分)に係止されるようになっている。
具体的には、脚部22は、円筒状の外周壁部26と、外周壁部26の内側に外周壁部26と同心円状に配置された円筒状の内周壁部28と、外周壁部26のプラグ挿入方向側の端部と内周壁部28のプラグ挿入方向側の端部とをつなぐ連結壁部30と、を備えている。
なお、本実施形態でいう「円筒状」には、断面形状が真円及び楕円のものが含まれる。
【0027】
また、脚部22には、係止部としての爪部32が形成されている。この爪部32は、外周壁部26の外周面にプラグ円周方向に間隔をあけて複数形成されている。また爪部32は、脚部22をドアインナパネル54の貫通孔52に挿入する際には貫通孔52の縁部52Aに当接して弾性変形するため、脚部22を容易に貫通孔52へ挿入できる。一方、脚部22に引き抜き方向の力が作用した場合、貫通孔52の縁部52Bに爪部32が引っ掛かるため、貫通孔52からの脚部22の抜け去りが抑制される。
【0028】
(カバー部)
図1、
図3A及び
図3Bに示されるように、カバー部24は、脚部22の挿入方向と反対側の端部に設けられている。カバー部24は、脚部22をドアインナパネル54の貫通孔52に挿入することで、貫通孔52及びドアインナパネル54の貫通孔52の周辺部を覆うようになっている。
具体的には、カバー部24は、内周壁部28のプラグ挿入方向と反対側の端部に架け渡されて、内周壁部28の内側を閉塞する閉塞部34と、外周壁部26のプラグ挿入方向と反対側の端部からプラグ径方向外側へ張り出す円環状のフランジ部36とを備えている。なお、フランジ部36の外径は、貫通孔52の孔径よりも大径とされている。
【0029】
ここで、ホールプラグ20の脚部22をドアインナパネル54の貫通孔52に挿入し、爪部32を貫通孔52の縁部52Bに引っ掛けた状態では、閉塞部34とフランジ部36とによってドアインナパネル54の貫通孔52及びこの貫通孔52の周辺部が覆われる(
図3B参照)。
【0030】
図4に示されるように、カバー部24は、少なくとも表層部24Aが蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成されている。なお、本実施形態では、カバー部24の全体が蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成されている。また、脚部22もカバー部24と同じ樹脂材料で形成されている。そして、脚部22とカバー部24とが一体に形成されている。
【0031】
また、
図1、
図3A及び
図3Bに示されるように、カバー部24の表層部24Aには、光反射部38としての凹部40が形成されている。具体的には、凹部40は、閉塞部34の表層部34Aに形成されている。この凹部40は、プラグ挿入方向に沿った断面で見て、円弧状に湾曲する曲面部40Aを有している(
図4参照)。具体的には、凹部40は、半円状の窪みとされており、凹壁及び凹底に当たる部分の曲率半径が同一とされている。なお、本発明はこの構成に限定されない。例えば、凹部40を構成する凹壁と凹底とで曲率半径を異ならせてもよい。
【0032】
図2に示されるように、凹部40は、カバー部24(閉塞部34)の中央、すなわち、中心軸CLを中心とした同一円周上に間隔(本実施系形態では、一定間隔)をあけて複数形成されている。また、本実施形態では、凹部40は、カバー部24(閉塞部34)の中央、すなわち、中心軸CL上にも形成されている。
【0033】
次に、本実施形態のホールプラグ20の作用効果について説明する。
ホールプラグ20では、カバー部24の閉塞部34を押しながら、脚部22を貫通孔52に挿入していくと、復元した爪部32が貫通孔52の縁部52Bに引っ掛かり、ホールプラグ20がドアインナパネル54の貫通孔52に係止される。このようにしてホールプラグ20がドアインナパネル54に取り付けられると、ホールプラグ20によって、ドアインナパネル54の貫通孔52が目隠し及び止水される。
【0034】
ここで、ホールプラグ20は、車両用ドア50の貫通孔52に脚部22を挿入して爪部32を縁部52Bに引っ掛ける(係止させる)簡単な作業で車両用ドアに取り付けられるため、車両用ドア50への取り付けが容易になる。
【0035】
また、ホールプラグ20では、カバー部24の少なくとも表層部24Aを蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成していることから、夜間において表層部24Aが発光する。このため、ホールプラグ20は、例えば、カバー部24の表層部24Aを蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成しない構成と比べて、夜間における視認性に優れる。なお、蛍光材を含有した樹脂材料で表層部24Aを形成した場合には、光の反射により表層部24Aが発光する。一方、蓄光材を含有した樹脂材料で表層部24Aを形成した場合には、蓄えられた光によって表層部24Aが発光する。
【0036】
上記のようなホールプラグ20を車両用ドア50へ取り付けることで、夜間における車両用ドア50の開放状態を後方の車両から視認しやすくなる。なお、ここでいう後方の車両には、自動車、自動二輪車、原動機付き自転車、自転車等を含む。
【0037】
また、ホールプラグ20では、カバー部24の表層部24Aに形成された光反射部38で光が反射されるため、例えば、カバー部24の表層部24Aに光反射部38が形成されていない構成と比べて、夜間における視認性が向上する。
【0038】
またさらに、ホールプラグ20では、光反射部38として表層部24Aに形成された凹部40を用いている。ここで、凹部40の曲面部40Aに当たった光Lが入射方向と逆向きではなく、角度を付けて反射されるため、例えば、入射方向と逆向きに反射される構成と比べて、夜間における視認性が向上する。すなわち、一方向から入射された光が様々な方向へ反射されるため、夜間における視認性が向上する。また、プラグ挿入方向に沿った断面で見て、凹部40は、円弧状に湾曲する曲面部40Aを有しているため、曲面部40Aの曲率半径(曲率)を調整することで、光Lの入射方向に対する反射方向を制御しやすい。
