(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】ロッド状要素を製造するたばこ産業機械において一続きの繊維バンド内に一続きのストリップを供給する供給装置、およびロッド状要素を製造する機械
(51)【国際特許分類】
A24D 3/02 20060101AFI20220830BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
A24D3/02
A24D3/04
(21)【出願番号】P 2019525751
(86)(22)【出願日】2017-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2017079239
(87)【国際公開番号】W WO2018091483
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-11-11
(32)【優先日】2016-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(73)【特許権者】
【識別番号】516033503
【氏名又は名称】インターナショナル タバコ マシーナリー ポーランド スポルカ ジー オグラニクゾナ オドパウイエドジアルノシア
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シースリコウスキ、ボルトシュ
(72)【発明者】
【氏名】リソウスキ、アンジェイ
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/197674(WO,A1)
【文献】米国特許第03518999(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/02
A24D 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド状要素を製造するたばこ産業機械において一続きの繊維バンド内に一続きのストリップを供給する供給装置であって、前記繊維バンドは、前記一続きの繊維バンドに囲まれた前記一続きのストリップを備える一続きのロッドの形態に形成され、前記供給装置は、
前記一続きのストリップを供給するためのストリップ提供部と、
前記一続きの繊維バンドの中央部に
、前記ストリップ提供部から供給された前記一続きのストリップを供給するストリップ供給部と
を備え、
前記供給装置は、前記ストリップ供給部が、前記ロッド状要素を製造する前記たばこ産業機械内において、前記一続きのロッドを形成するための繊維バンド準備部とガニチャ部の間に配置されるように構成され、
前記供給装置は、
前記一続きのストリップを誘導する
第1の円筒状の誘導面を含む円周面を有する供給ホイール
であって、前記一続きの繊維バンドの移動速度に対応する周速で回転する供給ホイールと、
第1のサイド誘導面および第2のサイド誘導面であって、前記第1の円筒状の誘導面は、前記第1のサイド誘導面と前記第2のサイド誘導面との間に配置され、前記第1のサイド誘導面、前記第2のサイド誘導面、および前記第1の円筒状の誘導面は、前記一続きのストリップを誘導するためのダクトを形成する、第1のサイド誘導面および第2のサイド誘導面と、
回転式の前記
第1の円筒状の誘導面に
対向して配置されている少なくとも1つの回転ローラの形態の
第2の円筒状の誘導面
であって、前記回転ローラは前記第1の円筒状の誘導面に対して前記ストリップを押圧する、第2の円筒状の誘導面とをさらに備える
供給装置。
【請求項2】
前記
第1のサイド誘導面
および前記第2のサイド誘導面は、
回転式の前記
第1の円筒状の誘導面に位置している
第1の静止サイド誘導面
および第2の静止サイド誘導面の形態を有する
請求項
1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記
第1の静止サイド誘導面
および前記第2の静止サイド誘導面は、前記供給ホイールの回転軸に対して垂直である
請求項
2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記第1の円筒状の誘導面、前記
第1の静止サイド誘導面
および前記第2の静止サイド誘導面は台形状の断面を形成する、
請求項
2に記載の供給装置。
【請求項5】
前記供給ホイールは、
前記第1のサイド誘導面および前記第2のサイド誘導面と一体的に構成される、
請求項
1に記載の供給装置。
【請求項6】
前記
第1の円筒状の誘導面に対して平行に配置された、円筒の一部の形態をした
第3の静止
サイド誘導面を備える
請求項
1から
5のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項7】
ロッド状要素を製造するための機械であって、前記機械は、
一続きの繊維バンドを供給する繊維バンド提供部と、
前記繊維バンドを準備する繊維バンド準備部と、
一続きのストリップを供給する供給装置と、
包装体を供給する包装体供給部と、
一続きのロッドを形成するガニチャ部であって、前記一続きのロッドは、前記繊維バンドおよび前記一続きのストリップを含み、前記包装体に包まれている、ガニチャ部と、
前記一続きのロッドを前記ロッド状要素に切断する切断ヘッドと、
を備え、
前記供給装置は、請求項1から
6のいずれか1項に記載の供給装置である
機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッド状要素を製造するたばこ産業機械における一続きの繊維バンドに一続きのストリップを供給する供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ産業工場は、他のシガレットのうちから特に様々な種類の喫煙製品を製造する。シガレットは通常、たばこの煙をフィルタリングし有害物質を除去するフィルタを含む。通常、アセテート繊維がフィルタリング材料として使用される。アセテート繊維は通常、一続きのバンドの形態で供給される。最近は、シガレットはマルチセグメントフィルタを有することが多い。マルチセグメントフィルタは、たばこの煙のフィルタリングするための異なる種類のロッド状セグメントならびに他の機能を提供するセグメントを含んでよい。例えば、芳香セグメントが提供されてよい。芳香セグメントは、通常はセグメントの中央部分に配置されている香りカプセル、香りスレッドやストリップを有する。スレッドまたはストリップは、フィルタの表面において見えるため、装飾の機能も提供してよい。他のセグメントは、たばこの煙の流れを移動させるために使用できる。他のセグメントは、流路を形成する縦長で、空洞のストリップを含んでよい。そのため、製造者は一続きの繊維バンドに一続きのストリップを供給するための装置を必要とする。
【0003】
米国特許第7074170号および米国特許第7691043号は、芳香物質で満たした一続きのストリップを一続きのフィルタリング材料内に供給してフィルタロッドを形成し、切断して個々のフィルダロッドにする装置を開示する。
【0004】
従来技術から既知のフィルタロッド要素を製造するための機械は、通常は、供給された一続きの材料の均一な配置を保証しない供給部と共に提供される。本発明は、ロッド状要素を製造する機械において使用するための一続きのストリップを供給する改善された装置の提供を目的とする。従来技術は、一続きの繊維バンドに一続きのストリップを挿入するように特に構成された装置は含まない。
【発明の概要】
【0005】
ロッド状要素を製造するためのたばこ産業機械において、一続きの繊維バンドに一続きのストリップを供給するための供給装置を開示する。繊維バンドは、一続きの繊維バンドに囲まれた一続きのストリップを含む一続きのロッドの形態で形成され、供給装置は、一続きのストリップを供給するストリップ提供部、一続きの繊維バンドの中央部に一続きのストリップを供給するためのストリップ供給部を含み、供給装置は、ストリップ供給部を一続きのロッドを形成するために繊維バンド準備部とガニチャ部の間のロッド状要素を製造するための機械内に配置するように構成される。供給装置は、一続きのストリップを誘導するための円筒状誘導面を含む円周面を有する供給ホイールと、誘導面とをさらに含み、誘導面および円筒状誘導面は一続きのストリップを誘導するためのダクトを形成する。
【0006】
誘導面は、回転式円筒状誘導面に位置付けられた静止サイド誘導面の状態を有してよい。
【0007】
静止サイド誘導面は、供給ホイールの回転軸に対して垂直であってよい。
【0008】
静止サイド誘導面は、円錐状であってよい。
【0009】
供給ホイールの円周面は、一続きのストリップを誘導するように構成された円周方向溝を有してよく、円周方向溝は円筒状誘導面およびサイド誘導面を含む。
【0010】
装置は、回転式円筒状誘導面に配置された少なくとも1つの回転ローラの形態でサイド誘導面を含んでよい。
【0011】
装置は、円筒状誘導面に対して平行に配置された円筒の一部の形態で、静止誘導面を含んでよい。
【0012】
ロッド状要素の製造する機械がさらに開示されている。当該機械は、一続きの繊維バンドを供給する繊維バンド提供部、繊維バンドを準備する繊維バンド準備部と、一続きのストリップを供給する供給装置と、包装体を供給する包装体供給部、一続きのロッドを形成するガニチャ部であって、当該一続きのロッドは繊維バンドおよび一続きのストリップを含み、且つ包装体で包まれた、上記ガニチャ部と、一続きのロッドをロッド状要素に切断する切断ヘッドとを含み、供給装置は本明細書に記載の供給装置である。
【0013】
本発明に係る装置は、滑ることなく一続きの繊維バンド内に一続きのストリップを配置することができ、ストリップは、繊維バンド内に共時的に、すなわち、繊維バンドの移動速度で供給される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
システムは、図面における例示的な実施形態を用いて示される。
【0015】
【0016】
【
図2】第1の実施形態における、本発明に係る供給装置を示す。
【0017】
【
図3】
図2に示される供給装置の供給ホイールおよびストリップガイドの断面を示す。
【0018】
【
図4】ストリップが繊維バンド内に配置された時点における
図2に示された供給装置の供給ホイールの断面を示す。
【0019】
【
図5】第2の実施形態における、本発明に係る供給装置を示す。
【0020】
【
図6】
図5に示される供給装置の供給ホイールおよびストリップ誘導部の断面を示す。
【0021】
【
図7】第3の実施形態における本発明に係る供給装置を示す。
【0022】
【
図8】
図7に示される供給装置の供給ホイールおよびストリップ誘導部の断面を示す。
【0023】
【
図9】第4の実施形態における本発明に係る供給装置示す。
【0024】
【
図10】