【0039】
さらに、ホールプラグ20では、光反射部38を、カバー部24の中央、すなわち、中心軸CLを中心とした同一円周上に間隔をあけて複数形成していることから、例えば、同一円周上に複数形成しない構成と比べて、夜間における視認性が向上する。
【0040】
そしてホールプラグ20では、カバー部24の全体を蛍光材又は蓄光材を含有した樹脂材料で形成し、脚部22をカバー部24と同じ樹脂材料でカバー部24と一体に形成していることから、ホールプラグ20を製造する際の製造コストを低減することができる。
【0041】
(その他の実施形態)
前述の実施形態では、
図3に示されるように、凹部40がプラグ挿入方向に沿った断面で見て、円弧状に湾曲する曲面部40Aを有しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、
図6に示されるホールプラグ60のように、光反射部62としての凹部64がプラグ挿入方向に沿った断面で見て、プラグ挿入方向に対して傾斜する一対の凹壁66と、プラグ挿入方向に対して交差する方向(本実施形態では直交する方向)に延びる凹底68とを備える構成としてもよい。上記ホールプラグ60は、ホールプラグ20と同様に、車両用ドア50への取り付けが容易で、夜間における視認性に優れる、という効果を奏することができる。なお、凹部をプラグ挿入方向で見てV字状に形成してもよい。
【0042】
また前述の実施形態では、閉塞部34に光反射部38として凹部40を形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、
図7に示されるホールプラグ70のように、光反射部72として、凸部74を形成してもよい。この凸部74は、閉塞部34の表層部34Aに形成されている。この凸部74は、プラグ挿入方向に沿った断面で見て、円弧状に湾曲する曲面部74Aを有している。具体的には、凸部74は、半円状の突起とされており、凸壁及び頂部に当たる部分の曲率半径が同一とされている。上記ホールプラグ70は、ホールプラグ20と同様に、車両用ドア50への取り付けが容易で、夜間における視認性に優れる、という効果を奏することができる。特に、凸部74の曲面部74Aに当たった光Lが入射方向と逆向きではなく、角度を付けて反射されるため、例えば、入射方向と逆向きに反射される構成と比べて、夜間における視認性が向上する。そして、プラグ挿入方向に沿った断面で見て、凸部74は、円弧状に湾曲する曲面部74Aを有しているため、光Lの入射方向に対する反射方向を制御しやすい。
なお、凸部74は、例えば、凸部74を構成する凸壁と頂部とで曲率半径を異ならせてもよい。
さらに、例えば、
図8に示されるホールプラグ80のように、光反射部82として、凸部84を形成してもよい。この凸部84は、プラグ挿入方向に沿った断面で見て、プラグ挿入方向に対して傾斜する一対の凸壁88と、プラグ挿入方向に対して交差する方向(本実施形態では直交する方向)に延びる頂部86とを備える構成としてもよい。上記ホールプラグ80は、ホールプラグ20と同様に、車両用ドア50への取り付けが容易で、夜間における視認性に優れる、という効果を奏することができる。なお、凸部をプラグ挿入方向で見て逆V字状に形成してもよい。
【0043】
前述の実施形態では、閉塞部34に光反射部38として凹部40を形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、
図9に示されるホールプラグ90のように、光反射部92として、前述の凹部40及び凸部74を形成してもよい。このようにホールプラグ90の閉塞部34に凹部40及び凸部74を形成することで、ホールプラグ90が、ホールプラグ20と同様に、車両用ドア50への取り付けが容易で、夜間における視認性に優れる、という効果を奏することができる。
【0044】
また、前述の実施形態では、光反射部38、62、72、82、92を閉塞部に形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。フランジ部36の表層部36Aに光反射部を形成してもよい。このようにフランジ部36の表層部36Aにも光反射部を形成することで、ホールプラグ90の夜間における視認性が更に向上する。
【0045】
本実施形態では、脚部22とカバー部24を同じ樹脂材料で形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、脚部22とカバー部24を別々の樹脂材料で形成してもよい。また、カバー部24の表層部24Aとそれ以外の他部分を形成する樹脂材料を異ならせ、カバー部24の上記他部分と脚部22を同じ樹脂材料で形成してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、車両用ドア(サイドドア)50の貫通孔52にホールプラグ20を取り付けているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、車両のバックドアに形成された貫通孔にホールプラグ20を取り付けてもよい。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
20 ホールプラグ
22 脚部
24 カバー部
24A 表層部
38 光反射部
40 凹部
40A 曲面部
50 車両用ドア
52 貫通孔
60 ホールプラグ
62 凹部
70 ホールプラグ
72 光反射部
74 凸部
74A 曲面部
80 ホールプラグ
82 光反射部
84 凸部
90 ホールプラグ
92 光反射部