図9に示される供給装置の供給ホイールおよびストリップ誘導部の断面を示す。
【0025】
【0026】
図1は、フィルタロッドRの製造のための機械1を概略的に示す。フィルタリング材料の繊維、例えば、フィルタリング材料2を形成するバンド状のアセテート繊維は、ベール3の形態でコンテナから繊維バンド提供部17により供給されてよい。フィルタリング材料の繊維は、ベール3内で圧縮されてよい。フィルタリング材料バンド2の繊維は、フィルタリング材料バンドを準備する繊維バンド準備部4の圧縮された空気および円筒を用いて伸ばされ、緩められる。伸ばすことと緩めることの結果として、フィルタリングバンド2の繊維は、互いから引き離され、間により多くの空気を含んでよい。準備部4において、繊維は軟化液(例えば、トリアセチン)に浸漬されてよい。フィルタロッドRを製造する機械1は、準備部4からフィルタリング材料2のバンドが通過する漏斗状の挿入要素5を有し、準備部4からフィルタリング材料2のバンドが挿入要素5を通過する間、繊維は最初に圧縮される。挿入要素5は、フィルタリング材料バンド2の繊維の間から余分の空気の排出を促進する開口を有してよい。挿入要素5の後は、フィルタリング材料バンド2を誘導する誘導要素6が続き、バンドが初めて形成される。誘導要素6は、ストリップ供給部11により一続きのストリップ9を供給するために供給装置8の供給ホイール7と連携するように構成され、一続きのストリップ9はストリップ提供部10から供給される。
【0027】
フィルタリング材料バンド2の方向における供給装置8の後は、バンド2を巻いて包装体14にするために、接着剤供給部12および形成部13が続く。ガニチャ部15の構成要素である接着剤供給部12および形成部13は、包装体14を誘導するためのガイドを有する。包装体14は、包装体供給部18により供給される。機械1は、一続きのフィルタロッドCRを個々のフィルダロッドRに切断するための回転切断ヘッド16をさらに含む。
【0028】
一続きのストリップ9は、高さより幅が大きい断面を有する材料である。幅は高さより少なくとも2倍であることが好ましい。ストリップ9は、長方形、角部が丸みを持つ長方形または楕円の形態の断面を有してよい。
【0029】
図2は、一続きのストリップ9を供給するための供給装置8の第1実施形態の拡大図を示す。一続きのストリップ9は、ストリップ提供部10から供給される。ストリップは、リールから提供されてよく、任意の種類のストリップ供給部から供給されてよい。供給装置8は、回転軸Xを有する供給ホイール7を含む。供給ホイール7の円周面20は、一続きのストリップ9を誘導するための円筒状誘導面20Aを有する。一続きのストリップ9は別の方法で誘導されてよい。装置8は、
図3の拡大図におけるA-A断面に示される2つの静止誘導部21、22を含む。円筒状誘導面20Aにおける静止誘導部21、22の表面21A、22Aは、ストリップ9の誘導のため、および円筒状誘導面20Aからストリップがずれることを防ぐために使用される。誘導面21A、22Aは、供給ホイール7の回転軸Xに対してほぼ垂直である。断面B-B(
図4)は、フィルタリング材料バンド2内に配置されているストリップ9を示す。さらに、ガニチャベルト19の上で一続きのフィルタリング材料2が包装体14と共に移動している間に、一続きのストリップ9はフィルタリング材料2に包まれる。その実施形態において、一続きのストリップ9は円筒状誘導面20Aの半分に沿って供給ホイール7に接触する(取り囲む)。大きい接触角は、滑ることなく、すなわち、バンド2の移動速度に対応する供給ホイール7の周速で一続きのストリップを供給できるようにする。
【0030】
図5は、供給装置8'の第2の実施形態を示し、
図5では一続きのストリップ9を供給する提供部が見えない。供給装置8'は、
図6の断面C-Cに示される誘導面31A、32Aを有する2つの静止面誘導部31、32を含み、誘導面31A、32Aは円錐形状を持ち、ストリップ9の縁部に対する誘導面31A、32Aの限定的な動きでストリップを誘導面20Aの上に保持することを助ける。供給装置8'は、円筒の一部である、誘導面23Aを有する静止誘導部23を含む。静止誘導部23は、誘導面20Aに対してストリップ9を押圧する。静止誘導部23は、サイド誘導面31A、32Aの長さの少なくとも一部に沿って、好ましくは全長に沿って配置される。
【0031】
図7に示される第3の実施形態において、供給装置8''は、
図8において断面D‐Dに示される誘導面41A、42Aを有する2つの静止面誘導部41、42を含む。供給装置8''は、一続きのストリップ9用の誘導面を形成し、誘導面20Aに対してストリップ9を押圧する円筒状側面24Aを有する回転ローラ24を含む。誘導面41A、42Aはローラ24を設置するための凹部25を有してよい。
【0032】
図9に示される第4の実施形態においては、供給装置8'''は、
図10の断面E-Eに示されるように、円周面20に溝51を有する供給ホイール7'を含む。溝は、円筒状誘導面20Aと、リム51、52で形成された2つのサイド誘導面51A、52Aを有する。
【0033】
図11は、刻みたばこでロッド状要素を製造するための機械を示す。たばこ材料は、繊維バンド提供部17'により供給される。たばこ材料の一続きのバンドは包装体14に供給され、一続きのストリップ9をたばこ材料のバンド内に供給する供給装置8の作業領域を通過する。
【0034】
上記に記載された実施形態の特徴のうち1つ以上を互いに組み合わせたものを含む更なる実施形態が可能である。